JP3545102B2 - パンチプレス - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板材にパンチング加工(穴明け加工、バーリング加工を含む)及び複数種のタッピング加工を行うことができるパンチプレスに関する。
【0002】
【従来の技術】
板材にパンチング加工(穴明け加工、バーリング加工を含む)及び複数種のタッピング加工を行う従来のパンチプレスについて簡単に説明する。
【0003】
従来のパンチプレスは本体フレームをベースにしており、この本体フレームには板材をパスラインの高さ位置で支持するテーブルが設けてある。また、本体フレームには板材にパンチング加工を行うパンチング加工部が設けてあり、このパンチング加工部は複数組の穴明け用上部金型及び下部金型、複数組のバーリング用上部金型及び下部金型を備えている。
【0004】
上記本体フレームには複数種のタップを周方向へ適宜に備えたタップタレットが回転可能かつ昇降可能に設けてあり、各タップはタップタレットに対して回転しつつ昇降可能に構成してある。また、タップタレットの上部には板材における加工穴の周縁部を下方向から支持するワークサポートが一体的に設けてあり、また、ワークサポートには対応するタップが進入可能な複数の貫通孔が設けてある。ここで、後述のごとく板材における下方向へ突出したフランジ部が変形したり、損傷したりすることを抑制するため、タップタレットを昇降させることにより、ワークサポートの上面をパスラインの高さ位置に位置せしめたり、パスラインの高さ位置よりも低い高さ位置に位置せしめたりすることができるように構成してある。そして、本体フレームにおけるワークサポートの上方位置には板材の加工穴の周縁部をワークサポートと協働して上下方向から押圧するワーク押圧部材が昇降可能に設けてある。
【0005】
したがって、板材にパンチング加工を行うときには、タップタレットの昇降によりワークサポートを一体的に昇降させて、ワークサポートの上面をパスラインの高さ位置よりも低い高さ位置に位置せしめる。そして、板材をパンチング加工部に位置決めしつつ、パンチング加工部における適宜の穴明け用上部金型及び下部金型、適宜のバーリング用上部金型及び下部金型により板材に穴明け加工、バーリング加工を行うことにより、板材に加工穴、及びこの加工穴の周縁部に上方向又は下方向へ突出したフランジ部を形成せしめることができる。
【0006】
穴明け加工及びバーリング加工を行った後に、板材を適宜に移動させて板材における加工穴をワーク押圧部材の垂直下方位置に位置せしめる。このとき、ワークサポートの上面がパスラインの高さ位置よりも低い高さ位置に位置しているため、板材における下方向へ突出したフランジ部が変形したり、損傷したりすることを抑制することができる。
【0007】
次に、タップタレットの上昇によりワークサポートを一旦わずかに一体的に上昇せしめて、タップタレットの回転により所定のタップをワーク押圧部材の垂直下方位置に位置せしめる。そして、タップタレットの下降によりワークサポートを一体的に下降させて、ワークサポートの上面をパスラインの高さ位置に位置せしめる。そして、ワーク押圧部材を下降させることにより、ワーク押圧部材とワークサポートへ協働させて板材における加工穴の周縁部を上下方向に押圧することができる。
【0008】
板材における加工穴の周縁部を上下方向から押圧した後に、所定のタップをタップタレットに対して回転させつつ、対応する貫通孔を介してワークサポートの上面に対して上方向へ突出するように上昇させることにより、板材における加工穴の内側にタッピング加工を行うことができる。
【0009】
他の所定のタップにより板材における他の加工穴の内側にタッピング加工を行う場合には、まず板材における他の加工穴の周縁部をワーク押圧部材の垂直下方位置に位置せしめる。次に、タップタレットの上昇によりワークサポートを一旦わずかに上昇せしめ、タップタレットの回転により所定のタップをワーク押圧部材の垂直下方位置に位置せしめ、ワークサポートの上面がパスラインの高さに位置するようにワークサポートをタップタレットと一体的に下降させる。そして、ワーク押圧部材を下降させて、他の所定のタップをタップタレットに対して回転させつつ上昇させることにより、板材における他の加工穴の内側にタッピング加工を行うことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のごとき従来のパンチプレスにおいては、ワークサポートの上面をパスラインの高さ位置に位置せしめたり、パスラインの高さ位置よりも低い高さ位置に位置せしめたりするため、ワークサポートを昇降させる他に、タップタレットをワークサポートと一体的に昇降させており、ワークサポートを昇降させる昇降駆動力が大きくなる。そのため、ワークサポート(タップタレットも含む)を昇降させる昇降駆動装置が大型化してパンチプレス全体が大型化すると共に、この昇降駆動装置の構成が複雑化してパンチプレス全体の構成が複雑化するという問題があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述のごとき従来の問題点を解決するため、本発明においては、第1の手段として、板材をパスラインの高さ位置で支持するテーブルを設け、板材に対してパンチング加工を行うパンチング加工部を備えたパンチプレスにおいて、回転可能なタップタレットをパスラインの高さ位置に対して没入して設け、タップタレットにタップをそれぞれ備えた複数のタップステーション及び原点ステーションを周方向へ適宜に設け、各タップをタップタレットに対して回転しつつ昇降可能に構成し、板材における加工穴の周縁部を下方向から支持するワークサポートを昇降可能に設け、タップタレットにおける原点ステーションにおいてワークサポートの上面がパスラインの高さ位置よりも所定量だけ低い高さ位置に位置するようにワークサポートを下方向から支持する第1支持ブロックを設け、タップタレットにおける各タップステーションにおいてワークサポートの上面がパスラインの高さ位置に位置するようにワークサポートを下方向から支持可能な第2支持ブロックをそれぞれ設け、ワークサポートにおけるタップタレットの垂直上方位置に位置する部分にタップが進入可能な貫通孔を設け、貫通孔の垂直上方位置に板材における加工穴の周縁部をワークサポートと協働して上下方向から押圧するワーク押圧部材を昇降可能に設けてなることを特徴する。
