JP3553244B2 - 非水電解液2次電池用電極板の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば、リチウムイオン2次電池に代表される非水電解液2次電池用電極板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器や通信機器の小型化及び軽量化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として用いられる2次電池に対しても小型化及び軽量化の要求が強くなってきている。これらの要求に対して、従来のアルカリ蓄電池に代わり、高エネルギー密度で且つ高電圧を有するリチウムイオン2次電池に代表される非水電解液2次電池が提案されている。
又、2次電池の性能に大きく影響を及ぼす電極板に関しては、充放電サイクル寿命を延長させる為に、又、高エネルギー密度化の為に薄膜大面積化を図ることが提案されている。例えば、特開昭63−10456号公報や特開平3−285262号公報等に記載されている様に、金属酸化物、硫化物、ハロゲン化物等の正極活物質粉末に、導電剤及び結着剤(バインダー)を適当な湿潤剤(溶媒)に分散溶解させて、ペースト状の活物質塗布液を調製し、金属箔からなる集電体を基体とし、該基体上に上記塗布液を塗布して塗工膜(活物質層)を形成して得られる正極電極板が開示されている。この際、バインダーとして、例えば、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、又はシリコーン・アクリル共重合体が用いられている。
【0003】
上記した様な塗布型の電極板において、活物質を含有する塗布液の調製の際に用いられるバインダーは、非水電解液に対して電気化学的に安定であって、且つ電解液中に溶出することなく、更に、金属箔からなる基体上に塗布液を薄く塗布をすることが出来る様に何らかの溶媒に可溶である必要がある。又、塗布、乾燥されて形成される活物質層(塗工膜)は、電池の組み立て工程において、剥離、脱落、ひび割れ等が生じることがない様に可撓性を有するものであることが要求され、且つ金属箔からなる集電体との密着性にも優れた塗工膜であることが要求される。
【0004】
ここで、電極板を構成している塗工膜の膜厚は一般的に50μm〜200μm(片面)程度であるが、塗工膜の膜厚を厚くすると単位面積当りの電池容量を増加させることが出来る。しかし一方で、膜厚を厚くすると塗工膜の形成時の乾燥が遅くなる可能性があり、この間に塗工液中に分散溶解されている粉体の沈降、或いは乾燥中の塗膜内部で対流が起こり、乾燥後に形成される塗工膜が、空気との界面部分に結着剤量が多く、逆に、集電体との界面部分では結着材量が減少した塗膜となる結果、集電体との密着性が損なわれた塗工膜となる場合がある。同時に、塗工膜の柔軟性が損なわれ可撓性に欠ける可能性もでてくる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、集電体基体上に電極塗工液を塗工処理、乾燥処理して形成される活物質を有する塗工膜を、単位面積当りの十分な電池容量を有し、且つ十分な可撓性を持つ加工性に優れた膜とすると共に、集電体に対しての密着性に優れた膜とした非水電解液2次電池用電極板の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、少なくとも活物質と結着剤とを混練して電極塗工液を調製する工程と、該電極用塗工液を集電体上に塗工する工程と、集電体上に塗工された塗工液を乾燥して活物質が含有された塗工膜を形成する工程を有する、
少なくとも活物質と結着剤とを含有する電極塗工液を集電体上に塗工、乾燥して形成された塗工膜を有する非水電解液2次電池用電極板において、塗工膜中の結着剤の存在量が、空気との界面部分における結着剤の存在量よりも集電体との界面部分における結着剤の存在量の方が多いか、或いは同量程度である
