JP3542961B2 - 複合サッシの下枠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物開口部に装着される金属枠に対しその屋内側露出部分を樹脂枠で覆うことにより、断熱性を向上させて結露の防止を図ると共に、金属枠の視覚的な冷たさを排除するようにした複合サッシの下枠に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アルミサッシ等の金属枠からなる窓枠に対し、その屋内側露出部分に樹脂枠を備えた複合型の複合サッシ窓枠が使用されつつある。これは、金属枠の屋内側を金属に比して熱伝導率が極めて低い樹脂で覆うことにより、サッシ窓の断熱性の向上を図ると共に屋内側への結露を抑え、また金属枠の視覚的な冷たさを排除すると共に室内装飾との一体性を持たせることによって意匠の向上を図るものである。
このような複合型の複合サッシ窓枠は、金属枠に対し樹脂枠を取り付け窓枠を枠組み完成させた状態で窓開口部に設置される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の複合型の複合サッシ窓枠においては、アルミサッシ等の金属枠からなる窓枠に対し、その屋内側露出部分に樹脂枠を取り付けても、本来の目的を完全に達成することは困難であった。すなわち、アルミ下枠に樹脂枠を取り付けることが一般的であるが、下枠の下レール間等においては、構造が複雑ゆえに樹脂枠を下枠の屋内側全面に取り付けることができず、したがって、複合型窓枠としては、本来の目的である断熱性を向上させて結露の防止を図ることと、金属枠の視覚的な冷たさを排除するという効果が完全ではなく不十分であった。特に下枠はもっとも結露が生じる所であり、そのためにより完全な結露の防止を図ることが求められていた。
【0004】
また一方、樹脂枠はアルミ等の金属枠に比して、経年変化や外部からの衝撃等に弱く、変色したり破損したりすることがあり、その交換が必要になることがあり、また、樹脂枠を室内装飾との一体性を持たせるために、室内装飾を変えた場合には、同時に樹脂枠も室内装飾に合わせて取り替えの必要性が生じてくる場合もある。しかしながら、従来、上記樹脂枠の交換を行なう場合でも、金属枠を含む窓枠全体を窓開口部から取り外す必要があり、作業性が極めて悪いという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、複合型窓枠として断熱性を向上させて結露の防止を十分に図ると共に、金属枠の視覚的な冷たさを排除して十分なる意匠的効果を発揮する複合サッシの下枠を提供することを目的としている。
また、窓開口部に対し窓枠を設置した状態のままで、上記樹脂下枠のみの交換を可能とし、その結果、複合サッシ窓のメンテナンス性を向上することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、窓開口部に装着されるアルミ枠と該アルミ枠の屋内側露出部分を覆う樹脂枠とを備えた窓枠内に一対の引き違い窓障子を納めてなる複合サッシにおいて、
上記窓開口部に装着するアルミ下枠の屋内側内周部に取付ける樹脂下枠を樹脂本枠と樹脂カバー枠とで構成し、上記樹脂本枠をアルミ下枠の屋内側表面部に取り付けると共に、上記樹脂カバー枠をアルミ下枠の下外レールと下内レールの内面部における閉めた状態の外障子の屋内側部の見付け方向に対し着脱自在に取り付け、
上記樹脂カバー枠の一端が一方の縦枠に対峙すると共に、他端が上記窓障子の召合框に対峙し、かつ、上記樹脂カバー枠の縦枠側の一端が戸当りブロックで係止されると共に、窓障子の召合框側の他端が気密ブロックで係止されていることを特徴とする。
【0007】
