JP3087539B2 - 能動型サスペンション - Google Patents

能動型サスペンション

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JP3087539B2
JP3087539B2 JP05272548A JP27254893A JP3087539B2 JP 3087539 B2 JP3087539 B2 JP 3087539B2 JP 05272548 A JP05272548 A JP 05272548A JP 27254893 A JP27254893 A JP 27254893A JP 3087539 B2 JP3087539 B2 JP 3087539B2
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2400/00Indexing codes relating to detected, measured or calculated conditions or factors
    • B60G2400/10Acceleration; Deceleration
    • B60G2400/104Acceleration; Deceleration lateral or transversal with regard to vehicle
    • B60G2400/1042Acceleration; Deceleration lateral or transversal with regard to vehicle using at least two sensors

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、能動型サスペンション
に関し、特に、車両の横方向に発生する横加速度を検出
し、この検出値に基づきアキュムレータを連結した流体
アクチュエータを制御して車体のロールを抑制制御する
能動型サスペンションに関する。
【0002】
【従来の技術】旋回時における車体ロールを抑制する能
動型サスペンションの先行技術として、本出願人が先に
提案した特願平5−190417号公報に記載されてい
るものがある。この先行技術は、車体側部材と車輪側部
材との間に各輪別に介装された流体シリンダおよびバネ
と、この各流体シリンダを指令値に応じて個別に制御す
る制御弁と、車体の横方向の加速度を検出又は推定する
横加速度検出又は推定手段と、この横加速度検出又は推
定手段の横加速度検出又は推定値に基づいて前記各制御
弁に与える指令値を前記制御弁に各々出力する指令値出
力手段とを備えた能動型サスペンションにおいて、前記
指令値演算手段が、車体ロールの戻り時に、ロールによ
る前記バネの変形分を当該指令値に対して補正するバネ
変形補正手段を有する構成を有し、これによって流体シ
リンダの制御圧がこれに流体圧を供給する流体圧供給源
の出力圧に制限されて車体にロールが生じてバネにエネ
ルギが蓄積されたときに、そのロール戻り時にバネに蓄
積されたエネルギの急な解放を抑制して乗員に安定した
ロール感覚を与えるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記能
動型サスペンションにあっては、車体がロール状態から
復元するときに、バネに蓄積されたエネルギの急激な解
放を抑制して安定したロール感覚を得ることができる
が、このためには制御系の応答性を十分高める必要があ
り、例えば本出願人が先に提案した特開平2−3701
4号公報に示す2つの横加速度センサを使用して実際に
発生する横加速度よりも位相の進んだヨーレート信号成
分を使用して応答性を確保することが考えられている。
【0004】ところで、流体制御系にアキュムレータを
含めると、高圧時にはアキュムレータへの作動流体の入
出がないので、高応答性を確保することができるが、低
圧時にはアキュムレータに作動流体が流入するので、応
答性が低下することになるが、一般的には応答性の高い
高圧側で不具合を生じないように設定する。低圧時を含
めて全ての圧力領域で応答性を高める補正を加えると、
応答性の高い高圧側でヨーレートに敏感となって車体が
一瞬逆ロール方向に動く2次不具合が発生するため、高
圧側でより応答性の高い制御系を構成し、通常使用領域
では応答の良い方にフィルタをかけ応答を遅らせること
も考えられるが、その様な高応答性の制御系を構成する
には非常に高価となり現実的でなく、コストが嵩むこと
なく高圧側での良好な応答性を確保しながら低圧側での
応答性を向上させることは困難であるという未解決の課
題がある。
【0005】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、低コストで高圧側
での応答性を確保しながら低圧側の応答性を向上させる
ことができる能動型サスペンションを提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る能動型サスペンションは、図1に示
すように、車体側部材と各車輪側部材との間に個別に介
装されたアキュムレータを含む流体アクチュエータと、
該流体アクチュエータに供給する作動流体を指令値に応
じて個別に制御する制御弁と、車体の横加速度を検出す
る横加速度検出手段と、該横加速度検出手段の横加速度
検出値に基づいて車体のロールを抑制する前記指令値を
演算して出力する制御手段とを備えた能動型サスペンシ
ョンにおいて、前記指令値が、前記アキュムレータの影