非水電解液2次電池用電極板の製造方法において、電極塗工液を2回以上の塗工工程及び乾燥工程に分けて塗工、乾燥して所定の膜厚の塗工膜を集電体上に形成し、且つ1回目の塗工工程及び乾燥工程によって形成される塗工膜の乾燥膜厚が、2回目の塗工工程及び乾燥工程によって形成される2回目のみの塗工膜の乾燥膜厚よりも厚く、且つ更に塗工回数が増加した場合には、塗工回数が増加するにつれてそれぞれの工程で形成される塗工膜の乾燥膜厚が順次減少する様に構成されていることを特徴とする非水電解液2次電池用電極板の製造方法である。
【0007】
本発明者らは、上記従来技術の問題を解決する為に鋭意検討の結果、電極集電体と電極塗工膜との間には適当な密着力が必要であるが、従来の塗布型の電極板においては塗工膜の形成時に、集電体との界面(以下、集電体界面と呼ぶ)部分における結着剤の存在量が空気との界面(以下、空気界面と呼ぶ)部分よりも少なくなってしまっていることに鑑み、塗工膜を形成している結着剤の存在量が、空気界面部分に存在している量よりも、集電体界面部分に存在している量の方が多いか、或いは同量程度存在する様に構成すれば、電極集電体と塗工膜との間に十分な密着性が得られ、上記の問題が解決されることを知見して本発明に至った。即ち、集電体上に電極塗工液を塗工処理、乾燥処理して塗工膜を形成する際に、集電体界面における結着剤の存在量を減少させることなく塗工膜を形成することによって、集電体と塗工膜との密着性を損なうことなく十分な厚みの塗膜を形成させることが出来る。又、従来よりも速い乾燥を可能とすることによって、電極板の製造における生産性を向上させることが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の非水電解液2次電池用電極板は、少なくとも活物質と結着剤とを含有する電極塗工液を集電体上に塗工、乾燥して形成された塗工膜を有する非水電解液2次電池用電極板において、塗工膜中の結着剤の存在量が、空気との界面部分における結着剤の存在量よりも集電体との界面部分における結着剤の存在量の方が多いか、或いは同量程度であることを特徴とする。
【0009】
上記の様な構成を有する本発明の非水電解液2次電池用電極板は、少なくとも活物質とバインダー(結着剤)とを混練して電極用塗工液を調製し、該電極用塗工液を集電体に2回以上に分けて塗工し、所望の膜厚の塗工膜を形成することにより得られる。そして、塗工膜を形成する際に、1回目の塗工により得られる塗工膜の膜厚を、2回目の塗工により得られる塗工膜の膜厚よりも厚くし、更に塗工回数を増加させた場合には、塗工回数の増加に伴って順次形成されるそれぞれの塗工膜の膜厚が減少する様にして塗工することによって、上記の構成を有する塗工膜が得られる。
【0010】
即ち、本発明の電極板においては、塗工膜中の結着剤の存在量が従来のものとは異なって偏在した状態となる様に形成されていることを特徴としており、空気界面部分における結着剤の存在量よりも集電体界面部分における結着剤の存在量の方が多いか、同じであるか、或いは集電体界面における結着剤の存在量の方が空気界面における結着剤の存在量よりも少ない場合であってもその差が僅少である様に構成されている。この結果、従来の様に1回の塗工、乾燥処理で所望の膜厚の塗工膜を形成した場合には、塗工する塗工液が厚い為、塗工膜形成時の乾燥が遅くなる可能性があり、この間に塗工液中に分散溶解されている粉体の沈降、或いは乾燥中の塗膜内部で対流が起こり、乾燥後に形成される塗工膜が、空気との界面部分に結着剤量が多く、逆に、集電体との界面部分では結着材量が減少した塗膜となる結果、集電体との密着性が損なわれた塗工膜となる場合がある。同時に、塗工膜の柔軟性が損なわれ可撓性に欠ける可能性もでてくる。しかし、本発明においては、集電体界面に結着剤が十分に存在する様に構成されている為、金属箔からなる集電体基体と、その上に形成される塗工膜との密着性が向上する。又、従来の様に1回の塗工、乾燥処理によって塗工膜を形成した場合よりも、本発明の様に2回以上に分けて塗工、乾燥処理を行った方が、形成される膜の可撓性が損なわれることがない。