また請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、上記樹脂カバー枠が横長の水平板とこの屋内側に連接する起立片とから構成されるものであって、上記水平板が下外レールと下内レールの内面部における床面に面接すると共に、この水平板の屋外側縁が下外レールの下端部に設けた溝部に係止し、かつ、上記起立片が下内レールの屋外側面に面接して下内レールの屋外面部に弾発的に係止してなることを特徴とする。
【0008】
また請求項3記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、上記樹脂カバー枠を係止する戸当りブロックと気密ブロックが、それぞれ弾発的で着脱自在に係止・取り付けされることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に沿って詳細に説明する。図1は本発明の複合窓枠を用いた引き違い窓の屋内側から見た横断面図、図2はその縦断面図、図3は窓障子を取り外した状態における図1対応の横断面図、図4は窓障子を取り外した状態における図2対応の縦断面図、図5は図4の要部拡大分解図、図6は図3の要部分解図、図7は樹脂カバー枠の斜視図、図8は樹脂カバー枠の部分斜視図である。
これら各図において、本発明に係る複合サッシ窓は、窓開口部Aに装着された上下枠及び左右の縦枠からなる窓枠1内に、一対の窓障子10を引き違い自在に納めてなるものである。
【0014】
窓枠1を構成する各枠材は、複合型の枠材であり、ベースとなるアルミ枠2とその屋内側露出部分を覆う樹脂枠3とから構成されている。すなわち、アルミ枠2は、アルミ上枠21、アルミ下枠22、アルミ縦枠23、24を方形に枠組みして構成され、樹脂枠3は、樹脂上枠31、樹脂下枠32、樹脂縦枠33、34を方形に枠組みして構成されている。
そして、上記樹脂上枠31はアルミ上枠21に、樹脂下枠32はアルミ下枠22に、樹脂縦枠33はアルミ縦枠23に、樹脂縦枠34はアルミ縦枠24に、それぞれ取り付けられている。具体的な取り付け方法については、後述する。
なお、上記アルミ枠2はアルミの押し出し型材にて成型され、また樹脂枠3は塩化ビニルやアクリル樹脂等から押し出し成型される。また、これ等の樹脂材には、木材粉等を混入させて、外観上あたかも木材で形成されているかの観を呈することもできる。
【0015】
一方、各窓障子10は、上下及び左右の框材を方形に框組みしてなる框体11内に複層ガラス12を納めてなる。4は網戸である。框体11を構成する各框材も、上記窓枠1と同様に、アルミ框13とその屋内側露出部分を覆うように取り付けられた樹脂框14とで構成されている。
すなわち、上記樹脂上框14aはアルミ上框13aに、樹脂下框14bはアルミ下框13bに、樹脂縦框14cはアルミ縦框13cに、樹脂縦框14dはアルミ縦框13dに、それぞれ取り付けられている。
【0016】
そして、本発明は、窓開口部Aに装着されるアルミ枠2と該アルミ枠2の屋内側露出部分を覆う樹脂枠3とを備えた窓枠1内に一対の引き違い窓障子10を納めてなる複合サッシにおいて、上記窓開口部Aに装着するアルミ下枠22の屋内側内周部に取付ける樹脂下枠32を樹脂本枠41と樹脂カバー枠43とで構成し、
上記樹脂本枠41をアルミ下枠22の屋内側表面部に取り付けると共に、上記樹脂カバー枠43をアルミ下枠22の下外レール22aと下内レール22bの内面部の一部に取り付けて構成される。
以下、上記した窓開口部Aに装着するアルミ下枠22の屋内側内周部に取付ける樹脂下枠32等について、順次詳細に説明する。
【0017】
上記アルミ下枠22は、図2及び図4に示すように、その内周面を階段状に形成してなり、その面より、屋外側の下外レール22a及び屋内側の下内レール22bを突出形成してある。また、アルミ下枠22の屋内端には、略垂直に起立した立ち上がり片22cが形成されている。そして、このアルミ下枠22に対し、3個の樹脂枠からなる樹脂下枠32が取り付けられる。
