JPH0788136B2 - スタビライザ制御装置 - Google Patents

スタビライザ制御装置

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JPH0788136B2
JPH0788136B2 JP25989487A JP25989487A JPH0788136B2 JP H0788136 B2 JPH0788136 B2 JP H0788136B2 JP 25989487 A JP25989487 A JP 25989487A JP 25989487 A JP25989487 A JP 25989487A JP H0788136 B2 JPH0788136 B2 JP H0788136B2
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雅之 曽我
浩之 池本
英則 一丸
敏男 大沼
修 安池
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G21/00Interconnection systems for two or more resiliently-suspended wheels, e.g. for stabilising a vehicle body with respect to acceleration, deceleration or centrifugal forces
    • B60G21/02Interconnection systems for two or more resiliently-suspended wheels, e.g. for stabilising a vehicle body with respect to acceleration, deceleration or centrifugal forces permanently interconnected
    • B60G21/04Interconnection systems for two or more resiliently-suspended wheels, e.g. for stabilising a vehicle body with respect to acceleration, deceleration or centrifugal forces permanently interconnected mechanically
    • B60G21/05Interconnection systems for two or more resiliently-suspended wheels, e.g. for stabilising a vehicle body with respect to acceleration, deceleration or centrifugal forces permanently interconnected mechanically between wheels on the same axle but on different sides of the vehicle, i.e. the left and right wheel suspensions being interconnected
    • B60G21/055Stabiliser bars
    • B60G21/0551Mounting means therefor
    • B60G21/0553Mounting means therefor adjustable
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2202/00Indexing codes relating to the type of spring, damper or actuator
    • B60G2202/10Type of spring
    • B60G2202/13Torsion spring
    • B60G2202/135Stabiliser bar and/or tube
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2204/00Indexing codes related to suspensions per se or to auxiliary parts
    • B60G2204/80Interactive suspensions; arrangement affecting more than one suspension unit
    • B60G2204/82Interactive suspensions; arrangement affecting more than one suspension unit left and right unit on same axle

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば、スタビライザのアクティブ制御が必
ずしも有効でない場合に実行される各種のスタビライザ
制御に優先順序を設けたスタビライザ制御装置に関す
る。
[従来の技術] 車両は旋回走行状態に移行すると、遠心力の作用により
ローリングを生じる。この場合、ロール角の増加に伴っ
てキャンバ角も変化するので、キャンバスラストが増大
して操縦性・安定性の低下を招く。したがって、旋回走
行状態を維持するためには、修正操舵を頻繁に行なう必
要が生じる。このようなローリングを抑制し、操縦性・
安定性を高めるには、例えば、サスペンションのばね定
数を高く設定することも考えられる。しかし、この場合
には、悪路走行時等の衝撃的な振動が吸収されず、乗り
心地は低下する。そこで、左右車輪の懸架位置が異なる
場合にのみばねとして作用し復元力を発生するスタビラ
イザを車両に配設し、ローリングの抑制を図っている。
しかし、車両にローリングが生じていない場合でも、例
えば、左右車輪の一方が路面の突起に乗り上げたような
ときには、左右車輪の懸架位置に差を生じるので、スタ
ビライザは捩り弾性力を発生し、ばねとして作用してし
まう。このため、サスペンションのばね定数を高く設定
したときと同様に、乗り心地が低下する。このような不
具合点に対する対策として、例えば、次のような技術が
提案されている。すなわち、 (1)スタビライザと車輪側部材とを、ピストン及びシ
リンダボディによって2つのシリンダ室を形成したシリ
ンダユニットによって連結すると共に、切換弁を介して
両シリンダ室を圧力流体源に連結し、シリンダユニット
内の流体圧力を調整して、シリンダユニットを伸縮さ
せ、スタビライザの作用を積極的に利用し、車両の姿勢
を抑制して車両旋回時等のローリングを防止する「スタ
ビライザ装置」(特開昭61−64514号公報)。
(2)車両の走行速度と操舵角度とに基づいて車両のロ
ール量に対応した制御量を演算し、その制御量に応じて
スタビライザの捩り弾性特性を変更する「車両用姿勢制
御装置」(特開昭61−146612号公報)。
[発明が解決しようとする問題点] ところで、上記従来技術では、圧力流体源からの圧力流
体をシリンダユニットに供給して、車両姿勢を安定にす
るよう制御していた。しかし、このような制御を行なう
場合に、シリンダユニットに圧力流体が不連続的、また
は、段階的に供給されると、乗員に違和感を与える衝撃
的振動、該振動に伴う騒音等が車両に発生し、乗り心地
の悪化を招いていた。そこで、本願出願人は、スタビラ
イザをアクティブ制御するに際し、流体圧力源からシリ
ンダユニットへの圧力流体の流量を流量制御弁により連
続的に制御し、乗員の感じる違和感を解消する改良技術
である「油圧スタビライザ制御装置」(特開昭62−1486
10)を提案した。
ところが、上記改良技術は、車両の旋回走行時における
制御量である、シリンダユニットの目標ストローク量
を、該車両の基本性能が補償されている状態で、車速セ
ンサの検出した車速およびステアリングセンサの検出し
た操舵角に応じ、マップに従って算出していた。しか
し、例えば、上記車両の内燃機関に、パワーステアリン
グのポンプ駆動時のように過大な負荷が作用している場
合、シリンダユニットを含む油圧回路に異常がある場
合、車両の旋回半径が激減する、所謂スピン状態に陥っ
た場合、所謂カウンタステアリング実行時、路面摩擦係
数の低い坂道や積雪路走行時に駆動輪の空転や車両旋回
半径の増加を招く、所謂低摩擦係数路面走行時にある場