【0011】
本発明においては、集電体上に形成された活物質が含有されている塗工膜中の結着剤の存在量が、空気界面における存在量よりも集電体界面における存在量の方が多いか、又は同量であることが好ましいが、集電体界面における存在量の方が空気界面における存在量よりも少なくても、その差が僅少で同量程度であれば、塗工膜と集電体基体との密着性の向上は達成される。この場合にいう同量程度とは、結着剤に由来するフッ素元素の量をESCASCOPEによって測定して塗工膜中の結着剤の存在量を比較した場合に、塗工膜中に含有されている活物質を構成している有機物に由来する炭素原子の量を100としたときに、塗工膜の集電体との界面部分におけるフッ素元素量が塗工膜の空気との界面部分におけるフッ素元素量よりも多いか、同量、或いは塗工膜の集電体との界面部分におけるフッ素元素量が塗工膜の空気との界面部分におけるフッ素元素量よりも少ない場合にも、その差が5以内であることを意味する。本発明で使用するESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysisの略)とは、電子分光法の一種で、電子発生に単色の軟X線が用いられ、固体表面の状態の情報を得る測定手段として優れている。本発明においては、軟X線源には、AlのKα線を用いた。又、測定領域は、1,100μmφとし、測定条件としてはX線出力を15kV、35mAとした。又、塗工膜中のフッ素元子量は、685〜692eVの結合エネルギーの範囲にあるピークを用いて測定した。
【0012】
上記した構成の塗工膜を有する本発明の電極板を作製する為には、集電体基体上の塗工膜を、2回以上の塗工、乾燥処理を繰り返すことによって形成し、且つ1回目の塗工、乾燥処理によって形成される塗工膜厚を、それ以後の塗工、乾燥処理によって形成されるそれぞれの塗工膜厚と同じか、徐々に塗工膜厚を減少させる様にして形成する。この結果、金属箔からなる集電体基体と塗工膜との密着性のよい電極板が、生産性よく得られる。即ち、1回目の塗工膜の厚みに対し、2回目以降の塗工、乾燥処理によって新たに形成される塗工膜の厚みを順次薄くしながら所望の厚さの塗工膜を形成すると、従来の様に1回の塗工、乾燥処理によって同様の厚さの塗工膜を形成するのに比べ、数回に分け塗工している為、それぞれの段階で形成する塗工膜の膜厚を薄することが出来、この結果、下記に述べる様に生産性を向上させることが出来る。
【0013】
例えば、160μm(乾燥時)の塗工膜からなる塗布電極を作製する場合、1回で塗工するとすれば、乾燥後に160μmの膜厚の塗工膜が得られるように塗工液を集電体上に塗布する必要があるが、2回に分けて塗工する場合には、例えば、第1回目に90μmの膜厚となるように塗工、乾燥し、更に、第2回目の塗工のみで乾燥後に70μmの膜厚となるように塗工、乾燥することで、所望する160μmの塗工膜が得られる。これに対し、160μmの厚さの塗膜を1回の塗工で乾燥させ用とした場合は、例えば、4mの乾燥ゾーンを用いれば、乾燥自体は3m/min以上の速度でも可能であるが、厚く塗られた塗工液を速く乾燥させると、塗工膜の表面に結着剤の比率が高い皮膜が形成され、相対的に集電体界面部分の結着剤の存在量が少なくなり、結果的に密着性の低い膜しか得られない。これを防ぐためには、乾燥条件を緩やかにして1m/min以下の塗工スピードでゆっくりと乾燥させなければならない。
【0014】