【0012】
第2の手段として、第1の手段の構成要件の他に、前記ワークサポートを前記テーブルに設けた切欠部に嵌合可能に構成してなることを特徴とする。
【0013】
第3の手段として、第1又は第2の手段のうちいずれかの手段の構成要件の他に、前記テーブルは、板材を支持するフランジ状の多数の支柱を備えてなることを特徴とする。
【0014】
前記の構成において、タップタレットを回転させて原点ステーションをワークサポートの垂直下方位置に位置せしめ、ワークサポートを下降させて第1支持ブロックに突当てることにより、ワークサポートの上面がパスラインの高さ位置よりも所定量だけ低い高さ位置に位置するように第1支持ブロックによりワークサポートを下方向から支持する。そして、板材をパンチング加工部に位置決めしつつ、パンチング加工部により板材にパンチング加工(穴明け加工、バーリング加工を含む)を行う。ここで、板材の板厚が小さい場合には、板材に対して穴明け加工を行う他にバーリング加工を行い、このバーリング加工は穴明け加工を行った後又は(穴明け及びバーリング用の特別の金型を用いて)穴明け加工と同時に行うものである。また、板材に穴明け加工を行うことにより、板材には加工穴が形成され、板材にバーリング加工を行うことにより加工穴の周縁には下向き(又は上向き)のフランジ部が形成される。
【0015】
パンチング加工を行った後に、板材を適宜に移動させて、板材における加工穴をワーク押圧部材の垂直下方位置に位置せしめる。このとき、ワークサポートの上面がパスラインの高さ位置よりも所定量だけ近い高さ位置に位置しているため、板材における下方向へ突出したフランジ部が変形したり、損傷したりすることを抑制することができる。
【0016】
次に、ワークサポートを一旦わずかに上昇せしめて、タップタレットの回転により(所定のタップを備えた)所定のタップステーションをワークサポートの垂直下方位置に位置せしめ、ワークサポートを下降させて第2支持ブロックに突当てることにより、ワークサポートの上面がパスラインの高さ位置に位置するように第2支持ブロックによりワークサポートを下方向から支持する。そして、ワークサポートの上面がパスラインの高さ位置に位置した状態の下で、ワーク押圧部材を下降させることにより、ワーク押圧部材とワークサポートを協働させて板材における加工穴の周縁部を上下方向から押圧することができる。
【0017】
板材における加工穴の周縁部を上下方向から押圧した後に、所定のタップをタップタレットに対して回転させつつ、貫通孔を介してワークサポートの上面に対して上方向へ突出するように上昇させることにより、板材における加工穴の内側にタッピング加工を行うことができる。
【0018】
他の所定のタップにより板材における他の加工穴の内側にタッピング加工を行う場合には、まず板材における他の加工穴の周縁部をワーク押圧部材の垂直下方位置に位置せしめる。次に、ワークサポートを一旦わずかに上昇せしめ、タップタレットの回転により他の所定のタップをワーク押圧部材の垂直下方位置に位置せしめ、ワークサポートの上面がパスラインの高さに位置するようにワークサポートを下降させる。そして、ワーク押圧部材を下降させて、他の所定のタップをタップタレットに対して回転させつつ上昇させることにより、板材における他の加工穴の内側にタッピング加工を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図4を参照するに、本実施の形態の例に係るパンチプレス1は、ブリッジ型の本体フレーム3をベースにしており、この本体フレーム3は上下(図4において紙面に向って表裏)に対向した上部フレーム5と下部フレーム7を備えている。
本体フレーム3における下部フレーム7には板材Wをパスラインの高さ位置で支持するセンタテーブル9及び一対のサイドテーブル11が設けてあり、センタテーブル9及び一対のサイドテーブル11は板材Wを支持する多数のブラシ状の支柱13を備えている。ここで、一対のサイドテーブル11は下部フレーム7に対して前後方向(図4において右左方向)へ移動可能に構成してある。
【0020】
本体フレーム3には板材Wを前後、左右(図4において下上)方向へ移動位置決めする板材位置決め装置15が設けてある。即ち、本体フレーム3における上部フレーム5には左右方向へ延伸しかつ一対のサイドテーブル11を連結したキャレッジベース17が設けてあり、このキャレッジベース17はy軸サーボモータ19の駆動により前後方向(y軸方向)へ移動する。上記キャレッジベース17には板材Wを把持するクランプ装置21を備えたキャレッジ23が設けてあり、このキャレッジ23はx軸サーボモータ25の駆動により左右方向(x軸方向)へ移動する。
【0021】
上記センタテーブル9の中央部には板材Wにパンチング加工(穴明け加工、バーリング加工を含む)を行うパンチング加工部27が設けてある。より詳細には、本体フレーム3には上下に対向した上部タレット29と下部タレット31が設けてあり、上部タレット29と下部タレット31はタレット用サーボモータ(図示省略)の駆動により同期して同方向へ回転する。下部タレット31には板材Wパスラインの高さ位置で支持する一対の半円形状の補助テーブル33が設けてあり、各補助テーブル33は複数のブラシ状の支柱35を備えている(図5参照)。各タレット29,31は金型(上部金型37、下部金型39)を着脱交換可能に備えた一対の金型ステーション41をそれぞれ設けてあり、一方の金型ステーション41がパンチング加工位置に位置すると他方の金型ステーション41は金型交換位置に位置するように構成してある。そして、上部フレーム5の適宜位置にはストライカー43が昇降可能に設けてあり、このストライカー43は、パンチング加工位置に所定の金型ステーション41に位置せしめた後に、所定の金型ステーション41に備えた上部金型37を上方向から押圧する作用を有している。ここで、パンチング加工位置とは、ストライカー43の垂直下方位置のことをいい、金型交換位置とは、このパンチング加工位置からタレット29,31の軸を中心として180°だけ回転した位置のことをいう。なお、金型交換位置に位置した金型ステーション41に対する金型(上部金型37、下部金型39)の交換は、公知の金型交換装置(図示省略)により適宜に行う。
