JP3546060B2 - パネル状要素の結合用プラスチックナット - Google Patents
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Description
このタイプのナットがドイツ特許公開第2928619号に開示されている。既知のナットはプラスチックから一体部品に成形されかつ本質的にナット部品を含み,ナット部品にねじのための受入内孔が設けられかつナット部品はフィルムヒンジを介してその両側に設けられた2つのフランジ半割部に結合されている。各ケースにおけるフィルムヒンジを介してのナット部品の2つのフランジ半割部への結合は,横方向に伸長するフランジ半割部を備えた全体構造要素が1つの金型内で射出成形されることを可能にし,さらにフィルムヒンジに弾性があるので2つのフランジ半割部をナット部品に圧着させることができ,これによりプラスチックナット完成品を形成し,この場合ナット部品は軸方向に変位不可能に2つのフランジ半割部に結合されている。挿入スロープがその上に設けられたスナップ動作フックがナット部品から横方向に突出し,プラスチックナットがパネル状要素内の貫通孔内に挿入されたときにこれらのフックが相互に圧着され,フランジ半割部が要素に当接したときにこれらのフックはばね作用で戻りかつこの過程において要素の後側にラッチ係止する。スナップ動作フックとフランジ半割部との間の所定の距離のために,既知のプラスチックナットは厚さが前記距離を超えてないかぎり異なる厚さのパネル状要素内の貫通孔内に挿入することができる。しかしながら,フランジ半割部とスナップ動作フックとの間にパネル状要素の遊びが形成されるために,プラスチックナットはそれが貫通孔内に挿入されたときに緩く保持されるにすぎず,プレハブ装着構造要素の場合,とくに輸送中および後の使用においてこのような状況は望ましくない。既知のプラスチックナットの場合,パネル状要素への固定結合はねじにより行われ,ねじがナット部品内にねじ込まれることによりナット部品のスナップ動作フックと共にナット部品をフランジ半割部の方向に引き寄せ,この結果,フィルムヒンジが破断しかつねじ込み運動の動作によりナット部品はそのスナップ動作フックによってパネル状要素に圧着される。ねじが緩められたとき,プラスチックナットはこのとき必ずパネル状要素から緩められる。
プラスチックナットが要素の個々の厚さに自動的に適合しかつ振動のない結合を形成するように異なる厚さのパネル状要素に装着可能な冒頭記載のタイプのプラスチックナットを提供することが本発明の課題である。
この課題は,フランジ部品に対し軸方向に移動可能なナット部品がばね領域を形成する弾性支持装置によりフランジ部品の方向に圧着され,したがって,プラスチックナットが挿入されたときばね領域がナット部品およびフランジ部品を要素に当接させ,この過程において要素の異なる厚さが補償されることにおいて達成される。
ナット部品とフランジ半割部との間で作用するばね領域は弾性支持装置を提供し,この弾性支持装置によりナット部品は自動的にフランジの方向に圧着され,この結果,ばね領域により与えられるばね応力によりプラスチックナットは振動しないようにそのフランジおよびそのスナップ動作フックによって要素に固定され,したがってプラスチックナットと要素との間に揺動結合したがってがたつき結合が形成されることはない。したがって,このばね領域は,プラスチックナットを受け入れる要素の異なる厚さを補償しながら,プラスチックナットが挿入されたときにナット部品およびフランジ部品がねじの締付作用とは独立に要素と当接することを可能にし,この結果,プラスチックナットを挿入しただけで要素とプラスチックナットとの間の振動のない結合が形成されることになる。
ねじがナット部品にねじ込まれて締め付けられるときにナット部品がフランジ部品に対して回転するのを防止するために,フランジ部品はナット部品のためのガイドを有し,このガイドによりフランジ部品はナット部品が回転しないようにナット部品を保持する。
ナット部品がばね領域を形成する弾性支持装置によりフランジの方向に圧着されていることは好ましい。このとき,プラスチックナットはそれ自身を関連する要素に固定し,この結果,ばね領域の範囲内で弾性支持装置が変形したときプラスチックナットはそれが振動しないように要素に対し位置決めされ,したがってプラスチックナットと要素との間に揺動結合したがってがたつき結合が形成されることはない。ここで,プラスチックナットがとくに薄い要素内に挿入されたときプラスチックナットは要素に緩く当接するにすぎないが,最終的な要素への締付は,他のプラハブ組立体をパネル状要素へ締め付けるためのねじの締付作用がプラスチックナットを要素上に固定したときに形成される。
ばね領域は,プラスチックナットを受け入れる要素の異なる厚さを補償しながら,プラスチックナットが挿入されたときにナット部品およびフランジ部品が要素に当接することを可能にし,この結果,要素とプラスチックナットとの間の振動のない結合が形成される。
フランジがプレートとして設計され,このときナット部品にスナップ動作フックが設けられていることは好ましい。プラスチックナットが要素内に挿入されたとき,プレートとして設計されたフランジは要素と当接し,一方反対側でナット部品のスナップ動作フックが要素の後側でラッチ係止し,これによりプラスチックナットを要素に結合する。
プラスチックナットの他の可能な構成は,フランジ部品が各々にスナップ動作フックが設けられているセグメントに分割されていることである。この場合,プラスチックナットはフランジに結合されているスナップ動作フックにより要素にラッチ係止し,ナット部品はスナップ動作フックで当接する。
ナット部品にスナップ動作フックが設けられている場合,このプラスチックナットはとくにナット部品を前方にして要素内の貫通孔内に挿入されるのに適している。逆にフランジにスナップ動作フックが設けられている場合,フランジを前方にしてナット部品を要素内の貫通孔内に挿入させることが可能となる。さらに,フランジにスナップ動作フックを設けるばかりでなく,ナット部品にもスナップ動作フックを設けることが可能であり,この結果,このようなプラスチックナットは要素のいずれの側からも要素内の貫通孔内に挿入することができる。
ナット部品が確実にフランジ部品内に案内されるようにするために,フランジ部品がナット部品をスリーブ状に包囲するようにフランジ部品が形成されていることは好ましい。
ストリップ装置の過大応力を回避するために,フランジ部品およびナット部品に軸方向運動範囲を制限するためのストッパが設けられていることは好ましい。
