JP3530786B2 - 光磁気記録装置 - Google Patents
光磁気記録装置Info
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Description
光磁気記録媒体に記録用光ビームを照射し、同時に磁気
ヘッドによって記録用光ビームの照射部位に情報信号に
応じて方向が交互に反転する磁界を印加することによっ
て情報信号の記録を行う光磁気記録装置に関するもので
ある。
に記録用光ビームを照射し、同時に磁気ヘッドによって
記録用光ビームの照射部位に情報信号に応じて方向が交
互に反転する磁界を印加することにより、光磁気記録媒
体に磁化の方向が変化する磁化領域を形成して情報信号
を記録する光磁気記録装置が知られている。例えば、特
開昭63−94406号公報には、このような光磁気記
録装置に使用され、磁気ヘッドに電流を供給して磁界を
発生させるための磁気ヘッド駆動回路の一例が示されて
いる。
している。図中20は磁気ヘッドに設けられた磁界発生
用コイル、21a,21bはスイッチ素子、22a,2
2bは補助コイル、23a,23bは直流電源である。
情報信号を記録する場合は、スイッチ素子21a,21
bを情報信号に応じて交互にON/OFFする。スイッ
チ素子21aがON、スイッチ素子21bがOFFする
と、直流電源23aより補助コイル22aを経て、一方
向から磁界発生用コイル20、スイッチ素子21aに電
流が供給され、一方、直流電源23bより補助コイル2
2bを経て、スイッチ素子21aに電流が供給される。
ッチ素子21bがONに切り換えられると、直流電源2
3bより補助コイル22bを経て、逆方向から磁界発生
用コイル20、スイッチ素子21bに電流が供給され、
一方、直流電源23aより補助コイル22aを経て、ス
イッチ素子21bに電流が供給される。このようにして
スイッチ素子21a,21bを切り換えることによって
磁界発生用コイル20に供給する電流の方向が切り換え
られる。
発生用コイル20よりもそのインダクタンスが十分に大
きく、補助コイル22a,22bの電流はスイッチ素子
21a、21bの切り換えの前後でほとんど変化するこ
となくほぼ一定値を保ち、スイッチ素子21a,21b
の切り換え時には補助コイル22a,22bの発生する
高いフライバック電圧(逆起電圧)が磁界発生用コイル
20に印加される。これにより、磁界発生用コイル20
へ供給する電流の方向を短時間で反転させることができ
る。
ッド駆動回路においては、OFF状態である一方のスイ
ッチ素子21aまたは21bに接続された側の磁界発生
用コイル20の一端と、直流電源21a,21b及びグ
ラウンドとの間のインピーダンスは高い。このため、ス
イッチ素子21a,21bが切り換えられると、磁界発
生用コイル20のインダクタンスとOFFに切り換えら
れた一方のスイッチ素子21aまたは21bの端子間の
静電容量に起因する電流の振動が発生する。
の供給電流の波形を図11(a)に示す。この電流の振
動は、磁界発生用コイル20の一端と、直流電源23
a,23b及びグラウンドとの間のインピーダンスが高
いために電流の反転の後減衰しながらしばらく継続す
る。その結果、磁気ヘッドが発生する磁界も同様に反転
後に振動し、安定な情報信号の記録ができない。また、
磁界の反転の時間間隔(反転と次回の反転の間隔)を短
くして情報信号の記録速度(転送速度)を向上すること
も困難となる。
は、このような電流の振動を抑制するために、磁界発生
用コイルに並列に抵抗とコンデンサで構成された波形整
形回路を接続した例が示されている。図11(b)はこ
のような波形整形回路を接続した場合の磁界発生用コイ
ルの供給電流の波形を示す。波形整形回路を接続しない
場合の波形(a)との比較で理解されるように、波形整
形回路は電流の振動の振幅を減少させるように作用す
る。しかし、それでも電流の振動は反転の後直ちに終了
はせずにしばらく継続する。また、一方では振動の振幅
を減少させるほど反転時の電流の変化は緩やかになり、
磁気ヘッドが発生する磁界の反転時間は長くなる。その
結果、情報信号に対応して光磁気記録媒体に形成される
磁化領域の境界が不明瞭となる。
は、磁気ヘッドが発生する磁界の反転後の振動を抑制し
て情報信号の記録を安定化し、磁界の反転の時間間隔を
短くして情報信号の記録速度を向上すること、及び磁界
の反転時間を短くして磁化領域の境界を明瞭に形成し、
信頼性の高い情報信号の記録を行うことを両立させるこ
とは困難であった。
ル20の供給電流を±Icとした場合、直流電源23
a,23bの出力電流はそれぞれIcであり、出力電流
の合計は磁界発生用コイル20への供給電流Icの2倍
である。また、補助コイル22a,22bを含む磁界発
生用コイル20への電流供給経路は、直流電源23a,
23bにとって負荷となり、この負荷は記録する情報信
号の周波数に比例する。従って、情報信号の記録速度を
高めるほど、直流電源23a,23bの出力電圧V1 を
高くする必要がある。このように直流電源23a,23
bの出力電流及び出力電圧がともに大きいので、磁気ヘ
ッド駆動回路の消費電力が増大するという問題があっ
た。
信号に対応する磁化領域を境界が明瞭となるように、し
かも、高速で記録することが可能な光磁気記録装置を提
供することを目的とする。
生用コイルを有する磁気ヘッド、前記磁気ヘッドを駆動
する磁気ヘッド駆動回路及び光ヘッドを備え、前記光ヘ
ッドから記録用光ビームを光磁気記録媒体に照射しなが
ら前記磁気ヘッド駆動回路から磁界発生用コイルに情報
信号に応じて交互に反転する電流を供給し、前記磁気ヘ
ッドから光磁気記録媒体の光ビーム照射部位に情報信号
に応じて方向が交互に反転する磁界を印加することによ
り情報信号の記録を行う光磁気記録装置において、前記
磁気ヘッド駆動回路は、磁界発生用コイルに対し、電流
方向が反転した直後に極大値Ipに達し、その後は速や
かに低下して次の反転までの間略一定値Icに保持する
ように電流を供給し、前記反転の時点から電流が極大値
に達するまでの時間をTop(8ns<Top<20n
s)、電流の反転の時間間隔の最小値をTminとする
時、 1<Ip/Ic<1.4 2.5Ip/Ic−0.5<Tmin/Top<4.6
Ip/Ic−0.5 を満足することを特徴とする光磁気記録装置によって達
成される。
