JP2526308Y2 - パンチプレス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は金型を備えた回転自在な金型ホルダを備えた
タレットパンチプレスなどのごときパンチプレスに関す
る。

（従来の技術） 従来、タレットパンチプレスなどのごときパンチプレ
スにおいては、形状が同一であっても方向性の異なる金
型においては、方向性が異なる毎にタレットに金型に装
着する他に、金型に支持する金型ホルダを回転させるこ
とにより、金型の方向性を変えて種々のパンチング加工
を行っていた。そして上記金型ホルダを回転させるため
には、駆動ギア、従動ギア、モータを備えたホルダ回転
装置をタレットに設けていた。

（考案が解決しようとする課題） ところで、方向性のある複数種の金型を回転させるた
めには、複数種の金型をそれぞれ備えた回転可能な複数
の金型ホルダをタレットに装着すること、或いはタレッ
ト上の金型ホルダを着脱交換自在に設けることが考えら
れる。前者の場合には、複数の回転可能な金型ホルダと
共に複数のホルダ回転装置をタレット上に装着せしめる
必要があり、タレット上に大きなスペースをとり、回転
割出しを行わない通常の金型を多数タレットに装着せし
めることができないという問題があった。また、後者の
場合には、タレット上の金型ホルダを着脱交換すると共
に複数のホルダ回転装置の着脱交換を行う必要があり、
作業に時間を要し、作業能率が悪くなるといった問題が
あった。

そこで、本考案は方向性のある複数種の金型を適宜に
変換してパンチング加工をすることができるタレットパ
ンチプレスを提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 前述のごとき従来の問題に鑑みて、本考案は、パンチ
プレスにおける支持部材ホルダに着脱交換可能に装着し
たホルダ支持部材に、金型を支持する金型ホルダを回転
自在に支持して設け、当該金型ホルダに備えた従動ギア
と噛合可能な第１中間ギアを前記支持部材ホルダに回転
自在に支承して設けると共に、当該第１中間ギアを、前
記金型ホルダに対して接近離反する方向へ位置調節可能
に設け、サーボモータによって回転される駆動ギアを前
記支持部材ホルダに回転自在に設けると共に、当該駆動
ギアと前記第１中間ギアに噛合した第２中間ギアを設
け、前記駆動ギアの中心と前記第１中間ギアの中心とを
結ぶ線に対して交差する方向へ前記第２中間ギアを位置
調節可能に設けてなるものである。

（実施例） 以下、本考案に係る実施例について図面に基づいて説
明する。

第３図を参照するに、タレットパンチプレス１は、下
部フレーム３の前後（第３図において左右）に支柱5,7
を一体的に立設し、かつ、支柱5,7に上部フレーム９を
設けて枠体を構成している。

上記上部フレーム９には円盤状の上部タレット11が回
転軸13を介して回転自在に設けてあり、下部フレーム３
には上部タレット11に上下に対向した下部タレット15が
回転軸17を介して回転自在に設けてある。前記上下のタ
レット11,15は、後述するホルダ支持部材を支持する支
持部材ホルダをなすものであって、サーボモータのごと
きタレット回転装置（図示省略）を適宜に操作すること
により、同期して同方向へ所定の角度だけ回動されるも
のである。

上記上部、下部タレット11,15は多数の金型ステーシ
ョンを備えており、多数の所定の金型ステーションには
種々の寸法形状をなした多数の上部金型19、下部金型21
が着脱自在に取付けてあり、上下一対の上部、下部金型
19、21は同寸法形状である。板材Ｗにパンチング加工を
行うために、上部フレーム９の中央部付近には上下動自
在なストライカー23が設けてある。したがってタレット
回転装置を適宜に操作して所定の上部、下部金型19,21
をストライカー23の垂直下方位置に位置せしめて、ラム
23を下降させることにより、所定の上部、下部金型19、
21により所定のパンチング加工を行うことができるもの
である。

パンチング加工を行う板材Ｗの移動位置決めを行うた
めに移動位置決め装置25が設けてある。より詳細には、
下部フレーム３に取付けたレール27には移動位置決め装
置25の一部を構成する第１キャレッジ29が前後方向へ移
動自在に設けてあり、第１キャレッジ29には、板材Ｗを
把持するクランプ装置31を備えた第２キャレッジ33が左
右方向（第３図において紙面に向って表裏方向）へ移動
自在に取付けてある。

