JP3570714B2 - 現像剤収納容器及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像剤収納容器並びに画像形成装置に係り、詳しくは、柔軟な材料で形成され、内圧が減少することで減容する袋状部材と、上記袋状部材の内部に収納された現像剤を排出するための現像剤排出口を形成する排出口形成部材とを備えた現像剤収納容器並びにこの現像剤収納容器を備えた画像形成装置に関するものである
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置としては、感光体(潜像担持体)上に静電潜像を形成し、その静電潜像を現像剤中のトナーによって現像して得られたトナー像を転写紙へ転写する電子写真方式を利用するものが知られている。このような画像形成装置には、静電潜像を現像する現像装置に消費した分のトナーを供給するため、トナー収容器(現像剤収納容器)が装着される。このトナー収容器は、一般に、トナーが充填された状態で、画像形成装置本体とは別個独立の商品として販売され、ユーザーに提供される。このような画像形成装置においては、装着されたトナー収容器に収納されているトナーを、スクリューやオーガ等の機械的手段によって少量ずつ搬送し、現像装置内部に補給するトナー補給方式を利用したものが知られている。この機械的手段によりトナー搬送を行うトナー補給方式では、そのトナー搬送通路がほぼ直線状にしか配置できず配置の自由度が低いという欠点がある。
【0003】
この欠点を解消するため、特開平7−219329号公報では、回転することによりトナーを軸方向に移動させるロータと、このロータを包み込むトナー搬送通路を内部に有しかつロータと通路内部で接触係合する固定されたステータとを有するスクリューポンプ、及び、このスクリューポンプにより搬送される粉体トナーを流動化させるためにトナーに空気を供給するエアポンプを備えたものが開示されている。このトナー補給方式では、エアポンプを使用して、フレキシブルな搬送パイプ内を通して、トナー収容器内のトナーを現像装置まで搬送することができる。このため、スクリューやオーガ等の機械的手段を用いたトナー補給方式に比べて、トナー搬送通路の配置の自由度を高めることができる。この結果、トナー収容器の形状や大きさを、画像形成装置本体の空きスペースに合わせて自由に設定することができるという利点がある。また、このトナー補給方式では、エアポンプによってトナーを空気と混合した状態で搬送するので、トナーが流動化して安定した搬送を実現できるとともに、搬送されるトナーに無用なストレスを与えないため、搬送中のトナーの凝集や熱融着等が生じにくい。
【0004】
また、上記特開平7−219329号公報に開示されているトナー補給方式においては、トナー収容器を袋状の柔軟な材料で形成し、スクリューポンプの吸引力によって容器を収縮・減容する構成とすることができる。これにより、トナー消費後のトナー収容器の容積を小さくすることができ、使用後のトナー収容器の取り扱いの利便性を高めることができる。具体的に説明すると、カートリッジやボトルといったハードボトルで形成されたトナー収容器を使用する場合、そのトナー収容器の形状は変形せず、トナー収容器が使用済みとなったときでも、使用前と同じ大きさのままである。しかし、上記トナー補給方式においては、トナー収容器が柔軟な材料で形成されたソフトボトルを使用し、使用後には使用前よりも減容した状態となるため、ハードボトルのトナー収容器を使用する場合に比べて、ユーザーの取り扱いが容易となる上、そのトナー収容器の交換に伴う使用済み容器の回収の際に、ユーザーからメーカーへの運搬するときのコストを低く抑えることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のようなソフトボトルを使用する場合、トナーが無くなった時点で容器が減容した状態(つぶれた状態)になるが、従来、その減容後の形状は、一定の形状にならず、図17に示すように不定形で捻れたような状態となる。このため、使用済み容器を保管したり運搬したりする際の収納性の点で、トナー収容器を減容させることの効果を十分に得ることができないという問題があった。また、減容後の形状が不定形である場合、ユーザーからの見た目も良くない上、減容後の形状によっては、その取扱いの利便性を損ねる結果となる。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、使用済みのトナー収容器(現像剤収納容器)のユーザーによる取り扱いの容易性を安定して確保したり、使用済みのトナー収容器を保管したり運搬したりする際の収納性を安定して確保したりすることができる現像剤収納容器及び画像形成装置を提供することである
【0011】
【課題を解決するための手段】
記目的を達成するために、請求項1の発明は、柔軟な材料で形成され、内圧が減少することで減容する袋状部材と、上記袋状部材の内部に収納された現像剤を排出するための現像剤排出口を形成する排出口形成部材とを備えた現像剤収納容器において、上記袋状部材が内圧の減少により減容するときに屈折する該袋状部材上の屈折箇所よりも該袋状部材上の他部の剛性を高める剛性強化手段を有することを特徴とするものである。
ここで、「現像剤」とは、現像剤を構成する少なくとも一部の物質を意味し、二成分現像剤の場合には、キャリア及びトナー、キャリアのみ、トナーのみをも含むものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像剤収納容器において、上記剛性強化手段は、上記袋状部材に対して着脱可能な剛性強化部材であることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の現像剤収納容器において、上記剛性強化部材は、上記袋状部材の外周面に沿って装着され、該袋状部材よりも高い剛性を有する中空筒状部材であることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1の現像剤収納容器において、上記剛性強化手段は、上記袋状部材に固着して設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の現像剤収納容器において、上記袋状部材は、少なくとも1つの平面部を有しており、上記剛性強化手段は、上記平面部の少なくとも一部に固定される平板状部材であることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の現像剤収納容器において、上記平板状部材は、該平板状部材の平板面を貫通する貫通穴を有することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の現像剤収納容器において、上記剛性強化手段は、上記他部が上記屈折箇所よりも厚く形成された部分で構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