JP3052699B2 - 能動型サスペンション - Google Patents

能動型サスペンション

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JP3052699B2
JP3052699B2 JP5272554A JP27255493A JP3052699B2 JP 3052699 B2 JP3052699 B2 JP 3052699B2 JP 5272554 A JP5272554 A JP 5272554A JP 27255493 A JP27255493 A JP 27255493A JP 3052699 B2 JP3052699 B2 JP 3052699B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、能動型サスペンション
に関し、特に、旋回時に生じた車体のロールが復元する
際に、乗員が感じる違和感を低減することのできる能動
型サスペンションに関する。
【0002】
【従来の技術】旋回時における車体ロールを抑制する能
動型サスペンションとして、従来、本出願人が先に提案
した特開昭63−242707号公報に記載されている
ものがある。この従来例は、車体に生じる横加速度を検
出する横加速度検出手段と、車体のロール角速度を検出
するロール角速度検出手段と、横加速度検出手段の横加
速度検出値とロール角速度検出手段のロール角速度検出
値とを加算して圧力制御弁に対する指令信号を演算する
ことにより、横加速度検出手段の横加速度検出値のみに
よってロール抑制制御を行う場合に、応答性を向上させ
るためにゲインを上げてたときに発生する自励振動を防
止しながら、良好な姿勢変化抑制制御を行うようにして
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の能動型サスペンションにあっては、横加速度検出手
段の横加速度検出値にロール角速度検出値を加算して圧
力制御弁に対する制御信号を形成するようにしているの
で、車両のロール方向の運動を抑制することはできる
が、ロールの固有振動周波数が比較的高くロール状態か
らゼロロール状態に復元する場合に、ロール復元速度が
速くなって乗員に違和感を与えるという未解決の課題が
ある。
【0004】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、ロールの戻りを緩
やかにすることにより、旋回時にロールした車体がゼロ
ロール状態に復元する際のロール復元速度をゆっくりと
して乗員が感じる違和感を低減することができる能動型
サスペンションを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る能動型サスペンションは、図1に示
すように、車体側部材と各車輪側部材との間に個別に介
装された流体アクチュエータと、該流体アクチュエータ
に供給する作動流体を指令値に応じて個別に制御する制
御弁と、車体の上下速度を検出する上下速度検出手段
と、該上下速度検出手段の車体上下速度検出値に基づい
て車体上下速度を抑制する前記指令値を演算して出力す
る制御手段とを備えた能動型サスペンションにおいて、
車体のロール角加速度を検出するロール角加速度検出手
段と、車体のロール復元状態を検出するロール復元状態
検出手段と、該ロール復元状態検出手段でロール復元状
態を検出したときに、前記ロール角加速度検出手段のロ
ール角加速度検出値に基づいてロール慣性モーメントが
増加するように前記制御手段の指令値を補正する指令値
補正手段とを備えたことを特徴としている。
【0006】また、請求項2に係る能動型サスペンショ
ンは、前記ロール角加速度検出手段は、車体の左右に配
設した上下加速度センサの車体上下加速度検出値の差値
を算出してロール角加速度を検出することを特徴として
いる。さらに、請求項3に係る能動型サスペンション
は、前記ロール角加速度検出手段は、ロール角加速度検
出値をバンドパスフィルタ処理してロール共振周波数成
分を抽出するように構成されていることを特徴としてい
る。
【0007】
【作用】請求項1の能動型サスペンションにおいては、
