JP3507350B2 - 車両用駆動ユニットのマウント構造 - Google Patents

車両用駆動ユニットのマウント構造

Info

Publication number
JP3507350B2
JP3507350B2 JP35744098A JP35744098A JP3507350B2 JP 3507350 B2 JP3507350 B2 JP 3507350B2 JP 35744098 A JP35744098 A JP 35744098A JP 35744098 A JP35744098 A JP 35744098A JP 3507350 B2 JP3507350 B2 JP 3507350B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mount
inner cylinder
drive unit
pin
vehicle body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35744098A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000177402A (ja
Inventor
義人 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP35744098A priority Critical patent/JP3507350B2/ja
Publication of JP2000177402A publication Critical patent/JP2000177402A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3507350B2 publication Critical patent/JP3507350B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Motor Power Transmission Devices (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Springs (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フロントデファレ
ンシャルやパワーユニット(エンジン,変速機)などの
駆動ユニットを車体のフレーム部材に対してマウント部
材を介して支持するマウント構造、特に駆動ユニットを
車体フレーム部材に対して離脱可能に支持する構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】キャブオーバー型の四輸駆動車などにお
いては、車両前部にデファレンシャルケース(フロント
デファレンシャルケース)が配置されている。この種の
デファレンシャルケースの支持構造の一例として、例え
ば実開平6−71248号公報に示されたものがある。
この支持構造では、図1に示すように、車両前部の両側
位置に配置された一対のサイドフレーム1,1間に車幅
方向に延びるクロスメンバ2を連結し、このクロスメン
バ2にデファレンシャルケース3の前部をマウントゴム
4を介して支持させている。また、デファレンシャルケ
ース3の後部には、2つのブラケット5,6のそれぞれ
の内側端部が連結され、これらブラケット5,6のそれ
ぞれの外側端部を上記サイドフレーム1,1にマウント
ゴム7,8を介して支持させている。
【0003】ところで、車体の前部構造は、車両の前方
衝突時にクラッシュすることにより衝撃力を吸収緩和す
るよう構成することが望まれる。この場合、衝撃力の吸
収緩和効果を高めるためには、車体前部のクラッシュス
トロークをできる限り長くする必要がある。しかしなが
ら、上記従来におけるデファレンシャルケース3の支持
構造は、デファレンシャルケース3の前部と後部をクロ
スメンバ2やサイドフレーム1などの車両のフレーム部
材に対して強固に支持させた構造であり、しかも、デフ
ァレンシャルケース3自体が頑強に製作されているの
で、車両が前方衝突を起こした時に十分なクラッシュス
トロークを確保できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本願出願人
は、デファレンシャルケースの後部に車幅方向に延びる
アームを固定し、このアームの車幅方向両端部を円筒形