合、あるいは、駆動輪が上述のような悪路にはまり込ん
で充分に駆動トルクを伝達できずに空転し、車両が悪路
から脱出困難になる、所謂スタック状態に移行した場
合、悪路走行を行なう場合、高速直進走行を行なう場合
等では、上述の改良技術の制御、所謂スタビライザのア
クティブ制御を実行すると、スタビライザを捩る作用力
供給に起因する内燃機関の過負荷による車両基本性能の
低下、スタビライザの過制御によるローリング、もしく
は、逆ローリングの発生、これらを要因とする車両の操
縦性・安定性、乗り心地の悪化を招くこともある。そこ
で、上述の各場合には、スタビライザのアクティブ制御
を中止し、各場合のローリング抑制に適切な各種の制御
を実行する改善技術も考えられた。
しかし、上述の各場合に該当するか否かを判定する諸条
件には各種のものがあり、例えば、同一の条件である、
遊動輪回転速度と駆動輪回転速度との比が所定値以下に
なった場合は、共に、低摩擦係数路面走行時、所謂スタ
ック状態移行時等の制御開始条件に該当し、また、例え
ば、シリンダユニットの伸縮量(ストローク量)の所定
時間に亘る差が所定値以上の場合は、共に、フェイルセ
イフ制御、悪路走行時制御等の制御開始条件に該当し、
複数の制御が同時に開始される場合が生じる。このよう
に複数の制御開始条件に該当する場合には、スタビライ
ザの制御の中止、制御量の減少補正といった制御内容が
各条件毎に異なり、何れの条件に基づいた制御を優先す
るべきかといった判定ができないという問題点が判明
し、上記改善技術も、未だ、充分なものではなかった。
このことは、路面状態、あるいは、車両状態によって
は、不適切なスタビライザ制御の実行により、乗員に違
和感を与え、操縦性・安定性および乗り心地の悪化を招
くことも考えられた。
また、上記のように複数の制御が同時に開始されると、
例えば、車両の基体性能補償制御に優先して、異常走行
時制御、あるいは、スタビライザ特性最適化制御等を実
行してしまうと、車両の基本的な走行性能を低下させる
場合もあるという新たな問題も考えられ、未だ改良の余
地があった。
このように、例えば、車両の基本性能に悪影響を及ぼす
恐れのあるとき、車両が異常走行時にあるとき、あるい
は、スタビライザ最適化制御を実行可能なとき等、スタ
ビライザのアクティブ制御が必ずしも有効でない場合に
おける各種制御の優先順序が明確に定められていない
と、各種の弊害を生じることも予想され、改善策として
完全ではなかった。
本発明は、スタビライザのアクティブ制御が必ずしも効
果的でない場合に実行される複数の制御に優先順序を設
け、各種車両状態に対してスタビライザを好適に制御可
能なスタビライザ制御装置の提供を目的とする。
発明の構成 [問題点を解決するための手段] 上記問題を解決するためになされた本発明は、第1図に
例示するように、 車両の左右車輪を支持する両ばね下部材を結合するスタ
ビライザの捩れ量を、外部からの指令にしたがって調節
する捩れ量調節手段M1と、 上記車両の少なくとも走行状態を含む車両状態を検出す
る車両状態検出手段M2と、 上記スタビライザの捩れ量を、上記車両状態検出手段M2
の検出結果から得られる走行状態に応じて決定した目標
捩れ量に変更する指令を、上記捩れ量調節手段M1に出力
する制御手段M3と、 を具備したスタビライザ制御装置であって、 さらに、上記車両の状態が、該車両の基本性能を補償す
るためにスタビライザの目標捩れ量を変更する必要があ
る。基本性能補償条件に該当すると判定され、外部から
基本性能補償指示を受けたときに、上記制御手段M3の決
定した目標捩れ量を、上記車両の基本性能補償可能な量
に変更する指令を、上記捩れ量調節手段M1に出力する基
本性能補償手段M4と、 上記車両の状態が、該車両の異常走行時に対処するため
にスタビライザの目標捩れ量を変更する必要がある。異
常走行時制御条件に該当すると判定され、外部から異常
走行時制御指示を受けたときに、上記制御手段M3の決定
した目標捩れ量を、上記車両の異常走行時に対処可能な
量に変更する指令を、上記捩れ量調節手段M1に出力する
異常走行時制御手段M5と、 上記車両の状態が、該車両の所定走行状態に適応させる
ためにスタビライザの目標捩れ量を変更する必要があ
る、スタビライザ特性最適化条件に該当すると判定さ
れ、外部からスタビライザ特性最適化指示を受けたとき
に、上記制御手段M3の決定した目標捩れ量を、上記車両
の所定走行状態時に適応可能な量に変更する指令を、上
記捩れ量調節手段M1に出力するスタビライザ特性最適化
手段M6と、 前記車両状態検出手段M2の検出結果に基づいて、上記車
両の状態が、上記基本性能補償条件、異常走行時制御条
件およびスタビライザ特性最適化条件の何れかに該当す
ると判定したときは、予め定められた優先順序である、
基本性能補償指示、異常走行時制御指示、スタビライザ
特性最適化指示の順序に従って、上記基本性能補償手段
M4、異常走行時制御手段M5およびスタビライザ特性最適
化手段M6のうち対応する手段に、優先順序の高い指示を
優先して伝達する優先手段M7と、 を備えたことを特徴とするスタビライザ制御装置を要旨
とするものである。
捩れ量調節手段M1とは、外部からの指令に従ってスタビ
ライザの捩れ量を調節するものである。例えば、ばね下
部材とスタビライザの該ばね下部材に対向する取付部と
の一方に配設されたシリンダ、上記ばね下部材と上記ス
タビライザの該ばね下部材に対向する取付部との他方に
装着されて上記シリンダと摺動自在に嵌合するピスト
ン、該ピストンにより区分された上記シリンダの上室お
よび下室と液圧源とを接続する液圧回路、該液圧回路に
介挿された方向切換弁および流量制御弁により実現でき
る。また、例えば、ねじ下部材とスタビライザの該ばね
下部材に対向する取付部との間に、周知の減衰力可変シ
ョックアブソーバに類似する構造のシリンダおよびピス
トンから成り、外部から入力される制御信号にしたがっ
て該ピストンを摺動・固定可能な連結アクチュエータを
介装するよう構成しても良い。さらに、例えば、スタビ
ライザを車体に取り付けている左右2箇所の軸受部の上
下位置を、該車体側に配設された油圧アクチュエータに
より変更する構成、あるいは、上記軸受部近傍の車体側
に配設されてスタビライザを積極的(Active)に捩る油
圧アクチュエータを使用した構成を取ることもできる。
このように、油圧アクチュエータを車体側、すなわち、
ばね上に配設した場合には、ばね上振動の振動数がばね
下振動の振動数より約1桁程度低いので、油圧アクチュ
エータの耐久性および信頼性を向上できる。
車両状態検出手段M2とは、車両の少なくとも走行状態を
含む車両状態を検出するものである。例えば、車両の操
舵角、駆動輪の回転状態、遊動輪の回転状態、スタビラ
イザの捩れ量、横加速度、ヨー角速度および内燃機関の
回転速度を検出するよう構成できる。例えば、ステアリ
ングシャフトに配設されて操舵量をアナログ信号として
出力するポテンショメータ、もしくは、分解能の高いデ
ィジタル信号として出力するロータリエンコーダ等のス
テアリングセンサ、車両の駆動軸に設けられた電磁ピッ
クアップ式回転速度センサ、もしくは、駆動輪の回転速
度を検出する車輪周速度センサ、周知の車速センサ、駆
動輪の回転角、もしくは、回転角速度を検出する各種の
センサ、遊動輪の回転速度を検出する車輪周速度セン
サ、遊動輪の回転角、もしくは、回転角速度を検出する
各種のセンサ、車輪を支持するばね下部材とスタビライ
ザとの間に介装されて該スタビライザを捩るシリンダユ
ニットの伸縮量を検出するストロークセンサ、該スタビ
ライザの捩れ量を例えば回転角として直接検出する回転
量センサ、車両の重心付近に配設されて横加速度を検出
する横加速度センサ、横加速度スイッチ、車両の重心付
近に配設されてヨー角速度を検出するヨー角速度センサ
および車両の内燃機関の回転速度を検出するクランク角
センサ、カム ポジション センサ等の組合せにより実
現できる。
制御手段M3とは、スタビライザの捩れ量を、車両状態検
出手段M2の検出結果から得られる走行状態に応じて決定
した目標捩れ量に変更する指令を、捩れ量調節手段M1に
出力するものである。例えば、車速(駆動輪回転速度、
あるいは、遊動輪回転速度から算出。)と操舵角と目標
捩れ量との関係を規定したマップ、もしくは、演算式に
基づいて目標捩れ量を算出し、該目標捩れ量に相当する
指令を出力するよう構成することができる。また、例え
ば、車速および操舵角に基づいて旋回走行状態における