項又はの現像剤収納容器において、上記袋状部材は、互いに対向する2つの第1平面部と、該2つの第1平面部を連結する互いに対向した2つの第2平面部とを有しており、上記第1平面部の各々は、上記剛性強化手段を備えており、上記第2平面部の各々は、上記袋状部材が内圧の減少により減容して変形したときに上記2つの第1平面部を互いに平行に近接させるように屈折するための折り目を有し、該折り目を境にして2つの上記剛性強化手段を備えていることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項又はの現像剤収納容器において、上記袋状部材は、互いに対向する2つの第1平面部と、該2つの第1平面部を連結する互いに対向した2つの第2平面部とを有しており、上記第1平面部の各々は、上記第2平面部よりも剛性の高いシート材で形成されており、上記第2平面部の各々は、上記袋状部材が内圧の減少により減容して変形したときに上記2つの第1平面部を互いに平行に近接させるように屈折するための折り目を有し、該折り目を境にして少なくとも1つの剛性強化手段を備えていることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、潜像担持体と、上記潜像担持体上に形成される潜像を現像剤により現像する現像装置と、現像剤を上記現像装置に補給するための現像剤補給装置と、上記現像剤補給装置により上記現像装置に補給するための現像剤を収納し、該現像剤補給装置に対して着脱可能な現像剤収納容器とを備えた画像形成装置において、上記現像剤収納容器として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又の現像剤収納容器を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、上記現像剤収納容器を上記現像剤補給装置に装着するときに、該現像剤収納容器の姿勢を保持するための保持部材を有することを特徴とするものである
記請求項1乃至11の発明においては、現像剤を収納する袋状部材が、柔軟な材料で形成され内圧の減少により減容するものであるため、例えば、スクリューポンプ等の吸引手段により現像剤収納容器内の現像剤を現像剤排出口から排出する場合には、現像剤の排出に伴って減容する。そして、現像剤収納容器内の現像剤が無くなったときには、つぶれた状態となるため、その使用済みの現像剤収納容器のユーザーによる取り扱いが容易となり、また、その使用済みの現像剤収納容器を回収する際の運搬コストを低く抑えることができる。ここで、本現像剤収納容器では、剛性強化手段により、袋状部材が内圧の減少により減容するときに屈折する袋状部材上の屈折箇所よりも袋状部材の他部の剛性が高まっている。このため、袋状部材が減容するときには、剛性が低い部分である上記屈折箇所が屈折し、剛性が高い上記他部は屈折しない。よって、袋状部材は、減容により上記屈折箇所で適切に屈折しながら所定形状に向かって変形していき、最終的に、減容後の袋状部材は、その所定形状につぶれた状態となる。したがって、その所定形状として、ユーザーによる取り扱いの容易性が良く、また、収納性が良い形状を採用すれば、使用済みの現像剤収納容器の取り扱いの容易性又は収納性を安定して確保することができる
【0012】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
以下、本発明を、電子写真方式の画像形成装置であるプリンタに適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。本実施形態では、単一の現像装置を利用して現像を行う単色画像形成装置を例に挙げて説明する。
【0013】
まず、本実施形態に係るプリンタの構成及び動作について説明する。
図2は、本実施形態に係るプリンタにおける現像剤移送装置としての現像剤補給装置であるトナー補給装置周辺の概略構成図である。このプリンタは、一般的な電子写真プロセスと同様に、潜像担持体としての感光体ドラム1を、図示しない帯電装置により所定電荷で一様に帯電した後、図示しない露光装置により画像に応じた光を照射し、感光体ドラム1上に静電潜像を形成する。そして、現像装置10により、感光体ドラム1上の静電潜像をトナーで現像し、これにより感光体ドラム1上にはトナー像が形成される。その後、感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、図示しない転写材としての転写紙上に転写され、定着装置によって転写紙上に定着固定されて画像が出力されることになる。
【0014】
上記現像装置10は、いわゆる2成分現像装置であり、トナーとキャリアを混合した現像剤を使用する。現像装置10の内部に貯蔵されている現像剤は、2本の搬送スクリュー11a,11bにより、仕切部材10aにより仕切られた空間内を循環しながら攪拌される。そして、現像剤担持体としての現像ローラ12近傍に搬送された現像剤は、現像ローラ12の内部に設けられる図示しない磁石による磁力作用を受けて、現像ローラ12の表面に保持される。そして、現像ローラ12の表面に保持された現像剤は、現像ローラ12の回転に伴って、ドクターブレード13により所定の層厚に規制された後、感光体ドラム1との対向位置において感光体ドラム1上の静電潜像を現像する。
【0015】
現像装置10による現像時において、感光体ドラム1上の静電潜像に付着するのはトナーのみであり、現像するごとに現像剤中のトナーが消費されることになる。このため、本実施形態では、現像装置10が使用する現像剤中のトナー量を一定に保つために、トナー補給装置20により、トナー補給口14から少量ずつトナーを補給しながら現像を行う構成となっている。
【0016】
次に、本実施形態におけるトナー補給装置20の構成について説明する。
トナー補給装置20は、現像装置10のトナー補給口14に連結されるスクリューポンプ23と、このスクリューポンプ23に連通される現像剤搬送通路としての搬送チューブ21を有している。この搬送チューブ21は、好ましくは、フレキシブルで耐トナー性に優れたポリウレタン、ニトリル、EPDM等のゴム材料で形成されたものを利用する。また、トナー補給装置20は、現像剤収納容器としてのトナー収容器30を支持するための容器ホルダ22を有しており、この容器ホルダ22は樹脂等の剛性の高い材料で形成されている。
【0017】
トナー収容器30は、柔軟なシート材で形成される袋状部材としての現像剤収容部31と、現像剤排出口としてのトナー排出口を形成する排出口形成部材としての口金部32を有している。トナー収容器30における現像剤収容部31の材質としては、ポリエチレンシート、ポリエステルシート、ポリウレタンシート等のプラスチックシートを用いることが好ましい。また、口金部32には、スポンジ、ゴム等で形成されるシール材33が設けられており、このシール材33には十字型の切り込みが設けられている。そして、この切り込みにトナー補給装置20のノズル40を通すことで、トナー収容器30とトナー補給装置20が連通し固定される。トナー収容器30は、トナーの消耗に応じて順次新しい物と交換されるが、この構成により、その着脱が容易となり、交換時や使用時におけるトナー漏れを防止する。