マウントゴムを介して車体に取り付けるとともに、この
円筒形マウントゴムの外筒を車体に固定し、円筒形マウ
ントゴムに対し車体後方より圧入されたマウントピンを
上記アームに固定したものを提案した(特願平9−31
5848号)。そして、デファレンシャルケースに対す
る車体後方への負荷入力時に、上記マウントピンが円筒
形マウントゴムに対して後方へ離脱可能とすることで、
車両の前方衝突時におけるクラッシュストロークを長く
取ることができるようにしている。
【0005】この場合、マウントピンは円筒形マウント
ゴムの内筒の内側ゴム部に圧入されている。ところが、
この圧入荷重が大きいと、デファレンシャルケースに対
し車体後方への負荷入力があっても、内筒と外筒との間
のゴム部が伸びるだけで、マウントピンがマウントゴム
から抜けないという不具合が発生することがある。ピン
の圧入荷重を小さく設定すれば、ピンがマウントゴムか
ら抜けやすくなるが、これでは通常走行時でもピンが抜
ける恐れがあるため、好ましくない。
【0006】そこで、本発明の目的は、通常走行時では
マウントピンがマウント部材から離脱することがなく、
衝突時のような負荷入力時にはマウントピンがマウント
部材から確実に離脱できる車両用駆動ユニットのマウン
ト構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、駆動ユニットを車体のフレーム部材にマ
ウント部材を介して支持するマウント構造において、上
記マウント部材は、金属製外筒と、外筒の中心部に配置
された金属製内筒と、外筒と内筒との間に設けられたマ
ウントゴムとを有し、上記内筒の中にマウントピンが一
方側から圧入されており、上記内筒のマウントピンの圧
入側と反対側の端部に外径方向へ突出するストッパ部が
設けられ、上記外筒が車体のフレーム部材または駆動ユ
ニットの一方に連結され、マウントピンが車体のフレー
ム部材または駆動ユニットの他方に連結され、上記マウ
ントピンの抜け方向は、車両の衝突時に駆動ユニットが
車体のフレーム部材に対して相対変位する方向とほぼ同
一方向に設定され、上記マウントピンに所定値以上の抜
け方向荷重が作用した時、上記内筒のストッパ部が外筒
またはマウントゴムに当接することで、マウントピンを
内筒から離脱可能としたことを特徴とする車両用駆動ユ
ニットのマウント構造を提供する。
【0008】通常走行時において、車体のフレーム部材
と駆動ユニットに相対的な変位が生じると、マウントピ
ンに抜け方向荷重が作用することがある。しかし、この
時の抜け方向荷重はマウントピンと内筒との圧入荷重よ
り小さいので、外筒と内筒との間のマウントゴムが多少
伸びるだけであり、マウントピンが内筒から離脱するこ
とがない。マウントピンは内筒に確実に保持されるの
で、マウント部材はそのゴム弾性により十分な緩衝機能
を発揮することができる。
【0009】一方、車両の衝突などでマウントピンに所
定値以上の抜け方向荷重が作用すると、内筒のストッパ
部が外筒の側縁に当たるまで外筒と内筒との間のマウン
トゴムが伸びる。マウントゴムの伸びはストッパ部と外
筒との当接によって制限されるので、内筒とマウントピ
ンとの間に直接抜け荷重が作用し、マウントピンと内筒
との圧入荷重が高くても、マウントピンは内筒から確実
に抜ける。その結果、駆動ユニットが大きく変位できて
車体のクラッシュの障害とならず、クラッシュストロー
クを長く取ることができる。なお、ストッパ部は外筒で
はなく、マウントゴムの比較的変形の少ない外周部近傍
に当たっても、ほぼ同様の機能を有する。
【0010】請求項1では、内筒のマウントピンの圧入
側と反対側の端部に外径方向へ突出するストッパ部を設
けたが、請求項2のように外筒のマウントピンの圧入側
の端部に内径方向へ突出するストッパ部を設け、このス
トッパ部を内筒またはマウントゴムに当接させること
で、マウントピンが内筒から離脱できるようにしてもよ
い。
【0011】本発明において、駆動ユニットとしては、
デファレンシャルケースのほかに、エンジンや変速機な
どのパワーユニットであってもよく、衝突時に車体クラ
ッシュの障害になり得るものであれば、その種類は問わ
ない。デファレンシャルケースの場合には、前方衝突に
よって後方へ変位させるので、マウントピンの抜け方向
を車両後方とすればよいが、パワーユニットの場合に
は、前方衝突によって下方へ脱落させることがあるの