内外輪間移動荷重を求め、該移動荷重により生じる懸架
装置のたわみに起因する車体の傾斜(所謂、ローリン
グ)を抑制可能なスタビライザの目標捩れ量を算出し、
該目標捩れ量だけスタビライザを積極的に捩る指令を出
力する(所謂、Active Control)を行なうよう構成し
てもよい。
基本性能補償手段M4とは、車両の状態が、車両の基本性
能を補償するためにスタビライザの目標捩れ量を変更す
る必要がある、基本性能補償条件に該当すると判定さ
れ、外部から基本性能補償指示を受けたときに、制御手
段M3の決定した目標捩れ量を、車両の基本性能補償可能
な量に変更する指令を、捩れ量調節手段M1に出力するも
のである。例えば、外部から伝達される基本性能補償指
示に従い、スタビライザのアクティブ制御実行により車
載の内燃機関の負荷が急激に増加するときには、スタビ
ライザのアクティブ制御を中止、もしくは、制御量を減
少補正する指令を、また、例えば、スタビライザを捩る
作用力を発生する油圧回路に異常が発生したときは、ス
タビライザのアクティブ制御を中止する指令を、各々、
捩れ量調節手段M1に出力するよう構成できる。
異常走行時制御手段M5とは、車両の状態が、車両の異常
走行時に対処するためにスタビライザの目標捩れ量を変
更する必要がある、異常走行時制御条件に該当すると判
定され、外部から異常走行時制御指示を受けたときに、
制御手段M3の決定した目標捩れ量を、車両の異常走行時
に対処可能な量に変更する指令を、捩れ量調節手段M1に
出力するものである。例えば、外部から伝達される異常
走行時制御指示に従い、所謂スピン状態への移行時、あ
るいは、所謂カウンタステアリング実行時には、スタビ
ライザを所定状態に固定する指令を、低摩擦係数路面走
行時には、スタビライザのアクティブ制御を中止、もし
くは、制御量を減少補正する指令を、所謂スタック状態
への移行時には、スタビライザのアクティブ制御を中止
する指令を、各々捩れ量調節手段M1に出力するよう構成
しても良い。
スタビライザ特性最適化手段M6とは、車両の状態が、車
両の所定走行状態に適応させるたにスタビライザの目標
捩れ量を変更する必要がある、スタビライザ特性最適化
条件に該当すると判定され、外部からスタビライザ特性
最適化指示を受けたときに、制御手段M3の決定した目標
捩れ量を、車両の所定走行状態時に適応可能な量に変更
する指令を、捩れ量調節手段M1に出力するものである。
例えば、外部からのスタビライザ特性最適化指示に従
い、悪路走行時には、スタビライザのアクティブ制御を
中止する指令を、高速直進走行時には、スタビライザの
復元力を車速の上昇に伴って徐々に発揮させる指令を、
各々、捩れ量調節手段M1に出力するよう構成できる。
優先手段M7とは、車両状態検出手段M2の検出結果に基づ
いて、車両の状態が、基本性能補償条件、異常走行時制
御条件およびスタビライザ特性最適化条件の何れかに該
当すると判定したときは、予め定められた優先順序であ
る、基本性能補償指示、異常走行時制御指示、スタビラ
イザ特性最適化指示の順序に従って、基本性能補償手段
M4、異常走行時制御手段M5およびスタビライザ特性最適
化手段M6のうち対応する手段に、優先順序の高い指示を
優先して伝達するものである。例えば、スタビライザの
アクティブ制御実行時に内燃機関の回転速度が所定回転
速度以下に下降したとき、あるいは、実測されたスタビ
ライザの捩れ量が目標捩れ量に追従しないとき等に、車
両の状態が基本性能補償条件に該当すると判定し、優先
順序の最も高い基本性能補償指示を基本性能補償手段M4
に伝達し、実測ヨーレイトと算出ヨーレイトとの比が所
定比率以上のときは所謂スピン状態にあり、実測横加速
度と算出横加速度との方向が反対のときは所謂カウンタ
ステアリング実行時にあり、実測横加速度と算出横加速
度との比が所定比率以上のとき、遊動輪回転速度と駆動
輪回転速度との比が所定比率以下のときは低摩擦係数路
面走行時にあり、車速(駆動輪回転速度、または、遊動
輪回転速度から求まる。)の時間変化率が所定値以上の
とき、実測横加速度と算出横加速度との差が所定差以上
のときは所謂スタック状態移行時にあり、各々異常走行
時制御条件に該当すると判定し、優先順序の2番目に高
い異常走行時制御指示を異常走行時制御手段M5に伝達
し、スタビライザの捩れ量の変化が所定値より大きいと
き、高速直進走行を行なっているときにはスタビライザ
特性最適化条件に該当すると判定し、優先順序の最も低
いスタビライザ特性最適化指示をスタビライザ特性最適
化手段M6に伝達するよう構成できる。
上記制御手段M3、基本性能補償手段M4、異常走行時制御
手段M5、スタビライザ特性最適化手段M6および優先手段
M7は、例えば、各々独立したディスクリートな論理回路
により実現できる。また、例えば、周知のCPUを始めと
してROM,RAMおよびその他の周辺回路素子と共に論理演
算回路として構成され、予め定められた処理手順に従っ
て上記各手段を実現するものであってもよい。
[作用] 本発明のスタビライザ制御装置は、第1図に例示するよ
うに、制御手段M3が、スタビライザの捩れ量を、車両状
態検出手段M2の検出結果から得られる走行状態に応じて
決定した目標捩れ量に変更する指令を、捩れ量調節手段
M1に出力するに際し、上記車両状態検出手段M2の検出結
果に基づいて、上記車両の状態が、基本性能補償条件、
異常走行時制御条件およびスタビライザ特性最適化条件
の何れかに該当すると判定したときは、予め定められた
優先順序である、基本性能補償指示、異常走行時制御指
示、スタビライザ特性最適化指示の順序に従って、基本
性能補償手段M4、異常走行時制御手段M5およびスタビラ
イザ特性最適化手段M6のうち対応する手段に、優先手段
M7は、優先順序の高い指示を優先して伝達するよう働
く。
すなわち、車両状態が、スタビライザのアクティブ制御
が必ずしも有効でなくなる基本性能補償条件、異常走行
時制御条件、スタビライザ特性最適化条件の何れかの条
件に該当すると判定されると、予め定められた優先順序
である基本性能補償指示、異常走行時制御指示、スタビ
ライザ特性最適化指示の順序に従って優先順序の高い指
示が優先して伝達され、該優先順序の高い指示に応じた
スタビライザ制御が行われるのである。
従って、本発明のスタビライザ制御装置は、スタビライ
ザのアクティブ制御が必ずしも効果的でないと判定され
た場合に伝達される複数の指示に予め優先順序を設け、
常時優先順序の高い指示に対応するようスタビライザの
目標捩れ量を変更し、車両の走行状態および路面状況に
良好に適合したスタビライザ制御を行なうよう働く。
以上のように本発明の各構成要素が作用することによ
り、本発明の技術的課題が解決される。
[実施例] 次に本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。本発明の一実施例であるスタビライザ制御装置の
システム構成を第2図に示す。
同図に示すように、スタビライザ制御装置1は、フロン
トのスタビライザ装置2、これを制御する電子制御装置
(以下、単にECUと呼ぶ。)3から構成されている。
フロントのスタビライザ装置2は、フロントのスタビラ
イザ バー4の左取付部と左前輪5のロワーアーム6と
の間に介装された連結アクチュエータ7および該連結ア
クチュエータ7に油圧源8で昇圧された圧油を供給する
バルブアクチュエータ9から成る連結ユニット10、上記
フロントのスタビライザ バー4の右取付部と右前輪11
のロワーアーム12との間を接続するスタビライザ リン
ク13を備える。
一方、リアのスタビライザ バー14の左取付部と左後輪
15のロワーアーム16との間はスタビライザ リンク17に
より、該リアのスタビライザ バー14の右取付部と右後
輪18のロワーアーム19との間はスタビライザ リンク20
により各々接続されている。
上記スタビライザ制御装置1は、検出器として、操舵角
を検出するステアリングセンサ21、遊動輪である左前輪
5の回転速度を検出する左遊動輪速度センサ22、同じく
遊動輪である右前輪11の回転速度を検出する右遊動輪速
度センサ23、駆動輪である左後輪15の回転速度を検出す
る左駆動輪速度センサ24、同じく駆動輪である右後輪18
の回転速度を検出する右駆動輪速度センサ25、上記フロ
ントのスタビライザ バー4の左取付部と左前輪5のロ
ワーアーム6との間隔である連結アクチュエータ7のス
トローク量を検出するストロークセンサ26、上記車両の