【0018】
図3(a)は、トナー補給装置20に設けられるノズル40の概略構成を示す外観図であり、図3(b)は、その軸方向断面図であり、図3(c)は、図3(b)中符号A−Aの断面図である。このノズル40は、図3(b)に示すように、内管41とその内管41を内部に収容する外管42とからなる2重管構造を有している。内管41の内部は、トナー収容器30内のトナーを排出するための現像剤搬送通路としてのトナー流路41aとなっている。トナー収容器30内のトナーは、スクリューポンプ23による吸引力により、吸引され、トナー流路41aを通ってスクリューポンプ23内に引き込まれることになる。
【0019】
図4は、スクリューポンプ23の概略構成を示す断面図である。このスクリューポンプ23は、一軸偏芯スクリューポンプと呼ばれるもので、内部にロータ24及びステータ25を備えている。ロータ24は、円形断面が螺旋状に捻れた形状を有し、硬い材質で形成されており、ステータ25の内部に嵌合される。一方、ステータ25は、ゴム状の柔軟な材料で形成され、長円形断面が螺旋状に捻れた形状の穴を有しており、この穴にロータ24が嵌合される。また、ステータ25の螺旋のピッチは、ロータ24の螺旋のピッチの2倍の長さに形成されている。また、ロータ24は、ユニバーサルジョイント27及び軸受28を介して、ロータ24を回転駆動させるための駆動モータ26に接続されている。
【0020】
この構成において、トナー収容器30からノズル40のトナー流路41a及び搬送チューブ21を通って搬送されてきたトナーは、スクリューポンプ23のトナー吸引口23aから内部に入り込む。そして、ロータ24とステータ25の間に形成されるスペースに入り込み、ロータ24の回転に伴って、図2中右側方向に吸引搬送される。そして、ロータ24とステータ25の間のスペースを通過したトナーは、トナー落下口23bから下方に落下し、現像装置10のトナー補給口14を介して、現像装置10の内部に供給される。
【0021】
また、図3(b)に示すように、トナー補給装置20のノズル40は、内管41と外管42との間に、空気供給通路としてのエア流路44を有する。このエア流路44は、図3(c)に示すように、互いに独立した断面半円状の2つの流路44a,44bから構成されている。各エア流路44a,44bは、図2に示すように、それぞれ、気体供給通路としてのエア供給路61a,61bを介して、別個の気体送出装置としてのエアポンプ60a,60bに接続されている。このエアポンプ60a,60bとしては、通常のダイアフラム型のエアポンプを利用することができる。これらエアポンプ60a,60bから送り出される空気は、それぞれ、エア流路44a,44bを通って、各エア流路の気体供給口としてのエア供給口46a,46bからトナー収容器30内に供給される。各エア供給口46a,46bは、トナー流路41aの現像剤排出口としてのトナー流出口47の図中下方に位置している。これにより、各エア供給口46a,46bから供給される空気は、トナー流出口47付近のトナーに対して供給されることになり、使用されないまま長期間放置されてトナー流出口47にトナーが詰まった状態になったとしても、そのトナー流出口47を塞いでいるトナーを崩すことができる。
【0022】
また、エア供給路61a,61bには、図示しない気体送出制御手段としての制御部からの制御信号により、開閉動作する閉塞手段としての開閉弁62a,62bが設けられている。開閉弁62a,62bは、制御部からON信号を受け取ると弁を開けて空気を通過させ、制御部からOFF信号を受け取ると弁を閉めて空気の通過を阻止するように動作する。
【0023】
次に、本実施形態におけるトナー補給装置20の動作について説明する。
上記制御部は、現像装置10からトナー濃度が不足した旨の信号を受け取ることで、トナー補給動作を開始する。このトナー補給動作では、まず、エアポンプ60a,60bをそれぞれ駆動させ、トナー収容器30内に空気を供給するとともに、スクリューポンプ23の駆動モータ26を駆動させて、トナーの吸引搬送を行う。エアポンプ60a,60bから空気が送り出されると、その空気は、エア供給路61a,61bからノズル40のエア流路44a,44bに入り込み、エア供給口46a,46bからトナー収容器30内に供給される。この空気によって、トナー収容器30内のトナーは、攪拌されて、空気を多く内包した状態となり、流動化が促進される。
【0024】
また、トナー収容器30内に空気が供給されると、トナー収容器30内の内圧が高まることになる。従って、トナー収容器30の内圧と外圧(大気圧)との間に圧力差が生じ、流動化したトナーには、圧力の引く方向へ移動する力が働く。これにより、トナー収容器30内のトナーは、圧力の引く方向すなわちトナー流出口47から流出することになる。尚、本実施形態では、スクリューポンプ23による吸引力も作用して、トナー収容器30内のトナーがトナー流出口47から流出する。
【0025】
上述のようにして、トナー収容器30からトナー流出したトナーは、トナー流出口47からノズル40のトナー流路41aを通り、搬送チューブ21を介してスクリューポンプ23内に移動する。そして、スクリューポンプ23内を移動した後、トナー落下口23bから下方に落下し、トナー補給口14から現像装置10内にトナーが補給される。一定量のトナー補給が完了したら、制御部は、エアポンプ60a,60b及び駆動モータ26の駆動を停止させ、かつ、開閉弁62a,62bを閉じ、トナー補給動作を終了する。このように、トナー補給動作終了時に開閉弁62a,62bを閉じることで、トナー収容器30内のトナーがノズル40のエア供給路44a,44bを通ってエアポンプ60a,60b側に逆流するのを防止している。
【0026】
また、エアポンプ60a,60bから供給される空気の供給量は、スクリューポンプ23によるトナー及び空気の吸引量よりも少なく設定されている。よって、トナーを消費するにつれて、トナー収容器30の内圧が減少することになる。ここで、本実施形態におけるトナー収容器30の現像剤収容部31は、柔軟なシート材で形成されているため、内圧の減少に伴って減容する。
【0027】
図1(a)及び(b)は、本実施形態におけるトナー収容器30の一例を示す外観図であり、図1(a)は、トナーが充填された使用前の状態を示し、図1(b)は、トナーを消費した使用後の状態を示している。トナー収容器30の現像剤収容部31の一部には、減容によるトナー収容器30の変形を補助するため、剛性強化手段としての剛性強化部材であるガイド部材34が装着されている。このガイド部材34は、トナー収容器30に対して着脱可能となっている。
【0028】