ナット部品およびフランジ部品の有利な製造は,ナット部品およびフランジ部品が,弾性支持装置を形成するプラスチックストリップを介して相互に一体に結合されていることにおいて達成することができる。
ナット部品およびフランジ部品はラッチ係止手段により相互に保持されてもよく,ラッチ係止手段はナット部品がフランジ部品内に圧入されたときに効果を示す。
適切な構成においては,ラッチ係止手段が弾性ストリップを包むことは好ましい。
ねじがナット部品内にねじ込まれるときに同時にフランジ部品が回転しないように,フランジのナット部品の方向を向く側に,フランジに,貫通孔内にはめ合いをなす回り止め手段が設けられていることは好ましい。
プラスチックナットはそれが貫通孔をシールするように形成してもよい。これは,フランジにシール領域が設けられていることにおいて達成される。
プラスチックナットが好ましくはねじを受け入れるように構成するために,ナット部品内の受入内孔がフランジの方向を向く側に貫通孔を形成し,かつ前記貫通孔に隣接するより狭い隣接を有するように受入内孔が構成されていることは好ましい。このとき,受入内孔はまず受入内孔を形成するその全長にわたりねじを受け入れることを可能にし,これによりねじは次のねじ込み作業のために案内される。このとき,貫通孔に隣接するより狭い領域はねじのねじ山を受け入れるために設けられている。このために,より狭い領域がタッピンねじをねじ込み可能な直径を有してもよい。しかしながら,より狭い領域にねじ込まれるねじのねじ山に一致するねじ山が設けられていてもよい。ねじのねじ込みを容易にするために,受入内孔に,そのより狭い領域への移行部に1つまたは複数の段を有するねじ山状スロープが設けられていることは好ましく,この段内にねじを容易にねじ込むことができる。
要素の異なる厚さを補償する可能性を拡張するために,フランジの要素の方向を向く側に,フランジに,要素のフランジから離れる方向の側の後側にラッチ係止可能なラッチ係止ノーズが設けられていてもよい。この場合,弾性ストリップの領域は本質的に特定の厚さの要素に対し設計され,プラスチックナットがとくに薄い要素に装着される場合,ラッチ係止ノーズによりプラスチックナットを要素に固定することができる。
プラスチックナットは,それにより受け入れられるねじの位置に関し,フランジ部品に対ししたがってパネル状要素内の貫通孔に対して比較的大きな公差を補償するために使用されるように構成されてもよい。これは,ナット部品がフランジ部品に対し半径方向に相互変位を可能にするある程度の遊びを有していることにおいて達成される。したがって,フランジ部品はこのある程度の遊びを設けてナット部品を案内し,この結果,ナット部品内にねじ込まれるねじはこのある程度の遊びの範囲内で要素に対するそれ自身の位置を決定することができる。
スナップ動作フックを特定の方法で作動させることもまた可能である。とくに,スナップ動作フックがナット部品に弾性結合されてもよく,これにより,挿入されたときにスナップ動作フックが本質的に貫通孔内を自由に通過し,ラッチ係止させるためにねじのねじ込み動作によりスナップ動作フックを外方に圧着可能である。これはパネル状要素内の貫通孔内へのプラスチックナットの挿入を容易にし,このことはとくに破損しやすい材料から構成された要素の場合に本質的に重要である。これは,特殊な構成の場合に,スナップ動作フックが貫通孔内をほとんど接触することなく通過し,この結果,スナップ動作フックがパネル状要素の材料に悪影響を与えることがないという理由からである。スナップ動作フックをラッチ係止させるためにねじのねじ込み動作が使用され,このねじは,ナット部品内の受入内孔内にねじ込まれたときにスナップ動作フックを外方に圧着し,この結果,スナップ動作フックはフランジから離れる方向の側において要素に対し位置決めされる。このように,プラスチックナットと要素との間の固定結合はねじがスナップ動作フックに対し半径方向に与える圧力により形成することができる。
他の構成は,スナップ動作フックがナット部品と一体に剛に結合され,ナット部品が弾性支持装置を介してフランジ部品と結合され,弾性支持装置がナット部品をフランジ部品の方向に圧着しかつナット部品をスナップ動作フックと共にフランジ部品に対し回転弾性を有するように保持することからなっている。プラスチックナットのこの構成はプラスチックナットが貫通孔内に挿入されることを可能にし,貫通孔内において,貫通孔内にはめ合いをなしかつプラスチックナット上に設けられた回り止め手段によりプラスチックナットそれ自身が回転しないように保持され,ナット部品が回転弾性を有してフランジ部品に対して保持されていることにより,前記ナット部品に剛に結合されているスナップ動作フックを貫通孔の切欠部内に案内可能な位置にナット部品を回転させることが可能である。このとき,回転弾性を有するように保持されているので,スナップ動作フックは要素の後側においてばね作用で戻り,この場合,スナップ動作フックはそれ自身を要素の後側で位置決めしかつ要素に対し圧着し,これによりプラスチックナットは要素に結合される。
本発明の例示実施態様を図により説明する。ここで,
図1a−dはスナップ動作フックがフランジ部品の構成部分を形成する場合のプラスチックナットの4図面を示し,
図2a−cは図1に示すプラスチックナットのフランジ部分のみの3面図を示し,
図3a−cは図1に示すプラスチックナットのナット部品のみの3面図を示し,
図4a−dはさらに波形支持装置を有する図1に示すプラスチックナットを示し,
図5a−dはスナップ動作フックがナット部品上に設けられかつ弾性ストリップが支持装置を形成する場合のプラスチックナットの4面図を示し,
図6a−cは図5に示すプラスチックナットのフランジ部分のみの3面図を示し,
図7a−cは図5に示すプラスチックナットのナット部品のみの3面図を示し,
図8はパネル状要素に装着されかつねじがねじ込まれたプレハブ組立体を有する図5に示すプラスチックナットの組立配置を示し,
図9はスナップ動作フックがナット部品とフランジ部品との両方に設けられた場合のプラスチックナットを示し,
図10aおよびbはフランジ部品およびナット部品が2つの分離部品として設計された場合のプラスチックナットの2面図を示し,
図11は特定の方法で回転を防止させることを可能にする貫通孔を有するパネル状要素を示し,
図12は回転を防止させるバーをフランジ部品上に有する図5dに示すプラスチックナットの図を示し,
図13はフランジ部品およびナット部品が分離部品からなる場合の図10aおよびbに示すプラスチックナットの修正態様を示し,