ロール角加速度検出手段で、車体のロール角加速度を検
出すると共に、ロール復元状態検出手段でロール復元状
態を検出し、ロール復元状態となったときに、指令値補
正手段で、ロール角加速度検出手段のロール角加速度検
出に基づいてロール慣性モーメントを増加させるように
圧力制御弁を制御する制御手段の指令値を補正する。こ
のため、車体がロール状態となってからゼロロール状態
に戻るロール復元状態となったときに、ロール慣性モー
メントが増加されてロール固有振動周波数が小さくなっ
て、ゆったりとしたロール復元状態とすることができ
る。
【0008】また、請求項2に係る能動型サスペンショ
ンにおいては、左右に配設した上下加速度センサの加速
度検出値の差値を算出してロール角加速度検出すること
により、別途ロール角加速度センサを設けることなくロ
ール角加速度を検出できる。さらに、請求項3に係る能
動型サスペンションにおいては、ロール角加速度検出値
をバンドパスフィルタ処理してロール共振周波数成分を
抽出するので、高周波ノイズやセンサの温度ドリフトの
影響を除去できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は、本発明の一実施例を示す概略構成図であ
り、図中、10は車体側部材を、11FL〜11RRは前左
〜後右車輪を、12は能動型サスペンションを夫々示
す。
【0010】能動型サスペンション12は、車体側部材
10と車輪11FL〜11RRの各車輪側部材14との間に
各々介装されたアクチュエータとしての油圧シリンダ1
8FL〜18RRと、これら油圧シリンダ18FL〜18RRの
作動圧を個別に調整する圧力制御弁20FL〜20RRと、
これら圧力制御弁20FL〜20RRに所定圧力の作動油を
供給側配管21Sを介して供給すると共に、圧力制御弁
20FL〜20RRからの戻り油を戻り側配管21Rを通じ
て回収する油圧源22と、この油圧源22及び圧力制御
弁20FL〜20RR間の供給圧側配管21Sに介挿された
蓄圧用のアキュムレータ24F,24Rと、車体に生じ
る横加速度を検出する横加速度センサ26と、各車輪1
1FL〜11RRに夫々対応する位置における車体の上下加
速度を夫々個別に検出する上下加速度センサ28FL〜2
8RRと、横加速度センサ26の横加速度検出値YG 及び
各上下方向加速度センサ28FL〜28RRの上下加速度検
出値ZFL〜ZRRに基づいて各圧力制御弁20FL〜20RR
を能動制御するコントローラ30とを備えている。
【0011】油圧シリンダ18FL〜18RRの夫々は、シ
リンダチューブ18aを有し、このシリンダチューブ1
8aには、軸方向貫通孔を有するピストン18cにより
隔設された上下の圧力室Lが形成され、ピストン18c
の上下面の受圧面積差と内圧に応じた推力を発生する。
そして、シリンダチューブ18aの下端が車輪側部材1
4に取り付けられ、ピストンロッド18bの上端が車体
側部材10に取り付けられている。また、圧力室Lの各
々は、油圧配管38を介して圧力制御弁20FL〜20RR
の出力ポートに接続されている。また、油圧シリンダ1
8FL〜18RRの圧力室Lの各々は、絞り弁32を介して
バネ下振動吸収用のアキュムレータ34に接続されてい
る。また、油圧シリンダ18FL〜18RRの各々のバネ
上,バネ下相当間には、比較的低いバネ定数であって車
体の静荷重を支持するコイルスプリング36が配設され
ている。
【0012】圧力制御弁20FL〜20RRの夫々は、スプ
ールを摺動自在に内装した円筒状の弁ハウジングとこれ
に一体的に設けられた比例ソレノイドとを有する、従来
周知の3ポート比例電磁減圧弁(例えば特開昭64−7
4111号参照)で構成されている。そして、比例ソレ
ノイドの励磁コイルに供給する指令電流i(指令値)を
調整することにより、弁ハウジング内に収容されたポペ
ットの移動距離、即ちスプールの位置を制御し、供給ポ
ート及び出力ポート又は出力ポート及び戻りポートを介
して油圧源22と油圧シリンダ18FL〜18RRとの間で
流通する作動油を制御できるようになっている。
【0013】ここで、励磁コイルに加えられる指令電流
i(:iFL〜iRR)と圧力制御弁20FL(〜20RR)の
出力ポートから出力される制御圧Pとの関係は、図3に
