JP3700359B2 - 車両フレームの前部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のフロントホイールの近傍のサイドフレームの前部構造に係り、車両の衝突時においてフロントホイールが車両のボディ側に侵入するのを規制し、乗員空間を確保するに好適な車両フレームの前部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の衝突時において、タイヤがボディ側に侵入して乗員空間を減少させる問題点を解消するために従来より各種の解決手段が行われている。例えば、モノコックボディ車におけるこの解決手段として、特開平5−116647号公報及び特開平5−85414号公報が挙げられる。
【0003】
特開平5−116647号公報の「自動車車体の前部構造」は、フロントサイドメンバとこれに一体的に連結しロッカ及びフロアフレームに二股状に結合するフロアフレームと前記フロントサイドメンバ及び前記フロアフレームの双方に結合するサブフレームとを有するフレームの前部構造に係り、前記フロントサイドメンバ及びフロアフレームとの双方に被結合部を有するサスペンションアームの後方の被結合部が、前記サブフレームの前記フロントサイドメンバとの結合部から前記フロアフレームとの結合部に至る間に設けられることを特徴とするものである。サスペンションアームの被結合構造を前記のようにすることにより車両の衝突時において、サスペンションアームの後方の被結合部の部位が突っ張らないで大きく変形し、フロントホイールが大きく横方向の内方に向けて変位し、タイヤと車体側の部材との接触面積が大となり、衝撃エネルギーの吸収量が大となり、フロントホイールの車体内への侵入を規制するようにしたものである。
【0004】
一方、特開平5−85414号公報の「自動車の前部車体構造」は、車両の衝突時に前輪を左右に回動させる前輪回動手段を設け、前輪と車体側との間のクラッシュストロークを増大させて前輪の車体側への侵入を規制するようにしたものである。また、前輪の当るサイドシルの前輪側に傾斜面を形成し、前輪を積極的に外方に回動させる手段も開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記の公知技術はそれぞれタイヤの車体側への侵入規制に効果的なものであるが、これ等は前記したようにモノコックボディ車に適用されるものであり、フレーム付きのRV車には適用しにくい。すなわち、RV車の場合、モノコックボディ車のように大きなエネルギー吸収ゾーンを前部に設けることが難しい。また、RV車のフロントサスペンションまわりの構造は堅固であり、変形状態がモノコックボディ車とは異なり、前記の公知技術を適用することは難しい。
【0006】
また、RV車においてもフロントホイールの衝突時における移動軌跡上にフロントホイールの移動を規制するストッパ等を配置し、フロントホイールの移動を機械的に停止させる手段も考えられる。しかしながら、フロントホイールの後方にはサイドシル,トルクボックス,ロッカーパネル等が配置され、前記ストッパをそれ等の前方に配置してフロントホイールの移動を規制することができない場合もあり、かつ前記ストッパ及びそのまわりの剛性が不十分な場合にはストッパまわりがフロントホイールにより変形し、該ストッパとフロントホイールとの係合が外れ、フロントホイールの移動を規制できなくなる問題点が生じ易い。
【0007】
本発明は、以上の事情に鑑みて創案されたものであり、フレーム付きのRV車に適用可能であり、車両の衝突時におけるフロントホイールの後退量を規制させてフロントホイールの車体側への侵入量を減少させ乗員空間を確保する車両フレームの前部構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成するために、フロントホイール(14)の近傍のサイドフレーム(7)に設けられ、車両の衝突時に前記フロントホイール(14)の移動を規制するためのフレーム付き車両に適用される前記サイドフレーム(7)の前部構造であって、該前部構造は、前記サイドフレーム(7)の外側面から突出して、前記フロントホイール(14)とサイドフレーム(7)とが該車両の乗員空間側への侵入量を低減するためのストッパ(1)と、該ストッパ(1)の配設される前記サイドフレーム(7)の内面側に固着されるレインフォース(2)とからなり、前記ストッパ(1)は、車両衝突時において前記フロントホイール(14)の外周後面(17)に当接可能な突出片形状及び位置に形成されるものからなり、前記レインフォース(2)は、衝撃力によるその部位における前記サイドフレーム(7)の変形を防止する剛性を有するものからなることを特徴とする。
【0009】
従来技術では、車両の衝突時にはフロントホイールがサイドフレームに直接衝突し、サイドフレームを大きく変形させる。これにより、フロントホイールが車体側に接近し、車両の乗員空間を狭くする結果を招いたが、本発明の車両フレームの前部構造ではストッパ及びレインフォースを設けることにより、車両の衝突時にフロントホイールがストッパに当り、かつストッパがレインフォースにより補強されるためフロントホイールがストッパにより確実にその移動を規制され、サイドフレーム等自体もストッパの前方側のみが大きく変形するにとどまり、フロントホイールの車体側への接近が大巾に低減する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両フレームの前部構造の実施の形態を図面を参照して詳述する。まず、本発明のストッパの固着されるサイドフレームの近傍及びフロントホイールの支持構造の概要構造を図2により説明する。なお、図2は車両を下方側から見た図である。サイドフレーム7にはクロスメンバ9,10,11が架設されている。クロスメンバ9の架設されているサイドフレーム7の外側にはフロントマウントブラケット8が固着されている。また、クロスメンバ10,11の部分にはサスペンションアーム12の基端側が取り付けられている。サスペンションアーム12にはナックルアーム13等を介してフロントホイール14が取り付けられている。また、サスペンションアーム12にはトルクロッド15が連結され、ナックルアーム13にはスタビライザ16等が連結される。また、フロントホイール14の後方にはサイドシル18が配置されている。