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の光磁
気記録装置の一実施形態の構成を示すブロック図であ
る。図1において、1は情報信号を記録する光磁気記録
媒体としての光磁気ディスクであり、スピンドルモータ
2の回転軸に回転自在に支持されている。光磁気ディス
ク1の上面側には磁気ヘッド3が、下面側には磁気ヘッ
ド3と対向して光ヘッド4が配置されている。
0及びコア10の周囲に巻き付けられた磁界発生用コイ
ル11から構成されている。磁気ヘッド3の磁界発生用
コイル11には磁気ヘッド駆動回路5が、磁気ヘッド駆
動回路5には記録信号生成回路6が接続されている。光
ヘッド4は図示しないレーザ光源、光センサ、光学系等
より構成されている。レーザ光源にはレーザ駆動回路7
が、光センサには増幅回路8、情報信号再生回路9が接
続されている。
合は、まず、スピンドルモータ2により光磁気ディスク
1を回転させた状態とする。この状態で、記録信号生成
回路6により入力端子T1から入力された情報信号に符
号化等の処理を行って磁気ヘッド駆動回路5に送出す
る。磁気ヘッド駆動回路5は情報信号に応じて方向が交
互に反転する電流を磁気ヘッド3の磁界発生用コイル1
1に供給し、磁気ヘッド3から情報信号に応じて方向が
上下に反転する磁界を発生し、光磁気ディスク1に対し
て垂直に印加する。
界発生用コイル11に供給される電流の波形を示す。な
お、この電流によって磁気ヘッド3が発生する磁界の波
形も図示の電流波形と同様になる。磁界発生用コイル1
1への供給電流(即ち、磁気ヘッド3が発生する磁界)
は情報信号に応じた時間間隔で交互に方向が反転する
が、通常はこの時間間隔(反転と次の反転の間隔)は所
定の範囲内になるように定められており、その最小値を
Tminとする。例えば、情報信号の符号化方式が
(1,7)RLLである場合は、磁界発生用コイル11
への供給電流の反転の時間間隔はnT(nは2〜8の整
数、Tはクロック信号の基本周期)であり、Tminは
2Tである。
時にレーザ駆動回路7は光ヘッド4のレーザ光源に電流
を供給し、光ヘッド4からレーザ光源による記録用光ビ
ームが照射される。この記録用光ビームは図2(b)に
示すように少なくとも磁気ヘッド3が発生する磁界の反
転の際に一時的に強度が弱められるように変調される
か、または図2(c)に示すように略一定強度に保たれ
る。また、この記録用光ビームは光ヘッド4内で光磁気
ディスク1の磁界の印加領域に微小な光スポットに収束
するようにして照射される。その結果、光磁気ディスク
1に印加された磁界の方向の変化に対応して、磁化の方
向が変化する磁化領域が形成され、情報信号が記録され
る。
する場合は、スピンドルモータ2により光磁気ディスク
1を回転させながら光ヘッド4から記録時よりも低パワ
ーの再生用光ビームを光磁気ディスク1に微小な光スポ
ットに収束するようにして照射する。再生用光ビームの
光磁気ディスク1からの反射光の偏光面は、形成された
磁化領域の磁化の方向に対応して回転するので、これを
光ヘッド4の光センサによって検出し、その検出信号を
増幅回路8によって増幅する。更に、情報信号再生回路
9によって増幅された検出信号から情報信号を再生し、
所定の信号処理を行うことにより再生情報を生成し、出
力端子T2より出力する。
する。図3は本実施形態による磁気ヘッド駆動回路5の
構成を示す。磁気ヘッド駆動回路5は、第1のスイッチ
素子12a,12b、補助コイル13a,13b、第2
のスイッチ素子14a,14b、抵抗15a,15b、
ダイオード16a,16b、スイッチ素子制御回路1
7、第1の直流電源18、第2の直流電源19から成っ
ている。スイッチ素子制御回路17の出力は第1のスイ
ッチ素子12a,12b、第2のスイッチ素子14a,
14bの制御端子に接続されている。第1の直流電源1
8は補助コイル13a,13bに、第2の直流電源19
は第2のスイッチ素子14a,14bに接続されてい
る。
1は補助コイル13aと第1のスイッチ素子12bの接
続点及び補助コイル13bと第1のスイッチ素子12a
の接続点の間に接続されている。スイッチ素子制御回路
17は記録信号生成回路6に接続されている。なお、本
実施形態においては第1のスイッチ素子12a,12b
はNチャネルのMOSFET(MOS型電界効果トラン
ジスタ)、第2のスイッチ素子14a,14bはPチャ
ネルのMOSFETを用いているが、MOSFETに代
わりバイポーラトランジスタ等の素子を用いてもよい。
また、補助コイル13a,13bはインダクタンス素子
であり、磁界発生用コイル11よりもそのインダクタン
スが十分に大きく設定されている。ダイオード16a,
16bは第2の直流電源19への電流の逆流を阻止する
素子である。
イル11に矢印Aの方向から電流を供給するための第1
の電流経路P1を、補助コイル13bは逆方向から電流
を供給するための第1の電流経路P1′を構成してい
る。また、第2のスイッチ素子14a、抵抗15a、及
びダイオード16aは磁界発生用コイル11に矢印Aの
方向から電流を供給するための第2の電流経路P2を、
第2のスイッチ素子14b、抵抗15b、及びダイオー
ド16bは逆方向から電流を供給するための第2の電流
経路P2′を構成している。P3,P3′は後述する電
流の振動を示している。
駆動回路5の動作を説明する。記録すべき情報信号は記
録信号生成回路6よりスイッチ素子制御回路17に入力
される。スイッチ素子制御回路17は第1のスイッチ素
子12a,12b、第2のスイッチ素子14a,14b
に対して情報信号のレベルに対応した制御信号を出力
し、そのON/OFFを制御する。即ち、情報信号のレ
ベルがハイレベルである時は、第1のスイッチ素子12
aがON、第1のスイッチ素子12bがOFF、第2の
スイッチ素子14aがON、第2のスイッチ素子14b
がOFFするように、情報信号のレベルがローレベルで
ある時は、第1のスイッチ素子12aがOFF、第1の
スイッチ素子12bがON、第2のスイッチ素子14a
がOFF、第2のスイッチ素子14bがONするように
制御する。
界発生用コイル11に供給される電流の変化について説
明する。図4(a)は記録すべき情報信号の一例を、図
4(b),(c)は情報信号に対応した第1のスイッチ
素子12a,12bの状態を、図4(d),(e)は第
2のスイッチ素子14a,14bの状態を示す。図4
(f)は各スイッチ素子の切り換えによって磁界発生用
