JPH1178464A - サスペンション制御装置 - Google Patents

サスペンション制御装置

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Publication number
JPH1178464A
JPH1178464A JP24545897A JP24545897A JPH1178464A JP H1178464 A JPH1178464 A JP H1178464A JP 24545897 A JP24545897 A JP 24545897A JP 24545897 A JP24545897 A JP 24545897A JP H1178464 A JPH1178464 A JP H1178464A
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JP
Japan
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wheels
damping force
control
wheel load
braking
Prior art date
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Application number
JP24545897A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kawazoe
寛 川添
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特にアンチロックブレーキ制御装置を搭載した
車両にあって、急制動時に後輪荷重の減少に伴って当該
後輪からの車両に作用する制動力の減少を抑制防止して
制動距離を確保する。 【解決手段】例えば車体前後加速度等から急制動を検出
したら、後輪と車体との間に介装された流体圧シリンダ
に発生する上下速度成分に対する減衰係数cを、後輪側
の平均上下加速度の大きさに応じて小さくすることでピ
ッチ剛性を一時的に小さくし、これにより後輪からの輪
荷重変化量の減少代を小さくすることで後輪の制動力を
確保する。また、その急制動解除時の揺り返しに対して
は、後輪の減衰力を一時的に高めることで車体変動を抑
制する。また、前輪へのピッチモーメントが大きい場合
には、後輪の減衰力の減少代を小さめに補正することで
前輪の輪荷重変化量の増加代を小さくして当該前輪の制
動力を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば各車輪と車体と
の間に介装された流体圧シリンダ等のアクチュエータに
よって上下方向への速度入力,即ちピッチ速度入力に対
する減衰力を可変調整することで、例えば前後輪間のピ
ッチ剛性を制御できるようにしたサスペンション制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】前後輪間のピッチ剛性を制御可能とする
サスペンション制御装置では、例えば車両の制動時の車
体姿勢変化を抑制しようとするものが考えられている。
一般的には、例えば制動時には,後輪は伸側、前輪は圧
側に変化しようとするので、両者の減衰力を大きくする
ことでピッチ剛性を高め、これにより車体が前方への沈
み込み,即ちノーズダイブやテールリフトを抑制できる
ようにする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
制動時には前輪の輪荷重は大きくなり、後輪のそれは小
さくなる。前述のようにして制動時にピッチ剛性を高め
ると、その傾向は更に顕著になる。しかしながら、後輪
の輪荷重が小さくなることは制動中の路面反力トルクが
小さくなることであるから車両に作用する制動力そのも
のも小さくなることになる。従って、例えば前輪に作用
する制動力が最大限に作用しているような場合には、全
体として車両に作用する制動力は小さくなり、その結
果、制動距離が長くなる場合もある。そして、更に後輪
の輪荷重が小さくなると、例えばホイールシリンダによ
る車輪に作用する制動力が路面反力トルクより大きくな
って、後輪はロック傾向になる可能性がある。そして、
後輪がロックしてしまえば制動距離が長じるが、例えば
アンチロックブレーキ制御装置によって後輪のホイール
シリンダ圧が減圧され、その結果、強制的に後輪に作用
する制動力が小さくなった場合にも、僅かではあるが制
動距離が長じる可能性がある。
【0004】本発明は、これらの諸問題を解決すべく開
発されたものであり、特に急制動時には後二輪の減衰力
を小さくすることにより、後輪の輪荷重が減少するのを
抑制し、これにより制動距離を確保したり、急制動が解
除されたときには後二輪の減衰力を大きくすることによ
り揺り返しによるテールスカットを抑制防止したり、前
輪の輪荷重が大幅に増加するときには前記後二輪の減衰
力の低下代を小さくして前輪からの車体に作用する制動
力を確保したりすることのできるサスペンション制御装
置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に係るサスペンション制御装
置は、少なくとも後二輪の上下方向入力に対する減衰力
を可変とし、少なくとも急制動時に後二輪の減衰力を一
時的に小さくすることを特徴とするものである。
【0006】また、本発明のうち請求項2に係るサスペ
ンション制御装置は、少なくとも後二輪の夫々と車体と
の間に介装されて指令値に応じた減衰力を発生するアク
チュエータと、車両の急制動を検出する急制動検出手段