【0011】
図4は本発明の適用されないRV車におけるフレームの前部構造の概要とその場合の車両の衝突時における主要部の変形状態を示した図である。図4に示すように、通常時においてはフロントホイール14とサイドフレーム7及びフロントマウントブラケット8等とはかなり離れた位置にある。車両の衝突時には、フロントホイール14は後方に押されながら図示のようにサイドフレーム7側にその外周後面17が接近する方向に回動し、サイドフレーム7及びフロントマウントブラケット8に当接するまで後方にストロークし(ストロークaで示す)、更にサイドフレーム7等を押圧し、図示のように変形させる。従って、フロントホイール14の外周後面17は車両の内側に侵入する。このため、車室内にフロントホイール14等が侵入し乗員空間を狭くする問題点が生ずる。
【0012】
図1は本発明におけるストッパ1及びレインフォース2及びレインフォース21の詳細構造を示すものである。図1及び図2に示すように、ストッパ1はフロントマウントブラケット8の近傍の前方に配置され、サイドフレーム7の外側面から突出し、その外側面に固着されて配置される。なお、この位置は車両の衝突時においてフロントホイール14の外周後面17が当接する場所に相当する。
【0013】
図1に示すように、ストッパ1は、略L字枠体形状に折曲成形されたストッパ本体3と、この内外部に固着された補強部材4等とからなる。ストッパ本体3はその基端部をサイドフレーム7の外側面に溶着して固定され、前記したように突出して配置される。
【0014】
図1及び図2に示すように、レインフォース2,レインフォース21はストッパ1やフロントマウントブラケット8の固定される部位のサイドフレーム7の内側においてサイドフレーム7に固着されて配置される。図1に示すように、レインフォース2はサイドフレーム7側に固着されるコ字形状のインナメンバ5と、インナメンバ5に固着されるコ字形状のアウタメンバ6とからなり、両メンバによりボックス状の高剛性体を形成するものからなる。なお、インナメンバ5及びアウタメンバ6はサイドフレーム7の内側の曲線に沿って密接し得るような長手方向の形状を有するものからなる。また、その後方側はクロスメンバ9をサイドフレーム7に固定するためのブラケット20上のブラケット19に固着される。
【0015】
図3は、本発明の車両フレームの前部構造の車両の衝突時における各部の変化を示すものである。衝突によりフロントホイール14はサイドフレーム7側に外周後面17を近接させる方向に回動しながら後退する。その結果、フロントホイール14はストッパ1の突出端に当り、それ以上の後退を拘束される。ストッパ1はその背後に配置されるレインフォース2により補強支持されているため、フロントホイール14からの大きな衝撃力が作用してもほとんど移動及び変化せずその位置を保持する。そのため、サイドフレーム7等はストッパ1及びレインフォース2の配置される位置より前方の部分のみが変形する。以上により、フロントホイール14はストロークb<<aしか移動せず、サイドフレーム7等も図4に較べて変化量が大巾に低減する。そのため、ホイールの外周後面17,サイドフレーム7等の車室内への侵入量が大巾に低減することになる。
【0016】
なお、レインフォース2はクロスメンバ9等により補強されているため、そのまわりの総合剛性は極めて大となり、前記のようにフロントホイール14やサイドフレーム7等の移動量を低減させることができる。
【0017】
【発明の効果】
1)本発明の請求項1に記載の車両フレームの前部構造によれば、ストッパ及びこれを補強するレインフォースをサイドフレームに配置することにより、フロントホイールやサイドフレーム等の移動や変形が大巾に低減し、サイドフレーム等の車室側への侵入量が低減し、乗員空間を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両フレームの前部構造の詳細構造を示す斜視図。
【図2】本発明のストッパやレインフォースを配置したサイドフレームやフロントホイールまわりの車両フレームの前部構造の概要を示す平面図。
【図3】本発明の車両フレームの前部構造の衝撃力作用時におけるフロントホイールの移動やサイドフレーム等の変形状態を示す平面図。
【図4】従来のフレームの前部構造の衝撃力作用時におけるフロントホイールの移動やサイドフレーム等の変形を示す平面図。
【符号の説明】
1 ストッパ
2 レインフォース
3 ストッパ本体
4 補強部材
5 インナメンバ
6 アウタメンバ
7 サイドフレーム
8 フロントマウントブラケット
9 クロスメンバ
10 クロスメンバ
11 クロスメンバ
12 サスペンションアーム
13 ナックルアーム
14 フロントホイール
15 トルクロッド
16 スタビライザ
17 外周後面
18 サイドシル
19 ブラケット
20 ブラケット
21 レインフォース
Claims (1)
- フロントホイール(14)の近傍のサイドフレーム(7)に設けられ、車両の衝突時に前記フロントホイール(14)の移動を規制するためのフレーム付き車両に適用される前記サイドフレーム(7)の前部構造であって、該前部構造は、前記サイドフレーム(7)の外側面から突出して、前記フロントホイール(14)と該サイドフレーム(7)とが該車両の乗員空間側への侵入量を低減するためのストッパ(1)と、該ストッパ(1)の配設される前記サイドフレーム(7)の内面側に固着されるレインフォース(2)とからなり、前記ストッパ(1)は、車両衝突時において前記フロントホイール(14)の外周後面(17)に当接可能な突出片形状及び位置に形成されるものからなり、前記レインフォース(2)は、衝撃力によるその部位における前記サイドフレーム(7)の変形を防止する剛性を有するものからなることを特徴とする車両フレームの前部構造。
Priority Applications (4)
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