しかしながら、90μmと70μmの2回に分けて塗工した場合には、1回目の塗工は乾燥膜厚が90μmと薄い為、4m/min以上の塗工スピードで速く乾燥させることが可能で密着性がそれ程劣らない塗工膜を得ることが出来る。この塗工膜の上に更に2回目の塗工を行い70μm上乗せして160μmの膜厚の塗工膜を作製する場合、乾燥時間は、90μmの1回目の塗工と同程度或いはそれ以下ですむ為、4m/min以上の塗工スピードで速く乾燥させることが出来る。又、2回目を塗工した際、1回目の塗工膜の微細な空隙に2回目の塗工液の液状成分が浸み込み、それに伴って結着剤も集電体方向に移動する為、この状態で乾燥された塗工膜は、空気界面よりも集電体界面の方に結着剤が多く存在し、塗工膜の密着性は1回の塗工で160μmの厚みになるように作製した塗工膜に比べて著しく向上する。更に、結果として2回に分けて塗工する場合は、4m/minの速度で2回塗工、乾燥処理がされることになる為、実質2m/minで塗工物が得られることとなり、1回で塗工、乾燥処理する場合の1m/minに比べて生産性は2倍になる。
尚、本発明においては、2回以上に分けて塗工処理するが、塗工機械が2台必要なわけではなく、2つの塗工ユニットを有する塗工機を用いれば十分であり、機械自体のコストはアップするが、機械の消却費は年々減少することから、全体として電極板のコストは生産量が増加した方が減少する。
【0015】
更に、従来の様に1回の塗工処理で塗工膜を形成する場合には、厚い塗工膜を温度及び風にて乾燥することになる為、風量、風速を増加させると表面に結着剤であるポリマーが偏在化する可能性があり、この様な空気界面への結着剤の偏在化が起こると、塗工膜の集電体基体に対する密着性が劣る原因となる。ポリマーが偏在化は、形成する塗工膜の厚みと乾燥温度及び乾燥風量に依存して起こる。
本発明における塗工膜を形成する際の塗工方法の具体例を挙げて、以下、各回において形成する塗工膜厚に対する形成される塗工膜の性質について説明する。1回目の塗工、乾燥処理によって形成される塗工膜の膜厚をT1 とし、2回目の塗工、乾燥処理によって形成される塗工膜の膜厚をT2、3回目のそれをT3、以後T4…Tn とする。
【0016】
ある膜厚の塗工膜を有する電極板を得るのに、各回の塗工処理を順次膜厚が薄くなる様に形成し、T1>T2>T3>…Tn とした場合には良好な塗工膜が得られるが、T1=T2=T3=…Tn と、各回で形成する膜厚を同一とした場合には、最終的に得られる塗工膜の乾燥膜厚が150μm以上のものであると、塗工膜表面に凹凸が発生し好ましくない。又、T1<T2<T3<…Tn と順次膜厚を厚くしていった場合には、塗工膜の集電体基体に対する密着性が上の2つの例の場合よりも劣り、更に、最終的に得られる塗工膜の乾燥膜厚が150μm以上になると塗膜表面に凹凸が発生する。又、この場合には乾燥時間の短縮が困難になり、この3番目の例では、数回塗工することによる乾燥スピードの向上が見られずメリットが無い。従って、本発明においては、塗工膜の形成に際し、複数回の塗工処理によって塗工膜を形成し、且つ各回に形成する塗工膜の膜厚が同じであるか、更に好ましくは順次形成される塗工膜の膜厚が薄くなる様に構成する。
【0017】
以下、本発明の非水電解液2次電池用電極板を構成する各材料について説明する。非水電解液2次電池とは、リチウム系2次電池で代表されるもので電解液に非水有機溶媒を用いることを特徴とし、例えば、金属箔からなる集電基体上に電極活物質を含有する塗工膜(活物質層)が形成されているものを電極板とし、電解液に非水有機溶剤を用い、正極及び負極の電極間をリチウムイオンが移動する際の電子のやり取りによって充放電が可能となるものである。
【0018】
本発明の非水電解液2次電池用電極板を構成する活物質を含有する塗工膜は、少なくとも活物質と結着剤とからなる電極塗工液から形成される。本発明で用いられる正極活物質としては、例えば、LiCoO2、LiMn2O4等のリチウム酸化物、TiS2、MnO2、MoO3、V2O5 等のカルコゲン化合物のうちの一種、或いは複数種が組み合わせて用いられる。一方、負極活物質としては、金属リチウム、リチウム合金、或いはグラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料が好んで用いられる。特に、LiCoO2を正極活物質、炭素質材料を負極活物質として用いることにより、4ボルト程度の高い放電電圧のリチウム系2次電池が得られる。これらの活物質は形成される塗工膜中に均一に分散されるのが好ましい。この為、本発明においては、活物質として1〜100μmの範囲の粒径を有する平均粒径が10μm程度の粉体を用いるのが好ましい。