【0022】
上記パンチング加工部27の近傍には板材Wに複数種のタッピング加工を行うタッピング加工部45が設けてある。
【0023】
タッピング加工部45について図1〜図3を参照して詳細に説明すると、下部フレーム7におけるパンチング加工部27の近接した位置にはタップタレット47が回転可能に設けてあり、このタップタレット47は内部に中空部49を備えている。ここで、タップタレット47は、下部フレーム7に設けた回転モータ51の駆動により回転するものであって、公知のショットピン装置53の作動により所定の回転位置に回転不能に位置決め可能に構成してある。
【0024】
タップタレット47には異なる種類のタップ55をそれぞれ備えた複数のタップステーション57及び原点ステーション59が設けてある。
【0025】
各タップ55をタップタレット47に対して回転しつつ昇降させるため、タップタレット47の上部にはタップ55を保持するタップホルダ61が回転可能かつ昇降可能に支持されてあって、各タップホルダ61の下部に螺合したリードねじ63が、タップタレット47の下部に昇降可能かつ回転不能に支持されている。なお、各リードねじ63のねじ部のピッチは対応するタップ55のピッチと同じである。適宜のタップ55を回転させるため、タップタレット47の下側に設けたタップ駆動モータ65に連動連結した駆動ギア67及び複数の中間ギア69が、タップタレット47の中空部49に位置するように設けてあり、各タップホルダ61には対応する中間ギア69に噛合可能な従動ギア71が一体的に設けてある。各従動ギア71は適宜位置まで上昇することにより対応する中間ギア69に噛合するものであって、各従動ギア71を昇降させるため、タップタレット47の下部には複数のクイックアプローチシリンダ73が内蔵してあり、各リードねじ63が対応するクイックアプローチシリンダ73におけるピストンに連結してある。
【0026】
前記タップタレット47の近傍には板材Wにおける加工穴Whの周縁部を下方向から支持する略山型形状のワークサポート75が一対の昇降シリンダ77の作動により昇降可能に設けてある。ここで、ワークサポート75が上昇することにより、ワークサポート75は、センタテーブル9に設けた切欠部9n(図2参照)に嵌合可能である。また、タップタレット47の中央部には、原点ステーション59においてワークサポート75の上面がパスラインの高さ位置よりも所定量だけ低い高さ位置に位置するようにワークサポート75を下方向から支持する円板状の第1支持ブロック79が設けてあり、この第1支持ブロック79における各タップステーション57に対応する位置には、各タップステーション57においてワークサポート75の上面がパスラインの高さ位置に位置するようにワークサポート75を下方向から支持する第2支持ブロック81がそれぞれ一体的に設けてある。なお、タップタレット47における原点位置ステーション59の適宜位置には、第1支持ブロック79と同様の作用を有する一対の第1支持ピン83が設けてあり、タップタレット47における各タップステーション57の適宜位置には第2支持ブロック81と同様の作用を有する一対の第2支持ピン85がそれぞれ設けてある。
【0027】
上記ワークサポート75の一部分がタップタレット47の垂直上方位置に位置するように構成してあって、このワークサポート75における一部分にはタップ55が進入可能な貫通孔87が設けてある。なお、この貫通孔87は略山型形状のワークサポート75の頂部を貫通するように構成してある。
【0028】
上記貫通孔87の垂直上方位置には、板材Wにおける加工穴Whの周縁部をワークサポート75と協働して上下方向から押圧するワーク押圧部材89が設けてあり、このワーク押圧部材89は、前記上部フレーム5の適宜位置に設けた押圧シリンダ91の作動により昇降する。
【0029】
前述の構成に基づいて本実施の形態の例の作用について説明する。
【0030】
板材Wに対してパンチング加工を行うときには、回転モータ51の駆動によりタップタレット47を回転させて原点ステーション59をワークサポート75の垂直下方位置に位置せしめる。次に、昇降シリンダ77の作動によりワークサポート75を下降させて第1支持ブロック79及び一対の第1支持ピン83に突当てることにより、ワークサポート75の上面がパスラインの高さ位置よりも所定量だけ低い高さ位置に位置するように第1支持ブロック79及び一対の第1支持ピン83によりワークサポート75を下方向から支持する。
【0031】
クランプ装置21により板材Wを把持した状態の下で、y軸サーボモータ19の駆動によりキャレッジベース17を前後方向(y軸方向)へ移動させると共に、x軸サーボモータ25の駆動によりキャレッジ23を左右方向へ移動させることにより、板材Wを上部タレット29と下部タレット31の間に位置決めを行う。そして、この板材Wの位置決めを行いつつ、ストライカー43を下降させて上部金型37を押圧することにより、板材Wにパンチング加工(穴明け加工、バーリング加工を含む)を行う。ここで、板材Wの板厚が小さい場合には、板材Wに穴明け加工を行う他にバーリング加工を行い、このバーリング加工は穴明け加工を行った後又は(穴明け及びバーリング用の特別の金型を用いて)穴明け加工と同時に行うものである。また、板材Wに穴明け加工を行うことにより、板材Wには加工穴Whが形成され、板材Wにバーリング加工を行うことにより加工穴Whの周縁には下向き(又は上向き)のフランジ部Wfが形成される。