図5(a)及び(b)は、トナー収容器30とガイド部材34とが分離したときのトナー収容器30及びガイド部材34をそれぞれ示す外観図である。図5(a)に示すトナー収容器30は、ポリエチレンシートを融着する等して形成した現像剤収容部31に、口金部32を融着によって固定して形成されている。口金部32を現像剤収容部31に融着により固定することは、密閉性を確保する上で好ましいが、他の方法によりトナー収容器30を形成してもよい。
【0029】
また、トナー収容器30の現像剤収容部31は、図5(a)に示すように、互いに対向する2つの第1平面部Bと、これら第1平面部Bを連結する互いに対向した2つの第2平面部Cとを有している。また、第2平面部Cには、トナー収容器30が減容して変形したときに、2つの第1平面部Bが互いに平行に近接するように、折り目31aが形成されている。このようなトナー収容器30の形状は、一般にガゼット容器と呼ばれる容器形状であり、簡単にシート状に折り畳むことができるものである。
【0030】
また、図5(b)に示すガイド部材34は、トナー収容器30の材質よりも剛性が高い厚地の紙又は薄いプラスチックシート等で形成されている。このガイド部材34は、図示のように、断面がほぼ正方形状の中空筒状部材であって、そのうちの2つの面に折り目34aが付けられており、軽い力が働くだけで、この折り目34a部分で屈折することができる。このガイド部材34は、図1(a)に示すように、折り目34aがトナー収容器30の折り目31aに揃うようにトナー収容器30の現像剤収容部31の外周面に沿って装着される。そして、ガイド部材34は、トナー収容器30の減容により力を受けると、折り目34a部分で屈折し、折り畳むように作用する。これにより、ガイド部材34の折り目34a部分はトナー収容器30の折り目31aを押し込み、ガイド部材34の内壁面はトナー収容器30の平面部分をその平面の法線方向から均一に押し込むことになる。よって、トナー収容器30が減容して変形するときの形状は、ガイド部材34の折り畳みにより補助され、減容後のトナー収容器30は、図1(b)に示すように、きれいなシート状に折り畳まれることになる。
【0031】
尚、本実施形態ではガイド部材34をトナー収容器に対して着脱可能に構成しているが、図5(b)中符号Dで示す部分の内壁面に、接着剤を塗布し、ガイド部材34とトナー収容器30とを固定するようにしてもよい。また、ガイド部材34とトナー収容器30とを融着させて固定してもよい。このように固定することで、トナー収容器30の運搬中、トナー収容器30をプリンタにセットするための操作中、トナー収容器30をプリンタにセットした後の動作中などにおいて、ガイド部材34がトナー収容器30から外れたり、ズレたりするのを防止できる。
【0032】
上述のようなガイド部材34の作用により、トナー収容器30がトナー補給装置20の容器ホルダ22にセットされ、トナーを消費してトナーが無くなった場合、口金部32を除いた部分のトナー収容器30は、シート状にきちんと折りたたまれた状態になる。よって、トナー収容器30の交換時におけるユーザーの取り扱いが容易となり、また、使用済みとなったトナー収容器30を保管したり、メーカー等に運搬したりする際の収納性が高まる。
【0033】
〔変形例1〕
次に、上記実施形態におけるガイド部材の変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図6は、本変形例に係るガイド部材134を示す概略構成図である。本変形例のガイド部材134では、6枚の平板状部材134a,134b,134cで構成されている。尚、図中には、3枚の平板状部材のみ図示しているが、トナー収容器30の図示しない背面側にも、図示と同様に平板状部材134a,134b,134cが設けられている。このガイド部材134は、図7(a)に示すように、トナー収容器30の現像剤収容部31の材料の一部として形成してもよい。すなわち、ガイド部材134の部分は、他の部分よりもトナー収容器30のシート材の厚みが増して形成されており、この厚み部分がガイド部材134として機能する。また、このガイド部材134は、図7(b)に示すように、トナー収容器30を形成するシート材とは別体のシート材又は板材で形成してもよい。この場合、そのガイド部材134を、トナー収容器30の外周面上の所定の位置に、それぞれ接着又は融着して固定する。
【0034】
この変形例では、トナー収容器30が有する2つの第1平面部Bに、それぞれ第1平面状部材134aが設けられ、折り目31aを境にして分割された第2平面部Cの各平面部C,Cに、それぞれ第2平面状部材134b及び第3平面状部材134cが設けられる。このような平面状部材により構成されるガイド部材134は、剛性強化手段として機能し、これらガイド部材134が設けられたトナー収容器30部分は、ガイド部材134が設けられていないトナー収容器30部分よりも剛性が強化されることになる。よって、本変形例に係るガイド部材134を使用した場合でも、上記実施形態におけるガイド部材34と同様の効果を得ることができる。
【0035】
〔変形例2〕
次に、上記実施形態におけるガイド部材の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図8は、本変形例に係るガイド部材234を示す概略構成図である。本変形例のガイド部材234は、上記変形例1におけるガイド部材134と同様に、6枚の平板状部材234a,234b,234cで構成され、上記変形例1の場合と同様の位置に設けられ、同様の機能を果たす。しかし、本変形例のガイド部材234は、図示のように、平板状部材に貫通穴が設けられている。このようなガイド部材234は、図9(a)に示すように、トナー収容器30を形成するシート材の一部の厚みを増して形成してもよい。また、図9(b)に示すように、トナー収容器30を形成するシート材とは別体のシート材又は板材で形成し、これをトナー収容器30に接着又は融着してもよい。また、図9(c)に示すように、トナー収容器30のシート材を凹凸状に絞り加工して形成してもよい。このようにガイド部材234を構成する平板状部材に貫通穴を設けることにより、このガイド部材234を備えたトナー収容器30の軽量化を図ることができ、取り扱いが容易となる。
【0036】
〔変形例3〕