また、前記下部フレーム３の上面には板材Ｗを支持す
る固定テーブル35が設けてあり、この固定テーブル35の
左右両側には第１キャレッジ29に固定した可動テーブル
37がそれぞれ配置してある。

上記構成により、第１キャレッジ29を前後方向へ移動
すると共に第２キャレッジ33を左右方向へ移動すること
により、クランプ装置31により把持した板材Ｗを上部タ
レット11と下部タレット15の間の所定位置へ移動位置決
めする。また、上述のごとく板材Ｗを移動位置決めする
前又は移動位置決めするとほぼ同時に、タレット回転装
置を適宜に操作して所定の上部、下部金型19,21をスト
ライカー23の垂直下方位置へ位置せしめる。そして、ス
トライカー23を下降させて所定の上部金型19を打圧する
ことにより、板材Ｗに対して所望のパンチング加工を行
うことができるものである。

第１図、第２図を参照するに、上部タレット11には方
向性のある上部金型39が着脱交換自在に設けてある。

より詳細には、上部タレット11には切欠部41が設けて
あり、上部タレット11における切欠部41の両側に設けた
ガイド部43には、上記上部金型39を備えた金型ホルダ45
を支持するホルダ支持部材47が上部タレット11の径方向
から着脱交換自在に設けてある。また、上記ホルダ支持
部材47の上面を支持するために、上部タレット11におけ
る切欠部41の付近には支持部材49が設けてある。そし
て、ホルダ支持部材47が上記ガイド部43の所定位置に位
置したときに、ホルダ支持部材47を固定せしめるため
に、上記支持部材47には公知の位置決めピン51が設けて
あり、ホルダ支持部材47には位置決めピン51に係合可能
な係合部（図示省略）が設けてある。

上記金型ホルダ45を回転させるために、ホルダ回転装
置53が設けてある。

より詳細には、金型ホルダ45にはホルダ回転装置53の
一部を構成する従動ギア55が一体的に設けてあり、この
従動ギア55と間接的に噛合した駆動ギア57が上部タレッ
ト11に回転自在に設けてある。上記駆動ギア57を回転さ
せるために、駆動ギア57にはクラッチ係合部59が一体的
に設けてあり、上部フレーム９にはこのクラッチ係合部
59に係合自在な係合部材61を備えたスピンドル63が回転
自在かつ上下動自在に設けてある。詳細な図示は省略す
るけれども、上記スピンドル63は、適宜位置に設けられ
たサーボモータ（図示省略）と連動連結してあり、かつ
シリンダ等の適宜のアクチュエータによって上下動され
るものである。

上記駆動ギア57のクラッチ係合部59とスピンドル63の
係合部材61との係脱は、上部タレット11の回転によって
方向性のある上部金型39がラム23の垂直下方位置に割出
し位置決めした状態にあるときに行われるものである。

また、上記駆動ギア57と従動ギア55を間接的に噛合せ
しめるために、上部タレット11には、従動ギア55に噛合
可能な第１中間ギア65が設けてあると共に、この第１中
間ギア65及び駆動ギア57に噛合した第２中間ギア67が設
けてある。

上記第１中間ギア65は、ホルダ支持部材47を上部タレ
ット11に装着したときの従動ギア55の中心55Sと上部タ
レット11の中心を結ぶ線Ｌ上を位置調節自在に設けられ
ている。

より詳細には、第１中間ギア65の回転軸69は、上部タ
レット11に設けた第１穴71内に位置調節自在に設けられ
た第１軸承ブロック73に回転自在に支持されている。上
記第１軸承ブロック73の位置を調節するために、第１軸
承ブロック73の複数箇所には第２図に示すように線Ｌに
沿った長穴75が設けてある。そして、各長穴75に貫通し
たボルト等の締付具77によって第１軸承ブロック73は上
部タレット11に固定されるものである。

また、上記第２中間ギア67は、第１中間ギア65の中心
65Sと駆動ギア57の中心57Sを結ぶ線Ｍに対して交差する
方向へ位置調節自在に設けてある。

より詳細には、第１中間ギア65の構成とほぼ同様に、
第２中間ギア67の回転軸79は、上部タレット11に設けた
第２穴81内に位置調節自在に設けられた第２軸承ブロッ
ク83に回転自在に支持されている。上記第２軸承ブロッ
ク83の位置を調節するために、第２軸承ブロック83の複
数箇所には線Ｍに対して交差する方向へ沿った長穴85が
設けてある。そして、各長穴85に貫通した締付具87によ
って第２軸承ブロック83は、上部タレット11に固定され
るものである。