【0032】
パンチング加工を行った後に、板材Wを適宜に移動させて、板材Wにおける加工穴Whの周縁部をワーク押圧部材89の垂直下方位置に位置せしめる。このとき、ワークサポート75の上面がパスラインの高さ位置よりも所定量だけ低い高さ位置に位置しているため、板材Wにおける下方向へ突出したフランジ部Wfが変形したり、損傷したりすることを抑制することができる。
【0033】
次に、昇降シリンダ77の作動によりワークサポート75を一旦わずかに上昇せしめて、タップタレット47の回転により(所定のタップ55を備えた)所定のタップステーション57をワーク押圧部材89の垂直下方向位置に位置せしめる。そして、ワークサポート75を下降させて所定の第2支持ブロック81及び一対の第2支持ピン85に突当てることにより、ワークサポート75の上面がパスラインの高さ位置に位置するように所定の第2支持ブロック81及び一対の第2支持ピン85によりワークサポート75を下方向から支持する。
【0034】
所定の第2支持ブロック81及び一対の第2支持ピン85によりワークサポート75を支持した後に、押圧シリンダ91の作動によりワーク押圧部材89を下降させることにより、ワーク押圧部材89とワークサポート75を協働させて、板材Wにおける加工穴Whの周縁部を上下方向から押圧することができる。
【0035】
板材Wにおける加工穴Whの周縁部を上下方向から押圧した後に、所定のクイックアプローチシリンダ73の作動により所定の従動ギア71を所定のリードねじ63と一体的に上昇させて、所定の中間ギア69に噛合せしめる。そして、タップ駆動モータ65の駆動により駆動ギア67及び所定の中間ギア69を介して所定のタップ55を回転させる。これによって、リードねじ63の作動により所定のタップ55を回転させつつ、貫通孔87を介してワークサポート75の上面に対して上方向へ突出するように上昇させることができ、板材Wにおける加工穴Whの内側にタッピング加工を行うことができる。
【0036】
他の所定のタップ55により板材Wにおける他の加工穴Whの内側にタッピング加工を行う場合には、まず板材Wにおける他の加工穴Whの周縁部をワーク押圧部材89の垂直下方位置に位置せしめる。次に、ワークサポート75を一旦わずかに上昇せしめ、タップタレット47の回転により他の所定のタップ55をワーク押圧部材89の垂直下方位置に位置せしめ、ワークサポート75の上面がパスラインの高さに位置するようにワークサポート75を下降させる。そして、ワーク押圧部材89を下降させて、他の所定のタップ55を回転させつつ上昇させることにより、板材Wにおける他の加工穴Whの内側にタッピング加工を行うことができる。
【0037】
以上のごとき、本実施の形態の例の発明によれば、ワークサポート75の上面をパスラインの高さ位置に位置せしめたり、パスラインの高さ位置よりも低い高さ位置に位置せしめたりするため、タップタレット47を昇降させることなく、ワークサポート75のみを昇降させており、ワークサポート75を昇降させる昇降駆動力は小さくて足りる。そのため、ワークサポート75を昇降させる昇降シリンダ77のコンパクト化を図ってパンチプレス1全体のコンパクト化を図ることができると共に、この昇降シリンダ77の構成の簡略化を図ってパンチプレス1全体の構成の簡略化を図ることができる。
【0038】
また、上述のごとくワークサポート75のみを昇降させることにしたことに相まって、センターテーブル9に設けた切欠部9nをワークサポート75に対応した形状にすれば足り、センターテーブル9の切欠部9nが大きくなることを回避することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上のごとき、実施の形態の例の説明により理解されるように、請求項1又は請求項2のいずれかの請求項に記載の発明によれば、ワークサポートの上面をパスラインの高さ位置に位置せしめたり、パスラインの高さ位置よりも低い高さ位置に位置せしめたりするため、タップタレットを昇降させることなく、ワークサポートのみを昇降させており、ワークサポートを昇降させる昇降駆動力は小さくて足りる。そのため、ワークサポートを昇降させる昇降駆動装置のコンパクト化を図ってパンチプレス全体のコンパクト化を図ることができると共に、この昇降駆動装置の構成の簡略化を図ってパンチプレス全体の構成の簡略化を図ることができる。
【0040】
また、請求項2に記載の発明のよれば、上述のごとくワークサポートのみを昇降させることにしたことに相まって、テーブルに設けた切欠部をワークサポートに対応した形状にすれば足り、テーブルの切欠部が大きくなることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2におけるI−I線に沿った図である。
【図2】図4における矢視部IIを示す図である。
【図3】図2におけるIII −III 線に沿った図である。
【図4】パンチプレスの平面図である。
【図5】下部タレットを示す図である。
【符号の説明】
1 パンチプレス
9 固定テーブル
45 タッピング加工部
47 タップタレット
55 タップ
57 タップステーション
59 原点ステーション
75 ワークサポート
【発明の属する技術分野】
本発明は、板材にパンチング加工(穴明け加工、バーリング加工を含む)及び複数種のタッピング加工を行うことができるパンチプレスに関する。
【0002】
【従来の技術】
板材にパンチング加工(穴明け加工、バーリング加工を含む)及び複数種のタッピング加工を行う従来のパンチプレスについて簡単に説明する。
【0003】
従来のパンチプレスは本体フレームをベースにしており、この本体フレームには板材をパスラインの高さ位置で支持するテーブルが設けてある。また、本体フレームには板材にパンチング加工を行うパンチング加工部が設けてあり、このパンチング加工部は複数組の穴明け用上部金型及び下部金型、複数組のバーリング用上部金型及び下部金型を備えている。
