JP3579290B2 - 磁気ヘッド駆動回路および磁気記録装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光磁気ディスクドライブ、ハードディスクドライブ等のような、磁気を用いて記録媒体に情報を記録する磁気記録装置に関し、特に、前記磁気記録装置に用いられる磁気ヘッド駆動回路に関するものである。具体的には、記録媒体に記録するための記録信号の周波数が高い領域にも適用可能な磁気ヘッド駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
前記磁気記録装置は、情報をデジタル式の電圧信号である記録信号に変換し、記録媒体を該記録信号に対応する方向に磁化して保持することにより、情報を記録媒体に記録する装置である。磁気記録装置は、記録媒体に磁界を形成する磁気ヘッドを具え、該磁気ヘッドは、電流から磁界を発生させる界磁コイルを具える。また、磁気記録装置は、前記界磁コイルに通電すると共に、前記記録信号に基づいて、界磁コイルに通電する電流の向きを切り替える磁気ヘッド駆動回路を具える。
【0003】
図6は、一般的な磁気ヘッド駆動回路の概要を示す回路図である。磁気ヘッド駆動回路(90)は、記録信号に基づいて制御信号を生成する制御回路(91)と、該制御回路(91)から受信した制御信号に基づいて、界磁コイル(92)に通電する電流の向きを切り替えるスイッチ回路(93)を具える。スイッチ回路(93)は、制御回路(91)から受信した制御信号に基づいて、電流通路を入切するスイッチ素子(94)(95)(96)(97)を具える。
正電位の電源端子(98)は、第1および第2スイッチ素子(94)(95)の一端に接続される。第1スイッチ素子(94)の他端は、界磁コイル(92)の一端と第3スイッチ素子(96)の一端に接続され、第2スイッチ素子(95)の他端は、界磁コイル(92)の他端と第4スイッチ素子(97)の一端に接続される。第3および第4スイッチ素子(96)(97)の他端は、接地端子(99)に接続される。このような、四角形の各辺にスイッチ素子(94)(95)(96)(97)を配備し、一方の対角線上にある2つのノード(80)(81)間には電源から電力を供給し、他方の対角線上にある2つのノード(82)(83)間には、界磁コイル(92)を接続する回路構成は、一般に「ブリッジ回路」と呼ばれている。
【0004】
上記構成の磁気ヘッド駆動回路(90)は、制御回路からの制御信号に基づいて、第1および第4スイッチ素子(94)(97)をオンにし、第2および第3スイッチ素子(95)(96)をオフにすると、界磁コイル(92)には矢印A方向に電流が流れ、第1および第4スイッチ素子(94)(97)をオフにし、第2および第3スイッチ素子(95)(96)をオンにすると、界磁コイル(92)には矢印B方向に電流が流れる。従って、上記構成の磁気ヘッド駆動回路(90)は、記録信号に基づいて、制御回路(91)がスイッチ素子(94)(95)(96)(97)の入切を制御することにより、界磁コイル(92)に流れる電流の向きを切り替えることができる。
【0005】
磁気ヘッド駆動回路に使用されるスイッチ素子は、制御回路から制御信号を受信してから、オン状態またはオフ状態に切り替わるまでのスイッチング時間が短い素子を使用することが望ましく、このため、FET(電界効果型トランジスタ)が専ら使用されている。FETは、ゲートおよびソース間の電圧(以下、「ゲート電圧」と称する。)が入力信号によって閾値電圧にまで充電されると、ドレインおよびソース間が導通してオン状態となり、さらにゲート電圧が上昇するに連れてドレインおよびソース間を流れる電流(以下、「ドレイン電流」と称する。)の値が上昇し、ゲート電圧が所定値まで充電されると、ドレイン電流の値が一定となる。ドレイン電流が一定値となった状態は、「飽和状態」と呼ばれ、オン状態となってから飽和状態となるまでの状態は、「不飽和状態」と呼ばれている。
【0006】
磁気ヘッド駆動回路のスイッチ素子である入切用FETが飽和状態であるとき、界磁コイルに流れる電流値が一定となり、記録媒体に形成される磁界の強さが一定となる。従って、従来の磁気記録装置は、入切用FETが飽和状態であるときに、磁気ヘッドが記録媒体に形成する磁界の強さが規定の値となるように設定されており、従って、入切用FETが飽和状態であるときに記録媒体に信号が安定して記録されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近時、記録媒体の記録密度を向上させるため、記録信号の最大周波数を上昇させることが要求されている。記録信号の最大周波数を上昇させると、磁気ヘッド駆動回路は、入切用FETが不飽和状態から飽和状態に移行する前に、次の記録信号に対応する制御信号を受信してオフ状態に移行することが起こり得る。この場合、磁気ヘッドが記録媒体に形成する磁界の強さが規定値に達せず、記録媒体への信号の記録が不安定となる虞れがある。
【0008】
この問題点を回避するため、入切用FETが不飽和状態であっても、前記磁界の強さが規定値に達するように、電源端子(98)から印加する電圧を上昇して、入切用FETにおけるドレインおよびソース間の電圧(以下、「ドレイン電圧」と称する。)を増加することが考えられる。しかしながら、入切用FETのドレイン電圧を増加すると、飽和状態において一定となる電流値も増加することになる。従って、周波数の低い記録信号を磁気ヘッド駆動回路が受信する場合、入切用FETが飽和状態に達して、界磁コイルに過度の電流が流れ、その結果、磁気ヘッドは、過度の電流によるコイル導線の焼切れや、磁気ヘッドの過熱による破壊等の故障が起こる虞れがある。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、入切用FETが不飽和状態であっても、磁気ヘッドが記録媒体に形成する磁界の強さが規定値に達するように、界磁コイルに所定の電流値を流すことができ、且つ、入切用FETが飽和状態に達しても、界磁コイルに過度の電流が流れることを防止できる磁気ヘッド駆動回路を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁気を用いて記録媒体に記録するための記録信号を受信し、該記録信号に基づいて制御信号を生成する制御回路と、該制御回路から受信した制御信号に基づいて、磁気ヘッド(14)の界磁コイル(16)に通電する電流の向きを切り替えるスイッチ回路を具え、スイッチ回路は、入切用FETを用いて前記切替えを行なう磁気ヘッド駆動回路に関するものである。