示すように、ノイズを考慮した最小電流値iMIN のとき
には最低制御圧PNIM となり、この状態から電流値iを
増加させると、電流値iに比例して直線的に制御圧Pが
増加し、最大電流値iMAX のときには油圧源22の設定
ライン圧に相当する最高制御圧PMAX となる。この図3
で、iN は中立指令電流,PCNは中立制御圧である。
【0014】横加速度センサ26は、図4に示すよう
に、上下方向加速度が零であるときに予め設定した正の
中立電圧VYN、右方向の加速度を検出したときには、そ
の加速度値に比例した中立電圧VYNより高い正の電圧、
左方向の加速度を検出したときには、その加速度値に比
例した中立電圧VYNより低い正の電圧でなる横加速度検
出信号YG を出力する。
【0015】上下加速度センサ28FL〜28RLの夫々
は、図5に示すように、上下加速度が零であるときに予
め設定した正の中立電圧VZN、上方向の加速度を検出し
たときにその加速度値に応じた正の中立電圧VZNより高
い正の電圧、下方向の加速度を検出したときに、その加
速度値に応じた正の中立電圧VZNより低い正の電圧でな
る上下加速度検出信号ZFL〜ZRRを出力するように構成
されている。
【0016】コントローラ30は、図6に示すように、
横加速度センサ26から入力される横加速度検出信号Y
G をデジタル値に変換するA/D変換器41Yと、上下
加速度センサ28FL〜28RRから入力される上下加速度
検出信号ZFL〜ZRRをデジタル値に変換するA/D変換
器41FL〜41RRと、A/D変換器41Yから出力され
る横加速度検出信号及びA/D変換器41FL〜41RRか
ら出力される上下加速度検出信号が入力されるマイクロ
コンピュータ42と、このマイクロコンピュータ42か
ら出力される圧力指令値PFL〜PRRがD/A変換器43
FL〜43RRを介して供給され、これらを圧力制御弁20
FL〜20RRに対する駆動電流iFL〜iFRに変換する例え
ばフローティング形定電圧回路で構成される駆動回路4
4FL〜44FRとを備えている。
【0017】ここで、マイクロコンピュータ42は、少
なくとも入力側インタフェース回路42a、出力側イン
タフェース回路42b、演算処理装置42c及び記憶装
置42dを有する。入力インタフェース回路42aに
は、A/D変換器41Y及びA/D変換器41FL〜41
RRの変換出力が入力され、出力側インタフェース回路4
2bからは各圧力制御弁20FL〜20RRに対する圧力指
令値PFL〜PRRがD/A変換器43FL〜43RRに出力さ
れる。また、演算処理装置43cは、後述する図7の処
理を実行して、左右の上下加速度検出値ZFL″及び
FR″に基づいてロール角加速度θR ″を算出し、この
ロール角加速度θR ″に応じてロール慣性力を大きくす
るロール慣性圧力指令値PRIを算出すると共に、横加速
度検出値YG ″の絶対値が増加方向であるときには、各
車体上下加速度検出値ZFL″〜ZRR″を積分した車体上
下速度ZFL′〜ZRR′に基づいて算出したスカイフック
ダンパ機能を発揮する能動制御用圧力指令値に基づいて
各圧力制御弁20FL〜20RRに対する圧力指令値PFL
RRを算出するが、横加速度検出値YG の絶対値が減少
方向であるときには、ロール復元状態と判断して、車体
上下加速度ZFL′〜ZRR′に基づく能動制御用圧力指令
値に前輪側及び後輪側ロール慣性圧力指令値PIF及びP
IRを加算して各圧力制御弁20FL〜20RRに対する圧力
指令値PFL〜PRRを算出し、算出した圧力指令値PFL
RRをD/A変換器43FL〜43RRを介して駆動回路4
4FL〜44RRに出力する。
【0018】さらに、記憶装置42dは、予め演算処理
装置42cの演算処理に必要なプログラムが記憶されて
いると共に、演算処理装置42cの演算過程で必要な演
算結果を逐次記憶する。次に、上記実施例の動作を演算
処理装置42cの処理手順の一例を示す図7のフローチ
ャートを伴って説明する。
【0019】図7の処理は、所定のメインプログラムに
対して所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理
として実行され、先ずステップS1で、横加速度センサ
