JP2002319102A - 磁気ヘッド駆動回路 - Google Patents

磁気ヘッド駆動回路

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JP2002319102A
JP2002319102A JP2001120510A JP2001120510A JP2002319102A JP 2002319102 A JP2002319102 A JP 2002319102A JP 2001120510 A JP2001120510 A JP 2001120510A JP 2001120510 A JP2001120510 A JP 2001120510A JP 2002319102 A JP2002319102 A JP 2002319102A
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Tomohiro Koda
朋弘 甲田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素な構成で、低周波数駆動に切り替えた場
合の消費電力を抑える。 【解決手段】 スイッチング素子Q2、Q4、Q5、Q
6はエンハンスメント型のNチャンネルFETから成
り、スイッチング素子Q1、Q3はエンハンスメント型
のPチャンネルFETから成る。高い周波数の駆動電流
をコイルLに供給する場合は、スイッチング素子Q1、
Q4およびスイッチング素子Q2、Q3の各組を交互に
オン/オフさせる。一方、低い周波数の駆動電流をコイ
ルLに供給する場合には、スイッチング素子Q4、Q5
およびスイッチング素子Q2、Q6の各組を交互にオン
/オフさせ、そして、この場合、コイルLのインピーダ
ンスが低く両端の電圧は低いので、電源電圧を下げて消
費電力を削減する。スイッチング素子Q5、Q6がNチ
ャンネルFETであるため、電源電圧を下げても、負の
ゲート電圧を印加する必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録媒体に対
して磁気的に情報を記録すべく情報記録媒体に磁界を印
加する磁気ヘッドの駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、音楽や、各種デジタルデーターの
記録媒体として光磁気ディスクが実用化され、特に再生
専用だけでなく、ユーザーが光磁気ディスクに音楽やデ
ーターを記録することができるようにしたシステムが普
及している。このような光磁気ディスクに対する情報記
録方式としては、いわゆる磁界変調方式が広く採用され
ている。
【0003】図7は磁界変調方式における記録動作を説
明するための概念図である。図7に示したように、磁界
変調方式の場合、ディスク91に対する記録ヘッドとし
ては、光学ヘッド92と磁気ヘッド93がディスク91
を挟んで対向する状態に配置される。91aはディスク
91に形成される垂直磁化膜である。記録動作時には垂
直磁化膜91aに対して光学ヘッド92からレーザ光を
照射し、垂直磁化膜91aにおける記録部位をキュリー
温度以上に高める。このとき磁気ヘッド93から記録デ
ーター波形の反転に対応してN又はSの極性となるよう
に変調した磁界を与えることで、その磁気パターンが垂
直磁化膜91aに記録されることになる。つまり、ディ
スクに対するデーター記録としては熱磁気記録の手法に
より行われることになる。このため、磁界変調方式を採
用するディスクドライブ装置においては、記録データー
波形に応じた磁界が磁気ヘッドにおいて発生されるよう
に、図7に示す磁気ヘッド93のコイル93aに対し
て、記録データー波形に応じて極性の切り換わる駆動電
流を供給する磁気ヘッド駆動回路が備えられる。
【0004】図8は、磁界変調方式に採用される磁気ヘ
ッド駆動回路の一構成例(特開平11−161906号
公報)を示す回路図である。図8に示した従来の磁気ヘ
ッド駆動回路15Aは、エンコーダー部(図示せず)か
ら供給された記録データーDR及びクロック信号CLK
を入力してスイッチング素子Q1〜Q4をスイッチング
駆動するためのゲート電圧であるスイッチング制御信号
v1〜v4を生成する制御信号生成回路16Aと、主と
して4つのスイッチング素子Q1〜Q4、及び磁気ヘッ
ド6のコイルL及びコンデンサCの並列接続により形成
されるLC共振回路から成る「共振転流型Hブリッジ回
路」を備えて構成される。
【0005】この磁気ヘッド駆動回路15Aでは、共振
転流型Hブリッジ回路を形成する4つのスイッチング素
子Q1、Q2、Q3、Q4のうち、スイッチング素子Q
1、Q3には、エンハンスメント型のPチャンネルMO
S−FET(Field Effect Transistor)を用い、スイ
ッチング素子Q2、Q4には、エンハンスメント型のN
チャンネルMOS−FETを用いている。
【0006】スイッチング素子Q1のソースは電源ライ
ンVccに対して接続され、ドレインは逆流阻止用ダイ
オードD1(アノード→カソード)を介してスイッチン
グ素子Q2のドレインと接続される。スイッチング素子
Q2のソースはアースに接地される。同様にして、スイ
ッチング素子Q3は、そのソースが電源ラインVccに
対して接続され、ドレインは逆流阻止用ダイオードD3
(アノード→カソード)を介してスイッチング素子Q4
のドレインと接続され、スイッチング素子Q4のソース
はアースに接地される。即ち、スイッチング素子Q1、
Q2の組は逆流阻止用ダイオードD1を介して直列接続
されて電源ラインVccに対して接続され、スイッチン
グ素子Q3、Q4の組は逆流阻止用ダイオードD3を介
して直列接続されて電源ラインVccに対して接続され
ることになる。
【0007】また、フライホイールダイオードD2は、
カソード側がスイッチング素子Q2のドレインと接続さ
れ、アノード側がアースに接地されるようにして挿入さ
れる。同様にして、フライホイールダイオードD4は、
カソード側がスイッチング素子Q4のドレインと接続さ
れ、アノード側がアースに接地されるようにして挿入さ
れる。
【0008】また、磁気ヘッドを形成する所定のインダ
クタンスを有するコイルLと、所定のキャパシタンスを
有するコンデンサCが並列接続されることにより、共振
回路(L、C)が形成され、この共振回路(L、C)の
一端(a点)は、逆流阻止用ダイオードD1(カソー
ド)とスイッチング素子Q2(ドレイン)の接続点に対
して接続され、他端(b点)は逆流阻止用ダイオードD
3(カソード)とスイッチング素子Q4(ドレイン)の
接続点に対して接続される。つまり、各々直列接続され
たスイッチング素子Q1、Q2の組と、スイッチング素
子Q3、Q4の組との各中点との間を結合するようにし
て設けられる。
【0009】制御信号生成回路16Aはたとえば所要の
論理回路等を備えて構成され、最小ランd=1、最大ラ
ンk=7として規定されている(1、7)RLL(RL
L:Run Length Limited)符号列の記録データーDR及
びクロック信号CLKを利用して、後述する波形パター
ンのスイッチング制御信号v1〜v4を生成して出力す
る。スイッチング制御信号v1〜v4は、それぞれスイ
ッチング素子Q1〜Q4のゲートに対して供給される。
【0010】次に、このように構成された磁気ヘッド駆
動回路15Aの動作について説明する。図9は従来の磁
気ヘッド駆動回路15Aの動作を示すタイミングチャー
トである。図9(A)及び図9(B)には、それぞれ制
御信号生成回路16Aに入力される(1、7)RLL符
号列としての記録データーDR及びクロック信号CLK
が示されている。図9(A)に示す記録データーDR
は、期間t1〜t6及びこれに続く期間t6〜t11が
それぞれ‘1’(ハイレベル)、‘0’(ローレベル)
を示す2Tの最小反転間隔による反転区間とされてお
り、時点t11以降は最小反転間隔2Tより大きく最大
反転間隔8T以内とされるある反転間隔を有する‘1’
(ハイレベル)による波形とされているものとする。ま
た、クロック信号CLKは、記録データーDRに同期し
ていると共に、記録データーDRの1Tを1周期とする
周波数による信号とされている。また、この図では説明
の簡単のために、1周期内のハイレベルとローレベルと
のデューティ比は50%ではなく、ある偏りをもった所
定のデューティ比が設定されている。このデューティ比
は、後述するようにしてスイッチング制御電圧v1及び
v3を反転区間内においてチョップ(断続)するための
タイミングを決定する要素であり、コイル電流iLの反
転区間ごとにそのレベルを略一定に保つことを目的とし
て設定されるものである。
【0011】制御信号生成回路16Aでは、上記図9
(A)及び図9(B)に示す波形の記録データーDR及