コイル11に供給される電流の波形を示す。
電流経路P1より、C1′は第1の電流経路P1′よ
り、C2は第2の電流経路P2より、C2′は第2の電
流経路P2′より、C3,C3′は後述する電流の振動
P3,P3′によって磁界発生用コイル11に供給され
る電流の波形である。また、Chは上記各電流経路より
磁界発生用コイル11に供給される電流の総和の波形で
ある。なお、以降の説明において、電流の符号+及び−
は電流の供給の方向に対応するものとし、図1において
矢印Aで示す方向の電流の符号を+とする。また、符号
によらない電流の大きさ、即ち、電流の絶対値に関わる
表現において、便宜上“絶対値”を省略して表現する。
例えば、“電流の絶対値が低下する”または“電流の絶
対値の極大値”と表現すべきところを、符号に拘らず単
に“電流が低下する”または“電流の極大値”と表現す
る。
への供給電流の変化について説明する。まず、時点t0
において第1のスイッチ素子12aはOFF、第1のス
イッチ素子12bはON、第2のスイッチ素子14aは
OFF、第2のスイッチ素子14bはONの状態にあ
り、時点t1において切り換えられるまでは第1の電流
経路P1′及び第2の電流経路P2′より合わせて−I
cの略一定の電流が磁界発生用コイル11に供給されて
いる。次いで、時点t1において各スイッチ素子のON
/OFFが切り換わると、磁界発生用コイル11に第1
の電流経路P1′に代わって第1の電流経路P1から図
4(f)においてC1で示す電流が供給される。補助コ
イル13aは十分に大きいインダクタンスを有するの
で、この電流の切り換えは非常に早く、第1の電流経路
P1から磁界発生用コイル11に供給される電流は速や
かにIbに達して略一定となる。
ダクタンスとOFFに切り換えられた第1のスイッチ素
子12bの端子間(ドレインとソースの間)の静電容量
に起因する電流の振動P3が発生する。図4(f)にお
いてC3で示すこの電流の振動P3による磁界発生用コ
イル11への供給電流は、振動の開始から半周期の時間
を経過した時点t2において反転して極大値Irに達す
る。従って、時点t2において磁界発生用コイル11に
は第1の電流経路P1からIb、電流の振動P3によっ
てIrの電流が供給され、その和は図4(f)において
Chで示すように極大値Ip=Ib+Irとなる。
流が振動を開始してから反転して極大値Ipに達するま
での間、磁界発生用コイル11のOFFに切り換えられ
た第1のスイッチ素子12bとの接続点Q1の電位は、
補助コイル13aが発生するフライバック電圧によって
一時的に上昇し、第2の直流電源19の出力電圧V2よ
りも高くなる。しかし、ダイオード16aが逆バイアス
状態となり、第2の直流電源19への電流の逆流を阻止
し、この間接続点Q1と第2の直流電源19の間のイン
ピーダンスは十分に大きい。
1の接続点Q1の電位は低下し、やがて第2の直流電源
19の出力電圧V2 よりも低くなるとダイオード16a
の逆バイアス状態は解除される。また、この時すでに第
2のスイッチ素子14aはONに切り換えられているか
ら、磁界発生用コイル11の接続点Q1と第2の直流電
源19の間のインピーダンスは低下して電流の振動は速
やかに終了する。なお図4(f)において波形C3の破
線部分は、波形C3が電流の振動の最初の一部分(半周
期余)であることを理解するために付け加えたものであ
って、実際には破線で示すように電流の振動が継続する
ことはない。これにより、時点t2以降は磁界発生用コ
イル11には電流の振動P3に代わって第2の電流経路
P2から図4(f)においてC2で示す電流が供給され
る。第2の電流経路P2からの電流はIhに達して略一
定となり、この間第1の電流経路P1からも引き続いて
略一定の電流Ibが供給されているので、磁界発生用コ
イル11へ供給される電流の和は、図4(f)において
Chで示すように極大値Ipから低下し、略一定値Ic
=Ib+Ihとなって安定する。
子のON/OFFが切り換わると、磁界発生用コイル1
1には第1の電流経路P1に代わって第1の電流経路P
1′から図4(f)においてC1′で示す電流が供給さ
れる。この場合も、補助コイル13bは十分に大きいイ
ンダクタンスを有するのでこの電流の切り換えは非常に
早く、第1の電流経路P1′から磁界発生用コイル11
に供給される電流は、速やかに−Ibに達して略一定と
なる。同時に、磁界発生用コイル11のインダクタンス
とOFFに切り換えられた第1のスイッチ素子12aの
端子間(ドレインとソースの間)の静電容量に起因する
電流の振動P3′が発生する。図4(f)においてC
3′で示すこの電流の振動P3′による磁界発生用コイ
ル11への供給電流は、振動の開始から半周期の時間を
経過した時点t4において反転して極大値−Irに達す
る。従って、時点t4において磁界発生用コイル11に
は第1の電流経路P1′から−Ib、電流の振動P3′
によって−Irの電流が供給され、その和は図4(f)
においてChで示すように極大値−Ip=−(Ib+I
r)となる。
流が振動を開始してから反転して極大値−Ipに達する
までの間、磁界発生用コイル11のOFFに切り換えら
れた第1のスイッチ素子12aとの接続点Q2の電位
は、補助コイル13bが発生するフライバック電圧によ
り一時的に上昇し、第2の直流電源19の出力電圧V2
よりも高くなる。しかし、ダイオード16bが逆バイア
ス状態となり、第2の直流電源19への電流の逆流を阻
止し、この間磁界発生用コイル11の接続点Q2と第2
の直流電源19の間のインピーダンスは十分に大きい。
1の接続点Q2の電位は低下し、やがて第2の直流電源
19の出力電圧V2 よりも低くなると、ダイオード16
bの逆バイアス状態は解除される。この時すでに第2の
スイッチ素子14bはONに切り換えられているから、
磁界発生用コイル11の接続点Q2と第2の直流電源1
9の間のインピーダンスは低下して電流の振動は速やか
に終了する。これにより、時点t4以降は磁界発生用コ
イル11には、電流の振動P3′に代わって第2の電流
経路P2′から図4(f)においてC2′で示す電流が
供給される。第2の電流経路P2′からの電流は−Ih
に達して略一定となり、この間、第1の電流経路P1′
からも引き続いて略一定の電流−Ibが供給されている
ので、磁界発生用コイル11へ供給される電流の和は、
図4(f)においてChに示すように極大値−Ipから