26の横加速度検出信号YG 及び上下加速度センサ28
FL〜28RRの車体上下加速度検出信号ZFL〜ZRRを読込
み、次いでステップS2に移行して、横加速度検出信号
G 及び車体上下加速度検出信号ZFL〜ZRRから夫々中
立電圧VYN及びVZNを減算して、加速度の方向を正負の
符号で表す横加速度YG ″及び車体上下加速度ZFL″〜
RR″を算出し、次いで、ステップS3に移行して、車
体上下加速度Z FL″〜ZRR″を例えばローパスフィルタ
処理によって積分して、車体上下速度Z FL′〜ZRR′を
算出する。
【0020】次いで、ステップS4に移行して、ステッ
プS2で算出した例えば前輪側における右側の車体上下
加速度ZFR″から左側の車体上下加速度ZFL″を減算し
て車体のロール角加速度θR ″(=ZFR″−ZFL″)を
算出し、次いでステップS5に移行して、ロール角加速
度θR ″に対して、ロール振動周波数に相当し、スカイ
フック制御に影響を与えないと共に、高周波ノイズ及び
上下加速度センサ28FL〜28RRの温度ドリフトの影響
も除去するバンドパスフィルタ処理を行い、次いでステ
ップS6に移行して予め設定したロール角制御ゲインK
R1及びKR2を乗算することにより、前輪側及び後輪側ロ
ール慣性圧力指令値PIF及びPIRを算出する。このロー
ル慣性圧力指令値PIF及びPIRは、バンドパスフィルタ
処理における伝達関数を(1+T2 S)/(1+T
1 S)とすると下記(1)式及び(2)式で表すことが
できる。
【0021】 PIF=KR1{(1+T2 S)/(1+T1 S)}(ZFR″−ZFL″)…(1) PIR=KR2{(1+T2 S)/(1+T1 S)}(ZFR″−ZFL″)…(2) ここで、ゲインKR1及びKR2は、前後輪のロール共振周
波数が一致するように設定されている。すなわち、前後
のロール共振周波数は、バネ質量系における固有振動数
を求める場合と同様に、前後の慣性モーメントをIF,
R 、減衰係数をDF,R 、バネ定数をCF,R とする
と、車両のロール方向の運動を抑制するための前輪側及
び後輪側の運動方程式は、下記(3)式及び(4)式で
表わすことができ、ロール共振周波数ωF 及びωR は下
記(5)式及び(6)式で表すことができるため、前後
のロール共振周波数を一致させるには、下記(7)式を
満足する前後配分となるようにゲインKR1及びKR2を設
定すればよい。
【0022】 IF ・d2 θ/dt2 +DF ・dθ/dt+CF =0 …………(3) IR ・d2 θ/dt2 +DR ・dθ/dt+CR =0 …………(4) ωF =(CF /IF 1/2 …………(5) ωR =(CR /IR 1/2 …………(6) CF /IF =CR /IR …………(7) 次いで、ステップS7に移行して、今回の横加速度
G ″(n) の絶対値|YG″(n) |から前回算出した横
加速度YG ″(n-1) の絶対値|YG ″(n-1) |を減算し
た値が負であるか否かを判定する。この判定は、横加速
度が減少方向でロール復元状態であるか否かを判定する
ものであり、|YG ″(n) |−|YG ″(n-1) |≧0で
あるときには、零ロール状態又はロール角が増加若しく
は所定のロール角を維持しているものと判断して、ステ
ップS8に移行し、車体上下速度ZFL′〜ZRR′に基づ
いて下記(8)式〜(11)式の演算を行って各圧力制
御弁20FL〜20RRに対する圧力指令値PFL〜PRRを算
出する。
【0023】 PFL=PN −KB ・ZFL′ …………(8) PFR=PN −KB ・ZFR′ …………(9) PRL=PN −KB ・ZRL′ …………(10) PRR=PN −KB ・ZRR′ …………(11) ただし、PN は車両を標準車高に維持するために必要と
する中立圧指令値である。
【0024】次いで、ステップS9に移行して、算出し
た圧力指令値PFL〜PRRをD/A変換器43FL〜43RR
に出力してから所定のメインプログラムに復帰する。一
方、ステップS7の判定結果が、|YG ″(n) |−|Y
G ″(n-1) |≧0であるときには、ステップS10に移
行して、ロール慣性圧力指令値PRI及び車体上下速度Z