びクロック信号CLKが入力されると、図9(C)〜
(F)に示す波形パターンのスイッチング制御信号v1
〜v4を出力する。これらスイッチング制御信号のう
ち、スイッチング制御信号v2及びv4は、記録データ
ーDRに基づいて生成することができる。即ち、スイッ
チング制御信号v2は記録データーDRの波形を反転さ
せることにより生成され、スイッチング制御信号v4は
記録データーDRの波形パターンをそのまま利用するよ
うにされる。また、スイッチング制御信号v1及びv3
は、記録データーDR及びクロック信号CLKを利用し
て生成されるものであり、スイッチング制御信号v1
は、記録データーDRがハイレベル、かつクロック信号
CLKがローレベルの状態時にのみローレベルとされ
て、それ以外の論理の組み合わせ状態では常にハイレベ
ルとして出力される信号となる。スイッチング制御信号
v3は、記録データーDR及びクロック信号CLKが共
にローレベルの状態時にのみローレベルとされて、それ
以外の論理の組み合わせ状態では常にハイレベルとして
出力される信号となる。なお、これらスイッチング制御
信号v1〜v4のハイレベル時の電圧レベルはたとえば
3V程度とされる。
【0012】このようなスイッチング制御信号v1、v
2、v3、v4がスイッチング素子Q1、Q2、Q3、
Q4の各ゲートに印加される場合の動作について説明す
る。図9に示す時点t1以前においては、図9(I)に
示すようにして負極性(点b→点aの方向)によりコイ
ルLに対してコイル電流iLが流れているものとされ
る。このとき、時点t1の直前のタイミングにおいて
は、スイッチング素子Q2、Q3が共にオンとされ、ス
イッチング素子Q1、Q4は共にオフの状態とされてい
ることにより、電源ラインVcc→スイッチング素子Q
3→逆流阻止用ダイオードD3→コイルL→スイッチン
グ素子Q2→アースによる電流経路(以降「第2の電流
経路」ともいうことにする)が形成されている。
【0013】そして、時点t1に至ると、これまでオン
とされていたスイッチング素子Q2、Q3が時点t6
(記録データーDRの次の反転時点)に至るまで共にオ
フとなるようにされる。また、スイッチング素子Q1、
Q4の組についてはスイッチング素子Q4は時点t6ま
で継続的にオンとされるのに対して、スイッチング素子
Q1は時点t3までオフとなるようにされる。このと
き、時点t1以前までコイルLを流れていたコイル電流
iLは、スイッチング素子Q2、Q3が共にオフとなる
のに従って急激に遮断されることで、コイルLのインダ
クタンス作用によって、a点においては、図9(G)に
示すように約100V程度の非常に高いレベルのフライ
バック電圧vaを発生させる。このフライバック電圧v
aは共振回路(L、C)の共振波形の半周期分に相当
し、従ってフライバック電圧vaが現れる期間t1〜t
2は、共振回路(L、C)の共振周波数の半周期分の時
間となる。
【0014】ここで、逆流阻止用ダイオードD1は、上
記期間t1〜t2において発生するフライバック電圧v
aが、スイッチング素子Q1のドレイン→ソースの方向
により存在する寄生ダイオードを介して電源ラインVc
cに吸収されないようにするために設けられる。また、
期間t1〜t2においてb点(コイルLと逆流阻止用ダ
イオードD3(カソード)との接続点)に同時に発生し
得るフライバック電圧vbは、フライホイールダイオー
ドD4によりクランプされるために、期間t1〜t2に
おいては、図9(H)に示すようにフライバック電圧v
bは発生しないようにされている。また、逆流阻止用ダ
イオードD3及びフライホイールダイオードD2も上記
と同様の作用を有するものである。即ち、逆流阻止用ダ
イオードD3は、後述する時点t6において、スイッチ
ング素子Q1、Q4の組がオンからオフに切り替わっ
て、コイルLに正方向(点a→点b)に流れるコイル電
流が遮断されたときに、期間t3〜t4においてb点に
発生するフライバック電圧vbが電源ラインVccに吸
収されることを阻止し、フライホイールダイオードD2
は、期間t3〜t4においてa点に発生しうるフライバ
ック電圧vaをクランプするために設けらるものであ
る。
【0015】上述のようにして、期間t1〜t2におい
てフライバック電圧vaが発生することで、共振回路
(L、C)の電流共振動作によって発生する正方向(a
点→b点)の高レベルなフライバック電流がコイルLに
流れることになる。これにより、期間t1〜t2の短時
間(たとえば約20nsec)において、図9(I)に
示すようにコイル電流iLが負極側から正極側に反転
し、かつ、時点t2においてはディスクに対する熱磁気
記録が適正に行われるために磁気ヘッド6にて発生され
る最小印加磁界強度を越える程度にまで、その電流レベ
ルが引き上げられるようにされる。
【0016】続く期間t2〜t3においては、スイッチ
ング素子Q4はオンであるのに対してスイッチング素子
Q1はオフの状態が継続されていることから、電源ライ
ンVcc→スイッチング素子Q1→逆流阻止用ダイオー
ドD1→コイルL→スイッチング素子Q4→アースの電
流経路(以降「第1の電流経路」ともいうことにする)
に電流は依然流れないようにされる。これにより、期間
t2〜t3におけるコイル電流iLとしては、図9
(I)に示すように、先に発生したフライバック電流
が、コイルLのインダクタンス及びその損失抵抗により
決定する時定数に従って減衰する傾向となる。
【0017】続く期間t3〜t4においては、スイッチ
ング素子Q1、Q4が共にオンとなることから、上記第
1の電流経路が形成されて、電源ラインVccからスイ
ッチング素子Q1、及び逆流阻止用ダイオードD1を介
してコイルLに電流iD1が流れるようにされる。そし
て、期間t3〜t4のコイル電流iLとしては、図9
(I)に示すようにそのレベルが増加する傾向を示すこ
とになる。
【0018】ここで、コイル電流iLの変化について、
期間t3〜t4の場合を例に詳しく説明する。この期間
では電流iD1は、その上限値が、
【0019】
【数1】 により表されるとともに、
【0020】
【数2】 で表されるようにして時間経過にしたがってレベルが変
化する(増加する)ものであり、結果的に、
【0021】
【数3】 により表される積分波形となる。よってコイル電流iL
は、期間t3〜t4において、[数3]にしたがって増
加する電流となる。
【0022】更に期間t4〜t5においては、スイッチ
ング素子Q4がオンであるのに対してスイッチング素子
Q1はオフに切り替わって第1の電流経路は再度遮断さ
れることになる。このときには、コイルLのインダクタ
ンスによりb点に発生するフライバック電圧、及びフラ
イホイールダイオードD2によるa点に発生しうるフラ
イバック電圧の抑制が行われることによる作用と、コイ
ルLのインダクタンス及びその損失抵抗により決定する
時定数との作用により得られる傾きによって、コイル電
流iLが減衰することになる。これに続く期間t5〜t
6においては、スイッチング素子Q1、Q4が共にオン
となることから、先の期間t3〜t4のときと同様にし
て、コイル電流iLは[数3]に示す式に従ってそのレ
ベルが増加することになる。
【0023】このように、記録データーDRがある反転
間隔を有して‘1’(ハイレベル)となるような場合に
は、第1の電流経路(電流iD1)をクロック周期ごと
に所定のデューティに従ったタイミングで断続するよう
にされる。これにより、第1の電流経路の断続に応じて
コイル電流iLのレベルが短い周期で増減を交互に行う
ようにされる結果、たとえば期間t1〜t6の反転区間
内においては、コイル電流iLのレベルが略一定に保た
れるように制御されることになる。従って、第1の電流
経路(電流iD1)の断続タイミングを決定するクロッ
ク信号CLKの1周期内(記録データーDRの1Tに相
当)におけるハイレベルとローレベルとのデューティ比
は、電流iD1の増加時と減衰時の各傾きのバランスを
考慮したうえで、コイル電流iLのレベルを略一定に保
つための値が設定されることになる。
【0024】続いて、記録データーDRが‘0’(ロー
レベル)により2Tの反転区間となる期間t6〜t11
においては、スイッチング素子Q1、Q4の組が共にオ
フとなるように制御される(図9(C)(F))一方
で、電源ラインVcc側のスイッチング素子Q2を定常
的にオン(図9(D))、アース側のスイッチング素子
Q3はクロック信号CLKの1周期ごとのデューティに
従って、図9(E)に示すタイミングでオン/オフを行
うようにされる。
【0025】これにより、期間t6〜t7においては、
スイッチング素子Q1、Q4がオフに切り替わって第1
の電流経路が急峻に遮断されることによって、図9