【0004】
上記本体フレームには複数種のタップを周方向へ適宜に備えたタップタレットが回転可能かつ昇降可能に設けてあり、各タップはタップタレットに対して回転しつつ昇降可能に構成してある。また、タップタレットの上部には板材における加工穴の周縁部を下方向から支持するワークサポートが一体的に設けてあり、また、ワークサポートには対応するタップが進入可能な複数の貫通孔が設けてある。ここで、後述のごとく板材における下方向へ突出したフランジ部が変形したり、損傷したりすることを抑制するため、タップタレットを昇降させることにより、ワークサポートの上面をパスラインの高さ位置に位置せしめたり、パスラインの高さ位置よりも低い高さ位置に位置せしめたりすることができるように構成してある。そして、本体フレームにおけるワークサポートの上方位置には板材の加工穴の周縁部をワークサポートと協働して上下方向から押圧するワーク押圧部材が昇降可能に設けてある。
【0005】
したがって、板材にパンチング加工を行うときには、タップタレットの昇降によりワークサポートを一体的に昇降させて、ワークサポートの上面をパスラインの高さ位置よりも低い高さ位置に位置せしめる。そして、板材をパンチング加工部に位置決めしつつ、パンチング加工部における適宜の穴明け用上部金型及び下部金型、適宜のバーリング用上部金型及び下部金型により板材に穴明け加工、バーリング加工を行うことにより、板材に加工穴、及びこの加工穴の周縁部に上方向又は下方向へ突出したフランジ部を形成せしめることができる。
【0006】
穴明け加工及びバーリング加工を行った後に、板材を適宜に移動させて板材における加工穴をワーク押圧部材の垂直下方位置に位置せしめる。このとき、ワークサポートの上面がパスラインの高さ位置よりも低い高さ位置に位置しているため、板材における下方向へ突出したフランジ部が変形したり、損傷したりすることを抑制することができる。
【0007】
次に、タップタレットの上昇によりワークサポートを一旦わずかに一体的に上昇せしめて、タップタレットの回転により所定のタップをワーク押圧部材の垂直下方位置に位置せしめる。そして、タップタレットの下降によりワークサポートを一体的に下降させて、ワークサポートの上面をパスラインの高さ位置に位置せしめる。そして、ワーク押圧部材を下降させることにより、ワーク押圧部材とワークサポートへ協働させて板材における加工穴の周縁部を上下方向に押圧することができる。
【0008】
板材における加工穴の周縁部を上下方向から押圧した後に、所定のタップをタップタレットに対して回転させつつ、対応する貫通孔を介してワークサポートの上面に対して上方向へ突出するように上昇させることにより、板材における加工穴の内側にタッピング加工を行うことができる。
【0009】
他の所定のタップにより板材における他の加工穴の内側にタッピング加工を行う場合には、まず板材における他の加工穴の周縁部をワーク押圧部材の垂直下方位置に位置せしめる。次に、タップタレットの上昇によりワークサポートを一旦わずかに上昇せしめ、タップタレットの回転により所定のタップをワーク押圧部材の垂直下方位置に位置せしめ、ワークサポートの上面がパスラインの高さに位置するようにワークサポートをタップタレットと一体的に下降させる。そして、ワーク押圧部材を下降させて、他の所定のタップをタップタレットに対して回転させつつ上昇させることにより、板材における他の加工穴の内側にタッピング加工を行うことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のごとき従来のパンチプレスにおいては、ワークサポートの上面をパスラインの高さ位置に位置せしめたり、パスラインの高さ位置よりも低い高さ位置に位置せしめたりするため、ワークサポートを昇降させる他に、タップタレットをワークサポートと一体的に昇降させており、ワークサポートを昇降させる昇降駆動力が大きくなる。そのため、ワークサポート(タップタレットも含む)を昇降させる昇降駆動装置が大型化してパンチプレス全体が大型化すると共に、この昇降駆動装置の構成が複雑化してパンチプレス全体の構成が複雑化するという問題があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述のごとき従来の問題点を解決するため、本発明においては、第1の手段として、板材をパスラインの高さ位置で支持するテーブルを設け、板材に対してパンチング加工を行うパンチング加工部を備えたパンチプレスにおいて、回転可能なタップタレットをパスラインの高さ位置に対して没入して設け、タップタレットにタップをそれぞれ備えた複数のタップステーション及び原点ステーションを周方向へ適宜に設け、各タップをタップタレットに対して回転しつつ昇降可能に構成し、板材における加工穴の周縁部を下方向から支持するワークサポートを昇降可能に設け、タップタレットにおける原点ステーションにおいてワークサポートの上面がパスラインの高さ位置よりも所定量だけ低い高さ位置に位置するようにワークサポートを下方向から支持する第1支持ブロックを設け、タップタレットにおける各タップステーションにおいてワークサポートの上面がパスラインの高さ位置に位置するようにワークサポートを下方向から支持可能な第2支持ブロックをそれぞれ設け、ワークサポートにおけるタップタレットの垂直上方位置に位置する部分にタップが進入可能な貫通孔を設け、貫通孔の垂直上方位置に板材における加工穴の周縁部をワークサポートと協働して上下方向から押圧するワーク押圧部材を昇降可能に設けてなることを特徴する。
【0012】
第2の手段として、第1の手段の構成要件の他に、前記ワークサポートを前記テーブルに設けた切欠部に嵌合可能に構成してなることを特徴とする。
【0013】
第3の手段として、第1又は第2の手段のうちいずれかの手段の構成要件の他に、前記テーブルは、板材を支持するフランジ状の多数の支柱を備えてなることを特徴とする。
【0014】