と、少なくともこの急制動検出手段で車両の急制動が検
出されたときに、後二輪の減衰力を小さくする制御手段
とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】また、本発明のうち請求項3に係るサスペ
ンション制御装置は、前記制御手段が、前記急制動検出
手段によって車両の急制動が検出された後、それが解除
されたときに後二輪の減衰力を一時的に大きくする揺り
返し制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明のうち請求項4に係るサスペ
ンション制御装置は、前輪の輪荷重の変化量を検出する
前輪荷重変化量検出手段を備え、前記制御手段が、前記
前輪荷重変化量検出手段で検出される前輪の輪荷重の変
化量が大きくなるにつれて、前記車両の急制動が検出さ
れたときに小さくされる後二輪の減衰力の変化量を小さ
くする減衰力補正手段を備えたことを特徴とするもので
ある。
【0009】この発明は、輪荷重変動に対する制動力の
非線形性に着目したものであり、前記請求項1乃至3の
発明では後輪の輪荷重が小さくなり過ぎないように制御
するものであるため、相対的に前輪の輪荷重は大きくな
りがちであり、しかしながら前輪の輪荷重が大きくなり
過ぎると、タイヤによる制動力の非線形性によって前輪
からの車両に作用する制動力は低下してしまうので、当
該輪荷重の変化量が大きくなり過ぎるときには後輪の減
衰力の低下代を小さくすることで、後輪の輪荷重減少量
を小さくすると共に後輪の輪荷重増加量を小さくし、前
輪からの車両に作用する制動力を確保して制動距離を確
保する。
【0010】また、本発明のうち請求項5に係るサスペ
ンション制御装置は、前記アクチュエータが流体圧シリ
ンダを含んで構成され、前記減衰力の設定は、前記流体
圧シリンダに発生する上下方向速度入力に対する減衰係
数の設定で行われることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の効果】而して、本発明のうち請求項1に係るサ
スペンション制御装置によれば、急制動時に後二輪の減
衰力を小さくすることにより、当該後二輪の輪荷重の減
少量を小さくすることができ、その結果、当該後輪から
の車両に作用する制動力を確保して制動距離を確保する
ことができる。
【0012】また、本発明のうち請求項2に係るサスペ
ンション制御装置によれば、急操舵時に後二輪の夫々と
車体との間に介装されているアクチュエータの減衰力を
小さくすることにより、当該後二輪の輪荷重の減少量を
小さくすることができ、その結果、当該後輪からの車両
に作用する制動力を確保して制動距離を確保することが
できる。
【0013】また、本発明のうち請求項3に係るサスペ
ンション制御装置によれば、急制動が解除されたときに
後二輪の減衰力を一時的に大きくすることにより、揺り
返しによるテールスカットを抑制防止することができ
る。
【0014】また、本発明のうち請求項4に係るサスペ
ンション制御装置によれば、前輪の輪荷重の変化量が大
きくなるにつれて後二輪の減衰力の減少変化量を小さく
することにより、後輪の輪荷重減少量を小さくすると共
に後輪の輪荷重増加量を小さくし、前輪からの車両に作
用する制動力を確保して制動距離を確保することができ
る。
【0015】また、本発明のうち請求項5に係るサスペ
ンション制御装置によれば、流体圧シリンダに発生する
上下方向速度入力に対する減衰係数を設定することによ
り、アクチュエータの減衰力を容易に設定することがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。まず、図1は、本発明のサスペンシ
ョン制御装置を能動型サスペンションに展開した一実施
形態を示す車両の概略構成図であり、図中、符号10は
車体側部材を、11FL〜11RRは前左〜後右の各車
輪を、12は能動型サスペンションを夫々示す。なお、
この車両は図示されないアンチロックブレーキ制御装置
を搭載していて、例えば制動中に或る車輪がロック傾向
に陥ると、当該車輪のホイールシリンダへの作動流体圧
を減圧して、これによりその車輪速が回復されるように
している。
【0017】この能動型サスペンション12は、車体側
部材10と車輪11FL〜11RRの各車輪側部材14
との間に各々介装されたアクチュエータとしての流体圧
シリンダ18FL〜18RRと、これらの流体圧シリン
ダ18FL〜18RRの作動流体圧を個別に調整する圧
力制御弁20FL〜20RRと、これら圧力制御弁20
FL〜20RRに所定圧力の作動流体を供給側配管21
Sを介して供給すると共に、圧力制御弁20FL〜20
RRからの戻り流体を戻り側配管21Rを通じて回収す
る流体圧源22と、この流体圧源22及び圧力制御弁2
0FL〜20RR間の供給圧側配管21Sに介挿された
蓄圧用のアキュムレータ24Rと、車体側部材10の各
車輪11FL〜11RR側に配設されて、夫々対応する
位置における車体の上下方向加速度を夫々個別に検出す
る上下方向加速度センサ28FL〜28RRと、車速V
SPを検出する車速センサ27と、車両の重心位置又はそ
の近傍に作用する前後加速度GX を検出する前後加速度
センサ26と、ブレーキペダルの踏込みによってON状
態となるブレーキスイッチ信号SBRK を出力するブレー
キスイッチ25と、前記各上下方向加速度センサ28F
L〜28RRの上下方向加速度GFL〜GRR及び車速セン
サ27からの車速VSP及び前後加速度センサ26からの
前後加速度GX 及びブレーキスイッチ25からのブレー
キスイッチ信号SBRK に基づき、各圧力制御弁20FL