上記従動ギア55を回転不能とするために、ホルダ支持
部材47にはブレーキ装置89が設けてある。上記ブレーキ
装置89については詳細な図示を省略するけれども、流体
圧シリンダの作用により上下する２本のリンクを備え、
２本のリンクにより従動ギア55を把持することにより、
従動ギア55を回転不能とするものである。また、第２中
間ギア67を回転不能とするために、第２軸承ブロック83
には上記ブレーキ装置89と同様のブレーキ装置91が設け
てある。

以上の説明は、方向性のある上部金型39を着脱交換す
ると共に回転割出しするための構成についての説明であ
り、方向性のある下部金型93を着脱交換すると共に回転
割出しするための構成についてもほぼ同様であるため
に、後者の構成については説明を省略し、後者の構成に
おいて前者の構成と対応するものについては図中同一番
号を付して説明を省略する。

前述の構成に基づいて本実施例の作用について説明す
る。

タレット11,15に方向性のある金型39,93を取付ける場
合には、上下の第１中間ギア65をタレット11,15の中心
側に位置せしめた状態のもとで、ホルダ支持部材47をタ
レット11,15の径方向からタレット11、15にガイド部43
を介して装着せしめる。このとき、従動ギア55はブレー
キ装置89を介して回転不能にしておく。そして、上下の
ホルダ支持部材47を位置決めピン51を介してタレット1
1,15に固定せしめる。

次に、第１軸承ブロック73を介して上下の第１中間ギ
ア65を直線Ｌに沿って位置調節することにより、第１中
間ギア65を従動ギア55と噛合せしめると共に、第１中間
ギア65と従動ギア55の間のバックラッシを調節すること
ができる。なお、バックラッシを調節した後は、締付具
87を適宜に操作して第１中間ギア65をタレット11,15に
固定せしめる。

そして、第２軸承ブロック83を介して上下の第２中間
ギア67を直線Ｍに対して交差する方向へ位置調節するこ
とにより、第２中間ギア67と第１中間ギア65の間のバッ
クラッシと、第２中間ギア67と駆動ギア57の間のバック
ラッシを調節する。このとき、第２中間ギア67はブレー
キ装置91を介して回転不能状態にある。なお、バックラ
ッシを調節した後に、締付具87を適宜に操作して第２中
間ギア67をタレット11,15に固定せしめる。

上記作用のもとで、タレット回転装置を介してタレッ
ト11,15を回転させて、クラッチ係合部59と係合部材61
を上下に対向させる。次に、アクチュエータを介して上
下のスピンドル63を上下動させて、係合部材61とクラッ
チ係合部59に係合せしめる。このとき、従動ギア55と第
２中間ギア67はブレーキ装置89,91を介して回転自在な
状態にある。そしてサーボモータを介して上下のスピン
ドル63を回転させることにより、第１、第２中間ギア6
5,67を介して上下の金型ホルダ45を所定角度だけ回転さ
せることができる。したがって、方向性のある上部金型
39、下部金型93を所定角度だけ回転割出しすることがで
きるものである。

方向性のある上部金型39、下部金型93を回転割出した
後に、ストライカー23を下降させて上部金型39を打圧す
ることにより、上部金型39と下部金型93の協働により、
パンチング加工を行うことができるものである。

タレット11,15から方向性のある上部金型39、下部金
型93を取外す場合には、締付具87を介して第１軸承ブロ
ック73の固定状態を解除する。次に、第１軸承ブロック
73をタレット11,15の中心側に位置せしめて、第１中間
ギア65と従動ギア55の噛合状態を解除する。そして、位
置決めピン51を介してホルダ支持部材47との係合状態を
解除して、ホルダ支持部材47をタレット11,15から離脱
せしめる。これによって、タレット11,15から方向性を
有する上部金型39,93を取外すことができるものであ
る。

本実施によれば、ホルダ支持部材47をタレット11,15
に適宜に着脱交換することができ、複数種の方向性を有
した金型39,93をタレット11,15に適宜に交換して取付け
ることができる。したがって、複数種の方向性を有した
金型39,93により適宜にパンチング加工を行うことがで
き、作業能率の向上の効果を図ることができるものであ
る。