で、この場合にはマウントピンの抜け方向は下方とな
る。
【0012】また、マウントピンの圧入方向は厳密に駆
動ユニットの変位方向と同一方向である必要はなく、多
少傾いていてもよい。すなわち、前方衝突時の入力の方
向や駆動ユニットの配置位置によっては、駆動ユニット
が一定方向に変位するとは限らないので、最もピンが円
滑に抜ける方向に設定すればよい。
【0013】マウントゴムとしては、円筒形のマウント
ゴムが望ましい。円筒形マウントゴムは外筒と内筒の間
にゴムが全周に均等に介装された構造であるため、ばね
定数の設定の自由度が高い。そのため、好適なばね定数
が得られ、駆動ユニットの振動が車体に伝わるのを抑制
できる。
【0014】また、マウントピンは内筒の内側に圧入さ
れるが、内筒とピンとが金属接触すると、ガタが発生し
たり、圧入荷重の設定が難しくなる。そこで、内筒の内
側にゴム部を設け、このゴム部にピンを圧入するのが望
ましい。この場合には、ガタを無くすことができ、圧入
荷重の設定の自由度も高い。
【0015】また、内筒にストッパ部を設ける場合、マ
ウントゴムおよび内筒の内側のゴム部から一体にストッ
パ部を被覆する部分を延設するのが望ましい。この場合
には、ゴムの被覆部が内筒の錆を防ぐので、塗装が不要
となる。
【0016】内筒または外筒に設けられるストッパ部
は、フレア形状としてもよいし、放射状に突出する複数
の爪片で構成してもよい。また、ストッパ部は内筒また
は外筒と一体構造である必要はなく、別体のストッパ部
材を内筒または外筒に固定してもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】図2,図3は本発明をデファレン
シャルケースの支持構造に適用した一例を示す。この実
施例のデファレンシャルケースの支持構造は、キャブオ
ーバー型四輸駆動車に適用されたものであり、矢印Fr
は車両前方を示している。
【0018】車両前部の両サイド位置には車体前後方向
に延びる一対のサイドフレーム10,10が配置されて
いる。これらサイドフレーム10,10の下面側には、
図3に示すようにサブフレーム11がボルトBによって
締結されている。サブフレーム11は、例えば平面視略
H字状に形成されており、サイドフレーム10にほぼ沿
って車体前後方向に延びる一対のサイド部材12と、こ
れらサイド部材12の前部どうしを相互に連結する車幅
方向に延びるクロス部材13とで構成されている。サイ
ド部材12の前端部は上記ボルトBによってサイドフレ
ーム10の前端部下面に締結されている。サブフレーム
11のサイド部材12は、図3に示すように下方へ屈曲
しており、クロス部材13の両端部はサイド部材12の
前側の傾斜部12aに結合されている。サイド部材12
の傾斜部12aとほぼ水平な中央部12bとの間には屈
曲部12cが形成され、この屈曲部12cは車両の前方
衝突時に折れ曲がり易い脆弱部を構成している。なお、
上記サイド部材12は、フロントサスペンションのサス
ペンションアーム(図示せず)の一端部を支持する用途
にも利用可能である。
【0019】サブフレーム11より後部のサイドフレー
ム10,10間には、クロスメンバ14が車幅方向に架
け渡して固定されており、サブフレーム11の後端部は
クロスメンバ14とサイドフレーム10との連結部付近
にボルトBにて締結されている。
【0020】上記サブフレーム11にデファレンシャル
ケース15は搭載されている。デファレンシャルケース
15は、プロベラシャフト16の回転力を車軸17に伝
達するデファレンシャルギヤを内装したものである。こ
の実施例は、キャブオーバー型自動車に適用した構造で
あり、デファレンシャルケース15は車幅方向中央位置
から、適当な寸法だけ車幅方向片側(図では車両左側)
へオフセットしている。上記デファレンシャルケース1
5の前部は、サブフレーム11のクロス部材13に対し
て円筒形マウント部材18およびブラケット19を介し
て連結されている。この場合には、マウント部材18を
貫通する支軸20がブラケット19に車幅方向に固定さ
れている。
【0021】デファレンシャルケース15の後部にはブ
ラケット21を介して車幅方向に延びるアーム22が固
定されている。この実施例では、アーム22は例えば軽
量化の観点から円筒状パイプ材で形成されている。アー
ム22の左右両端部には前方へ突出するマウントピン2
3,23がそれぞれ固定されている。この実施例では1