低下し、略一定値−Ic=−(Ib+Ih)となって安
定する。
FFを交互に切り換えれば、図4(f)にChで示すよ
うに磁界発生用コイル11への供給電流は、反転の直後
に極大値Ipまたは−Ipに達し、その後はIcまたは
−Icまで速やかに低下し、次の反転までの間略一定値
Icまたは−Icを保つ。
ついて説明する。本実施形態においては第1の直流電源
18の出力電流は2Ib、第2の直流電源19の出力電
流はIhである。従って、第1の直流電源18の出力電
圧をV1 、第2の直流電源19の出力電圧をV2 とする
と、スイッチ素子制御回路17を除く部分の消費電力は
2V1 ・Ib+V2 ・Ihとなる。
明する。図5は本実施形態による磁気ヘッド駆動回路5
の構成を示す。磁気ヘッド駆動回路5は、第1のスイッ
チ素子12a,12b、補助コイル13a,13b、抵
抗15a,15b、ダイオード16a,16b、スイッ
チ素子制御回路17、第1の直流電源18、第2の直流
電源19から成っている。スイッチ素子制御回路17の
出力は第1のスイッチ素子12a,12bの制御端子に
接続されている。第1の直流電源18は補助コイル13
a,13bに、第2の直流電源19は抵抗15a,15
bに接続されている。
1は補助コイル13aと第1のスイッチ素子12bの接
続点、及び補助コイル13bと第1のスイッチ素子12
aの接続点の間に接続されている。スイッチ素子制御回
路17は記録信号生成回路6に接続されている。なお、
本実施形態においても第1のスイッチ素子12a,12
bはNチャネルのMOSFETを用いているが、MOS
FETに代わりバイポーラトランジスタ等の素子を用い
てもよい。また、補助コイル13a,13bはインダク
タンス素子であり、磁界発生用コイル11よりもそのイ
ンダクタンスが十分に大きく設定されている。ダイオー
ド16a,16bは第2の直流電源19への電流の逆流
を阻止する素子である。
イル11に矢印Aの方向から電流を供給するための第1
の電流経路P1を、補助コイル13bは逆方向から電流
を供給するための第1の電流経路P1′を構成してい
る。また、抵抗15a及びダイオード16aは磁界発生
用コイル11に矢印Aの方向から電流を供給するための
第2の電流経路P2を、抵抗15b及びダイオード16
bは逆方向から電流を供給するための第2の電流経路P
2′を構成している。P3,P3′は後述する電流の振
動を示す。
駆動回路5の動作を説明する。記録すべき情報信号は記
録信号生成回路6よりスイッチ素子制御回路17に入力
される。スイッチ素子制御回路17は第1のスイッチ素
子12a,12bに対して情報信号のレベルに対応した
制御信号を出力し、そのON/OFFを制御する。即
ち、情報信号のレベルがハイレベルである時は、第1の
スイッチ素子12aがON、第1のスイッチ素子12b
がOFFするように、情報信号のレベルがローレベルで
ある時は、第1のスイッチ素子12aがOFF、第1の
スイッチ素子12bがONするように制御する。
界発生用コイル11に供給される電流の変化について説
明する。図6(a)は記録すべき情報信号の一例を、図
6(b),(c)は情報信号に対応した第1のスイッチ
素子12a,12bの状態を示す。また、図6(d)は
各スイッチ素子の切り換えによって磁界発生用コイル1
1に供給される電流の波形を示す。図6(d)に示す波
形のうちC1は第1の電流経路P1より、C1′は第1
の電流経路P1′より、C2は第2の電流経路P2よ
り、C2′は第2の電流経路P2′より、C3,C3′
は後述する電流の振動によって磁界発生用コイル11に
供給される電流の波形である。また、Chは上記各電流
経路より磁界発生用コイル11に供給される電流の総和
の波形である。なお、図5において矢印Aで示す方向の
電流の符号を+とする。
への供給電流の変化について説明する。まず、時点t0
において第1のスイッチ素子12aはOFF、第1のス
イッチ素子12bはONの状態にあり、時点t1におい
て切り換えられるまでは第1の電流経路P1′及び第2
の電流経路P2′より合わせて−Icの略一定の電流が
磁界発生用コイル11に供給されている。次いで、時点
t1において各スイッチ素子のON/OFFが切り換わ
ると、磁界発生用コイル11に第1の電流経路P1′に
代わって第1の電流経路P1から図6(d)においてC
1で示す電流が供給される。補助コイル13aは十分に
大きいインダクタンスを有するのでこの電流の切り換え
は非常に早く、第1の電流経路P1から磁界発生用コイ
ル11に供給される電流は速やかにIbに達して略一定
となる。
ンスとOFFに切り換えられた第1のスイッチ素子12
bの端子間(ドレインとソースの間)の静電容量に起因
する電流の振動P3が発生する。図6(d)においてC
3で示すこの電流の振動P3による磁界発生用コイル1
1への供給電流は、振動の開始から半周期の時間を経過
した時点t2において反転して極大値Irに達する。従
って、時点t2において磁界発生用コイル11には第1
の電流経路P1からIb、電流の振動P3によってIr
の電流が供給され、その和は図6(d)においてChで
示すように極大値Ip=Ib+Irとなる。
流が振動を開始してから反転して極大値Ipに達するま
での間、磁界発生用コイル11のOFFに切り換えられ
た第1のスイッチ素子12bとの接続点Q1の電位は、
補助コイル13が発生するフライバック電圧によって一
時的に上昇し、第2の直流電源19の出力電圧V2 より
も高くなる。しかし、ダイオード16aが逆バイアス状
態となり、第2の直流電源19への電流の逆流を阻止
し、この間、接続点Q1と第2の直流電源19の間のイ
ンピーダンスは十分に大きい。
1の接続点Q1の電位は低下し、やがて第2の直流電源
19の出力電圧V2 よりも低くなると、ダイオード16
aの逆バイアス状態は解除され、接続点Q1と第2の直
流電源19の間のインピーダンスは低下して電流の振動
は速やかに終了する。なお、図6(d)において波形C
3の破線部分は、波形C3が電流の振動の最初の一部分
(半周期余)であることを理解するために付け加えたも
のであって、実際には破線で示すように電流の振動が継
続することはない。これにより、時点t2以降は磁界発
生用コイル11には電流の振動P3に代わって第2の電
流経路P2から図6(d)においてC2で示す電流が供
給される。第2の電流経路P2からの電流はIhに達し