図14はシールが設けられたプラスチックナットを示し,
図15は図5に示すプラスチックナットに類似しかつ追加のラッチ係止ノーズによる固定手段を有するプラスチックナットを示し,
図16a−dはねじのねじ込み動作により外方に圧着可能なスナップ動作フックを有する構成の4面図を示し,
図17a−dはフランジ部品に対し回転弾性を有するように設けられかつナット部品に剛に結合されたスナップ動作フックを有する実施態様の同様な4面図を示し,
図18a−cは図17に示すプラスチックナットのフランジ部品のみの3面図を示し,
図19a−cは図17に示すプラスチックナットのナット部品のみの3面図を示し,および
図20はプラスチックナットを装着するための切欠部を有するパネル状要素を示す。
図1a−dに示した例示実施態様はフランジにスナップ動作フックが設けられた場合のプラスチックナットである。
図1aおよびbはいずれもフランジ部品31で完全に組み立てられた状態にあるプラスチックナット30の側面図を示し,フランジ部品31はフランジセグメント32,33と一体に結合され,フランジセグメント32,33は半径方向外方にスナップ動作フック34,35において終端している。ナット部品がフランジ部品31に対して軸方向に変位可能なような精度でナット部品36をスリーブ状に包囲している。ナット部品36から半径方向外方に2つの当接部37,38が突出し,これらの2つの当接部37,38は図3a−cに示すとくにナット部品の図からよくわかる。当接部37および38はナット部品36に本質的に剛に結合されている。図1cはプラスチックナット30の頂面図を示し,この図は2つの当接部37および38とスナップ動作フック34および35とを明確に示している。さらに,図1cは貫通孔41とこの場合ブラインドホールとして設計されたより狭い領域42とからなる受入内孔を示し,これらの部分は図5a−dに示す同じ符号を有する部分と同様な働きをする。図1dはプラスチックナット30の底面図を示す。ここで,ナット部品36のフランジ部品31に対する軸方向運動範囲を制限するための手段が図5に示す例示実施態様と同様に構成されている。
図2a−cはフランジ部品31のみの3面図を示す。図3a−cはナット部品36のみの3面図を示す。
図4a−dは図1a−dに示したプラスチックナットを示すが,この場合,ナットにばね領域を形成する弾性支持装置39a,40aが追加されている。図1,2,3および4の図に対して同じ符合が使用されているが,図4a−dに示すプラスチックナットに関してはすべての符合に“a"が追加されている。
ナット部品36aおよびフランジ部品31aは波形支持装置39a,40aにより相互に結合され,波形支持装置39a,40aはいずれの場合もスナップ動作フック34a,35aから離れる方向にフランジ部品31aから1つのレグとして突出しかつピーク40aを有する波形ラインを形成し,このピーク40aがピーク40aの方向を向くナット部品36aの端部を圧着している。支持装置39a,40aの弾性によりナット部品36aはスナップ動作フック34a,35aから離れる方向に変位可能であり,この結果,図4b(図1bも使用)に示す距離Aをそれに応じて変化とくに増加させることができる。
支持装置39a,40aがある方法でたとえば接着結合でナット部品36aの端部側に結合されている場合,フランジ部品31aとナット部品36aとの間に固定結合が形成されるが,ナット部品36aおよびフランジ31aが支持装置39a,40aと共にプラスチック材料から1回の作業で射出成形された場合,この結合を一体部品の中に形成するように設計することもまた可能である。図4a−dに示すプラスチックナットのこれ以外の構成および作業モードに関しては,図1a−dに関する対応説明が参照される。
図5a−dに示す例示実施態様はナット部品にスナップ動作フックが設けられた場合のプラスチックナットである。
図5aおよびbはいずれもフランジ3と一体に結合されたフランジ部品2で完全に組み立てられた状態のプラスチックナット1の側面図を示す。ナット部品4がフランジ部品2に対して軸方向に変位可能なような精度でフランジ部品2はナット部品4をスリーブ状に包囲している。2つのスナップ動作フック5および6はナット部品4から半径方向外方に突出し,前記フックのフランジ3の方向を向く当接面7および8は,ナット部品4の方向を向く当接面9および10から距離Aを維持している。この距離Aはプラスチックナット1が装着されていない状態において与えられる。図5aにおいてプラスチックナット1の内部構成をわかりやすくするために,図5aにおいてフランジ部品2およびナット部品4の手前側の一部が破断されてナット部品4内のねじ(図示されていない)の受入内孔を露出させ,この受入内孔は貫通孔11と,貫通孔11より小さい直径を有するそれに隣接するより狭い領域12とを形成し,この結果,受入内孔11/12内にねじ込まれたねじはまず貫通孔11の領域内で自由に案内され,ねじがさらにより狭い領域12内にねじ込まれたときこの領域内にねじ山をタッピンするかまたは領域12内にあらかじめ設けられたねじ山内にねじ込まれる(前記ねじ山は図5aに図示されていない)。貫通孔11はフランジ3の方向にフランジ3内の丸い貫通通路29に継続し,この結果,プラスチックナット1内に挿入されるねじをフランジ3内で案内しかつ貫通孔11内に挿入させることができる。図からわかるように,貫通通路29は貫通孔11より大きい直径を有し,この結果,フランジ側からツールにより図5cに見えるナット部品4の端面99/100に軸方向圧力を加えることが可能であり,このときこの圧力はプラスチックナット1を要素内の貫通孔内に圧入させる。
フランジ部品2およびナット部品4は2つの弾性ストリップ13および14により相互に結合されている。弾性ストリップ13および14はフランジ3から離れる方向にフランジ部品2から一方のレグとして突出しかつU形状を形成し,U形状はその他方のレグをナット部品4のフランジから離れる方向の側に当接して位置決めされ,前記他方のレグは前記ナット部品に固定結合されている。このケースはフランジ部品2およびナット部品4を含みかつ一体部品に射出成形された単一プラスチック部品に関するものであり,この結果,2つの弾性ストリップ13および14は同様にプラスチックから構成されかつそれらの比較的薄い肉厚により十分な弾性を有している。この弾性により,ナット部品4は軸方向にフランジから離れる方向に変位可能であり,この結果,それに対応して距離Aを増加させることができる。