前記の構成において、タップタレットを回転させて原点ステーションをワークサポートの垂直下方位置に位置せしめ、ワークサポートを下降させて第1支持ブロックに突当てることにより、ワークサポートの上面がパスラインの高さ位置よりも所定量だけ低い高さ位置に位置するように第1支持ブロックによりワークサポートを下方向から支持する。そして、板材をパンチング加工部に位置決めしつつ、パンチング加工部により板材にパンチング加工(穴明け加工、バーリング加工を含む)を行う。ここで、板材の板厚が小さい場合には、板材に対して穴明け加工を行う他にバーリング加工を行い、このバーリング加工は穴明け加工を行った後又は(穴明け及びバーリング用の特別の金型を用いて)穴明け加工と同時に行うものである。また、板材に穴明け加工を行うことにより、板材には加工穴が形成され、板材にバーリング加工を行うことにより加工穴の周縁には下向き(又は上向き)のフランジ部が形成される。
【0015】
パンチング加工を行った後に、板材を適宜に移動させて、板材における加工穴をワーク押圧部材の垂直下方位置に位置せしめる。このとき、ワークサポートの上面がパスラインの高さ位置よりも所定量だけ近い高さ位置に位置しているため、板材における下方向へ突出したフランジ部が変形したり、損傷したりすることを抑制することができる。
【0016】
次に、ワークサポートを一旦わずかに上昇せしめて、タップタレットの回転により(所定のタップを備えた)所定のタップステーションをワークサポートの垂直下方位置に位置せしめ、ワークサポートを下降させて第2支持ブロックに突当てることにより、ワークサポートの上面がパスラインの高さ位置に位置するように第2支持ブロックによりワークサポートを下方向から支持する。そして、ワークサポートの上面がパスラインの高さ位置に位置した状態の下で、ワーク押圧部材を下降させることにより、ワーク押圧部材とワークサポートを協働させて板材における加工穴の周縁部を上下方向から押圧することができる。
【0017】
板材における加工穴の周縁部を上下方向から押圧した後に、所定のタップをタップタレットに対して回転させつつ、貫通孔を介してワークサポートの上面に対して上方向へ突出するように上昇させることにより、板材における加工穴の内側にタッピング加工を行うことができる。
【0018】
他の所定のタップにより板材における他の加工穴の内側にタッピング加工を行う場合には、まず板材における他の加工穴の周縁部をワーク押圧部材の垂直下方位置に位置せしめる。次に、ワークサポートを一旦わずかに上昇せしめ、タップタレットの回転により他の所定のタップをワーク押圧部材の垂直下方位置に位置せしめ、ワークサポートの上面がパスラインの高さに位置するようにワークサポートを下降させる。そして、ワーク押圧部材を下降させて、他の所定のタップをタップタレットに対して回転させつつ上昇させることにより、板材における他の加工穴の内側にタッピング加工を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図4を参照するに、本実施の形態の例に係るパンチプレス1は、ブリッジ型の本体フレーム3をベースにしており、この本体フレーム3は上下(図4において紙面に向って表裏)に対向した上部フレーム5と下部フレーム7を備えている。
本体フレーム3における下部フレーム7には板材Wをパスラインの高さ位置で支持するセンタテーブル9及び一対のサイドテーブル11が設けてあり、センタテーブル9及び一対のサイドテーブル11は板材Wを支持する多数のブラシ状の支柱13を備えている。ここで、一対のサイドテーブル11は下部フレーム7に対して前後方向(図4において右左方向)へ移動可能に構成してある。
【0020】
本体フレーム3には板材Wを前後、左右(図4において下上)方向へ移動位置決めする板材位置決め装置15が設けてある。即ち、本体フレーム3における上部フレーム5には左右方向へ延伸しかつ一対のサイドテーブル11を連結したキャレッジベース17が設けてあり、このキャレッジベース17はy軸サーボモータ19の駆動により前後方向(y軸方向)へ移動する。上記キャレッジベース17には板材Wを把持するクランプ装置21を備えたキャレッジ23が設けてあり、このキャレッジ23はx軸サーボモータ25の駆動により左右方向(x軸方向)へ移動する。
【0021】
上記センタテーブル9の中央部には板材Wにパンチング加工(穴明け加工、バーリング加工を含む)を行うパンチング加工部27が設けてある。より詳細には、本体フレーム3には上下に対向した上部タレット29と下部タレット31が設けてあり、上部タレット29と下部タレット31はタレット用サーボモータ(図示省略)の駆動により同期して同方向へ回転する。下部タレット31には板材Wパスラインの高さ位置で支持する一対の半円形状の補助テーブル33が設けてあり、各補助テーブル33は複数のブラシ状の支柱35を備えている(図5参照)。各タレット29,31は金型(上部金型37、下部金型39)を着脱交換可能に備えた一対の金型ステーション41をそれぞれ設けてあり、一方の金型ステーション41がパンチング加工位置に位置すると他方の金型ステーション41は金型交換位置に位置するように構成してある。そして、上部フレーム5の適宜位置にはストライカー43が昇降可能に設けてあり、このストライカー43は、パンチング加工位置に所定の金型ステーション41に位置せしめた後に、所定の金型ステーション41に備えた上部金型37を上方向から押圧する作用を有している。ここで、パンチング加工位置とは、ストライカー43の垂直下方位置のことをいい、金型交換位置とは、このパンチング加工位置からタレット29,31の軸を中心として180°だけ回転した位置のことをいう。なお、金型交換位置に位置した金型ステーション41に対する金型(上部金型37、下部金型39)の交換は、公知の金型交換装置(図示省略)により適宜に行う。
【0022】
上記パンチング加工部27の近傍には板材Wに複数種のタッピング加工を行うタッピング加工部45が設けてある。
【0023】