〜20RRの出力圧を個別に制御するコントロールユニ
ット30とを備えている。
【0018】前記流体圧シリンダ18FL〜18RRの
夫々は、シリンダチューブ18aを有し、このシリンダ
チューブ18aには、軸方向に貫通孔を有するピストン
18cにより隔設された下側の圧力室Lが形成され、ピ
ストン18cの上下面の受圧面積差と内圧とに応じた推
力を発生する。そして、シリンダチューブ18aの下端
が車輪側部材14に取付けられ、ピストンロッド18b
の上端が車体側部材10に取付けられている。また、圧
力室Lの各々は、流体圧配管38を介して圧力制御弁2
0FL〜20RRの出力ポートに接続されている。ま
た、流体圧シリンダ18FL〜18RRの圧力室Lの各
々は、絞り弁32を介してばね下振動吸収用のアキュム
レータ34に接続されている。また、流体圧シリンダ1
8FL〜18RRの各々のばね上,ばね下相当間には、
比較的低いばね定数であって車体の静荷重を支持するコ
イルスプリング36が配設されている。
【0019】前記各圧力制御弁20FL〜20RRの夫
々は、スプールを摺動自在に内装した円筒状の弁ハウジ
ングとこれに一体的に設けられた比例ソレノイドとを有
する,従来周知の3ポート比例電磁減圧弁(例えば特開
昭64−74111号参照)で構成されている。そし
て、比例ソレノイドの励磁コイルに供給する指令電流i
(指令値)を調整することにより、弁ハウジング内に収
容されたポペットの移動距離、即ちスプールの位置を制
御し、供給ポートおよび出力ポート又は出力ポートおよ
び戻りポートを介して流体圧源22と流体圧シリンダ1
8FL〜18RRとの間で流通する作動流体を制御でき
るようになっている。ここで、励磁コイルに加えられる
指令電流i(:iRL〜iRR)と圧力制御弁20FL〜2
0RRの出力ポートから出力される制御圧Pとの関係
は、ノイズを考慮した最小電流値iMI N のときに最低制
御圧PMIN となり、この状態から電流値iを増加させる
と、電流値iに比例して直線的に制御圧Pが増加し、最
大電流値iMAX のときには流体圧源22の設定ライン圧
に相当する最高制御圧PMAX となる。なお、車体を中庸
状態に維持するための中立制御圧をPCNとし、それを達
成するための電流値を中立指令電流iN とする。
【0020】前記上下方向加速度センサ28FL〜28
RRの夫々は、上下方向加速度GFL〜GRRが0であると
きに予め設定された中立電圧を出力し、例えば上方向の
加速度GFL〜GRRを検出したときには前記中立電圧にそ
の加速度値に応じた電圧を加えた電圧、下方向の加速度
FL〜GRRを検出したときには前記中立電圧からその加
速度値に応じた電圧を減じた電圧でなる信号を出力する
ように構成されている。また、前記車速センサ27は、
車両の前後方向速度の大きさに応じ且つ前進又は後退で
異なる方向性,例えば正か負かを示す電圧信号からなる
検出信号を車速VSPとして出力する。また、前記前後加
速度センサ26は、車両重心点又はその近傍に作用する
前後加速度の大きさに応じ且つ前進又は後退で異なる方
向性,例えば正か負かを示す電圧信号からなる検出信号
を前後加速度GX として出力する。また、前記ブレーキ
スイッチ25は、ブレーキペダルの踏込みでON状態,
例えば論理値“1”となり、OFF状態では例えば論理
値“0”となるディジタル信号をブレーキスイッチ信号
BRK として出力する。
【0021】前記コントロールユニット30は、図2に
示すように、前記上下方向加速度センサ28FL〜28
RRから出力される上下方向加速度GFL〜GRRなどが入
力されるマイクロコンピュータ44と、このマイクロコ
ンピュータ44からD/A変換されて出力される圧力指
令値SFL〜SRRが供給されて、これらを前記圧力制御弁
20FL〜20RRに対する駆動電流iFL〜iRRに変換
する駆動回路46FL〜46RRとを備えている。
【0022】ここで、マイクロコンピュータ44は、少
なくともA/D変換機能等を備えた入力側インタフェー
ス回路44aと、D/A変換機能等を備えた出力側イン
タフェース回路44bと、マイクロプロセスユニット等
からなる演算処理装置44cと、RAM,ROM等を備
えた記憶装置44dとを有する。そして、前記入力イン
タフェース回路44aには、前記上下方向加速度センサ
28FL〜28RRからの検出値GFL〜GRR及び車速セ
ンサ27からの車速VSP及び前後加速度センサ26から
の前後加速度GX 及びブレーキスイッチ25からのブレ
ーキスイッチ信号SBRK が入力され、出力側インタフェ
ース回路44bからは各圧力制御弁20FL〜20RR
に対する制御指令値SFL〜SRRが出力される。
【0023】次に、前記コントロールユニット30のマ
イクロコンピュータ44で実行される能動サスペンショ
ンの統括制御のための演算処理を、図3のフローチャー
トに基づいて説明する。この演算処理は、所定サンプリ
ング時間ΔT(例えば10msec.)毎のタイマ割込処理
として実行される。また、この演算処理では特に通信の
ためのステップを設けていないが、前記記憶装置44d
のROMに記憶されているプログラムやマップ或いはR
AMに記憶されている各種のデータ等は常時演算処理装
置44cのバッファ等に伝送され、また演算処理装置4
4cで算出された各算出結果も随時記憶装置44dに記
憶される。また、前記ブレーキスイッチ25からのブレ
ーキスイッチ信号SBRK ,前後加速度センサ26からの
前後加速度GX ,車速センサ27からの車速VSP,及び
各上下方向加速度センサ28FL〜28RRからの上下
方向加速度GFL〜GRRも随時読込み可能となっている。
【0024】この演算処理では、まず、ステップS01