響によって応答性が低下する設定値以下であるか否かを
判定する判定手段と、該判定手段で指令値が設定値以下
と判定された指令値について他の指令値に比較して位相
が進んだ補正指令値を重畳する指令値補正手段とを備え
たことを特徴としている。
【0007】また、請求項2に係る能動型サスペンショ
ンは、前記指令値補正手段は、横加速度検出値の微分値
を補正指令値として指令値に重畳することを特徴として
いる。さらに、請求項3に係る能動型サスペンション
は、前記指令値補正手段は、前後に配設した2つの横加
速度センサの前方側の横加速度検出値の比率を高めて算
出した横加速度検出値を補正指令値として指令値に重畳
することを特徴としている。
【0008】さらにまた、請求項4に係る能動型サスペ
ンションは、前記指令値補正手段は、指令値の微分値を
補正指令値として当該指令値に重畳することを特徴とし
ている。
【0009】
【作用】請求項1の能動型サスペンションにおいては、
判定手段で制御弁に対する指令値が、前記アキュムレー
タの影響によって応答性が低下する設定値以下であると
判定されたときに、指令値補正手段で指令値に位相の進
んだ補正指令値を重畳することにより、低圧側の応答性
を向上させる。
【0010】また、請求項2に係る能動型サスペンショ
ンにおいては、補正指令値として横加速度検出値の微分
値を採用することにより、位相の進んだ補正指令値を形
成する。さらに、請求項3に係る能動型サスペンション
においては、補正指令値として前後に配設した2つの横
加速度センサの前方側横加速度センサの比率を高めて位
相の進んだ補正指令値を形成する。
【0011】さらにまた、請求項4に係る能動型サスペ
ンションにおいては、補正指令値として、指令値自身の
微分値を採用することにより、位相の進んだ補正指令値
を形成する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は、本発明の一実施例を示す概略構成図であ
り、図中、10は車体側部材を、11FL〜11RRは前左
〜後右車輪を、12は能動型サスペンションを夫々示
す。
【0013】能動型サスペンション12は、車体側部材
10と車輪11FL〜11RRの各車輪側部材14との間に
各々介装されたアクチュエータとしての油圧シリンダ1
8FL〜18RRと、これら油圧シリンダ18FL〜18RRの
作動圧を個別に調整する圧力制御弁20FL〜20RRと、
これら圧力制御弁20FL〜20RRに所定圧力の作動油を
供給側配管21Sを介して供給すると共に、圧力制御弁
20FL〜20RRからの戻り油を戻り側配管21Rを通じ
て回収する油圧源22と、この油圧源22及び圧力制御
弁20FL〜20RR間の供給圧側配管21Sに介挿された
蓄圧用のアキュムレータ24F,24Rと、車体に生じ
る横加速度を検出する横加速度センサ26と、横加速度
センサ26の横加速度検出値YG に基づいてロールを抑
制するように各圧力制御弁20FL〜20RRを能動制御す
るコントローラ30とを備えている。
【0014】油圧シリンダ18FL〜18RRの夫々は、シ
リンダチューブ18aを有し、このシリンダチューブ1
8aには、軸方向貫通孔を有するピストン18cにより
隔設された上下の圧力室Lが形成され、ピストン18c
の上下面の受圧面積差と内圧に応じた推力を発生する。
そして、シリンダチューブ18aの下端が車輪側部材1
4に取り付けられ、ピストンロッド18bの上端が車体
側部材10に取り付けられている。また、圧力室Lの各
々は、油圧配管38を介して圧力制御弁20FL〜20RR
の出力ポートに接続されている。また、油圧シリンダ1
8FL〜18RRの圧力室Lの各々は、絞り弁32を介して
バネ下振動吸収用のアキュムレータ34に接続されてい
る。また、油圧シリンダ18FL〜18RRの各々のバネ
上,バネ下相当間には、比較的低いバネ定数であって車
体の静荷重を支持するコイルスプリング36が配設され
ている。
【0015】圧力制御弁20FL〜20RRの夫々は、スプ
ールを摺動自在に内装した円筒状の弁ハウジングとこれ
に一体的に設けられた比例ソレノイドとを有する、従来
周知の3ポート比例電磁減圧弁(例えば特開昭64−7
4111号参照)で構成されている。そして、比例ソレ
ノイドの励磁コイルに供給する指令電流i(指令値)を
調整することにより、弁ハウジング内に収容されたポペ
ットの移動距離、即ちスプールの位置を制御し、供給ポ
ート及び出力ポート又は出力ポート及び戻りポートを介
して油圧源22と油圧シリンダ18FL〜18RRとの間で
流通する作動油を制御できるようになっている。
【0016】ここで、励磁コイルに加えられる指令電流
i(:iFL〜iRR)と圧力制御弁20FL(〜20RR)の
出力ポートから出力される制御圧Pとの関係は、図3に
示すように、ノイズを考慮した最小電流値iMIN のとき
には最低制御圧 MIN となり、この状態から電流値iを
増加させると、電流値iに比例して直線的に制御圧Pが
増加し、最大電流値iMAX のときには油圧源22の設定
ライン圧に相当する最高制御圧PMAX となる。この図3
で、iN は中立指令電流, N は中立制御圧である。
【0017】横加速度センサ26は、図4に示すよう
に、左右方向加速度が零であるときに予め設定した正の
中立電圧VYN、右方向の加速度を検出したときには、そ
の加速度値に比例した中立電圧VYNより高い正の電圧、
左方向の加速度を検出したときには、その加速度値に比
