JPH09237625A - 非水電解液二次電池用電極板及びその製造方法 - Google Patents
非水電解液二次電池用電極板及びその製造方法Info
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- JPH09237625A JPH09237625A JP8065443A JP6544396A JPH09237625A JP H09237625 A JPH09237625 A JP H09237625A JP 8065443 A JP8065443 A JP 8065443A JP 6544396 A JP6544396 A JP 6544396A JP H09237625 A JPH09237625 A JP H09237625A
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- electrode plate
- coupling agent
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 活物質層が金属箔集電体に対して密着性が優
れている非水電解液二次電池用電極板を提供すること。 【解決手段】 集電体面にカップリング剤層を介して活
物質層を形成してなることを特徴とする非水電解液二次
電池用電極板及びその製造方法。
れている非水電解液二次電池用電極板を提供すること。 【解決手段】 集電体面にカップリング剤層を介して活
物質層を形成してなることを特徴とする非水電解液二次
電池用電極板及びその製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、例えば、リチウムイオ
ン二次電池に代表される非水電解液二次電池用電極板及
びその製造方法に関する。
ン二次電池に代表される非水電解液二次電池用電極板及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器や通信機器の小型化及び
軽量化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として
用いられる二次電池に対しても小型化及び軽量化の要求
が強くなってきている。これらの要求に対して、従来の
アルカリ蓄電池の代わりに、高エネルギー密度で且つ高
電圧を有するリチウムイオン二次電池に代表される非水
電解液二次電池が提案されている。
軽量化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として
用いられる二次電池に対しても小型化及び軽量化の要求
が強くなってきている。これらの要求に対して、従来の
アルカリ蓄電池の代わりに、高エネルギー密度で且つ高
電圧を有するリチウムイオン二次電池に代表される非水
電解液二次電池が提案されている。
【0003】又、二次電池の性能に大きく影響を及ぼす
電極板に関しては、充放電サイクル寿命を延長させるた
めに、又、高エネルギー密度化のために薄膜大面積化を
図ることが提案されている。例えば、特開昭63−10
456号公報や特開平3−285262号公報等に記載
されているように、金属酸化物、硫化物、ハロゲン化物
等の正極活物質粉末に、導電剤及び結着剤(バインダ
ー)を適当な湿潤剤(溶媒)に分散溶解させて、ペース
ト状の活物質塗工液を調製し、金属箔からなる集電体を
基体とし、該基体上に上記塗工液を塗布して塗工層(活
物質層)を形成して得られる正極電極板が開示されてい
る。
電極板に関しては、充放電サイクル寿命を延長させるた
めに、又、高エネルギー密度化のために薄膜大面積化を
図ることが提案されている。例えば、特開昭63−10
456号公報や特開平3−285262号公報等に記載
されているように、金属酸化物、硫化物、ハロゲン化物
等の正極活物質粉末に、導電剤及び結着剤(バインダ
ー)を適当な湿潤剤(溶媒)に分散溶解させて、ペース
ト状の活物質塗工液を調製し、金属箔からなる集電体を
基体とし、該基体上に上記塗工液を塗布して塗工層(活
物質層)を形成して得られる正極電極板が開示されてい
る。
【0004】この際、結着剤として、例えば、ポリフッ
化ビニリデン等のフッ素系樹脂、又はシリコーン・アク
リル共重合体が用いられている。又、負極電極板は、炭
素質材料等の負極活物質に結着剤を適当な湿潤剤(溶
媒)に溶解させたものを加えて、ペースト状の活物質塗
工液を調製し、金属箔集電体に塗布して得られる。上記
塗布型の電極板において、活物質塗工液の調製に用いら
れる結着剤は、非水電解液に対して電気化学的に安定で
あって、電解液へ溶出しないこと、更には塗布をするこ
とから何らかの溶媒に可溶であることが必要である。
化ビニリデン等のフッ素系樹脂、又はシリコーン・アク
リル共重合体が用いられている。又、負極電極板は、炭
素質材料等の負極活物質に結着剤を適当な湿潤剤(溶
媒)に溶解させたものを加えて、ペースト状の活物質塗
工液を調製し、金属箔集電体に塗布して得られる。上記
塗布型の電極板において、活物質塗工液の調製に用いら
れる結着剤は、非水電解液に対して電気化学的に安定で
あって、電解液へ溶出しないこと、更には塗布をするこ
とから何らかの溶媒に可溶であることが必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の活物質塗工液を
金属箔集電体に塗布して得られる電極板において、塗布
及び乾燥されて形成される活物質層(塗工層)は可撓性
が不十分であり、電池の組立工程及び充放電時に、剥
離、脱落、ひび割れ等が生じるという問題があった。従
って本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、
活物質層が金属箔集電体に対して密着性が優れている非
水電解液二次電池用電極板を提供することにある。
金属箔集電体に塗布して得られる電極板において、塗布
及び乾燥されて形成される活物質層(塗工層)は可撓性
が不十分であり、電池の組立工程及び充放電時に、剥
離、脱落、ひび割れ等が生じるという問題があった。従
って本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、
活物質層が金属箔集電体に対して密着性が優れている非
水電解液二次電池用電極板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、集電体面にカッ
プリング剤層を介して活物質層を形成してなることを特
徴とする非水電解液二次電池用電極板及びその製造方法
である。
によって達成される。即ち、本発明は、集電体面にカッ
プリング剤層を介して活物質層を形成してなることを特
徴とする非水電解液二次電池用電極板及びその製造方法
である。
【0007】本発明によれば、非水電解液二次電池用電
極板において、その集電体と活物質層との間にカップリ
ング剤層を設けることによって、活物質層(塗工層)が
良好な可撓性を有し、又、金属箔集電体に対して優れた
密着性を有しているので、電池の組立工程及び充放電時
に、剥離、脱落、ひび割れ等が生じない非水電解液二次
電池用電極板が得られる。
極板において、その集電体と活物質層との間にカップリ
ング剤層を設けることによって、活物質層(塗工層)が
良好な可撓性を有し、又、金属箔集電体に対して優れた
密着性を有しているので、電池の組立工程及び充放電時
に、剥離、脱落、ひび割れ等が生じない非水電解液二次
電池用電極板が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に詳細に説明する。本発明の非水電解液二次
電池用電極板は、集電体面にカップリング剤層を介して
活物質層を形成してなることを特徴としている。
本発明を更に詳細に説明する。本発明の非水電解液二次
電池用電極板は、集電体面にカップリング剤層を介して
活物質層を形成してなることを特徴としている。
【0009】本発明の非水電解液二次電池用電極板に用
いられる集電体としては、例えば、アルミニウム、銅等
の金属箔が挙げられる。金属箔の厚さとしては、10〜
30μm程度のものを用いる。特に本発明において、後
述の特定のシランカップリング剤を用いる場合には、集
電体として銅箔を用いることが好ましい。本発明では、
先ず上記集電体の一方の表面にカップリング剤層を形成
する。カップリング剤層の形成に使用するカップリング
剤としてはシラン系、チタネート系、アルミニウム系等
のカップリング剤があり、これらの中から金属箔集電体
及び活物質層との密着性に優れたカップリング剤を選択
して使用する。
いられる集電体としては、例えば、アルミニウム、銅等
の金属箔が挙げられる。金属箔の厚さとしては、10〜
30μm程度のものを用いる。特に本発明において、後
述の特定のシランカップリング剤を用いる場合には、集
電体として銅箔を用いることが好ましい。本発明では、
先ず上記集電体の一方の表面にカップリング剤層を形成
する。カップリング剤層の形成に使用するカップリング
剤としてはシラン系、チタネート系、アルミニウム系等
のカップリング剤があり、これらの中から金属箔集電体
及び活物質層との密着性に優れたカップリング剤を選択
して使用する。
【0010】シラン系カップリング剤としては、例え
ば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジル
アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、アミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザ
ン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシ
ルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ア
ンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロ
シラン、トリメチルクロロシラン等が挙げられる。
ば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジル
アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、アミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザ
ン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシ
ルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ア
ンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロ
シラン、トリメチルクロロシラン等が挙げられる。
【0011】チタネート系カップリング剤としては、例
えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、
イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネー
ト、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチル
ホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジト
リデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−
ジアリルオキシメチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスフ
ァイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパ
イロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピル
トリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリ
ルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステ
アロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジ
オクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ
クミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−ア
ミドエチル・アミノエチル)チタネート、ジクミルフェ
ニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイル
エチレンチタネート等が挙げられる。アルミニウム系カ
ップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアル
ミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。上記カッ
プリング剤において本発明の目的に最も有効なカップリ
ング剤は、メルカプト基、アミノ基又はビニルベンジル
アミノエチル基を末端基として有するカップリング剤で
ある。
えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、
イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネー
ト、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチル
ホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジト
リデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−
ジアリルオキシメチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスフ
ァイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパ
イロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピル
トリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリ
ルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステ
アロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジ
オクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ
クミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−ア
ミドエチル・アミノエチル)チタネート、ジクミルフェ
ニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイル
エチレンチタネート等が挙げられる。アルミニウム系カ
ップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアル
ミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。上記カッ
プリング剤において本発明の目的に最も有効なカップリ
ング剤は、メルカプト基、アミノ基又はビニルベンジル
アミノエチル基を末端基として有するカップリング剤で
ある。
【0012】上記カップリング剤からなる層を金属箔集
電体の一方の表面に形成する方法としては、カップリン
グ剤を水/有機溶媒混合液に溶解させた溶液、或いはカ
ップリング剤を有機溶媒に溶解させた溶液を集電体の一
方の表面に塗工する方法がある。この時、カップリング
剤の加水分解を促進させるために、塗工液のpHを3〜
5に調節してもよい。又、カップリング剤の加水分解用
触媒としては、例えば、塩酸、酢酸等を添加してもよ
い。カップリング剤と集電体表面との脱水反応を促進さ
せるためにはカップリング剤を塗工後、温度120〜1
30℃で加熱してもよい。上記のカップリング剤用の有
機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、トルエン、ベンゼン、アセト
ン、テトラヒドロフラン、セロソルブメチル等が挙げら
れる。
電体の一方の表面に形成する方法としては、カップリン
グ剤を水/有機溶媒混合液に溶解させた溶液、或いはカ
ップリング剤を有機溶媒に溶解させた溶液を集電体の一
方の表面に塗工する方法がある。この時、カップリング
剤の加水分解を促進させるために、塗工液のpHを3〜
5に調節してもよい。又、カップリング剤の加水分解用
触媒としては、例えば、塩酸、酢酸等を添加してもよ
い。カップリング剤と集電体表面との脱水反応を促進さ
せるためにはカップリング剤を塗工後、温度120〜1
30℃で加熱してもよい。上記のカップリング剤用の有
機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、トルエン、ベンゼン、アセト
ン、テトラヒドロフラン、セロソルブメチル等が挙げら
れる。
【0013】カップリング剤を金属箔集電体の一方の表
面に塗工する方法としては、グラビアコート、グラビア
リバースコート、ロールコート、マイヤーバーコート、
ブレードコート、ナイフコート、エアーナイフコート、
スロットダイコート、スライドダイコート、ディップコ
ート等が挙げられ、塗工したカップリング剤層の乾燥厚
みとしては0.001〜5μmの範囲が好ましい。
面に塗工する方法としては、グラビアコート、グラビア
リバースコート、ロールコート、マイヤーバーコート、
ブレードコート、ナイフコート、エアーナイフコート、
スロットダイコート、スライドダイコート、ディップコ
ート等が挙げられ、塗工したカップリング剤層の乾燥厚
みとしては0.001〜5μmの範囲が好ましい。
【0014】本発明では、上記集電体の一方の表面に形
成したカップリング剤層面に、正活物質層又は負活物質
層を形成する。本発明で用いられる正極活物質として
は、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4
等のリチウム酸化物、TiS2、MnO2、MoO3、V2
O5等のカルコゲン化合物のうちの一種、或いは複数種
が組み合わせて用いられる。一方、負極活物質として
は、金属リチウム、リチウム合金、或いはグラファイ
ト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質
材料、又はリチウムイオンをインターカレートする材料
が好ましく用いられる。特に、LiCoO2を正極活物
質として、そして炭素質材料を負極活物質として用いる
ことにより、4V程度の高い放電電圧のリチウム系二次
電池が得られる。
成したカップリング剤層面に、正活物質層又は負活物質
層を形成する。本発明で用いられる正極活物質として
は、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4
等のリチウム酸化物、TiS2、MnO2、MoO3、V2
O5等のカルコゲン化合物のうちの一種、或いは複数種
が組み合わせて用いられる。一方、負極活物質として
は、金属リチウム、リチウム合金、或いはグラファイ
ト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質
材料、又はリチウムイオンをインターカレートする材料
が好ましく用いられる。特に、LiCoO2を正極活物
質として、そして炭素質材料を負極活物質として用いる
ことにより、4V程度の高い放電電圧のリチウム系二次
電池が得られる。
【0015】特に、本発明においては、上記の集電体及
び活物質の組み合わせとして、集電体として銅箔を用
い、且つ活物質として炭素質材料を用いる場合には、メ
ルカプト基、アミノ基又はビニルベンジルアミノエチル
基を末端に有するカップリング剤のいずれか1種をカッ
プリング剤として採用すると、銅箔及び炭素質材料の両
方に対して著しく優れた結合能力を発揮し、その結果、
負極活物質層の銅箔集電体に対する密着性が著しく優
れ、電池の組立工程及び充放電時に、活物質層が剥離し
たり、脱落したり、ひび割れしたりすることがない非水
電解液二次電池用電極板を提供することができる。
び活物質の組み合わせとして、集電体として銅箔を用
い、且つ活物質として炭素質材料を用いる場合には、メ
ルカプト基、アミノ基又はビニルベンジルアミノエチル
基を末端に有するカップリング剤のいずれか1種をカッ
プリング剤として採用すると、銅箔及び炭素質材料の両
方に対して著しく優れた結合能力を発揮し、その結果、
負極活物質層の銅箔集電体に対する密着性が著しく優
れ、電池の組立工程及び充放電時に、活物質層が剥離し
たり、脱落したり、ひび割れしたりすることがない非水
電解液二次電池用電極板を提供することができる。
【0016】これらの活物質は形成される塗工層中に均
一に分散されるのが好ましい。このため、本発明におい
ては、活物質として1〜100μmの範囲の粒径を有
し、平均粒径が10μm程度の粉体を用いるのが好まし
い。上記活物質を含む塗工液の調製に用いられる結着剤
としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂及びポリイミド
樹脂等の熱可塑性樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂等の熱硬化性樹脂、アクリレートモノマー又はオリゴ
マー或いはそれらの混合物からなる電離放射線硬化性樹
脂、更にはこれらの各種樹脂の混合物が使用することが
できる。
一に分散されるのが好ましい。このため、本発明におい
ては、活物質として1〜100μmの範囲の粒径を有
し、平均粒径が10μm程度の粉体を用いるのが好まし
い。上記活物質を含む塗工液の調製に用いられる結着剤
としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂及びポリイミド
樹脂等の熱可塑性樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂等の熱硬化性樹脂、アクリレートモノマー又はオリゴ
マー或いはそれらの混合物からなる電離放射線硬化性樹
脂、更にはこれらの各種樹脂の混合物が使用することが
できる。
【0017】本発明で使用する活物質が含有された塗工
液の具体的な調製方法について説明する。先ず、上記に
挙げたような材料から適宜に選択された粒子状結着剤と
粉末状の活物質とを、トルエン等の有機溶媒からなる分
散媒体中に入れ、更に必要に応じて導電剤を混合させた
組成物を、従来公知のホモジナイザー、ボールミル、サ
ンドミル、ロールミル等の分散機を用いて混合分散する
ことによって調製する。この際、結着剤と活物質との配
合割合は、従来行われているのと同様でよく、例えば、
結着剤:活物質=2:8〜1:9程度とするのが好まし
い。又、必要に応じて添加する導電剤としては、例え
ば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラ
ック等の炭素質材料が用いられる。
液の具体的な調製方法について説明する。先ず、上記に
挙げたような材料から適宜に選択された粒子状結着剤と
粉末状の活物質とを、トルエン等の有機溶媒からなる分
散媒体中に入れ、更に必要に応じて導電剤を混合させた
組成物を、従来公知のホモジナイザー、ボールミル、サ
ンドミル、ロールミル等の分散機を用いて混合分散する
ことによって調製する。この際、結着剤と活物質との配
合割合は、従来行われているのと同様でよく、例えば、
結着剤:活物質=2:8〜1:9程度とするのが好まし
い。又、必要に応じて添加する導電剤としては、例え
ば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラ
ック等の炭素質材料が用いられる。
【0018】この活物質塗工液を前記金属箔集電体のカ
ップリング剤を塗工した面上に、グラビアコート、グラ
ビアリバースコート、ロールコート、マイヤーバーコー
ト、ブレードコート、ナイフコート、エアーナイフコー
ト、コンマコート、スロットダイコート、スライドダイ
コート、ディップコート等の各種塗工方法を用いて、乾
燥厚みで10〜200μm、好ましくは50〜180μ
mの範囲で塗布した後、加熱乾燥させる。
ップリング剤を塗工した面上に、グラビアコート、グラ
ビアリバースコート、ロールコート、マイヤーバーコー
ト、ブレードコート、ナイフコート、エアーナイフコー
ト、コンマコート、スロットダイコート、スライドダイ
コート、ディップコート等の各種塗工方法を用いて、乾
燥厚みで10〜200μm、好ましくは50〜180μ
mの範囲で塗布した後、加熱乾燥させる。
【0019】更に、上記のようにして塗工及び乾燥処理
して形成された塗工層の均質性をより向上させるため
に、該塗工層に金属ロール、加熱ロール、シートプレス
機等を用いてプレス処理を施し、本発明の電極板を形成
することも好ましい。この際のプレス条件としては、5
00Kgf/cm2未満では塗工層の均一性が得られに
くく、又、7,500Kgf/cm2を超えると、集電
体基材を含めた極板自体が破損してしまうため、プレス
条件は500〜7,500Kgf/cm2の範囲が好ま
しい。更に好ましくは3,000〜5,000Kgf/
cm2の範囲である。更に、上記の電極板を用いて電池
の組み立て工程に移る前に、電極板の活物質が含有され
ている塗工層中の水分を除去するために、更に加熱処理
や減圧処理等を行うことが好ましい。
して形成された塗工層の均質性をより向上させるため
に、該塗工層に金属ロール、加熱ロール、シートプレス
機等を用いてプレス処理を施し、本発明の電極板を形成
することも好ましい。この際のプレス条件としては、5
00Kgf/cm2未満では塗工層の均一性が得られに
くく、又、7,500Kgf/cm2を超えると、集電
体基材を含めた極板自体が破損してしまうため、プレス
条件は500〜7,500Kgf/cm2の範囲が好ま
しい。更に好ましくは3,000〜5,000Kgf/
cm2の範囲である。更に、上記の電極板を用いて電池
の組み立て工程に移る前に、電極板の活物質が含有され
ている塗工層中の水分を除去するために、更に加熱処理
や減圧処理等を行うことが好ましい。
【0020】以上のようにして作製した本発明の正極及
び負極の非水電解液二次電池用電極板を用いて、例え
ば、リチウム系二次電池を作製する場合には、電解液と
して、溶質のリチウム塩を有機溶媒に溶かした非水電解
液が用いられる。非水電解液を形成する溶質のリチウム
塩としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiP
F6、LiAsF6、LiCl、LiBr等の無機リチウ
ム塩、及びLiB(C6H5)4、LiN(SO2C
F3)2、LiC(SO2CF3)3、LiOSO2CF3、
LiOSO2C2F5、LiOSO2C3F7、LiOSO2
C4F9、LiOSO2C5F11、LiOSO2C6F13、L
iOSO2C7F15等の有機リチウム塩等が用いられる。
び負極の非水電解液二次電池用電極板を用いて、例え
ば、リチウム系二次電池を作製する場合には、電解液と
して、溶質のリチウム塩を有機溶媒に溶かした非水電解
液が用いられる。非水電解液を形成する溶質のリチウム
塩としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiP
F6、LiAsF6、LiCl、LiBr等の無機リチウ
ム塩、及びLiB(C6H5)4、LiN(SO2C
F3)2、LiC(SO2CF3)3、LiOSO2CF3、
LiOSO2C2F5、LiOSO2C3F7、LiOSO2
C4F9、LiOSO2C5F11、LiOSO2C6F13、L
iOSO2C7F15等の有機リチウム塩等が用いられる。
【0021】この際に使用される有機溶媒としては、環
状エステル類、鎖状エステル類、環状エーテル類、鎖状
エーテル類等が挙げられる。環状エステル類としては、
例えば、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネー
ト、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−
メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラ
クトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。
状エステル類、鎖状エステル類、環状エーテル類、鎖状
エーテル類等が挙げられる。環状エステル類としては、
例えば、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネー
ト、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−
メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラ
クトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。
【0022】鎖状エステル類としては、例えば、ジメチ
ルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカー
ボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカー
ボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピル
カーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロ
ピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロ
ピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステ
ル、酢酸アルキルエステル等が挙げられる。
ルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカー
ボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカー
ボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピル
カーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロ
ピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロ
ピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステ
ル、酢酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0023】環状エーテル類としては、例えば、テトラ
ヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキ
ルアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒド
ロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−
ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,
4−ジオキソラン等が挙げられる。鎖状エーテル類とし
ては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシ
エタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアル
キルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテ
ル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テト
ラエチレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられ
る。
ヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキ
ルアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒド
ロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−
ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,
4−ジオキソラン等が挙げられる。鎖状エーテル類とし
ては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシ
エタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアル
キルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテ
ル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テト
ラエチレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられ
る。
【0024】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。 実施例1 先ず、本実施例で用いた正極活物質を含む正極塗工液を
以下の方法により作製した。正極塗工液の材料として
は、1〜100μmの粒径を持つLiCoO2粉末(日
本化学工業(株)製、C−M01)を90重量部、導電
剤としてグラファイト粉末(ロンザジャパン製、KS−
15)を5重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン
樹脂(呉羽化学工業(株)製、KF−#1100)を5
重量部及びN−メチルピロリドンを20重量部の配合比
で、ホモジナイザーにて回転数8,000rpmで10
分間撹拌混合することによりスラリー状の正極活物質を
含む正極塗工液を得た。
具体的に説明する。 実施例1 先ず、本実施例で用いた正極活物質を含む正極塗工液を
以下の方法により作製した。正極塗工液の材料として
は、1〜100μmの粒径を持つLiCoO2粉末(日
本化学工業(株)製、C−M01)を90重量部、導電
剤としてグラファイト粉末(ロンザジャパン製、KS−
15)を5重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン
樹脂(呉羽化学工業(株)製、KF−#1100)を5
重量部及びN−メチルピロリドンを20重量部の配合比
で、ホモジナイザーにて回転数8,000rpmで10
分間撹拌混合することによりスラリー状の正極活物質を
含む正極塗工液を得た。
【0025】上記で得られた正極塗工液を用い、厚さ2
0μmのアルミ箔(日本製箔(株)製、A1085H)
からなる集電体を基体として、該基体上の片面にコンマ
ロールコーターにて正極塗工液を塗工後、110℃のオ
ーブンで2分間乾燥処理し、更に120℃のオーブンで
2分間乾燥して溶媒を除去することにより、集電体上に
乾燥膜厚が100μmの活物質含有塗工層を形成した正
極板を得た。以上の方法で得られた正極を5,000k
gf/cm2の条件でプレスを行って膜を均一にした。
次に80℃の真空オーブン中で48時間エージングして
水分を除去した。
0μmのアルミ箔(日本製箔(株)製、A1085H)
からなる集電体を基体として、該基体上の片面にコンマ
ロールコーターにて正極塗工液を塗工後、110℃のオ
ーブンで2分間乾燥処理し、更に120℃のオーブンで
2分間乾燥して溶媒を除去することにより、集電体上に
乾燥膜厚が100μmの活物質含有塗工層を形成した正
極板を得た。以上の方法で得られた正極を5,000k
gf/cm2の条件でプレスを行って膜を均一にした。
次に80℃の真空オーブン中で48時間エージングして
水分を除去した。
【0026】シランカップリング剤;γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング
(株)製、SH6062)1重量部をエチルアルコール
99重量部に溶解した溶液を、グラビアリバースコータ
ーを用い、12μmの銅箔(日本製箔(株)製、TCU
−銅箔)集電体上に塗布し、100℃のオーブンで5分
間乾燥処理した(乾燥後の膜厚は0.02μmであっ
た)。次に石炭コークスを1,200℃で熱分解させて
得られるカーボン粉末(ロンザジャパン製)を90重量
部、ポリフッ化ビニリデン樹脂(三菱化学(株)製、K
F#1100)を10重量部、分散媒体としてN−メチ
ルピロリドンを100重量部の配合比で、分散機を用
い、8,000回転で分散させてスラリー状の負極活物
質含有塗工液を得た。
ロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング
(株)製、SH6062)1重量部をエチルアルコール
99重量部に溶解した溶液を、グラビアリバースコータ
ーを用い、12μmの銅箔(日本製箔(株)製、TCU
−銅箔)集電体上に塗布し、100℃のオーブンで5分
間乾燥処理した(乾燥後の膜厚は0.02μmであっ
た)。次に石炭コークスを1,200℃で熱分解させて
得られるカーボン粉末(ロンザジャパン製)を90重量
部、ポリフッ化ビニリデン樹脂(三菱化学(株)製、K
F#1100)を10重量部、分散媒体としてN−メチ
ルピロリドンを100重量部の配合比で、分散機を用
い、8,000回転で分散させてスラリー状の負極活物
質含有塗工液を得た。
【0027】上記で得られた負極塗工液を、カップリン
グ剤が塗布されてある銅箔集電体上にコンマロールコー
ターを用いて塗工し、乾燥工程を経た後、110℃のオ
ーブンで2分間乾燥処理し、更に120℃のオーブンで
2分間乾燥し溶媒を除去することにより、集電体上に乾
燥膜厚が100μmの活物質含有塗工層を形成した。こ
の塗工層にカッターを用いて直交する縦横11本ずつの
平行線を1mmの間隔で引いて、1cm2の中に100
個の升目を形成した。この面にメンディングテープを貼
り付け、その後、テープ剥離を行い、剥離しなかった升
目の個数を求めた。10回の平均値は95.3個であっ
た。又、以上の方法で得られた負極を5,000kgf
/cm2の条件でプレスを行い膜を均一にした。次に8
0℃の真空オーブン中で48時間エージングして水分を
除去した。
グ剤が塗布されてある銅箔集電体上にコンマロールコー
ターを用いて塗工し、乾燥工程を経た後、110℃のオ
ーブンで2分間乾燥処理し、更に120℃のオーブンで
2分間乾燥し溶媒を除去することにより、集電体上に乾
燥膜厚が100μmの活物質含有塗工層を形成した。こ
の塗工層にカッターを用いて直交する縦横11本ずつの
平行線を1mmの間隔で引いて、1cm2の中に100
個の升目を形成した。この面にメンディングテープを貼
り付け、その後、テープ剥離を行い、剥離しなかった升
目の個数を求めた。10回の平均値は95.3個であっ
た。又、以上の方法で得られた負極を5,000kgf
/cm2の条件でプレスを行い膜を均一にした。次に8
0℃の真空オーブン中で48時間エージングして水分を
除去した。
【0028】以上で得られた正極板及び負極板を用い、
正極板より幅広の三次元空孔構造(海綿状)を有するポ
リオレフィン系(ポリプロピレン、ポリエチレン又はそ
れらの共重合体)の多孔性フイルムから成るセパレータ
を介して、渦巻き状に捲回して、先ず電極体を構成し
た。次にこの電極体を、負極端子を兼ねる有底円筒状の
ステンレス容器内に挿入し、AAサイズで定格容量50
0mAhの電池を組み立てた。この電池にEC(エチレ
ンカーボネート):PC(プロピレンカーボネート):
DME(ジメトキシエタン)をそれぞれ体積比1:1:
2で全量1リットルになるように調製した混合溶媒に、
支持塩として1モルのLiPF6を溶解したものを電解
液として注液した。
正極板より幅広の三次元空孔構造(海綿状)を有するポ
リオレフィン系(ポリプロピレン、ポリエチレン又はそ
れらの共重合体)の多孔性フイルムから成るセパレータ
を介して、渦巻き状に捲回して、先ず電極体を構成し
た。次にこの電極体を、負極端子を兼ねる有底円筒状の
ステンレス容器内に挿入し、AAサイズで定格容量50
0mAhの電池を組み立てた。この電池にEC(エチレ
ンカーボネート):PC(プロピレンカーボネート):
DME(ジメトキシエタン)をそれぞれ体積比1:1:
2で全量1リットルになるように調製した混合溶媒に、
支持塩として1モルのLiPF6を溶解したものを電解
液として注液した。
【0029】電池特性の測定には、充放電測定装置を用
い、25℃の温度条件で各20セルずつ、充放電測定装
置を用い、充電電流0.2CAの電流値で、先ず充電方
向から電池電圧4.1Vになるまで充電し、10分間の
休止の後、同一電流で2.75Vになるまで放電し、1
0分間の休止の後、以下同一条件で100サイクルの充
放電を繰り返し、充放電特性を測定した。1サイクル目
の充放電容量値を100とした場合、100回目の放電
容量値は96であった。
い、25℃の温度条件で各20セルずつ、充放電測定装
置を用い、充電電流0.2CAの電流値で、先ず充電方
向から電池電圧4.1Vになるまで充電し、10分間の
休止の後、同一電流で2.75Vになるまで放電し、1
0分間の休止の後、以下同一条件で100サイクルの充
放電を繰り返し、充放電特性を測定した。1サイクル目
の充放電容量値を100とした場合、100回目の放電
容量値は96であった。
【0030】実施例2 正極板は実施例1と同様の材料及び同様の方法で作製し
た。負極板は、シランカップリング剤として、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン
(東レ・ダウコーニング(株)製、SH6020)を用
いた以外は実施例1と同様の材料及び同様の方法で作製
した。プレス前の負極の塗工層に、実施例1と同様の方
法によりメンディングテープ剥離試験を行い、剥離しな
かった個数を求めた。10回の平均値は31.5個であ
った。以上で得られた正極板及び負極板を用い、実施例
1と同様の方法により電池を作製した。この電池に対し
て実施例1と同様の方法により充放電特性を測定した。
実施例1の1サイクル目に放電容量値を100とした場
合、サイクル目の放電容量値は98であり、100回目
の放電容量値は88であった。
た。負極板は、シランカップリング剤として、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン
(東レ・ダウコーニング(株)製、SH6020)を用
いた以外は実施例1と同様の材料及び同様の方法で作製
した。プレス前の負極の塗工層に、実施例1と同様の方
法によりメンディングテープ剥離試験を行い、剥離しな
かった個数を求めた。10回の平均値は31.5個であ
った。以上で得られた正極板及び負極板を用い、実施例
1と同様の方法により電池を作製した。この電池に対し
て実施例1と同様の方法により充放電特性を測定した。
実施例1の1サイクル目に放電容量値を100とした場
合、サイクル目の放電容量値は98であり、100回目
の放電容量値は88であった。
【0031】実施例3 正極板は実施例1と同様の材料及び同様の方法で作製し
た。負極板は、シランカップリング剤として、N−β−
(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン・炭酸塩(東レ・ダウコーニン
グ(株)製、SH6032)を用いた以外は実施例1と
同様の材料及び同様の方法で作製した。プレス前の負極
の塗工層に、実施例1と同様の方法によりメンディング
テープ剥離試験を行い、剥離しなかった個数を求めた。
10回の平均値は23.3個であった。以上で得られた
正極板及び負極板を用い、実施例1と同様の方法により
電池を作製した。この電池に対して実施例1と同様の方
法により充放電特性を測定した。実施例1の1サイクル
目に放電容量値を100とした場合1サイクル目の放電
容量値は97であり、100回目の放電容量値は81で
あった。
た。負極板は、シランカップリング剤として、N−β−
(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン・炭酸塩(東レ・ダウコーニン
グ(株)製、SH6032)を用いた以外は実施例1と
同様の材料及び同様の方法で作製した。プレス前の負極
の塗工層に、実施例1と同様の方法によりメンディング
テープ剥離試験を行い、剥離しなかった個数を求めた。
10回の平均値は23.3個であった。以上で得られた
正極板及び負極板を用い、実施例1と同様の方法により
電池を作製した。この電池に対して実施例1と同様の方
法により充放電特性を測定した。実施例1の1サイクル
目に放電容量値を100とした場合1サイクル目の放電
容量値は97であり、100回目の放電容量値は81で
あった。
【0032】比較例1 正極板は実施例1と同様の材料及び同様の方法で作製し
た。負極板は、シランカップリング剤を用いない以外は
実施例1と同様の材料及び同様の方法で作製した。プレ
ス前の負極の塗工層に、実施例1と同様の方法によりメ
ンディングテープ剥離試験を行い、剥離しなかった個数
を求めた。10回の評価を行った結果、10回とも剥離
しなかった個数は0個であった。
た。負極板は、シランカップリング剤を用いない以外は
実施例1と同様の材料及び同様の方法で作製した。プレ
ス前の負極の塗工層に、実施例1と同様の方法によりメ
ンディングテープ剥離試験を行い、剥離しなかった個数
を求めた。10回の評価を行った結果、10回とも剥離
しなかった個数は0個であった。
【0033】以上で得られた正極板及び負極板を用い、
実施例1と同様の方法により電池を作製した。この電池
に対して実施例1と同様の方法により充放電特性を測定
した。実施例1の1サイクル目に放電容量値を100と
した場合、1サイクル目の放電容量値は96であり、1
00回目の放電容量値は41であった。
実施例1と同様の方法により電池を作製した。この電池
に対して実施例1と同様の方法により充放電特性を測定
した。実施例1の1サイクル目に放電容量値を100と
した場合、1サイクル目の放電容量値は96であり、1
00回目の放電容量値は41であった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
活物質層が金属箔集電体に対して密着性が優れている非
水電解液二次電池用電極板を提供することができる。特
に、本発明においては、集電体として銅箔を用い、カッ
プリング剤としてメルカプト基、アミノ基又はビニルベ
ンジルアミノエチル基を末端に有するカップリング剤の
いずれか1種を用い、且つ活物質として炭素質材料を用
いることによって、負極活物質層の銅箔集電体に対する
密着性が著しく優れ、電池の組立工程及び充放電時に、
活物質層が剥離したり、脱落したり、ひび割れたりする
ことがない非水電解液二次電池用電極板を提供すること
ができる。
活物質層が金属箔集電体に対して密着性が優れている非
水電解液二次電池用電極板を提供することができる。特
に、本発明においては、集電体として銅箔を用い、カッ
プリング剤としてメルカプト基、アミノ基又はビニルベ
ンジルアミノエチル基を末端に有するカップリング剤の
いずれか1種を用い、且つ活物質として炭素質材料を用
いることによって、負極活物質層の銅箔集電体に対する
密着性が著しく優れ、電池の組立工程及び充放電時に、
活物質層が剥離したり、脱落したり、ひび割れたりする
ことがない非水電解液二次電池用電極板を提供すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 進藤 忠文 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 梅田 和夫 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 萬ケ原 徹 福島県いわき市常盤下船尾町杭出作23−6 古河電池株式会社内 (72)発明者 酒井 茂 福島県いわき市常盤下船尾町杭出作23−6 古河電池株式会社内
Claims (8)
- 【請求項1】 集電体面にカップリング剤層を介して活
物質層を形成してなることを特徴とする非水電解液二次
電池用電極板。 - 【請求項2】 活物質が正極活物質である請求項1に記
載の非水電解液二次電池用電極板。 - 【請求項3】 活物質が負極活物質である請求項1に記
載の非水電解液二次電池用電極板。 - 【請求項4】 集電体面にカップリング剤を塗工及び乾
燥後、該カップリング剤層面に活物質と結着剤とを混練
してなる電極用塗工液を塗布及び乾燥して活物質層を形
成することを特徴とする非水電解液二次電池用電極板の
製造方法。 - 【請求項5】 銅箔集電体面に末端基がメルカプト基で
あるカップリング剤を塗工及び乾燥後、該カップリング
剤層面に活物質である炭素質材料と結着剤とを混練して
なる負極用塗工液を塗布及び乾燥して活物質層を形成す
ることを特徴とする非水電解液二次電池用電極板の製造
方法。 - 【請求項6】 銅箔集電体面に末端基がアミノ基である
カップリング剤を塗工及び乾燥後、該カップリング剤層
面に活物質である炭素質材料と結着剤とを混練してなる
負極用塗工液を塗布及び乾燥して活物質層を形成するこ
とを特徴とする非水電解液二次電池用電極板の製造方
法。 - 【請求項7】 銅箔集電体面に末端基がビニルベンジル
アミノエチル基であるカップリング剤を塗工及び乾燥
後、該カップリング剤層面に活物質である炭素質材料と
結着剤とを混練してなる負極用塗工液を塗布及び乾燥し
て活物質層を形成することを特徴とする非水電解液二次
電池用電極板の製造方法。 - 【請求項8】 請求項5〜7に記載の製造方法により作
製されたことを特徴とする非水電解液二次電池用電極
板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8065443A JPH09237625A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | 非水電解液二次電池用電極板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8065443A JPH09237625A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | 非水電解液二次電池用電極板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09237625A true JPH09237625A (ja) | 1997-09-09 |
Family
ID=13287293
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8065443A Pending JPH09237625A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | 非水電解液二次電池用電極板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09237625A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000030694A (ja) * | 1998-07-13 | 2000-01-28 | Dainippon Printing Co Ltd | 非水電解液二次電池用電極板及びその製造方法 |
JP2002198053A (ja) * | 2000-12-26 | 2002-07-12 | Mitsubishi Chemicals Corp | リチウムイオン電池用負極材料 |
US6475554B1 (en) | 1998-03-26 | 2002-11-05 | Tdk Corporation | Method of producing electrode of non-aqueous electrolyte battery |
JP2011023303A (ja) * | 2009-07-17 | 2011-02-03 | Jx Nippon Mining & Metals Corp | リチウムイオン電池集電体用銅箔 |
WO2012029618A1 (ja) * | 2010-08-31 | 2012-03-08 | 協立化学産業株式会社 | 電池又は電気二重層キャパシタ集電体コート用導電性組成物、電池又は電気二重層キャパシタ集電体、電池および電気二重層キャパシタ |
KR101135500B1 (ko) * | 2010-11-25 | 2012-04-13 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬 이차 전지용 음극, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지 |
WO2013018898A1 (ja) * | 2011-08-04 | 2013-02-07 | 三井金属鉱業株式会社 | リチウムイオン二次電池の負極材製造方法及びリチウムイオン二次電池用負極材 |
CN111952669A (zh) * | 2019-05-17 | 2020-11-17 | 中南大学 | 一种锂硫电池及其复合溶剂和电解液 |
-
1996
- 1996-02-27 JP JP8065443A patent/JPH09237625A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6475554B1 (en) | 1998-03-26 | 2002-11-05 | Tdk Corporation | Method of producing electrode of non-aqueous electrolyte battery |
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