本発明の磁気ヘッド駆動回路は、入切用FETが不飽和状態であっても、磁気ヘッド(14)が記録媒体に形成する磁界の強さが規定値に達するような電圧が、入切用FETのドレインおよびソース間に供給されており、且つスイッチ回路が、界磁コイル(16)に通電する電流の大きさを入切用FETの飽和状態における電流値よりも小さな電流値に制限する電流制限手段を具え、該電流制限手段は界磁コイル(16)に流れる電流を遮断しない。
【0011】
例えば、電流制限手段は、界磁コイルに流れる電流の大きさを検出する検出手段と、該検出手段からの電流値に基づいて、界磁コイルに流れる電流を入切する電流制限用入切手段を具える。該入切手段は、界磁コイルに流れる電流値が所定値を超えると、該入切手段が電流をオフにする。これにより、界磁コイルに流れる電流の大きさを所定値に制限できる。(以下、この所定値を「制限値」と称する。)
【0012】
他の例としては、電流制限手段は、界磁コイルに流れる電流値を検出する検出手段と、該検出手段からの電流値に基づいて、入切用FETにおけるゲート電圧を制限するゲート電圧制限手段を具える。該ゲート電圧制御手段は、オン−オフ状態が正反対である少なくとも2つの入切用FETに配備される。ゲート電圧制御手段は、界磁コイルに流れる電流値が所定値を超えないように、ゲート電圧を制限する。入切用FETは、ドレイン電流がゲート電圧に依存するから、ゲート電圧を制限することによりドレイン電流が制限される。
【0013】
【作用及び効果】
本発明の磁気ヘッド駆動回路は、入切用FETが不飽和状態であっても、磁気ヘッドが記録媒体に形成する磁界の強さが規定値に達するような電圧が入切用FETのドレインおよびソース間に供給されているが、スイッチ回路が、界磁コイルに通電する電流の大きさを制限する電流制限手段を具えるから、入切用FETが飽和状態であっても、界磁コイルに過度の電流が流れることを防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の磁気ヘッド駆動回路が使用される光磁気ディスクドライブの要部を示している。光磁気ディスクドライブ(10)は、記録媒体として、保磁力の強い磁性体を記録層に配備したディスク(光磁気ディスク)(11)を使用し、該光磁気ディスク(11)に対し、レーザ光および外部磁界を用いて信号の書込みを行ない、レーザ光を用いて信号の読出しを行なうディスク記録再生装置である。光磁気ディスクドライブ(10)は、光磁気ディスク(11)を回転させるディスクモータ(12)と、光磁気ディスク(11)のトラック上にレーザ光を照射すると共に、その反射光を検出する光ピックアップ(13)と、光磁気ディスク(11)のトラックに磁界を形成する磁気ヘッド(14)を具える。磁気ヘッド(14)は、電流から磁界を発生させる界磁コイル(16)を具える(図2、図4および図5を参照)。また、光磁気ディスクドライブ(10)は、磁気ヘッド(14)の前記界磁コイル(16)に通電すると共に、光磁気ディスク(11)に記録するための記録信号を本体から受信し、該記録信号に基づいて界磁コイルに通電する電流の向きを切り替える磁気ヘッド駆動回路(15)を具える。
【0015】
実施形態1
図2は、本発明の一実施形態である磁気ヘッド駆動回路を示している。
磁気ヘッド駆動回路(20)は、前記記録信号を本体から受信し、該記録信号に基づいて制御信号を生成する制御回路(21)と、該制御回路(21)から受信した制御信号に基づいて、磁気ヘッド(14)の界磁コイル(16)に通電する電流の向きを切り替えるスイッチ回路(23)を具える。
【0016】
記録信号は、H(高)レベルの電圧とL(低)レベルの電圧からなる電圧信号である(図3を参照)。制御回路(21)は、制御信号として、該記録信号を後記するスイッチ回路(23)の第1FET(25)および第4FET(28)のゲート(G)に送信し、インバータ(24)により記録信号を反転した信号を、後記するスイッチ回路(23)の第2FET(26)および第3FET(27)のゲートに送信する。
【0017】
本実施形態では、スイッチ回路(23)は、スイッチ素子として、4個のNチャネルFET(25)(26)(27)(28)を用いたブリッジ回路である。正電位(Vd[V(ボルト)])の電源端子(29)は、第1FET(25)および第2FET(26)のドレイン(D)に接続される。第1FET(25)は、ゲートが記録信号を受信し、ソース(S)が界磁コイル(16)の一端と第3FET(27)のドレインに接続される。第3FET(27)は、ゲートが記録信号の反転信号を受信し、ソースがトランジスタ(30)のコレクタ(C)に接続される。一方、第2FET(26)は、ゲートが記録信号の反転信号を受信し、ソースが界磁コイル(16)の他端と第4FET(28)のドレインに接続される。第4FET(28)は、ゲートが記録信号を受信し、ソースがトランジスタ(30)のコレクタに接続される。
【0018】
トランジスタ(30)は、ベース(B)が差動アンプ(31)の出力端子に接続され、エミッタ(E)が第1抵抗器(32)(抵抗値R1[Ω(オーム)])の一端に接続される。第1抵抗器(32)の他端は、接地端子(33)に接続される。差動アンプ(31)の一方の入力端子は、第2抵抗器(34)(抵抗値R2[Ω])および第3抵抗器(35)(抵抗値R3[Ω])の一端に接続され、他方の入力端子は、第1抵抗器(32)の一端に接続される。第2抵抗器(34)の他端は、前記電源端子(29)に接続され、第3抵抗器(35)の他端は、前記接地端子(33)に接続される。
各抵抗器(32)(34)(35)の抵抗値R1、R2、R3は、
R3×Vd/(R2+R3)=Ilim×R1 (式1)
が成立するように設定される。ここで、Ilim[A(アンペア)]は、界磁コイル(16)に通電する電流の制限値である。
【0019】
