JP3364378B2 - 非水電解液二次電池および非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池および非水電解液二次電池の製造方法

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稔 橋本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池および非水電解液二次電池の製造方法に関し、特に負
極を改良した非水電解液二次電池および非水電解液二次
電池の製造方法に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、負極活物質としてリチウムイオン
を吸蔵・放出する炭素質材料を用いた非水電解液二次電
池は、リチウム金属を用いた二次電池に比べて高い安全
性を有し、かつ高エネルギ―密度電池として注目されて
いる。
【0003】前記非水電解液二次電池は、リチウムイオ
ンを吸蔵・放出する炭素質材料を含む負極と、リチウム
含有コバルト化合物やリチウム含有ニッケル化合物を活
物質として含む正極と、プロピレンカーボネート(P
C)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボ
ネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、
1,2−ジメトキシエタン(DME)、γ−ブチロラク
トン(γ−BL)、テトラヒドロフラン(THF)、2
−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)などの
非水溶媒中にLiClO4 、LiBF4 、LiAsF
6 、LiPF6 、LiCF3 SO3 、LiAlCl4
のリチウム塩(電解質)を溶解した非水電解液とを備え
た構造を有する。
【0004】前述した非水電解液二次電池は、高エネル
ギー密度、小型軽量の面で優れている。しかしながら、
前記二次電池は出力特性の点で問題があった。このよう
なことから、高い出力特性を得るために例えばリチウム
イオンを吸蔵・放出する炭素質材料を薄く均一なシート
状にして負極面積を大きくすることが考えられている。
【0005】一方、前記負極にはリチウムイオンを吸蔵
・放出する主成分として第1炭素質材料の他にアセチレ
ンブラックのような導電材としての副成分の第2炭素質
材料を含む。このような第1、第2の炭素質材料とバイ
ンダを溶媒に分散して負極ペーストを調製し、このペー
ストを集電体に塗布、乾燥して大面積の負極を作製する
方法が知られている。しかしながら、この方法ではペー
スト調製の段階で分散工程を必要とするため、バインダ
が前記炭素質材料の表面を被覆することによりリチウム
イオンの吸蔵・放出性能が低下するという悪影響を生じ
る。特に、十分な結着性を得るために、バインダ量を増
加させると、バインダによる炭素質材料表面の被膜によ
る悪影響が大きくなる。その結果、前記負極を備えた二
次電池は出力特性の性能劣化を招くという問題があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、複数の炭素
質材料およびバインダを含む負極を改良することによっ
て負極容量と出力特性を向上した非水電解液二次電池お
よびその製造方法を提供しようとするものである。
【0007】本発明は、リチウムイオンを吸蔵・放出す
る炭素質材料を結着するバインダを改良することによっ
て負極容量と出力特性を向上した非水電解液二次電池を
提供しようとするものである。また、本発明は歩留まり
および集電効率を向上した負極を備えた非水電解液二次
電池の製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る非水電解液
二次電池は、正極と、炭素質材料を高分子材料からなる
バインダの溶液に分散させた負極ペーストを集電体に塗
布し、乾燥することにより前記集電体に負極層を被覆し
てなる負極と、非水電解液を備えた非電解液二次電池に
おいて、前記炭素質材料は、リチウムを吸蔵・放出する
主成分となる第1炭素質材料と、この第1炭素質材料と
異なる種類の副成分となる第2炭素質材料とを含み、前
記負極層は、前記第1炭素質材料表面における単位面積
当たりの前記バインダの量に対する前記第2炭素質材料
表面における単位面積当たりの前記バインダの量の重量
比(第2炭素質材料のバインダ量/第1炭素質材料のバ
インダ量の重量比)が1.2倍以上であることを特徴と
するものである。
【0009】本発明に係る非水電解液二次電池の製造方
法は、正極と、炭素質材料を含む負極と、非水電解液を
備えた非電解液二次電池の製造方法において、前記負極
は、リチウムを吸蔵・放出する主成分となる第1炭素質
材料およびこの第1炭素質材料と異なる種類の副成分と
なる第2炭素質材料を別々に高分子材料からなるバイン
ダの溶液との分散処理を行った後、これらの分散溶液を
混合して負極ペーストを調製する工程と、この負極ペー
ストを集電体に塗布し、乾燥することにより前記第1炭
素質材料表面における単位面積当たりの前記バインダの
量に対する前記第2炭素質材料表面における単位面積当
たりの前記バインダ量の重量比が1.2倍以上である
極層を前記集電体に被覆する工程とを含む方法により作
製されることを特徴とするものである。
【0010】本発明に係る別の非電解液二次電池の製造
方法は、正極と、炭素質材料を含む負極と、非水電解液
を備えた非電解液二次電池の製造方法において、前記負
極は、リチウムを吸蔵・放出する主成分となる第1炭素
質材料、この第1炭素質材料と異なる種類の副成分とな
る第2炭素質材料のうち前記第2炭素質材料を先に高分
子材料からなるバインダの溶液に分散処理した後、前記
第1炭素質材料を添加してさらに分散処理を行うことに
より負極ペーストを調製する工程と、この負極ペースト
を集電体に塗布し、乾燥することにより前記第1炭素質
材料表面における単位面積当たりの前記バインダの量に
対する前記第2炭素質材料表面における単位面積当たり
の前記バインダ量の重量比(第2炭素質材料のバインダ
量/第1炭素質材料のバインダ量の重量比)が1.2倍
以上である負極層を前記集電体に被覆する工程とを含む
方法により作製されることを特徴とするものである。
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる非水電解液
二次電池(例えば円筒形非水溶媒二次電池)を図1を参
照して詳細に説明する。例えばステンレスからなる有底
円筒状の容器1は、底部に絶縁体2が配置されている。
電極群3は、前記容器1内に収納されている。前記電極
群3は、正極4、セパレ―タ5及び負極6をこの順序で
積層した帯状物を前記負極6が外側に位置するように渦
巻き状に巻回した構造になっている。前記セパレ―タ5
は、例えば不織布、ポリエチレン多孔質フィルムから形
成される。
【0014】前記容器1内には、非水電解液が収容され
ている。中央部が開口された絶縁紙7は、前記容器1内
の前記電極群3の上方に載置されている。絶縁封口板8
は、前記容器1の上部開口部に配置され、かつ前記上部
開口部付近を内側にかしめ加工することにより前記封口
板8は前記容器1に液密に固定されている。正極端子9
は、前記絶縁封口板8の中央には嵌合されている。正極
リ―ド10の一端は、前記正極4に、他端は前記正極端
子9にそれぞれ接続されている。前記負極6は、図示し
ない負極リ―ドを介して負極端子である前記容器1に接
続されている。
【0015】次に、前記正極4、前記負極6および非水
電解液を具体的に説明する。 1)正極 この正極は、正極活物質に導電材および高分子からなる
バインダを含む正極層を集電体に被覆した構造を有す
る。
【0016】正極活物質としては、例えば二酸化マンガ
ン、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有ニッケ
ル酸化物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有
ニッケル酸化物、コバルト酸化物またはリチウムを含む
バナジウム酸化物、二硫化チタン、二硫化モリブデンな
どのカルコゲン化合物を用いることができる。
【0017】前記導電材としては、例えばアセチレンブ
ラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができ
る。前記バインダとしては、例えばポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVD
E)、エチレン・プロピレンジエン共重合体(EPD
M)、スチレン・ブタジエンラテックス(SBR)等を
用いることができる。
【0018】前記集電体としては、例えばアルミニウム
箔、ステンレス箔、ニッケル箔等を用いることができ
る。前述した正極は、例えば次のような方法により作製
される。
【0019】(a)正極活物質に導電材および高分子か
らなるバインダを適当な溶媒に懸濁して正極ペーストを
調製した後、この正極ペーストを集電体に塗布、乾燥す
ることにより正極を作製する。
【0020】(b)前記正極活物質を導電材およびバイ
ンダと共に成形したペレット、または前記正極活物質を
導電材およびバインダと共に混練、シート化したシート
を集電体に貼着することにより正極を作製する。
【0021】2−1)負極 この負極は、炭素質材料を高分子材料からなるバインダ
の溶液に分散処理して負極ペーストを調製し、この負極
ペーストを集電体に塗布し、乾燥することにより負極層
を前記集電体に被覆してなるものであって、リチウムを
吸蔵・放出する主成分となる第1炭素質材料、この第1
炭素質材料と異なる種類の副成分となる第2炭素質材料
および高分子材料からなるバインダを含み、前記第1炭
素質材料表面における単位面積当たりの前記バインダの
量に対する前記第2炭素質材料表面における単位面積当
たりの前記バインダの量の重量比(第2炭素質材料のバ
インダ量/第1炭素質材料のバインダ量の重量比)が
1.2倍以上である負極層を集電体に被覆した構造を有
する。
【0022】このような構造の負極は、リチウムを吸蔵
・放出する第1炭素質材料表面上でのバインダの被覆を
最小限に抑えることができ、バインダが被覆された第2
炭素質材料により結着と導電性の付与がなされる。その
結果、最小限のバインダ量の添加により必要とする負極
の強度を得ることができ、かつ第1炭素質材料表面での
リチウムの吸蔵・放出、つまり電池反応の阻害要因とな
るバインダ被覆を最小にすることができ、容量および出
力特性の向上を図ることが可能になる。
【0023】前記リチウムイオンを吸蔵・放出する第1
炭素質材料としては、例えば人造黒鉛、天然黒鉛、熱分
解炭素、コークス、樹脂焼成体、メソフェーズ小球体を
熱処理して得られる球状炭素、メソフェーズピッチ系炭
素繊維等を挙げることができる。
【0024】前記第1炭素質材料の形状としては、粒子
状、薄片状、球状、繊維状、塊状等を挙げることができ
る。特に、前記炭素繊維の場合はSEMによる測定で平
均径が5〜15μm、平均長さが8〜50μmの範囲で
あることが好ましい。
【0025】また、前記第1炭素質材料は平均粒径の±
60%の粒径の粒子が80重量%以上である粒度分布を
有する材料であることが好ましい。特に、炭素繊維の場
合は平均径および平均長さの0.5〜2倍の径および長
さを有する繊維が80重量%以上占めることが好まし
い。
【0026】前記第2炭素質材料としては、前記第1炭
素質材料とは異なる種類の少なくとも1種の炭素材料が
用いられる。ここで、異なる種類の炭素材料とは形状、
平均粒径もしくは黒鉛化度のいずれかが第1炭素質材料
と異なることを意味する。このような異種の炭素材料
は、通常、導電性、充填密度の向上等を目的として混合
されるのである。
【0027】前記第2炭素質材料としては例えば人造黒
鉛、天然黒鉛、熱分解炭素、コークス、樹脂焼成体、メ
ソフェーズ小球体を熱処理して得られる球状炭素、メソ
フェーズピッチ系炭素繊維、アセチレンブラック等を挙
げることができる。
【0028】前記第2炭素質材料の形状としては、粒子
状、薄片状、球状、繊維状、塊状等を挙げることができ
る。前記第2炭素質材料は、前記第1炭素質材料と平均
粒径が異なるものを用いる場合、前記第1炭素質材料の
平均粒径より小さいものを用いることが好ましい。特
に、前記第2炭素質材料は平均粒径がレーザ回折法によ
る測定で0.1〜30μmの範囲にあることが好まし
い。一方、前記第2炭素質材料が炭素繊維である場合に
はSEMによる測定で平均径が1〜10μm、平均長さ
が1〜20μmの範囲であることが好ましい。
【0029】前記第2炭素質材料は、平均粒径の±50
%の粒径の粒子が80重量%以上である粒度分布を有す
る材料であることが好ましい。特に、炭素繊維の場合は
SEMによる測定で平均径および平均長さの0.5〜2
倍の径および長さを有する繊維が80重量%以上占める
ことが好ましい。
【0030】前記第1、第2の炭素質材料において、黒
鉛化度が異なるものを用いる場合にはX線回折による黒
鉛構造の(002)面の面間隔d002 の値の差が0.0
5以上出あることが好ましい。なお、X線回折による測
定のデータは全てCuKαのX線源、標準物質に高純度
シリコンを使用した。黒鉛構造の(002)面の面間隔
002 、回折ピークの位置によりシェラーの式の形状因
子があるKが0.89とした時の値である。
【0031】前記第1炭素質材料は、前記負極の主成分
となる材料であって、前記負極に含有される炭素質材料
の中で最も高い重量比率を有するものである。前記第1
炭素質材料と前記第2炭素質材料との重量比は(第1炭
素質材料)/(第2炭素質材料)=3〜25の範囲にす
ることが好ましい。前記第1炭素質材料を多くし過ぎる
と、導電性の向上効果が低減される恐れがある。また、
前記第2炭素質材料を多くし過ぎると前記負極の容量が
低下する恐れがある。
【0032】前記バインダとしては、例えばスチレン・
ブタジエンラテックス(SBR)、カルボキシメチルセ
ルロース(CMC)、ポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDE)、エチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、ニトリ
ル−ブタジエンゴム(NBR)、フッ化ビニリデン−ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−
ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン3
元系共重合体、ポリトリフルオロエチレン(PTrF
E)、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合
体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合
体等を用いることができる。前記バインダ量は、第1、
第2の炭素質材料の合量を100重量部とした際、0.
5〜10重量にすることが好ましい。前記バインダ量を
多くし過ぎると、負極の容量が低下し、少な過ぎると剥
離が生じてサイクル寿命が低下する恐れがある。
【0033】前記第1炭素質材料表面における単位面積
当たりのバインダの量に対する前記第2炭素質材料表面
における単位面積当たりのバインダの量の重量比(第2
炭素質材料のバインダ量/第1炭素質材料のバインダ量
の重量比)を1.2倍未満にすると、前述した負極の強
度の低下、第1炭素質材料表面でのリチウムの吸蔵・放
出、つまり電池反応が阻害される恐れがある。
【0034】前記集電体としては、例えば銅箔、ステン
レス箔、ニッケル箔等を用いることができる。なお、前
記炭素質材料表面における単位面積当たりのバインダ量
は次のような方法により測定される。
【0035】(1) スチレン・ブタジエンラテックスのよ
うな二重結合を有するバインダを用いた場合には、四酸
化オスミウム(OsO4 )により染色を行った後、X線
マイクロアナライザ(XMA)測定によってオスミウム
原子を定量し、これによって前記炭素質材料表面上の単
位面積当たりのバインダ量を定量する。
【0036】(2) カルボキシメチルセルロースのような
負の電荷を帯びた官能基を有するバインダを用いた場合
には、ルテニウムレッドにより染色を行った後、X線マ
イクロアナライザ(XMA)測定によってルテニウム原
子を定量し、これによって前記炭素質材料表面上の単位
面積当たりのバインダ量を定量する。
【0037】(3) ポリテトラフルオロエチレン、ポリフ
ッ化ビニリデンのようなフッ素原子を含むバインダを用
いた場合には、X線マイクロアナライザ(XMA)測定
もしくはX線光電子分光(XPS)測定にによって前記
炭素質材料表面上の単位面積当たりのバインダ量を直接
定量する。
【0038】前述した負極は、次のような方法により作
製される。 (a)リチウムを吸蔵・放出する第1炭素質材料および
第2炭素質材料を別々に高分子材料からなるバインダの
溶液との分散処理を行った後、これらの分散溶液を混合
して負極ペーストを調製する。つづいて、この負極ペー
ストを集電体に塗布し、乾燥することにより負極層を前
記集電体に被覆することにより負極を作製する。
【0039】このような方法によれば、バインダ溶液の
濃度や分散条件を第1、第2の炭素質材料に応じて最適
化できるため、各単素質材料表面上のバインダ量が最適
な負極を作製することができる。さらに、必要に応じて
単素質材料毎に分散処理手段を変えることも可能であ
る。このため、前記バインダが前記第2炭素質材料表面
により多く被覆された負極を作製することができる。
【0040】(b)リチウムを吸蔵・放出する第1炭素
質材料および第2炭素質材料のうち前記第2炭素質材料
を先に高分子材料からなるバインダの溶液に分散処理し
た後、前記第1炭素質材料を添加してさらに分散処理を
行うことにより負極ペーストを調製する。つづいて、こ
の負極ペーストを集電体に塗布し、乾燥することにより
負極層を前記集電体に被覆することにより負極を作製す
る。
【0041】このような方法によれば、第2炭素質材料
から第1炭素材料と順に同一の分散処理装置に投入して
いくことで先に投入された第2炭素質材料に対するバイ
ンダの分散度が高まり、結果として前記第1炭素質材料
表面における単位面積当たりのバインダ量が前記第2炭
素質材料表面における単位面積当たりのバインダ量より
少ない負極を作製することができる。この方法は、簡単
でかつ量産化に適している。ただし、各炭素質材料毎に
それら表面のバインダ量を最適化することが不十分であ
るため、前述した(a)の方法の方が好ましい。
【0042】前記(a)、(b)の方法における分散処
理は、例えば単純撹拌機、ボールミル、サンドグライン
ダ、ディゾルバー分散機、ビーズミル等の各種分散機を
用いて行うことができる。
【0043】前記(a)、(b)の方法における塗布方
法としては、例えばリバースロール法、ナイフエッジ
法、グラビア法等を採用することができる。なお、前記
(a)、(b)の方法において乾燥後にプレス処理を施
すことを許容する。このようなプレス処理を施すことに
より集電体に被覆された負極層の密度を高めることが可
能になる。
【0044】2−2)負極 この負極は、リチウムを吸蔵・放出する炭素質材料とス
チレン・ブタジエンラテックスおよび平均重合度が50
0以上のアンモニウム塩型カルボキシメチルセルロース
からなるバインダとを含む負極層を集電体に被覆した構
造を有する。
【0045】このような負極は、2種のバインダ成分を
含み、特に平均重合度が500以上という高重合度のア
ンモニウム塩型カルボキシメチルセルロースによる高い
結着性が付与されると共に他方のバインダ成分であるス
チレン・ブタジエンラテックスの不安定性を解消できる
ため、高強度で、かつ炭素質材料に対する高い結着性を
有する。とりわけ、前記負極を前述した図1に示すよう
に正極、セパレータと共に渦巻き状に巻回して電極群を
作製し、これを容器内に電解液と共に収納する構造の二
次電池において、巻回工程で必要とされる強度と、電解
液に浸漬された後に必要とされる負極中の炭素質材料の
結着性を兼ね備える。
【0046】また、前記2種のバインダ成分の添加によ
りバインダ量を相対的に低減でき、前記リチウムを吸蔵
・放出する炭素質材料表面へのバインダの被覆量を抑制
できるため、炭素質材料表面でのリチウムの吸蔵・放
出、つまり電池反応の阻害要因となるバインダ被覆を最
小にすることができる。また、アンモニウム塩型カルボ
キシメチルセルロースは一般的なナトリウム塩型カルボ
キシメチルセルロースのようなリチウムイオンに吸蔵・
放出に影響するナトリウムイオンを含まないため、リチ
ウムイオンに吸蔵・放出性能の優れた負極を得ることが
できる。したがって、前記負極を備えた二次電池は容
量、充放電効率および出力特性の向上が図られる。
【0047】前記炭素質材料は、前述した2−1)で説
明したものと同様なものを用いることができる。前記ス
チレン・ブタジエンラテックスの配合割合は、前記炭素
質材料100重量部に対して0.5〜5重量部、より好
ましくは1〜2.5重量部にすることが望ましい。前記
スチレン・ブタジエンラテックスの配合割合を0.5重
量部未満にすると、負極中の炭素質材料の結着性が低下
する恐れがある。一方、前記スチレン・ブタジエンラテ
ックスの配合割合が5重量部を越えると、バインダによ
る前記炭素質材料の表面被覆により電池反応が阻害され
る恐れがある。
【0048】前記アンモニウム塩型カルボキシメチルセ
ルロースの重合度を限定した理由は、その重合度を50
0未満にすると、前記炭素質材料および集電体に対して
良好に結着することが困難になる。なお、前記重合度
は、クロマトグラフィー法によって測定することができ
る。より簡易には前記カルボキシメチルセルロースの1
重量%濃度の水溶液を調製し、この水溶液の25℃の粘
度を測定して、既知のデータと照合することにより重合
度を測定することが可能である。
【0049】前記アンモニウム塩型カルボキシメチルセ
ルロースの配合割合は、前記炭素質材料100重量部に
対して0.5〜5重量部、より好ましくは0.6〜2重
量部にすることが望ましい。前記カルボキシメチルセル
ロースの配合割合を0.5重量部未満にすると、負極中
の炭素質材料の結着性が低下する恐れがある。一方、前
記カルボキシメチルセルロースの配合割合が5重量部を
越えると、バインダによる前記炭素質材料の表面被覆に
より電池反応が阻害される恐れがある。
【0050】前記集電体としては、例えば銅箔、ステン
レス箔、ニッケル箔等を用いることができる。なお、前
記負極中にはアセチレンブラック、カーボンブラック等
の導電性を付与成分や分散性および安定性を向上するた
めに各種の界面活性剤を配合することを許容する。
【0051】前述した負極は、例えば次のような方法に
より作製される。リチウムを吸蔵・放出する炭素質材料
とスチレン・ブタジエンラテックスおよび平均重合度が
500以上のアンモニウム塩型カルボキシメチルセルロ
ースからなるバインダの溶液とを混合、分散処理して負
極ペーストを調製する。つづいて、この負極ペーストを
集電体に塗布し、乾燥することにより負極層を前記集電
体に被覆することにより負極を作製する。
【0052】前記負極ペーストは、スチレン・ブタジエ
ンラテックスおよび平均重合度が500以上のアンモニ
ウム塩型カルボキシメチルセルロースからなるバインダ
が30〜70重量%含むように調節することにより通常
のナイフエッジ法や、ノズル法で塗布が可能な500〜
20000Pa・sの粘度が得られる。
【0053】なお、前記乾燥後にプレス処理を施すこと
を許容する。このようなプレス処理を施すことにより集
電体に被覆された負極層の密度を高めることが可能にな
る。 2−3)負極 この負極は、リチウムを吸蔵・放出する炭素質材料およ
び高分子材料からなるバインダを含むシート状物を集電
体に被覆し、このシート状物被覆集電体を初回の圧延後
におけるシート状物の充填密度が目標充填密度に対して
75〜95%になるように少なくとも2回以上圧延する
ことにより作製される。
【0054】このような方法によれば、炭素質材料の割
れによる粉落ちを防止し、前記炭素質材料の脱落粉が圧
延ロールに付着し、それが核になって負極層に転写され
るか、もしくは集電体から負極層の一部を剥ぎ取る現象
を抑制することができる。その結果、負極の作製歩留ま
りを向上することができる。
【0055】また、厚さ方向および縦、横の面方向の最
密充填が図られるため、表面に凹凸のない平滑な負極を
得ることができ、負極層の充填密度の不均一化を解消す
ることができる。負極層内での炭素質材料の均一充填に
より炭素質材料間の結着性、集電体と炭素質材料との密
着性が改善される。その結果、前記負極を備えた二次電
池は優れた放電容量特性および大電流特性を有する。
【0056】さらに、炭素質材料の違いによる圧延効果
に関してはメソフェーズ系ピッチ繊維状炭素粉末の場
合、前記繊維状炭素粉末が良好に配向され、充填密度の
高い負極を作製することが可能になる。メソフェーズ系
ピッチ繊維状炭素粉末と黒鉛粉末の混合物を炭素質材料
として用いた場合には、前記黒鉛粉末の自己潤滑的な性
質により圧延が容易になり、充填密度の高い負極を作製
することが可能になる。
【0057】前記リチウムを吸蔵・放出する炭素質材料
は、前述した2−1)で説明したのと同様なものが用い
られる。前記バインダとしては、前述した2−1)で説
明したのと同様なものが用いられる。
【0058】前記バインダの配合割合は、前記炭素質材
料100重量部に対して2〜10重量部にすることが好
ましい。前記集電体としては、例えば銅箔、ステンレス
箔、ニッケル箔等を用いることができる。
【0059】前記シート状物被覆集電体は、例えばリチ
ウムを吸蔵・放出する炭素質材料およびバインダの溶液
とを混合、分散処理して負極ペーストを調製し、この負
極ペーストを集電体に塗布し、乾燥することにより作製
される。
【0060】前記初回の圧延後におけるシート状物の充
填密度が目標充填密度に対して75〜95%にするの
は、次のような理由によるものである。初回圧延後にお
けるシート状物の充填密度が目標充填密度に対して75
%未満にすると、前記シート状物中の炭素質材料の充填
が厚さ方向のみとなり、前記シート状物の面方向(縦、
横)にまで密に充填することが困難になる。一方、初回
圧延後におけるシート状物の充填密度が目標充填密度に
対して95%を越えると、前記シート状物中の炭素質材
料の割れ等が顕著に発生する。これは、粉落ち、接着面
積の低下、圧延ロールへの付着の原因になる。また、得
られた負極を備えた二次電池の短絡の原因になる。より
好ましい前記初回の圧延後におけるシート状物の充填密
度は、目標充填密度に対して85〜90%である。
【0061】前記シート状物被覆集電体の圧延工程にお
いて、上下の圧延ロールにより40〜90℃に加熱する
ことを許容する。このように圧延工程で加熱することに
より前記シート状物中のバインダが軟化するため、炭素
質材料の充填密度がさらに向上される。特に、より少な
い圧延回数で所望の充填密度に到達させることが可能に
なる。さらに、バインダが軟化して結着有効面積が大き
くなるため、炭素質材料間の結着性および炭素質材料と
集電体との密着性が向上し、容量特性、大電流特性が向
上される。
【0062】3)非水電解液 この非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解した組成を
有する。前記非水溶媒としては、例えばプロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、
アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸メチル、ジエトキシ
エタン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジメトキシプ
ロパンから選ばれる1種または2種以上の混合物を挙げ
ることができる。
【0063】前記電解質としては、例えばホウフッ化リ
チウム(LiBF4 )、六フッ化リン酸リチウム(Li
PF6 )、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ
化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロメタス
ルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、四塩化アルミ
ニウムリチウム(LiAlCl4 )、ビストリフルオロ
メチルスルホニルイミドリチウムから選ばれる1種また
は2種以上のリチウム塩を挙げることができる。前記電
解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜1.5
モル/lにすることが好ましい。
【0064】以上説明した本発明によれば、前記2−
1)の負極、つまりバインダが被覆された第2炭素質材
料による充填性および導電性が付与され、かつバインダ
被覆を最小とした第1炭素質材料表面での良好なリチウ
ムの吸蔵・放出性を有する負極、を備えることによって
容量および出力特性の向上を図られた非水電解液二次電
池を得ることができる。
【0065】また、本発明によれば前記2−2)の負
極、つまり巻回工程で必要とされる強度と、電解液に浸
漬された後に必要とされる負極中の炭素質材料の結着性
を兼ね備え、リチウムイオンに吸蔵・放出性能の優れた
負極、を備えることによって容量、充放電効率および出
力特性の向上を図られた非水電解液二次電池を得ること
ができる。
【0066】さらに、本発明によれば前記2−3)で作
製された負極、つまり炭素質材料の割れ防止および充填
密度の向上が図られた負極、を備えことによって優れた
放電容量特性および大電流特性を有する非水電解液二次
電池を製造することができる。
【0067】
【実施例】以下、本発明の実施例を前述した図1を参照
して詳細に説明する。ただし、以下の実施例で用いられ
る各種の炭素質材料は次のような性状を有する。メソフ
ェーズピッチ系繊維状炭素粉末は、平均繊維径7μmで
5〜9μmに90%が入る粒度分布を持ち、平均繊維長
25μmで13〜50μmに80%が入る粒度分布を有
し、かつd002 が0.3363である。人造グラファイ
トは、平均粒子径5μmで2〜8μmに80%が入る粒
度分布を有し、かつd002 が0.3355である。メソ
カーボンマイクロビーズは、平均粒子径12μmで5〜
19μmに91%が入る粒度分布を有し、かつd002
0.3360である。アセチレンブラックは、平均粒子
径7μmで3〜11μmに82%が入る粒度分布を有
し、かつd002 が0.3490である。
【0068】(実施例1) <正極の作製>まず、リチウムコバルト酸化物(Lix
CoO2 ;0.8≦x≦1)粉末90重量%、アセチレ
ンブラック2重量%、グラファイト3重量%およびポリ
フッ化ビニデン5重量%をN−メチル−2−ピロリドン
に加えてディゾルバーで混合・分散して正極ペーストを
調製した。つづいて、このペーストを厚さ25μmのア
ルミニウム箔(集電体)に塗布し、乾燥した後、プレス
することにより正極を作製した。
【0069】<負極の作製>まず、カルボキシメチルセ
ルロース粉末をイオン交換水に溶解した1.00重量%
濃度の水溶液にメソフェーズピッチ系繊維状炭素粉末
(第1炭素質材料)を固形分量で67重量%になるまで
添加し、ディゾルバー分散機で1.5時間分散処理し
た。また、カルボキシメチルセルロース粉末をイオン交
換水に溶解した1.51重量%濃度の水溶液に人造グラ
ファイト(第2炭素質材料)を総固形分量で16重量%
になるまで添加し、ディゾルバー分散機で2.5時間分
散処理した。つづいて、前記メソフェーズピッチ系繊維
状炭素粉末の分散液と人造グラファイトの分散液とを重
量比で2:1になるように混合し、ディゾルバー分散機
で10分間混合した後、スチレン・ブタジエンラテック
スを総固形分量で60.8重量%になるように添加し、
さらに10分間混合して負極ペーストを調製した。次い
で、前記負極ペーストをナイフエッジコータを用いて銅
箔(集電体)上に塗布し、乾燥した後、プレスすること
により前記集電体に負極層が被覆された負極を作製し
た。この負極の負極層の充填密度は、1.40g/cm
3 であった。
【0070】<電極群の作製>前記正極、ポリプロピレ
ン製多孔質フィルムからなるセパレ―タおよび前記負極
をそれぞれこの順序で積層した後、前記負極が外側に位
置するように渦巻き状に巻回して電極群を作製した。
【0071】<非水電解液の調製>エチレンカーボネー
トとジエチルカーボネートの混合溶媒(混合体積比率5
0:50)に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )を
1.0モル/l溶解して非水電解液を調製した。
【0072】前記各電極群及び前記非水電解液を直径1
8mm、高さ65mmのステンレス製の有底円筒状容器
内にそれぞれ収納し、封口板で開口部を封じることによ
り前述した図1に示すの円筒形非水電解液二次電池を組
み立てた。
【0073】(実施例2)以下の方法で作製した負極を
用いた以外、実施例1と同様な円筒形非水電解液二次電
池を組み立てた。
【0074】まず、カルボキシメチルセルロース粉末を
イオン交換水に溶解した1.92重量%濃度の水溶液に
人造グラファイト(第2炭素質材料)を総固形分量で1
4.3重量%になるまで添加し、ディゾルバー分散機で
1.5時間分散処理した。つづいて、この人造グラファ
イトの分散液にメソフェーズピッチ系繊維状炭素粉末
(第1炭素質材料)を総固形分量で60.0重量%にな
るまで添加し、ディゾルバー分散機でさらに1.5時間
分散処理した。ひきつづき、このメソフェーズピッチ系
繊維状炭素粉末および人造グラファイトの分散液にスチ
レン・ブタジエンラテックスを総固形分量で60.8重
量%になるように添加し、さらに10分間混合して負極
ペーストを調製した。次いで、前記負極ペーストをナイ
フエッジコータを用いて銅箔(集電体)上に塗布し、乾
燥した後、プレスすることにより前記集電体に負極層が
被覆された負極を作製した。この負極の負極層の充填密
度は、1.40g/cm3 であった。
【0075】(実施例3)以下の方法で作製した負極を
用いた以外、実施例1と同様な円筒形非水電解液二次電
池を組み立てた。
【0076】まず、ポリフッ化ビニリデンをN−メチル
−2−ピロリドンに溶解した5.0重量%濃度の溶液に
アセチレンブラック(第2炭素質材料)を総固形分量で
15.0重量%になるまで添加し、ディゾルバー分散機
で2時間分散処理した。つづいて、このアセチレンブラ
ックの分散液にメソカーボンマイクロビーズ(第1炭素
質材料)を総固形分量で41.0重量%になるまで添加
し、ディゾルバー分散機でさらに2時間分散処理して負
極ペーストを調製した。次いで、前記負極ペーストをナ
イフエッジコータを用いて銅箔(集電体)上に塗布し、
乾燥した後、プレスして負極を作製した。この負極の負
極層の充填密度は、1.32g/cm3であった。
【0077】(比較例1)以下の方法で作製した負極を
用いた以外、実施例1と同様な円筒形非水電解液二次電
池を組み立てた。
【0078】まず、カルボキシメチルセルロース粉末を
イオン交換水に溶解して1.92重量%濃度の水溶液を
調製した。つづいて、この水溶液にメソフェーズピッチ
系繊維状炭素粉末(第1炭素質材料)および人造グラフ
ァイト(第2炭素質材料)を9:1の重量比にて総固形
分量で60.0重量%になるまで添加し、ディゾルバー
分散機で4時間分散処理した。ひきつづき、この分散液
にスチレン・ブタジエンラテックスを総固形分量で6
0.8重量%になるように添加し、さらに10分間混合
して負極ペーストを調製した。次いで、前記負極ペース
トをナイフエッジコータを用いて銅箔(集電体)上に塗
布し、乾燥した後、プレスすることにより前記集電体に
負極層が被覆された負極を作製した。この負極の負極層
の充填密度は、1.40g/cm3 であった。
【0079】(比較例2)以下の方法で作製した負極を
用いた以外、実施例1と同様な円筒形非水電解液二次電
池を組み立てた。
【0080】まず、ポリフッ化ビニリデンをN−メチル
−2−ピロリドンに溶解した5.0重量%濃度の溶液を
調製した。つづいて、この溶液にメソカーボンマイクロ
ビーズ(第1炭素質材料)およびアセチレンブラック
(第2炭素質材料)を重量比にて8:2になるように総
固形分量で41.0重量%になるまで添加し、ディゾル
バー分散機で4時間分散処理して負極ペーストを調製し
た。次いで、前記負極ペーストをナイフエッジコータを
用いて銅箔(集電体)上に塗布し、乾燥した後、プレス
することにより前記集電体に負極層が被覆された負極を
作製した。この負極の負極層の充填密度は、1.32g
/cm3 であった。
【0081】(比較例3)以下の方法で作製した負極を
用いた以外、実施例1と同様な円筒形非水電解液二次電
池を組み立てた。
【0082】まず、カルボキシメチルセルロース粉末を
イオン交換水に溶解した1.92重量%濃度の水溶液に
メソフェーズピッチ系繊維状炭素粉末(第1炭素質材
料)を固形分量で45.7重量%になるまで添加し、デ
ィゾルバー分散機で1.5時間分散処理した。つづい
て、このメソフェーズピッチ系繊維状炭素粉末の分散液
に人造グラファイト(第2炭素質材料)を総固形分量で
60.0重量%になるまで添加し、ディゾルバー分散機
でさらに1.5時間分散処理した。ひきつづき、このメ
ソフェーズピッチ系繊維状炭素粉末および人造グラファ
イトの分散液にスチレン・ブタジエンラテックスを総固
形分量で60.8重量%になるように添加し、さらに1
0分間混合して負極ペーストを調製した。次いで、前記
負極ペーストをナイフエッジコータを用いて銅箔(集電
体)上に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより前
記集電体に負極層が被覆された負極を作製した。この負
極の負極層の充填密度は、1.40g/cm3 であっ
た。
【0083】得られた実施例1〜3および比較例1〜3
で調製した各負極ペーストにおける第1炭素質材料およ
び第2炭素質材料へのバインダの偏在割合(第2炭素質
材料/第1炭素質材料)を測定した。なお、バインダの
偏在割合はカルボキシメチルセルロースについてはルテ
ニウムレッドにより染色を行った後、X線マイクロアナ
ライザ(XMA)測定によってルテニウム原子を測定す
ることで、ポリフッ化ビニリデンについてはX線マイク
ロアナライザ(XMA)によりフッ素原子を測定するこ
とによりそれぞれ求めた。また、実施例1〜3および比
較例1〜3で作製した負極における負極層の集電体に対
する剥離強度を測定した。これらの結果を下記表1に示
す。
【0084】
【表1】
【0085】前記表1から明らかなように実施例1〜3
の負極はメソフェーズピッチ系繊維状炭素粉末やメソカ
ーボンマイクロビーズのような第1炭素質材料に対して
人造グラファイトやアセチレンブラックのような第2炭
素質材料の方がバインダの存在量が多い、つまり第2炭
素質材料へのバインダの偏在割合が大きく、剥離強度も
比較例1〜3に比べて高いことがわかる。
【0086】実施例1〜3および比較例1〜3の非水電
解液二次電池について、2mA/cm2 の充電電流で
4.2Vまで3時間充電し、2.7Vまで0.5〜3A
の電流範囲での放電レート特性を調べた。この結果を図
2に示す。
【0087】図2から明らかなように実施例1〜3の二
次電池は比較例1〜3の二次電池に比べて出力特性が優
れていることがわかる。 (実施例4) <正極の作製>まず、リチウムコバルト酸化物(Lix
CoO2 ;0.8≦x≦1)粉末90重量%、アセチレ
ンブラック2重量%、グラファイト3重量%およびポリ
フッ化ビニデン5重量%をN−メチル−2−ピロリドン
に加えてディゾルバーで混合・分散して正極ペーストを
調製した。つづいて、このペーストを厚さ25μmのア
ルミニウム箔(集電体)に塗布し、乾燥した後、プレス
することにより正極を作製した。
【0088】<負極の作製>まず、平均重合度500の
アンモニウム塩型カルボキシメチルセルロース粉末をイ
オン交換水に溶解した2.2重量%濃度の水溶液に人造
グラファイトを総固形分量で14.6重量%になるまで
添加し、ディゾルバー分散機で1.5時間分散処理し
た。つづいて、この人造グラファイトの分散液にメソフ
ェーズピッチ系繊維状炭素粉末を総固形分量で60.3
重量%になるまで添加し、ディゾルバー分散機でさらに
1.5時間分散処理した。ひきつづき、このメソフェー
ズピッチ系繊維状炭素粉末および人造グラファイトの分
散液にスチレン・ブタジエンラテックスを総固形分量で
61.1重量%になるように添加し、さらに10分間混
合して負極ペーストを調製した。次いで、前記負極ペー
ストをナイフエッジコータを用いて銅箔(集電体)上に
塗布し、乾燥した後、プレスすることにより前記集電体
に負極層が被覆された負極を作製した。この負極の負極
層の充填密度は、1.40g/cm3 であった。
【0089】<電極群の作製>前記正極、ポリプロピレ
ン製多孔質フィルムからなるセパレ―タおよび前記負極
をそれぞれこの順序で積層した後、前記負極が外側に位
置するように渦巻き状に巻回して電極群を作製した。
【0090】<非水電解液の調製>エチレンカーボネー
トとジエチルカーボネートの混合溶媒(混合体積比率5
0:50)に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )を
1.0モル/l溶解して非水電解液を調製した。
【0091】前記各電極群及び前記非水電解液を直径1
8mm、高さ65mmのステンレス製の有底円筒状容器
内にそれぞれ収納し、封口板で開口部を封じることによ
り前述した図1に示すの円筒形非水電解液二次電池を組
み立てた。
【0092】(実施例5)以下の方法で作製した負極を
用いた以外、実施例4と同様な円筒形非水電解液二次電
池を組み立てた。
【0093】まず、平均重合度700のアンモニウム塩
型カルボキシメチルセルロース粉末をイオン交換水に溶
解した1.80重量%濃度の水溶液にメソフェーズピッ
チ系繊維状炭素粉末を総固形分量で65.0重量%にな
るまで添加し、ディゾルバー分散機でさらに2時間分散
処理した。ひきつづき、このメソフェーズピッチ系繊維
状炭素粉末の分散液にスチレン・ブタジエンラテックス
を総固形分量で65.8重量%になるように添加し、さ
らに10分間混合して負極ペーストを調製した。次い
で、前記負極ペーストをナイフエッジコータを用いて銅
箔(集電体)上に塗布し、乾燥した後、プレスすること
により前記集電体に負極層が被覆された負極を作製し
た。この負極の負極層の充填密度は、1.38g/cm
3 であった。
【0094】(実施例6)以下の方法で作製した負極を
用いた以外、実施例4と同様な円筒形非水電解液二次電
池を組み立てた。
【0095】まず、平均重合度700のアンモニウム塩
型カルボキシメチルセルロース粉末をイオン交換水に溶
解した1.92重量%濃度の水溶液に人造グラファイト
を総固形分量で14.3重量%になるまで添加し、ディ
ゾルバー分散機で1.5時間分散処理した。つづいて、
この人造グラファイトの分散液にメソフェーズピッチ系
繊維状炭素粉末を総固形分量で60.0重量%になるま
で添加し、ディゾルバー分散機でさらに1.5時間分散
処理した。ひきつづき、このメソフェーズピッチ系繊維
状炭素粉末および人造グラファイトの分散液にスチレン
・ブタジエンラテックスを総固形分量で60.8重量%
になるように添加し、さらに10分間混合して負極ペー
ストを調製した。次いで、前記負極ペーストをナイフエ
ッジコータを用いて銅箔(集電体)上に塗布し、乾燥し
た後、プレスすることにより前記集電体に負極層が被覆
された負極を作製した。この負極の負極層の充填密度
は、1.40g/cm3 であった。
【0096】(実施例7)以下の方法で作製した負極を
用いた以外、実施例4と同様な円筒形非水電解液二次電
池を組み立てた。
【0097】まず、平均重合度700のアンモニウム塩
型カルボキシメチルセルロース粉末をイオン交換水に溶
解した1.92重量%濃度の水溶液にアセチレンブラッ
クを総固形分量で14.3重量%になるまで添加し、デ
ィゾルバー分散機で1.5時間分散処理した。つづい
て、このアセチレンブラックの分散液にメソカーボンマ
イクロビーズを総固形分量で60.0重量%になるまで
添加し、ディゾルバー分散機でさらに1.5時間分散処
理した。ひきつづき、この混合分散液にスチレン・ブタ
ジエンラテックスを総固形分量で60.8重量%になる
ように添加し、さらに10分間混合して負極ペーストを
調製した。次いで、前記負極ペーストをナイフエッジコ
ータを用いて銅箔(集電体)上に塗布し、乾燥した後、
プレスすることにより前記集電体に負極層が被覆された
負極を作製した。して負極を作製した。この負極の負極
層の充填密度は、1.32g/cm3 であった。
【0098】(比較例4)バインダ成分として平均重合
度300のアンモニウム塩型カルボキシメチルセルロー
ス粉末およびスチレン・ブタジエンラテックスを用いた
以外、実施例4と同様な円筒形非水電解液二次電池を組
み立てた。
【0099】(比較例5)以下の方法で作製した負極を
用いた以外、実施例4と同様な円筒形非水電解液二次電
池を組み立てた。
【0100】まず、平均重合度300のアンモニウム塩
型カルボキシメチルセルロース粉末をイオン交換水に溶
解した2.4重量%濃度の水溶液に人造グラファイトを
総固形分量で14.3重量%になるまで添加し、ディゾ
ルバー分散機で1.5時間分散処理した。つづいて、こ
の人造グラファイトの分散液にメソフェーズピッチ系繊
維状炭素粉末を総固形分量で60.0重量%になるまで
添加し、ディゾルバー分散機でさらに1.5時間分散処
理した。ひきつづき、この混合分散液にスチレン・ブタ
ジエンラテックスを総固形分量で60.8重量%になる
ように添加し、さらに10分間混合して負極ペーストを
調製した。次いで、前記負極ペーストをナイフエッジコ
ータを用いて銅箔(集電体)上に塗布し、乾燥した後、
プレスすることにより前記集電体に負極層が被覆された
負極を作製した。この負極の負極層の充填密度は、1.
40g/cm3 であった。
【0101】(比較例6)バインダ成分として平均重合
度300のアンモニウム塩型カルボキシメチルセルロー
ス粉末およびスチレン・ブタジエンラテックスを用いた
以外、実施例5と同様な方法により負極を作製し、得ら
れた負極を用いて実施例4と同様な円筒形非水電解液二
次電池を組み立てた。
【0102】(比較例7)バインダ成分として平均重合
度700のナトリウム塩型カルボキシメチルセルロース
粉末およびスチレン・ブタジエンラテックスを用いた以
外、実施例6と同様な方法により負極を作製し、得られ
た負極を用いて実施例4と同様な円筒形非水電解液二次
電池を組み立てた。
【0103】(比較例8)バインダ成分として平均重合
度300のナトリウム塩型カルボキシメチルセルロース
粉末およびスチレン・ブタジエンラテックスを用いた以
外、実施例7と同様な方法により負極を作製し、得られ
た負極を用いて実施例4と同様な円筒形非水電解液二次
電池を組み立てた。
【0104】(比較例9)以下の方法で作製した負極を
用いた以外、実施例4と同様な円筒形非水電解液二次電
池を組み立てた。
【0105】まず、ポリフッ化ビニリデンをN−メチル
−2−ピロリドンに溶解した5.0重量%濃度の溶液に
メソカーボンマイクロビーズおよびアセチレンブラック
を重量比にて8:2になるように総固形分量で41.0
重量%になるまで添加し、ディゾルバー分散機で4時間
分散処理して負極ペーストを調製した。次いで、前記負
極ペーストをナイフエッジコータを用いて銅箔(集電
体)上に塗布し、乾燥した後、プレスして負極を作製し
た。この負極の負極層の充填密度は、1.32g/cm
3 であった。得られた実施例4〜7よび比較例4〜9で
作製した負極における負極層の集電体に対する剥離強度
を測定した。これらの結果を下記表2に示す。
【0106】
【表2】
【0107】前記2表から明らかなように実施例4〜7
の負極は、負極層の集電体に対する剥離強度が比較例4
〜9に比べて高いことがわかる。また、炭素質材料であ
るメソカーボンマイクロビーズを用いた実施例7の負極
においても、負極層の集電体に対する剥離強度が同様な
炭素質材料を用いた比較例9の負極に比べて高いことが
わかる。
【0108】また、実施例4〜7よび比較例4〜9の非
水電解液二次電池について、2mA/cm2 の充電電流
で4.2Vまで3時間充電し、2.7Vまで0.5〜3
Aの電流範囲での放電レート特性を調べた。この結果を
図3に示す。
【0109】図3から明らかなように実施例4〜7の二
次電池は比較例4〜9の二次電池に比べて高容量でかつ
優れたハイレート特性を有することがわかる。 (実施例8) <正極の作製>まず、リチウムコバルト酸化物(Lix
CoO2 ;0.8≦x≦1)粉末90重量%、アセチレ
ンブラック2重量%、グラファイト3重量%およびポリ
フッ化ビニデン5重量%をN−メチル−2−ピロリドン
に加えてディゾルバーで混合・分散して正極ペーストを
調製した。つづいて、このペーストを厚さ15μmのア
ルミニウム箔(集電体)に塗布し、乾燥した後、プレス
することにより正極を作製した。
【0110】<負極の作製>カルボキシメチルセルロー
ス粉末をイオン交換水に溶解した1.92重量%濃度の
水溶液に人造グラファイト(第2炭素質材料)を総固形
分量で14.3重量%になるまで添加し、ディゾルバー
分散機で1.5時間分散処理した。つづいて、この人造
グラファイトの分散液にメソフェーズピッチ系繊維状炭
素粉末(第1炭素質材料)を総固形分量で60.0重量
%になるまで添加し、ディゾルバー分散機でさらに1.
5時間分散処理した。ひきつづき、このメソフェーズピ
ッチ系繊維状炭素粉末および人造グラファイトの分散液
にスチレン・ブタジエンラテックスを総固形分量で6
0.8重量%になるように添加し、さらに10分間混合
して負極ペーストを調製した。次いで、前記負極ペース
トをナイフエッジコータを用いて銅箔(集電体)上に塗
布し、乾燥した後、圧延することにより前記集電体に負
極層が被覆された負極を作製した。この圧延は、初回圧
延を目標充填密度1.35〜1.40g/cm3 に対し
て78%になるように行い、2パス目の圧延を目標充填
密度に対して85%になるように行い、3パス目の圧延
を目標充填密度になるように行った。
【0111】<電極群の作製>前記正極、ポリプロピレ
ン製多孔質フィルムからなるセパレ―タおよび所望寸法
に切り出した前記負極をそれぞれこの順序で積層した
後、前記負極が外側に位置するように渦巻き状に巻回し
て電極群を作製した。
【0112】<非水電解液の調製>エチレンカーボネー
トとジエチルカーボネートの混合溶媒(混合体積比率5
0:50)に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )を
1.0モル/l溶解して非水電解液を調製した。
【0113】前記各電極群及び前記非水電解液を直径1
8mm、高さ65mmのステンレス製の有底円筒状容器
内にそれぞれ収納し、封口板で開口部を封じることによ
り前述した図1に示すの円筒形非水電解液二次電池を組
み立てた。
【0114】(実施例9)実施例8と同様なペースト被
覆集電体を圧延するに際し、初回圧延を目標充填密度
1.35〜1.40g/cm3 に対して92%になるよ
うに行い、2パス目の圧延を目標充填密度に対して95
%になるように行い、3パス目の圧延を目標充填密度に
なるように行って作製した負極を用いた以外、実施例8
と同様な円筒形非水電解液二次電池を組み立てた。
【0115】(実施例10)以下の方法で作製した負極
を用いた以外、実施例8と同様な円筒形非水電解液二次
電池を組み立てた。
【0116】まず、平均重合度700のアンモニウム塩
型カルボキシメチルセルロース粉末をイオン交換水に溶
解した1.80重量%濃度の水溶液にメソフェーズピッ
チ系繊維状炭素粉末を総固形分量で65.0重量%にな
るまで添加し、ディゾルバー分散機でさらに2時間分散
処理した。ひきつづき、このメソフェーズピッチ系繊維
状炭素粉末の分散液にスチレン・ブタジエンラテックス
を総固形分量で65.8重量%になるように添加し、さ
らに10分間混合して負極ペーストを調製した。次い
で、前記負極ペーストをナイフエッジコータを用いて銅
箔(集電体)上に塗布し、乾燥した後、圧延することに
より前記集電体に負極層が被覆された負極を作製した。
この圧延は、初回圧延を目標充填密度1.35〜1.4
0g/cm3 に対して78%になるように行い、2パス
目の圧延を目標充填密度に対して95%になるように行
い、3パス目の圧延を目標充填密度になるように行っ
た。
【0117】(実施例11)以下の方法で作製した負極
を用いた以外、実施例8と同様な円筒形非水電解液二次
電池を組み立てた。
【0118】まず、平均重合度700のアンモニウム塩
型カルボキシメチルセルロース粉末をイオン交換水に溶
解した1.80重量%濃度の水溶液にメソフェーズピッ
チ系繊維状炭素粉末を総固形分量で65.0重量%にな
るまで添加し、ディゾルバー分散機でさらに2時間分散
処理した。ひきつづき、このメソフェーズピッチ系繊維
状炭素粉末の分散液にスチレン・ブタジエンラテックス
を総固形分量で65.8重量%になるように添加し、さ
らに10分間混合して負極ペーストを調製した。次い
で、前記負極ペーストをナイフエッジコータを用いて銅
箔(集電体)上に塗布し、乾燥した後、圧延することに
より前記集電体に負極層が被覆された負極を作製した。
この圧延は、初回圧延を目標充填密度1.35〜1.4
0g/cm3 に対して92%になるように行い、2パス
目の圧延を目標充填密度に対して95%になるように行
い、3パス目の圧延を目標充填密度になるように行っ
た。
【0119】(実施例12)以下の方法で作製した負極
を用いた以外、実施例8と同様な円筒形非水電解液二次
電池を組み立てた。
【0120】まず、メソカーボンマイクロビーズ100
重量部をカルボキシメチルセルロース粉末1.9重量部
にイオン交換水と共に混合し、ディゾルバー分散機で
1.5時間分散処理した後、スチレン・ブタジエンラテ
ックス2.0重量部を添加してさらにディゾルバー分散
機で10分間混合することにより負極ペーストを調製し
た。つづいて、前記負極ペーストをナイフエッジコータ
を用いて幅150mm、長さ50mの銅箔(集電体)上
に塗布し、乾燥した後、圧延することにより前記集電体
に負極層が被覆された負極を作製した。この圧延は、初
回圧延を目標充填密度1.35〜1.40g/cm3
対して92%になるように行い、2パス目の圧延を目標
充填密度に対して95%になるように行い、3パス目の
圧延を目標充填密度になるように行った。
【0121】(実施例13)実施例8と同様にペースト
被覆集電体を3段階で圧延するに際し、プレスロールの
温度を70℃に設定して作製した負極を用いた以外、実
施例8と同様な円筒形非水電解液二次電池を組み立て
た。
【0122】(比較例10)実施例8と同様なペースト
被覆集電体を圧延するに際し、初回圧延を目標充填密度
1.35〜1.40g/cm3 に対して65%になるよ
うに行い、2パス目の圧延を目標充填密度に対して85
%になるように行い、3パス目の圧延を目標充填密度に
なるように行って作製した負極を用いた以外、実施例8
と同様な円筒形非水電解液二次電池を組み立てた。
【0123】(比較例11)実施例8と同様なペースト
被覆集電体を圧延するに際し、初回圧延を目標充填密度
1.35〜1.40g/cm3 に対して97%になるよ
うに行い、2パス目の圧延を目標充填密度に対して98
%になるように行い、3パス目の圧延を目標充填密度に
なるように行って作製した負極を用いた以外、実施例8
と同様な円筒形非水電解液二次電池を組み立てた。
【0124】(比較例12)実施例8と同様なペースト
被覆集電体を圧延するに際し、初回圧延で目標充填密度
1.35〜1.40g/cm3 に到達するように行って
作製した負極を用いた以外、実施例8と同様な円筒形非
水電解液二次電池を組み立てた。
【0125】(比較例13)以下の方法で作製した負極
を用いた以外、実施例8と同様な円筒形非水電解液二次
電池を組み立てた。
【0126】まず、平均重合度700のアンモニウム塩
型カルボキシメチルセルロース粉末をイオン交換水に溶
解した1.80重量%濃度の水溶液にメソフェーズピッ
チ系繊維状炭素粉末を総固形分量で65.0重量%にな
るまで添加し、ディゾルバー分散機でさらに2時間分散
処理した。ひきつづき、このメソフェーズピッチ系繊維
状炭素粉末の分散液にスチレン・ブタジエンラテックス
を総固形分量で65.8重量%になるように添加し、さ
らに10分間混合して負極ペーストを調製した。次い
で、前記負極ペーストをナイフエッジコータを用いて銅
箔(集電体)上に塗布し、乾燥した後、圧延することに
より前記集電体に負極層が被覆された負極を作製した。
この圧延は、初回圧延を目標充填密度1.35〜1.4
0g/cm3 に対して65%になるように行い、2パス
目の圧延を目標充填密度に対して85%になるように行
い、3パス目の圧延を目標充填密度になるように行っ
た。
【0127】(比較例14)比較例13と同様なペース
ト被覆集電体を圧延するに際し、初回圧延を目標充填密
度1.35〜1.40g/cm3 に対して97%になる
ように行い、2パス目の圧延を目標充填密度に対して9
8%になるように行い、3パス目の圧延を目標充填密度
になるように行って作製した負極を用いた以外、実施例
8と同様な円筒形非水電解液二次電池を組み立てた。
【0128】(比較例15)比較例13と同様なペース
ト被覆集電体を圧延するに際し、初回圧延で目標充填密
度1.35〜1.40g/cm3 に到達するように行っ
て作製した負極を用いた以外、実施例8と同様な円筒形
非水電解液二次電池を組み立てた。
【0129】(比較例16)実施例12と同様なペース
ト被覆集電体を圧延するに際し、初回圧延で目標充填密
度1.35〜1.40g/cm3 に到達するように行っ
て作製した負極を用いた以外、実施例8と同様な円筒形
非水電解液二次電池を組み立てた。
【0130】実施例8〜13および比較例10〜16に
より作製した幅150mm、長さ50mの負極を30k
g/cm2 の圧力でプレスした時の負極層中の炭素質材
料の粉落ちおよび負極層の炭素質材料のプレスロールへ
の付着数を調べた。その結果を下記表3に示す。また、
実施例8〜13および比較例9〜15により作製した負
極における負極層の集電体に対する剥離強度を調べた。
その結果を下記表3に併記した。
【0131】
【表3】
【0132】前記表3から明らかなように実施例8〜1
3により得られた負極は、比較例11、12、14〜1
6に比べて負極層中の炭素質材料の粉落ち、負極層の炭
素質材料のプレスロールへの付着がなく、量産性に優れ
ていることがわかる。比較例10、13の負極は、初回
圧延における目標充填密度に対する圧延率が低いために
粉落ち等の問題を回避できるものの、充填密度を十分に
大きくすることが困難になる。
【0133】また、表3から明らかなように実施例8〜
13により得られた負極は、比較例10〜16の負極に
比べて高い剥離強度を有することがわかる。さらに、得
られた実施例8〜13よび比較例10〜16の非水電解
液二次電池について、1.4Aの充電電流で4.2Vま
で3時間充電し、2.7Vまで1.4Aで放電する充放
電を繰り返して容量維持率を測定した。この結果を図4
に示す。
【0134】図4から明らかなように実施例8〜13の
二次電池は、300サイクルで初期容量の80%以上を
維持し、非常に優れたサイクル特性を有することがわか
る。これに対し、比較例8〜16の二次電池は300サ
イクルで初期容量の50〜70%しか維持できない。
【0135】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば複
数の炭素質材料およびバインダを含む負極を改良するこ
とによって負極容量と出力特性を向上した非水電解液二
次電池およびその製造方法を提供できる。
【0136】また、本発明によればリチウムイオンを吸
蔵・放出する炭素質材料を結着するバインダを改良する
ことによって負極容量と出力特性を向上した非水電解液
二次電池を提供することができる。
【0137】さらに本発明によれば、歩留まりおよび集
電効率を向上した負極を備え、充放電サイクル特性が優
れた非水電解液二次電池の製造方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる円筒形非水溶媒二次電池を示す
部分断面図。
【図2】実施例1〜3および比較例1〜3の非水電解液
二次電池の放電レート特性を示す線図。
【図3】実施例4〜7よび比較例4〜9の非水電解液二
次電池の放電レート特性を示す線図。
【図4】実施例8〜13よび比較例10〜16の非水電
解液二次電池における充放電サイクルと放電容量との関
係を示す特性図。
【符号の説明】
1…容器、 3…電極群、 4…正極、 5…セパレ―タ、 6…負極、 8…封口板、 9…正極端子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 章 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 大崎 隆久 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式 会社東芝川崎事業所内 (72)発明者 橋本 稔 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東 芝電池株式会社内 (72)発明者 海藤 英樹 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東 芝電池株式会社内 (72)発明者 松本 浩一 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東 芝電池株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−332465(JP,A) 特開 平6−295744(JP,A) 特開 平7−147158(JP,A) 特開 平7−192724(JP,A) 特開 平9−213372(JP,A) 特開 平9−63586(JP,A) 特開 平9−27314(JP,A) 特開 平8−306354(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/02 H01M 4/04 H01M 4/58 H01M 4/62 H01M 10/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と、炭素質材料を高分子材料からな
    るバインダの溶液に分散させた負極ペーストを集電体に
    塗布し、乾燥することにより前記集電体に負極層を被覆
    してなる負極と、非水電解液を備えた非電解液二次電池
    において、 前記炭素質材料は、リチウムを吸蔵・放出する主成分と
    なる第1炭素質材料と、この第1炭素質材料と異なる種
    類の副成分となる第2炭素質材料とを含み、 前記負極層は、前記第1炭素質材料表面における単位面
    積当たりの前記バインダの量に対する前記第2炭素質材
    料表面における単位面積当たりの前記バインダの量の重
    量比が1.2倍以上であることを特徴とする非水電解液
    二次電池。
  2. 【請求項2】 正極と、炭素質材料を含む負極と、非水
    電解液を備えた非電解液二次電池の製造方法において、 前記負極は、リチウムを吸蔵・放出する主成分となる第
    1炭素質材料およびこの第1炭素質材料と異なる種類の
    副成分となる第2炭素質材料を別々に高分子材料からな
    るバインダの溶液との分散処理を行った後、これらの分
    散溶液を混合して負極ペーストを調製する工程と、この
    負極ペーストを集電体に塗布し、乾燥することにより
    記第1炭素質材料表面における単位面積当たりの前記バ
    インダの量に対する前記第2炭素質材料表面における単
    位面積当たりの前記バインダ量の重量比が1.2倍以上
    である負極層を前記集電体に被覆する工程とを含む方法
    により作製されることを特徴とする非水電解液二次電池
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 正極と、炭素質材料を含む負極と、非水
    電解液を備えた非電解液二次電池の製造方法において、 前記負極は、リチウムを吸蔵・放出する主成分となる第
    1炭素質材料、この第1炭素質材料と異なる種類の副成
    分となる第2炭素質材料のうち前記第2炭素質材料を先
    に高分子材料からなるバインダの溶液に分散処理した
    後、前記第1炭素質材料を添加してさらに分散処理を行
    うことにより負極ペーストを調製する工程と、この負極
    ペーストを集電体に塗布し、乾燥することにより前記第
    1炭素質材料表面における単位面積当たりの前記バイン
    ダの量に対する前記第2炭素質材料表面における単位面
    積当たりの前記バインダ量の重量比が1.2倍以上であ
    負極層を前記集電体に被覆する工程とを含む方法によ
    り作製されることを特徴とする非水電解液二次電池の製
    造方法。
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