本の連続したアーム22で構成しているが、左右2本の
アーム22をデファレンシャルケース15の後部に取り
付けてもよい。
【0022】上記マウントピン23は、サブフレーム1
1のサイド部材12に固定されたマウント部材24に車
体後方より圧入されている。マウント部材24は図4に
示すように、サイド部材12にブラケット25を介して
固定された円筒状の金属製外筒26と、金属製内筒27
と、外筒26と内筒27との間に加硫接着されたマウン
トゴム28とを備えており、内筒27の内側にはゴム部
29が加硫接着にて固着されている。なお、ゴム部29
をマウントゴム28と一体に形成してもよい。内筒27
の前端側、すなわちマウントピン23の圧入側と反対側
の端部にはフレア状のストッパ部27aが一体に形成さ
れている(図5参照)。この実施例では、ストッパ部2
7aの外径は外筒26の内径より大きく、ストッパ部2
7aの表裏面はマウントゴム28およびゴム部29から
一体に延設された被覆部28a,29aで被覆されてい
る。この被覆部28a,29aによって、ストッパ部2
7aの塗装が不要となる。マウントピン23はゴム部2
9の内側へ圧入されているので、内筒27とマウントピ
ン23とのガタを吸収できるとともに、マウントピン2
3の圧入荷重を自由に設定できる。
【0023】上記のようにマウントピン23がマウント
部材24に車体後方より圧入されているため、車両が前
方衝突を起こした時、デファレンシャルケース15が後
方へ変位するに伴ってマウントピン23がマウント部材
24から後方へ抜け、デファレンシャルケース15の後
部が離脱できるようになっている。このとき、内筒27
がマウントピン23とともに後方へ変位しようとし、マ
ウントゴム28が大きく変形するため、マウントピン2
3が抜けにくくなるが、図6に示すように、内筒27の
ストッパ部27aが外筒26の側縁に当接することでマ
ウントゴム28の伸びを制限するので、マウントピン2
3を確実に抜くことができる。
【0024】なお、上記のようにデファレンシャルケー
ス15が車体中心位置より片側にオフセットしている場
合には、前方衝突時に左右のマウントピン23が直後方
へ移動するとは限らないので、デファレンシャルケース
15の変位特性を考慮してマウントピン23の方向を左
右方向あるいは上下方向に若干傾けてもよい。
【0025】次に、上記構成のマウント構造の作用につ
いて説明する。通常走行状態においては、図2,図3に
示すように、デファレンシャルケース15の前部は円筒
形マウント部材18を介してサブフレーム11のクロス
部材13で支持され、デファレンシャルケース15の後
部は円筒形マウント部材24を介してサブフレーム11
のサイド部材12で支持されているため、マウント部材
18,24の作用により好適なばね定数が得られ、デフ
ァレンシャルケース15の振動が車体に伝わるのを抑制
できる。また、前方のマウント部材18の支軸20は水
平方向に配置されているので、デファレンシャルケース
15の前部が前後方向に変位せず、一方、後方のマウン
ト部材24にはマウントピン23が後方から圧入されて
いるので、デファレンシャルケース15の後部が左右方
向に変位しない。そのため、通常走行時の負荷入力に対
してマウントピン23がマウント部材24から抜け落ち
る恐れがない。
【0026】車両が前方衝突を起こすと、図7,図8の
ように衝撃力Fがサイドフレーム10の前部に作用し、
サイドフレーム10がクラッシュするとともに、サブフ
レーム11にも衝撃力Fが作用し、サブフレーム11の
前部、特にクロス部材13が後方へ変位する。そのた
め、クロス部材13と連結されたデファレンシャルケー
ス15も後方へ変位することになる。これに対し、サブ
フレーム11の後端部はクラッシュしないサイドフレー
ム10の部位に連結されているので、サブフレーム11
は脆弱部12cで折れ曲がり、サイド部材12に固定さ
れた円筒形マウント部材24はその位置を保持しようと
する。そのため、デファレンシャルケース15の後部に
連結されたアーム22はマウント部材24に対して相対
的に後方へ移動し、マウントピン23がマウント部材2
4から後方へ離脱しようとする。このとき、マウントピ
ン23の圧入荷重によって内筒27が一体に後方へ変位
するので、マウントゴム28が引き伸ばされるが、内筒
27に設けたストッパ部27aが外筒26の側縁に当た
り、マウントゴム28の伸びを制限するので、マウント