で、個別の演算処理に行うことで、前記能動型サスペン
ションの各流体圧シリンダ18FL〜18RRに与える
流体圧制御量のうち、車体のバウンスを制御するための
バウンス制御量FBi(i=FL〜RR)を算出設定す
る。具体的には、例えば前記四つの上下方向加速度セン
サ28FL〜28RRの上下方向加速度GFL〜GRRのう
ち、車体をバウンスさせる成分を抽出し、必要に応じて
それを積分して速度成分としたり、更にそれを積分して
変位成分としたりすると共に、例えば車速VSPの増加と
共に大きくなるバウンス運動抑制ゲイン(加速度成分,
速度成分,変位成分の夫々に該当するもの)を設定し、
これを各加速度成分,速度成分,変位成分に乗じたの
ち、例えばそれらの重み付け平均等からバウンス制御量
Biを算出設定する。ちなみに、前記バウンス運動抑制
ゲインを車速の増加と共に大きく設定することにより、
高速走行時のしっかり感とか安定感と、低速走行時の乗
心地とを両立させることができるようになる。
【0025】次にステップS02に移行して、個別の演
算処理を行うことで、前記能動型サスペンションの各流
体圧シリンダ18FL〜18RRに与える流体圧制御量
のうち、車体のロールを制御するためのロール制御量F
Riを算出設定する。具体的には、例えば前記四つの上下
方向加速度センサ28FL〜28RRの上下方向加速度
FL〜GRRから、車体に作用するロールモーメント(ロ
ール角加速度)を求め、必要に応じてそれを積分して速
度(又は角速度)成分としたり、更にそれを積分して変
位(又は位相)成分としたりすると共に、例えば車速V
SRの増加と共に大きくなるロール運動抑制ゲインを各成
分毎に設定し、これを夫々の成分に乗じたのち、例えば
それらの重み付け平均等からロール制御量FRiを算出設
定する。ちなみに、前記ロール運動抑制ゲインも車速の
増加と共に大きく設定することにより、高速走行時のし
っかり感とか安定感と、低速走行時の乗心地とを両立さ
せることができるようになる。
【0026】次にステップS03に移行して、後述する
図4並びに図5の個別の演算処理に従って、前記能動型
サスペンションの各流体圧シリンダ18FL〜18RR
に与える流体圧制御量のうち、車体のピッチを制御する
ためのピッチ制御量FPiを算出設定する。
【0027】次にステップS04に移行して、個別の演
算処理を行うことで、前記ステップS01乃至ステップ
S03で算出されたバウンス制御量FBi,ロール制御量
Ri,ピッチ制御量FPiから、各アクチュエータ,つま
り各流体圧シリンダ18FL〜18RRへの総合制御量
i を算出設定する。具体的には、例えば夫々の制御量
に該当する重みKB ,KR ,KP を設定し、それらを用
いた重み付け平均に、前記中立姿勢を達成するためのニ
ュートラルポジション制御量FN を和して総合制御量F
i を算出設定する。なお、この総合制御量Fi が各アク
チュエータへの上限値を越えるような場合には、例えば
前記重みKB ,KR ,KP を,各制御量FBi,FRi,F
Piの大きさの比率に合わせて変更設定するなどの処理を
施してもよい。
【0028】次にステップS05に移行して、個別の演
算処理を行うことで、前記総合制御量Fi を達成するた
めの制御信号Si を創成出力してから、メインプログラ
ムに復帰する。具体的には、前記各流体圧シリンダ18
FL〜18RRのシリンダ内径が一定であれば、各制御
量(制御力)は供給流体圧に比例し、また前記各圧力制
御弁20FL〜20RRの出力圧は供給電流値に比例す
るから、これらの相関に従って前記総合制御量Fi を達
成するための制御信号Si は或る比例定数によってリニ
アに決まる。なお、この制御信号Si による駆動回路4
6FL〜46RRからの指令電流iRL〜iRR発生方法
は、例えばPWM(Pulse Width Modulation)によるデ
ューティ比制御でもよいし、対応する直流成分を増幅す
るフローティング型増幅器でもよい。
【0029】次に、前記図3の演算処理のステップS0
2で実行されるマイナプログラムについて図4のフロー
チャートを用いながら説明する。この演算処理では、ま
ずステップS1で、個別の演算処理を行うことで、ピッ
チ抑制制御量FGRi を算出設定する。具体的には、例え
ば前記四つの上下方向加速度センサ28FL〜28RR
の上下方向加速度GFL〜GRRから、車体に作用するピッ
チモーメント(ピッチ角加速度)を求めると共に、例え
ば車速VSPの増加と共に大きくなるピッチ運動抑制ゲイ
ンを設定し、両者の積値等からピッチ抑制制御量FGPi
を算出設定する。ちなみに、前記ピッチ運動抑制ゲイン
を車速の増加と共に大きく設定することにより、高速走
行時のしっかり感とか安定感と、低速走行時の乗心地と
を両立させることができるようになる。
【0030】次にステップS2に移行して、後述する図
5の個別の演算処理に従って、ピッチ減衰制御量FVPi
を算出設定する。次にステップS3に移行して、個別の
演算処理を行うことで、前記ステップS1乃びステップ
S2で算出されたピッチ抑制制御量FGPi ,ピッチ減衰
制御量F VPi から、各アクチュエータ,つまり各流体圧
シリンダ18FL〜18RRへのピッチ制御量FPiを算
出設定してから、前記図3の演算処理のステップS04
に移行する。具体的には、例えば夫々の制御量に該当す
る重みK1 ,K2 を設定し、それらを用いた重み付け平
均からピッチ制御量FPiを算出設定する。なお、このピ
ッチ制御量FPiが予め設定された上限値を越えるような
場合には、例えば前記重みK1 ,K2 を,各制御量F
GPi ,FVPi の大きさの比率に合わせて変更設定するな