上記構成の磁気ヘッド駆動回路(20)において、制御回路(21)がHレベルの記録信号を受信すると、制御回路(21)は、第1FET(25)および第4FET(28)の各ゲートにHレベルの電圧を印加し、第2FET(26)および第3FET(27)の各ゲートにLレベルの電圧を印加する。これにより、第1FET(25)および第4FET(28)がオン状態となり、第2FET(26)および第3FET(27)がオフ状態となる。従って、電源端子(29)から第1FET(26)、界磁コイル(16)、第4FET(28)、トランジスタ(30)および第1抵抗器(32)を介して接地端子(33)に電流を流すことができ、界磁コイル(16)には、矢印A方向に電流が流れることになる。
【0020】
次に、制御回路(21)がLレベルの記録信号を受信すると、制御回路(21)は、第1FET(25)および第4FET(28)の各ゲートにLレベルの電圧を印加し、第2FET(26)および第3FET(27)の各ゲートにHレベルの電圧を印加する。これにより第1FET(25)および第4FET(28)がオフ状態となり、第2FET(26)および第3FET(27)がオン状態となる。従って、電源端子(29)から第2FET(26)、界磁コイル(16)、第3FET(27)、トランジスタ(30)および第1抵抗器(32)を介して接地端子(33)に電流を流すことができ、界磁コイル(16)には、矢印B方向に電流が流れることになる。
従って、上記構成の磁気ヘッド駆動回路(20)は、記録信号の電圧レベルに応じて、界磁コイル(16)に流れる電流の向きを切り替えることができる。
【0021】
このとき、界磁コイル(16)に流れる電流が制限値Ilimに達すると、第1抵抗器(32)に流れる電流値もIlimとなるから、上記(式1)より差動アンプ(31)における入力端子間の電圧がゼロとなって、トランジスタ(30)のコレクタおよびエミッタ間がオフ状態となる。従って、界磁コイル(16)に流れる電流が制限値Ilimを超えることは無い。
【0022】
図3は、界磁コイルに流れる電流値の時間変化を示すグラフである。上のグラフは、磁気ヘッド駆動回路が受信する記録信号を示しており、中央および下のグラフは、それぞれ、従来および本実施形態の磁気ヘッド駆動回路が該記録信号に基づいて界磁コイルに流す電流値を示している。ここで、従来の磁気ヘッド駆動回路は、図2に示す本実施形態の磁気ヘッド駆動回路(20)から、電流制御手段を構成するトランジスタ(30)、差動アンプ(31)、第1抵抗器(32)、第2抵抗器(34)および第3抵抗器(35)を省略したものである。
【0023】
図3では、記録密度を上昇させるため、記録信号は、記録信号の最短周期(最大周波数)においてFET(25)(26)(27)(28)が飽和状態に到達し得ない程度の記録レートが設定されている。このため、従来および本実施形態の磁気ヘッド駆動回路は、図示のように、電源端子(29)の正電位を上昇して、ドレイン電圧を上昇させており、これにより、磁気ヘッドが記録媒体に規定の磁界強さを形成するために必要な界磁コイルの所望電流値I0に、前記最短周期の期間T1内で到達させている。
【0024】
しかしながら、FET(25)(26)(27)(28)のドレイン電圧を上昇させることにより、FETが飽和状態で一定となる飽和電流値Isも上昇することになる。従って、従来の磁気ヘッド駆動回路では、図3に示すように、HレベルおよびLレベルの何れかの記録信号が継続する期間T2内に、前記所望電流値I0よりも高い飽和電流値Isが界磁コイルに流れることになり、磁気ヘッドが故障する虞れがある。
一方、本実施形態の磁気ヘッド駆動回路(20)では、電流制御手段により界磁コイル(16)に流れる電流が制限値Ilimに制限されるから、電流制限値Ilimを前記所望電流値I0より稍高い値に設定することにより、図3に示すように、前記期間T2内であっても、界磁コイルに流れる電流を飽和電流値Isよりも低く制限できる。その結果、界磁コイルに過度の電流が流れることによる磁気ヘッドの故障を防止できる。
【0025】
なお、本実施形態では、NチャネルのFET(25)(26)(27)(28)を使用しているが、PチャネルFETを使用してもよい。この場合、ドレインとソースの接続位置を入れ替え、ゲートにNチャネルとは反転した信号を受信するように配備される。例えば、電源端子(29)に接続する第1FETおよび第2FETにPチャネルFETを使用する場合には、図4に示すように、第1FET(37)のゲートに記録信号の反転信号を受信し、第2FET(38)のゲートに記録信号を受信するように変更すればよい。
また、本実施形態では、電流制御手段を構成するトランジスタ(30)、差動アンプ(31)、第1抵抗器(32)、第2抵抗器(34)および第3抵抗器(35)は、第3FET(27)および第4FET(28)のノード(61)と接地端子(33)の間に配備しているが、電源端子(29)と、第1FET(25)および第2FET(26)のノード(60)の間に配備してもよい。
【0026】
実施形態2
図5は、第2実施形態の磁気ヘッド駆動回路を示している。磁気ヘッド駆動回路(40)は、記録信号を本体から受信した記録信号に基づいて制御信号を生成する制御回路(41)と、該制御回路(41)から受信した制御信号に基づいて、磁気ヘッド(14)の界磁コイル(16)に通電する電流の向きを切り替えるスイッチ回路(43)を具える。記録信号および制御回路(41)の構成は第1実施形態(図2)と同様であるから、その説明を省略する。
【0027】
本実施形態では、スイッチ回路(43)は、4個のNチャネルFET(45)(46)(47)(48)を用いたブリッジ回路である。正電位(Vd[V])の電源端子(49)は、第1FET(45)および第2FET(46)のドレインに接続される。第1FET(45)は、ゲートが記録信号を受信し、ソースが界磁コイル(16)の一端と第3FET(47)のドレインに接続される。第2FET(46)は、ゲートが記録信号の反転信号を受信し、ソースが界磁コイル(16)の他端と第4FET(48)のドレインに接続される。第3および第4FET(47)(48)は、ゲートがそれぞれ第1および第2差動アンプ(50)(51)の出力端子に接続され、ソースが第1抵抗器(52)(抵抗値R4[Ω])の一端に接続される。第1抵抗器(52)の他端は、接地端子(53)に接続される。
【0028】