【0019】
又、本発明で用いられるバインダー(結着剤)としては、例えば、熱可塑性樹脂、即ち、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂及びポリイミド樹脂等から任意に選択して使用することが出来る。この際に反応性官能基を導入した化合物(アクリレートモノマー又はオリゴマー)を同時に混入させることも可能である。又、アクリレートオリゴマー単独であっても、オリゴマーとモノマーとの混合系等であっても利用することが出来る。
【0020】
本発明の非水電解液2次電池用電極板を構成する活物質を含有する塗工膜は、以下の様な方法によって作製される。先ず、集電体上に塗工する塗工液を、上記に記載した材料を用いて作製する。即ち、上記の材料から適宜に選択された結着剤と粉末状の活物質とを適当な分散媒を用いて、混練或いは分散溶解して電極塗工液を作製する。次に、得られた塗工液を用いて、集電体基体上に塗工する。塗工する方法としては、グラビア、グラビアリバース、ダイコート及びスライドコート等の方式で塗工する。その後、塗工した塗工液を乾燥させる乾燥工程を経て電極板を作製する。本発明においては、前記した様に、この塗工処理及び乾燥処理をによる塗工膜の形成を従来の様に1回の処理で行わず、少なくとも2回以上に分け、且つ1回目に形成する膜厚を2回目よりも厚くし、順次薄い膜を形成しながら所望の膜厚の塗工膜を形成する。
【0021】
本発明の非水電解液2次電池用電極板に用いられる集電体としては、例えば、アルミニウム、銅等の金属箔が好ましく用いられる。金属箔の厚さとしては、10〜30μm程度のものを用いる。
【0022】
以下、本発明で使用する活物質が含有された電極塗工液の具体的な調製方法について説明する。先ず、上記に挙げた様な材料から適宜に選択された粒子状バインダーと粉末状の活物質を、トルエン等の有機溶媒からなる分散媒体中に入れ、更に必要に応じて導電剤を混合させた組成物を、従来公知のホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミル等の分散機を用いて混合分散することによって調製する。この際、バインダーと活物質との配合割合は、従来行われているのと同様でよく、例えば、バインダー:活物質=2:8〜1:9程度とするのが好ましい。又、必要に応じて添加する導電剤としては、例えば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料が用いられる。
【0023】
上記の様にして調製された活物質が含有された電極塗工液は、アルミニウム、銅等の金属箔からなる集電体上に、グラビアコーター又はグラビアリバース、ダイコーター等を用いて複数回塗工、乾燥処理して、乾燥膜厚が10〜200μm、好ましくは50〜170μmとなる様な範囲で塗布する。
更に、上記の様にして塗工、乾燥処理して形成された塗工膜の均質性をより向上させる為に、該塗工膜に金属ロール、加熱ロール、シートプレス機等を用いてプレス処理を施し、本発明の電極板を形成するのも好ましい。この際のプレス条件としては、500Kgf/cm2〜7,500Kgf/cm2、更に好ましくは、3,000〜5,000Kgf/cm2 の範囲とするのが好ましい。500Kgf/cm2 よりもプレスする力が小さいと塗膜の均一性の向上が得られにくく、又、7,500Kgf/cm2 よりもプレスする力が大きいと、集電体基体を含めて電極板自体が破損してしまう為、好ましくない。
【0024】
更に、上記の様にして作製した本発明の電極板を用いて2次電池を作製する場合に、電池の組み立て工程に移る前に、電極板の活物質が含有されている塗工膜中の水分を除去する為に、更に加熱処理、減圧処理等を行うことが好ましい。