FL′〜ZRR′に基づいて下記(12)式〜(15)式の
演算を行って各圧力制御弁20FL〜20RRに対する圧力
指令値PFL〜PRRを算出してから前記ステップS9に移
行する。
【0025】 PFL=PN −KB ・ZFL′−PIF …………(12) PFR=PN −KB ・ZFR′+PIF …………(13) PRL=PN −KB ・ZRL′−PIR …………(14) PRR=PN −KB ・ZRR′+PIR …………(15) この図7の処理において、ステップS4及びS5の処理
がロール角加速度検出手段に対応し、ステップS7の処
理がロール復元状態検出手段に対応し、ステップS6及
びステップS10の処理が指令値補正手段に対応してい
る。
【0026】したがって、今、車体が凹凸の無い平坦な
良路を一定速度で直進走行しているものとする。この状
態では、車体が揺動することはなく、横加速度YG ″、
車体上下加速度ZFL″〜ZRR″及び車体上下速度ZFL
〜ZRR′は零であるので、演算処理装置42cで図7の
演算処理を実行したときに、ロール慣性圧力指令値P RI
が零となると共に、横加速度YG ″が零であるので、ス
テップS8からステップS9に移行して、前記(8)式
〜(11)式の演算を行って、圧力指令値PFL〜PRR
算出する。このとき、車体上下速度ZFL′〜ZRR′が零
であるので、圧力指令値PFL〜PRRは中立圧指令値PN
のみとなり、これらが各D/A変換器43FL〜43RRを
介して駆動回路44FL〜44RRに出力される。
【0027】このため、駆動回路44FL〜44RRから図
3の中立電流値iN に相当する駆動電流iFL〜iRRが圧
力制御弁20FL〜20RRに出力され、これに応じて圧力
制御弁20FL〜20RRの制御圧PC が中立圧PN とな
り、これが油圧シリンダ18FL〜18RRに出力されるの
で、これら油圧シリンダ18FL〜18RRで中立圧に応じ
た推力を発生し、車高を標準車高状態に維持する。
【0028】この定速直進状態から、例えば右旋回状態
に移行すると、旋回外輪となる車体左側が沈み込み、旋
回内輪となる車体右側が浮き上がり車体が左下がりに傾
斜するロールを発生させようとする。このように車体に
ロールを発生させる状態となると、左側の上下加速度セ
ンサ28FL及び28RLでは、中立電圧VZNより小さい値
の車体上下加速度検出信号Z FL及びZRLを出力し、右側
の上下加速度センサ28FR及び28RRでは、中立電圧V
ZNより大きい値の車体上下加速度検出信号ZFR及びZRR
を出力することになるので、図7の処理におけるステッ
プS2で算出される車体上下加速度ZFL″及びZRL″が
負の値、車体上下加速度ZFR″及びZRR″が正の値とな
り、ステップS6で算出されるロール慣性圧力指令値P
RIは正の値となる。
【0029】しかしながら、車両が旋回状態に移行した
ばかりであるので、横加速度YG ″は増加状態であり、
ステップS8からステップS9に移行し、左側の圧力制
御弁20FL及び20RLに対する圧力指令値PFL及びPRL
は中立圧指令値PN より増加し、右側の圧力制御弁20
FR及び20RRに対する圧力指令値PFR及びPRRは中立圧
指令値PN より減少する。このため、左側の油圧シリン
ダ18FL及び18RLの推力が増加し、右側の油圧シリン
ダ18FR及び18RRの推力が減少することになって、ス
カイフック制御によって車体のロールを抑制して略零ロ
ール状態を維持することができる。
【0030】しかしながら、急旋回時のように、車体上
下速度ZFL′及びZRL′が大きい時には、スカイフック
制御による圧力指令値PFL及びPRLがライン圧PMAX
越える状態となるがライン圧PMAX 以上の制御圧PC
得ることはできないので、油圧シリンダ18FL及び18
RLの制御圧PC はライン圧PMAX に保持されることにな
り、更なる車体上下速度の増加に伴って車体にロールが
生じ、車体と左輪との間に介装されたコイルスプリング
36にエネルギが蓄積される。
【0031】そして、このロール増加又は保持状態が継
続する間は、図7の処理において、ステップS8からス
テップS9に移行するので、上記制御が継続されること