(H)のようにb点にフライバック電圧vbが発生し、
(この際、フライバック電圧vaはフライホイールダイ
オードD2により抑制される(図9(G))、これによ
り、逆方向のフライバック電流を利用してコイル電流i
Lを正方向から逆方向に急峻に反転させたうえで、最小
印加磁界強度を充分に超えるとされる所要のレベルにま
で到達するようにされる。そして、期間t7〜t8にお
いては、スイッチング素子Q2はオンであるのに対して
スイッチング素子Q3はオフの状態が継続されているこ
とで第2の電流経路による電流は流れないようにされる
ので、期間t7〜t8においてb点→a点の方向(逆方
向)に流れるコイル電流iLとしては、図9(I)に示
すようにコイルLのインダクタンス及びその損失抵抗に
より決定する時定数に従ってその絶対値レベルが減衰す
る。そして、続く期間t8〜t9においては、スイッチ
ング素子Q2、Q3が共にオンとなって第2の電流経路
が形成され、電源ラインVccからスイッチング素子Q
3、及び逆流阻止用ダイオードD3を介してコイルLに
電流iD3が流れるようにされる。これにより、期間t
8〜t9のコイル電流iLとしては、図9(I)に示す
ように、その絶対値レベルが増加することになる。
【0026】続く期間t9〜t10においては、スイッ
チング素子Q2がオン状態の元で、スイッチング素子Q
3はオフに切り替わって第2の電流経路は再度遮断され
るので、時点t9においてコイルLのインダクタンスに
よりa点に発生するフライバック電圧、及びb点に発生
しうるフライバック電圧に対するフライホイールダイオ
ードD4による抑制が行われることによる作用と、コイ
ルLのインダクタンス及びその損失抵抗により決定する
時定数との作用により得られる傾きによって、コイル電
流iLの絶対値レベルが減衰することになる。更に、続
く期間t10〜t11においては、スイッチング素子Q
2、Q3が共にオンとなることから、期間t8〜t9の
ときと同様にして、コイル電流iLはその絶対値レベル
が増加することになる。
【0027】このようにして、記録データーDRが2T
の反転区間により‘0’(ローレベル)となるような場
合においても、第2の電流経路(電流iD3)をクロッ
ク周期ごとに所定のデューティに従ったタイミングで断
続するようにスイッチング制御を行うようにされる。こ
れにより、第2の電流経路として逆方向に流れるコイル
電流iLのレベルがクロック周期ごとに交互に増減を行
う動作が得られることで、負極側の反転区間のコイル電
流iLとしても、所定の適正レベルにより略一定に保た
れることになる。
【0028】時点t11以降は、図9(A)に示すよう
に記録データーDRは、‘1’(ハイレベル)により、
最小反転間隔2Tより大きく最大反転間隔8T以内とさ
れるある反転間隔による波形となる。この時点t11以
降においては、図9(C)〜(F)に示すように、スイ
ッチング素子Q2、Q3は共にオフ状態となるように切
り替わる一方で、スイッチング素子Q4は継続的にオ
ン、スイッチング素子Q1はクロック信号CLKの1周
期ごとのハイレベル/ローレベルのデューティ比に従っ
たタイミングでオフ/オンを交互に繰り返すようにされ
る。これにより、時点t11から開始される反転間隔1
Tに相当する期間においては先に説明した期間t1〜t
4と同様の動作が得られ、以降は、期間t4〜t5とし
て説明した動作が繰り返されることになる。これによ
り、時点t11以降のコイル電流iLは、図9(I)に
示すようにして正極性により所定の適正レベルが維持さ
れた波形が得られることになる。
【0029】このような動作が行われることより、
(1、7)RLL符号として変調された記録データーD
Rの波形に応じて変調される磁気ヘッド6の駆動電流
(コイル電流iL)は、(1、7)RLL符号の最小反
転間隔2Tから最大反転間隔8Tまでの反転間隔ごとに
おいて、ほぼ一定の振幅レベルが得られることになる。
これにより、駆動電流(コイル電流iL)により磁気ヘ
ッド6において発生される磁界強度も、N極とS極と
で、それぞれ時間経過に関わらず所要の適正値がほぼ一
定に保たれることになる。
【0030】なお、この例では、磁気ヘッド6の駆動電
流を上述のように一定振幅レベルとすべく、スイッチン
グ素子Q1をオンさせるべき期間で、スイッチング制御
信号v1をクロック信号CLKに同期して周期的にハイ
レベルとし、スイッチング素子Q3をオンさせるべき期
間で、スイッチング制御信号v3をクロック信号CLK
に同期して周期的にハイレベルとしているが、駆動電流
の周波数が低い場合などには、スイッチング制御信号v
1、v3として、このようなチョッピングを行なってい
ないものが用いられる場合もある。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近の情報
記録再生装置では、1台の装置によって、種類の異なる
複数の情報記録媒体に対し情報記録が行えるものがあ
り、たとえば、ATRAC1(Adaptive TRansform Aco
ustic Coding)によるオーディオデーターをMD(Mini
Disk)に記録し、かつMPEG2(Motion Picture Ex
perts Group)ビデオデーターをMDデーター2ディス
クに記録できる装置が知られている。
【0032】このような情報記録再生装置では、情報記
録媒体によって磁気ヘッドの駆動電流の周波数が変化す
るため、駆動電流の大きさは情報記録媒体の種類により
異なったものとなる。すなわち、MDデーター2ディス
クの場合には、クロック信号CLKの周波数を高く設定
してスイッチング素子を短い周期でオン/オフさせるた
め、上記[数2]、[数3]における時間tが小さい領
域で駆動回路は動作することになり、コイルLに流れる
電流は、相対的に大きな値にはならない。一方、MDに
情報を記録する場合には、クロック信号CLKの周波数
は低く設定してスイッチング素子を長い周期でオン/オ
フさせるため、上記[数2]、[数3]における時間t
が大きな領域で駆動回路は動作することになり、コイル
Lに流れる電流は、相対的に大きな値となる。
【0033】しかし、MDとMDデーター2ディスクと
では、情報の記録に必要な磁界強度は互いにほぼ等しい
ので、MDに情報を記録する場合には、必要以上に大き
な駆動電流をコイルLに流していることになり、消費電
力が無駄に大きくなっている。
【0034】図10の(A)および(B)はそれぞれ周
波数が高い場合と低い場合のコイル駆動電流を示す波形
図である。駆動電流の周波数が高い場合には、図10の
(A)に示したように、駆動電流が飽和レベルIsに到
達する前に極性が切り替わるため、駆動電流の振幅は小
さく、また波形は漸増、漸減波形となっている。一方、
駆動電流の周波数が低い場合には、図10の(B)に示
したように、駆動電流が飽和レベルIsに到達するた
め、駆動電流の振幅は大きく、また波形は矩形波状とな
っている。なお、図10において時間軸のスケールは
(A)と(B)とで異なっており、両図におけるT0が
同じ時間を表している。
【0035】この消費電力が無駄に大きくなる問題は、
MDに情報を記録する際には、たとえば電源ラインVc
cの電圧を下げることで解決を図ることができる。すな
わち、コイルLの駆動電流の周波数が高い場合にはコイ
ルLのインピーダンスが高く、したがってスイッチング
素子Q1がオンした際のa点の電圧、およびスイッチン
グ素子Q3がオンした際のb点の電圧は大きな値とな
り、この場合には電源電圧を下げることはできない。特
に、図8の例ではスイッチング制御信号のチョッピング
を行っているため、コイル駆動電流の周波数はさらに高
くなっており、a点、b点の電圧もいっそう高く、電源
電圧を下げることは困難である。
【0036】一方、コイルLの駆動電流の周波数が低い
場合にはコイルLのインピーダンスが低いので、a点、
b点の電圧は小さく、この場合には電源電圧を下げるこ
とが可能であり、駆動電流を抑えることができる。しか
しながら、磁気ヘッドの駆動周波数が高いMDデーター
2ディスクの場合、たとえば電源ラインVccの電圧が
3Vであったとすると、スイッチング素子Q1〜Q4と
しては、通常、それらのゲート・ソース間の電圧差が
2.5V程度でオンするものが用いられる。このような
条件で、MDの場合、電源ラインVccの電圧をたとえ
ば2Vに下げたとすると、スイッチング素子Q1、Q3
では、ゲート・ソース間に印加できる電圧は最大で2V
となり、その結果、スイッチング素子Q1、Q3をオン
させることができずコイルLの駆動は不可能となる。
【0037】ここで、スイッチング素子Q1、Q3のゲ
ートに印加すべき電圧についてさらに詳しく説明する。
スイッチング素子Q1、Q4をオンさせてコイルLに電