重心付近に配設されて横加速度を検出する横加速度セン
サ27、同じく上記車両の重心近傍に配設されてヨーレイ
トを検出するヨーレイトセンサ28および図示しないエン
ジンのクランクシャフトの30[゜]毎のクランク角度を
検出するエンジン回転速度センサを兼ねたカム ポジシ
ョン センサ29を備える。
次に、上記連結ユニット10およびECU3の構成を第3図に
基づいて説明する。連結ユニット10は、第3図に示すよ
うに、フロントのスタビライザ バー4の左取付部とロ
ワーアーム6との間隔をバルブアクチュエータ9から供
給される油圧に応じて調節する連結アクチュエータ7、
上記間隔(ストローク量)を検出してECU3に出力するス
トロークセンサ26および上記連結アクチュエータ7に油
圧源8で昇圧した圧油をECU3の制御に従って供給するバ
ルブアクチュエータ9から構成されている。
上記連結アクチュエータ7は、シリンダ31内に、ピスト
ンロッド33を連設したピストン32が摺動自在に嵌合し、
該ピストン32は上記シリンダ31内を、ポート35aを有す
る上室35とポート36aを有する下室36とに区分してい
る。また、上記ピストンロッド33は上記フロントのスタ
ビライザ バー4の左取付部に、一方、上記シリンダ31
は上記ロワーアーム6に、各々装着されている。したが
って、上記スタビライザ装置2は、連結アクチュエータ
7のピストン32の所定ストローク量に亘る移動により、
フロントのスタビライザ バー4の捩れ剛性を変更する
よう構成されている。
また、油圧源8は、エンジン51の出力軸52により駆動さ
れる定流量の油圧ポンプ53および作動油を貯蔵するリザ
ーバ54を備えている。
さらに、上記バルブアクチュエータ9は、ECU3から出力
される制御信号に応じて固定位置41a、収縮位置41bおよ
び伸張位置41cに切り換わる方向切換弁41(4ポート3
位置電磁弁)とECU3から出力されるデューティ比制御信
号に応じて開度を連続的に変化させる流量制御弁42(リ
ニアソレノイド弁)とを備える。ここで、上記流量制御
弁42は、上記方向切換弁41とリザーバ54とを接続する管
路61に介装されている。また、上記流量制御弁42を迂回
して、方向切換弁41と上記連結アクチュエータ7のポー
ト35aを有する上室35とを接続する管路62および上記方
向切換弁41と上記連結アクチュエータ7のポート36aを
有する下室36とを接続する管路63が配管されている。な
お、上記流量制御弁42は、連通位置42aと遮断位置42bと
の間で、ECU3の出力するデューティ比制御信号に応じ
て、高速に切り換えられ、その開口面積を全開状態(連
通位置42a)から全閉状態(遮断位置42b)まで連続的に
調節可能である。本実施例では、デューティ比制御信号
が100[%]のときに流量制御弁42を全開状態に、一
方、デューティ比制御信号が0[%]のときに流量制御
弁42を全閉状態とするよう定めた。
上述したECU3は、同図に示すように、CPU3a,ROM3b,RAM3
cを中心に論理演算回路として構成され、コモンバス3d
を介して入力部3eおよび出力部3fに接続されて外部との
入出力を行なう。上記各センサの検出信号は入力部3eを
介してCPU3aに入力され、一方、CPU3aは出力部3fを介し
て方向切換弁41および流量制御弁42に制御信号を出力す
る。
上記構成の連結ユニット10は、ECU3が方向切換弁41およ
び流量制御弁42に制御信号を出力することにより、以下
のように作動する。
すなわち、方向切換弁41が固定位置41aに切り換えら
れ、かつ、流量制御弁42がデューティ比0[%]の制御
信号により全閉状態(遮断位置42b)にあるときは、作
動油は油圧ポンプ53、管路64、方向切換弁41、管路61を
介してリザーバ54に戻る。また、上記連結アクチュエー
タ7のシリンダ31の上室35と下室36とを接続する管路6
2,63は流量制御弁42により遮断される。このため、ピス
トン32は現在位置に固定され、フロントのスタビライザ
バー4とロワーアーム6との間隔(ストローク量)は
一定間隔に保持され、所謂ホールド状態になる。
一方、方向切換弁41が固定位置41aに切り換えられ、か
つ、流量制御弁42がデューティ比100[%]の制御信号
により全開状態(連通位置42a)にあるときは、油圧ポ
ンプ53から供給される作動油は、管路64、方向切換弁4
1、管路61を介してリザーバ54に戻る。また、上記連結
アクチュエータ7のシリンダ31の上室35と下室36とは、
管路62,63、流量制御弁42を介して連通する。このた
め、ピストン32は摺動自在に移動し、フロントのスタビ
ライザ バー4とロワーアーム6との間隔(ストローク
量)は常時変化する。所謂フリー状態になる。
また、方向切換弁41が収縮位置41b、あるいは、伸張位
置41cに切り換えられ、かつ、流量制御弁42が連通位置4
2aから遮断位置42bに徐々に開度を減少するようデュー
ティ比制御されたときには、作動油は油圧ポンプ53、管
路64、方向切換弁41、管路62、ポート35aを介して連結
アクチュエータ7の上室35、または、管路63、ポート36
aを介して連結アクチュエータ7の下室36の何れかに流
入し、一方、上室35、もしくは、下室36内部の作動油は
各々ポート35a、管路62、あるいは、ポート36a、管路6
3、方向切換弁41、徐々に閉弁される流量制御弁42、管
路64を介してリザーバ54に流出する。したがって、連結
アクチュエータ7のピストン32は、ECU3の決定した目標
ストロークだけ移動し、ストロークセンサ26の検出し
た、フロントのスタビライザ バー4の左取付部とロワ
ーアーム6との間隔(ストローク量)が、目標ストロー
ク量と等しくなると、流量制御弁42の開度を一定に保持
するデューティ比制御信号が出力される。これにより、
連結アクチュエータ7は、目標ストローク量だけ全長が
変化する、伸張状態、もしくは、収縮状態で、油圧ポン
プ53から供給される作動油が流量制御弁42を通過すると
きの絞り効果により発生する油圧と連結アクチュエータ
7に加わる作用力とがつりあって保持される。このた
め、スタビライザ バー4が捩り作用力を発揮し、車両
のローリングを抑制できる。
次に、上記ECU3が実行するスタビライザ制御処理を第4
図に示すフローチャートに、基本性能補償処理を第5図
に示すフローチャートに、異常走行時制御処理を第6図
(1),(2),(3),(4)に示すフローチャート
に、スタビライザ特性最適化処理を第7図(1),
(2)に示すフローチャートに各々基づいて説明する。
まず、スタビライザ制御処理を第4図に示すフローチャ
ートに基づいて説明する。本スタビライザ制御処理は、
上記ECU3の起動に伴って実行される。まず、ステップ10
0では、非常フラグFEMGが値1にセットされているか否
かを判定し、肯定判断されると、油圧回路異常によりス
タビライザ制御実行不可能とみなし、一旦、本スタビラ
イザ制御処理を終了し、一方、否定判断されると、油圧
回路は正常でスタビライザ制御実行可能とみなし、ステ
ップ110に進む。非常フラグFEMGは、後述するように、
油圧回路の異常によりフェイルセイフ制御が実行されて
いるときに値1にセットされ、油圧回路の動作が正常で
あるときには値0に初期設定されるフラグである。上記
ステップ100で否定判断されたとき、すなわち、油圧回
路が正常であるときに実行されるステップ110では、上
述した各センサの検出値である、操舵角θ、遊動輪回転
速度VF、駆動輪回転速度VR、ストローク量S、横加速度
G1、ヨーレイトY1およびエンジン回転速度Neを読み込む
処理が行われる。続くステップ120では、目標ストロー
ク量SGを、次式(1)のように算出する処理が行われ
る。
SG=f(VR,θ) ……(1) 但し、fは予め定められた関数である。
なお、目標ストローク量SGは、例えば、車両の横加速度
G1に定数を掛けて算出しても良いし、また、例えば、予
め駆動輪の回転速度VRおよび操舵角θに対して演算によ
り求めた値から作成したマップにしたがって算出するこ
ともできる。続くステップ130では、流量制御弁42のデ
ューティ比Dを次式(2)のように算出する処理が行わ
れる。
D=g(SG,S) ……(2) 但し、gは関数である。
次にステップ200に進み、後述する基本性能補償処理を
実行する。続くステップ200aでは、上記ステップ200で
セットされる可能性のある非常フラグFEMGが値1にセッ
トされているか否かを判定し、肯定判断されると、油圧