になるが、車両が右旋回状態から直進状態に戻り始める
と、これに応じて横加速度Y G ″が減少し始めてロール
復元状態となり、この状態となると図7の処理におい
て、ステップS8からステップS10に移行する。この
とき、前述したスカイフック制御によって車体が零ロー
ル状態に維持されているときには、車体上下加速度
FL″〜ZRR″が略零であるので、ステップS5〜S7
で算出されるロール慣性圧力指令値PLIも略零となるた
め、前記(12)式〜(15)式は前述したステップS
9のスカイフック制御による(8)式〜(11)式と全
く同様となるため、通常のスカイフック制御が継続して
実行される。
【0032】しかしながら、急旋回状態で車体が左下が
りにロールしている状態では、ロール復元状態となるこ
とにより、コイルスプリング36に蓄積されたエネルギ
が解放されることになるが、旋回状態を継続しているた
め、左側の上下加速度センサ28FL及び28RLの車体上
下加速度検出信号ZFL及びZRLが中立電圧VZNより低い
値を維持し、右側の上下加速度センサ28FR及び28RR
の車体上下加速度検出信号ZFR及びZRRが中立電圧VZN
より高い値を維持するので、ステップS2で算出される
左側の車体上下加速度ZFL″及びZRL″が負の値、右側
の車体上下加速度ZFR″及びZRR″が正の値となる。こ
のため、ステップS5で算出されるロール角加速度θ″
が負の値となり、これに基づいて算出されるロール慣性
圧力指令値PRIも負の値となる。このため、ステップS
10で算出される左側の圧力指令値PFL及びPRLはスカ
イフック制御時の圧力指令値からロール慣性圧力指令値
RI分だけ減少され、右側の圧力指令値PFR及びPRR
スカイフック制御時の圧力指令値からロール慣性圧力指
令値PRI分だけ増加される。
【0033】このように、左側の圧力指令値PFL及びP
RLを減少させ、右側の圧力指令値P FR及びPRRを増加さ
せると、実質的にロール慣性モーメントを増加させたこ
とと等価となり、ロール共振周波数が低い方に変更され
ることになり、ロール復元速度を遅くすることができ
る。すなわち、車両のロール方向の減衰状態を時間軸で
表すと、従来のスカイフック制御のみの場合には、図8
で実線の曲線LP で示すように、ロール共振周波数が高
く振動の山と山との間のピーク間距離XP が短いため、
ロール速度が速くならざるを得ないが、本実施例による
場合には、図8で破線図示の曲線LE で示すように、ロ
ール共振周波数が低い方向に変更されるので、ピーク間
距離XE が長くなり、ロール復元時に過渡的な車体挙動
の急激な変動が抑制され、ロール速度が遅くなって乗員
にゆったりとした感覚を与えて従来例における違和感を
低減することができる。
【0034】また、車両が左旋回する場合には、上記右
旋回の動作における左右の制御態様が逆になって、ロー
ル復元時にロール共振周波数を低い方向に変更して、乗
員にゆったりとした感覚を与えることができる。なお、
上記実施例においては、各車輪位置に4つの上下加速度
センサ28FL〜28RRを設けた場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、何れか3つの車輪
位置に上下加速度センサを設け、残りの車輪位置の上下
加速度を3つの加速度検出値に基づいて推測するように
してもよい。
【0035】また、上記実施例においては、各輪位置に
設けた上下加速度センサ28FL〜28RRを使用して車体
上下加速度を検出し、これを積分した車体上下速度に基
づいてスカイフック制御を行う場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、横加速度センサ2
6で検出した横加速度に基づいてロール抑制圧力指令値
を算出し、これをロール慣性圧力指令値PIF及びPIR
補正するようにしてもよい。
【0036】さらに、上記実施例においては、マイクロ
コンピュータで車体上下加速度の積分を行うようにした
場合について説明したが、これに限定されるものではな
く、別途積分器を設けて、積分してからマイクロコンピ
ュータに入力するようにしてもよく、また、マイクロコ
ンピュータに代えて、減算器、ローパスフィルタ、バン