フランジ部品2は半径方向に相互変位を可能にするある程度の遊びSを設けてナット部品4を案内する(図5a,bおよびdを参照)。この遊びSは上記の3つの図に示すように,フランジ部品2がナット部品4をスリーブ状に包囲する領域内でフランジ部品2とナット部品4との間の距離により形成されている。この構成はナット部品4がフランジ部品に対し半径方向に変位することを可能にし,ストリップ13,14はそれらの弾性によりそれに対応してたわむことができる。これはフランジ部品2およびナット部品4の寸法公差を補償することを可能にし,さらにこれにより,ねじがオフセットされている場合,遊びSの範囲内でナット部品4をオフセットしているねじに適合させることができる(図8参照)。
図5cは線I−Iによる断面図を示し,これにより図5c内に当接面7および8を見ることができる。また,フランジ部品2とナット部品4とを相互に結合するストリップ13,14の曲げ部分15および16も見ることができる。スリット17および18はスナップ動作フック5および6が弾性的に移動できるようにし,これらのスリットはフランジ3の側面からナット部品4内に伸長している。この結果,ナット部品内に領域Pのみが残り,この領域はスナップ動作フック5および6が動けるようにする断面を有している。
図5dはフランジ3から離れる方向の側から見たプラスチックナットを示し,この場合,2つのスナップ動作フック5および6および弾性ストリップ13および14は手前側を向いている。この図はまた,より狭い領域12およびナット部品4をスリーブ状に包囲するフランジ部品2を示している。
フランジ3から離れる方向の側にフランジ部品2に入口スロープ19が設けられ,入口スロープ19はプラスチックナット1の要素内の貫通孔内への挿入を容易にし,またこの挿入作業を自動的に行うことを可能にする。
図5aはまたフランジ3から離れる方向のフランジ部品2の領域内にストッパ20,21を示し,ストッパ20,21はスリット17および18の間でフランジ部品2上に形成されかつスナップ動作フック5および6上の対応するストッパ22,23と相互作用する。したがって,スナップ動作フック5および6を有するナット部品4は,ストッパ20−22および21−23が相互に接触してナット部品4のフランジ部品2に対する変位を制限する時点までフランジ3から離れる方向に圧着させることができる。これはまた当接面7/9と8/10との間の最大距離Aを規定し,すなわちプラスチックナット1は対応する厚さのパネル状要素に装着するために使用することができる。
図5cは各ケースにおけるフランジ部品2内の1つの窓24(図6bも参照)を示し,窓24内をスナップ動作フック5または6が貫通している。軸方向に走る窓24の縁はナット部品4のフランジ部品2に対する回転を制限するストッパを形成し,これによりフランジ部品2はナット部品4が回転しないようにナット部品4を案内する。
図6a−cはフランジ部品2のみの3面図を示し,ここに前記フランジ部品にまで通じている弾性ストリップ13および14のこれらのレグが詳細に示されている。
図6bもまたフランジ部品2内の窓24を示し,この窓24を貫通してナット部品4のスナップ動作フック5および6が突出している。窓24の幅はスリット17および18の外壁により決定されるので,窓24の幅は図5bからもわかる。
図7a−cはナット部分4のみの3面図を示し,図7aにおいて一点鎖線は2つのスナップ動作フック5および6の相互曲げ位置を示している。これは,スナップ動作フック5および6が要素内の貫通孔内に挿入されたときにスナップ動作フック5および6がどのように動くかを示すことを目的としている。関連するプラスチックナットのナット部品がそのフランジ3により要素と接触したとき,スナップ動作フック5および6はばね作用によりそれらの通常位置に戻り,したがって要素の後側にラッチ係止する。
図8はパネル状要素25に結合された図5a−d,6a−cおよび7a−cに示すプラスチックナット1を示し,要素25はフランジ3とスナップ動作フック5および6との間に保持され,フランジ3およびスナップ動作フック5および6は弾性ストリップ13および14内の固有の応力により相互に圧着される。フランジ部品2が要素25内の貫通孔26内を貫通したこの位置において,構造要素28(プレハブ組立体)を固定するためにねじ27がナット部品24内にねじ込まれ,前記ねじはねじの頭により構造要素28をプラスチックナット1したがってパネル状要素25の方向に引き寄せ,これにより前記構造要素を要素25に固定する。
パネル状要素25は,たとえば任意のタイプの継手,プレハブ組立体等をその上に固定しなければならない車両内の任意のタイプのパネルであってよく,このために荷重を支えかつ振動しない丈夫な結合が必要であり,この結合のために要素の壁の強度だけでは通常十分な強度を与えることはできない。この場合,本発明によるプラスチックナットは,上記のプレハブ組立体の装着作業がプレハブ組立体が装着される側での操作を必要とするだけであり,すなわち本発明によるプラスチックナットの構成および装着方法は実際にプラスチックナットをパネル状要素の構成部品とするので,たとえばナットを固定するために要素の後側で行われるいかなる操作も必要としないという利点を有している。この場合,ナット部品により自動的に提供されるプラスチックナットの長さは,プラスチックナット内にねじ込まれるねじが複数のねじ山によりナット部品の全長にわたり固定され,これによりねじがナット部品内に確実にアンカーされるという点において要素およびプレハブ組立体にとって有利である。
図4に示すプラスチックナット30aが弾性支持装置39a,40aから離れた方向の側から要素内の貫通孔内に挿入できることは有利であり,この場合,フランジセグメント32aおよび33aが先に挿入される。この場合,スナップ動作フック34a,35aはそれらの入口スロープ43a,44aにより貫通孔の縁と接触し,これによりスナップ動作フック34a,35aは相互に半径方向内方に容易に曲げられる。これはスナップ動作フック34a,35aの側からフランジ部品31a内に伸長するスリット45a,46aにより可能となる。スナップ動作フック34a,35aが弾性的に動ける範囲に関しては,図5aにおける領域Bに関する上記の説明を参照することができる。