例した中立電圧VYNより低い正の電圧でなる横加速度検
出信号YG を出力する。
【0018】コントローラ30は、図5に示すように、
横加速度センサ26から入力される横加速度検出信号Y
G をデジタル値に変換するA/D変換器41と、A/D
変換器41から出力される横加速度検出信号が入力され
るマイクロコンピュータ42と、このマイクロコンピュ
ータ42から出力される圧力指令値 LH RH がD/A
変換器43FL〜43RRを介して供給され、これらを圧力
制御弁20FL〜20RRに対する駆動電流iFL RR に変
換する例えばフローティング形定電圧回路で構成される
駆動回路44FL〜44RRとを備えている。
【0019】ここで、マイクロコンピュータ42は、少
なくとも入力側インタフェース回路42a、出力側イン
タフェース回路42b、演算処理装置42c及び記憶装
置42dを有する。入力インタフェース回路42aに
は、A/D変換器41の変換出力が入力され、出力側イ
ンタフェース回路42bからは各圧力制御弁20FL〜2
0RRに対する圧力指令値 LH RH がD/A変換器43
FL〜43RRに出力される。また、演算処理装置42c
は、後述する図6の処理を実行して、横加速度検出値Y
G に基づいて予め記憶装置42dに格納された制御マッ
プを参照して左右のロール抑制圧力指令値PLH及びPRH
を算出すると共に、これら圧力指令値PLH又はPRHの何
れかが設定値以下であるときに、各圧力指令値PLH又は
RHに横加速度検出値YG の微分値YG ′に補正ゲイン
βを乗算した値を圧力補正値として加算した値を圧力指
令値PLH又はPRHとして算出し、算出した圧力指令値P
LH及びPRHをD/A変換器43FL,43RL及び43FR,
43RRを介して駆動回路44FL,44RL及び44FR,4
4RRに出力する。
【0020】さらに、記憶装置42dは、予め演算処理
装置42cの演算処理に必要なプログラムが記憶されて
いると共に、演算処理装置42cの演算過程で必要な演
算結果を逐次記憶し、さらに横加速度検出値YG とこれ
に対応して車体のロールを抑制するために必要とする左
右のロール抑制圧力指令値PLH及びPRHとの関係を表す
制御マップを記憶している。
【0021】ここで、制御マップは、図8に示すよう
に、横加速度検出値YG が零であるときには左右のロー
ル抑制圧力指令値PLH及びPRHは共に車体を標準状態に
維持する中立圧指令値PN となり、この状態から横加速
度検出値YG が正方向に増加すると、右側ロール抑制圧
力指令値PRHについては特性線LR で示すように油圧源
22のライン圧PMAX に達する迄の間は横加速度検出値
の増加に伴って中立圧指令値PN より増加し、油圧源2
2のライン圧PMAX に達すると横加速度検出値Y G の増
加にかかわらずライン圧PMAX に保持されると共に、左
側ロール抑制圧力指令値PLHについては特性線LR と線
対象な特性線LL で示すように横加速度検出値の増加に
伴って中立圧指令値PN より減少し、右側ロール抑制圧
力指令値P RHがライン圧PMAX に達する横加速度検出値
+a以上で一定値PMIN に維持され、逆に、横加速度検
出値YG が負方向に増加すると、左側ロール抑制圧力指
令値PLHについてはライン圧PMAX に達する迄の間は横
加速度検出値YG の増加に伴って中立圧指令値PN より
増加し、ライン圧PMAX に達すると横加速度検出値Y G
の増加にかかわらずライン圧PMAX に保持されると共
に、右側ロール抑制圧力指令値PRHについては横加速度
検出値の増加に伴って中立圧指令値PN より減少し、左
側ロール抑制圧力指令値PLHがライン圧PMAX に達する
横加速度検出値−a以上で一定値PMIN に維持されるよ
うに設定されている。
【0022】次に、上記実施例の動作を演算処理装置4
2cの処理手順の一例を示す図6のフローチャートを伴
って説明する。図6の処理は、所定のメインプログラム
に対して所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処
理として実行され、先ずステップS1で、横加速度セン
サ26の横加速度検出信号GY を読込み、次いでステッ
プS2に移行して、横加速度検出信号GY から夫々中立
電圧VYNを減算して、加速度の方向を正負の符号で表す
横加速度YG を算出する。
【0023】次いで、ステップS3に移行して、横加速
度検出値YG を例えば伝達関数が(1+T2 S)/(1
+T1 S)で表されるハイパスフィルタ処理によって微
分して、横加速度微分値YG ′を算出し、次いでステッ
プS4に移行して、横加速度微分値YG ′に予め設定さ
れた制御ゲインβを乗算して圧力補正値ΔPを算出す
る。
【0024】次いで、ステップS5に移行して、横加速
度検出値YG をもとに左右のロール抑制圧力指令値PLH
及びPRHを算出する指令値算出処理を実行する。この指
令値算出処理は、図7に示すように、先ず、ステップS
5aで今回の横加速度検出値YG (n) の絶対値|Y
G (n) |から前回の横加速度検出値YG (n-1) の絶対値
|YG (n-1) |を減算した値が負であるか否か判定す
る。この判定は、車体がロール復元状態であるか否かを
判定するものであり、|YG (n) |−|YG (n-1) |≧
0であるときには、ロール零状態、ロール進行状態、定
ロール状態の何れかであると判断して、ステップS5b
に移行し、今回の横加速度検出値YG (n) をもとに図8