ドパスフィルタ、増幅器等の電子回路を組み合わせてコ
ントローラ30を構成することもできる。
【0037】さらにまた、上記実施例においては、流体
シリンダとして油圧シリンダを適用した場合について説
明したが、他の液圧シリンダ、空気圧シリンダ等を適用
することもできる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る能
動型サスペンションによれば、ロール角加速度を検出し
て、ロール復元時にロール慣性モーメントが大きくなる
ように制御弁に対する指令値を補正するようにしたの
で、ロール復元時にロール共振周波数を低下させること
ができ、旋回時に能動制御を行っても車体がロールした
ときに、そのロール復元時に旋回外輪側のバネに蓄えら
れたエネルギによる急激な姿勢変化を抑制して、乗員に
違和感を与えることを防止することができるという効果
が得られる。
【0039】また、請求項2に係る能動型サスペンショ
ンによれば、左右の上下加速度センサの加速度検出値に
基づいてロール角加速度を検出するようにしたので、別
途ロール角加速度センサを設ける必要がなく部品点数を
減少させることができるという効果が得られる。さら
に、請求項3に係る能動型サスペンションによれば、ロ
ール角加速度検出手段を、ロール角加速度検出値をバン
ドパスフィルタ処理してロール共振周波数成分を抽出す
るように構成したので、高周波ノイズや上下加速度セン
サ等のセンサの温度ドリフトの影響を受けることなく、
正確なロール角加速度を検出することができるという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図3】圧力制御弁の指令電流に対する制御圧の関係を
示す特性線図である。
【図4】横加速度センサの出力特性を示す特性線図であ
る。
【図5】上下加速度センサの出力特性を示す特性線図で
ある。
【図6】コントローラの一例を示すブロック図である。
【図7】マイクロコンピュータの処理手順の一例を示す
フローチャートである。
【図8】時間に対するロール振動減衰特性を示す波形図
である。
【符号の説明】
10 車体側部材 11FL〜11RR 車輪 14 車輪側部材 18FL〜18RR 油圧シリンダ 20FL〜20RR 圧力制御弁 26 横加速度センサ 28FL〜28RR 上下加速度センサ 30 コントローラ 42 マイクロコンピュータ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側部材と各車輪側部材との間に個別
    に介装された流体アクチュエータと、該流体アクチュエ
    ータに供給する作動流体を指令値に応じて個別に制御す
    る制御弁と、車体の上下速度を検出する上下速度検出手
    段と、該上下速度検出手段の車体上下速度検出値に基づ
    いて車体上下速度を抑制する前記指令値を演算して出力
    する制御手段とを備えた能動型サスペンションにおい
    て、車体のロール角加速度を検出するロール角加速度検
    出手段と、車体のロール復元状態を検出するロール復元
    状態検出手段と、該ロール復元状態検出手段でロール復
    元状態を検出したときに、前記ロール角加速度検出手段
    のロール角加速度検出値に基づいてロール慣性モーメン
    トが増加するように前記制御手段の指令値を補正する指
    令値補正手段とを備えたことを特徴とする能動型サスペ
    ンション。
  2. 【請求項2】 前記ロール角加速度検出手段は、車体の
    左右に配設した上下加速度センサの車体上下加速度検出
    値の差値を算出してロール角加速度を検出することを特
    徴とする請求項1記載の能動型サスペンション。
  3. 【請求項3】 前記ロール角加速度検出手段は、ロール
    角加速度検出値をバンドパスフィルタ処理してロール共
    振周波数成分を抽出するように構成されていること特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の能動型サスペンシ
    ョン。
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