ピン23が内筒27から容易に離脱できる。その結果、
デファレンシャルケース15は後方へ自由に変位するこ
とができ、車両前部のクラッシュストロークを長くする
ことができ、衝撃吸収効果を高めることができる。な
お、デファレンシャルケース15の離脱時にプロペラシ
ャフト16がデファレンシャルケース15から離脱でき
るように、プロペラシャフト16の連結ピンを破断させ
るようにしてもよい。
【0027】上記実施例では、内筒27にストッパ部2
7aを設け、このストッパ部27aを外筒26に当てる
ことにより、マウントピン23を抜けやすくしたが、こ
れに限るものではない。例えば、ストッパ部27aの外
径を小さくし、このストッパ部27aが外筒26ではな
く、マウントゴム28の比較的変形の少ない外周部近傍
に当たるようにしてもほぼ同様の作用効果を有する。
【0028】図9は本発明の第2実施例を示す。なお、
図4と同一部品には同一符号を付して説明を省略する。
この実施例では、外筒26のマウントピン23の圧入側
の端部に内径方向へ突出するストッパ部26aを一体に
設け、このストッパ部26aが内筒27の縁部に当た
り、マウントゴム28の伸びを制限するように構成した
ものである。この場合も、第1実施例と同様の作用効果
を奏する。なお、外筒26のストッパ部26aが必ずし
も内筒27に当たる必要はなく、マウントゴム28の比
較的変形の少ない内周部近傍に当たってもほぼ同様の機
能を有する。
【0029】本発明はデファレンシャルケースのマウン
ト構造だけでなく、例えば本願出願人が先に提案した特
願平9−315849号に示すように、パワーユニット
のマウント構造にも適用できる。すなわち、車体前部の
車幅方向のほぼ中央部に車体前後方向に延びるフレーム
部材を配置し、このフレーム部材にパワーユニットの前
後部をマウント部材を介して支持し、車両の前面衝突時
に上記フレーム部材を下方へ屈曲変形させる。パワーユ
ニットの両側部にマウントピンを上方へ突設し、車体前
部の車幅方向両側部に配置されたサイドフレームに円筒
形マウント部材を固定し、上記マウントピンをこれらマ
ウント部材の中心部に下方より圧入する。そして、車両
の前面衝突時にフレーム部材が下方へ屈曲変形するに伴
いパワーユニットを下方へ変位させ、上記マウントピン
をマウント部材から下方へ離脱可能としたものである。
この場合も、マウント部材の内筒または外筒にストッパ
部を形成し、マウントピンを抜けやすくすればよい。
【0030】また、本発明のマウント構造は、実施例の
ようにマウントピンを駆動ユニット側に固定し、外筒を
車体フレーム側に固定した例に限らず、マウントピンを
車体フレーム側に、外筒を駆動ユニット側に固定しても
同様の機能を有する。さらに、本発明の駆動ユニットは
車体前部に搭載される場合に限らず、例えばリヤエンジ
ンのように車体後部に搭載されてもよい。この場合も、
衝突時などの負荷入力時に駆動ユニットを車体から離脱
させればよい。
【0031】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
に記載の発明によれば、内筒のマウントピンの圧入側と
反対側の端部に外径方向へ突出するストッパ部を設け、
マウントピンに所定値以上の抜け方向荷重が作用した
時、内筒のストッパ部が外筒またはマウントゴムに当接
することで、マウントピンが内筒から離脱可能としたの
で、前方衝突時のような負荷入力時にはピンがマウント
部材から確実に離脱でき、駆動ユニットが大きく変位で
きて車体のクラッシュの障害とならず、クラッシュスト
ロークを長く取ることができる。また、マウントピンと
マウント部材との圧入荷重を大きく設定しても、衝突時
にはマウントピンが確実に抜けるので、通常走行時には
マウントピンがマウント部材で確実に保持でき、誤って
マウントピンが離脱する恐れがない。
【0032】また、請求項2の記載の発明では、外筒の
マウントピンの圧入側の端部に内径方向へ突出するスト
ッパ部を設け、マウントピンに所定値以上の抜け方向荷
重が作用した時、外筒のストッパ部が内筒またはマウン
トゴムに当接することで、マウントピンが内筒から離脱
可能としたので、請求項1に記載の発明と同様の作用効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のデファレンシャルケースの支持構造の一
例の平面図である。