又、以上の様にして作製した本発明の正極及び負極の非水電解液2次電池用電極板を用いて、例えば、リチウム系2次電池を作製する場合には、電解液として、溶質のリチウム塩を有機溶媒に溶かした非水電解液が用いられる。この際に使用される有機溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類等があり、例えば、環状エステル類としては、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等があり、又、鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等があり、又、環状エーテル類としては、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルアルキルテトラヒドロンフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン等があり、又、鎖状エーテル類としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられる。
【0025】
又、上記の有機溶媒と共に非水電解液を形成する溶質のリチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCl、LiBr等の無機リチウム塩、及びLiB(C6H5)4、LiN(SO2CF3)2、LiC(SO2CF3)3、LiOSO2CF3、LiOSO2C2F5、LiOSO2C3F7、LiOSO2C4F9、LiOSO2C5F11、LiOSO2C6F13、LiOSO2C7F15等の有機リチウム塩等が用いられる。
【0026】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
先ず、本実施例で用いた正極活物質を含む正極塗工液を以下の方法により作製した。正極塗工液の材料としては、1〜100μm粒径を持つ平均粒径10μmのLiCoO2 粉末を40重量部、導電剤としてグラファイト粉末を5.0重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン樹脂(ネオフロンVDF、VP−850ダイキン工業(株)製)を4重量部、N−メチルピロリドンを20重量部の配合比で用いた。これらの材料のうち、ポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンにて溶解して予めワニスを作製し、得られたワニスに他の粉末材料を入れた後、プラネタリーミキサー((株)小平製作所製)にて30分間撹拌混合することにより、スラリー状の正極活物質を含む正極塗工液を得た。
【0027】
上記で得られた正極塗工液を用い、厚さ20μm、幅300mmのアルミ箔からなる集電体を基体として、該基体上にダイコーターにて正極塗工液の第1回目の塗工を行った。その後、140℃で2分間乾燥処理して、アルミ箔基体上に乾燥膜厚が60μmの正極活物質を含む塗工膜を形成した。
次に、上記で得られた1回目の塗工膜上にダイコーターを用い、1回目と同様にして2回目の塗工を行い、乾燥膜厚が50μmの2回目の塗工膜を形成し、全体で110μmの正極活物質を含む塗工膜を形成した。
更に、上記で得られた正極活物質を含む塗工膜を80℃の真空オーブン中で、48hrエージングして水分を除去し、本実施例の正極用の電極板を作製した。
【0028】
次に、本実施例で用いた負極活物質を含む負極塗工液を以下の方法により作製した。負極塗工液の材料として、グラファイト粉末を85重量部、ポリフッ化ビニリデン樹脂(ネオフロンVDF、VP−850ダイキン工業(株)製)を15重量部、分散媒体としてN−メチルピロリドンを225重量部の配合比で用い、正極塗工液を作製した場合と同様の分散機、分散方法を用いて粉体を分散させ、スラリー状の負極塗工液を得た。