流を流す場合(スイッチング素子Q2、Q3をオンさせ
る場合も同様)、必要な電源電圧をVCCは、コイルL
に流すべき電流をiL、コイルLのインピーダンスを
Z、スイッチング素子Q1、Q4のオン抵抗を
ON1、RON4、ダイオードD1の順方向電圧降下
をVD1として次式により表される。
【0038】
【数4】VCC=iL(RON1 + RON4
Z) + VD1 そして、スイッチング素子Q1のゲート・ソース遮断電
圧をVthとすると、電源電圧VCCがゲート・ソース
遮断電圧Vthより低い場合には、ゲート電圧をアース
電位としてもPチャネルFETであるスイッチング素子
Q1をオンさせることはできない。したがって、VCC
>Vthでなければならず、VCCに[数4]を代入し
てZについて解くと次式を得る。
【0039】
【数5】Z>(Vth − VD1)/iL − R
ON1 − RON4 ここで、Zはコイルのインピーダンスであって周波数依
存性を持ち、周波数が高くなるほど値が大きくなる。よ
って、[数5]の左辺が右辺より大きくなる周波数がス
イッチング可能周波数f0となり、図8の回路ではこの
周波数f0より低い周波数の駆動電流をコイルLに流す
ことはできない。
【0040】そこで、制御信号生成回路16Aが負の電
圧を出力できるようにして、スイッチング素子Q1、Q
3をオンさせる際には負の電圧をゲートに印加するよう
にすれば、ゲート・ソース間にゲート・ソース遮断電圧
Vthを越える電圧を印加することができ、VCC>V
thという条件は解消するので、上記f0より低い周波
数でもコイルLを駆動することが可能となる。上記の例
では、ゲート・ソース間に2.5V程度あるいはそれ以
上の電圧を印加でき、電源電圧が低い場合でもスイッチ
ング素子Q1、Q3を確実にオンさせてコイルLを駆動
することが可能となる。
【0041】しかし、その場合には、制御信号生成回路
16Aは正の電圧のみならず、負の電圧をも出力できな
ければならず、制御信号生成回路の構成が複雑になる。
そして電源回路は、極性の異なる2種類の電圧を生成す
る必要があるため、電源回路の構成も複雑となる。
【0042】また、PチャンネルのFETであるスイッ
チング素子Q1、Q3として、低いゲート・ソース間電
圧でオンするものを用いて、この問題に対処することも
考えられるが、PチャンネルのFETは、低いゲート・
ソース間電圧でオンするものを製造することが難しく、
したがって、効果は限定的なものとなる。
【0043】なお、図8に示した磁気ヘッド駆動回路1
5Aでは、スイッチング素子Q1〜Q4として上述のよ
うにエンハンスメント型FETが用いられているが、F
ETの代わりにバイポーラトランジスターが用いられる
場合もあり、その場合、NチャンネルのMOS−FET
に代えてNPNトランジスターが、PチャンネルのMO
S−FETに代えてPNPトランジスターが使用され
る。そして、バイポーラトランジスターにより磁気ヘッ
ド駆動回路が構成される場合にも同様の問題が発生し、
低周波駆動時に消費電力を抑えるべく電源ラインVcc
の電圧を低下させた場合、バイポーラトランジスターの
スイッチング素子Q1、Q3に充分なベース電流を供給
して各トランジスターをオンさせるために、制御信号生
成回路16Aは負の電圧を出力しなければならなくな
り、制御信号生成回路および電源回路の構成が複雑とな
ってしまう。
【0044】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、その目的は、簡素な構成で電源電圧を
充分に下げ得る構成として、低周波数でコイルを駆動す
るように切り替えた場合に無駄な電力消費を抑制できる
ようにした磁気ヘッド駆動回路を提供することにある。
【0045】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、磁気ヘッドのコイルに駆動電流を供給して磁
界を発生させ、同磁界により情報記録媒体に情報を記録
する磁気ヘッド駆動回路であって、第1導電型チャンネ
ルの第1、第3のFETと、第2導電型チャンネルの第
2、第4、第5、第6のFETと、前記第1ないし第6
のFETの各ゲートに制御信号を印加して各FETをオ
ン/オフ制御する制御回路とを含み、前記第2および第
4のFETのソースは第1電位点に接続され、前記第1
および第3のFETのソースならびに前記第5および第
6のFETのドレインは第2電位点に接続され、前記第
1および第2のFETのドレインならびに前記第5のF
ETのソースは前記コイルの一端に接続され、前記第3
および第4のFETのドレインならびに前記第6のFE
Tのソースは前記コイルの他端に接続され、前記制御回
路は、駆動電流の周波数が所定周波数以上の場合には、
前記第1および第4のFET、または前記第2および第
3のFETの組のFETをオンさせて前記コイルに駆動
電流を供給し、駆動電流の周波数が所定周波数より低い
場合には、前記第4および第5のFET、または前記第
2および第6のFETの組のFETをオンさせて前記コ
イルに駆動電流を供給することを特徴とする。
【0046】本発明の磁気ヘッド駆動回路では、コイル
駆動電流の周波数が高い場合には第1および第3のFE
Tが用いられ、周波数が低い場合には第5および第6の
FETが用いられる。そのため、たとえば第1および第
3のFETとしてPチャンネルのFETを、第2、第
4、第5、第6のFETとしてはNチャンネルのFET
を用い第2電位点の電圧を第1電位点の電圧より高く設
定した場合、駆動電流の周波数が高いときは、第1、第
2電位点間の電圧差を大きくとるとともに、第1および
第3のFETを通じコイルに対し充分な駆動電流を供給
して磁気ヘッドを駆動することができる。
【0047】一方、駆動電流の周波数が低いときは、N
チャンネルの第5および第6のFETを通じてコイルに
駆動電流を供給するので、第1、第2電位点間の電圧差
を小さくして消費電力の抑制を図っても、制御回路や電
源回路の複雑化を招かない。すなわち、Nチャンネルの
FETの方がPチャンネルのFETよりゲート・ソース
遮断電圧が低いものを得やすく、したがって、第5およ
び第6のFETとしてゲート・ソース遮断電圧の低いも
のを用いることができ、第1、第2電位点間の電圧差を
小さくした場合にも第5および第6のFETをオンさせ
ることができる。そのため、従来のように正負の電圧を
用いてFETをオン/オフさせる必要はなく、制御回路
や電源回路が複雑化することがない。
【0048】また、いっそうの消費電力の削減を図るべ
く第1、第2電位点間の電圧差をさらに縮小させた場合
や、あるいはゲート・ソース遮断電圧が高いFETを用
いた場合には、第5および第6のFETをオンさせるた
めに第2電位点の電圧を越える電圧を第5および第6の
FETのゲートに印加することが必要になるが、そのよ
うな場合でも、従来のように正負の電圧を用いる必要は
なく、制御回路や電源回路は比較的簡素な構成のもので
済む。
【0049】また、本発明は、磁気ヘッドのコイルに駆
動電流を供給して磁界を発生させ、同磁界により情報記
録媒体に情報を記録する磁気ヘッド駆動回路であって、
第1接合型の第1、第3のバイポーラトランジスター
と、第2接合型の第2、第4、第5、第6のバイポーラ
トランジスターと、前記第1ないし第6のバイポーラト
ランジスターの各ベースに制御信号を印加して各バイポ
ーラトランジスターをオン/オフ制御する制御回路とを
含み、前記第2および第4のバイポーラトランジスター
のエミッターは第1電位点に接続され、前記第1および
第3のバイポーラトランジスターのエミッターならびに
前記第5および第6のバイポーラトランジスターのコレ
クターは第2電位点に接続され、前記第1および第2の
バイポーラトランジスターのコレクターならびに前記第
5のバイポーラトランジスターのエミッターは前記コイ
ルの一端に接続され、前記第3および第4のバイポーラ
トランジスターのコレクターならびに前記第6のバイポ
ーラトランジスターのエミッターは前記コイルの他端に
接続され、前記制御回路は、駆動電流の周波数が所定周
波数以上の場合には、前記第1および第4のバイポーラ
トランジスター、または前記第2および第3のバイポー
ラトランジスターの組のバイポーラトランジスターをオ
ンさせて前記コイルに駆動電流を供給し、駆動電流の周
波数が所定周波数より低い場合には、前記第4および第
5のバイポーラトランジスター、または前記第2および
第6のバイポーラトランジスターの組のバイポーラトラ
ンジスターをオンさせて前記コイルに駆動電流を供給す
ることを特徴とする。
【0050】本発明の磁気ヘッド駆動回路では、コイル
駆動電流の周波数が高い場合には第1および第3のバイ
ポーラトランジスターが用いられ、周波数が低い場合に