【図2】本発明をデファレンシャルケース支持構造に適
用した一例の平面図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】図2のマウント構造の部分拡大断面図である。
【図5】図4のマウント構造の内筒の斜視図である。
【図6】図4のマウント構造の変形時の断面図である。
【図7】図2に示すデファレンシャルケース支持構造の
クラッシュ時の平面図である。
【図8】図7の側面図である。
【図9】本発明のマウント構造の第2実施例の断面図で
ある。
【符号の説明】
10 サイドフレーム 11 サブフレーム 15 デファレンシャルケース(駆動ユニット) 23 マウントピン 24 マウント部材 26 外筒 27 内筒 27a ストッパ部 28 マウントゴム 29 ゴム部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 5/12 B60K 17/16 B60R 21/02 B62D 21/00 B62D 25/20 F16F 1/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動ユニットを車体のフレーム部材にマウ
    ント部材を介して支持するマウント構造において、 上記マウント部材は、金属製外筒と、外筒の中心部に配
    置された金属製内筒と、外筒と内筒との間に設けられた
    マウントゴムとを有し、 上記内筒の中にマウントピンが一方側から圧入されてお
    り、 上記内筒のマウントピンの圧入側と反対側の端部に外径
    方向へ突出するストッパ部が設けられ、 上記外筒が車体のフレーム部材または駆動ユニットの一
    方に連結され、マウントピンが車体のフレーム部材また
    は駆動ユニットの他方に連結され、 上記マウントピンの抜け方向は、車両の衝突時に駆動ユ
    ニットが車体のフレーム部材に対して相対変位する方向
    とほぼ同一方向に設定され、 上記マウントピンに所定値以上の抜け方向荷重が作用し
    た時、上記内筒のストッパ部が外筒またはマウントゴム
    に当接することで、マウントピンを内筒から離脱可能と
    したことを特徴とする車両用駆動ユニットのマウント構
    造。
  2. 【請求項2】駆動ユニットを車体のフレーム部材にマウ
    ント部材を介して支持するマウント構造において、 上記マウント部材は、金属製外筒と、外筒の中心部に配
    置された金属製内筒と、外筒と内筒との間に設けられた
    マウントゴムとを有し、 上記内筒の中にマウントピンが一方側から圧入されてお
    り、 上記外筒のマウントピンの圧入側の端部に内径方向へ突
    出するストッパ部が設けられ、 上記外筒が車体のフレーム部材または駆動ユニットの一
    方に連結され、マウントピンが車体のフレーム部材また
    は駆動ユニットの他方に連結され、 上記マウントピンの抜け方向は、車両の衝突時に駆動ユ
    ニットが車体のフレーム部材に対して相対変位する方向
    とほぼ同一方向に設定され、 上記マウントピンに所定値以上の抜け方向荷重が作用し
    た時、上記外筒のストッパ部が内筒またはマウントゴム
    に当接することで、マウントピンを内筒から離脱可能と
    したことを特徴とする車両用駆動ユニットのマウント構
    造。
JP35744098A 1998-12-16 1998-12-16 車両用駆動ユニットのマウント構造 Expired - Fee Related JP3507350B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35744098A JP3507350B2 (ja) 1998-12-16 1998-12-16 車両用駆動ユニットのマウント構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35744098A JP3507350B2 (ja) 1998-12-16 1998-12-16 車両用駆動ユニットのマウント構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000177402A JP2000177402A (ja) 2000-06-27
JP3507350B2 true JP3507350B2 (ja) 2004-03-15