上記で得られた負極塗工液を用い、厚さ15μmの圧延銅箔を集電体基体とし、該基体上にダイコーターを用いて負極塗工液の第1回目の塗工を行った。その後、140℃で2分間乾燥処理して、銅箔上に乾燥膜厚が95μmの負極活物質を含む塗工膜を形成した。
次に、上記で得られた1回目の塗工膜上にダイコーターを用い、1回目と同様にして2回目の塗工を行い、乾燥膜厚が70μmの2回目の塗工膜を形成し全体で165μmの負極活物質を含む塗工膜を形成した。更に、正極電極板の形成の場合と同様の方法で水分を除去し、本実施例の負極用の電極板を作製した。
【0029】
実施例2
実施例1で使用したと同様の正極塗工液、アルミ箔を用い、実施例1と同様の方法で、アルミ箔上にダイコーターにて正極塗工液の第1回目の塗工を行い、乾燥膜厚が60μmの正極活物質を含む第1回目の塗工膜を形成した。次に、実施例1と同様にして、1回目の塗工膜上に乾燥膜厚が60μmの2回目の塗工膜を形成し、全体で120μmの正極活物質を含む塗工膜を形成した。
更に、上記で得られた正極活物質を含む塗工膜を80℃の真空オーブン中で、48時間エージングして水分を除去し、実施例2の正極用電極板を作製した。
【0030】
次に、本実施例で用いた負極活物質を含む負極塗工液を以下の方法により作製した。負極塗工液の材料として、グラファイト粉末を90重量部、ポリフッ化ビニリデン樹脂(ネオフロンVDF、VP−850ダイキン工業(株)製)を10重量部、分散溶媒としてN−メチルピロリドンを225重量部の配合比で用い、正極塗工液を作製した場合と同様の分散機、分散方法を用いて粉体を分散させ、スラリー状の負極活物質を含む本実施例の負極塗工液を得た。
上記で得られた負極塗工液を用い、実施例1の場合と同様に、厚さ15μmの圧延銅箔を集電体基体として、該銅箔上に1回目の乾燥膜厚が70μm、2回目が50μmの塗工膜をそれぞれ形成し、全体で120μmの負極活物質を含む塗工膜を形成した。
【0031】
実施例3
実施例1と同様の塗工液を用い、同様の乾燥条件にて、正極用及び負極用の電極板を作製した。但し、正極用については、第1回目の塗工膜の乾燥膜厚を90μmとし、第2回目の乾燥膜厚を60μmとした。又、負極用については、1回目塗工膜の乾燥膜厚を90μm、2回目の乾燥膜厚を60μmとした。
【0032】
比較例1
実施例1で用いた正極活物質を含有する正極塗工液と集電体(正極集電体、アルミ箔)とを用い、集電体上にダイコーターを用いて正極塗工液の第1回目の塗工を行い、その後、実施例1の場合と同様に乾燥して乾燥膜厚が40μmの第1回目の塗工膜を形成した。次に、得られた塗膜上に同一の正極塗工液を用い、ダイコーターで第2回目の塗工をし、乾燥膜厚は70μmの第2回目の塗工膜を形成した。塗工膜は、実施例1の場合と同様に全体で110μmの正極活物質を含む塗工膜となった。
更に、実施例1と同様に、上記で得られた正極活物質を含む塗工膜を80℃の真空オーブン中で、48hrエージングして水分を除去し、本比較例の正極用の電極板を作製した。
負極用の電極板の場合は、実施例1で用いた負極用塗工液を用い、実施例1の場合と同様に銅箔上に直接ダイコーターを用いて2回に分けて塗工した。第1回目の乾燥膜厚を40μmとし、得られた塗膜上に2回目の塗工をして、乾燥膜厚が70μmの2回目の塗工膜を形成した。
【0033】
比較例2
実施例1で用いた正極塗工液及び負極塗工液を、実施例1で用いたと同様のそれぞれの集電体上に塗工し、塗工膜を形成した。正極の第1回目の乾燥膜厚は60μm、第2回目の乾燥膜厚は90μmであった。又、本比較例では、負極の場合は1回で塗工を行い、乾燥膜厚を110μmとした。
【0034】
比較例3
実施例1で用いた正極塗工液及び負極塗工液を、実施例1で用いたと同様のそれぞれの集電体上に塗工した。正極の第1回目の塗工膜の乾燥膜厚が30μm、第2回目の乾燥膜厚が60μm、第3回目の塗工膜の乾燥膜厚が70μmとなる様に塗工、乾燥した。全体の塗工膜の乾燥膜厚は160μmであった。
であった。又、負極の場合は、第1回目の塗工膜の乾燥膜厚が30μm、第2回目の塗工膜の乾燥膜厚が60μm、第3回目の塗工膜の乾燥膜厚が70μmとなる様に塗工、乾燥した。全体の塗工膜厚は160μmであった。
【0035】
比較例4
実施例1で用いた正極塗工液及び負極塗工液を、実施例1で用いたと同様のそれぞれの集電体上に、それぞれ1回の塗工で、正極の塗工膜の乾燥膜厚が160μm、負極の塗工膜の乾燥膜厚が160μmとなる様に塗工を行い、乾燥して電極板を得た。
【0036】
密着性評価結果
実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた正極及び負極用電極板のそれぞれについて、塗工膜と集電体との密着性を評価する為、碁盤目テストを行った。碁盤目テストの方法としては、得られた電極板の塗工膜面にそれぞれ1mm間隔にカッターで切れ込みを入れて100個の碁盤目を形成し、これに15mm幅のセロテープ(ニチバン製)を貼って剥し、テープと一緒に剥がれた碁盤目の数を数えて密着性を評価した。
【0037】
表1 塗工膜の密着性評価
【0038】
表面元素分析結果
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた負極用電極板のそれぞれについて、電極板の塗工膜の空気界面と集電体界面における結着剤量の違いをESCASCOPEを用いて測定して比較した。尚、表1に示した比較例における結果で、特に塗工膜と集電体との密着性が悪かった負極用電極板について測定した。
測定にはESCASCOPE XPS(VG Scientific社製)を用い、X線源としてAlのKα1 及びKα2 線を用い、X線出力15kV、35mAにて測定した。測定領域1,100μmφで炭素元素を100とした時のフッ素量を求め、該フッ素量の違いを電極板の塗工膜における空気界面と集電体界面とにおける結着剤量の違いとして評価した。
【0039】
表2;ESCAによる負極塗工膜中のフッ素量の違い
【0040】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、塗工型の非水電解液2次電池用電極板において、集電体基体上に形成される活物質を含有する塗工膜を、単位面積当りの十分な電池容量を有し、且つ十分な可撓性を有する加工性に優れた膜とし、更に集電体に対して密着性に優れた膜とすることが出来る結果、従来のものよりも単位面積当たりの電気容量が高く、且つ塗工膜と集電体との密着性に優れた加工性が高い2次電池用電極板が提供される。
更に、本発明によれば、上記の様な優れた特性を有する電極板を生産性よく得ることが出来る。
Claims (2)
- 少なくとも活物質と結着剤とを混練して電極塗工液を調製する工程と、該電極用塗工液を集電体上に塗工する工程と、集電体上に塗工された塗工液を乾燥して活物質が含有された塗工膜を形成する工程を有する、
少なくとも活物質と結着剤とを含有する電極塗工液を集電体上に塗工、乾燥して形成された塗工膜を有する非水電解液2次電池用電極板において、塗工膜中の結着剤の存在量が、空気との界面部分における結着剤の存在量よりも集電体との界面部分における結着剤の存在量の方が多いか、或いは同量程度である
非水電解液2次電池用電極板の製造方法において、電極塗工液を2回以上の塗工工程及び乾燥工程に分けて塗工、乾燥して所定の膜厚の塗工膜を集電体上に形成し、且つ1回目の塗工工程及び乾燥工程によって形成される塗工膜の乾燥膜厚が、2回目の塗工工程及び乾燥工程によって形成される2回目のみの塗工膜の乾燥膜厚よりも厚く、且つ更に塗工回数が増加した場合には、塗工回数が増加するにつれてそれぞれの工程で形成される塗工膜の乾燥膜厚が順次減少する様に構成されていることを特徴とする非水電解液2次電池用電極板の製造方法。 - 結着剤がポリフッ化ビニリデンである請求項1に記載の非水電解液2次電池用電極板の製造方法。
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