は第5および第6のバイポーラトランジスターが用いら
れる。そのため、たとえば第1および第3のバイポーラ
トランジスターとしてPNP接合のバイポーラトランジ
スターを、第2、第4、第5、第6のバイポーラトラン
ジスターとしてはNPN接合のバイポーラトランジスタ
ーを用い第2電位点の電圧を第1電位点の電圧より高く
設定した場合、駆動電流の周波数が高いときは、第1、
第2電位点間の電圧差を大きくとって、PNP接合の第
1および第3のバイポーラトランジスターを通じコイル
に対し充分な駆動電流を供給して磁気ヘッドを駆動する
ことができる。
【0051】一方、駆動電流の周波数が低いときは、N
PN接合の第5および第6のバイポーラトランジスター
を通じてコイルに駆動電流を供給するので、第1、第2
電位点間の電圧差を小さくすることによる消費電力の抑
制を、制御回路や電源回路の複雑化を招くことなく実現
できる。すなわち、消費電力を削減すべく第1、第2電
位点間の電圧差を縮小させた場合、その程度によっては
第5、第6のバイポーラトランジスターをオンさせるベ
ース電流を供給するために第2電位点の電圧より高い電
圧が必要となる。したがって、電源電圧の種類が増加す
ることになるが、その場合でも、従来のように正負の電
圧を用いる必要はなく、制御回路や電源回路は比較的簡
素な構成のもので済む。
【0052】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態例につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明による磁気ヘ
ッド駆動回路の一例を示す回路図、図2は図1の磁気ヘ
ッド駆動回路を備えた情報記録再生装置の構成例を示す
ブロック図である。図2に示した情報記録再生装置は、
最小ランd=1、最大ランk=7として規定されている
(1、7)RLL符号による変調方式に対応しているこ
とを前提として以降の説明を行うこととする。図2にお
いて、光磁気ディスク1(以降単にディスクともいう)
は、当該情報記録再生装置に装填されることでスピンド
ルモータ2により回転駆動される。光学ヘッド3はディ
スク1に対して記録/再生時にレーザ光を照射する部位
とされ、記録時には記録トラックをキュリー温度まで加
熱するための高レベルのレーザ光を出力し、再生時には
磁気カー効果により反射光からデーターを検出するため
の比較的低レベルのレーザ光を出力する。
【0053】このため、光学ヘッド3はレーザ出力手段
としてのレーザダイオードや、偏光ビームスプリッタや
対物レンズ等からなる光学系、及び反射光を検出するた
めのディテクタが搭載されている。対物レンズ3aは二
軸機構4によってディスク半径方向及びディスクに接離
する方向に変位可能に保持されており、また、光学ヘッ
ド3全体はスレッド機構5によりディスク半径方向に移
動可能とされている。また、磁気ヘッド6は、供給され
た情報によって変調された磁界を光磁気ディスクに印加
するために設けられ、ディスク1を挟んで光学ヘッド3
と対向する位置に配置されている。
【0054】再生動作によって、光学ヘッド3によりデ
ィスク1から検出された情報はRFアンプ7に供給され
る。RFアンプ7は供給された情報の演算処理により、
再生RF信号、トラッキングエラー信号、フォーカスエ
ラー信号、グルーブ情報(ディスク1にプリグルーブ
(ウォブリンググルーブ)として記録されている絶対位
置情報)等を抽出する。そして、抽出された再生RF信
号はデコーダ部8に供給される。また、トラッキングエ
ラー信号、フォーカスエラー信号はサーボ回路10に供
給される。また、アドレスデコーダー9ではグルーブ情
報をデコードして絶対位置情報を得る。さらにデーター
として記録されたアドレス情報はデコーダー部8で抽出
される。これらのアドレス情報はシステムコントローラ
11に供給され、各種の制御動作に用いられる。
【0055】サーボ回路10は供給されたトラッキング
エラー信号、フォーカスエラー信号や、システムコント
ローラ11からのトラックジャンプ指令、アクセス指
令、回転速度検出情報等により各種サーボ駆動信号を発
生させ、二軸機構4及びスレッド機構5を制御してフォ
ーカス及びトラッキング制御をなし、またスピンドルモ
ータ2を一定線速度(CLV)あるいは角速度一定(C
AV)に制御する。
【0056】再生RF信号はデコーダー部8で2値化さ
れた後、(1、7)RLL符号列に対応する復調処理、
及び所定の方式に対応するエラー訂正処理等が施され、
システムコントローラ11を介して出力端子12から図
示しない所要の処理部に再生データーとして供給され
る。
【0057】また、記録動作の際にディスク1に記録す
べき情報として入力端子13からシステムコントローラ
11に供給された情報はエンコーダ部14において所定
方式によるエラー訂正符号の付加、及び(1、7)RL
L符号化等のエンコード処理が施され、記録データーD
Rとして磁気ヘッド駆動回路15に供給される。なお、
本実施の形態では、エンコーダ部14から上記記録デー
ターDRと共に、この記録データーDRに同期したクロ
ック信号CLK、および以下で詳しく説明する電流経路
切り替え信号Spも供給される。ここで、クロック信号
CLKは、記録データーDRの反転区間1T(なお、実
際の(1、7)RLL符号列には、規則上1Tの反転区
間は存在しない)を1周期とする周波数を有するものと
なっている。
【0058】図1に示した本実施の形態例の磁気ヘッド
駆動回路15は、図8に示した磁気ヘッド駆動回路15
Aとは、スイッチング素子Q5、Q6およびDC−DC
コンバーター17(本発明に係わる電源回路)を追加
し、かつ制御信号生成回路16をスイッチング素子Q
5、Q6の制御をも行える構成とした点で異なってい
る。したがって、以下ではこれら従来と異なる点を中心
に詳しく説明する。なお、図1において、図8と同一の
要素には同一の符号が付されている。
【0059】スイッチング素子Q5、Q6は、本実施の
形態例では一例として、ともにエンハンスメント型のN
チャンネルMOS−FETであり、スイッチング素子Q
5、Q6のドレインはともに電源ラインVccに接続さ
れ、スイッチング素子Q5のソースはスイッチング素子
Q5側をアノードとするダイオードD5を通じてa点に
接続され、一方、スイッチング素子Q6のソースはスイ
ッチング素子Q6側をアノードとするダイオードD6を
通じてb点に接続されている。そして各スイッチング素
子Q5、Q6のゲートには制御信号生成回路16から制
御信号v5、v6がそれぞれ供給されている。
【0060】制御信号生成回路16は、エンコーダ14
より与えられるクロック信号CLKにもとづいてスイッ
チング制御信号v1〜v6を生成して各スイッチング素
子Q1〜Q6のゲートに供給する。その際、電流経路切
り替え信号Spがハイレベルの場合には、スイッチング
制御信号v5、v6は常にローレベル(アースレベル)
として、スイッチング素子Q5、Q6をオフ状態とさせ
る。一方、電流経路切り替え信号Spがローレベルの場
合には、スイッチング制御信号v1、v3は常にハイレ
ベルとして、スイッチング素子Q1、Q3をオフ状態と
させる。
【0061】また、エンコーダ14(図2)は、情報記
録媒体の種類に応じてクロック信号CLKの周波数を切
り替え、そして周波数の高いクロック信号CLKを供給
するときはハイレベルの電流経路切り替え信号Spを、
周波数の低いクロック信号CLKを供給するときはロー
レベルの電流経路切り替え信号Spを制御信号生成回路
16に出力する。
【0062】DC−DCコンバーター17は、記録再生
装置の電源17Aより磁気ヘッド駆動回路15に必要な
電源電圧を生成して出力端子17B(本発明に係わる第
2電位点)および出力端子17C(本発明に係わる第1
電位点)を通じ電源ラインVccにより磁気ヘッド駆動
回路15の各部に供給する。ここで、上記電流経路切り
替え信号SpはDC−DCコンバーター17にも入力さ
れており、DC−DCコンバーター17は、電流経路切
り替え信号Spがハイレベルの場合には高周波数の駆動
電流をコイルLに供給するために必要な、相対的に高い
電源電圧を出力し、一方、電流経路切り替え信号Spが
ローレベルの場合には低周波数の駆動電流をコイルLに
供給するための、相対的に低い電源電圧を出力する。
【0063】次に、このように構成された磁気ヘッド駆
動回路15の動作について説明する。図3および図4は
実施の形態例の磁気ヘッド駆動回路15の動作を説明す
るためのタイミングチャートであり、図3はコイルLに
高周波数の電流を供給する場合を示し、図4はコイルL
に低周波数の電流を供給する場合を示している。なお、
図3、図4において同一の要素には同一の符号が付され
ている。