次に、上記実施形態におけるガイド部材の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図10は、本変形例に係るガイド部材734を示す概略構成図である。また、図11は、シート状に折り畳まれた状態のトナー収容器730を示す外観図である。本変形例におけるトナー収容器730の形状は、一般にガゼット容器と呼ばれる容器形状であるが、上記実施形態並びに上記変形例1及び2のものとは異なる。すなわち、トナー収容器が減容して変形したとき、上記実施形態並びに上記変形例1及び2のトナー収容器30は図中上面が外方に突出するようにしてシート状に折り畳まれる。これに対し、本変形例3のトナー収容器730は、図11に示すように、図中上面が内側に折り込まれるようにしてシート状に折り畳まれる。本変形例3のトナー収容器730であれば、その上面が内側に折り込まれるため、折り畳まれたときの上下方向長さが上記実施形態並びに上記変形例1及び2のトナー収容器30に比べて短くできる。よって、使用済みの現像剤収納容器をコンパクトにでき、その取り扱いの容易性又は収納性をより高めることができる。また、トナー収容器70は、機内に収納された状態で使用され、トナー消費に伴って減容し、徐々に折り畳まれていく。よって、上記実施形態並びに上記変形例1及び2のトナー収容器30の場合、その上面が突出できるように機内にスペースを空ける必要がある。これに対し、本変形例のようにトナー収容器730の上面が内側に折り込まれる構成であれば、そのようなスペースは不要となり、装置の小型化の点で有利である。なお、上記実施形態並びに上記変形例1及び2のトナー収容器30を本変形例3のトナー収容器730の形状にしたり、逆に本変形例3のトナー収容器730を上記実施形態並びに上記変形例1及び2のトナー収容器30の形状にしたりしてもよい。
【0037】
また、本変形例のトナー収容器730は、2つの第1平面部Bが互いに対向する方向に分割された第2平面部Cの各平面部C,Cに、それぞれ第1平面状部材734a及び第2平面状部材734bが設けられる。尚、図10中には、2枚の平板状部材のみ図示しているが、トナー収容器730の図示しない背面側にも、図示と同様に平板状部材734a,734bが設けられている。よって、本変形例のガイド部材734は、上記変形例1や上記変形例2におけるガイド部材とは異なり、4枚の平板状部材734a,734bで構成されている。
【0038】
本変形例では、トナー収容器730が有する2つの第1平面部Bにガイド部材を設けない代わりに、第1平面部B部分のシート材の厚みを第2平面部C部分のシート材の厚みよりも厚く形成している。これにより、第1平面部Bは、図11に示すように、内圧が減少して減容したときでも平面形状を保つことができる。
【0039】
また、本変形例では、2つの第2平面部Cに折り目を形成しない代わりに、その第2平面部Cを薄く柔軟なシート材で形成している。そして、この第2平面部Cには、平板状部材734a,734bが設けられている。ここで、この第2平面部Cに平板状部材734a,734bのようなガイド部材を設けない場合、減容時にその第2平面部Cが蛇腹状に折り込まれていまい、減容後の形状が一定とならない。また、シート状に折り畳まれたトナー収容器730の厚さも十分に平坦なものとすることができない。しかし、本変形例のように第2平面部Cに平板状部材734a,734bを設ければ、その平板状部材734a,734bの剛性により第2平面部Cの折り込み動作が補助される。これにより、2つの第1平面部Bが互いに対向する方向における第2平面部Cの中央部分731aで屈曲が起きるように誘発できる。したがって、上記実施形態におけるガイド部材34と同様の効果を得ることができる。なお、本変形例における第2平面部Cに、上記実施形態並びに上記変形例1及び2の場合と同様に折り目を形成すれば、減容後の形状をより安定化させることができる。
【0040】
なお、本変形例では、1つの第2平面部Cに対して2つの平板状部材734a,734bを設ける構成について説明したが、第2平面部Cの各平面部C,Cのうちの一方にだけ平板状部材734a,734bを設けるようにしてもよい。この場合であっても、一方の平面部Cが平板状部材734aに補助された状態で内側に折り込まれることで、他方の平面部Cも内側に引き込まれるため、平板状部材734a,734bを両方の平面部C,Cに設けた場合と同様の効果を得ることができる。
【0041】
尚、ガイド部材734は、上記変形例1や上記変形例2の場合と同様に、トナー収容器30の現像剤収容部31の材料の一部として形成したり、トナー収容器30を形成するシート材とは別体のシート材又は板材で形成したりしてもよい。また、ガイド部材734を、上記変形例2の場合と同様に、トナー収容器30のシート材を凹凸状に絞り加工して形成してもよい。
【0042】
〔変形例4〕
次に、上記実施形態におけるトナー収容器30の装着部分の変形例(以下、本変形例を「変形例4」という。)について説明する。
図12は、トナー収容器30の姿勢を保持するための保持部材としての容器保持器を用いたときのトナー収容器30の装着作業を説明するための説明図である。図12(a)は、上記変形例1におけるガイド部材134を備えたトナー収容器30を示し、図12(b)は、本変形例に係る容器保持器322を示し、図12(c)は、トナー補給装置20のノズル40を示している。
【0043】
容器保持器322は、トナー収容器30を内部に収容可能で、一側面が完全に開口した箱状部材で形成されている。容器保持器322の図中前面及び後面には、ユーザー等が容器保持器322を手で持って作業するときの滑り止めとして機能する突起又はくぼみ322aが形成されている。また、容器保持器322の底面には、トナー収容器30を内部に収容したとき、そのトナー収容器30の口金部32が容器保持器322の外部に突出できるように、切欠部332bが形成されている。また、本変形例においては、トナー収容器30を容器保持器322内でしっかりと保持できるように、トナー収容器30の口金部32に、切欠部332bと係合する係合溝335が形成されている。
【0044】
トナー収容器30をトナー補給装置20に装着する場合、まず、トナー収容器30を容器保持器322の内部にセットする。そして、その容器保持器322をユーザー等が手で持って、トナー収容器30の口金部32に設けられるトナー排出口にトナー補給装置20のノズル40に通して、容器保持器322ごとトナー収容器30をトナー補給装置20に装着する。尚、トナー収容器30内のトナーが無くなったら、装着手順と逆の手順で、そのトナー収容器30をトナー補給装置20から取り外す。ここで、トナー収容器30を交換する場合でも、容器保持器322自体は、何度も繰り返して使用することになる。よって、本変形例では、この容器保持器322をトナー補給装置20と別体に構成しているが、トナー補給装置20に固定した構成としてもよい。
【0045】
尚、本実施形態では、現像装置10へのトナー補給時におけるトナー補給量の調節は、制御部によるスクリューポンプ23の駆動制御により行うことになる。しかし、この場合には、トナー補給量の細かな調節は難しい。そこで、例えば、スクリューポンプ23のトナー落下口23bに、制御部により開閉制御可能な通過量調節手段としての開閉弁を設けるようにしてもよい。この場合、その開閉弁の開閉動作により、現像装置10内へのトナー補給の動作を確実に制御できるようになる。よって、現像装置10内に所望の量だけトナー補給するという定量補給も可能となる。
【0046】
〔実施形態2〕