どの処理を施してもよい。
【0031】次に、前記図3の演算処理のステップS2
で実行されるマイナプログラムについて図5のフローチ
ャートを用いながら説明する。この演算処理では、まず
ステップS201でピッチ速度VP を算出する。具体的
には、例えば前記前左右輪部位に配設された上下方向加
速度センサ28FL,28FRからの上下方向加速度G
FL,GFRの平均値と、前記後左右輪部位に配設された上
下方向加速度センサ28RL,28RRからの上下方向
加速度GRL,GRRの平均値との差分値の絶対値を時間積
分することで、特に車両に作用するピッチ速度VP を得
ることができる。
【0032】次にステップS202に移行して、前記車
速センサ27からの車速VSPが、予め設定された制御閾
値用低速所定値VSP以上であるか否かを判定し、当該車
速V SPが低速所定値VSP以上である場合にはステップS
203に移行し、そうでない場合にはステップS204
に移行する。
【0033】前記ステップS203では、テールリフト
モード制御フラグF1 が“0”のリセット状態であるか
否かを判定し、当該テールリフトモード制御フラグF1
がリセット状態である場合にはステップS205に移行
し、そうでない場合にはステップS206に移行する。
【0034】前記ステップS205では、前記ブレーキ
スイッチ25からのブレーキスイッチ信号SBRK
“1”のON状態であるか否かを判定し、当該ブレーキ
スイッチ信号SBRK がON状態である場合にはステップ
S207に移行し、そうでない場合には前記ステップS
206に移行する。
【0035】前記ステップS207では、前記前後加速
度センサ26からの前後加速度GXが、予め設定された
テールリフト発生所定値GX0以上であるか否かを判定
し、当該前後加速度GX が所定値GX0以上である場合に
はステップS208に移行し、そうでない場合には前記
ステップS206に移行する。
【0036】そして、前記ステップS208では、テー
ルリフトモード制御フラグF1 を“1”にセットしてか
ら前記ステップS206に移行する。このステップS2
06では、テールリフトモード制御フラグF1 が“1”
のセット状態であるか否かを判定し、当該テールリフト
モード制御フラグF1 がセット状態である場合にはステ
ップS209に移行し、そうでない場合にはステップS
210に移行する。
【0037】前記ステップS209では、前記後左右輪
部位に配設された上下方向加速度センサ28RL,28
RRからの上下方向加速度GRL,GRRの平均値が“0”
以上であるか否かを判定し、当該上下方向加速度GRL
RRの平均値が“0”以上である場合にはステップS2
11に移行し、そうでない場合にはステップS212に
移行する。
【0038】前記ステップS211では、後述する図6
のテールリフトモード制御マップに従って減衰係数cを
設定してからステップS215に移行する。一方、前記
ステップS212では、テールスカットモード解除カウ
ンタCNTが“0”のクリア状態であるか否かを判定
し、当該テールスカットモード解除カウンタCNTがク
リア状態である場合にはステップS216に移行し、そ
うでない場合には前記ステップS210に移行する。
【0039】前記ステップS216では、テールリフト
モード制御フラグF1 を“0”にリセットすると共にテ
ールスカットモード制御フラグF2 を“1”にセットし
てから前記ステップS210に移行する。
【0040】前記ステップS210では、テールスカッ
トモード制御フラグF2 が“1”のセット状態であるか
否かを判定し、当該テールスカットモード制御フラグF
2 がセット状態である場合にはステップS217に移行
し、そうでない場合には前記ステップS204に移行す
る。
【0041】前記ステップS217では、テールスカッ
トモード解除カウンタCNTをインクリメントしてから
ステップS218に移行する。前記ステップS218で
は、テールスカットモード解除カウンタCNTが予め設
定された比較的短時間に相当する所定値CNT0 (例え
ば“2”乃至“4”)以上であるか否かを判定し、当該
テールスカットモード解除カウンタCNTが所定値CN
0 以上である場合にはステップS219に移行し、そ
うでない場合には前記ステップS204に移行する。
【0042】前記ステップS211では、後述する図7
のテールスカットモード制御マップに従って減衰係数c
を設定してから前記ステップS215に移行する。ま
た、前記ステップS204では、テールスカットモード
解除カウンタCNTを“0”にクリアしてからステップ
S220に移行し、ここでテールリフトモード制御フラ
グF1 及びテールスカットモード制御フラグF2 を共に
“1”にセットしてからステップS221に移行し、こ
こで減衰係数cを定常モード所定値c 0 に設定してから
前記ステップS215に移行する。
【0043】そして、前記ステップS215では、前記
設定された各減衰係数cに前記ピッチ速度VP を乗じた
値を、後左右輪用ピッチ減衰制御量FVPRL,FVPRRに設
定してから前記図4の演算処理のステップS3に移行す
る。なお、本実施形態では、前左右輪用ピッチ減衰係数
VPFL,FVPFRは共に“0”である。
【0044】次に、前記図5の演算処理のステップS2
11で使用される制御マップについて図6を用いて説明
する。この図6は前記テールリフト期(モード)用の減
衰係数設定制御マップである。同図から明らかなよう
に、後左右輪の上下方向加速度GRL,GRRの平均値の絶
対値,つまり車体後方に作用するピッチモーメント(厳
密には車体前方に作用するピッチ入力の偶力成分であ
り、車両重心点−後車軸間距離で除せばピッチ角加速度
になる)の大きさに応じて減衰係数cを変化させる。こ
こでは、ピッチモーメント|(GRL+GRR)/2|が
“0”の状態での切片が前記定常モード所定値c0 であ
り、ピッチモーメント|(GRL+GRR)/2|の増加と
共に減衰係数cもリニアに減少する。
【0045】次に、前記図5の演算処理のステップS2
19で使用される制御マップについて図7を用いて説明
する。この図7は前記テールスカット期(モード)用の
減衰係数設定制御マップである。同図から明らかなよう
に、後左右輪の上下方向加速度GRL,GRRの平均値の絶
対値からなるピッチモーメント|(GRL+GRR)/2|
が“0”の状態での切片が前記定常モード所定値c0
あり、ピッチモーメント|(GRL+GRR)/2|の増加
と共に減衰係数cもリニアに増加する。
【0046】次に、前記図5の演算処理の作用について
説明する。制動中に車輪に制動力が作用すると、慣性に
よって車体は前方に進行し続けようとする。実際に、車
輪と車体とが分離するわけではないから、これによって
前述のようなピッチモーメントが発生する。このとき、
例えば車体後部に作用する上向きの加速度が図8に示す
ように(1−ΔG)〔G〕(Gravity:重力加速度)であ
る(前記説明の上下方向加速度とは若干異なる)とする
と、減少する後輪荷重の変化量ΔWは、下記1式で与え
られる。
【0047】 ΔW=mΔG+c∫ΔG+k∬ΔG ……… (1) なお、∫は時間積分記号,mは質量,cは減衰係数,k
は弾性係数である。また、この輪荷重変動を伴う後輪制
動力fは下記2式で表される。
【0048】 f=μ(W−ΔW) ……… (2) なお、μは路面摩擦係数,Wは中立状態にあるときの後
輪荷重である。従って、前述した減少側への後輪荷重変
化量ΔWが大きければ大きいほど、後輪制動力fは小さ
くなる。図9のうち、線形領域と記載された部分が、こ
れに相当する。同図から明らかなように、この線形領域
では、凡そ、輪荷重が大きいほど制動力も大きい。ま
た、輪荷重が大きくなり過ぎると、例えばタイヤの変形
に伴う粘弾性の低下等から、輪荷重がそれ以上大きくな
っても、制動力は逆に小さくなってしまう。この領域を
非線形領域と呼び、前記線形領域との輪荷重の閾値を線
形領域上限閾値WLNR と表す。また、本来なら、輪荷重
が小さくなれば制動力もリニアにどこまでも小さくなる
はずであるが、前述のように輪荷重が小さくなると路面
反力トルクが小さくなるために、ホイールシリンダから
車輪に作用する制動力が相対的に大きくなって、当該車
輪がロック傾向となり、これに対して前述したアンチロ
ックブレーキ制御装置が当該ホイールシリンダへの作動
流体圧を減圧するために制動力は減少してしまう。この
領域をアンチロックブレーキ(図ではABS)作動領域
とし、線形領域との輪荷重の閾値を線形領域下限閾値W
ABS と表す。
【0049】そこで、前記1式における減衰係数cが前
述した定常モード所定値c0 であり、或る急制動時の上
下方向加速度ΔGによって輪荷重変化量ΔWORG が発生
するとすると、この輪荷重変化量ΔWORG により、到達
する輪荷重WORG が前記線形領域下限閾値WABS より小
さくなってアンチロックブレーキ作動領域に入ってしま
うため、そのときの制動力fは図9にfORG で示すよう
な小さな値になってしまう。従って、例えば前輪の制動
力が線形領域の最大値まで到達しているような場合に
は、車両に作用するトータルな制動力が小さくなり、そ
の結果、制動距離が長くなる場合もある。
【0050】これに対して、本実施形態の前記図5の演
算処理では、車速VSPが前記制御閾値に相当する低速所
定値VSP0 より遙に高い一定値であり、そのステップS
203,ステップS205,ステップS207を経てス
テップS208でテールリフトモード制御フラグF1
セットされるような急制動時には、ステップS206か
らステップS209に移行し、未だ制動中の後左右輪の
上下方向加速度の平均値((GRL+GRR)/2)は上方向
である正値であるからステップS211に移行し、ここ
で当該後左右輪の上下方向加速度の平均値((GRL
RR)/2)に応じて前記定常用所定値c0 より小さい
テールリフトモード用の減衰係数cが設定される。この
小さなテールリフトモード用の減衰係数cによれば、同
じ上下方向加速度ΔGでも発生する輪荷重変化量ΔW
CRT-R1は前記定常用減衰係数c0 時の輪荷重変化量ΔW
ORG より小さくなり、この輪荷重変化量ΔWCRT-R1によ
り、到達する輪荷重WCRT-R1が前記線形領域下限閾値W
ABS より大きな線形領域に止まれば、そのときの後輪か
らの車体に作用する制動力fCRT-R1より大幅に大きくな
る。従って、例えば前輪の制動力が線形領域の最大値ま
で到達しているような場合であっても、この後輪からの
車体に作用する制動力fCRT-R1が有効に作用して、その
結果、制動距離を確保することができるようになる。
【0051】また、この急制動が解除されると、例えば
前記ピッチモーメントに対して蓄えられている前輪側の
反力によって車体は後方に押し返される,所謂テールス
カットを伴う揺り返しが発生する。このとき、車体後部
に発生する加速度,即ち前記後左右輪の上下方向加速度
の平均値((GRL+GRR)/2)は下向きを示す負値にな
るから、図5の演算処理ではステップS209からステ
ップS212に移行し、未だテールスカットモード解除
カウンタCNTはクリアされたままであるからステップ
S216に移行して、テールリフトモード制御フラグF