て略一定となり、この間、第1の電流経路P1からも引
き続いて略一定の電流Ibが供給されているので、磁界
発生用コイル11へ供給される電流の和は、図6(d)
においてChで示すように極大値Ipから低下し、略一
定値Ic=Ib+Ihとなって安定する。
子のON/OFFが切り換わると、磁界発生用コイル1
1には第1の電流経路P1に代わって第1の電流経路P
1′から図6(d)においてC1′で示す電流が供給さ
れる。補助コイル13は十分に大きいインダクタンスを
有するのでこの電流の切り換えは非常に早く、第1の電
流経路P1′から磁界発生用コイル11に供給される電
流は速やかに−Ibに達して略一定となる。同時に磁界
発生用コイル11のインダクタンスとOFFに切り換え
られた第1のスイッチ素子12aの端子間(ドレインと
ソースの間)の静電容量に起因する電流の振動P3′が
発生する。
の振動P3′による磁界発生用コイル11への供給電流
は、振動の開始から半周期の時間を経過した時点t4に
おいて反転して極大値−Irに達する。従って、時点t
4において磁界発生用コイル11には第1の電流経路P
1′から−Ib、電流の振動P3′によって−Irの電
流が供給され、その和は図6(d)においてChで示す
ように極大値−Ip=−(Ib+Ir)となる。
流が振動を開始してから反転して極大値−Ipに達する
までの間、磁界発生用コイル11のOFFに切り換えら
れた第1のスイッチ素子12aとの接続点Q2の電位
は、補助コイル13が発生するフライバック電圧によっ
て一時的に上昇し、第2の直流電源19の出力電圧V2
よりも高くなる。しかしダイオード16bが逆バイアス
状態となり、第2の直流電源19への電流の逆流を阻止
し、またこの間磁界発生用コイル11の接続点Q2と第
2の直流電源19の間のインピーダンスは十分に大き
い。
1の接続点Q2の電位は低下し、やがて第2の直流電源
19の出力電圧V2 よりも低くなるとダイオード16b
の逆バイアス状態は解除され、接続点Q2と第2の直流
電源19の間のインピーダンスは低下して電流の振動は
速やかに終了する。これにより、時点t4以降は磁界発
生用コイル11には、電流の振動P3′に代わって第2
の電流経路P2′から図6(d)においてC2′に示す
電流が供給される。第2の電流経路P2′からの電流は
−Ihに達して略一定となり、この間、第1の電流経路
P1′からも引き続いて略一定の電流−Ibが供給され
ているので、磁界発生用コイル11へ供給される電流の
和は、図6(d)においてChで示すように極大値−I
pから低下し、略一定値−Ic=−(Ib+Ih)とな
って安定する。
FFを交互に切り換えれば、図6(d)にChで示すよ
うに磁界発生用コイル11への供給電流は反転の直後に
極大値Ipまたは−Ipに達し、その後はIcまたは−
Icまで速やかに低下し、次の反転までの間略一定値I
cまたは−Icを保つ。
ついて説明する。本実施形態では第1の直流電源18の
出力電流は2Ib、第2の直流電源19の出力電流は2
Ihである。従って、第1の直流電源18の出力電圧を
V1 、第2の直流電源19の出力電圧をV2 とすると、
スイッチ素子制御回路17を除く部分の消費電力は2V
1 ・Ib+2V2 ・Ihとなる。本実施形態においては
第2のスイッチ素子は備えていないので、第2の電流源
から磁界発生用コイル11には供給されない不要な電流
が流出し、第1の実施形態に比較して消費電力が増大す
る。
明する。図7は本実施形態による磁気ヘッド駆動回路5
の構成を示す。なお、本実施形態においては磁気ヘッド
3は軟磁性材料からなるコア10の周囲に2つの磁界発
生用コイル11a,11bが巻回されている。磁気ヘッ
ド駆動回路5は第1のスイッチ素子12a,12b、補
助コイル13、抵抗15、ダイオード16、スイッチ素
子制御回路17、第1の直流電源18、第2の直流電源
19から成っている。スイッチ素子制御回路17の出力
は第1のスイッチ素子12a,12bの制御端子に接続
されている。第1の直流電源18は補助コイル13に、
第2の直流電源19は抵抗15に接続されている。
1aは第1のスイッチ素子12aに直列に、磁界発生用
コイル11bは第1のスイッチ素子12bに直列に接続
されている。スイッチ素子制御回路17は記録信号生成
回路6に接続されている。なお、本実施形態において
も、第1のスイッチ素子12a,12bはNチャネルの
MOSFETを用いているが、MOSFETの代わりに
バイポーラトランジスタ等の素子を用いてもよい。ま
た、補助コイル13はインダクタンス素子であり、磁界
発生用コイル11a,11bよりもそのインダクタンス
が十分に大きく設定されている。ダイオード16は第2
の直流電源19への電流の逆流を阻止する素子である。
aに矢印Aの方向から電流を供給するための第1の電流
経路P1及び磁界発生用コイル11bに逆方向から電流
を供給するための第1の電流経路P1′を構成してい
る。また、抵抗15及びダイオード16は、磁界発生用
コイル11aに矢印Aの方向から電流を供給するための
第2の電流経路P2及び磁界発生用コイル11bに逆方
向から電流を供給するための第2の電流経路P2′を構
成している。P3,P3′は後述する電流の振動を示
す。
駆動回路5の動作を説明する。記録すべき情報信号は記
録信号生成回路6よりスイッチ素子制御回路17に入力
される。スイッチ素子制御回路17は第1のスイッチ素
子12a,12bに対して情報信号のレベルに対応した
制御信号を出力し、そのON/OFFを制御する。即
ち、情報信号のレベルがハイレベルである時は、第1の
スイッチ素子12aがON、第1のスイッチ素子12b
がOFFするように、情報信号のレベルがローレベルで
ある時は、第1のスイッチ素子12aがOFF、第1の
スイッチ素子12bがONするように制御する。
界発生用コイル11a,11bに供給される電流の変化
について説明する。図8(a)は記録すべき情報信号の
一例を、図8(b),(c)は情報信号に対応した第1
のスイッチ素子12a,12bの状態を示す。図8
(d)は各スイッチ素子の切り換えによって磁界発生用
コイル11a,11bに供給される電流の波形を示す。
図8(d)に示す波形のうちC1は第1の電流経路P1
より、C2は第2の電流経路P2より磁界発生用コイル
11aに供給される電流の波形である。また、C1′は
第1の電流経路P1′より、C2′は第2の電流経路P