回路異常によりスタビライザ制御実行不可能とみなし、
一旦、本スタビライザ制御処理を終了し、一方、否定判
断されると、油圧回路は正常でスタビライザ制御実行可
能とみなし、ステップ300に進む。ステップ300では、後
述する異常走行時制御処理が実行される。続くステップ
400では、後述するスタビライザ特性最適化処理が実行
される。
次にステップ510に進み、ストロークセンサ26の検出し
た現在のストローク量Sを読み込む処理が行われる。続
くステップ520では、上記ステップ510で読み込んだスト
ローク量Sが目標ストローク量SGを含む所定範囲内(SG
±ΔSG)にあるか否かを判定し、肯定判断されるとスト
ローク量Sを調整する必要がないものとしてステップ55
0に、一方、否定判断されるとステップ530に進む。未だ
ストローク量Sの調整が必要であると判定されたときに
実行されるステップ530では、現在のストローク量Sを
上記目標ストローク量SGとするように、方向切換弁41を
切り換える制御信号を出力する処理が行われる。続くス
テップ540では、上記デューティ比Dに対応するデュー
ティ比制御信号を流量制御弁42に出力する処理を行った
後、上記ステップ510に戻る。一方、上記ステップ520
で、もはや、ストローク量Sを調整する必要がないと判
定されたときに実行されるステップ550では、流量制御
弁42の開度を保持するデューティ比制御信号を出力する
処理を行った後、一旦、本スタビライザ制御処理を終了
する。以後、本スタビライザ制御処理は所定時間毎に、
上記ステップ100〜550を繰り返して実行する。
次に、上記スタビライザ制御処理中で実行される基本性
能補償処理を第5図に示すフローチャートに基づいて説
明する。本基本性能補償処理は、上記スタビライザ制御
処理の制御が上述したステップ200に進むと開始され
る。まず、ステップ210では、現在の実測ストローク量
S、エンジン回転速度Neを読み込み、さらに、制御開始
・終了判定用データである、目標ストローク量SGと実測
ストローク量Sとのストローク量偏差ΔSおよび目標ス
トローク量SGが最大になる時刻と実測ストローク量Sが
最大になる時刻との時間差ΔTを演算する処理が行われ
る。続くステップ215では、エンジン負荷増加時制御開
始条件が成立するか否かを判定し、肯定判断されるとス
テップ220に、一方、否定判断されるとステップ245に各
々進む。ここで、エンジン負荷増加時制御開始条件と
は、エンジン回転速度Neが、車両の正常な走行が可能に
なるエンジン負荷限界回転速度N1未満に低下することで
ある。エンジン負荷増加時制御開始条件が成立すると判
定されたときに実行されるステップ220では、エンジン
負荷増加時フラグFEGを値1にセットする処理が行われ
る。続くステップ225では、エンジン負荷増加時制御を
開始する処理が行われる。すなわち、連結アクチュエー
タ7のストローク量Sを上記スタビライザ制御処理のス
テップ120で算出した目標ストローク量SGに調節してス
タビライザ バー4を積極的に捩るスタビライザ制御を
中止する、あるいは、上記目標ストローク量SGをエンジ
ン回転速度Neの低下に応じて減少補正してエンジン負荷
増加時補正目標ストローク量SGEを算出後出力する等の
制御が実行される。続くステップ230では、エンジン負
荷増加時制御終了条件が成立するか否かを判定し、肯定
判断されるとステップ235に進み、一方、否定判断され
ると上記ステップ210に戻る。ここで、エンジン負荷増
加時制御終了条件とは、エンジン回転速度Neが、上記エ
ンジン負荷限界回転速度N1より高く設定されたエンジン
負荷正常回転速度N2以上に上昇することである。エンジ
ン負荷増加時制御終了条件が成立すると判定されたとき
に実行されるステップ235では、エンジン負荷増加時フ
ラグFEGを値0にリセットする処理が行われる。続くス
テップ240では、エンジン負荷増加時制御を終了する処
理が行われる。すなわち、連結アクチュエータ7のスト
ローク量Sを上記スタビライザ制御処理のステップ120
で算出した目標ストローク量SGに調節してスタビライザ
バー4を積極的に捩るスタビライザ制御を再開した
後、ステップ250に進む。
一方、上記ステップ215で否定判断されたとき、すなわ
ち、エンジン負荷増加時制御開始条件が成立しないと判
定されたときに実行されるステップ245では、エンジン
負荷増加時フラグFEGが値1にセットされているか否か
を判定し、肯定判断されると未だエンジン負荷増加時制
御継続中とみなして上記ステップ230に、一方、否定判
断されるとエンジン負荷増加時制御が実行されていない
ものとしてステップ250に各々進む。
ステップ250では、フェイルセイフ制御開始条件が成立
するか否かを判定し、肯定判断されるとステップ255に
進み、一方、否定判断されると、一旦、本基本性能補償
処理を終了し、制御は既述したスタビライザ制御処理に
移行する。ここで、フェイルセイフ制御開始条件とは、
目標ストローク量SGと実測ストローク量Sとのストロー
ク量偏差ΔSが基準ストローク量偏差ΔS0以上に増加し
たとき、または、目標ストロクー量SGが最大になる時刻
と実測ストローク量Sが最大になる時刻との時間差ΔT
が基準時間差ΔT0を上回ったときである。フェイルセイ
フ制御開始条件が成立すると判定されたときに実行され
るステップ255では、非常フラグFEMGを値1にセットす
る処理が行われる。続くステップ260では、フェイルセ
イフ制御を開始する処理が行われる。すなわち、連結ア
クチュエータ7のストローク量Sを、上記スタビライザ
制御処理のステップ120で算出した目標ストローク量SG
に調節してスタビライザ バー4を積極的に捩るスタビ
ライザ制御を中止する処理を行い、さらに、車室内に設
けられた警告灯を点灯し、警報音を発生し、ECU3のRAM3
c内部にダイアグノーシス用データを記憶した後、一
旦、本基本性能補償処理を終了し、制御は既述したスタ
ビライザ制御処理に移行する。
次に、上述したスタビライザ制御処理中で実行される異
常走行時制御処理を第6図(1),(2),(3),
(4)に示すフローチャートに基づいて説明する。本異
常走行時制御処理は、上述したスタビライザ制御処理の
制御が上述したステップ300に進むと開始される。ま
ず、ステップ310では、操舵角θ、遊動輪回転速度VF、
駆動輪回転速度VR、横加速度G1、ヨーレイトY1を読み込
み、さらに、制御開始・終了判定用データである、推定
横加速度G0(操舵角θおよび駆動輪回転速度VRから算
出)と実測横加速度G1との横加速度比G0/G1、遊動輪回
転速度VFと駆動輪回転速度VRとの回転速度比VF/VR、車
速変化率DV(駆動輪回転速度VRの時間微分値)、推定横
加速度G0と実測横加速度G1との横加速度差GM、ヨーレイ
トY1と推定ヨーレイトYP(横加速度G1を駆動輪回転速度
VRから求まる車速Vで除して算出)とのヨーレイト比Y1
/YPを演算する処理が行われる。続くステップ312では、
スピン状態時制御開始条件が成立するか否かを判定し、
肯定判断されるとステップ314に、一方、否定判断され
るとステップ324に各々進む。ここで、スピン状態時制
御開始条件とは、上記ステップ310で算出したヨーレイ
ト比Y1/YPが、基準ヨーレイト比Y0以上になることであ
る。スピン状態時制御開始条件が成立すると判定された
ときに実行されるステップ314では、スピンドル状態時
フラグFSPを値1にセットする処理が行われる。続くス
テップ316では、スピン状態時制御を開始する処理が行
われる。すなわち、連結アクチュエータ7を所謂ホール
ド状態に設定する制御信号を方向切換弁41、流量制御弁
42に出力する。続くステップ318では、スピン状態時制
御終了条件が成立するか否かを判定し、肯定判断される
とステップ320に進み、一方、否定判断されると上記ス
テップ310に戻る。ここで、スピン状態時制御終了条件
とは、横加速度G1がスピン判定基準横加速度GS未満に低
下することである。スピン状態時制御終了条件が成立す
ると判定されたときに実行されるステップ320では、ス
ピン状態時フラグFSPを値0にリセットする処理が行わ
れる。続くステップ322では、スピン状態時制御を終了
する処理が行われる。すなわち、連結アクチュエータ7
のストローク量Sを上記スタビライザ制御処理のステッ
プ120で算出した目標ストローク量SGに調節してスタビ
ライザ バー4を積極的に捩るスタビライザ制御を再開
した後、ステップ326に進む。