【0064】まず、情報を記録すべきディスク1が、た
とえばMDデーター2ディスクの場合、システムコント
ローラー11はエンコーダ14を通じてハイレベルの電
流経路切り替え信号Sp、および周波数の高いクロック
信号CLKを磁気ヘッド駆動回路15に供給する。これ
により、磁気ヘッド駆動回路15のDC−DCコンバー
ター17は、高周波数の駆動電流をコイルLに供給する
ために必要な、相対的に高い電源電圧を出力する。
【0065】また、制御信号生成回路15は、図3に示
したように、スイッチング制御信号v5、v6は常にロ
ーレベルとしてスイッチング素子Q5、Q6は常時オフ
状態とさせ、スイッチング素子Q1〜Q4のみを制御し
てコイルLに駆動電流を流す。したがって、この場合の
磁気ヘッド駆動回路15の動作は、図8および図9を参
照してすでに詳しく説明した磁気ヘッド駆動回路15A
の動作とまったく同じであり、図9に示した波形の記録
データーDRと同じ波形の記録データーDR(図3の
(A))が供給されると、制御信号生成回路16は、制
御信号生成回路16Aの場合と同様のスイッチング制御
信号v1〜v4(図3の(C)から(F))を生成す
る。その結果、スイッチング素子Q1、Q4の組とスイ
ッチング素子Q2、Q3の組が基本的に交互にオン/オ
フし、コイルLには記録データーDRに対応して方向が
切り替わる駆動電流iL(図3の(K))が流れ、コイ
ルLは磁界を発生して、ディスク1に情報が記録される
こととなる。なお、図3において、(I)、(J)の電
圧波形は図9の(G)、(H)の電圧波形に相当してい
る。
【0066】一方、情報を記録すべきディスク1が、た
とえばMDの場合、システムコントローラー11はエン
コーダ14を通じてローレベルの電流経路切り替え信号
Sp、および周波数の低いクロック信号CLKを磁気ヘ
ッド駆動回路15に出力する。これにより、DC−DC
コンバーター17は、低周波数の駆動電流をコイルLに
供給するために必要な、相対的に低い電源電圧を出力す
る。
【0067】また、制御信号生成回路15は、図4の
(G)、(H)に示したように、スイッチング制御信号
v1、v3は常にハイレベルとしてスイッチング素子Q
1、Q3は常時オフ状態とさせ、スイッチング素子Q
2、Q4、Q5、Q6のみを制御してコイルLに駆動電
流を流す。
【0068】詳しく説明すると、この場合にはスイッチ
ング素子Q1に代わってスイッチング素子Q5が動作
し、スイッチング素子Q3に代わってスイッチング素子
Q6が動作する。そして、スイッチング素子Q5、Q6
は、スイッチング素子Q1、Q3と異なりNチャンネル
のMOS−FETであるから、制御信号生成回路16
は、図4の(C)、(E)に示したように、図3の
(C)、(E)に示したスイッチング制御信号v1、v
3の極性を反転させた波形のスイッチング制御信号v
5、v6をスイッチング素子Q5、Q6に供給する。
【0069】その結果、この場合にも、スイッチング素
子Q4、Q5の組とスイッチング素子Q2、Q6の組が
基本的に交互にオン/オフし、コイルLには記録データ
ーDRに対応して方向が切り替わる駆動電流iL(図4
の(K))が流れ、コイルLは磁界を発生して、ディス
ク1に情報が記録されることとなる。
【0070】このようにディスク1がたとえばMDの場
合、磁気ヘッド駆動回路15はDC−DCコンバーター
17が生成する低い電源電圧により動作するので、コイ
ルLに必要以上に大きな電流が供給されることがなく、
したがって、無駄な電力消費を抑制することができる。
そして、本実施の形態例では、駆動電流の周波数が低い
ときは、エンハンスメント型のNチャンネルFETであ
るスイッチング素子Q5、Q6を通じてコイルに駆動電
流を供給するので、上述のように電源電圧を低くしても
制御信号生成回路16やDC−DCコンバーター17な
どによる電源回路の複雑化を招かない。すなわち、Nチ
ャンネルのFETの方がPチャンネルのFETよりゲー
ト・ソース遮断電圧が低いものを得やすく、したがっ
て、スイッチング素子Q5、Q6としてゲート・ソース
遮断電圧が低いものを用いることで、電源電圧を低下さ
せてもスイッチング素子Q5、Q6をオンさせることが
できる。そのため、従来のように正負の電圧を用いてF
ETをオン/オフさせる必要はなく、制御信号生成回路
16や電源回路が複雑化することはない。
【0071】また、いっそうの消費電力の削減を図るべ
く電源電圧をさらに低下させた場合や、あるいはゲート
・ソース遮断電圧が高いFETを用いた場合には、スイ
ッチング素子Q5、Q6をオンさせるために電源ライン
Vccの電圧を越える電圧をスイッチング素子Q5、Q
6のゲートに印加することが必要になる。しかし、その
ような場合でも、従来のように正負の電圧を用いる必要
はなく、制御信号生成回路16や電源回路は比較的簡素
な構成のもので済む。
【0072】また、ゲート電圧を切り替えてFETをオ
ン/オフさせる場合の消費電力は、ゲート電圧を切り替
えた際の電圧差(本実施の形態例では電源ラインVcc
の電圧に等しい)の2乗に比例して増加するので、スイ
ッチング制御信号v5、v6の電圧を電源ラインVcc
の電圧より低く設定して消費電力のさらなる削減を図る
ことも有効であり、本実施の形態例では、低いゲート・
ソース遮断電圧を得やすいNチャンネルFETを用いて
いるため、それが可能である。
【0073】たとえばMDなどでは、必要以上に強い磁
界が印加された場合には正しく情報が記録されない場合
があり、したがって消費電力を抑えるためだけでなく、
このような不具合を回避するためにも、本実施の形態例
のように電源電圧を低下させて、コイルLに流れる電流
を抑えることが有効である。
【0074】なお、本実施の形態例において、コイルL
に流す電流を高い周波数でスイッチングする場合にもス
イッチング素子Q5、Q6を用いることが考えられる
が、駆動電流の周波数が高い場合には上述のようにコイ
ルLのインピーダンスが大きく、a点、b点の電圧が高
くなることから、スイッチング素子Q5、Q6をオンさ
せるべくスイッチング素子Q5、Q6のゲートに印加す
べき電圧は、このように高い電圧にさらにゲート・ソー
ス遮断電圧を加えたものとなり、きわめて高い電圧をゲ
ートに印加しなければならなくなる。よって、高周波数
での駆動をスイッチング素子Q5、Q6により行うこと
は得策ではない。
【0075】本実施の形態例では、上述のようにDC−
DCコンバーター17はディスク1の種類に応じて単に
高い電源電圧または低い電源電圧を出力するとした。し
かし、コイルLの駆動電流の周波数に応じた電源電圧を
出力できるようにして、無駄な消費電力をいっそう効果
的に抑制できるように図ることも有効であり、その場合
には、たとえばDC−DCコンバーター17に対し、ク
ロック信号CLKの周波数に応じた値のデジタル信号を
供給し、DC−DCコンバーター17がこのデジタル信
号の値にもとづいて高い電源電圧および低い電源電圧の
それぞれの大きさを設定する構成とすればよい。
【0076】また、本実施の形態例では、上述のように
チョッピングしたスイッチング制御信号を用いるとした
が、駆動電流の周波数が低い場合などには、スイッチン
グ制御信号として、チョッピングを行っていないものを
用いてもよい。図5はスイッチング制御信号のチョッピ
ングを行わない場合の磁気ヘッド駆動回路15の動作を
示すタイミングチャートであり、上記図4に相当する図
面である。図中、図4などと同一の要素には同一の符号
が付されている。スイッチング制御信号v5は、図5の
(C)に示したように、スイッチング素子Q5をオンさ
せるべきt1〜t6の期間およびt11以降の期間でチ
ョッピングされておらず、これらの期間の全体でハイレ
ベルとなっている。また、スイッチング制御信号v6
は、図5の(E)に示したように、スイッチング素子Q
6をオンさせるべきt1までの期間およびt6〜t11
の期間でチョッピングされておらず、これらの期間の全
体でハイレベルとなっている。本発明はこのようなチョ
ッピングされていないスイッチング制御信号を用いる場
合にも無論有効である。
【0077】本実施の形態例では、ディスク1は一例と
してMDまたはMDデーター2ディスクでありディスク
の種類が異なる場合に、クロック信号CLKの周波数、
したがって駆動電流の周波数を切り替え、そして電源電
圧を切り替えるとした。しかし、ディスクの種類が同じ
であるが情報記録に適した磁界強度が異なるような場合
にも、本発明を適用することが可能である。すなわち、
より弱い磁界強度で情報記録を行えるようなディスクの
場合には、スイッチング素子Q5、Q6を用いてスイッ
チングを行い、そして電源電圧を低くして消費電力の削
減を図ることができる。
【0078】また、本実施の形態例では、記録データー