2′より磁界発生用コイル11bに供給される電流の波
形である。C3は後述する電流の振動によって磁界発生
用コイル11bに供給される電流の波形、C3′は電流
振動によって磁界発生用コイル11aに供給される電流
の波形である。更に、Chは上記各電流経路より磁界発
生用コイル11a,11bに供給される電流の総和の波
形である。なお、図7において矢印Aで示す方向の電流
の符号を+とする。
a,11bへの供給電流の変化について説明する。ま
ず、時点t0において第1のスイッチ素子12aはOF
F、第1のスイッチ素子12bはONの状態にあり、時
点t1において切り換えられるまでは、第1の電流経路
P1′及び第2の電流経路P2′より合わせて−Icの
略一定の電流が磁界発生用コイル11bに供給されてい
る。磁界発生用コイル11aには電流は供給されていな
い。次いで、時点t1において各スイッチ素子のON/
OFFが切り換わると、第1の電流経路P1′から磁界
発生用コイル11bへの電流の供給に代わって、第1の
電流経路P1から磁界発生用コイル11aに図8(d)
においてC1で示す電流が供給される。補助コイル13
は十分に大きいインダクタンスを有するのでこの電流の
切り換えは非常に早く、第1の電流経路P1から磁界発
生用コイル11aに供給される電流は速やかにIbに達
して略一定となる。
クタンスとOFFに切り換えられた第1のスイッチ素子
12bの端子間(ドレインとソースの間)の静電容量に
起因する電流の振動P3が発生する。図8(d)におい
て、C3で示すこの電流の振動P3による磁界発生用コ
イル11bへの供給電流は、振動の開始から半周期の時
間を経過した時点t2において反転して極大値Irに達
する。従って、時点t2において、磁界発生用コイル1
1aには第1の電流経路P1からIb、磁界発生用コイ
ル11bには電流の振動P3によってIrの電流が供給
され、供給される電流の総和は図8(d)においてC3
で示すように極大値Ip=Ib+Irとなる。
流が振動を開始してから反転して極大値Ipに達するま
での間は、磁界発生用コイル11a,11bの補助コイ
ル13との接続点Q1の電位は、補助コイル13が発生
するフライバック電圧によって一時的に上昇し、第2の
直流電源19の出力電圧V2 よりも高くなる。しかしダ
イオード16が逆バイアス状態となり、第2の直流電源
19への電流の逆流を阻止し、この間は接続点Q1と第
2の直流電源19の間のインピーダンスは十分に大き
い。
1a,11bの接続点Q1の電位は低下し、やがて第2
の直流電源19の出力電圧V2 よりも低くなるとダイオ
ード16の逆バイアス状態は解除され、接続点Q1と第
2の直流電源19の間のインピーダンスは低下して電流
の振動は速やかに終了する。なお、図8(d)において
波形C3の破線部分は、波形C3が電流の振動の最初の
一部分(半周期余)であることを理解するために付け加
えたものであって、実際には破線で示すように電流の振
動が継続することはない。これにより、時点t2以降は
磁界発生用コイル11bにおける電流の振動P3に代わ
って、第2の電流経路P2から磁界発生用コイル11a
に図8(d)においてC2で示す電流が供給される。第
2の電流経路P2から磁界発生用コイル11aへの供給
電流はIhに達して略一定となり、この間第1の電流経
路P1からも引き続いて略一定の電流Ibが供給されて
いるので、磁界発生用コイル11a,11bへ供給され
る電流の和は、図8(d)においてChで示すように極
大値Ipから低下し、略一定値Ic=Ib+Ihとなっ
て安定する。
ON/OFFが切り換わると、第1の電流経路P1から
磁界発生用コイル11aへの電流の供給に代わって、第
1の電流経路P1′から磁界発生用コイル11bに図8
(d)においてC1′で示す電流が供給される。補助コ
イル13が十分に大きいインダクタンスを有するのでこ
の電流の切り換えは非常に早く、第1の電流経路P1′
から磁界発生用コイル11bに供給される電流は、速や
かに−Ibに達して略一定となる。同時に磁界発生用コ
イル11aのインダクタンスとOFFに切り換えられた
第1のスイッチ素子12aの端子間(ドレインとソース
の間)の静電容量に起因する電流の振動P3′が発生す
る。図8(d)においてC3′で示すこの電流の振動P
3′による磁界発生用コイル11aへの供給電流は、振
動の開始から半周期の時間を経過した時点t4において
反転して極大値−Irに達する。従って時点t4におい
て磁界発生用コイル11bには第1の電流経路P1′か
ら−Ib、磁界発生用コイル11aには電流の振動P
3′によって−Irの電流が供給され、供給される電流
の総和は図8(d)においてChで示すように極大値−
Ip=−(Ib+Ir)となる。
流が振動を開始してから反転して極大値−Ipに達する
までの間は、磁界発生用コイル11a,11bの補助コ
イル13との接続点Q1の電位は、補助コイル13が発
生するフライバック電圧によって一時的に上昇し、第2
の直流電源19の出力電圧V2 よりも高くなる。しか
し、ダイオード16が逆バイアス状態となり、第2の直
流電源19への電流の逆流を阻止し、この間、接続点Q
1と第2の直流電源19の間のインピーダンスは十分に
大きい。
1a,11bの接続点Q1の電位は低下し、やがて第2
の直流電源19の出力電圧V2 よりも低くなるとダイオ
ード16の逆バイアス状態は解除され、接続点Q1と第
2の直流電源19の間のインピーダンスは低下して電流
の振動は速やかに終了する。これにより、時点t4以降
は磁界発生用コイル11aにおける電流の振動P3′に
代わって、第2の電流経路P2′から磁界発生用コイル
11bに図8(d)においてC2′に示す電流が供給さ
れる。第2の電流経路P2′から磁界発生用コイル11
bへの供給電流は−Ihに達して略一定となり、この
間、第1の電流経路P1′からも引き続いて略一定の電
流−Ibが供給されているので、磁界発生用コイル11
a,11bへ供給される電流の和は、図8(d)におい
てChで示すように極大値−Ipから低下し、略一定値
−Ic=−(Ib+Ih)となって安定する。
FFを交互に切り換えれば、図8(d)にChに示すよ
うに磁界発生用コイル11a,11bへの供給電流は反
転の直後に極大値Ipまたは−Ipに達し、その後はI
cまたは−Icまで速やかに低下し、次の反転までの間
略一定値Icまたは−Icを保つ。
ついて説明する。本実施形態においては、第1の直流電