一方、上記ステップ312で否定判断されたとき、すなわ
ち、スピン状態時制御開始条件が成立しないと判定され
たときに実行されるステップ324では、スピン状態時フ
ラグFSPが値1にセットされているか否かを判定し、肯
定判断されると未だスピン状態時制御継続中とみなして
上記ステップ318に、一方、否定判断されるとスピン状
態時制御が実行されてないものとしてステップ326に各
々進む。
ステップ326では、カウンタステアリング実行時制御開
始条件が成立するか否かを判定し、肯定判断されるとス
テップ328に、一方、否定判断されると、ステップ338に
各々進む。ここで、カウンタステアリング実行時制御開
始条件とは、上記ステップ310で算出した横加速度比G0/
G1の符号が負になることである。カウンタステアリング
実行時制御開始条件が成立すると判定されたときに実行
されるステップ328では、カウンタステアリング実行時
フラグFCSを値1にセットする処理が行われる。続くス
テップ330では、カウンタステアリング実行時制御を開
始する処理が行われる。すなわち、連結アクチュエータ
7を所謂ホールド状態に設定する制御信号を方向切換弁
41、流量制御弁42に出力する。続くステップ332では、
カウンタステアリング実行時制御終了条件が成立するか
否かを判定し、肯定判断されるとステップ334に進み、
一方、否定判断されると上記ステップ310に戻る。ここ
で、カウンタステアリング実行時制御終了条件とは、操
舵角θがカウンタステアリング判定基準操舵角θC未満
に減少することである。カウンタステアリング実行時制
御終了条件が成立すると判定されたときに実行されるス
テップ334では、カウンタステアリング実行時フラグFCS
を値0にリセットする処理が行われる。続くステップ33
6では、カウンタステアリング実行時制御を終了する処
理が行われる。すなわち、連結アクチュエータ7のスト
ローク量Sを上記スタビライザ制御処理のステップ120
で算出した目標ストローク量SGに調節してスタビライザ
バー4を積極的に捩るスタビライザ制御を再開した
後、ステップ340に進む。
一方、上記ステップ326で否定判断されたとき、すなわ
ち、カウンタステアリング実行時制御開始条件が成立し
ないと判定されたときに実行されるステップ338では、
カウンタステアリング実行時フラグFCSが値1にセット
されているか否かを判定し、肯定判断されると未だカウ
ンタステアリング実行時制御継続中とみなして上記ステ
ップ332に、一方、否定判断されるとカウンタステアリ
ング実行時制御が行われていないものとしてステップ34
0に各々進む。
ステップ340では、低摩擦係数路面走行時制御開始条件
が成立するか否かを判定し、肯定判断されるとステップ
342に、一方、否定判断されるとステップ352に、各々進
む。ここで、低摩擦係数路面走行時制御開始条件とは、
上記ステップ310で算出した横加速度比G0/G1が低摩擦係
数路面走行判定横加速度比Gμ以上になること、あるい
は、回転速度比VF/VRが低摩擦係数路面走行判定回転速
度比Vμ以下になることである。低摩擦係数路面走行時
制御開始条件が成立すると判定されたときに実行される
ステップ342では、低摩擦係数路面走行時フラグFMYを値
1にセットする処理が行われる。続くステップ344で
は、低摩擦係数路面走行時制御を開始する処理が行われ
る。すなわち、上記スタビライザ制御処理のステップ12
0で算出した目標ストローク量SGに、上記横加速度比G0/
G1、あるいは、回転速度比VF/VR、もしくは、予め路面
状況に応じて定められたマップ等、から定まる係数を掛
けて減少補正した、低摩擦係数路面走行時補正目標スト
ローク量SG0を算出し、連結アクチュエータ7のストロ
ーク量Sを上述のように算出した低摩擦係数路面走行時
補正目標ストローク量SG0に調節してスタビライザ バ
ー4を積極的に捩るスタビライザ制御が実行される。続
くステップ346では、低摩擦係数路面走行時制御終了条
件が成立するか否かを判定し、肯定判断されるとステッ
プ348に進み、一方、否定判断されると上記ステップ310
に戻る。ここで、低摩擦係数路面走行時制御終了条件と
は、横加速度G1が低摩擦係数路面走行判定基準横加速度
GY以下に減少すること、もしくは、遊動輪回転速度VFか
ら算出される車体速度VBが低摩擦係数路面走行判定基準
車体速度VY以下に低下することである。低摩擦係数路面
走行時制御終了条件が成立すると判定されたときに実行
されるステップ348では、低摩擦係数路面走行時フラグF
MYを値0にリセットする処理が行われる。続くステップ
350では、低摩擦係数路面走行時制御を終了する処理が
行われる。すなわち、連結アクチュエータ7のストロー
ク量Sを上記スタビライザ制御処理のステップ120で算
出した目標ストローク量SGに調節してスタビライザ バ
ー4を積極的に捩るスタビライザ制御を再開した後、ス
テップ354に進む。
一方、上記ステップ340で否定判断されたとき、すなわ
ち、低摩擦係数路面走行時制御開始条件が成立しないと
判定されたときに実行されるステップ352では、低摩擦
係数路面走行時フラグFMYが値1にセットされているか
否かを判定し、肯定判断されると未だ低摩擦係数路面走
行時制御継続中とみなして上記ステップ346に、一方、
否定判断されると低摩擦係数路面走行時制御が行われて
いないものとしてステップ354に、各々進む。
ステップ354では、スタック状態時制御開始条件が成立
するか否かを判定し、肯定判断されるとステップ356
に、一方、否定判断されると、ステップ366に、各々進
む。ここで、スタック状態時制御開始条件とは、上記ス
テップ310で算出した車速変化率DVがスタック状態時判
定変化率DV0以上になること、または、回転速度比VF/VR
がスタック状態時判定回転速度比VR0以下になること、
もしくは、横加速度差GMがスタック状態時判定横加速度
差GM0以上になることである。スタック状態時制御開始
条件が成立すると判定されたときに実行されるステップ
356では、スタック状態時フラグFSTを値1にセットする
処理が行われる。続くステップ358では、スタック状態
時制御を開始する処理が行われる。すなわち、操舵角θ
が微小なときは連結アクチュエータ7を所謂フリー状態
に設定し、一方、操舵角θが大きいときは連結アクチュ
エータ7を所謂ホールド状態に設定する制御信号を方向
切換弁41、流量制御弁42に出力する。続くステップ360
では、スタック状態時制御終了条件が成立するか否かを
判定し、肯定判断されるとステップ362に進み、一方、
否定判断されると上記ステップ310に戻る。ここで、ス
タック状態時制御終了条件とは、車体速度VBがスタック
状態時終了速度VE以下、かつ、操舵角θがスタック状態
時判定操舵角θS未満になること、または、車速変化率
VDがスタック状態時終了変化率VDE未満に低下するこ
と、もしくは、横加速度差GMがスタック状態時終了横加
速度差GME未満に低下することである。スタック状態時
制御終了条件が成立すると判定されたときに実行される
ステップ362では、スタック状態時フラグFSTを値0にリ
セットする処理が行われる。続くステップ364では、ス
タック状態時制御を終了する処理が行われる。すなわ
ち、連結アクチュエータ7のストローク量Sを上記スタ
ビライザ制御処理のステップ120で算出した目標ストロ
ーク量SGに調節してスタビライザ バー4を積極的に捩
るスタビライザ制御を再開した後、一旦、本異常走行時
制御処理を終了し、制御は既述したスタビライザ制御処
理に移行する。
一方、上記ステップ354で否定判断されたとき、すなわ
ち、スタック状態時制御開始条件が成立しないと判定さ
れたときに実行されるステップ366では、スタック状態
時フラグFSTが値1にセットされているか否かを判定
し、肯定判断されると未だスタック状態時制御継続中と
みなして上記ステップ360に、一方、否定判断されると
スタック状態時制御が行われていないものとし、一旦、
本異常走行時制御処理を終了し、制御は既述したスタビ
ライザ制御処理に移行する。
次に、上述したスタビライザ制御処理中で実行されるス
タビライザ特性最適化処理を第7図(1),(2)に示
すフローチャートに基づいて説明する。本スタビライザ
特性最適化処理は、既述したスタビライザ制御処理の制
御が既述したステップ400に進むと開始される。まず、
ステップ410では、操舵角θ、遊動輪回転速度VF、駆動
輪回転速度VR、ストローク量Sを読み込み、さらに制御