また、第１中間ギア65と従動ギア55との間のバックラ
ッシ、第２中間ギア67と第１中間ギア65との間のバック
ラッシ、第２中間ギア67と駆動ギア57との間のバックラ
ッシを調整することができ、金型39,93を所定角度だけ
回転割出して、精密なパンチング加工を行うことができ
るものである。

なお、本考案は前述のごとき実施例の説明に限るもの
ではなく、適宜の変更を行うことにより、その他種々の
態様で実施可能である。

〔考案の効果〕

以上のごとき実施例の説明により理解されるように、
要するに本考案は、パンチプレスにおける支持部材ホル
ダに着脱交換可能に装着したホルダ支持部材（47）に、
金型（39）を支持する金型ホルダ（45）を回転自在に支
持して設け、当該金型ホルダ（45）に備えた従動ギア
（55）と噛合可能な第１中間ギア（65）を前記支持部材
ホルダに回転自在に支承して設けると共に、当該第１中
間ギア（65）を、前記金型ホルダ（45）に対して接近離
反する方向へ位置調節可能に設け、サーボモータによっ
て回転される駆動ギア（57）を前記支持部材ホルダに回
転自在に設けると共に、当該駆動ギア（57）と前記第１
中間ギア（65）に噛合した第２中間ギア（67）を設け、
前記駆動ギア（57）の中心（57S）と前記第１中間ギア
（65）の中心（65S）とを結ぶ線（Ｍ）に対して交差す
る方向へ前記第２中間ギア（67）を位置調節可能に設け
てなるものである。

上記構成より明らかなように、本考案においては、金
型を支持する金型ホルダを回転自在に支持したホルダ支
持部材が支持部材ホルダに着脱交換可能に装着してある
から、金型の径の相違によって金型ホルダの径が異なる
場合であっても、ホルダ支持部材を着脱交換することに
より容易に対応し得るものである。

また、金型ホルダに備えた従動ギアと噛合可能な第１
中間ギアは金型ホルダに対して接近離反する方向に位置
調節可能に設けてあるから、従動ギアと第１中間ギアと
のバックラッシュの調節が容易なものである。

さらに、モータによって回転される駆動ギアと前記第
１中間ギアとの間には第２中間ギアが設けてあって、位
置調節可能であるから、駆動ギアと第２中間ギアとの間
および第1,第２の中間ギアの間のバックラッシュの調節
が容易なものである。

すなわち本考案によれば、金型ホルダを支持したホル
ダ支持部材を着脱交換することにより、種々の寸法の金
型に対応でき、またホルダ支持部材を着脱交換した場合
であっても、モータから金型ホルダに至るギア列のバッ
クラッシュを小さく調節でき、金型ホルダの回転割出し
を精度良く行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る実施例を説明するものであり、第１
図は本実施例の要部を示す図である。第２図はタレット
パンチプレスのタレットを示す図である。第３図はタレ
ットパンチプレスの側面図である。 １……タレットパンチプレス 11……上部タレット 15……下部タレット 45……金型ホルダ 47……ホルダ支持部材 55……従動ギア 57……駆動ギア 65……第１中間ギア 67……第２中間ギア 39……上部金型 93……下部金型

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パンチプレスにおける支持部材ホルダに着
   脱交換可能に装着したホルダ支持部材（47）に、金型
   （39）を支持する金型ホルダ（45）を回転自在に支持し
   て設け、当該金型ホルダ（45）に備えた従動ギア（55）
   と噛合可能な第１中間ギア（65）を前記支持部材ホルダ
   に回転自在に支承して設けると共に、当該第１中間ギア
   （65）を、前記金型ホルダ（45）に対して接近離反する
   方向へ位置調節可能に設け、サーボモータによって回転
   される駆動ギア（57）を前記支持部材ホルダに回転自在
   に設けると共に、当該駆動ギア（57）と前記第１中間ギ
   ア（65）に噛合した第２中間ギア（67）を設け、前記駆
   動ギア（57）の中心（57S）と前記第１中間ギア（65）
   の中心（65S）とを結ぶ線（Ｍ）に対して交差する方向
   へ前記第２中間ギア（67）を位置調節可能に設けてなる
   ことを特徴とするパンチプレス。