源18の出力電流はIb、第2の直流電源19の出力電
流はIhである。従って、第1の直流電源18の出力電
圧をV1 、第2の直流電源19の出力電圧をV2 とする
と、スイッチ素子制御回路17を除く部分の消費電力は
V1 ・Ib+V2 ・Ihとなる。本実施形態においては
単一の補助コイル13が第1の電流経路P1及びP1′
の両方を構成するので、第1の直流電源18の出力電流
は第1の実施形態の1/2で済み、消費電力を低減でき
る。
電流経路から磁界発生用コイル11(11a,11b)
に供給される電流の望ましい設定について説明する。光
磁気記録媒体に形成する磁化領域の境界を明瞭にするた
めには、印加する磁界をより短時間で反転するのが望ま
しい。そのためには磁界発生用コイル11(11a,1
1b)への供給電流の反転の直後の極大値Ipまたは−
Ipは大きくするのが望ましい。しかし、一方ではIp
/Icを大きくするほど電流が極大値Ipまたは−Ip
からIcまたは−Icに低下して安定するまでの時間が
長くなる。もし電流が一定値に安定しない内に次回の電
流の反転動作を行うと、スイッチ素子の動作が不安定と
なったり、電流の正負の振幅に差が生じるなどの問題を
生じるので、電流の反転動作は電流が一定値に安定した
後に行うのが望ましい。従って、電流の反転の時間間隔
の下限はIp/Icに依存する。
隔(反転の時点と次回の反転の時点の時間間隔)の最小
値をTmin、電流の反転の時点から電流が極大値Ip
に達する時点までの時間をTopとした時にTmin/
TopとIp/Icの適切な範囲について検討を行っ
た。なお、電流の反転の時点とは、反転する際に電流が
その平均値(通常は0)となる時点をいう。その結果、
図9に示すように斜線で表わす四角形の領域内、即ち、 1<Ip/Ic<1.4 …(1) 2.5Ip/Ic−0.5<Tmin/Top<4.6Ip/Ic−0.5 …(2) を満足する範囲内において、電流の反転時間は短く、且
つ電流の反転間隔も短くできることを確認できた。よっ
て、磁界発生用コイル11(11a,11b)への供給
電流をこの範囲内に設定すれば、光磁気記録媒体に情報
信号に対応した磁化領域をその境界は明瞭になるよう
に、しかも、高速で(高い転送速度で)記録することが
可能である。
ムであるレーザ光を磁界の反転の際に一時的に強度が弱
められるように変調する場合は、略一定強度に保つ場合
に比較して印加する磁界の反転に要する時間が長くても
光磁気記録媒体に形成する磁化領域の境界を明瞭にする
ことができる。従って、Ip/Icを式(1)の範囲の
下部分である、 1<Ip/Ic<1.3 …(3) を満足する範囲内に設定すれば、高い情報信号の記録速
度を得られるので望ましい。
一定強度に保つ場合には、Ip/Icを式(1)の範囲
の上部分である、 1.05<Ip/Ic<1.4 …(4) を満足するのが望ましい。
1b)への供給電流の設定値の一例について説明する。
光磁気記録媒体に対して確実に情報信号の記録を行うに
は適切な強度の磁界を印加する必要があり、一般的には
望ましい磁界の振幅は±6000A/m以上で±240
00A/m以下である。また、一般的な磁気ヘッドを使
用した場合にこの強度の磁界を発生するためには、磁気
ヘッドの磁界発生用コイルに供給する電流を、60mA
≦Ic≦240mAと設定すべきである。従って、例え
ばIc=120mAと設定する。
Ic=1.167であるから、式(1)を満足し、式
(3)及び(4)も満足するので、記録用光ビームであ
るレーザ光を磁界の反転の際に一時的に強度が弱められ
るように変調する場合、及び略一定強度とする場合のい
ずれにおいても効果を得ることができる。
Ib+Irであるが、磁気ヘッド駆動回路5の消費電力
を低減するためには、第1の直流電源18から供給され
る電流Ibは小さく、電流の振動により供給される電流
の極大値Irは大きいほど望ましい。この点に着目して
本願発明者が検討した結果、磁界発生用コイル11(1
1a,11b)への高周波損失、及び第1スイッチ素子
12a,12bのスイッチング損失を十分に低減すれ
ば、0.8Ic<Ir<Icにできることを確認でき
た。そこで、例えばIr=0.9Ic=108mA、I
b=32mAとすればよい。また、第1の直流電源18
を出力電圧V1 が5Vの定電圧電源とし、第1の電流経
路P1,P1′に定電流回路等の電流制御回路、または
抵抗素子等の電流制限素子(但し、図3、図5、図7に
は示さず)を付加すれば、第1の電流経路P1,P1′
の電流を設定することができる。
Ib+IhであるからIh=88mAとすればよい。そ
こで、第2の直流電源19を出力電圧V2 が3.3Vの
定電圧電源とし、第2のスイッチ素子14a,14bの
ON状態の抵抗や抵抗15,15a,15bを適切に設
定するか、または第2の電流経路P2,P2′に定電流
回路等の電流制御回路、または抵抗素子等の電流制限素
子(但し図3、図5、図7には示さず)を付加すれば、
第2の電流経路P2,P2′の電流を設定することがで
きる。
を含む第1の電流経路P1,P1′は、第1の直流電源
18にとって記録する情報信号の周波数に比例する負荷
であるのに対して、補助コイル13(13a,13b)
を含まない第2の電流経路P2,P2′は、第2の直流
電源19にとって情報信号の周波数に比例しない一定の
負荷である。従って、特に、情報信号の周波数が高い
(例えば、数MHz以上の)時であっても、第1の直流
電源18の出力電圧V1 のみを十分に高めることによっ
て、磁気ヘッド駆動回路5の消費電力の増大を最小限に
抑えることができる。
高くするためにはTop及びTminは小さい方が望ま
しい。Topは磁気ヘッド3の磁界発生用コイル11
(11a,11b)のインダクタンスをL、第1のスイ
ッチ素子12a,12bのOFF状態の端子間の静電容
量をCとした時、(LC)1/2 に略比例する。このよう
な点に着目して本願発明者が検討した結果、8ns<T
op<20nsにできることを確認した。そこで、To
p=12nsとする。この時式(2)を満足するために
は、29.0ns<Tmin<58.4nsでなければ
ならない。従ってTminを40nsとする。ここで、
情報信号の符号化方式が(1,7)RLLである場合に
はTmin=2Tであるから、クロック信号の周波数を
50MHzと設定すればよい。
及び第2の電流経路P2,P2′から磁界発生用コイル