開始・終了判定用データである、所定時間内のストロー
ク量変動値SD、車速V(駆動輪回転速度VR、もしくは、
遊動輪回転速度VFから算出)を演算する処理が行われ
る。続くステップ415では、悪路走行時制御開始条件が
成立するか否かを判定し、肯定判断されるとステップ42
0に、一方、否定判断されるとステップ445に各々進む。
ここで、悪路走行時制御開始条件とは、上記ステップ41
0で算出した所定時間内のストローク量変動値SDが、悪
路判定ストローク量変動値SDAを、低速直進走行時に所
定回数以上上回ることである。悪路走行時制御開始条件
が成立すると判定されたときに実行されるステップ420
では、悪路走行時フラグF0Lを値1にセットする処理が
行われる。続くステップ425では、悪路走行時制御を開
始する処理が行われる。すなわち、連結アクチュエータ
7を所謂フリー状態に設定する制御信号を方向切換弁4
1、流量制御弁42に出力する。続くステップ430では、悪
路走行時制御終了条件が成立するか否かを判定し、肯定
判断されるとステップ435に進み、一方、否定判断され
ると上記ステップ410に戻る。ここで、悪路走行時制御
終了条件とは、上記ステップ410で算出した所定時間内
のストローク量変動値SDが、悪路判定ストローク量変動
値SDAを、直進走行時に所定回数以上上回らないことで
ある。悪路走行時制御終了条件が成立すると判定された
ときに実行されるステップ435では、悪路走行時フラグF
0Lを値0にリセットする処理が行われる。続くステップ
440では、悪路走行時制御を終了する処理が行われる。
すなわち、連結アクチュエータ7のストローク量Sを上
記スタビライザ制御処理のステップ120で算出した目標
ストローク量SGに調節してスタビライザ バー4を積極
的に捩るスタビライザ制御を再開した後、ステップ450
に進む。
一方、上記ステップ415で否定判断されたとき、すなわ
ち、悪路走行時制御開始条件が成立しないと判定された
ときに実行されるステップ445では、悪路走行時フラグF
0Lが値1にセットされているか否かを判定し、肯定判断
されると未だ悪路走行時制御継続中とみなして上記ステ
ップ430に、一方、否定判断されると悪路走行時制御が
実行されてないものとしてステップ450に各々進む。
ステップ450では、高速直進走行時制御開始条件が成立
するか否かを判定し、肯定判断されるとステップ455
に、一方、否定判断されると、ステップ480に、各々進
む。ここで、高速直進走行時制御開始条件とは、上記ス
テップ410で算出した車速Vが高速走行車速VH以上に上
昇し、かつ、操舵角θが微小になることである。高速直
進走行時制御開始条件が成立すると判定されたときに実
行されるステップ455では、高速直進走行時フラグFHSを
値1にセットする処理が行われる。続くステップ460で
は、高速直進走行時制御を開始する処理が行われる。す
なわち、連結アクチュエータ7を所謂フリー状態から所
謂ホールド状態へ、車速Vの上昇に応じて連続的に変化
させる制御信号を方向切換弁41、流量制御弁42に出力
し、車速Vの増加に伴ってスタビライザを作用させる。
続くステップ465では、高速直進走行時制御終了条件が
成立するか否かを判定し、肯定判断されるとステップ47
0に進み、一方、否定判断されると上記ステップ410に戻
る。ここで、高速直進走行時制御終了条件とは、車速V
が低速走行車速VL未満に下降し、かつ、操舵角θが微小
になることである。高速直進走行時制御終了条件が成立
すると判定されたときに実行されるステップ470では、
高速直進走行時フラグFHSを値0にリセットする処理が
行われる。続くステップ475では、高速直進走行時制御
を終了する処理が行われる。すなわち、連結アクチュエ
ータ7のストローク量Sを上記スタビライザ制御処理の
ステップ120で算出した目標ストローク量SGに調節して
スタビライザ バー4を積極的に捩るスタビライザ制御
を再開した後、一旦、本スタビライザ特性最適化処理を
終了し、制御は既述したスタビライザ制御処理に移行す
る。
一方、上記ステップ450で否定判断されたとき、すなわ
ち、高速直進走行時制御開始条件が成立しないと判定さ
れたときに実行されるステップ480では、高速直進走行
時フラグFHSが値1にセットされているか否かを判定
し、肯定判断されると未だ高速直進走行時制御継続中と
みなして上記ステップ465に、一方、否定判断されると
高速直進走行時制御が行われていないものとして、一
旦、本スタビライザ特性最適化処理を終了し、制御は既
述したスタビライザ制御処理に移行する。
なお本実施例において、スタビライザ バー4と油圧源
8と連結ユニット10とが捩れ量調節手段M1に、ステアリ
ングセンサ21と左遊動輪速度センサ22と右遊動輪速度セ
ンサ23と左駆動輪速度センサ24と右駆動輪速度センサ25
とストロークセンサ26と横加速度センサ27とヨーレイト
センサ28とカム ポジション センサ29とが車両状態検
出手段M2に、各々該当する。また、ECU3および該ECU3の
実行する処理のうちステップ(120,130,510〜550)が制
御手段M3として、ステップ(225,260)が基本性能補償
手段M4として、ステップ(316,330,344,358)が異常走
行時制御手段M5として、ステップ(425,460)がスタビ
ライザ特性最適化手段M6として、ステップ(210,215,31
0,312,326,340,354,410,415,450)が優先手段M7として
各々機能する。
以上説明したように本実施例によれば、スタビライザの
アクティブ制御が必ずしも有効でなくなる場合には、ま
ず基本性能補償処理で、エンジン負荷増加時制御、フェ
イルセイフ制御が、次に、異常走行時制御処理で、スピ
ン状態時制御、カウンタステアリング実行時制御、低摩
擦係数路面走行時制御、スタック状態時制御が、さら
に、最後に、スタビライザ特性最適化処理で、悪路走行
時制御、高速直進走行時制御が、上記の優先順序に従っ
て逐次実行されるため、車両状態が複数の制御開始条件
に該当する場合でも、予め定められた優先順序の高い制
御がまず実行されるため、各種制御の開始順序を誤判断
することなく、しかも、該誤判断に起因する制御の誤動
作もなくなり、常時、信頼性および制御精度を高水準に
維持したスタビライザ制御が可能になる。
また、スタビライザのアクティブ制御が必ずしも効果的
でない場合にも、車両の走行している路面状態、もしく
は、車両姿勢、車載エンジン、スタビライザ装置の状態
に充分配慮した最適なスタビライザ制御の実行が可能に
なり、乗員に不快な違和感を与えることもなく、車両の
操縦性・安定性を高水準に保持すると共に、乗り心地も
向上できる さらに、スタビライザのアクティブ制御が所望の効果を
発揮しないときには、基本性能補償処理、異常走行時制
御処理、スタビライザ特性最適化処理の優先順序に従っ
て各処理が逐次実行されるので、例えば、過負荷による
エンジン停止等、車両の基本的な走行性能に弊害を及ぼ
すことなく、スタビライザの良好な制御が実現できる。
また、スタビライザのアクティブ制御が必ずしも有効で
ない場合、例えば、過負荷によるエンジン停止等、車両
の基本性能に悪影響を及ぼす恐れのあるときは基本性能
補償処理を、車両が、スピン状態、カウンタステアリン
グ実行時、低摩擦係数路面走行時、所謂スタック状態
等、異常走行時にあるときは異常走行時制御処理を、車
両が、悪路走行時、高速直進走行時等にあるときは、ス
タビライザ最適化処理を、各々予め定められた優先順序
で実行し、一方、スタビライザのアクティブ制御が所望
の効果を発揮する車両状態では、該アクティブ制御を継
続するので、広範囲に亘る各種車両状態に適応可能で、
かつ、汎用性の高いスタビライザ制御が可能になる。
さらに、基本性能補償処理で実行される、エンジン負荷
増加時制御、フェイルセイフ制御、異常走行時制御処理
で実行される、スピン状態時制御、カウンタステアリン
グ実行時制御、低摩擦係数路面走行時制御、スタック状
態時制御、さらに、スタビライザ特性最適化処理で実行
される、悪路走行時制御、高速直進走行時制御は、各々
所定の制御終了条件を備えており、一旦、所定の制御が
開始されると、該制御より優先順序の高い制御の開始条
件に車両状態が該当しない限り、上記所定の制御の終了
条件が満たされるまでは該所定の制御を継続するので、
所定の制御から別の制御への突然の移行によるスタビラ
イザの制御量の急激な変化に起因する車両姿勢および乗
り心地への悪影響を未然に防止できる。