タッピング加工部45について図1〜図3を参照して詳細に説明すると、下部フレーム7におけるパンチング加工部27の近接した位置にはタップタレット47が回転可能に設けてあり、このタップタレット47は内部に中空部49を備えている。ここで、タップタレット47は、下部フレーム7に設けた回転モータ51の駆動により回転するものであって、公知のショットピン装置53の作動により所定の回転位置に回転不能に位置決め可能に構成してある。
【0024】
タップタレット47には異なる種類のタップ55をそれぞれ備えた複数のタップステーション57及び原点ステーション59が設けてある。
【0025】
各タップ55をタップタレット47に対して回転しつつ昇降させるため、タップタレット47の上部にはタップ55を保持するタップホルダ61が回転可能かつ昇降可能に支持されてあって、各タップホルダ61の下部に螺合したリードねじ63が、タップタレット47の下部に昇降可能かつ回転不能に支持されている。なお、各リードねじ63のねじ部のピッチは対応するタップ55のピッチと同じである。適宜のタップ55を回転させるため、タップタレット47の下側に設けたタップ駆動モータ65に連動連結した駆動ギア67及び複数の中間ギア69が、タップタレット47の中空部49に位置するように設けてあり、各タップホルダ61には対応する中間ギア69に噛合可能な従動ギア71が一体的に設けてある。各従動ギア71は適宜位置まで上昇することにより対応する中間ギア69に噛合するものであって、各従動ギア71を昇降させるため、タップタレット47の下部には複数のクイックアプローチシリンダ73が内蔵してあり、各リードねじ63が対応するクイックアプローチシリンダ73におけるピストンに連結してある。
【0026】
前記タップタレット47の近傍には板材Wにおける加工穴Whの周縁部を下方向から支持する略山型形状のワークサポート75が一対の昇降シリンダ77の作動により昇降可能に設けてある。ここで、ワークサポート75が上昇することにより、ワークサポート75は、センタテーブル9に設けた切欠部9n(図2参照)に嵌合可能である。また、タップタレット47の中央部には、原点ステーション59においてワークサポート75の上面がパスラインの高さ位置よりも所定量だけ低い高さ位置に位置するようにワークサポート75を下方向から支持する円板状の第1支持ブロック79が設けてあり、この第1支持ブロック79における各タップステーション57に対応する位置には、各タップステーション57においてワークサポート75の上面がパスラインの高さ位置に位置するようにワークサポート75を下方向から支持する第2支持ブロック81がそれぞれ一体的に設けてある。なお、タップタレット47における原点位置ステーション59の適宜位置には、第1支持ブロック79と同様の作用を有する一対の第1支持ピン83が設けてあり、タップタレット47における各タップステーション57の適宜位置には第2支持ブロック81と同様の作用を有する一対の第2支持ピン85がそれぞれ設けてある。
【0027】
上記ワークサポート75の一部分がタップタレット47の垂直上方位置に位置するように構成してあって、このワークサポート75における一部分にはタップ55が進入可能な貫通孔87が設けてある。なお、この貫通孔87は略山型形状のワークサポート75の頂部を貫通するように構成してある。
【0028】
上記貫通孔87の垂直上方位置には、板材Wにおける加工穴Whの周縁部をワークサポート75と協働して上下方向から押圧するワーク押圧部材89が設けてあり、このワーク押圧部材89は、前記上部フレーム5の適宜位置に設けた押圧シリンダ91の作動により昇降する。
【0029】
前述の構成に基づいて本実施の形態の例の作用について説明する。
【0030】
板材Wに対してパンチング加工を行うときには、回転モータ51の駆動によりタップタレット47を回転させて原点ステーション59をワークサポート75の垂直下方位置に位置せしめる。次に、昇降シリンダ77の作動によりワークサポート75を下降させて第1支持ブロック79及び一対の第1支持ピン83に突当てることにより、ワークサポート75の上面がパスラインの高さ位置よりも所定量だけ低い高さ位置に位置するように第1支持ブロック79及び一対の第1支持ピン83によりワークサポート75を下方向から支持する。
【0031】
クランプ装置21により板材Wを把持した状態の下で、y軸サーボモータ19の駆動によりキャレッジベース17を前後方向(y軸方向)へ移動させると共に、x軸サーボモータ25の駆動によりキャレッジ23を左右方向へ移動させることにより、板材Wを上部タレット29と下部タレット31の間に位置決めを行う。そして、この板材Wの位置決めを行いつつ、ストライカー43を下降させて上部金型37を押圧することにより、板材Wにパンチング加工(穴明け加工、バーリング加工を含む)を行う。ここで、板材Wの板厚が小さい場合には、板材Wに穴明け加工を行う他にバーリング加工を行い、このバーリング加工は穴明け加工を行った後又は(穴明け及びバーリング用の特別の金型を用いて)穴明け加工と同時に行うものである。また、板材Wに穴明け加工を行うことにより、板材Wには加工穴Whが形成され、板材Wにバーリング加工を行うことにより加工穴Whの周縁には下向き(又は上向き)のフランジ部Wfが形成される。
【0032】
パンチング加工を行った後に、板材Wを適宜に移動させて、板材Wにおける加工穴Whの周縁部をワーク押圧部材89の垂直下方位置に位置せしめる。このとき、ワークサポート75の上面がパスラインの高さ位置よりも所定量だけ低い高さ位置に位置しているため、板材Wにおける下方向へ突出したフランジ部Wfが変形したり、損傷したりすることを抑制することができる。
【0033】
次に、昇降シリンダ77の作動によりワークサポート75を一旦わずかに上昇せしめて、タップタレット47の回転により(所定のタップ55を備えた)所定のタップステーション57をワーク押圧部材89の垂直下方向位置に位置せしめる。そして、ワークサポート75を下降させて所定の第2支持ブロック81及び一対の第2支持ピン85に突当てることにより、ワークサポート75の上面がパスラインの高さ位置に位置するように所定の第2支持ブロック81及び一対の第2支持ピン85によりワークサポート75を下方向から支持する。