11(11a,11b)に供給される電流を上記の一例
のように設定した場合の、第1の直流電源18の出力電
流、第2の直流電源19の出力電流、スイッチ素子制御
回路17を除く磁気ヘッド駆動回路5の消費電力を各実
施形態について示す。また、比較例として、図10に示
す従来の磁気ヘッド駆動回路と同様に補助コイルを含む
2つの第1の電流経路のみで構成した磁気ヘッド駆動回
路の直流電源の出力電流と消費電力を示す。なお、第1
の直流電源18の出力電圧V1 は5V、第2の直流電源
19の出力電圧V2 は3.3Vとする。表1から明らか
なようにいずれの実施形態においても第1の直流電源1
8及び第2の直流電源19の出力電流の合計が比較例に
おける値240mA(2Ic)以下となっている。ま
た、情報信号の記録速度を高めるために、第1の直流電
源18の出力電圧V1 のみを高めて5Vとし、第2の直
流電源19の出力電圧V2 を低くしたことによって、い
ずれの実施形態においても比較例より消費電力が小さく
なっている。
界発生用コイルに対して電流方向が反転した直後に極大
値Ipに達し、その後は速やかに低下して次の反転まで
の間略一定値Icに保持するように電流を供給し、電流
の反転の時点から極大値Ipに達する時点までの時間を
Top、電流の反転の時間間隔の最小値をTminとす
る時、1<Ip/Ic<1.4、2.5Ip/Ic−
0.5<Tmin/Top<4.6Ip/Ic−0.5
を満足するようにしたので、光磁気記録媒体に情報信号
に対応した磁化領域を境界が明瞭に、しかも、高速で
(高い転送速度で)記録することができる。
路、第1の電流経路とは別の第2の電流経路及びスイッ
チ素子より構成し、磁界発生用コイルに供給する電流の
方向の反転時には、スイッチ素子の切り換えによって電
流の振動を発生させ、電流の振動及び第1の電流経路よ
り磁界発生用コイルに電流を供給し、磁界発生用コイル
に供給される電流が極大値Ipに達した後は電流の振動
を速やかに終了させ、次の電流の反転までの間は第1の
電流経路及び第2の電流経路より電流を供給することに
より、磁界発生用コイルに供給する電流が上記式を満足
するように設定することができる。同時に、磁気ヘッド
駆動回路の消費電力を従来よりも小さくできるという効
果も得ることができる。
すブロック図である。
及び記録用光ビームを示す図である。
路図である。
図である。
を示す回路図である。
図である。
を示す回路図である。
図である。
/TopとIp/Icの適切な範囲を示す図である。
を示す図である。
電流波形を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 磁界発生用コイルを有する磁気ヘッド、
前記磁気ヘッドを駆動する磁気ヘッド駆動回路及び光ヘ
ッドを備え、前記光ヘッドから記録用光ビームを光磁気
記録媒体に照射しながら前記磁気ヘッド駆動回路から磁
界発生用コイルに情報信号に応じて交互に反転する電流
を供給し、前記磁気ヘッドから光磁気記録媒体の光ビー
ム照射部位に情報信号に応じて方向が交互に反転する磁
界を印加することにより情報信号の記録を行う光磁気記
録装置において、前記磁気ヘッド駆動回路は、磁界発生
用コイルに対し、電流方向が反転した直後に極大値Ip
に達し、その後は速やかに低下して次の反転までの間略
一定値Icに保持するように電流を供給し、前記反転の
時点から電流が極大値に達するまでの時間をTop(8
ns<Top<20ns)、電流の反転の時間間隔の最
小値をTminとする時、 1<Ip/Ic<1.4 2.5Ip/Ic−0.5<Tmin/Top<4.6
Ip/Ic−0.5 を満足することを特徴とする光磁気記録装置。 - 【請求項2】 前記光ヘッドは前記磁気ヘッドが光磁気
記録媒体に印加する磁界の反転の際に一時的に強度が弱
められる記録用光ビームを照射し、前記磁気ヘッド駆動
回路は磁界発生用コイルに供給する電流が、 1<Ip/Ic<1.3 を満足することを特徴とする請求項1に記載の光磁気記
録装置。 - 【請求項3】 前記光ヘッドは略一定強度の記録用光ビ
ームを光磁気記録媒体に照射し、前記磁気ヘッド駆動回
路は磁界発生用コイルに供給する電流が、 1.05<Ip/Ic<1.4 を満足することを特徴とする請求項1に記載の光磁気記
録装置。 - 【請求項4】 前記磁気ヘッド駆動回路は第1の電流経
路、第2の電流経路及びスイッチ素子より構成され、前
記磁界発生用コイルに供給する電流の方向の反転時に
は、前記スイッチ素子の切り換えによって電流の振動を
発生させ、前記電流の振動及び前記第1の電流経路より
前記磁界発生用コイルに電流を供給し、前記磁界発生用
コイルに供給される電流が極大値Ipに達した後は電流
の振動を速やかに終了させ、次の反転までの間は第1の
電流経路及び前記第2の電流経路より電流を供給して前
記磁界発生用コイルに供給される電流を略一定値Icに
保持することを特徴とする請求項1、2または3のいず
れかに記載の光磁気記録装置。 - 【請求項5】 前記第1の電流経路はインダクタンス素
子を含み、前記第2の電流経路は電流の逆流を阻止する
素子を含んで構成されていることを特徴とする請求項4
に記載の光磁気記録装置。 - 【請求項6】 前記第1の電流経路より前記磁界発生用
コイルに供給される電流をIb、前記第2の電流経路よ
り磁界発生用コイルに供給される電流をIh、電流の振
動により磁界発生用コイルに供給される電流の反転後の
極大値をIrとする時、Ip=Ib+Ir、Ic=Ib
+Ih、0.8Ic<Ir<Ic、60mA≦Ic≦2
40mAを満足することを特徴とする請求項4または5
に記載の光磁気記録装置。
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JP25036199A JP3530786B2 (ja) | 1999-09-03 | 1999-09-03 | 光磁気記録装置 |
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JP2001076393A JP2001076393A (ja) | 2001-03-23 |
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1999
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