Family

ID=18454138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35744098A Expired - Fee Related JP3507350B2 (ja) 1998-12-16 1998-12-16 車両用駆動ユニットのマウント構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3507350B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100931497B1 (ko) * 2008-07-23 2009-12-11 현대자동차주식회사 엔진 마운트 결합체
KR100986363B1 (ko) * 2008-12-04 2010-10-08 현대자동차주식회사 2기통 엔진용 엔진 서포트 브라켓

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6464214B1 (en) * 2000-09-07 2002-10-15 Paulstra Crc Anti-vibration mounting for clip-fit connection means and vehicle fitted with this mounting
JP4325351B2 (ja) * 2003-10-08 2009-09-02 三菱自動車工業株式会社 車両のシャシ取付構造
DE102004016616B3 (de) * 2004-04-03 2005-08-11 Daimlerchrysler Ag Antriebsanordnung für einen Kraftwagen
KR100610114B1 (ko) * 2004-10-07 2006-08-10 현대자동차주식회사 차동장치의 마운팅 구조
JP2009115136A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Bridgestone Corp 防振装置
DE102008028351B4 (de) * 2008-06-13 2020-06-10 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Fahrwerksbauteil
JP7235412B2 (ja) * 2020-02-05 2023-03-08 トヨタ自動車株式会社 車両のボディ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100931497B1 (ko) * 2008-07-23 2009-12-11 현대자동차주식회사 엔진 마운트 결합체
KR100986363B1 (ko) * 2008-12-04 2010-10-08 현대자동차주식회사 2기통 엔진용 엔진 서포트 브라켓

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000177402A (ja) 2000-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006205905A (ja) 車両用パワーユニットのマウント構造
JP2000345837A (ja) 車両における排気管の配置構造
JP3507350B2 (ja) 車両用駆動ユニットのマウント構造
JP3350600B2 (ja) 自動車のサブフレーム構造
EP1062110B1 (en) Vehicle power unit mounting arrangements
JP3952686B2 (ja) 自動車のサスペンション装置
JP3182973B2 (ja) フロントボデーの構造
JP3356978B2 (ja) パワーユニットのマウント構造
JP3597028B2 (ja) フロントデファレンシャルケースの支持構造
JP3841121B2 (ja) 自動車のステアリング支持構造
JPH11278071A (ja) 自動車のパワーユニット支持構造
KR101807144B1 (ko) 프론트 사이드 멤버와 서브 프레임의 마운팅 구조
JP3730417B2 (ja) ディファレンシャル装置の支持構造
JP4630022B2 (ja) 車両の安全装置およびそれに用いられるプルダウンロッド
JP3488571B2 (ja) ディファレンシャルケースの支持構造
JP3196077B2 (ja) デファレンシャル装置の支持構造
JP2005193870A (ja) プロペラ軸支持装置
JP4405376B2 (ja) 自動車のサスペンションアーム
JP2532778Y2 (ja) 自動車の後輪駆動装置の取付構造
JP2910866B2 (ja) パワートレインの取付構造
JP2003002070A (ja) 車両におけるパワーユニットのマウント構造
KR100568735B1 (ko) 서브프레임 마운팅 구조
JP2883158B2 (ja) 車両のパワープラントフレーム装置
JPH0880866A (ja) リアサスペンション用サブフレーム
JPS63269721A (ja) 車両のパワ−プラントフレ−ム構造

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031216

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031218

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081226

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101226

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121226

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees