JP3550390B2 - 熱電変換素子及び熱電モジュール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体等の発熱体の冷却等に好適に使用される熱電変換素子及び熱電モジュールに関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、ペルチェ効果を利用した熱電変換素子は、電流を流すことにより一端が発熱するとともに他端が吸熱するため、冷却用の熱電変換素子として用いられている。特に、熱電モジュールとしてレーザーダイオードの温度制御、小型で構造が簡単でありフロンレスの冷却装置、冷蔵庫、恒温槽、光検出素子、半導体製造装置等の電子冷却素子、レーザーダイオードの温度調節等への幅広い利用が期待されている。
【0003】
熱電モジュールの構造は、例えば図3に示したように、支持基板22a、22bの表面に、それぞれ配線導体23a、23bが形成され、さらにP型熱電変換素子25a及びN型熱電変換素子25bからなる複数の熱電変換素子25が挟持されるように、半田で接合されている。そして、これらの熱電変換素子25は、電気的に直列になるように配線導体23a、23bで接続し、さらに外部接続端子27にも接続されている。この外部接続端子27には、半田28によって外部配線29が接続し、外部から電力が供給される構造となっている。
【0004】
また、配線導体23a、23bには銅電極が用いられ、熱電変換素子25との半田接合を強固なものとするため、熱電変換素子25と半田の濡れ性を改善し、半田成分の拡散を防止するため、熱電変換素子25の接続面にはNiメッキ等によって電極が形成されている。
【0005】
ところで、室温付近で使用される冷却用熱電モジュールには、冷却特性が優れるという観点からA型結晶(AはBi及び/又はSb、BはTe及び/又はSe)からなる熱電変換素子25が一般的に用いられている。
【0006】
P型熱電変換素子25aにはBiTeとSbTe(テルル化アンチモン)との固溶体が、N型熱電変換素子25bにはBiTeとBiSe(セレン化ビスマス)との固溶体が特に優れた性能を示すことから、このA型結晶(AはBi及び/又はSb、BはTe及び/又はSe)が熱電変換素子として広く用いられている。
【0007】
さらに、P型熱電変換素子25a及びN型熱電変換素子25bを対にしたものを複数直列に電気的に接続し、熱電モジュールが形成される。A型単結晶は熱電特性に優れているため、モジュールに使用される熱電変換素子25として最適であるが、大きく完全な単結晶を得るのが難しいため、熱電特性に優れ、実用的であるA型結晶からなる熱電材料のインゴット板が特表2000−507398号公報に記載されている。
【0008】
即ち、このインゴット板は、多結晶で劈開方向が複数あるものの、劈開方向が26.4°以下に整列されており、優れた熱電特性を維持しつつ、結晶の製造コストを低減したものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特表2000−507398号公報に記載の熱電材料は、劈開方向が特定の範囲に整列されており、熱電特性に優れるものの、メッキで形成した電極が剥離することがあり、不良の発生が多く信頼性に乏しいという問題があった。
【0010】
従って、本発明は、熱電変換素子に対する電極の密着強度が高く、信頼性の高い熱電変換素子及び熱電モジュールを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、劈開面を有する熱電変換素子の表面に電極を形成する場合、電極の密着強度は、電極と劈開面との為す角度に大きく依存するとともに、電極形成面の荒さと電極厚みとの関係が寄与するとの知見に基づくもので、劈開面と電極との為す角度を調整し、電極形成面の表面粗さと電極厚みを制御することで、電極の密着強度を向上し、性能低下や寿命劣化を防止するものである。
【0012】
即ち、本発明の熱電変換素子は、劈開面を有する熱電変換素子と、該熱電変換素子の対向する1対の表面に形成された電極とを具備し、該熱電変換素子における電極の形成面と前記劈開面との為す角度が45°以上、該電極の形成面の表面粗さRが0.1〜5μmであるとともに、該電極の厚みが、前記電極の形成面の最大表面粗さRmaxよりも大きいことを特徴とするものである。
【0013】
特に、前記熱電変換素子が、Bi、Sb、Te及びSeのうち少なくとも2種を含むことが好ましい。これにより、常温付近において良好な冷熱性能が得られる。
【0014】
また、前記角度が略90°であることが好ましい。これにより、電極の良好な密着強度を得ることができる。
【0015】
さらに、前記電極が、Ni、Au、Sn、Pt及びCoのうち少なくとも1種を含むことが好ましい。これにより、良好な半田濡れ性及び半田成分拡散防止効果が得られる。
【0016】
また、前記電極の密着強度が、10MPa以上であることが好ましい。これにより、電極の剥がれに起因する性能劣化及び/又は寿命劣化を防止することができる。
【0017】
さらに、前記電極の厚みが、1〜30μmであることが好ましい。このように厚みを設定することによって、良好な半田濡れ性及び半田成分拡散防止効果が得られる。
【0018】
また、本発明の熱電モジュールは、支持基板と、該支持基板上に複数配列された熱電変換素子と、該複数の熱電変換素子間を電気的に接続する配線導体と、前記支持基板上に設けられ、該配線導体と電気的に連結された外部接続端子とを具備し、前記熱電変換素子の少なくとも一部が上記の熱電変換素子であることを特徴とするものである。これによって、性能安定性に優れ、長寿命の熱電モジュールが実現できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の熱電変換素子は、劈開面を有する熱電変換素子において、まず第一に、熱電変換素子の対向する1対の面に形成された電極とを具備し、該電極と前記劈開面との為す角度が45°以上であることが重要である。
【0020】
即ち、図1に示したように、熱電変換素子1は、劈開面2を内部に有すると共に、熱電変換素子1の互いに対向する表面に電極3が設けられた構造からなり、電極3を形成するための熱電変換素子1の電極形成面4と、劈開面2とのなす角度θが45°以上であることが重要である。
【0021】
角度θが45°より小さい場合、電極3と被電極面の劈開方向が平行に近くなるため、劈開面2間の剥がれが発生しやすくなり、電極3の剥がれやクラックが発生しやすくなる。図4に示した熱電変換素子における角度θは約45°よりも小さいため、劈開面32と電極形成面34との角度が並行に近づくため、劈開面32から剥離が生じ、それに伴って電極33の一部が剥離する。
【0022】
従って、電極3の剥離をより効果的に防止するため、電極3と劈開面2との為す角度θは、特に60°以上、更には70°以上、より好適には80°以上が好ましく、略90°であることが最も好適である。図2は、角度θが略90°の場合である。
【0023】
第二に、本発明の熱電変換素子1は、劈開面2を有する熱電変換素子1において、電極形成面4の表面粗さRaが、0.1〜5μmであることが重要である。
【0024】
角度θが45°以上であっても、電極形成面は、図5(a)に示すように、劈開面2で段差45が生じており、特に切断面は凹凸が激しい。そのため、このように表面粗さの大きな面に電極3を形成しても剥離が生じやすく、従来のインゴット板では信頼性が低い原因となっていた。
【0025】
本発明によれば、このような劈開に起因する電極形成面4の表面粗さRを0.1〜5μmに制御することにより、劈開面端部46に形成される段差45を小さくすることにより、機械的に剥離を生じにくくなるとともに、電極3の平滑性を維持して半田の濡れ性の低下を防止することが容易となるため、密着強度を改善することが可能となる。また、アンカー効果をより向上して密着強度をさらに高めるため、特に、Rが0.3〜3μm、更には0.5〜2μmであることが好ましい。
【0026】
図5(b)は、劈開面2が電極形成面4と略90°(略垂直)の場合であるが、この場合にも劈開による段差が生じており、この段差を小さくする、即ちRを0.1〜5μmに制御することが重要である。
【0027】
第三に、本発明の熱電変換素子1は、劈開面2を有する熱電変換素子1において、電極3の厚みが最大表面粗さRmaxよりも大きいことが重要である。図5(a)において、電極厚みが最大表面粗さRmaxよりも小さいと、劈開面端部46のエッジ部が欠けやすくなるとともに、さらに後工程におけるダイシングで生じる劈開によって剥離しやすい。
【0028】
電極3の厚みが最大表面粗さRmaxよりも大きくすることによって、劈開面端部46のエッジ部を保護するとともに、電極厚みによって劈開を防止することが可能となる。
【0029】
特に、前記電極3の厚みは、1〜30μm、更には3〜20μm、より好適には5〜15μmであることが好ましい。このような範囲に電極厚みを設定することによって、良好な半田濡れ性及び半田成分拡散防止効果を得ることができ、熱抵抗増大による冷熱性能の劣化を容易に防止することができる。
【0030】
また、本発明の熱電変換素子1は、Bi、Sb、Te、Seのうち少なくとも2種を含むことが好ましい。このような材料は性能指数に優れ、特に、A型金属間化合物であることが好ましく、例えばAがBi及び/又はSb、BがTe及び/又はSeからなる半導体結晶であって、組成比B/Aが1.4〜1.6であることが、室温における性能指数を高めるために好ましい。
【0031】
そこで、熱電変換素子の原料としては、A型金属間化合物粉末を用いることが好ましい。即ち、公知であるBiTe、SbTe、BiSeの少なくとも1種であることが好ましく、固溶体としてBiTeとBiSeの固溶体であるBiTe3−xSe(x=0.05〜0.25)、又はBiTeとSbTeの固溶体であるBiSb2−xTe(x=0.1〜0.6)等を例示できる。
【0032】
また、金属間化合物を効率よく半導体化するために、不純物をドーパントとして添加することができる。例えば、原料粉末にI、Cl及びBr等のハロゲン元素を含む化合物を含有せしめることにより、N型熱電変換素子を製造することができる。例えば、AgI粉末、CuBr粉末、SbI粉末、SbCl粉末、SbBr粉末、HgBr粉末等を単独または複数加えることにより、金属間化合物半導体中のキャリア濃度を調整することができ、その結果、性能指数を高めることが可能となる。上記のハロゲン元素は、効率的な半導体化の点で、0.01〜5重量%、特に0.05〜4重量%の割合で含むことが好ましい。
【0033】
さらに、P型熱電変換素子を製造する場合には、キャリア濃度調整のためにTeを添加することができ、N型熱電変換素子と同様に、性能指数を高めることができる。これにより、常温付近において良好な冷熱性能が得られる。
【0034】
さらに、前記電極3が、Ni、Au、Sn、Pt、Coのうち少なくとも1種を含むことが好ましい。特に、NiとAuを2層に積層することにより、Ni層で半田成分の拡散を抑制し、Au層で半田との濡れを向上させることができるので好ましい。またNi層は、適宜Ni−B系、Ni−P系を単独又は2層積層して、密着性、半田成分拡散防止性を向上させることも有効である。
【0035】
さらにまた、前記電極3の密着強度が、10MPa以上、特に12MPa以上、更には14MPa以上であることが好ましい。ここれにより、電極3の剥がれに起因する性能劣化及び/又は寿命劣化を防止することができる。
【0036】
なお、本発明における密着強度は、電極3の引っ張り強度で評価をおこなうものであり、その測定は、電極層を1mm角の大きさに切断し、電極3にリード線を半田付けして引っ張り強度を測定するものである。
【0037】
次に、本発明の熱電変換素子の製造方法について説明する。なお、以下記載の製造方法は、一例を示すものであって、限定するものではない。
【0038】
本発明の熱電変換素子は、周知の方法によって得られるものであり、例えば、単結晶法、溶製法によって大きな結晶を得ることができ、また、原料粉末を一軸プレス成形、テープ成形法、熱間押し出し法等によって成形しこれを常圧焼結法、加圧焼結法、ホットプレス焼結法、高温等方圧プレス(HIP)焼結法等の焼結法、鍛造法等によって焼結体を製造することができる。以下に、一例として、単結晶法を用いた場合について説明する。
【0039】
まず、熱電変換素子の原料粉末として、純度99.9%以上、平均粒径1〜100μmの粉末を準備する。粉末は、Te、Bi、Sb、Seを所定量秤量し、溶融する。このとき不活性ガスを封入した密閉容器中で溶融することにより、原料の酸化と成分の揮発による組成変動を抑制することができる。攪拌しながら十分合金化した後、冷却し、溶製材インゴットを得る。このようにして得られたインゴットを粗粉砕し、再度不活性ガスを封入した密閉容器中で溶融する。
【0040】
なお、この時、上記金属間化合物を効率よく半導体化するために、不純物をドーパントとして、原料粉末にI、Cl及びBr等のハロゲン元素を含む化合物を含有せしめることにより、N型半導体結晶からなる熱電変換素子を製造することができる。
【0041】
例えば、AgI粉末、CuBr粉末、SbI粉末、SbCl粉末、SbBr粉末、HgBr粉末等を加えることにより、金属間化合物半導体中のキャリア濃度を調整することができ、その結果、性能指数を高めることが可能となる。上記のハロゲン元素は、効率的な半導体化の点で、0.01〜5重量%、特に0.05〜4重量%の割合で含むことが好ましい。
【0042】
また、P型熱電変換素子を製造する場合には、同様にして、まずP型半導体結晶を作製する。P型半導体結晶中のキャリア濃度調整のためにTeを添加することができ、N型半導体結晶と同様に、性能指数を高めることができる。
【0043】
このようにして得られた溶融合金を一端から徐々に冷却、固化させることにより、一方向に結晶配向した熱電変換素子を得ることができる。この時、固化開始端に種結晶を設置することにより、より一方向に配向した熱電変換素子を得ることができる。
【0044】
このようにして得られた熱電変換素子1は、所望により水素気流中で熱処理することにより、酸素を還元することができる。
【0045】
得られた熱電変換素子1は、所望の厚さで劈開面2に対し45°以上の角度になるようにスライスする。スライスは、ワイヤーソー、ホイールソー等の公知の手法を用いることができる。
【0046】
スライスした断面のうち、少なくとも電極形成面4を、表面粗さRが0.1〜5μmとなるように研磨する。研磨の手法は周知の研磨法を使用することができる。
【0047】
得られた電極形成面4に、電界メッキや無電界メッキ等のメッキ法、気相法(PVD法やCVD等)等の公知の手法でNi薄膜を形成して、電極3を形成する。特に、簡単な設備で、低コストで密着性の高い薄膜が得られるメッキ法を用いることが好ましい。なお、半田との濡れ性を向上させるため、Ni上にさらにAuを積層することもできる。また、電極厚みが最大表面粗さRmaxよりも大きくなるようにメッキを実施することが重要である。得られたメッキ済みウエハーは、所望のサイズにダイシングし、熱電モジュールを作製する。
【0048】
なお熱電変換素子インゴットのスライス断面形状を、作製するモジュールに使用するエレメントと同形状にすると、スライスのみで所望の形状のエレメントが得られるため、ダイシングする工程が省略できる。この場合、熱電変換素子インゴットの表面に、メッキレジスト層を形成した後、スライスし、メッキし、レジストを除去して熱電変換素子を得ることができる。
【0049】
本発明の熱電モジュールは、図3のように、支持基板22a、22bの上に配線導体23a、23bを形成し、配線導体23aと接続するように支持基板22a、22bで上記の熱電変換素子25を挟持する。この熱電変換素子25は、P型熱電変換素子(25a)及びN型熱電変換素子(25b)からなり、配線導体23a、23bによりP、N、P、Nの順に交互に且つ電気的に直列に接続される。さらに、配線導体23a、23bは外部接続端子27に接続し、外部から動作電源を供給する。
【0050】
このような構成にすることにより、温度制御に好適に応用される熱電モジュールを作製することができ、これによって、長寿命で、特性が安定性した熱電モジュールが実現できる。
【0051】
【実施例】
実施例1
出発原料には、純度99.99%以上のビスマス、テルル、およびセレンをn型としてBiTe2.85Se0.15となるように秤量し、これらの混合粉末をそれぞれパイレックスガラス管に真空封入しロッキング炉にて溶融・攪拌後冷却することにより熱電半導体材料インゴットを作製した。その後スタンプミルを用いて粗粉砕した。その後粗粉砕原料とSbIを0.1質量%、HgBrを0.質量%の割合で再度パイレックスガラス管に真空封入し、溶融・攪拌後、一端から徐々に冷却、固化させた。
【0052】
冷却後ガラス管から取り出し、劈開面と電極形成面の角度θが表1の角度になるようにスライスした。このようにして得られたウエハーを無電解メッキ法にて、表1に示す材質からなる第1電極を表1の厚みに形成し、その上に0.5μmのAu層からなる第2電極を形成し、2層からなる電極を作製した。そして、1mm角にダイシングし、熱電モジュール用の熱電変換素子とした。
【0053】
得られた熱電変換素子の端面を研磨し、表1に示す表面粗さR、最大表面粗さRmaxを得た。表面粗さR、最大表面粗さRmaxは接触式表面粗さ計を用いて測定した。
【0054】
また、電極の厚みは断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定し、電極の密着強度の測定は、電極にリード線を半田付けし、リード線を引張りながら電極を剥離させ、その時に必要な力、及び剥離面積から剥離強度を測定した。
【0055】
また、光学顕微鏡を用いて、外観検査を行い、電極の剥離の有無を調べた。この結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 0003550390
【0057】
本発明の試料No.3〜13、18〜28は、電極の形成面の表面粗さRが0.1〜5μmであるとともに、電極厚みが電極形成面の最大表面粗さRmaxより大きく、劈開面と電極の角度θが45°以上であり、電極の密着強度が10MPa以上で、電極の剥離は観察されなかった。
【0058】
一方、角度θが45°に満たない本発明の範囲外である試料No.1、2、16、17は電極の剥離強度が10MPaより低く、電極の剥離が観察された。
【0059】
また、電極の厚みが電極形成面の最大表面粗さRmaxよりも小さい本発明の範囲外の試料No.14、15は、密着強度が6MPa以下と小さく、剥離が観察された。
実施例2
実施例1で用いた試料No.6及び21をそれぞれ23個を用いて図3に示すような熱電モジュールを作製した。得られたモジュールの性能は、△Tmax=72℃であった。また、比較として、No.1及び16をそれぞれ23個を用い、同様にして図3に示す熱電モジュールを作製した。
【0060】
そして、2枚の支持基板間の温度差が75℃になるように、熱電モジュールに電圧を印加し、次に印加した電圧を1分間停止し、さらに電圧を加えるサイクルテストを1000回行った。
【0061】
本発明の熱電モジュールは、サイクルテスト後も正常に機能したが、比較の熱電モジュールは電極に剥離が生じ、サイクルテストの825回目で冷却が不能となり、寿命が短かった。
【0062】
【発明の効果】
本発明によって、密着強度の良好な電極が形成されてなる熱電変換素子を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱電モジュールに用いる熱電変換素子の概略断面図である。
【図2】本発明の他の熱電モジュールに用いる熱電変換素子の概略断面図である。
【図3】熱電モジュールの概略を示す斜視図である。
【図4】従来の熱電変換素子の概略断面図である。
【図5】熱電変換素子の表面状態を示す模式図であり、(a)はθが45°よりも小さい場合、(b)はθが略90°の場合である。
【符号の説明】
1、11・・・熱電変換素子
2、12・・・劈開面
3、13・・・電極
4、14・・・電極形成面
45・・・段差

Claims (7)

  1. 劈開面を有する熱電変換素子と、該熱電変換素子の対向する1対の表面に形成された電極とを具備し、該熱電変換素子における電極の形成面と前記劈開面との為す角度が45°以上、該電極の形成面の表面粗さRが0.1〜5μmであるとともに、該電極の厚みが、前記電極の形成面の最大表面粗さRmaxよりも大きいことを特徴とする熱電変換素子。
  2. 前記熱電変換素子が、Bi、Sb、Te及びSeのうち少なくとも2種を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子。
  3. 前記角度が略90°であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱電変換素子。
  4. 前記電極が、Ni、Au、Sn、Pt及びCoのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱電変換素子。
  5. 前記電極の密着強度が、10MPa以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の熱電変換素子。
  6. 前記電極の厚みが、1〜30μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の熱電変換素子。
  7. 支持基板と、該支持基板上に複数配列された熱電変換素子と、該複数の熱電変換素子間を電気的に接続する配線導体と、前記支持基板上に設けられ、該配線導体と電気的に連結された外部接続端子とを具備し、前記熱電変換素子の少なくとも一部が請求項1乃至6のいずれかに記載の熱電変換素子であることを特徴とする熱電モジュール。
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