の制御マップを参照して、左右のロール抑制圧力指令値
LH及びPRHを算出し、これを記憶装置42dの所定記
憶領域に更新記憶し、次いでロール復元状態の開始時で
あるか否かを表すフラグFを“0”にリセットしてから
指令値算出処理を終了して前記図6のステップS6に移
行する。
【0025】一方、ステップS5aの判定結果が|YG
(n) |−|YG (n-1) |<0であるときには、ロール復
元状態であると判断して、ステップS5dに移行し、制
御フラグFが“0”であるか否かを判定し、F=0であ
るときには、ロール復元開始時であると判断してステッ
プS5eに移行し、前回の圧力指令値PLH(n-1) 及びP
RH(n-1) と前回の横加速度検出値YG (n-1) とに基づい
て下記(1)式及び(2)式の演算を行ってロール復元
ゲインKML及びKMRを算出し、これを記憶装置42dの
所定記憶領域に更新記憶する。
【0026】KML=PLH (n-1)/YG (n-1)
............(1) KMR=PRH (n-1)/YG (n-1) ............(2) 次いで、ステップS5fに移行して、フラグFを“1”
にセットし、次いでステップS5gに移行して、今回の
横加速度検出値YG (n) とロール復元ゲインKML及びK
MRとに基づいて左右のロール抑制圧力指令値PLH及びP
RHを算出し、これを記憶装置42dの所定記憶領域に更
新記憶してから指令値算出処理を終了して前記図6のス
テップS6に移行する。
【0027】図6のステップS6では、左側ロール抑制
圧力指令値PLHが予め設定した例えば中立圧指令値PN
と等しい圧力設定値α未満であるか否かを判定する。こ
の判定は、アキュムレータの影響によって応答性が低下
する圧力指令値であるか否かを判定するものであり、P
LH≧αであるときには、アキュムレータの影響を受けな
いものと判断して直接ステップS8に移行し、PLH<α
であるときには応答性が低下するものと判断してステッ
プS7に移行し、現在の左側ロール抑制圧力指令値PLH
にステップS4で算出した圧力補正値ΔPを加算して新
たな左側ロール抑制圧力指令値PLHを算出してからステ
ップS8に移行する。
【0028】ステップS8では、前記ステップS6と同
様に、右側ロール抑制圧力指令値P RHが圧力設定値α未
満であるか否かを判定し、PRH≧αであるときには、ア
キュムレータの影響を受けないものと判断して直接ステ
ップS10に移行し、PRH<αであるときには応答性が
低下するものと判断してステップS9に移行し、現在の
左側ロール抑制圧力指令値PRHにステップS4で算出し
た圧力補正値ΔPを加算して新たな左側ロール抑制圧力
指令値PRHを算出してからステップS10に移行する。
【0029】ステップS10では、ステップS5又はS
7,S9で算出した左側ロール抑制圧力指令値PLHを左
側の圧力制御弁20FL及び20RLの圧力指令値としてD
/A変換器43FL及び43RLに出力すると共に、右側ロ
ール抑制圧力指令値PRHを右側の圧力制御弁20FR及び
20RRの圧力指令値としてD/A変換器43RL及び43
RRに出力してから所定のメインプログラムに復帰する。
【0030】この図6の処理において、ステップS3,
S4及びS7,S8の処理が指令値補正手段に対応し、
ステップS6及びS8の処理が判定手段に対応してい
る。したがって、今、車体が凹凸の無い平坦な良路を一
定速度で直進走行しているものとする。この状態では、
車体に横加速度が作用することはなく、横加速度センサ
26から出力される横加速度検出信号GY は中立電圧V
N となっており、図6の処理が実行されたときに、ステ
ップS2で算出される横加速度検出値YG が零となり、
ステップS3で算出される横加速度微分値YG ′も零と
なり、ステップS4で算出される圧力補正値ΔPも零と
なり、ステップS5で算出される左右のロール抑制圧力
指令値PLH及びPRHは中立圧指令値PN となる。
【0031】この中立圧指令値PN は設定値αと等しい
ため、ステップS7及びS9に移行することなくステッ
プS10に移行するので、中立圧指令値PN のロール抑
制圧力指令値PLH及びPRHが夫々A/D変換器43FL,
43RL及び43FR,43RRを介して駆動回路44FL,4
4RL及び44FR,44RRに出力され、これら駆動回路4
4FL,44RL及び44FR,44RRから図3の中立電流値
iN に相当する駆動電流iFL,iRL及びiFR,iRRが圧
力制御弁20FL,20RL及び20FR,20RRに出力さ
れ、これに応じて圧力制御弁20FL〜20RRから出力さ
れる制御圧PC が中立圧PN となり、これが油圧シリン
ダ18FL〜18RRに出力されるので、これら油圧シリン
ダ18FL〜18RRで中立圧 N に応じた推力を発生し、
車高を標準車高状態に維持する。
【0032】この定速直進状態から、例えば左旋回状態
に移行すると、旋回外輪となる車体右側が沈み込み、旋
回内輪となる車体左側が浮き上がり車体が右下がりに傾
斜するロールを発生させようとする。このように車両が
左旋回状態に移行すると、これに応じて横加速度センサ
26の横加速度信号GY は、中立電圧 N より大きい値
となり、図6の処理が実行されたときに、そのステップ
S2で算出される横加速度検出値YG が正方向に増加す
る。このため、ステップS3で算出された横加速度微分
値YG 正の値となり、ステップS4で算出される圧
力補正値ΔPも正の値となる。
【0033】この状態では、横加速度検出値YG が増加
方向であるので、ステップS5の圧力指令値算出処理が
実行されたときに、ステップS5aからステップS5b
に移行して、横加速度検出値YG (n) をもとに図8の制
御マップを参照して左右のロール抑制圧力指令値PLH
びPRHを算出する。このとき、横加速度検出値YG (n)
が正の値であるので、右側ロール抑制圧力指令値PRH
中立圧指令値PN より増加し、左側ロール抑制圧力指令
値PLHは中立圧指令値PN より減少する。
【0034】このため、ステップS6でPLH<αとな
り、アキュムレータの影響を受けるものと判断されるの
で、ステップS7に移行して、ステップS5で算出した
左側ロール抑制圧力指令値PLHに横加速度微分値YG
に基づく位相の進んだ圧力補正値ΔPが加算され
新たな左側ロール抑制圧力指令値PLHとして記憶装置4
2dの所定記憶領域に更新記憶する。
【0035】一方、右側ロール抑制圧力指令値PRHにつ
いては、設定値αより大きいので、アキュムレータの影
響がないものとして、ステップS8からステップS9に
移行することなく、ステップS10に移行して、記憶装
置42dに更新記憶されている左右のロール抑制圧力指
令値PLH及びPRHがA/D変換器43FL,43RL及び4
3FR,43RRに出力される。
【0036】このため、駆動回路44FL,44RLから中
立電流iN より低い駆動電流が左側の圧力制御弁20F
L,20RLに供給されて、左側の油圧シリンダ18FL,
18RLの内圧が図9の特性線LL1で示すように中立圧P
N より低下して車体左輪側の浮き上がりが抑制され、且
つ駆動回路44FR,44RRから中立電流iN より高い駆
動電流が右側の圧力制御弁20FR,20RRに供給され
て、右側の油圧シリンダ18FR,18RRの内圧が図9の
特性線LR1で示すように中立圧PN より増加して車体右
輪側の沈み込みが抑制されて、車体が略零ロール状態に
保持される。
【0037】ところが、左急旋回状態となって、横加速
度検出値YG が設定値以上となると、右側ロール抑制
圧力指令値PRHはライン圧PMAX に維持されることか
ら、油圧シリンダ18FR及び18RRの内圧は図9の特性
線LR2で示すように、ライン圧PMAX に保持されること
になり、更なる車体上下速度の増加に伴って車体にロー
ルが生じ、車体と左輪との間に介装されたコイルスプリ
ング36にエネルギが蓄積される。他方、左輪ロール抑
制圧力指令値PLHも一定圧PMIN に維持されることか
ら、油圧シリンダ18FL及び18RLの内圧は図9の特性
線LL2で示すように一定圧PMIN に保持される。
【0038】そして、このロール増加又は保持状態が継
続する間は、図7の処理において、ステップS5aから
ステップS5bに移行するので、上記制御が継続される
ことになるが、車両が左旋回状態から直進状態に戻り始
めると、これに応じて横加速度検出値YG が減少し始め
てロール復元状態となり、この状態となると図7の処理
において、ステップS5aからステップS5dに移行す
る。このとき、フラグFが“0”にリセットされている
ので、ステップS5eに移行して、前回のロール抑制圧
力指令値PLH(n-1) 及びPRH(n-1) 及び横加速度検出値
G (n-1) に基づいて前記(1)式及び(2)式の演算
を行ってロール復元ゲインKML及びKMRを算出してこれ
を更新記憶し、これに応じてステップS5gでロール復
元ゲインKML及びKMRに基づいてロール抑制圧力指令値
LH及びPRHが算出され、これが記憶装置42dの所定
記憶領域に更新記憶され、図6のステップS10でA/
D変換器43FL,43RL及び43FR,43RRに出力され
る。
【0039】したがって、右側油圧シリンダ18FR,1
8RRの内圧は、図9の特性線LR3で示すように、ロール
復元開始時の圧力PMAX から徐々に減少することにな
り、このように内圧が減少することにより、コイルスプ
リング36に蓄積されたエネルギが徐々に解放されるこ
とになり、ロールの復元時に過渡的な車体挙動の急激な
変動が抑制され、乗員に与える違和感を低減することが
できる。
【0040】一方、左側油圧シリンダ18FL及び18RL
の内圧は、図9の特性線LL3で示すように、ロール復元
開始時の圧力PMIN から徐々に増加することになり、こ
のときに、ロール抑制圧力指令値PLHが設定値α未満で
あるので、ロール抑制圧力指令値PLHに位相が進んだ指
令値補正値ΔPが加算されるので、アキュムレータ24
F,24Rの影響による応答性の低下分を改善すること
ができ、ロール中心を変動させることなく車体を零ロー
ル状態に復元させることができる。
【0041】また、車両が右旋回する場合には、上記左
旋回の動作における左右の制御態様が逆になって、ロー
ル復元時にロール速度を低減しながら、低圧側の応答性
を向上させて、良好なロール復元感覚を得ることができ
る。次に、本発明の第2実施例を図10〜図12につい
て説明する。この第2実施例は、圧力指令値補正手段の
補正指令値として、横加速度微分値に代えて前後に設け
た2つの横加速度センサの前側の比率を増加させること
により、位相の進んだ補正指令値を形成するようにした
ものである。
【0042】すなわち、図10に示すように、第1及び
第2の横加速度センサ26a,26bが、空車車両の重
心位置より距離a,b(a>b)だけ前方の位置に各々
配置されており、この各位置で車体に作用する横加速度
を各々感知し、これに応じた電圧信号でなる横加速度検