すなわち、樹脂下枠32は、屋内側の下内レール22bと立ち上がり片22cの間に第1樹脂枠である樹脂本枠41を、立ち上がり片22cの屋内側に第2樹脂枠である樹脂補助枠42を、かつ、屋外側の下外レール22aと屋内側の下内レール22bの間に第3樹脂枠である樹脂カバー枠43をそれぞれ取り付けて、屋外側の下外レール22aから屋内側のアルミ下枠22の内周面のほぼ全体を覆うように設置されている。
なお、上記第2樹脂枠である樹脂補助枠42は、本発明においては必要により選択的に取り付ければよい。
【0018】
図4、図5で明らかなように、第1樹脂枠である樹脂本枠41は、下内レール22bと立ち上がり片22cとによって形成される凹溝内に納められる枠本体41aと、下内レール22bの内側面に密接した起立片41bと、立ち上がり片22cに沿って設けられる逆L字状のアングル片41cとから構成されている。
上記枠本体41aには中空部の屋内側に垂下片を設けてあり、その下端の係止部をアルミ下枠22の立ち上がり片22cに設けた突起22gに係止させ、また上記起立片41bを下内レール22bの屋内面に重合するように面接させて、その先端部を下内レール22bの上端部に係止させ、また逆L字状のアングル片41cは立ち上がり片22cの屋外面に屋外側片を面接させると共に、その屋内側片を屋内側に突出させて窓台を構成する化粧額縁60Aの上面に直接面接するように被着してあり、その結果、ビス等を使用することなく第1樹脂枠である樹脂本枠41をアルミ下枠22の見込み方向全体に着脱自在に取り付けるようにしてある。
上記樹脂本枠41のアルミ下枠22への取り付けに際しては、枠本体41aをアルミ下枠22の凹溝内に圧入的に差込み、その係止部をアルミ下枠22に設けた突起に係止させて、アルミ下枠22への弾発的な固定を行なう。
【0019】
アルミ下枠22の屋内側に設けた上記立ち上がり片22cは、従来のように、逆L字状のアングル構造を採っておらず、起立状に形成されており、そのため、その起立屋内面は、化粧額縁60Aの表面に当接することなく屋外側の垂直面に後述する樹脂補助枠42を介在して間接的に当接してある。そして、この立ち上がり片22cに被着せしめた樹脂本枠41のアングル片41cの屋内面である水平面が、立ち上がり片22cすなわち、アルミ金属部を介することなく、化粧額縁60Aの表面に直接当接してある。
その結果、熱伝導率の低い樹脂材が屋内側部の化粧額縁60Aに当接して、外気からの屋内への熱伝導を抑えて断熱効果を著しく高くしている。なお、上記立ち上がり片22cの起立屋内面を、化粧額縁60Aの屋外側の垂直面に部分的に直接当接させてもよい。
【0020】
次に、第2樹脂枠である樹脂補助枠42は、下内レール22bの立ち上がり片22cの屋内側に取り付けるものであり、立ち上がり片22cの下面部に形成される凹溝内に納められる中空部を有してなる枠本体42aと、立ち上がり片22cの内側面に密接した起立片42bとから構成されている。
すなわち、枠本体42aは縦長の中空部の上面と下面に3つの係止部を設けてなり、起立片42bは枠本体42aの屋内面から上方に起立して構成され、その中間部の屋外側に係止部を設けてなる。
そこで、上記枠本体42aに設けた3つの係止部を立ち上がり片22cの下面部に設けた突起22hにそれぞれ係止させ、また上記起立片42bの中間部に設けた係止部を立ち上がり片22c屋内側面に設けた突起22jに係止させ、その結果、ビス等を使用することなく第2樹脂枠である樹脂補助枠42をアルミ下枠22の見込方向全体に、係止手段により着脱自在に取り付けるようにしてある。
樹脂補助枠42は、予めアルミ下枠22の見込方向に係止手段により取り付けた状態において、アルミ下枠22と一体的に窓開口部Aに取り付けられる。
【0021】
上記樹脂補助枠42は、アルミ下枠22の屋内側面に位置して、その屋内面が化粧額縁60Aの屋外側面である垂直面に直接当接してある。したがって、アルミ下枠22の立ち上がり片22cが化粧額縁60Aの屋外側垂直面に直接当接することがなく、樹脂本枠41のアングル片41cの屋内面と樹脂補助枠42の屋内面が、化粧額縁60Aに対し、アルミ金属部を介することなく、その表面と垂直面に直接当接してある。そのため、外気からの屋内への熱伝導を抑えて断熱効果を著しく高くしている。
また、上記樹脂本枠41と樹脂補助枠42とで、アルミ下枠22の立ち上がり片22cを挟み付けるように被着して、外気からの屋内への熱伝導を極力抑えるようにしている。
【0022】
次に、第3樹脂枠である樹脂カバー枠43は、下外レール22aと下内レール22bの間において、外障子10のみの屋内側見付け方向に着脱自在に取り付けられるもので、平板状の水平板43aと、この屋内側に連続する逆L字状の起立片43bとで横断面略Z型をして構成されている。
そこで、上記水平板43aの屋外側縁を下外レール22aの下端部に設けた溝部22eに係止させ、また起立片43bを下内レール22bの下端部に設けた中空部22dの溝部22fに弾発的に係止させてあり、その結果、ビス等を使用することなく第3樹脂枠である樹脂カバー枠43をアルミ下枠22に対し、着脱自在で弾発的に取り付けるようにしてある。
上記取り付けによって、上記水平板43aが下外レール22aと下内レール22bの内面部における床面に面接し、かつ上記起立片43bが下内レール22bの屋外側面に面接する。なお、起立片43bは、逆L字状をしているが、下内レール22bの下端部に中空部22dを設けない場合には、単なる垂直板にて形成してもよい。
また、起立片43bの背部には突起43eを設けてあり、この突起43eを上記下内レール22bの下端部に設けた溝部22fに弾発的に係止させてある。
【0023】
樹脂カバー枠43のアルミ縦枠23側に位置する左端部は、樹脂縦枠33に対峙して当接すると共に、その上面を戸当りブロック35で押え付け係止されており、また、右側部(窓開口部Aの略中央)は、図3、図6に示す板状からなる気密ブロック36で押え付け係止されている。
上記戸当りブロック35は、各図に示すように、内部を空洞とした一般的なブロック形態からなり、下内レール22bを跨ぐようにして、樹脂カバー枠43の起立片43bと樹脂本枠41の起立片41bを係止・固定してある。
また、上記気密ブロック36は、樹脂板にて横長長方形状に形成され、屋外側面に設けた2つの突起36aを下外レール22aの下端部に設けた上記通孔もしくは溝部22eに係止させ、屋内側端部を樹脂カバー枠43の端部に設けた切欠部43dに弾発的に係止して、樹脂カバー枠43の押え付け係止をなしている。なお、この気密ブロック36の中央部には、水の流れを良好にするため横溝状の排水部36bを形成してある。
【0024】
以上のように、樹脂下枠32は、下内レール22bと立ち上がり片22cの間に樹脂本枠41を、立ち上がり片22cの屋内側に樹脂補助枠42を、下外レール22aと下内レール22bの間に樹脂カバー枠43を取り付けることによって、屋外側の下外レール22aから屋内側のアルミ下枠22の内周面のほぼ全体を覆うようにして、断熱性の一層の向上を図っている。
上記樹脂下枠32のアルミ下枠22への取り付け手順は、図5、図6に示すように、まず、樹脂下枠32を構成する樹脂補助枠42をアルミ下枠22の屋内側部に取り付けた状態で、アルミ下枠22を窓開口部Aに取り付け、次に、樹脂本枠41と樹脂カバー枠43を順次アルミ下枠22に取り付けるようにする。もっとも、樹脂本枠41と樹脂カバー枠43を予めアルミ下枠22に取り付けておいて、これらを一体的に窓開口部Aに取り付けるようにしてもよい。
なお、内障子10が位置する下外レール22aと下内レール22bの間には、内障子10自体が位置し、また、その屋内側には樹脂本枠41が取り付けてあるので、樹脂カバー枠43の取り付けは不要である。
【0025】
次に、図5に示すように、上記樹脂カバー枠43のアルミ下枠22への取り付けは、以下のようにしてなされる。
すなわち、水平板43aの屋外側縁を下外レール22aの下端部に設けた溝部に差込むことによって係止させ、起立片43bを下内レール22bの下端部に設けた中空部22dの溝部に弾発的に係止させ、次に、アルミ縦枠23側に位置する左端部の上面を戸当りブロック35で押え付け係止させると共に、右側部を気密ブロック36で押え付け係止してなる。
しかるに、気密ブロック36と戸当りブロック35を取り外し、起立片43bを下内レール22bの下端部に設けた中空部22dの溝部に対する係止を引き上げ解除し、水平板43aの屋外側縁を下外レール22aの溝部から引き出すことにより、樹脂カバー枠43のアルミ下枠22への取り付けを簡単に解除することができる。
【0026】
次に、アルミ上枠21は、上枠本体21aに対し、上記アルミ下枠22における屋外側の下外レール22aに対応する位置に、垂下片21bを有すると共に、屋内側に突出片21cを有している。垂下片21bは、後述する樹脂上枠31の係止片31bと一体となって、屋外側の上レールを構成する。垂下片21bの先端は屋内側に略J字状に形成され、係止片31bを係止する。
樹脂上枠31は、上記垂下片21bよりも屋内側のアルミ上枠21の内周面を覆うように設置される。樹脂上枠31は、アルミ上枠21に沿って設けられる枠本体31aと、枠本体31aから垂下された係止片31b、上レール31c及び屋内側に突出したアングル片31dとから構成されている。係止片31bは、その先端を上記アルミ上枠21の垂下片21bの先端に係止され、必要により、その下端部を部分的にカシメて両者の結合を強固なものとしてある。
上記枠本体31aにおける上レール31cとアングル片31dとの間の領域には、その長手方向に沿って適宜間隔でネジ孔が形成され、樹脂上枠31は、その係止片31bをアルミ上枠21の垂下片21bに係止させた状態で、上記ネジ孔に挿通されたネジが上記アルミ上枠21の突出片21cを貫通することによって、アルミ上枠21に固定される。
【0027】
次に、図1及び図3に沿って左右の縦枠の構成について説明する。同図における左側のアルミ縦枠23は、その内周面における略中央に係止突片23aを有すると共に、屋内端に上記係止突片23aと平行する当接片23bを有する。係止突片23aは、その先端が屋内側に曲げられており、後述する樹脂縦枠33の係止片33bと係合する。樹脂縦枠33は、アルミ縦枠23の略半分の見込幅を有しており、係止突片23aの屋内側におけるアルミ縦枠23の内周面を覆うように設置される。
樹脂縦枠33は、アルミ縦枠23の内周面に当接される枠本体33aと、その屋外側から伸びる係止片33b及びその屋内側から伸びるアングル片33cとから構成されている。係止片33bの先端は、上記アルミ縦枠23の係止突片23aに係合し、アングル片33cは、アルミ縦枠23の当接片23bに重ね合わされるように配置されると共に、その先端は屈曲され、当接片23bの先端に係合する。したがって、アングル片33cは、その屋外側片が当接片23bの一部と共に化粧額縁60Aの屋外側面に直接当接すると共に、その屋内側片が化粧額縁60Aの内側面にアルミ材を介することなく直接当接するようにしてなる。
樹脂縦枠33の取り付けに際しては、そのアングル片33cの先端を先に係止し、次いで係止片33bを係止突片23aに弾発係合する。枠本体33aには、その長手方向に沿ってネジ孔が形成してあり、樹脂縦枠33を設置後、屋内側からネジによってアルミ縦枠23に対する固定を行なう。また、係止片33bの屋外側には、タイト材33dを設けてあり、これを屋外側窓障子10に当接させて気密性の向上を図っている。
【0028】
右側の縦枠においてアルミ縦枠24は、その内周面側に屋内側の窓障子用の戸当り片24aを備えると共に、屋内側端部に上記戸当たり片24aと平行となる当接片24bを備える。樹脂縦枠34は、この戸当たり片24aよりも屋内側のアルミ縦枠24の内周面を覆うように設置される。
樹脂縦枠34は、上記戸当り片24aと当接片24bの間でアルミ縦枠24の内周面に当接される枠本体34aと、その屋内側から伸びるアングル片34bとから構成されている。アングル片34bは、アルミ縦枠24の当接片24bに重ね合わされるように配置されると共に、その先端は屈曲され、当接片24bの基部に係合する。枠本体34aには、その長手方向に沿ってネジ孔が形成してあり、アングル片34bの先端をアルミ縦枠24の当接片24bに係止した状態で樹脂縦枠34を設置した後、屋内側からネジによってアルミ縦枠24に対する固定を行なう。
上記アングル片34bは、その屋外側片が当接片24bの一部と共に化粧額縁60Aの屋外側面に直接当接すると共に、その屋内側片が化粧額縁60Aの内側面にアルミ材を介することなく直接当接するようにしてなる。また、アングル片34bの屋外側には、タイト材34cを設けてあり、これを屋内側窓障子10に当接させて気密性の向上を図っている。
【0029】
上述したように樹脂上枠31、樹脂下枠32、樹脂縦枠33、34に各々設けたアングル片31d、アングル片41c、アングル片33c、34bの屋内側部には、図1、図2に各々示すように、屋内側に突出する同一形状にてなる樹脂折返片(アングル突片)を設けて、これ等が四周を連続する樹脂化粧縁60を構成し、この樹脂化粧縁60は、窓開口部Aの屋内側に設ける化粧額縁60Aにアルミ材を介することなく直接面接して、これらと一体感を持たせるようにしてある。このように樹脂化粧縁60が化粧額縁60Aにアルミ材を介することなく直接面接することにより、窓開口部Aの断熱性を極めて向上させて、結露の防止を大いに図っている。また、この化粧額縁60Aの下段部は窓台を構成している。
また図1において、窓障子10の室外側には網戸4が設けられ、下枠の端部には戸当りブロック35が樹脂縦枠33に当接状に設けられている。
【0030】
以上、本実施形態における各窓枠の構成について説明した。
上述したように樹脂上枠31、樹脂下枠32、樹脂縦枠33及び34は、それぞれアルミ上枠21、アルミ下枠22、アルミ縦枠23及び24に対し、基本的には各係止構造により、また必要により窓枠の内周面側から螺合されるネジによって取り付けられている。したがって、経年変化や衝撃による破損等でこれら樹脂枠の交換が必要になった場合には、アルミ枠を取り外すこと無く、樹脂枠を固定する係止部分を解除することによって窓枠の内周面側に樹脂枠を取り外し、その取り替えが可能となる。
【0031】
以上、本発明の実施形態を図面に沿って説明した。しかしながら、本発明は上記実施形態に記載された事項に限定されず、特許請求の範囲の記載に基づいてその変更、改良が可能である。例えば、先の実施形態では、窓枠のすべての枠材に対し本発明の構成を実現したものを示したが、必ずしも窓枠のすべての枠材においてこれを適用しなくとも良い。
また、本明細書において説明した「ネジ」なる概念はビスやボルト等を含む固定具として使用している。そして、このネジ等は、樹脂枠3とアルミ枠2の全てに使用しなくとも、係止構造によって、両者の結合をなしてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、アルミ下枠に取り付ける樹脂下枠を樹脂本枠と樹脂カバー枠とで構成し、この樹脂本枠をアルミ下枠の屋内側表面部に取り付けると共に、樹脂カバー枠をアルミ下枠の下外レールと下内レールの内面部に取り付けてなることから、アルミ下枠の屋内側表面部を樹脂本枠にて被覆すると共に、構造が複雑な下外レールと下内レールの内面部は樹脂カバー枠にて被覆することとなり、下枠部の屋内側の全面を樹脂材で被覆することができて、下枠部の断熱性能を一層高めて、結露の防止を大いに図り、窓枠の腐蝕を防止することができる効果がある。
また、樹脂下枠によって金属枠の視覚的な冷たさを排除すると共に室内装飾との一体性を持たせることによって意匠の向上を図ることができる。
【0033】