次に、本発明を、電子写真方式の画像形成装置であるプリンタに適用した他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。尚、本実施形態における画像形成動作は、上記実施形態1と同様であるが、トナー補給装置のノズルの構成が異なるので、その部分についてのみ説明する。
【0047】
図13は、本実施形態に係るプリンタにおけるトナー補給装置周辺の概略構成図であり、図14(a)は、本実施形態におけるノズル440の概略構成を示す外観図であり、図14(b)は、その軸方向断面図である。このノズル440は、1本の管を軸方向に沿って半分に分離した構成を有し、トナー流路とエア流路が共通化されている。すなわち、ノズル440は、トナー流出口及びエア供給口として機能する共通開口446a,446bを備えた共通流路444a,444bを備えている。また、この共通流路444a,444bは、エアポンプ60a,60bに連通するエア供給用開口448a,448bと、搬送チューブ21を介して現像装置10内に連通するトナー排出用開口449a,449bを備えている。
【0048】
本実施形態のトナー補給時においては、トナー収容器30内へのエア供給とトナー収容器30からのトナー排出は、同時に行われず、例えば、交互に行う。具体的には、制御部は、現像装置10からトナー濃度が不足した旨の信号を受け取ると、まず、エアポンプ60a,60bをそれぞれ駆動させる。これにより、エアポンプ60a,60bからの空気は、ノズル440のエア供給用開口448a,448bから共通流路444a,444b内に入り込み、共通開口446a,446bからトナー収容器30内に供給される。これにより、トナー収容器30内のトナーは、攪拌され、流動化される。そして、トナーを十分に攪拌できる時間が経過した後、制御部は、エアポンプ60a,60bの駆動を停止させ、かつ、開閉弁62a,62bを閉じる。その後、今度は、スクリューポンプ23の駆動モータ26を駆動させる。これにより、トナー収容器30内のトナーは、ノズル440の共通開口446a,446bから共通流路444a,444b内に入り込み、トナー排出用開口449a,449bから搬送チューブを介して、スクリューポンプ23内に吸引搬送される。このとき、開閉弁62a,62bは閉じた状態にあるため、共通流路内のトナーがエアポンプ60a,60b側に移動することはない。
【0049】
また、本実施形態におけるトナー収容器30は、その鉛直方向上部に、内部の空気を外部に通すための気体排出手段としてのフィルタ436が設けられている。このフィルタ436は、空気を通すがトナーは通さない材料で形成されている。このフィルタ436により、エア供給されたトナー収容器30内の内圧上昇を抑えることができる。これにより、内圧が上昇したときにエア供給量が減少するという不具合がなく、大量の空気をトナー収容器30内に送り込むことが可能となる。よって、トナー収容器30内のトナーをより攪拌し、流動化させることができる。
【0050】
〔実施形態3〕
次に、本発明を、電子写真方式の画像形成装置であるプリンタに適用した更に他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態3」という。)について説明する。本実施形態における画像形成装置は、4つの現像装置を用いるカラー画像形成装置であり、その画像形成動作は、従来と同様のものであるため、以下、本実施形態の特徴部分についてのみ説明する。
【0051】
図15は、本実施形態における空気の供給方法についての説明図である。本実施形態のカラー画像形成装置においては、4つの現像装置に対してそれぞれ補給するためのトナーを収納した4つのトナー収納器530a,530b,530c,530dが設けられている。各トナー収納器530a,530b,530c,530d内のトナーをそれぞれ現像装置まで搬送するためのトナー搬送機構は、上記実施形態1とほぼ同様である。
【0052】
ここで、本実施形態では、トナー収容器530a,530b,530c,530d内に供給される空気を送り出すエアポンプ560a,560bは2つしか用意されていない。上記実施形態1の構成で言えば、各トナー収容器530a,530b,530c,530dについて、それぞれ2つのエアポンプを用意する必要があるが、本実施形態では、各トナー収容器で共通のエアポンプ560a,560bを使用する。すなわち、各トナー収容器530a,530b,530c,530dについて、ノズル内に設けられる2つのエア流路に対応する2つのエアポンプは、それぞれ、他のトナー収容器と共通のものを使用する。これにより、本来、8つのエアポンプが必要であるところ、2つのエアポンプで済むため、装置内の省スペース化及び低コスト化を図ることができる。
【0053】
また、このように4つのトナー収容器530a,530b,530c,530dについて共通のエアポンプ560a,560bを使用する場合、すべてのトナー収容器に対して同時にエア供給を行うと、個々のトナー収容器に対する空気の供給量が少なくなり、トナーの攪拌が不十分になるおそれもある。また、トナー攪拌を十分に行うために、大量の空気を送り出すことができるエアポンプを採用すると、装置が大型化し、電力消費量も増大するため望ましくない。
【0054】
そこで、本実施形態では、各トナー収容器530a,530b,530c,530dに対して、個別にエア供給を行う構成としている。具体的に説明すると、エアポンプ560a,560bと各トナー収容器530a,530b,530c,530dとを連通させるエア供給路561a,561b,561c,561dには、それぞれ、開閉弁562a,562b,562c,562dが設けられている。そして、例えば、Yトナー収容器530aに対してエア供給を行う場合、他のトナー収容器530b,530c,530dに連通するエア供給路561b,561c,561dの開閉弁を562b,562c,562dを閉じる。これにより、エアポンプ560a,560bから送り出される空気は、エア供給路561aのみを通ってYトナー収容器530aに供給されることになる。
【0055】
以上、上記実施形態1、2及び3のプリンタは、柔軟な材料で形成され、内圧が減少することで減容する袋状部材である現像剤収容部31と、その現像剤収容部31の内部に収納された現像剤を排出するための現像剤排出口であるトナー排出口を形成する排出口形成部材としての口金部32を備えた現像剤収納容器であるトナー収容器30,530,730を備えている。このトナー収容器30,530,730は、現像剤収容部31が内圧の減少により減容するときに屈折する現像剤収容部31の屈折箇所よりも現像剤収容部31の他部の剛性を高める剛性強化手段としてのガイド部材34,134,234,734を備えている。現像剤収容部31が内圧の減少により減容して変形するとき、ガイド部材34,134,234,734によって、剛性が低い上記屈折箇所は屈折するが剛性が高い上記他部は屈折せず、その現像剤収容部31は減容により所定形状に向かって変形していく。そして、最終的に、減容後の現像剤収容部31は、その所定形状につぶれた状態となり、使用済みのトナー収容器30,530,730の取り扱いの容易性又は収納性を安定して確保することができる。また、ガイド部材34,134,234,734は、減容する現像剤収容部31が所定箇所で屈折するように、その現像剤収容部31の変形を補助している。これにより、現像剤収容部31は、減容により所定形状に向かって屈折して変形し、最終的に、減容後の現像剤収容部31は、折り畳まれた状態となる。よって、減容後の現像剤収容部31により占有されるスペースを効率よく小さくすることができる。よって、収納性をより高めることができる。
