JPH0553734U - タレットパンチプレス機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々の板厚の板材に対応できるようにする。 【構成】 タレットパンチプレス機１は、複数のパンチ
３５を保持する回動可能な上タレット４０と、複数のダ
イ３６を保持し、上タレットセンタ４３と離れた位置に
センタ４２を有する回動可能な下タレット４１と、加工
ヘッド４４とを備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、パンチプレス機、特に、それぞれ複数のパンチ及びダイを保持する 回動可能な第１及び第２タレットを備えたタレットパンチプレス機に関する。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】

板材に孔開け加工等を行うパンチプレス機において、加工の高効率化のために タレットパンチプレス機が用いられている。 このタレットパンチプレス機は、一般に、円周上に配置された複数のパンチを 保持する回動可能な上タレットと、その下方に対向配置され、円周上に配置され た複数のダイを保持する回動可能な下タレットと、上タレットの回動により加工 位置に配置されたパンチを昇降させる駆動機構とを備えている。

【０００３】 加工の際には、上タレット及び下タレットをそれぞれ回動させ、所望のパンチ 及びダイを割り出して加工位置に配置させる。そして、前記パンチを駆動機構に より昇降させ、パンチ及びダイにより板材に加工が行われる。 一方、加工する板材の板厚に応じてパンチ及びダイのクリアランスを変更する 必要がある。したがって、１つのパンチに対して径の異なる複数種のダイを用意 しなければならない。

【０００４】 ところが、前記従来のタレットパンチプレス機では、下タレットが上タレット に対して同心に配置されており、上タレットの各パンチ及び下タレットの各ダイ はいずれも同一径の円周上に配置されている。このため、上タレットの各パンチ に対応する下タレット側のダイの数に限りがあり、対応できる板材の厚みにも限 界がある。

【０００５】 本考案の目的は、種々の板厚の板材に対応できるようにすることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るタレットパンチプレス機は、第１及び第２タレットと、加工ヘッ ドとを備えている。 前記第１タレットは、円周上に配置された複数のパンチを保持し、回動可能と なっている。前記第２タレットは、円周上に配置された複数のダイを保持すると ともに、ダイの一部がパンチの一部に対向配置されるように、第１タレット回動 中心と離れた位置にその回動中心を有し、回動可能となっている。前記加工ヘッ ドは、対向配置されたパンチ及びダイから構成されている。

【０００７】

【作用】

本考案では、第１及び第２タレットをそれぞれ回動させることにより、所望の パンチ及びダイを加工ヘッド位置に配置させる。そして、これらのパンチ及びダ イにより加工が行われる。 この場合には、第２タレット回動中心が第１タレット回動中心から離れた位置 にあるため、第２タレットを第１タレットよりも大型の部材で構成することが可 能となり、これにより、第２タレット側に多数のダイが保持され得る。この結果 、種々の板厚の板材に容易に対応できる。

【０００８】

【実施例】

図１及び図２は、本考案の一実施例によるタレットパンチプレス機を示してい る。 このタレットパンチプレス機１は、主に、下部フレーム２と、その上方に配置 された上部フレーム３と、これらを後方で支持するスロート部４とから構成され ている。

【０００９】 下部フレーム２の上面中央には、固定テーブル１０が配置されている。固定テ ーブル１０の両側方において下部フレーム２上には、１対のガイドレール５，６ が配置されている。ガイドレール５，６上には、左右方向（Ｘ軸方向）に延びる キャリッジ７が奥行き方向（Ｙ軸方向）に移動可能に設けられている。キャリッ ジ７には、固定テーブル１０の両側方に配置された１対の移動テーブル８，９が 固定されている。また、キャリッジ７には、ワーク１１を把持するためのワーク ホルダ１４，１５が装着されたクロススライド１６がＸ軸方向に移動可能に設け られている。

【００１０】 キャリッジ７をＹ軸方向に移動させる移動機構は、移動テーブル９の下方に配 置されており、サーボモータ２０と、これに連結されたボールねじ２１と、ボー ルねじ２１に螺合するボールナット２２とから構成されている。ボールナット２ ２は、移動テーブル９の下面に固定されている。また、クロススライド１６をＸ 軸方向に移動させる移動機構は、キャリッジ７内に配置されており、キャリッジ ７の左端部に配置されたサーボモータ３０と、これに連結されたボールねじ３１ と、ボールねじ３１に螺合するボールナット３２とから構成されている。ボール ナット３２は、クロススライド１６に固定されている。

【００１１】 上部フレーム３には、円周上に配置された複数のパンチ３５を収容する上タレ ット４０が回動可能に設けられている。一方、下部フレーム２側には、円周上に 配置された複数のダイ３６を収容する下タレット４１が回動可能に設けられてい る。下タレット４１のセンタ４２は、図２に示すように、上タレット４０のセン タ４３から離れた位置にあり、各タレット４０及び４１の一部が対向している（ 図３参照）。これにより、下部フレーム２上のスペースを利用して下タレット４ １を上タレット４０よりも大型の部材で構成することができ、下タレット４１内 に多数のダイ３６を装着することが可能となる。この結果、１つのパンチ３５に 対して種々のダイ孔を有するダイ３６を下タレット４１内に収容でき、種々の板 厚の板材に対応できる。また、上タレット４０及び下タレット４１の対向部分に 対向配置されるパンチ３５及びダイ３６によって加工ヘッド４４が構成される。

【００１２】 また、上部フレーム３内には、加工ヘッド４４に配置されたパンチ３５を昇降 駆動するための駆動機構５０（図１）が配置されている。この駆動機構５０は、 フライホイール５１と、これに連結されたクランク機構５２と、ベルト５３を介 してフライホイール５１を回転駆動するモータ５４とから主として構成されてい る。クランク機構５２にはピットマン５５が連結され、ピットマン５５下部には ラム５６が連結されている。ラム５６下部には、加工ヘッド４３に配置されたパ ンチ３５頭部に係合し得る係合凹部が形成されている。

【００１３】 上タレット４０の回動機構は、図３に示すように、上部フレーム３及びスロー ト部４内に配置されており、サーボモータ６１と、その出力軸端及び上タレット ４０にそれぞれ装着されたタイミングプーリ６２及び６３と、各タイミングプー リ６２，６３間に巻き掛けられたタイミングベルト６４とから構成されている。 一方、下タレット４１の回動機構は、下部フレーム２内に配置されており、サー ボモータ６５と、その出力軸端及び下タレット４１にそれぞれ装着されたタイミ ングプーリ６６及び６７と、各タイミングプーリ６６，６７間に巻き掛けられた タイミングベルト６８とから構成されている。

【００１４】 次に、動作について説明する。 加工の際には、板材１１の板厚及び加工プログラムに従って所望のパンチ３５ 及びダイ３６を割り出す。すなわち、各サーボモータ６１及び６５を駆動して上 タレット４０及び下タレット４１を回転させ、所望のパンチ３５及びダイ３６を 加工ヘッド４４の位置に配置させる。加工ヘッド４４位置では、割り出されたパ ンチ３５の頭部が、駆動機構５０のラム５６下部の係合凹部内に係合する。この 状態から、各サーボモータ２０及び３０を駆動して、ワークホルダ１４，１５に 把持された板材１１の加工位置を加工ヘッド４４位置へ移動させる。そして、駆 動機構５０のサーボモータ５４を駆動し、クランク機構５２、ピットマン５５及 びラム５６を下降及び上昇させる。これにより、ラム５６下部に係合するパンチ ３５が昇降して、板材１１に所望の加工が行われる。

【００１５】 以下、同様にして、加工すべきパンチ孔の径に応じて適宜上タレット４０及び 下タレット４１を回動させて所望のパンチ３５及びダイ３６を割り出し、これら のパンチ３５及びダイ３６の組合せにより板材１１に加工が行われる。また、加 工すべき板材１１の板厚が変化した場合においても、同様に上タレット４０内の パンチ３５及び下タレット４１内のダイ３６を用いて加工が行われる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案に係るタレットパンチプレス機では、パンチを保持する第１タレットと 、ダイを保持し第１タレット回動中心と離れた位置に回動中心を有する第２タレ ットとが設けられるので、第２タレット内に多数のダイを収容でき、これにより 種々の板厚の板材に対応できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の全体斜視図。

【図２】その平面概略図。

【図３】側面概略図。

【符号の説明】

１ タレットパンチプレス機 ３５ パンチ ３６ ダイ ４０ 上タレット ４１ 下タレット ４２ 下タレットセンタ ４３ 上タレットセンタ ４４ 加工ヘッド

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】円周上に配置された複数のパンチを保持す
   る回動可能な第１タレットと、円周上に配置された複数
   のダイを保持するとともに、前記ダイの一部が前記パン
   チの一部に対向配置され得るように前記第１タレット回
   動中心と離れた位置にその回動中心を有する回動可能な
   第２タレットと、前記対向配置されたパンチ及びダイか
   ら構成される加工ヘッドとを備えたタレットパンチプレ
   ス機。