DRが(1、7)RLL符号による変調方式で変調され
ているとしたが、本発明はこれに限定されるものではな
く、記録データーDRが、たとえば他の(d、k)RL
L符号による変調方式やEFM(Eight to Fourteen Mod
ulation)などによるランレングスリミテッド符号による
変調方式で変調されている場合にも本発明は無論有効で
ある。さらに、上記磁気ヘッド駆動回路15はあくまで
も一例であり、回路の細部については実際の仕様や、要
求される性能水準などにもとづき適宜変更することが可
能である。
【0079】また、本実施の形態例ではスイッチング素
子としてエンハンスメント型のFETを用いたが、FE
Tの代わりにバイポーラトランジスターを用いて本発明
にもとづく磁気ヘッド駆動回路を構成することも可能で
ある。図6はスイッチング素子としてバイポーラトラン
ジスターを用いた場合の本発明による磁気ヘッド駆動回
路の一例を示す回路図である。図中、図1と同一の要素
には同一の符号が付されており、それらに関する詳しい
説明はここでは省略する。
【0080】この磁気ヘッド駆動回路18では、スイッ
チング素子Q1、Q3としてPNP型のバイポーラトラ
ンジスターを用い、スイッチング素子Q2、Q4、Q
5、Q6としてNPN型のバイポーラトランジスターを
用いている。そして、スイッチング素子Q1、Q3のエ
ミッターは電源ラインVccに接続され、コレクターは
それぞれダイオードD1、D3を介してa点、b点に接
続されており、ベースにはそれぞれ抵抗Rbを通じてス
イッチング制御信号v1、v3が供給されている。
【0081】一方、スイッチング素子Q2、Q4のエミ
ッターはアースに接地され、コレクターはそれぞれa
点、b点に接続されており、ベースにはそれぞれ抵抗R
bを通じてスイッチング制御信号v2、v4が供給され
ている。また、スイッチング素子Q5、Q6のコレクタ
ーは電源ラインVccに接続され、エミッターはそれぞ
れダイオードD5、D6を通じてa点、b点に接続され
ており、ベースにはそれぞれ抵抗Rbを通じてスイッチ
ング制御信号v5、v6が供給されている。
【0082】このような構成において制御信号生成回路
16は図3、図4に示したようなスイッチング制御信号
v1〜v6を生成し、各スイッチング素子(バイポーラ
トランジスター)に抵抗Rbを通じてベース電流が供給
され、各スイッチング素子は上述の場合と同様にオン/
オフ制御されて、コイルLに駆動電流が供給される。
【0083】そして、この磁気ヘッド駆動回路18の場
合にも、コイルLに供給すべき駆動電流の周波数が低い
ときはスイッチング素子Q5、Q6が用いられるととも
に、DC−DCコンバーター17は電源電圧を低下さ
せ、その結果、コイルLに供給する電流を抑えて消費電
力が抑制される。その際、消費電力を大幅に抑制すべく
電源電圧を大きく低下させた場合には、スイッチング素
子Q5、Q6をオンさせるときのスイッチング制御信号
v5、v6の電圧は、充分なベース電流を供給すべく電
源ラインVccの電圧より高い値にすることが必要とな
る。しかし、本実施の形態例の磁気ヘッド駆動回路18
では、そのような場合でも、従来の回路構成で電源ライ
ンVccの電圧を下げた場合のように、正負の電圧の間
で切り替わるスイッチング制御信号を生成する必要はな
いので、制御信号生成回路16、およびDC−DCコン
バーター17などによる電源回路の構成を簡素なものと
できる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、磁気ヘッ
ドのコイルに駆動電流を供給して磁界を発生させ、同磁
界により情報記録媒体に情報を記録する磁気ヘッド駆動
回路であって、第1導電型チャンネルの第1、第3のF
ETと、第2導電型チャンネルの第2、第4、第5、第
6のFETと、前記第1ないし第6のFETの各ゲート
に制御信号を印加して各FETをオン/オフ制御する制
御回路とを含み、前記第2および第4のFETのソース
は第1電位点に接続され、前記第1および第3のFET
のソースならびに前記第5および第6のFETのドレイ
ンは第2電位点に接続され、前記第1および第2のFE
Tのドレインならびに前記第5のFETのソースは前記
コイルの一端に接続され、前記第3および第4のFET
のドレインならびに前記第6のFETのソースは前記コ
イルの他端に接続され、前記制御回路は、駆動電流の周
波数が所定周波数以上の場合には、前記第1および第4
のFET、または前記第2および第3のFETの組のF
ETをオンさせて前記コイルに駆動電流を供給し、駆動
電流の周波数が所定周波数より低い場合には、前記第4
および第5のFET、または前記第2および第6のFE
Tの組のFETをオンさせて前記コイルに駆動電流を供
給することを特徴とする。
【0085】本発明の磁気ヘッド駆動回路では、コイル
駆動電流の周波数が高い場合には第1および第3のFE
Tが用いられ、周波数が低い場合には第5および第6の
FETが用いられる。そのため、たとえば第1および第
3のFETとしてPチャンネルのFETを、第2、第
4、第5、第6のFETとしてはNチャンネルのFET
を用い第2電位点の電圧を第1電位点の電圧より高く設
定した場合、駆動電流の周波数が高いときは、第1、第
2電位点間の電圧差を大きくとるとともに、第1および
第3のFETを通じコイルに対し充分な駆動電流を供給
して磁気ヘッドを駆動することができる。
【0086】一方、駆動電流の周波数が低いときは、N
チャンネルの第5および第6のFETを通じてコイルに
駆動電流を供給するので、第1、第2電位点間の電圧差
を小さくして消費電力の抑制を図っても、制御回路や電
源回路の複雑化を招かない。すなわち、Nチャンネルの
FETの方がPチャンネルのFETよりゲート・ソース
遮断電圧が低いものを得やすいので、第5および第6の
FETとしてゲート・ソース遮断電圧の低いものを用い
ることができ、第1、第2電位点間の電圧差を小さくし
た場合でも第5および第6のFETをオンさせることが
できる。その結果、従来のように正負の電圧をゲートに
印加してFETをオン/オフさせる必要はなく、制御回
路や電源回路が複雑化することがない。
【0087】また、いっそうの消費電力の削減を図るべ
く第1、第2電位点間の電圧差をさらに縮小させた場合
や、あるいはゲート・ソース遮断電圧が高いFETを用
いた際には、第5および第6のFETをオンさせるため
に第2電位点の電圧を越える電圧を第5および第6のF
ETのゲートに印加することが必要になるが、そのよう
な場合でも、従来のように正負の電圧を用いる必要はな
く、制御回路や電源回路は比較的簡素な構成のもので済
む。
【0088】また、本発明は、磁気ヘッドのコイルに駆
動電流を供給して磁界を発生させ、同磁界により情報記
録媒体に情報を記録する磁気ヘッド駆動回路であって、
第1接合型の第1、第3のバイポーラトランジスター
と、第2接合型の第2、第4、第5、第6のバイポーラ
トランジスターと、前記第1ないし第6のバイポーラト
ランジスターの各ベースに制御信号を印加して各バイポ
ーラトランジスターをオン/オフ制御する制御回路とを
含み、前記第2および第4のバイポーラトランジスター
のエミッターは第1電位点に接続され、前記第1および
第3のバイポーラトランジスターのエミッターならびに
前記第5および第6のバイポーラトランジスターのコレ
クターは第2電位点に接続され、前記第1および第2の
バイポーラトランジスターのコレクターならびに前記第
5のバイポーラトランジスターのエミッターは前記コイ
ルの一端に接続され、前記第3および第4のバイポーラ
トランジスターのコレクターならびに前記第6のバイポ
ーラトランジスターのエミッターは前記コイルの他端に
接続され、前記制御回路は、駆動電流の周波数が所定周
波数以上の場合には、前記第1および第4のバイポーラ
トランジスター、または前記第2および第3のバイポー
ラトランジスターの組のバイポーラトランジスターをオ
ンさせて前記コイルに駆動電流を供給し、駆動電流の周
波数が所定周波数より低い場合には、前記第4および第
5のバイポーラトランジスター、または前記第2および
第6のバイポーラトランジスターの組のバイポーラトラ
ンジスターをオンさせて前記コイルに駆動電流を供給す
ることを特徴とする。
【0089】本発明の磁気ヘッド駆動回路では、コイル
駆動電流の周波数が高い場合には第1および第3のバイ
ポーラトランジスターが用いられ、周波数が低い場合に
は第5および第6のバイポーラトランジスターが用いら
れる。そのため、たとえば第1および第3のバイポーラ
トランジスターとしてPNP接合のバイポーラトランジ
スターを、第2、第4、第5、第6のバイポーラトラン
ジスターとしてはNPN接合のバイポーラトランジスタ