また、上記実施形態1におけるガイド部材34は、現像剤収容部31に対して着脱可能な剛性強化部材であるため、使用済みのトナー収容器30について使用していたガイド部材34を、新たなトナー収容器30を使用する場合に再利用することができる。また、トナー収容器30にガイド部材34を装着するだけで、使用済みのトナー収容器30の取り扱いの容易性又は収納性を安定して確保できるので、従来のトナー収容器を流用することも可能となる。よって、ガイド部材34を再利用できる点で経済的であるとともに、従来のトナー収容器を流用できる点でメーカーにとっての利便性を高めることができる。
特に、上記ガイド部材34は、現像剤収容部31の外周面に沿って装着され、その現像剤収容部31よりも高い剛性を有する中空筒状部材である。よって、このガイド部材34に装着することで、その現像剤収容部31を減容により所定形状に変形させることができる。また、トナー収容器30の現像剤収容部31の部分を、そのガイド部材34の内部にセットするだけで、使用済みとなったトナー収容器30の取り扱いの容易性又は収納性を安定して確保できるので、取り扱いが容易で利便性が高い。
また、上記変形例1乃至3におけるガイド部材134,234,734は、現像剤収容部31に固着して設けられているので、上記実施形態1のガイド部材34で生じ得る不具合がない。この不具合とは、現像剤収容部31に対して着脱可能なガイド部材34を使用すると、そのトナー収容器30の使用中にガイド部材34が外れたり、装着位置がズレたりするおそれがあることである。このような不具合が生じた場合、そのガイド部材34による効果が得られないことがある。また、トナー収容器30の運搬中にガイド部材34が外れたり、装着位置がズレたりすると、使用前に、そのガイド部材34を再装着したり、装着位置を修正したりする必要が生じ、その取扱いが煩雑となることも不具合として挙げられる。これに対し、上記変形例1乃至3におけるガイド部材134,234,734は、現像剤収容部31の少なくとも一部に固着して設けているため、ガイド部材134,234,734による効果を安定して発揮させることができ、また、取扱いが煩雑さも解消することができる
に、上記変形例1乃至3における現像剤収容部31は、少なくとも1つの平面部B,Cを有しており、ガイド部材134,234,734は、その平面部B,Cの少なくとも一部に固定される平板状部材である。このようなガイド部材134,234,734は、板材又はシート材を切断することで容易に製造できるため、変形補助手段を簡単かつ低コストで実現することができる。
このとき、そのガイド部材134,234,734に、その平板面を貫通する貫通穴を設ければ、貫通穴のないものに比べて、トナー収容器30,730の軽量化を図ることができる。このようなガイド部材は、平板材の一部をくり貫いたり、成型したり、長尺な板材を組み合わせたりすることにより、形成することができる。
また、上記ガイド部材134,234,734は、現像剤収容部31の上記他部上記屈折箇所よりも厚く形成された部分で構成することで、現像剤収容部31の製造時に、一緒に剛性強化手段を設けることができる。よって、本トナー収容器30,730の製造が簡単で低コスト化を図ることができる。
また、上記変形例1及び2では、現像剤収容部31が、互いに対向する2つの第1平面部Bと、その2つの第1平面部Bを連結する互いに対向した2つの第2平面部Cとを有している。そして、第1平面部Bの各々にはガイド部材134a,234aが設けられ、第2平面部の各々には、現像剤収容部31が内圧の減少により減容して変形したときに2つの第1平面部Bを互いに平行に近接させるように屈折するための折り目31aが形成され、その折り目を境にして2つのガイド部材134b,134c,234b,234cが設けられている。このような構成により、現像剤収容部31が内圧の減少により減容すると、各第2平面部は折り目31aの部分で屈折し、減容後の現像剤収容部31は、最終的に、2つの第1平面部Bが互いに平行に近接した状態でつぶれることになる。よって、現像剤収容部31は、減容前においては、2つの第1平面部B及び2つの第2平面部Cにより囲まれた部分に現像剤を収納でき、減容後においては、ほぼ板状になる。減容後の現像剤収容部31の形状は、板状になるのが取扱いの容易性や収納性の点で理想的であると言え、このトナー収容器30によれば、このような理想的な形状に現像剤収容部31を安定して減容させることができる。
また、上記変形例3では、現像剤収容部31が、互いに対向する2つの第1平面部Bと、その2つの第1平面部Bを連結する互いに対向した2つの第2平面部Cとを有している。そして、第1平面部Bの各々は第2平面部Cよりも剛性の高いシート材で形成されている。また、第2平面部の各々には、現像剤収容部31が内圧の減少により減容して変形したときに2つの第1平面部Bを互いに平行に近接させるように屈折するための折り目731aが形成され、その折り目を境にして2つのガイド部材734a,734bが設けられている。このような構成は、種々の実験の結果から、減容後に理想的な板状の状態にするための最も効果的な構成であることが確認された。
また、上記実施形態1、2及び3に係るプリンタは、上述したトナー収容器30,730を用いているため、上述したトナー収容器30,730による効果をもって、現像装置10に現像剤を補給することができ、プリンタ自体の利便性を向上させることができる。
特に、上記変形例4におけるプリンタは、トナー収容器30を現像剤補給装置であるトナー補給装置20に装着するときに、そのトナー収容器30の姿勢を保持するための保持部材としての容器保持器322を備えている。これにより、トナー収容器30の現像剤収容部31が柔軟な材料で形成されていても、そのトナー収容器30をトナー補給装置20に装着するときに姿勢が崩れない。よって、現像剤収容部31を柔軟な材料で形成しても、現像剤収容部31が堅い材料で形成されたハードボトル等と同程度の高い操作性を得ることができる
【0056】