また、本発明によれば、上記樹脂カバー枠の一端が一方の縦枠に対峙すると共に、他端が窓障子の召合框に対峙し、この樹脂カバー枠の縦枠側の一端が戸当りブロックで係止されると共に、窓障子の召合框側の他端が気密ブロックで係止されていることから、樹脂カバー枠の取り付け固定を簡易になし得ると共に、その取り付けを強固にできる効果がある。
【0034】
また、請求項2記載の本発明によれば、樹脂カバー枠の水平板の屋外側縁が、下外レールの下端部に設けた溝部に係止すると共に、起立片が下内レールの屋外面部に弾発的に係止してなることから、窓開口部に対し窓枠を設置した状態のままで樹脂下枠を部分的に交換することを可能にして、樹脂下枠の交換を簡易になし得、複合サッシ窓のメンテナンス性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合窓枠を用いた引き違い窓の屋内側から見た横断面図
【図2】図1の縦断面図
【図3】窓障子を取り外した状態における図1対応の横断面図
【図4】窓障子を取り外した状態における図2対応の縦断面図
【図5】図4の要部拡大分解図
【図6】図3の要部分解図
【図7】樹脂カバー枠の斜視図
【図8】樹脂カバー枠の部分斜視図
【符号の説明】
A 窓開口部
1 窓枠
2 アルミ枠
3 樹脂枠
4 網戸
10 窓障子
11 框体
12 複層ガラス
13 アルミ框
14 樹脂框
21 アルミ上枠
21a 上枠本体
21b 垂下片
21c 突出片
22 アルミ下枠
22a 下外レール
22b 下内レール
22c 立ち上がり片
22d 中空部
22e、22f 溝部
22g、22h、22j 突起
23 アルミ縦枠
23a 係止突片
23b 当接片
24 アルミ縦枠
24a 戸当り片
24b 当接片
31 樹脂上枠
31a 枠本体
31b 係止片
31c 上レール
31d アングル片
32 樹脂下枠
33 樹脂縦枠
33a 枠本体
33b 係止片
33c アングル片
33d タイト材
34 樹脂縦枠
34a 枠本体
34b アングル片
34c タイト材
35 戸当りブロック
36 気密ブロック
36a 突起
36b 排水部
41 樹脂本枠
41a 枠本体
41b 起立片
41c アングル片
42 樹脂補助枠
42a 枠本体
42b 起立片
43 樹脂カバー枠
43a 水平板
43b 起立片
43c 水垂れ片
43d 切欠部
43e 突起
60 樹脂化粧縁
60A 化粧額縁

Claims (3)

  1. 窓開口部に装着されるアルミ枠と該アルミ枠の屋内側露出部分を覆う樹脂枠とを備えた窓枠内に一対の引き違い窓障子を納めてなる複合サッシにおいて、
    上記窓開口部に装着するアルミ下枠の屋内側内周部に取り付ける樹脂下枠を樹脂本枠と樹脂カバー枠とで構成し、上記樹脂本枠をアルミ下枠の屋内側表面部に取り付けると共に、上記樹脂カバー枠をアルミ下枠の下外レールと下内レールの内面部における閉めた状態の外障子の屋内側部の見付け方向に対し着脱自在に取り付け、
    上記樹脂カバー枠の一端が一方の縦枠に対峙すると共に、他端が上記窓障子の召合框に対峙し、かつ、上記樹脂カバー枠の縦枠側の一端が戸当りブロックで係止されると共に、窓障子の召合框側の他端が気密ブロックで係止されていることを特徴とする複合サッシの下枠。
  2. 上記樹脂カバー枠が横長の水平板とこの屋内側に連接する起立片とから構成されるものであって、上記水平板が下外レールと下内レールの内面部における床面に面接すると共に、この水平板の屋外側縁が下外レールの下端部に設けた溝部に係止し、かつ、上記起立片が下内レールの屋外側面に面接して下内レールの屋外面部に弾発的に係止してなることを特徴とする請求項1に記載の複合サッシの下枠。
  3. 上記樹脂カバー枠を係止する戸当りブロックと気密ブロックが、それぞれ弾発的で着脱自在に係止・取り付けされることを特徴とする請求項1に記載の複合サッシの下枠。
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