【0034】
所定の第2支持ブロック81及び一対の第2支持ピン85によりワークサポート75を支持した後に、押圧シリンダ91の作動によりワーク押圧部材89を下降させることにより、ワーク押圧部材89とワークサポート75を協働させて、板材Wにおける加工穴Whの周縁部を上下方向から押圧することができる。
【0035】
板材Wにおける加工穴Whの周縁部を上下方向から押圧した後に、所定のクイックアプローチシリンダ73の作動により所定の従動ギア71を所定のリードねじ63と一体的に上昇させて、所定の中間ギア69に噛合せしめる。そして、タップ駆動モータ65の駆動により駆動ギア67及び所定の中間ギア69を介して所定のタップ55を回転させる。これによって、リードねじ63の作動により所定のタップ55を回転させつつ、貫通孔87を介してワークサポート75の上面に対して上方向へ突出するように上昇させることができ、板材Wにおける加工穴Whの内側にタッピング加工を行うことができる。
【0036】
他の所定のタップ55により板材Wにおける他の加工穴Whの内側にタッピング加工を行う場合には、まず板材Wにおける他の加工穴Whの周縁部をワーク押圧部材89の垂直下方位置に位置せしめる。次に、ワークサポート75を一旦わずかに上昇せしめ、タップタレット47の回転により他の所定のタップ55をワーク押圧部材89の垂直下方位置に位置せしめ、ワークサポート75の上面がパスラインの高さに位置するようにワークサポート75を下降させる。そして、ワーク押圧部材89を下降させて、他の所定のタップ55を回転させつつ上昇させることにより、板材Wにおける他の加工穴Whの内側にタッピング加工を行うことができる。
【0037】
以上のごとき、本実施の形態の例の発明によれば、ワークサポート75の上面をパスラインの高さ位置に位置せしめたり、パスラインの高さ位置よりも低い高さ位置に位置せしめたりするため、タップタレット47を昇降させることなく、ワークサポート75のみを昇降させており、ワークサポート75を昇降させる昇降駆動力は小さくて足りる。そのため、ワークサポート75を昇降させる昇降シリンダ77のコンパクト化を図ってパンチプレス1全体のコンパクト化を図ることができると共に、この昇降シリンダ77の構成の簡略化を図ってパンチプレス1全体の構成の簡略化を図ることができる。
【0038】
また、上述のごとくワークサポート75のみを昇降させることにしたことに相まって、センターテーブル9に設けた切欠部9nをワークサポート75に対応した形状にすれば足り、センターテーブル9の切欠部9nが大きくなることを回避することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上のごとき、実施の形態の例の説明により理解されるように、請求項1又は請求項2のいずれかの請求項に記載の発明によれば、ワークサポートの上面をパスラインの高さ位置に位置せしめたり、パスラインの高さ位置よりも低い高さ位置に位置せしめたりするため、タップタレットを昇降させることなく、ワークサポートのみを昇降させており、ワークサポートを昇降させる昇降駆動力は小さくて足りる。そのため、ワークサポートを昇降させる昇降駆動装置のコンパクト化を図ってパンチプレス全体のコンパクト化を図ることができると共に、この昇降駆動装置の構成の簡略化を図ってパンチプレス全体の構成の簡略化を図ることができる。
【0040】
また、請求項2に記載の発明のよれば、上述のごとくワークサポートのみを昇降させることにしたことに相まって、テーブルに設けた切欠部をワークサポートに対応した形状にすれば足り、テーブルの切欠部が大きくなることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2におけるI−I線に沿った図である。
【図2】図4における矢視部IIを示す図である。
【図3】図2におけるIII −III 線に沿った図である。
【図4】パンチプレスの平面図である。
【図5】下部タレットを示す図である。
【符号の説明】
1 パンチプレス
9 固定テーブル
45 タッピング加工部
47 タップタレット
55 タップ
57 タップステーション
59 原点ステーション
75 ワークサポート
Claims (2)
- 板材をパスラインの高さ位置で支持するテーブルを設け、板材に対してパンチング加工を行うパンチング加工部を備えたパンチプレスにおいて、
回転可能なタップタレットをパスラインの高さ位置に対して没入して設け、タップタレットにタップをそれぞれ備えた複数のタップステーション及び原点ステーションを周方向へ適宜に設け、各タップをタップタレットに対して回転しつつ昇降可能に構成し、板材における加工穴の周縁部を下方向から支持するワークサポートを昇降可能に設け、タップタレットにおける原点ステーションにおいてワークサポートの上面がパスラインの高さ位置よりも所定量だけ低い高さ位置に位置するようにワークサポートを下方向から支持する第1支持ブロックを設け、タップタレットにおける各タップステーションにおいてワークサポートの上面がパスラインの高さ位置に位置するようにワークサポートを下方向から支持可能な第2支持ブロックをそれぞれ設け、ワークサポートにおけるタップタレットの垂直上方位置に位置する部分にタップが進入可能な貫通孔を設け、貫通孔の垂直上方位置に板材における加工穴の周縁部をワークサポートと協働して上下方向から押圧するワーク押圧部材を昇降可能に設けてなることを特徴するパンチプレス。 - 前記ワークサポートを前記テーブルに設けた切欠部に嵌合可能に構成してなることを特徴とする請求項1に記載のパンチプレス。
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