また、基本性能補償処理でスタビライザ装置3の油圧回
路異常時にフェイルセイフ制御が一旦実行されると、非
常フラグFEMGが値1にセットされ、以後、スタビライザ
制御処理は実質的に実行されなくなるため、油圧回路異
常時にスタビライザ制御処理の継続により、無理な制御
を実行して油圧回路の破損を招くこともなくなるので、
装置の信頼性・耐久性が一層向上する。
なお、本実施例では、連結アクチュエータ7を左前輪側
にのみ配設するよう構成したが、例えば、左右前輪、も
しくは、四輪総てに配設し、各連結アクチュエータを独
立に制御するよう構成してもよい。このような構成を取
った場合でも、上記実施例と同様な効果を奏する。
また、本実施例では、異常走行時制御処理の内部では、
スピン状態時制御、カウンタステアリング実行時制御、
低摩擦係数路面走行時制御の優先順序に従って、また、
スタビライザ特性最適化処理の内部では、悪路走行時制
御、高速直進走行時制御の優先順序に従って、各制御を
実行するよう構成した。しかし、異常走行時制御処理の
内部およびスタビライザ特性最適化処理の内部における
上記各制御の優先順序は、車両の特性や走行環境に応じ
て適宜変更し、より最適な制御を実現するよう構成して
も良い。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこの
ような実施例に何等限定されるものではなく、本発明の
要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し
得ることは勿論である。
発明の効果 以上詳記したように本発明のスタビライザ制御装置は、
車両状態が、スタビライザのアクティブ制御が必ずしも
有効でなくなる基本性能補償条件、異常走行時制御条件
およびスタビライザ特性最適化条件の何れかの条件に該
当すると判定されると、予め定められた優先順序である
基本性能補償指示、異常走行時制御指示、スタビライザ
特性最適化指示の順序に従って優先順序の高い指示が優
先して伝達され、該優先順序の高い指示に応じたスタビ
ライザ制御が行われるよう構成されている。このため、
スタビライザのアクティブ制御が有効性を失って車両状
態が複数の制御開始条件に該当するときでも、予め定め
られた優先順序の高い制御から実行するので、複数の制
御が競合した場合でも制御の開始順序を正確かつ速やか
に判断でき、路面状態、あるいは、車両状態に応じた適
切なスタビライザ制御が可能になり、乗員に不快な違和
感を与えることもなく、車両の操縦性・安定性および乗
り心地を好適に両立できるという優れた効果を奏する。
このように、車両状態が複数の制御開始条件に該当する
ときの誤判断に起因して、該車両状態に不適切なスタビ
ライザ制御を開始してしまうという誤動作もなくなり、
制御精度および信頼性の高いスタビライザ制御を行うこ
とができる。
また、上記のように複数の制御に予め優先順序が定めて
あるため、車両の基本性能補償指示、異常走行時制御指
示、スタビライザ特性最適化指示の順序で必ず実行され
るので、車両の基本的な走行性能に弊害を及ぼすことな
く、スタビライザを常時最適に制御できる。
さらに、車両の基本性能に悪影響を及ぼす恐れのあると
き、車両が異常走行時にあるとき、あるいは、スタビラ
イザ最適化制御を実行可能なとき等、スタビライザのア
クティブ制御が必ずしも効果的でない場合に実行される
各種制御の優先順序が明確に定められているため、スタ
ビライザのアクティブ制御が有効である車両状態では、
該アクティブ制御を継続し、一方、スタビライザのアク
ティブ制御が所望の効果を発揮できない車両状態では、
予め優先順序が定められた複数の制御が該優先順序に従
って逐次実行されるので、広範囲に亘る各種車両状態に
対して常時効果的なスタビライザ制御を実現でき、装置
の汎用性も高まる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の内容を概念的に例示した基本的構成
図、第2図は本発明一実施例のシステム構成図、第3図
は同じくその油圧回路および電子制御装置の構成を示す
説明図、第4図、第5図、第6図(1),(2),
(3),(4)、第7図(1),(2)は同じくその制
御を示すフローチャートである。 M1……捩れ量調節手段 M2……車両状態検出手段 M3……制御手段 M4……基本性能補償手段 M5……異常走行時制御手段 M6……スタビライザ特性最適化手段 M7……優先手段 1……スタビライザ制御装置 3……電子制御装置(ECU) 3a……CPU 4……スタビライザ バー 8……油圧源 10……連結ユニット 21……ステアリングセンサ 22……左遊動輪速度センサ 23……右遊動輪速度センサ 24……左駆動輪速度センサ 25……右駆動輪速度センサ 26……ストロークセンサ 27……横加速度センサ 28……ヨーレイトセンサ 29……カム ポジション センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一丸 英則 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大沼 敏男 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 安池 修 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−36009(JP,A) 特開 昭61−146612(JP,A) 特開 平1−74113(JP,A) 特開 昭60−60022(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の左右車輪を支持する両ばね下部材を
    結合するスタビライザの捩れ量を、外部からの指令にし
    たがって調節する捩れ量調節手段と、 上記車両の少なくとも走行状態を含む車両状態を検出す
    る車両状態検出手段と、 上記スタビライザの捩れ量を、上記車両状態検出手段の
    検出結果から得られる走行状態に応じて決定した目標捩
    れ量に変更する指令を、上記捩れ量調節手段に出力する
    制御手段と、 を具備したスタビライザ制御装置であって、 さらに、上記車両の状態が、該車両の基体性能を補償す
    るためにスタビライザの目標捩れ量を変更する必要があ
    る、基本性能補償条件に該当すると判定され、外部から
    基本性能補償指示を受けたときに、上記制御手段の決定
    した目標捩れ量を、上記車両の基本性能補償可能な量に
    変更する指令を、上記捩れ量調節手段に出力する基本性
    能補償手段と、 上記車両の状態が、該車両の異常走行時に対処するため
    にスタビライザの目標捩れ量を変更する必要がある、異
    常走行時制御条件に該当すると判定され、外部から異常
    走行時制御指示を受けたときに、上記制御手段の決定し
    た目標捩れ量を、上記車両の異常走行時に対処可能な量
    に変更する指令を、上記捩れ量調節手段に出力する異常
    走行時制御手段と、 上記車両の状態が、該車両の所定走行状態に適応させる
    ためにスタビライザの目標捩れ量を変更する必要があ
    る、スタビライザ特性最適化条件に該当すると判定さ
    れ、外部からスタビライザ特性最適化指示を受けたとき
    に、上記制御手段の決定した目標捩れ量を、上記車両の
    所定走行状態時に適応可能な量に変更する指令を、上記
    捩れ量調節手段に出力するスタビライザ特性最適化手段
    と、 前記車両状態検出手段の検出結果に基づいて、上記車両
    の状態が、上記基本性能補償条件、異常走行時制御条件
    およびスタビライザ特性最適化条件の何れかに該当する
    と判定したときは、予め定められた優先順序である、基
    本性能補償指示、異常走行時制御指示、スタビライザ特
    性最適化指示の順序に従って、上記基本性能補償手段、
    異常走行時制御手段およびスタビライザ特性最適化手段
    のうち対応する手段に、優先順序の高い指示を優先して
    伝達する優先手段と、 を備えたことを特徴とするスタビライザ制御装置。
JP25989487A 1987-10-15 1987-10-15 スタビライザ制御装置 Expired - Lifetime JPH0788136B2 (ja)

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