出信号GYa及びGYbが図11に示すようにコントローラ
30に出力されると共に、車体に前後加速度を検出する
前後加速度センサ27が配設され、この前後加速度セン
サ27から出力される前後加速度信号GX が同様にコン
トローラ30に入力される。ここで、前後加速度センサ
27は、前後加速度が零であるときに、予め設定された
正の中立電圧VXNを出力し、車両の加速状態によって後
方側の加速度を生じたときに、その加速度の値に応じた
中立電圧VXNより高い正の電圧を出力し、車両の減速状
態によって前方側の加速度を検出したときに、その加速
度の値に応じた中立電圧VXNより低い正の電圧を出力す
るように構成されている。
【0043】そして、コントローラ30で、図12の処
理が実行される。すなわち、先ずステップS11で、横
加速度センサ26a,26bの横加速度信号GYa及びG
Ybを読込むと共に、前後加速度センサ27の前後加速度
信号GX を読込み、次いでステップS12に移行して、
各横加速度信号GYa,GYb及び前後加速度信号GX から
夫々中立電圧VYN及びVXNを減算して横加速度検出値Y
Ga,YGb及び前後加速度検出値XG を算出する。
【0044】次いで、ステップS13に移行して、現在
出力されている各圧力制御弁20FL〜20RRに対するト
ータル圧力指令値PFL〜PRR即ち前回の処理時における
トータル圧力指令値を読込み、次いでステップS14に
移行して、読込んだトータル圧力指令値PFL〜PRRをも
とに制御横加速度を算出するための横加速度算出位置x
を設定する。この横加速度算出位置xは、トータル圧力
指令値Pi (i=FL,FR,RL,RR)が予め設定された中
立圧指令値PN と等しい第1の設定値PS1以上である
か、この第1の設定値PS1未満でこれより低い第2の設
定値PS2以上であるか、この第2の設定値PS2未満であ
るかの何れであるかを判定し、Pi ≧PS1であるときに
は、図10で第2の横加速度センサ26b寄りの横加速
度算出位置x1 を設定し、PS2≦Pi <PS1 であると
きには、図10で第1の横加速度センサ26aと第2の
横加速度センサ26bの中間点の横加速度算出位置x2
を設定し、Pi <PS2であるときには、図10で第1の
横加速度センサ26a寄りの横加速度算出位置x3 を設
定する。
【0045】次いで、ステップS15に移行して、前記
ステップS14で設定された横加速度算出位置x1 〜x
3 をもとに下記(3)式の演算を行って制御横加速度Y
G を算出する。 YG =(x−b)YGa/(a−b)+(a−x)YGb/(a−b)……(3) このように、後方側の第2の横加速度センサ26b側の
横加速度算出位置x1から横加速度算出位置を前方側に
変更することにより、これに応じてヨー加速度と重心
点・算出位置間の距離との積でなる横加速度成分が順次
大きくなるため、制御系の位相遅れを補償することが可
能となる。
【0046】次いで、ステップS16に移行して、算出
した制御横加速度YG をもとに図13に示す制御マップ
を参照してロール抑制圧力指令値PR を算出する。次い
で、ステップS17に移行して、前後加速度検出値XG
及び制御横加速度YG をもとに下記(3)式〜(6)
の演算を行って、各圧力制御弁20FL〜20RRに対する
トータル圧力指令値PFL〜PRRを算出すると共に、算出
した圧力指令値PFL〜PRRを記憶措置42dの所定記憶
領域に更新記憶し、次いでステップS18に移行して、
算出した圧力指令値PFL〜PRRをD/A変換器43FL〜
43RRに出力してからタイマ割込処理を終了して所定の
メインプログラムに復帰する。
【0047】 PFL=PN −KP ・XG −KR ・YG …………(3) PFR=PN −KP ・XG +KR ・YG …………(4) PRL=PN +KP ・XG −KR ・YG …………(5) PRR=PN +KP ・XG +KR ・YG …………(6) ここで、PN は標準車高を維持するために必要な中立圧
指令値、KP はピッチ制御ゲイン、KR はロール制御ゲ
インである。
【0048】この第2実施例によると、横加速度による
ロール抑制制御と前後加速度によるピッチ抑制制御との
双方の抑制制御を行うことができる。ここで、ピッチ抑
制制御は、車両を急加速状態として、車体前方側が浮き
上がり、車体後方側が沈み込む所謂スカット現象を生じ
る場合には、ステップS12で算出される前後加速度X
G が正の値となるため、ステップS17で算出さる前輪
側のトータル圧力指令値PFL及びPFRは中立圧指令値P
N より減少し、後輪側のトータル圧力指令値PRL及びP
RRは中立圧指令値PN より増加するので、前輪側の油圧
シリンダ18FL及び18FRでは推力が低下して車体の浮
き上がりを抑制し、後輪側の油圧シリンダ18RL及び2
8RRでは推力が増加して車体の沈み込みを抑制してスカ
ット現象を抑制することができる。
【0049】逆に急制動状態として、車体前方側が沈み
込み、車体後方側か浮き上がる所謂ノーズダイブ現象を
生じる場合には、ステップS12で算出される前後加速
度X G が負の値となるため、ステップS17で算出さる
前輪側のトータル圧力指令値PFL及びPFRは中立圧指令
値PN より増加し、後輪側のトータル圧力指令値PRL
びPRRは中立圧指令値PN より減少するので、前輪側の
油圧シリンダ18FL及び18FRでは推力が増加して車体
の沈み込みを抑制し、後輪側の油圧シリンダ18RL及び
28RRでは推力が減少して車体の浮き上がりを抑制して
ノーズダイブ現象を抑制することができる。
【0050】ところで、この第2実施例においては、ロ
ール抑制制御による圧力指令値KR・YG とピッチ抑制
制御による圧力指令値KP ・XG とよって決定されるト
ータル圧力指令値PFL〜PRRのレベルを判定して、トー
タル圧力指令値PFL〜PRRが中立圧指令値PN より高い
場合には、通常の位相状態となる後方側の横加速度セン
サ26bの比率を高めた横加速度算出位置x1 が設定さ
れ、高圧側で良好な応答性を確保することができるが、
ピッチ抑制制御やロール抑制制御を行って、トータル圧
力指令値PFL〜PRRの何れかが中立圧指令値PN より小
さくなると、これが中立圧指令値PN より小さい第2の
設定値PS2以上であるときには、横加速度算出位置x3
より前方の横加速度算出位置x2 が設定されることによ
り、前輪側の横加速度センサ26aの横加速度YGaの比
率が増加して、横加速度YG 内に位相遅れを補償する成
分が付加され、これによってアキュムレータの影響によ
る応答遅れを補償することができ、さらに第2の設定値
S2未満となると、横加速度算出位置x2 よりさらに前
方の横加速度算出位置x3 が設定されることにより、前
輪側の横加速度センサ26aの横速度YGaの比率がより
増加して、横加速度YG 内に含まれる位相遅れを補償す
る成分がより大きくなり、アキュムレータの影響による
応答遅れを補償することができる。
【0051】なお、この第2実施例においては、ロール
抑制制御及びピッチ抑制制御を行う場合について説明し
たが、車体の上下加速度を検出する上下加速度センサを
設けて、車体の上下動即ちバウンスを抑制するバウンス
抑制制御も行うようにしてもよく、或いは車体の上下加
速度を積分した車体上下速度に基づいてスカイフック制
御によって車体の姿勢変化を抑制するようにしてもよ
い。
【0052】また、第2実施例においては、位相遅れ補
償を2段階に行う場合について説明したが、これに限定
されるものではなく、位相遅れ補償を指令値に応じて3
段階以上無段階まで任意に設定することができる。次
に、本発明の第3実施例を図14について説明する。こ
の第3実施例は、算出した圧力制御弁に対する圧力指令
値が設定値以下であるときに、アキュムレータの影響に
よる応答性の低下を圧力指令値自身の微分値を使用して
補償するようにしたものである。
【0053】すなわち、演算処理装置42cで、図14
に示す制御処理を実行する。先ず、ステップS21で横
加速度信号GY を読込み、次いでステップS22に移行
して、横加速度信号GY から中立電圧VYNを減算して、
方向を正負で表す横加速度検出値YG を算出してからス
テップS23に移行する。このステップS23では、前
述した図7のステップS5bと同様に図8の制御マップ
を参照して、左右のロール抑制圧力指令値PLH及びPRH
を算出し、次いでステップS24に移行して、算出した
左右のロール抑制圧力指令値PLH及びPRHを例えばハイ
パスフィルタ処理によって微分して圧力補正値としての
ロール抑制圧力指令値の微分値PLH′及びPRH′を算出
する。
【0054】次いで、ステップS25に移行して、前述
した図6のステップS6と同様に、左側ロール抑制圧力
指令値PLHが予め設定した例えば中立圧指令値PN と等
しい圧力設定値α未満であるか否かを判定し、PLH≧α
であるときには、アキュムレータの影響を受けないもの
と判断して直接ステップS27に移行し、PLH<αであ
るときには応答性が低下するものと判断してステップS
26に移行し、現在の左側ロール抑制圧力指令値PLH
ステップS24で算出した圧力補正値としての微分値P
LH′を加算して新たな左側ロール抑制圧力指令値PLH
算出してからステップS27に移行する。
【0055】ステップS27では、前記ステップS25
と同様に、右側ロール抑制圧力指令値PRHが圧力設定値
α未満であるか否かを判定し、PRH≧αであるときに
は、アキュムレータの影響を受けないものと判断して直
接ステップS29に移行し、P RH<αであるときには応
答性が低下するものと判断してステップS28に移行
し、現在の左側ロール抑制圧力指令値PRHにステップS
4で算出した圧力補正値としての微分値PRH′を加算し
て新たな左側ロール抑制圧力指令値PRHを算出してから
ステップS29に移行する。
【0056】ステップS29では、ステップS23又は
S26,S28で算出した左側ロール抑制圧力指令値P
LHを左側の圧力制御弁20FL及び20RLの圧力指令値と
してD/A変換器43FL及び43RLに出力すると共に、
右側ロール抑制圧力指令値P RHを右側の圧力制御弁20
FR及び20RRの圧力指令値としてD/A変換器43RL及
び43RRに出力してから所定のメインプログラムに復帰
する。
【0057】この第3実施例によると、前述した第1実
施例と同様に、低圧側の圧力指令値に対してアキュムレ
ータの影響による応答性の低下を補償する位相の進んだ
圧力指令値の微分値PLH′又はPRH′を圧力補正値とし
て加算するようにしているので、第1実施例と同様の作
用効果を得ることができる。なお、上記各実施例におい
ては、車体に生じる横加速度を横加速度センサ26で検
出する場合について説明したが、これに限定されるもの
ではなく、車速と操舵角とから横加速度を推定するよう
にしてもよい。
【0058】また、上記各実施例においては、マイクロ
コンピュータを使用して能動制御を行う場合について説
