JP3182973B2 - フロントボデーの構造 - Google Patents

フロントボデーの構造

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JP3182973B2 JP08972293A JP8972293A JP3182973B2 JP 3182973 B2 JP3182973 B2 JP 3182973B2 JP 08972293 A JP08972293 A JP 08972293A JP 8972293 A JP8972293 A JP 8972293A JP 3182973 B2 JP3182973 B2 JP 3182973B2
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    • B60G2800/222Braking, stopping during collision

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  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両衝突時における衝
突エネルギーを吸収し、乗員の安全性を向上させた車両
のフロントボデーの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】車両が衝突した場合、車両のボデーには
非常に大きな衝突エネルギーが加わり、ボデーの一部が
変形する。一般に車両は剛性のボデーで構成されている
ので、ボデーに衝突エネルギーを吸収する工夫がされて
いなければ、衝突時に車室内の乗員に与える衝撃が大き
くなる恐れがある。そのため、ボデーには衝突エネルギ
ーを吸収する構造が設けられ、乗員に衝突の影響が及ば
ないように工夫されている。例えば車両が前突した場
合、フロントサイドメンバをその前端部から衝突の荷重
によって変形(以下、塑性変形と呼ぶ)させ、衝突のエ
ネルギーを吸収するフロントボデーの構造が、実開平1
−125274号公報に開示されている。
【0003】実開平1−125274号公報によると、
図5に示すように車両のフロントボデーには、サイドメ
ンバ50の側面に衝突エネルギーを効率よく吸収させる
ための曲折防止用ベローズ部54が配設されている。車
両が前突した時に衝突の荷重を受けると、ベローズ部5
4の配設されたサイドメンバ50は曲折されることなく
軸方向に塑性変形され、その結果、衝突エネルギーが吸
収される。
【0004】ところで、車両のフロントボデーの構造は
大別して、図4(a)のようなフロントホイール48の
最前部48aがエンジン46の最前部46aより前に設
置された車両(以下、車両Aと呼ぶ)と、図4(b)の
ようなフロントホイール48の最前部48aがエンジン
46の最前部46aより後に設置された車両(以下、車
両Bと呼ぶ)の2種類ある。この2種類の車両のサイド
メンバに、前記ベローズ部54を配設し、両者の衝突エ
ネルギーの吸収量を比較したものを、以下に説明する。
【0005】車両Bは、図4(b)のような構造であ
る。車両衝突時、サイドメンバ10の前端から塑性変形
させ、被衝突物が剛性のエンジン46の最前部46aに
干渉するまでの長さMで衝突エネルギーを吸収させる。
よって、車両Bのクラッシュストローク(衝突の塑性変
形量)は、長さMである。なお、エンジン46は剛性で
あるので塑性変形させることはできない。そのため、長
さM以上はサイドメンバ10を塑性変形させることがで
きない。
【0006】一方、車両Aは、図4(a)のような構造
である。剛性なるフロントホイール48がエンジン46
より前に設置されているので、クラッシュストロークは
被衝突物がフロントホイール48に干渉するまでの長さ
Kである。従って、車両Bではサイドメンバ10の長さ
Mで塑性変形させることができたのに比べ、車両Aでは
長さL分塑性変形できない部分が生じ、長さKだけで衝
突のエネルギーを吸収することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、前記ベローズ
部を車両Aのサイドメンバに配設しても、車両Bに配設
した場合に比べ、車両Aのサイドメンバの塑性変形可能
部分が図4(a)の長さLだけ短くなるので、実際に衝
突エネルギーを吸収するサイドメンバの長さがKだけで
は、十分に衝突エネルギーを吸収できない恐れがある。
【0008】そこで本発明は、サスペンションメンバの
サスペンションアーム取付部近傍にリードを形成するこ
とによって、車両衝突時にサイドメンバの塑性変形可能
部を増加させ、衝突エネルギーの吸収量を高めることを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のフロントボデー構造は、フロントホイール