第1差動アンプ(50)の一方の入力端子は、第2抵抗器(54)(抵抗値R5[Ω])および第3抵抗器(55)(抵抗値R6[Ω])の一端に接続され、他方の入力端子は、第1抵抗器(52)の一端に接続される。第2抵抗器(54)の他端は、制御回路(41)のインバータ(44)に接続され、第3抵抗器(55)の他端は、前記接地端子(53)に接続される。同様に、第2差動アンプ(51)の一方の入力端子は、第4抵抗器(56)(抵抗値R7[Ω])および第5抵抗器(57)(抵抗値R8[Ω])の一端に接続され、他方の入力端子は、第1抵抗器(52)の一端に接続される。第4抵抗器(56)の他端は、制御回路(41)に接続され、第5抵抗器(57)の他端は、前記接地端子(53)に接続される。
【0029】
各抵抗器(52)(54)〜(57)の抵抗値R4〜R8は、
R6×Vd/(R5+R6)=Ilim×R4 (式2)
、および
R8×Vd/(R7+R8)=Ilim×R4 (式3)
が成立するように設定される。
【0030】
上記構成のヘッド駆動回路(40)において、制御回路(41)がHレベルの記録信号を受信すると、制御回路(41)は、第1FET(45)および第4FET(48)の各ゲートにHレベルの電圧を印加し、第2FET(46)および第3FET(47)の各ゲートにLレベルの電圧を印加する。これにより第1FET(45)および第4FET(48)がオン状態となり、第2FET(46)および第3FET(47)がオフ状態となる。従って、電源端子(49)から第1FET(46)、界磁コイル(16)、第4FET(48)および第1抵抗器(52)を介して接地端子(53)に電流を流すことができ、界磁コイル(16)には、矢印A方向に電流が流れることになる。
【0031】
このとき、界磁コイル(16)に流れる電流が制限値Ilimに達すると、第1抵抗器(52)に流れる電流値もIlimとなるから、上記(式3)より第2差動アンプ(51)における入力端子間の電圧がゼロとなって、第4FET(48)がオフ状態となる。従って、界磁コイル(16)に流れる電流が制限値Ilimを超えることは無い。
【0032】
次に、制御回路(41)がLレベルの記録信号を受信すると、制御回路(41)は、第1FET(45)および第4FET(48)の各ゲートにLレベルの電圧を印加し、第2FET(46)および第3FET(47)の各ゲートにHレベルの電圧を印加する。これにより第1FET(45)および第4FET(48)がオフ状態となり、第2FET(46)および第3FET(47)がオン状態となる。従って、電源端子(49)から第2FET(46)、界磁コイル(16)、第3FET(47)および第1抵抗器(52)を介して接地端子(53)に電流を流すことができ、界磁コイル(16)には、矢印B方向に電流が流れることになる。
従って、上記構成のヘッド駆動回路(40)は、記録信号の電圧レベルに応じて、界磁コイル(16)を流れる電流の向きを切り替えることができる。
【0033】
このとき、界磁コイル(16)に流れる電流が制限値Ilimに達すると、上述と同様に、上記(式2)より第1差動アンプ(50)における入力端子間の電圧がゼロとなって、第3FET(47)がオフ状態となる。従って、界磁コイル(16)に流れる電流が制限値Ilimを超えることは無い。
従って、本実施形態の磁気ヘッド駆動回路(40)は、第1実施形態の磁気ヘッド駆動回路(20)と同様に、界磁コイル(16)に流れる電流を制限値Ilimに制限でき、その結果、界磁コイルに過度の電流が流れることによる磁気ヘッドの故障を防止できる。
【0034】
なお、本実施形態では、NチャネルのFET(45)(46)(47)(48)を使用しているが、上述のようにして、PチャネルFETを使用することもできる。
また、本実施形態において、第3FET(47)のゲートと制御回路(41)の間に配備した第1差動アンプ(50)、第2抵抗器(54)および第3抵抗器(55)を、第2FET(46)のゲートと制御回路(41)の間に配備し、第4FET(48)のゲートと制御回路(41)の間に配備した第2差動アンプ(51)、第4抵抗器(56)および第5抵抗器(57)を、第1FET(45)のゲートと制御回路(41)の間に配備してもよい。
【0035】
上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、光磁気ディスクドライブについて説明しているが、ハードディスクドライブ等のような、磁気ヘッドにより情報を記録媒体に高速に記録するその他の磁気記録装置にも本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光磁気ディスクドライブの要部を示す模式図である。
【図2】第1実施形態の磁気ヘッド駆動回路を示す回路図である。
【図3】磁気ヘッドの界磁コイルに流れる電流値の時間変化を示すグラフである。
【図4】図2にPチャネルFETを用いた場合の磁気ヘッド駆動回路を示す回路図である。
【図5】第2実施形態の磁気ヘッド駆動回路を示す回路図である。
【図6】一般的な磁気ヘッド駆動回路を示す回路図である。
【符号の説明】
(10) 光磁気ディスクドライブ
(14) 磁気ヘッド
(16) 界磁コイル
(20) 磁気ヘッド駆動回路
(21) 制御回路
(23) スイッチ回路
(25)(26)(27)(28) FET
(29) 電源端子
(30) トランジスタ
(31) 差動アンプ
(32)(34)(35) 抵抗器
(33) 接地端子
【発明の属する技術分野】
本発明は、光磁気ディスクドライブ、ハードディスクドライブ等のような、磁気を用いて記録媒体に情報を記録する磁気記録装置に関し、特に、前記磁気記録装置に用いられる磁気ヘッド駆動回路に関するものである。具体的には、記録媒体に記録するための記録信号の周波数が高い領域にも適用可能な磁気ヘッド駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
前記磁気記録装置は、情報をデジタル式の電圧信号である記録信号に変換し、記録媒体を該記録信号に対応する方向に磁化して保持することにより、情報を記録媒体に記録する装置である。磁気記録装置は、記録媒体に磁界を形成する磁気ヘッドを具え、該磁気ヘッドは、電流から磁界を発生させる界磁コイルを具える。また、磁気記録装置は、前記界磁コイルに通電すると共に、前記記録信号に基づいて、界磁コイルに通電する電流の向きを切り替える磁気ヘッド駆動回路を具える。
【0003】
図6は、一般的な磁気ヘッド駆動回路の概要を示す回路図である。磁気ヘッド駆動回路(90)は、記録信号に基づいて制御信号を生成する制御回路(91)と、該制御回路(91)から受信した制御信号に基づいて、界磁コイル(92)に通電する電流の向きを切り替えるスイッチ回路(93)を具える。スイッチ回路(93)は、制御回路(91)から受信した制御信号に基づいて、電流通路を入切するスイッチ素子(94)(95)(96)(97)を具える。
正電位の電源端子(98)は、第1および第2スイッチ素子(94)(95)の一端に接続される。第1スイッチ素子(94)の他端は、界磁コイル(92)の一端と第3スイッチ素子(96)の一端に接続され、第2スイッチ素子(95)の他端は、界磁コイル(92)の他端と第4スイッチ素子(97)の一端に接続される。第3および第4スイッチ素子(96)(97)の他端は、接地端子(99)に接続される。このような、四角形の各辺にスイッチ素子(94)(95)(96)(97)を配備し、一方の対角線上にある2つのノード(80)(81)間には電源から電力を供給し、他方の対角線上にある2つのノード(82)(83)間には、界磁コイル(92)を接続する回路構成は、一般に「ブリッジ回路」と呼ばれている。
【0004】
上記構成の磁気ヘッド駆動回路(90)は、制御回路からの制御信号に基づいて、第1および第4スイッチ素子(94)(97)をオンにし、第2および第3スイッチ素子(95)(96)をオフにすると、界磁コイル(92)には矢印A方向に電流が流れ、第1および第4スイッチ素子(94)(97)をオフにし、第2および第3スイッチ素子(95)(96)をオンにすると、界磁コイル(92)には矢印B方向に電流が流れる。従って、上記構成の磁気ヘッド駆動回路(90)は、記録信号に基づいて、制御回路(91)がスイッチ素子(94)(95)(96)(97)の入切を制御することにより、界磁コイル(92)に流れる電流の向きを切り替えることができる。
【0005】
磁気ヘッド駆動回路に使用されるスイッチ素子は、制御回路から制御信号を受信してから、オン状態またはオフ状態に切り替わるまでのスイッチング時間が短い素子を使用することが望ましく、このため、FET(電界効果型トランジスタ)が専ら使用されている。FETは、ゲートおよびソース間の電圧(以下、「ゲート電圧」と称する。)が入力信号によって閾値電圧にまで充電されると、ドレインおよびソース間が導通してオン状態となり、さらにゲート電圧が上昇するに連れてドレインおよびソース間を流れる電流(以下、「ドレイン電流」と称する。)の値が上昇し、ゲート電圧が所定値まで充電されると、ドレイン電流の値が一定となる。ドレイン電流が一定値となった状態は、「飽和状態」と呼ばれ、オン状態となってから飽和状態となるまでの状態は、「不飽和状態」と呼ばれている。
【0006】
磁気ヘッド駆動回路のスイッチ素子である入切用FETが飽和状態であるとき、界磁コイルに流れる電流値が一定となり、記録媒体に形成される磁界の強さが一定となる。従って、従来の磁気記録装置は、入切用FETが飽和状態であるときに、磁気ヘッドが記録媒体に形成する磁界の強さが規定の値となるように設定されており、従って、入切用FETが飽和状態であるときに記録媒体に信号が安定して記録されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近時、記録媒体の記録密度を向上させるため、記録信号の最大周波数を上昇させることが要求されている。記録信号の最大周波数を上昇させると、磁気ヘッド駆動回路は、入切用FETが不飽和状態から飽和状態に移行する前に、次の記録信号に対応する制御信号を受信してオフ状態に移行することが起こり得る。この場合、磁気ヘッドが記録媒体に形成する磁界の強さが規定値に達せず、記録媒体への信号の記録が不安定となる虞れがある。
【0008】
この問題点を回避するため、入切用FETが不飽和状態であっても、前記磁界の強さが規定値に達するように、電源端子(98)から印加する電圧を上昇して、入切用FETにおけるドレインおよびソース間の電圧(以下、「ドレイン電圧」と称する。)を増加することが考えられる。しかしながら、入切用FETのドレイン電圧を増加すると、飽和状態において一定となる電流値も増加することになる。従って、周波数の低い記録信号を磁気ヘッド駆動回路が受信する場合、入切用FETが飽和状態に達して、界磁コイルに過度の電流が流れ、その結果、磁気ヘッドは、過度の電流によるコイル導線の焼切れや、磁気ヘッドの過熱による破壊等の故障が起こる虞れがある。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、入切用FETが不飽和状態であっても、磁気ヘッドが記録媒体に形成する磁界の強さが規定値に達するように、界磁コイルに所定の電流値を流すことができ、且つ、入切用FETが飽和状態に達しても、界磁コイルに過度の電流が流れることを防止できる磁気ヘッド駆動回路を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁気を用いて記録媒体に記録するための記録信号を受信し、該記録信号に基づいて制御信号を生成する制御回路と、該制御回路から受信した制御信号に基づいて、磁気ヘッド(14)の界磁コイル(16)に通電する電流の向きを切り替えるスイッチ回路を具え、スイッチ回路は、入切用FETを用いて前記切替えを行なう磁気ヘッド駆動回路に関するものである。
本発明の磁気ヘッド駆動回路は、入切用FETが不飽和状態であっても、磁気ヘッド(14)が記録媒体に形成する磁界の強さが規定値に達するような電圧が、入切用FETのドレインおよびソース間に供給されており、且つスイッチ回路が、界磁コイル(16)に通電する電流の大きさを入切用FETの飽和状態における電流値よりも小さな電流値に制限する電流制限手段を具え、該電流制限手段は界磁コイル(16)に流れる電流を遮断しない。
【0011】
例えば、電流制限手段は、界磁コイルに流れる電流の大きさを検出する検出手段と、該検出手段からの電流値に基づいて、界磁コイルに流れる電流を入切する電流制限用入切手段を具える。該入切手段は、界磁コイルに流れる電流値が所定値を超えると、該入切手段が電流をオフにする。これにより、界磁コイルに流れる電流の大きさを所定値に制限できる。(以下、この所定値を「制限値」と称する。)
【0012】
他の例としては、電流制限手段は、界磁コイルに流れる電流値を検出する検出手段と、該検出手段からの電流値に基づいて、入切用FETにおけるゲート電圧を制限するゲート電圧制限手段を具える。該ゲート電圧制御手段は、オン−オフ状態が正反対である少なくとも2つの入切用FETに配備される。ゲート電圧制御手段は、界磁コイルに流れる電流値が所定値を超えないように、ゲート電圧を制限する。入切用FETは、ドレイン電流がゲート電圧に依存するから、ゲート電圧を制限することによりドレイン電流が制限される。
【0013】
【作用及び効果】
本発明の磁気ヘッド駆動回路は、入切用FETが不飽和状態であっても、磁気ヘッドが記録媒体に形成する磁界の強さが規定値に達するような電圧が入切用FETのドレインおよびソース間に供給されているが、スイッチ回路が、界磁コイルに通電する電流の大きさを制限する電流制限手段を具えるから、入切用FETが飽和状態であっても、界磁コイルに過度の電流が流れることを防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の磁気ヘッド駆動回路が使用される光磁気ディスクドライブの要部を示している。光磁気ディスクドライブ(10)は、記録媒体として、保磁力の強い磁性体を記録層に配備したディスク(光磁気ディスク)(11)を使用し、該光磁気ディスク(11)に対し、レーザ光および外部磁界を用いて信号の書込みを行ない、レーザ光を用いて信号の読出しを行なうディスク記録再生装置である。光磁気ディスクドライブ(10)は、光磁気ディスク(11)を回転させるディスクモータ(12)と、光磁気ディスク(11)のトラック上にレーザ光を照射すると共に、その反射光を検出する光ピックアップ(13)と、光磁気ディスク(11)のトラックに磁界を形成する磁気ヘッド(14)を具える。磁気ヘッド(14)は、電流から磁界を発生させる界磁コイル(16)を具える(図2、図4および図5を参照)。また、光磁気ディスクドライブ(10)は、磁気ヘッド(14)の前記界磁コイル(16)に通電すると共に、光磁気ディスク(11)に記録するための記録信号を本体から受信し、該記録信号に基づいて界磁コイルに通電する電流の向きを切り替える磁気ヘッド駆動回路(15)を具える。
【0015】
実施形態1
図2は、本発明の一実施形態である磁気ヘッド駆動回路を示している。
磁気ヘッド駆動回路(20)は、前記記録信号を本体から受信し、該記録信号に基づいて制御信号を生成する制御回路(21)と、該制御回路(21)から受信した制御信号に基づいて、磁気ヘッド(14)の界磁コイル(16)に通電する電流の向きを切り替えるスイッチ回路(23)を具える。
【0016】
記録信号は、H(高)レベルの電圧とL(低)レベルの電圧からなる電圧信号である(図3を参照)。制御回路(21)は、制御信号として、該記録信号を後記するスイッチ回路(23)の第1FET(25)および第4FET(28)のゲート(G)に送信し、インバータ(24)により記録信号を反転した信号を、後記するスイッチ回路(23)の第2FET(26)および第3FET(27)のゲートに送信する。
【0017】
本実施形態では、スイッチ回路(23)は、スイッチ素子として、4個のNチャネルFET(25)(26)(27)(28)を用いたブリッジ回路である。正電位(Vd[V(ボルト)])の電源端子(29)は、第1FET(25)および第2FET(26)のドレイン(D)に接続される。第1FET(25)は、ゲートが記録信号を受信し、ソース(S)が界磁コイル(16)の一端と第3FET(27)のドレインに接続される。第3FET(27)は、ゲートが記録信号の反転信号を受信し、ソースがトランジスタ(30)のコレクタ(C)に接続される。一方、第2FET(26)は、ゲートが記録信号の反転信号を受信し、ソースが界磁コイル(16)の他端と第4FET(28)のドレインに接続される。第4FET(28)は、ゲートが記録信号を受信し、ソースがトランジスタ(30)のコレクタに接続される。
【0018】
トランジスタ(30)は、ベース(B)が差動アンプ(31)の出力端子に接続され、エミッタ(E)が第1抵抗器(32)(抵抗値R1[Ω(オーム)])の一端に接続される。第1抵抗器(32)の他端は、接地端子(33)に接続される。差動アンプ(31)の一方の入力端子は、第2抵抗器(34)(抵抗値R2[Ω])および第3抵抗器(35)(抵抗値R3[Ω])の一端に接続され、他方の入力端子は、第1抵抗器(32)の一端に接続される。第2抵抗器(34)の他端は、前記電源端子(29)に接続され、第3抵抗器(35)の他端は、前記接地端子(33)に接続される。
各抵抗器(32)(34)(35)の抵抗値R1、R2、R3は、
R3×Vd/(R2+R3)=Ilim×R1 (式1)
が成立するように設定される。ここで、Ilim[A(アンペア)]は、界磁コイル(16)に通電する電流の制限値である。
【0019】
上記構成の磁気ヘッド駆動回路(20)において、制御回路(21)がHレベルの記録信号を受信すると、制御回路(21)は、第1FET(25)および第4FET(28)の各ゲートにHレベルの電圧を印加し、第2FET(26)および第3FET(27)の各ゲートにLレベルの電圧を印加する。これにより、第1FET(25)および第4FET(28)がオン状態となり、第2FET(26)および第3FET(27)がオフ状態となる。従って、電源端子(29)から第1FET(26)、界磁コイル(16)、第4FET(28)、トランジスタ(30)および第1抵抗器(32)を介して接地端子(33)に電流を流すことができ、界磁コイル(16)には、矢印A方向に電流が流れることになる。
【0020】
次に、制御回路(21)がLレベルの記録信号を受信すると、制御回路(21)は、第1FET(25)および第4FET(28)の各ゲートにLレベルの電圧を印加し、第2FET(26)および第3FET(27)の各ゲートにHレベルの電圧を印加する。これにより第1FET(25)および第4FET(28)がオフ状態となり、第2FET(26)および第3FET(27)がオン状態となる。従って、電源端子(29)から第2FET(26)、界磁コイル(16)、第3FET(27)、トランジスタ(30)および第1抵抗器(32)を介して接地端子(33)に電流を流すことができ、界磁コイル(16)には、矢印B方向に電流が流れることになる。