ーを用い第2電位点の電圧を第1電位点の電圧より高く
設定した場合、駆動電流の周波数が高いときは、第1、
第2電位点間の電圧差を大きくとって、PNP接合の第
1および第3のバイポーラトランジスターを通じコイル
に対し充分な駆動電流を供給して磁気ヘッドをに駆動す
ることができる。
【0090】一方、駆動電流の周波数が低いときは、N
PN接合の第5および第6のバイポーラトランジスター
を通じてコイルに駆動電流を供給するので、第1、第2
電位点間の電圧差を小さくすることによる消費電力の抑
制を、制御回路や電源回路の複雑化を招くことなく実現
できる。すなわち、消費電力を削減すべく第1、第2電
位点間の電圧差を縮小させた場合、電圧差を縮小させる
程度が大きいときは第5、第6のバイポーラトランジス
ターのオン制御に必要なベース電流を供給するために第
2電位点の電圧より高い電圧が必要となる。その結果、
電源電圧の種類が増加することになるが、その場合で
も、従来のように正負の電圧を用いる必要はなく、制御
回路や電源回路は比較的簡素な構成のもので済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気ヘッド駆動回路の一例を示す
回路図である。
【図2】図1の磁気ヘッド駆動回路を備えた情報記録再
生装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】実施の形態例の磁気ヘッド駆動回路の動作を説
明するためのタイミングチャートである。
【図4】実施の形態例の磁気ヘッド駆動回路の動作を説
明するためのタイミングチャートである。
【図5】スイッチング制御信号のチョッピングを行わな
い場合の磁気ヘッド駆動回路の動作を示すタイミングチ
ャートである。
【図6】スイッチング素子としてバイポーラトランジス
ターを用いた場合の本発明による磁気ヘッド駆動回路の
一例を示す回路図である。
【図7】磁界変調方式における記録動作を説明するため
の概念図である。
【図8】磁界変調方式に採用される磁気ヘッド駆動回路
の一構成例を示す回路図である。
【図9】従来の磁気ヘッド駆動回路の動作を示すタイミ
ングチャートである。
【図10】(A)および(B)はそれぞれ周波数が高い
場合と低い場合のコイル駆動電流を示す波形図である。
【符号の説明】
15……磁気ヘッド駆動回路、16……制御信号生成回
路、17……DC−DCコンバーター、18……磁気ヘ
ッド駆動回路、Q1〜Q6……スイッチング素子、L…
…コイル、D1〜D6……ダイオード。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドのコイルに駆動電流を供給し
    て磁界を発生させ、同磁界により情報記録媒体に情報を
    記録する磁気ヘッド駆動回路であって、 第1導電型チャンネルの第1、第3のFETと、 第2導電型チャンネルの第2、第4、第5、第6のFE
    Tと、 前記第1ないし第6のFETの各ゲートに制御信号を印
    加して各FETをオン/オフ制御する制御回路とを含
    み、 前記第2および第4のFETのソースは第1電位点に接
    続され、前記第1および第3のFETのソースならびに
    前記第5および第6のFETのドレインは第2電位点に
    接続され、前記第1および第2のFETのドレインなら
    びに前記第5のFETのソースは前記コイルの一端に接
    続され、前記第3および第4のFETのドレインならび
    に前記第6のFETのソースは前記コイルの他端に接続
    され、 前記制御回路は、前記駆動電流の周波数が所定周波数以
    上の場合には、前記第1および第4のFET、または前
    記第2および第3のFETの組のFETをオンさせて前
    記コイルに駆動電流を供給し、前記駆動電流の周波数が
    所定周波数より低い場合には、前記第4および第5のF
    ET、または前記第2および第6のFETの組のFET
    をオンさせて前記コイルに駆動電流を供給することを特
    徴とする磁気ヘッド駆動回路。
  2. 【請求項2】 磁気ヘッドのコイルに駆動電流を供給し
    て磁界を発生させ、同磁界により情報記録媒体に情報を
    記録する磁気ヘッド駆動回路であって、 第1接合型の第1、第3のバイポーラトランジスター
    と、 第2接合型の第2、第4、第5、第6のバイポーラトラ
    ンジスターと、 前記第1ないし第6のバイポーラトランジスターの各ベ
    ースに制御信号を印加して各バイポーラトランジスター
    をオン/オフ制御する制御回路とを含み、 前記第2および第4のバイポーラトランジスターのエミ
    ッターは第1電位点に接続され、前記第1および第3の
    バイポーラトランジスターのエミッターならびに前記第
    5および第6のバイポーラトランジスターのコレクター
    は第2電位点に接続され、前記第1および第2のバイポ
    ーラトランジスターのコレクターならびに前記第5のバ
    イポーラトランジスターのエミッターは前記コイルの一
    端に接続され、前記第3および第4のバイポーラトラン
    ジスターのコレクターならびに前記第6のバイポーラト
    ランジスターのエミッターは前記コイルの他端に接続さ
    れ、 前記制御回路は、前記駆動電流の周波数が所定周波数以
    上の場合には、前記第1および第4のバイポーラトラン
    ジスター、または前記第2および第3のバイポーラトラ
    ンジスターの組のバイポーラトランジスターをオンさせ
    て前記コイルに駆動電流を供給し、前記駆動電流の周波
    数が所定周波数より低い場合には、前記第4および第5
    のバイポーラトランジスター、または前記第2および第
    6のバイポーラトランジスターの組のバイポーラトラン
    ジスターをオンさせて前記コイルに駆動電流を供給する
    ことを特徴とする磁気ヘッド駆動回路。
  3. 【請求項3】 前記第1電位点と前記第2電位点との間
    の電圧差を、前記コイル駆動電流の周波数が所定周波数
    以上の場合には大きく設定し、前記コイル駆動電流の周
    波数が所定周波数より低い場合には小さく設定すべく、
    前記第1および第2電位点の電圧のいずれか一方または
    両方を制御する電源回路を備えたことを特徴とする請求
    項1または2に記載の磁気ヘッド駆動回路。
  4. 【請求項4】 前記電源回路は、前記コイル駆動電流の
    周波数が所定周波数以上の場合に設定する大きい前記電
    圧差、および前記コイル駆動電流の周波数が所定周波数
    より低い場合に設定する小さい前記電圧差を、それぞれ
    コイル駆動電流の周波数に応じた大きさに設定すること
    を特徴とする請求項3記載の磁気ヘッド駆動回路。
  5. 【請求項5】 前記制御回路は、周期一定のクロック信
    号に同期して論理レベルが切り替わる前記制御信号を生
    成し前記第1ないし第6のトランジスターに供給するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ヘッド駆
    動回路。
  6. 【請求項6】 前記制御回路は、前記クロック信号の周
    波数に応じて周波数が変化する前記制御信号を生成し前
    記第1ないし第6のトランジスターに供給することを特
    徴とする請求項5記載の磁気ヘッド駆動回路。
  7. 【請求項7】 前記第2電位点の電位は前記第1電位点
    の電位より高く、前記第1導電型チャンネルはPチャン
    ネルであり、前記第2導電型チャンネルはNチャンネル
    であることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド駆動
    回路。
  8. 【請求項8】 前記第2電位点の電位は前記第1電位点
    の電位より高く、前記第1接合型はPNP接合であり、
    前記第2接合型はNPN接合であることを特徴とする請
    求項2記載の磁気ヘッド駆動回路。
  9. 【請求項9】 前記情報記録媒体は光磁気ディスクであ
    り、前記情報記録媒体に対し情報を記録する際には、前
    記情報記録媒体に前記コイルによって磁界が印加される
    とともに光が照射されることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の磁気ヘッド駆動回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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