明したが、これに限定されるものではなく、関数発生
器、微分器、比較器、加算器等の電子回路を組み合わせ
てコントローラ30を構成するようにしてもよい。さら
に、上記実施例においては、流体シリンダとして油圧シ
リンダを適用した場合について説明したが、他の液圧シ
リンダ、空気圧シリンダ等を適用することもできる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る能
動型サスペンションによれば、流体アクチュエータへの
作動流体を制御する制御弁に対する指令値が、前記アキ
ュムレータの影響によって応答性が低下する設定値以下
であるか否かを判定する判定手段と、該判定手段で指令
値が設定値以下と判定された指令値について他の指令値
に比較して位相が進んだ補正指令値を重畳する指令値補
正手段とを設けた構成としたので、制御弁に対する指令
値が設定値以下でアキュムレータの影響を受けて応答性
が低下する場合に、指令値に位相の進んだ補正指令値を
重畳することにより、応答性を向上させることができ、
制御系の応答性を高圧側に最適な応答性に設定した状態
で、低圧側の応答性を容易に改善することができるとい
う効果が得られる。
【0060】また、請求項2に係る能動型サスペンショ
ンによれば、指令値補正手段の補正指令値として、補正
指令値として横加速度検出値の微分値を採用することに
より、別途センサを設けることなく位相の進んだ補正指
令値を形成することができるという効果が得られる。さ
らに、請求項3に係る能動型サスペンションによれば、
指令値補正手段の補正指令値として前後に配設した2つ
の横加速度センサの前方側横加速度センサの比率を高め
て位相の進んだ補正指令値を形成するようにしているの
で、位相角を任意に設定することができるという効果が
得られる。
【0061】さらにまた、請求項4に係る能動型サスペ
ンションによれば、指令値補正主担の補正指令値とし
て、指令値自身の微分値を採用することにより、別途セ
ンサを設けることなく位相の進んだ補正指令値を形成す
ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図3】圧力制御弁の指令電流に対する制御圧の関係を
示す特性線図である。
【図4】横加速度センサの出力特性を示す特性線図であ
る。
【図5】コントローラの一例を示すブロック図である。
【図6】マイクロコンピュータの処理手順の一例を示す
フローチャートである。
【図7】図6のサブルーチン処理を示すフローチャート
である。
【図8】記憶装置に記憶した横加速度と圧力指令値との
関係を示す制御マップである。
【図9】第1実施例の動作の説明に供する横加速度と制
御圧との関係を示す制御特性図である。
【図10】第2実施例の横加速度センサの配置例を示す
模式図である。
【図11】第2実施例におけるコントローラの一例を示
すブロック図である。
【図12】第2実施例におけるマイクロコンピュータの
処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】第2実施例における制御横加速度と圧力指令
値との関係を示す制御マップである。
【図14】第3実施例におけるマイクロコンピュータの
処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 車体側部材 11FL〜11RR 車輪 14 車輪側部材 18FL〜18RR 油圧シリンダ 20FL〜20RR 圧力制御弁 24F,24R アキュムレータ 26 横加速度センサ 27 前後加速度センサ 28FL〜28RR 上下加速度センサ 30 コントローラ 42 マイクロコンピュータ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側部材と各車輪側部材との間に個別
    に介装されたアキュムレータを含む流体アクチュエータ
    と、該流体アクチュエータに供給する作動流体を指令値
    に応じて個別に制御する制御弁と、車体の横加速度を検
    出する横加速度検出手段と、該横加速度検出手段の横加
    速度検出値に基づいて車体のロールを抑制する前記指令
    値を演算して出力する制御手段とを備えた能動型サスペ
    ンションにおいて、前記指令値が、前記アキュムレータ
    の影響によって応答性が低下する設定値以下であるか否
    かを判定する判定手段と、該判定手段で指令値が設定値
    以下と判定された指令値について他の指令値に比較して
    位相が進んだ補正指令値を重畳する指令値補正手段とを
    備えたことを特徴とする能動型サスペンション。
  2. 【請求項2】 前記指令値補正手段は、横加速度検出値
    の微分値を補正指令値として指令値に重畳することを特
    徴とする請求項1記載の能動型サスペンション。
  3. 【請求項3】 前記指令値補正手段は、前後に配設した
    2つの横加速度センサの前方側の横加速度検出値の比率
    を高めて算出した横加速度検出値を補正指令値として指
    令値に重畳することを特徴とする請求項1記載の能動型
    サスペンション。
  4. 【請求項4】 前記指令値補正手段は、指令値の微分値
    を補正指令値として当該指令値に重畳することを特徴と
    する請求項1記載の能動型サスペンション。
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