1 がリセットされると共にテールスカットモード制御フ
ラグF2 がセットされ、続くステップS210からステ
ップS217に移行してテールスカットモード解除カウ
ンタCNTをインクリメントし、このテールスカットモ
ード解除カウンタCNTがカウントアップするまではス
テップS219に移行して、ここで当該後左右輪の上下
方向加速度の平均値((GRL+GRR)/2)に応じて前記
定常用所定値c0 より大きなテールスカットモード用の
減衰係数cが設定される。即ち、急制動が解除されてテ
ールスカットを発生させるようなピッチモーメントが生
じると、後輪の減衰力を速やかに大きくし、これにより
揺り返しによる実際のテールスカットを抑制防止するこ
とができる。
【0052】やがて、前記テールスカットモード解除カ
ウンタCNTが前記比較的短時間に相当する所定値CN
0 でカウントアップすると、図5の演算処理のステッ
プS218からステップS204に移行し、ここで当該
カウンタCNTをクリアし、次いでステップS220で
前記二つの制御フラグF1 ,F2 をクリアして前述した
急制動時制御ルーチンから外れ、次のステップS221
で減衰係数cを定常用所定値c0 に設定する。
【0053】以上より、本実施形態は、本発明のうち請
求項1乃至3及び5に係る発明を実施化したものであ
り、前記ブレーキスイッチ25及び前後加速度センサ2
6及び図5の演算処理のステップS205及びステップ
S207及びステップS208が本発明の急制動検出手
段を構成し、以下同様に、図5の演算処理全体が制御手
段を構成し、図5の演算処理のステップS206及びス
テップS210及びステップS219及びステップS2
12及びステップS216乃至ステップS219が揺り
返し制御手段を構成している。
【0054】次に本発明の車両運動制御装置の第2実施
形態について説明する。この実施形態における車両の主
要構成は前記第1実施形態の図1及び図2のものと同様
である。また、能動型サスペンションの主要制御は、前
記第1実施形態の図3及び図4に示す内容と同様であ
る。一方、前記図4の演算処理のマイナプログラムとし
ての演算処理が前記図5のものから図10のものに変更
されている。但し、図10の演算処理は前記図5の演算
処理に類似しており、中には同等のステップもあり、ま
たそれに用いられる制御マップも、前記第1実施形態の
図6及び図7に示すものと同様である。そこで、同等の
ステップには同等の符号を附してそれらの詳細な説明は
省略する。そして、図7の演算処理と図10の演算処理
の相違は、前記ステップS211とステップS215と
の間にステップS213及びステップS214が挿入さ
れている。
【0055】具体的に前記ステップS213では、前記
前左右輪の上下方向加速度GFL,G FRの平均値の絶対
値,つまり車体前方に作用するピッチモーメント|(G
FL+G FR)/2|を用いて、図11の補正係数制御マッ
プに従って補正係数hを設定してからステップS214
に移行する。この制御マップは、前記ピッチモーメント
|(GFL+GFR)/2|が予め設定された線形領域上限
所定値ΔG0 以下の領域では、例えば“1”相当の所定
値h0 に保持されるが、当該ピッチモーメント|(GFL
+GFR)/2|が所定値ΔG0 より大きくなると、ピッ
チモーメント|(GFL+GFR)/2|の増加と共に補正
係数hもリニアに増加する。
【0056】前記ステップS214では、前記ステップ
S211で算出されたテールリフトモード用の減衰係数
cに前記補正係数hを乗じて新たな減衰係数cを設定し
てから前記ステップS215に移行する。
【0057】次に、本実施形態の作用について説明す
る。前述のように後輪の減衰力を小さくして、後輪側で
減少する輪荷重変化量ΔW CRT-R1を小さくすると、当然
ながらそのときに前輪側で増加する輪荷重変化量ΔW
CRT-F1は大きくなる。この大きな前輪側の輪荷重変化量
ΔWCRT-F1によって、到達する前輪荷重WCRT-F1が前記
図9の線形領域上限閾値WLNR より大きくなると、今度
は前輪の制動力fが小さくなり、結果的にトータルに車
両に作用する制動力が小さくなって、却って制動距離が
長くなるような場合もある。
【0058】そこで、本実施形態では、格別に前輪の減
衰力を制御しないので、このように前輪の輪荷重を前記
線形領域上限閾値WLNR 以上とする前輪側のピッチモー
メント|(GFL+GFR)/2|の大きさは決まってお
り、従ってこの値を前記線形領域上限所定値ΔG0 に設
定しておけば、当該前輪側のピッチモーメント|(GFL
+GFR)/2|が当該所定値ΔG0 になると補正係数h
は“1”より次第に大きくなる。従って、この補正係数
hが乗じられた新たな後輪の減衰係数cは、ステップS
211で設定されるものより大きくなり、従って、その
分だけ減少する後輪側の輪荷重変化量ΔWCRT-R1は大き
くなるが、逆に増加する前輪側の輪荷重変化量は小さく
なる。このときの増加する前輪側の輪荷重変化量を図9
に示すところのΔWCRT-F2とすると、この前輪側の輪荷
重変化量ΔWCRT-F2で到達する前輪荷重WCRT-F2は前記
図9の線形領域上限閾値WLNR より小さくなるので、こ
れにより前輪の制動力は線形領域内で可及的に大きな値
になり、前述した後輪の制動力と共に車両に作用する制
動力を最大限のものとして制動距離を確保することが可
能となる。
【0059】以上より、本実施形態は、本発明のうち請
求項1乃至5に係る発明を実施化したものであり、前記
ブレーキスイッチ25及び前後加速度センサ26及び図
10の演算処理のステップS205及びステップS20
7及びステップS208が本発明の急制動検出手段を構