従って、上記構成の磁気ヘッド駆動回路(20)は、記録信号の電圧レベルに応じて、界磁コイル(16)に流れる電流の向きを切り替えることができる。
【0021】
このとき、界磁コイル(16)に流れる電流が制限値Ilimに達すると、第1抵抗器(32)に流れる電流値もIlimとなるから、上記(式1)より差動アンプ(31)における入力端子間の電圧がゼロとなって、トランジスタ(30)のコレクタおよびエミッタ間がオフ状態となる。従って、界磁コイル(16)に流れる電流が制限値Ilimを超えることは無い。
【0022】
図3は、界磁コイルに流れる電流値の時間変化を示すグラフである。上のグラフは、磁気ヘッド駆動回路が受信する記録信号を示しており、中央および下のグラフは、それぞれ、従来および本実施形態の磁気ヘッド駆動回路が該記録信号に基づいて界磁コイルに流す電流値を示している。ここで、従来の磁気ヘッド駆動回路は、図2に示す本実施形態の磁気ヘッド駆動回路(20)から、電流制御手段を構成するトランジスタ(30)、差動アンプ(31)、第1抵抗器(32)、第2抵抗器(34)および第3抵抗器(35)を省略したものである。
【0023】
図3では、記録密度を上昇させるため、記録信号は、記録信号の最短周期(最大周波数)においてFET(25)(26)(27)(28)が飽和状態に到達し得ない程度の記録レートが設定されている。このため、従来および本実施形態の磁気ヘッド駆動回路は、図示のように、電源端子(29)の正電位を上昇して、ドレイン電圧を上昇させており、これにより、磁気ヘッドが記録媒体に規定の磁界強さを形成するために必要な界磁コイルの所望電流値I0に、前記最短周期の期間T1内で到達させている。
【0024】
しかしながら、FET(25)(26)(27)(28)のドレイン電圧を上昇させることにより、FETが飽和状態で一定となる飽和電流値Isも上昇することになる。従って、従来の磁気ヘッド駆動回路では、図3に示すように、HレベルおよびLレベルの何れかの記録信号が継続する期間T2内に、前記所望電流値I0よりも高い飽和電流値Isが界磁コイルに流れることになり、磁気ヘッドが故障する虞れがある。
一方、本実施形態の磁気ヘッド駆動回路(20)では、電流制御手段により界磁コイル(16)に流れる電流が制限値Ilimに制限されるから、電流制限値Ilimを前記所望電流値I0より稍高い値に設定することにより、図3に示すように、前記期間T2内であっても、界磁コイルに流れる電流を飽和電流値Isよりも低く制限できる。その結果、界磁コイルに過度の電流が流れることによる磁気ヘッドの故障を防止できる。
【0025】
なお、本実施形態では、NチャネルのFET(25)(26)(27)(28)を使用しているが、PチャネルFETを使用してもよい。この場合、ドレインとソースの接続位置を入れ替え、ゲートにNチャネルとは反転した信号を受信するように配備される。例えば、電源端子(29)に接続する第1FETおよび第2FETにPチャネルFETを使用する場合には、図4に示すように、第1FET(37)のゲートに記録信号の反転信号を受信し、第2FET(38)のゲートに記録信号を受信するように変更すればよい。
また、本実施形態では、電流制御手段を構成するトランジスタ(30)、差動アンプ(31)、第1抵抗器(32)、第2抵抗器(34)および第3抵抗器(35)は、第3FET(27)および第4FET(28)のノード(61)と接地端子(33)の間に配備しているが、電源端子(29)と、第1FET(25)および第2FET(26)のノード(60)の間に配備してもよい。
【0026】
実施形態2
図5は、第2実施形態の磁気ヘッド駆動回路を示している。磁気ヘッド駆動回路(40)は、記録信号を本体から受信した記録信号に基づいて制御信号を生成する制御回路(41)と、該制御回路(41)から受信した制御信号に基づいて、磁気ヘッド(14)の界磁コイル(16)に通電する電流の向きを切り替えるスイッチ回路(43)を具える。記録信号および制御回路(41)の構成は第1実施形態(図2)と同様であるから、その説明を省略する。
【0027】
本実施形態では、スイッチ回路(43)は、4個のNチャネルFET(45)(46)(47)(48)を用いたブリッジ回路である。正電位(Vd[V])の電源端子(49)は、第1FET(45)および第2FET(46)のドレインに接続される。第1FET(45)は、ゲートが記録信号を受信し、ソースが界磁コイル(16)の一端と第3FET(47)のドレインに接続される。第2FET(46)は、ゲートが記録信号の反転信号を受信し、ソースが界磁コイル(16)の他端と第4FET(48)のドレインに接続される。第3および第4FET(47)(48)は、ゲートがそれぞれ第1および第2差動アンプ(50)(51)の出力端子に接続され、ソースが第1抵抗器(52)(抵抗値R4[Ω])の一端に接続される。第1抵抗器(52)の他端は、接地端子(53)に接続される。
【0028】
第1差動アンプ(50)の一方の入力端子は、第2抵抗器(54)(抵抗値R5[Ω])および第3抵抗器(55)(抵抗値R6[Ω])の一端に接続され、他方の入力端子は、第1抵抗器(52)の一端に接続される。第2抵抗器(54)の他端は、制御回路(41)のインバータ(44)に接続され、第3抵抗器(55)の他端は、前記接地端子(53)に接続される。同様に、第2差動アンプ(51)の一方の入力端子は、第4抵抗器(56)(抵抗値R7[Ω])および第5抵抗器(57)(抵抗値R8[Ω])の一端に接続され、他方の入力端子は、第1抵抗器(52)の一端に接続される。第4抵抗器(56)の他端は、制御回路(41)に接続され、第5抵抗器(57)の他端は、前記接地端子(53)に接続される。
【0029】
各抵抗器(52)(54)〜(57)の抵抗値R4〜R8は、
R6×Vd/(R5+R6)=Ilim×R4 (式2)
、および
R8×Vd/(R7+R8)=Ilim×R4 (式3)
が成立するように設定される。
【0030】
上記構成のヘッド駆動回路(40)において、制御回路(41)がHレベルの記録信号を受信すると、制御回路(41)は、第1FET(45)および第4FET(48)の各ゲートにHレベルの電圧を印加し、第2FET(46)および第3FET(47)の各ゲートにLレベルの電圧を印加する。これにより第1FET(45)および第4FET(48)がオン状態となり、第2FET(46)および第3FET(47)がオフ状態となる。従って、電源端子(49)から第1FET(46)、界磁コイル(16)、第4FET(48)および第1抵抗器(52)を介して接地端子(53)に電流を流すことができ、界磁コイル(16)には、矢印A方向に電流が流れることになる。
【0031】
このとき、界磁コイル(16)に流れる電流が制限値Ilimに達すると、第1抵抗器(52)に流れる電流値もIlimとなるから、上記(式3)より第2差動アンプ(51)における入力端子間の電圧がゼロとなって、第4FET(48)がオフ状態となる。従って、界磁コイル(16)に流れる電流が制限値Ilimを超えることは無い。
【0032】
次に、制御回路(41)がLレベルの記録信号を受信すると、制御回路(41)は、第1FET(45)および第4FET(48)の各ゲートにLレベルの電圧を印加し、第2FET(46)および第3FET(47)の各ゲートにHレベルの電圧を印加する。これにより第1FET(45)および第4FET(48)がオフ状態となり、第2FET(46)および第3FET(47)がオン状態となる。従って、電源端子(49)から第2FET(46)、界磁コイル(16)、第3FET(47)および第1抵抗器(52)を介して接地端子(53)に電流を流すことができ、界磁コイル(16)には、矢印B方向に電流が流れることになる。
従って、上記構成のヘッド駆動回路(40)は、記録信号の電圧レベルに応じて、界磁コイル(16)を流れる電流の向きを切り替えることができる。
【0033】
このとき、界磁コイル(16)に流れる電流が制限値Ilimに達すると、上述と同様に、上記(式2)より第1差動アンプ(50)における入力端子間の電圧がゼロとなって、第3FET(47)がオフ状態となる。従って、界磁コイル(16)に流れる電流が制限値Ilimを超えることは無い。
従って、本実施形態の磁気ヘッド駆動回路(40)は、第1実施形態の磁気ヘッド駆動回路(20)と同様に、界磁コイル(16)に流れる電流を制限値Ilimに制限でき、その結果、界磁コイルに過度の電流が流れることによる磁気ヘッドの故障を防止できる。
【0034】
なお、本実施形態では、NチャネルのFET(45)(46)(47)(48)を使用しているが、上述のようにして、PチャネルFETを使用することもできる。
また、本実施形態において、第3FET(47)のゲートと制御回路(41)の間に配備した第1差動アンプ(50)、第2抵抗器(54)および第3抵抗器(55)を、第2FET(46)のゲートと制御回路(41)の間に配備し、第4FET(48)のゲートと制御回路(41)の間に配備した第2差動アンプ(51)、第4抵抗器(56)および第5抵抗器(57)を、第1FET(45)のゲートと制御回路(41)の間に配備してもよい。
【0035】
上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、光磁気ディスクドライブについて説明しているが、ハードディスクドライブ等のような、磁気ヘッドにより情報を記録媒体に高速に記録するその他の磁気記録装置にも本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光磁気ディスクドライブの要部を示す模式図である。
【図2】第1実施形態の磁気ヘッド駆動回路を示す回路図である。
【図3】磁気ヘッドの界磁コイルに流れる電流値の時間変化を示すグラフである。
【図4】図2にPチャネルFETを用いた場合の磁気ヘッド駆動回路を示す回路図である。
【図5】第2実施形態の磁気ヘッド駆動回路を示す回路図である。
【図6】一般的な磁気ヘッド駆動回路を示す回路図である。
【符号の説明】
(10) 光磁気ディスクドライブ
(14) 磁気ヘッド
(16) 界磁コイル
(20) 磁気ヘッド駆動回路
(21) 制御回路
(23) スイッチ回路
(25)(26)(27)(28) FET
(29) 電源端子
(30) トランジスタ
(31) 差動アンプ
(32)(34)(35) 抵抗器
(33) 接地端子
Claims (5)
- 磁気を用いて記録媒体に記録するための記録信号を受信し、該記録信号に基づいて制御信号を生成する制御回路と、該制御回路から受信した制御信号に基づいて、磁気ヘッド(14)の界磁コイル(16)に通電する電流の向きを切り替えるスイッチ回路を具え、スイッチ回路は、入切用FET(電界効果型トランジスタ)を用いて前記切替えを行なう磁気ヘッド駆動回路に於いて、
入切用FETにおけるドレインおよびソース間には、該FETが不飽和状態であっても、磁気ヘッド(14)が記録媒体に形成する磁界の強さが規定値に達するような電圧が供給されており、
スイッチ回路は、界磁コイル(16)に通電する電流の大きさを、入切用FETの飽和状態における電流値よりも小さな電流値に制限する電流制限手段を具え、該電流制限手段は界磁コイル(16)に流れる電流を遮断しないことを特徴とする磁気ヘッド駆動回路。 - スイッチ回路は、各ブリッジ辺に入切用FETを具えるブリッジ回路を有し、ブリッジ回路は、一方の対角線上にある2つのノード間には電源から電力が供給され、他方の対角線上にある2つのノード間には、界磁コイル(16)が接続される請求項1に記載の磁気ヘッド駆動回路。
- 電流制限手段は、界磁コイル(16)に流れる電流の大きさを検出する検出手段と、該検出手段からの電流値に基づいて、界磁コイルに流れる電流を入切する電流制限用入切手段を具える、請求項1又は請求項2に記載の磁気ヘッド駆動回路。
- 電流制限手段は、界磁コイル(16)に流れる電流の大きさを検出する検出手段と、該検出手段からの電流値に基づいて、入切用FETにおけるゲートおよびソース間の電圧を制限するゲート電圧制限手段を具え、該ゲート電圧制御手段は、オン−オフ状態が正反対である少なくとも2つの入切用FETに配備される、請求項1又は請求項2に記載の磁気ヘッド駆動回路。
- 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の磁気ヘッド駆動回路と、磁気ヘッド駆動回路の入切用FETにおけるドレインおよびソース間の電圧として、該FETが不飽和状態であっても、磁気ヘッド(14)が記録媒体に形成する磁界の強さが規定値に達するような電圧を供給する電源を具えた磁気記録装置。
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