がエンジンより前に設置され、前記フロントホイールを
支持するサスペンションアームと、該サスペンションア
ームが揺動可能に支持されたサスペンションメンバと、
車体側部に配置され前記サスペンションメンバを固定す
るサイドメンバとから構成され、前記サイドメンバに、
車両衝突時の衝突エネルギーを吸収する衝突エネルギー
吸収機構が設けられている車両において、前記サスペン
ションメンバの前記サスペンションアーム取付部近傍に
衝突エネルギーによりサスペンションメンバの変形を誘
起させるビードを設けたことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明のフロントボデーの構造によれば、車両
衝突時に衝突の荷重を受けると、サイドメンバ前部が塑
性変形されると共にフロントホイールに衝突の荷重がか
かる。そしてフロントホイールが受けた荷重は、フロン
トホイールを支持するサスペンションアームに伝達さ
れ、さらにサスペンションメンバに伝達される。そし
て、サスペンションメンバに設置されたサスペンション
アーム取付部近傍のビード部分に荷重が集中し、サスペ
ンションメンバが変形してサスペンションアームが傾動
する。その結果、サスペンションアームに支持されたフ
ロントホイールが車両後方に移動する。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例について図1から図4
に基づいて説明する。図面に示したFRONTは車両前
後方向の前方を示し、UPは車両上下方向の上方を示
す。本実施例における車両のフロントボデーは、図4
(a)のフロントボデーの側面図に示すようにフロント
ホイール48の最前部48aがエンジン46の最前部4
6aより前に設置された構造とされており、その結果フ
ロントホイール48が従来よりも車両前端部におよそ長
さL分、前に近づけて設置されている。
【0012】以下、図1に基づいてフロントボデーの構
造を説明する。図1は本実施例のフロントボデーにおけ
るフロントサイドメンバ10とサスペンションメンバ1
2及びサスペンションアーム14の取付全体を示した斜
視図である。通常、フロントサイドメンバ10、サスペ
ンションメンバ12及びサスペンションアーム14は、
車両が走行している時に加わる荷重を受けても変形しな
いように、剛体からできている。
【0013】フロントサイドメンバ10(以下、サイド
メンバ10と呼ぶ)は車体の前部構造の剛性を高めるた
めの基本的な骨格であり、車体の側部左右(図1では右
側部のみを示す)にそれぞれ配置され、車両前後方向に
伸びている。また、サイドメンバ10下面の後端(車両
前後方向後部)には、サスペンションメンバ12を固定
するための取付用の挿通孔30が形成されている。更
に、サイドメンバ10下面中央(車両前後方向中央部)
にはサスペンションメンバ12を取り付けるためのブラ
ケット22が溶接等によって結合されている。ブラケッ
ト22下面には前記挿通孔30と同様の挿通孔28が形
成されている。なお、サイドメンバ10は従来の衝突エ
ネルギーを効率よく吸収するための機能を有している。
具体的には、サイドメンバ10には図示しないビードあ
るいはベローズ(蛇腹)等が設けられている。
【0014】サスペンションメンバ12は車体の横方向
に伸びており、その横方向両端は略L字状に形成されて
いる。そしてL字状のそれぞれの端部には、サスペンシ
ョンメンバ12をサイドメンバ10に固定するための前
部挿通孔32、後部挿通孔34が形成されている。サス
ペンションメンバ12は前部挿通孔32、後部挿通孔3
4に剛性のボルト16、18をそれぞれに嵌挿しサイド
メンバ10の挿通孔28及び挿通孔30に螺着すること
で、サイドメンバ10に固定されている。
【0015】サスペンションアーム14は略V字状に形
成されている。そのV字状の凸部分14aに図示省略の
フロントホイールが取り付けられている。また、V字状
の凹部分の一端14b(車両前後方向の前側)にはゴム
ブッシュ36が設置され、サスペンションメンバ12の
取付孔33に剛性のボルト40で揺動自在に枢支されて
いる。また、他端14c(車両前後方向の後側)にはゴ
ムブッシュ38が設置され、サスペンションメンバ12
の取付孔35に剛性のブラケット44及び剛性のボルト
42で揺動自在に支持されている。
【0016】以下、サスペンションメンバ12のゴムブ
ッシュ36取付部近傍を総称して前部取付部25と呼
ぶ。また、同様にゴムブッシュ38取付部近傍を総称し
て後部取付部26と呼ぶ。
【0017】また、サスペンションメンバ12の後部取
付部26には、車両上下方向の上面の隅部4箇所に、略
V字状に切り込みを入れたビード20が形成されてい
る。ビード20は、車両衝突時に図示省略のフロントホ
イール及びサスペンションアーム14が衝突荷重の伝達
を受けると、その近傍に衝突荷重を集中させ、サスペン
ションメンバ12の変形を誘起させるものである。
【0018】次に、本実施例のフロントボデーの構造に
おける車両衝突時の衝突エネルギーを吸収する作用につ
いて図2、図3を用いて説明する。ここで、図2はフロ
ントボデーの構造を示す平面図であり、図3はサスペン
ションメンバの衝突による変形前後(実線は変形前、破
線は変形後)の状態を示す平面図である。
【0019】図2において、車両が前突した時、車両前
方より衝突の荷重を受けてサイドメンバ10の前に設置
された図示省略のフロントバンパが最初に変形し、次に
サイドメンバ10がその前端部10aから塑性変形す
る。その後、サイドメンバ10が長さKまで塑性変形し
たところで、剛性のフロントホイール48が車両後方に
押動されるように衝突荷重を受ける。さらに衝突荷重に
よってフロントホイール48を支持するサスペンション
アーム14も車両後方に押動され、ゴムブッシュ36、
38を介して前部取付部25及び後部取付部26に荷重
が集中する。そしてビード20によってサスペンション
メンバ12の後部取付部26で変形が引き起こされ始め
る。
【0020】その結果、図3の破線で示すようにサスペ
ンションメンバ12にはビード20近傍で変形が発生
し、サスペンションアーム14はブッシュ36を支点に
して車両後方に傾動する。さらに、それに連動してフロ
ントホイール48も後退する。以上の作用によって、衝
突時に剛性のフロントホイール48があるため、塑性変
形ができなかったサイドメンバ10の長さL(図2参
照)の部分が、フロントホイール48の後退により塑性
変形可能となる。従って、サイドメンバ10の塑性変形
可能部分が長くなり、衝突エネルギーの吸収量が増加す
る。
【0021】なお、本実施例ではビード20の位置を後
部取付部26としたが、それに限定するものではなく、
前部取付部25に設置したものなどが考えられる。ま
た、ビードの形状も限定するものではなく、基本的に衝
突時にサスペンションメンバの変形を誘起するものであ
れば、同様の効果が得られる。
【0022】
【発明の効果】本発明における車両のフロントボデーの
構造は、サイドメンバの前端部を塑性変形させることで
衝突エネルギーを吸収させるとともに、剛性のフロント
ホイールを衝突の荷重で車両進行方向の後方に後退さ
せ、サイドメンバの塑性変形可能部分を増加させること
によって、衝突エネルギーの吸収量が増加し、乗員が受
ける衝撃が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるフロントボデーの構造
を示す斜視図。
【図2】本発明の実施例におけるフロントボデーの構造
を示す平面図。
【図3】本発明の実施例におけるサスペンションメンバ
の衝突による変形前後の状態を示した平面図。
【図4】フロントホイールを(a)エンジンより前に設
置した車両と(b)エンジンより後に設置した車両のフ
ロントボデーの構造の側面図。
【図5】従来の衝突エネルギーを吸収するサイドメンバ
の構造の概略図。
【符号の説明】
10 ・・・ フロントサイドメンバ 12 ・・・ サスペンションメンバ 14 ・・・ サスペンションアーム 20 ・・・ ビード 46 ・・・ エンジン 48 ・・・ フロントホイール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−238782(JP,A) 特開 平4−85182(JP,A) 実開 昭58−35471(JP,U) 実開 平4−135805(JP,U) 実開 昭56−21210(JP,U) 実開 昭57−127063(JP,U) 実開 平1−125274(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 21/15 B62D 25/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロントホイールがエンジンより前に設
    置され、前記フロントホイールを支持するサスペンショ
    ンアームと、該サスペンションアームが揺動可能に支持
    されたサスペンションメンバと、車体側部に配置され前
    記サスペンションメンバを固定するサイドメンバとから
    構成され、前記サイドメンバに、車両衝突時の衝突エネ
    ルギーを吸収する衝突エネルギー吸収機構が設けられて
    いる車両において、前記サスペンションメンバの前記サ
    スペンションアーム取付部近傍に衝突エネルギーにより
    サスペンションメンバの変形を誘起させるビードを設け
    たことを特徴とするフロントボデーの構造。
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