要素25の反対側で当接部37aおよび38aに当接してそれに支持されている前記要素25の後側でスナップ動作フック34a,35aがばね作用により外方に突出してそれ自身が位置決めされる時点までプラスチックナット30aが貫通孔26(図8)内に挿入されることにより,プラスチックナット30aは上記のように図8に示すパネル状要素等(符合25)上に装着される。図4bに示す距離Aより厚い要素の場合,ナット部品36aなスナップ動作フック34a,35aから離れる方向に押し込まれ,この場合,支持装置39a,40aが応力を受けてたわみ,この結果,支持装置39a,40aはスナップ動作フック34a,35aを要素25の片側から要素25上に圧着させかつ当接部37a,38aを反対側から要素25に圧着させ,これによりプラスチックナット30aは要素25を挟み付けるように要素25上に装着され,したがってプラスチックナット30aは振動することがない。このとき,図8に関して上で説明したように,他の構造要素をプラスチックナット上にしたがって前記要素上にねじにより固定することができる。
上記のように,図5ないし7に示すプラスチックナット1はナット部品4にのみスナップ動作フック5,6が設けられたものであり,これによりプラスチックナット1は弾性ストリップ13および14が先になる方向で要素25内の貫通孔26内に挿入されるが,一方図1ないし3に示すプラスチックナット30はフランジセグメント32,33上にスナップ動作フック34,35を有し,これによりこのプラスチックナット30はこれらのスナップ動作フック34,35が先になる方向に要素内に装着することができる。ここで,図9を用いて,要素のいずれの側からも要素内にプラスチックナットを押し込み可能なように構成された他の例示実施態様を説明する。
図9に示すプラスチックナット47は,ナット部品に関するかぎり図5および7に示すナット部品4と本質的に同じ構造を有している。ナット部品は2つのスナップ動作フック5および6(図5と同じ符合)を有している。図7aに示すように,2つのスナップ動作フック5および6は相互に圧着され,これにより弾性ストリップ48,49を先にしてナット部品4を関連する要素内に押し込むことができる。他方で,反対方向にすなわちスナップ動作フック34/35を先にしてプラスチックナット47を要素内の貫通孔内に押し込むこともまた可能であり,これらのフックは同じ符合を有する図1に示すスナップ動作フックに対応している。したがって,スナップ動作フック5および6およびスナップ動作フック34および35のこの配置により,プラスチックナット47は広く使用することができる。
図10aおよびbは図4および5に示す例示実施態様とはやや異なる方法でフランジ部品51およびナット部品52が相互に保持される場合のプラスチックナット50を示している。プラスチックナット50の基本構成は図1a−dの基本構成に対応し,したがって,フランジ部品51およびナット部品52の相互作用に関するかぎり,これらの図に関する説明を参照することができる。図10aおよびbに示すように,弾性ストリップ53,54は一種のフックを形成し,このフックはフランジ部品51の底端部から突出しかつ半径方向内方に曲げられている。それぞれの曲げセクション55,56は各ケースにおいてアーム59,60内に形成された穴57,58内に突出している。アーム59,60はナット部品52から離れる方向に突出し,アーム59,60の穴57,58により弾性ストリップ53,54の曲げセクション55,56のための受入手段を形成している。したがって,図4および5に示すストリップ13,14および39a,40aを関連するナット部品4または36と結合するための図4および5の例示実施態様に示されている直接単体結合は,10aおよびbに示す例示実施態様においてはアングル形状セクション55,56および付属の穴57,58により置き換えられている。したがって,プラスチックナット50は別々に射出成形することが可能な2つの部品からなり,ナット部品52がフランジ部品51内に挿入され,フランジ部品51がナット部品52をスリーブ状に包囲し,アングル形状セクション55,56はまずアングル形状セクションが穴57,58に対面する位置にくる時点までは外方に曲げられ,この位置にきたときにアングル形状セクション57,58は上記の穴内にスナップ係合することにより前記2つの部品は相互に接続され,このときこのスナップ係合はストリップ53,54の弾性により容易に可能である。このとき,ストリップ53,54はそれらのアングル形状セクション55,56と共に,プラスチックナット50を装着するために必要なナット部品52のフランジ部品51に対する変位のために必要な隙間を提供し,これによりとくに図4および9に関して上で説明したのと同様にプラスチックナット50を要素上に装着することができる。
図10aは貫通孔61およびより狭い領域62からなるナット部品52内の受入内孔内に段64を示し,この段は貫通孔61からより狭い領域62への移行部の領域内に形成されたねじ山状スロープ63により形成され,これにより,ねじ込まれるねじの最初の回転がより狭い領域62内にきわめて食い込みやすくなる。貫通孔のこのような構成が上記のいずれの例示実施態様に設けらてもよいことは当然である。
図10bは10aから90゜だけ回転されたプラスチックナット50の側面図を示し,このプラスチックナットの他の特徴すなわちフランジ部品51上で半径方向外方に突出する突起65,66を示している。突起65,66に入口スロープ67,68が設けられ,入口スロープ67,68は,その一部が図11に示されている要素内の貫通孔内にプラスチックナット50を挿入しやすくしている。
図11は要素69の部分平面図を示し,要素69は2つの切欠部71,72を有する丸い貫通孔70を示し,切欠部71,72内に図10aおよびbに示した突起65,66がはめ合いを形成する。突起65/66の切欠部71および72との相互作用はフランジ部品51が要素69に対して回転するのを防止する手段を形成する。貫通孔70の直径は,スリーブ状フランジ部品51が抵抗なく関連する貫通孔70内に挿入可能なように選択される。
図12に示すように,フランジ3の関連要素の方向を向く側にバーを設けることにより正確に,図5a−dに示すプラスチックナット1の場合にそれに対応してフランジ部品の要素に対する回転を防止する手段を構成することができる。この図に示すプラスチックナットは完全に図5a−dに示すプラスチックナットに対応している。図12に示すフランジ3上にさらにバー73,74が設けられていることのみが図5dと異なり,ここでこれらのバーは要素内の対応する4辺貫通孔内に正しく挿入されなければならず,これによりこの貫通孔内でフランジ3したがってプラスチックナットが関連する要素に対して回転するのを防止している。
図12に示すプラスチックナットを矩形貫通孔内に挿入しやすくするために,バー73,74の各々に入口スロープ75,76が設けられている。
図13は図10a,bに示すプラスチックナット50の変更態様を示し,この変更態様はフランジ部品51およびナット部品52が相互に保持される方法においてのみプラスチックナット50と異なっている。図13に示すプラスチックナット77は原理的にプラスチックナット50と同じ弾性ストリップを有している。しかしながら,これらのアングル形状セクション55および56はアーム78,79に対するストッパを形成するにすぎず,アーム78,79はプラスチックナット77の場合短くされ,したがってこれらのストッパはナット部品52のフランジ部品51内への挿入を制限している。ナット部品52の後方方向への移動を防止するために,フランジ部品51上に特殊なラッチ係止ノーズ80,81が設けられ,これらのラッチ係止ノーズはそれらの入口スロープによりナット部品52をフランジ部品51内へ挿入することを可能にしまたはそれを容易にしている。ナット部品52がフランジ部品51内に完全に挿入されたとき,ラッチ係止ノーズ80,81はナット部品52の後側にラッチ係止し,これによりナット部品52はナット部品52の運動の自由度に関して前方および後方の両方向に制限される。アングル形状セクション55,56の柔軟性により,ナット部品52のフランジ部品51に対する運動の必要な自由度は維持されている。
本発明によるプラスチックナットにシールを設けてもよいことは有利である。これを図14により説明するが,図14は原理的に図5に示すプラスチックナット1に対応するプラスチックナット82を示している。このために,とくに図14に示すこの構成において重要なプラスチックナットの構成部分のみが示されている。図からわかるように,プラスチックナット82は(図5aに示されているような)ナット部品4の2つのスナップ動作フック5および6を有しているが,フランジ部品83は図5に示すフランジ部品に対して修正されている。その理由は,フランジ84の縁の周りに周辺シールリップ85が設けられたフランジ84で終端しているからである。シールリップ85はその中をプラスチックナットが貫通する要素に対しそれ自身を当接させて位置決めされ,これによりフランジ84と要素との間にシールを形成している。図5に示す実施態様と図14に示す実施態様との間の相違は,本質的に,図5に示すフランジ3がシールリップ85を有するフランジ84により置き換えられていることのみである。これはシールリップ85を有する付属シール部分であってもよい。しかしながら,フランジ84それ自身をシールリップ85を有するシール部品として設計することもまた可能である。図12からかるようなバー73/74の形の回り止め手段が図14に示されていることもまた指摘しておく。
図15は他の実施態様のプラスチックナット86を示し,このプラスチックナット86は原理的に図5におけるプラスチックナットに対応している。プラスチックナット86は弾性ストリップ89/90により相互に結合されたフランジ部品87およびナット部品88を有している。フランジ部品87は,この場合図5に示す例示実施態様とは異なりフランジ51にその要素92の方向に向く側にラッチ係止ノーズ93,94が設けられているフランジ91と一体に結合されている。プラスチックナット86は図1に示す例示実施態様の場合と同様に要素92上に装着されるが,この場合スナップ動作フック95,96はそれに応じてたわむが最終的に要素92の後側でラッチ係止する。さらに,ラッチ系ノーズ93,94がこの過程において要素92の後側にラッチ係止する。プラスチックナット86を要素92上に固定するこの追加手段の目的は,スナップ動作フック95,96によりストリップ89,90の動作と組み合わせて要素92のある厚さ範囲,たとえば1−5mmの範囲が満たされることである。これは,プラスチックナット86が僅か0.5mmの厚さの要素92上に装着された場合にプラスチックナット86はおそらく緩く装着されることを意味し,これはたいていの適用ケースにおいて好ましくない。それにもかかわらずプラスチックナット86がこのように薄い金属パネル上に装着された場合でも振動しないように構成するためにラッチ係止ノーズ93および94が設けられ,これらのラッチ係止ノーズ93および94は,とくに薄い要素92の縁の後側でそれ自身を弾性により位置決めし,したがってフランジ部品87が振動しないようにフランジ部品87を要素92上に保持するように構成されている。
図15に示すプラスチックナット86はより狭い領域97内に形成されたねじ山98をも含み,対応するねじ山を設けたねじを受け入れるために形成されている。このタイプのねじ山を上記のすべてのプラスチックナットに設けてもよいことは当然である。
図1ないし3に示す例示実施態様の場合,ナット部品36は軸方向に移動可能なようにフランジ部品31内に緩く保持されている。スナップ動作フック34/35から離れる方向に,ナット部品36は図5に示すストッパ(符合20/22,21/23)に類似のストッパにより停止されるが,フランジ34/35の方向にはスライドすることが可能である。これを防止するために,図1ないし3に示す例示実施態様において,図13に符合80および81で示すような追加の内部ラッチ係止ノーズを設けることもまた可能である。
図16a−dに示す例示実施態様は,ねじがねじ込まれたときにスナップ動作フック105および106がラッチ係止するプラスチックナット101である(ドイツ特許出願第19639396号の図8内のねじ27参照)。プラスチックナット101はドイツ特許出願第19639396号の図5a−dに示すプラスチックナットにほぼ対応し,この場合,このドイツ特許出願のプラスチックナット1のスナップ動作フック5および6はそれらの弛緩位置において半径方向外方に広がった状態が示され,かつ要素の後側に位置決めされている(図示されていない)。これとは逆に,図16a−dに示すプラスチックナット101のスナップ動作フック105および106は弛緩状態において,とくに図16aからよくわかるように相互に向かい合う方向に傾斜された位置をとっている。プラスチックナット101の他の構成部品およびそれらの機能に関しては,前記図5a−dに関する説明が参照される。理解しやすくするために,図5a−dの符合に番号“100"が加えられている。
図16aに示すその弛緩状態において,ドイツ特許出願第19639396号の図11に示すようにプラスチックナット101を丸い貫通孔内に挿入することができる(貫通孔はさらにプラスチックナット101と組み合わせて使用される切欠部71および72を有しているが,これらの切欠部71および72は省略してもよい)。プラスチックナット101が貫通孔(ドイツ特許出願第19639396号の図8におけるパネル状要素25内の貫通孔26)内に挿入されたとき,ねじ(図8におけるねじ27)をナット部品104の貫通孔111およびより狭い領域112内にねじ込むことができ,この場合,2つのスナップ動作フック105および106が外方に圧着されかつそれらの当接面107および108を要素に対してそれ自身を位置決めししたがってラッチ係止する。
プラスチックナット,パネル状要素およびねじの組み立てられたこの配置が前記図8に示され,したがって,図16a−dに示すプラスチックナット101の作動モードに関しては図8およびそれに付属の説明を参照することができる。いずれの場合においても,ねじをプラスチックナット101内に十分にねじ込む動作により,プラスチックナット101はそのスナップ動作フック105および106と共に図8に示す対応部品に対応する位置をとることになる。
プラスチックナット101のこの構成は,とくに要素内の貫通孔の縁が弱い材料で構成されているときに,プラスチックナットが要素内な貫通孔内にほとんど接触することなく挿入されることを可能にする。これは,たとえばプラスチックナット101が対応するサイズにおいてたとえばインテリアパネルに対して通常みられるような軽量構造要素内に挿入されるときがその例である。
図17a−d,18a−cおよび19a−cに示す例示実施態様はスナップ動作フックのフランジ部品に対する回転弾性結合によりパネル状要素上に保持されるプラスチックナット201である。
プラスチックナット201の構成は同様にドイツ特許出願第19639396.5号の図5a−dに示すプラスチックナットとほぼ一致するので,本発明の説明においてはそれに含まれている説明の付属部品を参照することができる。理解を容易にするために,図5a−d,6a−cおよび7a−cの符合に番号“200"が加えられている。前記図5a−dに示すプラスチックナット1と異なり,スナップ動作フック205および206はそのフランジ部品202を備えたナット部品204と一体に剛に結合され,すなわち上記の図5a−dに示すスナップ動作フック5および6とは異なりスナップ動作フック205および206は相互に圧着させることができない。これが図19a−cに示すナット部品204の構成からよくわかり,この構成はドイツ特許出願第19639396.5号の図7a−cにほぼ準拠しているので,これらの図を取り扱う上記ドイツ特許出願に記載のこの部分を参照することができる。スリット17および18がそれらの領域においてスナップ動作フック5および6をナット部品4から分離させる図7a−cに示す構成とは異なり,とくに図19cに示すように,図19a−cに示す構成内にはこのようなスリットがなく,これによりナット部品204およびその上に装着されたスナップ動作フック205および206の組み合わせは本来剛なコンパクト要素を形成している。
プラスチックナット201の構成においては,すなわち弾性ストリップ213および214がナット部品204とフランジ部品202との間でしたがってスナップ動作フック205および206に対して回転弾性結合を形成するために,2つのストリップ213および214(ナット部品204をフランジ部品202に結合するための支持装置)の弾性が利用されている。
回転弾性状態を保持しながらフランジ部品202およびスナップ動作フック205および206を使用可能にするために,図18a−cに示すプラスチックナットのフランジ部品202上でフランジ部品202内を貫通するスナップ動作フック205および206の領域内に円形伸長凹部240が設けられ,円形伸長凹部240は窓224(対応する窓24がとくにドイツ特許出願第19639396.5号の図5cおよび6bに示されている)と一体である。凹部240の領域内の窓224の円形広がりは,ストリップ213および214の弾性を使用しながら,ナット部品204がそれから剛に突出しているスナップ動作フック205および206と共に,図17cにおいて実線で示した位置から破線で示した位置へ正確にフランジ部品202に対して回転することを可能にしている。これは約45゜の回転を形成する。
フランジ203を有するフランジ部品202を示す図18a−c内にもまた凹部240示されている。図18a−cに示す図はドイツ特許出願第19639396号の図6a−cに示す図に準拠しているので,その図および付属の説明を参照することができる。
図17a−dに示すプラスチックナットを図20に示すパネル状要素369内に挿入可能にするために,パネル状要素369は切欠部371,372を備えた正方形貫通孔370を有している。貫通孔370の正方形構成およびフランジ部品202上に設けられた2つのバー273および274により回り止め手段が形成されている。
プラスチックナット201が要素369内に挿入される場合,スナップ動作フック205および206が切欠部371,372の領域内を通過するようにナット部品204が回転され,これによりプラスチックナット201はスナップ動作フック205および206と共に全体が要素269内に圧入され,その後スナップ動作フック205および206が要素369(ドイツ特許出願第19639396.5号の図8を参照)の後側に到達し,したがってストリップ213,214の回転弾性により図17cに示すそれらの正常位置に回転して戻ることになる。この正常位置において,スナップ動作合フック205および206は要素369の後側に位置決めされ,したがって要素369は一方でフランジ203によりおよび他方でスナップ動作フック205,206により保持される。
図20は要素369内に挿入されかつラッチ係止位置に位置決めされたプラスチックナット201の略図を示し,この場合,スナップ動作フック205および206は要素369の後側に位置決めされる。図20において正方形として示した貫通孔370の代わりに丸穴を使用することもまた可能であるが,このときこの丸穴に,プラスチックナット状の対応する回り止め手段がはめ合いをなす切欠部が設けられなければならないことを指摘しておく。
Claims (20)
- 保持部品を備え、パネル状要素(25、69、92)内の貫通孔(26)内に挿入されるプラスチックナット(1、30、47、50、77、82、86)であって、
前記保持部品の一方は、前記パネル状要素に装着側から圧着可能なフランジ(3、84、91)として設計され、前記保持部品の他方は、前記パネル状要素に反対側から圧着可能でかつ前記パネル状要素の後側からラッチ係止することを目的とするスナップ動作フック(5、6;34、35)として設計され、前記保持部材の他方は、ねじ(27)のための受入内孔(11、12;41、42;61、62)を有するナット部品(4、36、52、88)に設けられ、フランジ(3、84、91)はフランジ部品(2、31、51、83、87)の構成部分であり、前記フランジ部品はナット部品(4、36、52、88)を内包し、前記ナット部品はフランジ(3、84、91)の方向に押圧可能であるものにおいて、
弾性支持装置が形成するばね領域により、プラスチックナットが挿入されたとき、前記フランジ部品に対し軸方向に移動可能なナット部品(4、36、52、88)を、そのフランジ部品の方向に押圧し、プラスチックナットがパネル状要素(25、69、92)の厚さの差異を補償するように、ナット部品(4、36、52、88)およびフランジ部品(2、31、51、83、87)をパネル状要素(25、69、92)に当接させることを特徴とするパネル状要素内の貫通孔内に挿入するためのプラスチックナット。 - フランジ部品(2,31,53,83,87)は、ナット部品(4,36,52,88)が回転しなようにナット部品を案内することを特徴とする請求項1に記載のプラスチックナット。
- フランジ(3)がプレートとして設計され、およびナット部品(4)にスナップ動作フック(5,6)が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチックナット(図5a−d)。
- フランジが各々にスナップ動作フック(34,35)が設けられているセグメント(32,33)に分割されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチックナット(図1a−d)。
- ナット部品(4)にもスナップ動作フック(5,6)が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のプラスチックナット(図9)。
- フランジ部品(2,31,51,83,87)がナット部品(4,36,52,88)をスリーブ状に包囲することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のプラスチックナット。
- フランジ部品(2)およびナット部品(4)に軸方向運動範囲を制限するためのストッパ(20,21;22,23)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のプラスチックナット(図5)。
- ナット部品(4)およびフランジ部品(2)が、弾性支持装置(13,14,48,49,89,90)を形成するプラスチックストリップを介して相互に一体に結合されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のプラスチックナット。
- ナット部品(52)およびフランジ部品(51)がラッチ係止手段(55,56;78,79;80,81)により相互保持され、ラッチ係止手段(55,56;78,79;80,81)はナット部品(52)がフランジ部品(51)内に圧入されたときに効果を示すことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のプラスチックナット(図13)。
- ラッチ係止手段(55,56,57,58,59,60)が弾性支持装置(53、54)を含むことを特徴とする請求項9に記載のプラスチックナット(図10a,b;図13)。
- フランジのナット部品の方向を向く側に、フランジに、貫通穴内にはめ合いをなす回り止め手段(65,66;73,74)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のプラスチックナット(図10a,b;図12)。
- フランジ(84)にシール領域(85)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載のプラスチックナット(図14)。
- ナット部品(4)内の受入内孔は、フランジ(3)側に形成された貫通孔(11)領域と、前記貫通孔に隣接するより狭い領域(12)とから形成され、前記より狭い領域は前記貫通孔よりも直径が小さいことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載のプラスチックナット。
- より狭い領域(12,42)がタッピンねじをねじ込み可能な直径を有することを特徴とする請求項13に記載のプラスチックナット。
- より狭い領域(97)がねじ山(98)を有することを特徴とする請求項13に記載のプラスチックナット(図15)。
- 受入内孔がそのより狭い領域(62)への移行部にねじ山状スロープ(63)により1つまたは複数の段(64)を形成することを特徴とする請求項14または15に記載のプラスチックナット(図10a)。
- フランジ(91)の要素(92)の方向を向く側に、フランジ(91)に、要素(92)のフランジ(91)から離れる方向の側の後側にラッチ係止可能なラッチ係止ノーズ(93,94)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載のプラスチックナット(図15)。
- フランジ部品(2,31,51,83,87)が、半径方向に相互変位を可能にするある程度の遊びを設けてナット部品(4,36,52,88)を案内することを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載のプラスチックナット。
- スナップ動作フック(105/106)がナット部品(104)に弾性結合され、これにより、挿入されたときにスナップ動作フック(105/106)が本質的に貫通孔(26)を自由に通過し、ラッチ係止させるためにねじ(27)のねじ込み動作によりスナップ動作フック(105/106)を外方に圧着可能であることを特徴とする請求項1ないし18のいずれかに記載のプラスチックナット。
- スナップ動作フック(205,206)がナット部品(204)と一体に剛に結合され、ナット部品(204)が弾性支持装置(213,214)を介してフランジ部品(202)と結合され、弾性支持装置(213,214)がナット部品(204)をフランジ部品の方向に圧着しかつナット部品(204)をスナップ動作フック(205,206)と共にフランジ部品(202)に対し回転弾性を有するように保持することを特徴とする請求項1ないし18のいずれかに記載のプラスチックナット。
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