尚、上述した実施形態1、2及び3では、各エア供給口46a,46bから供給される空気の供給量は一定としてもよいが、この場合、トナー収容器30内の圧分布が均一となる等が原因で、架橋現象が生じるおそれがある。そこで、この架橋現象の発生を効果的に抑制するため、各エアポンプ60a,60bから送り出す空気の送出量を異なるように設定してもよい。これによれば、図16に示すように、各エア供給口46a,46bから供給された空気により攪拌され流動化するトナーの領域E,Eは異なるものとなる。よって、トナー収容器30内の圧分布が不均一となり、また流動化したトナーの動きの不規則になるため、架橋現象の発生を効果的に抑制することができる。また、各エアポンプ60a,60bから送り出す空気の送出量を異ならせず、トナー収容器30内へのエア供給開始タイミングやエア供給終了タイミングを互いにズラすように設定してもよい。この場合、タイミングがズレている期間は、いずれか一方のエア供給口からしか空気が供給されないため、トナー収容器30内の圧分布が崩すことができ、架橋現象の発生を効果的に抑制することができる。
【0057】
【発明の効果】
請求項1乃至11の発明によれば、使用済みの現像剤収納容器のユーザーによる取り扱いの容易性を安定して確保したり、使用済みのトナー収容器を保管したり運搬したりする際の収納性を安定して確保したりすることができるという優れた効果がある
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、実施形態1におけるトナーが充填された使用前のトナー収容器の状態を示す斜視図である。
(b)は、同トナー収容器のトナーを消費した使用後の状態を示す斜視図である。
【図2】実施形態1に係るプリンタのトナー補給装置周辺の概略構成図。
【図3】(a)は、同トナー補給装置に設けられるノズルの概略構成を示す外観図。
(b)は、同ノズルの軸方向断面図。
(c)は、同図(b)中符号A−Aの断面図。
【図4】同トナー補給装置に設けられるスクリューポンプの概略構成を示す断面図。
【図5】(a)及び(b)は、同トナー収容器とガイド部材とが分離したときのトナー収容器及びガイド部材をそれぞれ示す外観図。
【図6】変形例1に係るガイド部材を示す概略構成図。
【図7】(a)は、同ガイド部材の一例を示す断面図。
(b)は、同ガイド部材の他の例を示す断面図。
【図8】変形例2に係るガイド部材を示す概略構成図。
【図9】(a)は、同ガイド部材の一例を示す断面図。
(b)は、同ガイド部材の他の例を示す断面図。
(c)は、同ガイド部材の更に他の例を示す断面図。
【図10】変形例3に係るガイド部材を示す概略構成図。
【図11】変形例3におけるシート状に折り畳まれた状態のトナー収容器730を示す外観図。
【図12】変形例4におけるトナー収容器の姿勢を保持するための容器保持器を用いたときのトナー収容器の装着作業を説明するための説明図。
【図13】実施形態2に係るプリンタにおけるトナー補給装置周辺の概略構成図。
【図14】(a)は、同トナー補給装置に設けられるノズルの概略構成を示す外観図。
(b)は、同ノズルの軸方向断面図。
【図15】実施形態3に係るプリンタにおける空気の供給方法についての説明図。
【図16】同空気の供給方法におけるトナー収容器内の状態を示す説明図。
【図17】従来のトナー収容器におけるトナーを消費した使用後の状態を示す斜視図

Claims (11)

  1. 柔軟な材料で形成され、内圧が減少することで減容する袋状部材と、
    上記袋状部材の内部に収納された現像剤を排出するための現像剤排出口を形成する排出口形成部材とを備えた現像剤収納容器において、
    上記袋状部材が内圧の減少により減容するときに屈折する該袋状部材上の屈折箇所よりも該袋状部材上の他部の剛性を高める剛性強化手段を有することを特徴とする現像剤収納容器
  2. 求項1の現像剤収納容器において、
    上記剛性強化手段は、上記袋状部材に対して着脱可能な剛性強化部材であることを特徴とする現像剤収納容器。
  3. 請求項の現像剤収納容器において、
    上記剛性強化部材は、上記袋状部材の外周面に沿って装着され、該袋状部材よりも高い剛性を有する中空筒状部材であることを特徴とする現像剤収納容器。
  4. 請求項1の現像剤収納容器において、
    上記剛性強化手段は、上記袋状部材に固着して設けられていることを特徴とする現像剤収納容器。
  5. 請求項の現像剤収納容器において、
    上記袋状部材は、少なくとも1つの平面部を有しており、
    上記剛性強化手段は、上記平面部の少なくとも一部に固定される平板状部材であることを特徴とする現像剤収納容器。
  6. 請求項の現像剤収納容器において、
    上記平板状部材は、該平板状部材の平板面を貫通する貫通穴を有することを特徴とする現像剤収納容器。
  7. 請求項の現像剤収納容器において、
    上記剛性強化手段は、上記他部が上記屈折箇所よりも厚く形成された部分で構成されていることを特徴とする現像剤収納容器。
  8. 請求項又はの現像剤収納容器において、
    上記袋状部材は、互いに対向する2つの第1平面部と、該2つの第1平面部を連結する互いに対向した2つの第2平面部とを有しており、
    上記第1平面部の各々は、上記剛性強化手段を備えており、
    上記第2平面部の各々は、上記袋状部材が内圧の減少により減容して変形したときに上記2つの第1平面部を互いに平行に近接させるように屈折するための折り目を有し、該折り目を境にして2つの上記剛性強化手段を備えていることを特徴とする現像剤収納容器。
  9. 請求項又はの現像剤収納容器において、
    上記袋状部材は、互いに対向する2つの第1平面部と、該2つの第1平面部を連結する互いに対向した2つの第2平面部とを有しており、
    上記第1平面部の各々は、上記第2平面部よりも剛性の高いシート材で形成されており、
    上記第2平面部の各々は、上記袋状部材が内圧の減少により減容して変形したときに上記2つの第1平面部を互いに平行に近接させるように屈折するための折り目を有し、該折り目を境にして少なくとも1つの剛性強化手段を備えていることを特徴とする現像剤収納容器。
  10. 潜像担持体と、
    上記潜像担持体上に形成される潜像を現像剤により現像する現像装置と、
    現像剤を上記現像装置に補給するための現像剤補給装置と、
    上記現像剤補給装置により上記現像装置に補給するための現像剤を収納し、該現像剤補給装置に対して着脱可能な現像剤収納容器とを備えた画像形成装置において、
    上記現像剤収納容器として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又の現像剤収納容器を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10の画像形成装置において、
    上記現像剤収納容器を上記現像剤補給装置に装着するときに、該現像剤収納容器の姿勢を保持するための保持部材を有することを特徴とする画像形成装置。
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