成し、以下同様に、図10の演算処理全体が制御手段を
構成し、図10の演算処理のステップS206及びステ
ップS210及びステップS219及びステップS21
2及びステップS216乃至ステップS219が揺り返
し制御手段を構成し、図10の演算処理のステップS2
13及びステップS214が減衰力補正手段を構成して
いる。
【0060】なお、前記実施形態では、急制動を前後加
速度の大きさで判断したが、例えば車速の変化速度を前
後加速度として用いることもできる。また、前述したア
ンチロックブレーキ制御装置を備えていて、その作動に
よって制動距離が長じるのを抑制防止する場合には、例
えば当該アンチロックブレーキ制御装置によるホイール
シリンダ作動流体圧の減圧量で急制動を検出するように
してもよい。
【0061】また、急制動時に発生する後輪側の減衰力
は伸側、その解除時,即ち揺り返し時に発生する後輪の
減衰力は圧側であるから、前記減衰係数及びその減衰力
の設定は該当する側だけでもよい。
【0062】また、前記実施形態はコントロールユニッ
ト30としてマイクロコンピュータを適用した場合につ
いて説明したが、これに代えてカウンタ,比較器等の電
子回路を組み合わせて構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサスペンション制御装置を展開した能
動型サスペンションの一例を示す車両全体構成概略図で
ある。
【図2】図1のコントロールユニットの構成説明図であ
る。
【図3】図2のコントロールユニットで実行される能動
型サスペンション制御のゼネラルフローチャートであ
る。
【図4】図3の演算処理で実行されるマイナプログラム
を示すフローチャートである。
【図5】図4の演算処理で実行されるマイナプログラム
の第1実施形態のフローチャートである。
【図6】図5の演算処理で用いられる制御マップであ
る。
【図7】図5の演算処理で用いられる制御マップであ
る。
【図8】テールリフトに伴う輪荷重移動と制動力の説明
図である。
【図9】本発明の作用を説明するための輪荷重と制動力
の関係の説明図である。
【図10】図4の演算処理で実行されるマイナプログラ
ムの第2実施形態のフローチャートである。
【図11】図10の演算処理で用いられる制御マップで
ある。
【符号の説明】
12は能動型サスペンション 10は車体側部材 11FL〜11RRは車輪 14は車輪側部材 18FL〜18RRは流体圧シリンダ 20FL〜20RRは圧力制御弁 22は流体圧源 25はブレーキスイッチ 26は前後加速度センサ 27は車速センサ 28FL〜28RRは上下方向加速度センサ 30はコントロールユニット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも後二輪の上下方向入力に対す
    る減衰力を可変とし、少なくとも急制動時に後二輪の減
    衰力を一時的に小さくすることを特徴とするサスペンシ
    ョン制御装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも後二輪の夫々と車体との間に
    介装されて指令値に応じた減衰力を発生するアクチュエ
    ータと、車両の急制動を検出する急制動検出手段と、少
    なくともこの急制動検出手段で車両の急制動が検出され
    たときに、後二輪の減衰力を小さくする制御手段とを備
    えたことを特徴とするサスペンション制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段が、前記急制動検出手段に
    よって車両の急制動が検出された後、それが解除された
    ときに後二輪の減衰力を一時的に大きくする揺り返し制
    御手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のサス
    ペンション制御装置。
  4. 【請求項4】 前輪の輪荷重の変化量を検出する前輪荷
    重変化量検出手段を備え、前記制御手段が、前記前輪荷
    重変化量検出手段で検出される前輪の輪荷重の変化量が
    大きくなるにつれて、前記車両の急制動が検出されたと
    きに小さくされる後二輪の減衰力の変化量を小さくする
    減衰力補正手段を備えたことを特徴とする請求項2又は
    3に記載のサスペンション制御装置。
  5. 【請求項5】 前記アクチュエータが流体圧シリンダを
    含んで構成され、前記減衰力の設定は、前記流体圧シリ
    ンダに発生する上下方向速度入力に対する減衰係数の設
    定で行われることを特徴とする請求項2乃至4の何れか
    に記載のサスペンション制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007216737A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Hitachi Ltd 車両の衝突安全制御装置
JP2015057347A (ja) * 2014-12-24 2015-03-26 日立オートモティブシステムズ株式会社 サスペンション制御装置
JP2016107834A (ja) * 2014-12-05 2016-06-20 トヨタ自動車株式会社 車両走行制御装置
CN112238724A (zh) * 2019-07-19 2021-01-19 罗伯特·博世有限公司 用于车辆的稳定性系统及其控制单元和方法

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