JP3799464B2 - 自動車のフレーム構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のフレーム構造、特に、車両前後方向に延びるフレーム部材の衝撃吸収構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両前方からの衝撃をフレーム構造によって吸収するための改良技術が開発され、例えば実開平1ー39177号公報や実開平7−37863号公報などに記載されている。
前者の従来技術は、車両の前後方向に延びるフレーム部材の前端部に、長手方向に所定の間隔を保って複数の貫通孔と端面部に複数の貫通孔の配設方向に向けて楔形の切欠溝とを形成し、楔形の切欠溝に楔形部材を嵌合固着させるように構成したものであり、フレーム部材に長手方向から衝撃が与えられると、この衝撃により楔形部材が貫通孔間のフレーム部材を引き裂き、上下方向に引き裂かれたフレーム部材をより変形させることにより、フレーム部材に与えられる衝撃をより吸収するものである。
【0003】
後者の従来技術は、フレーム部材の長手方向先端部に、座屈強度が低く長手方向からの衝撃により座屈される脆弱部と、この衝撃によりフレーム部材を折り曲げさせる折曲脆弱部とが形成された構成になっており、フレーム部材の長手方向から衝撃が与えられると、脆弱部の座屈により衝撃を吸収するとともに、折曲脆弱部においてフレーム部材をフレーム部材の長手方向と垂直な方向へ折り曲げることにより衝撃を吸収するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の従来技術では、フレーム長手方向からの衝撃を、フレーム部材の前端部における座屈のみによって吸収する構成であるため、より大きな衝撃が与えられたときに、衝撃をより吸収することができないといった課題がある。さらに、座屈によってフレームが潰れる領域が設定量必要なため、車両前方に所定量のスペースを必要とする課題がある。
【0005】
また、後者の従来技術では、フレーム部材の前端部における座屈とフレーム部材自体の屈曲とにより衝撃を吸収する構成であるが、フレーム部材自体が確実に折曲されなかったり、前後方向の座屈強度が低い軸方向脆弱部における座屈が十分に行なわれる前に屈曲脆弱部においてフレーム部材が屈曲するなどして、フレーム部材の長手方向からの衝撃をより効率的には吸収できないという課題がある。さらに、この場合においても、座屈によってフレームが潰れる領域が設定量必要なため、車両前方に所定量のスペースを必要とする課題がある。
【0006】
本発明は上述の課題に着目して成されたもので、フレーム部材に長手方向から衝撃が与えられた場合に、少ない車体変形量で乗員傷害値を軽減できるようにした、自動車のフレーム構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、車両前後方向に延びて、車両ボディ部材を支持するフレーム部材を備えた自動車のフレーム構造において、上記フレーム部材の前端部又は後端部に設けられるサブフレームを有し、該サブフレームは、一端部が上記フレーム部材に結合され、中間部が上記フレーム部材に揺動自在に支持され、他端部が上記サブフレームが設けられる上記フレーム部材の前端部または後端部と同一方向に向いて配置されるとともに、上記サブフレームが設けられる上記フレーム部材の前端部又は後端部側から上記他端部に衝撃が与えられると上記サブフレームが揺動して上記フレーム部材との結合部において上記フレーム部材を屈曲させるように構成されていることを特徴とする(請求項1)
【0008】
従って、フレーム部材に長手方向から衝撃が与えられると、サブフレームによってフレーム部材が屈曲して、このフレーム部材の屈曲により該衝撃が効果的に吸収される。
また、本発明は、上記車両前後方向に対して垂直な方向に延びるピンをそなえ、上記サブフレームの中間部は、上記ピンを中心として揺動自在に支持されていることを特徴とする(請求項2)。
さらに、本発明は、上記フレーム部材に対して垂直に配設される前後一対のクロスメンバをそなえ、上記サブフレームの前端面又は後端面には、上記サブフレームの前端又は後端と上記前又は後のクロスメンバとの間隔を調整する間隔調整部材が固着されていることを特徴とする(請求項3)。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。図1は、自動車(車両)において、図示しないボディ部材を支持する車台フレーム1の車両左前部における斜視図である。この車台フレーム1は、左右方向一対に設けられ車両前後方向に延びるように配設されているフレーム部材としてのメインフレーム2と、メインフレーム2に対して垂直に配設されてメインフレーム2とともに骨格状に形成されるフレーム部材としてのクロスメンバ3,4などから構成されている。なお、車両右前部については図示しないが、図1に示す左前部と左右対称に構成されている。
【0010】
メインフレーム2の車両前後方向の前端部に結合されているクロンメンバ(以下、NO.1クロスメンバ)3の後方におけるメインフレーム2の車幅方向外側(図1では左側)には、NO.1クロスメンバ3から所定の間隔をあけて、サブフレーム5が配設される。
このサブフレーム5は、車両後方側端部がメインフレーム2の外側面(ここでは、左側側面)にボルトやリベットなどの結合部材6により固結されている。また、この結合部材6によりメインフレーム2に結合されている後端部よりも前方に配置されるサブフレーム5の中間部が、メインフレーム2の上面及び下面に固着さている上下一対のプレート7,7に上下方向に延びるように上端及び下端がれぞれ支持されているピン8によって回動可能に支持されている。
【0011】
また、サブフレーム5の中間部よりも前方に配置される前端面には、間隔調整部材9が前方に突出するように固着されている。即ち、この間隔調整部材9を交換するなどして、間隔調整部材9の前後方向長さを任意に設定することにより、サブフレーム5の前端とNO.1クロスメンバ3との間隔を調整することができ、サブフレーム5に衝撃が伝達され始めるタイミングを調整することができる。
【0012】
次に、このように構成された本実施形態における自動車のフレーム構造の作用について、図2乃至図4を参照して説明する。
上述したようなフレーム構造を備えた車両が、図2に示すように、壁面Wに前面衝突するなどして、フレーム構造に前方から過大な衝撃が与えられると、NO.1クロスメンバ3に入力された衝撃力が、まずメインフレーム2の前端部に集中伝達されて、メインフレーム2の前端部が潰れていく。
【0013】
そして、図3に示すように、NO.1クロスメンバ3の後端面が間隔調整部材9の前端面に当接するまで、メインフレーム2の前端部が潰れると、NO.1クロスメンバ3に前方から入力される衝撃力は、メインフレーム2のみでなくサブフレーム5にも伝達されることとなる。
そして、NO.1クロスメンバ3からサブフレーム5の前端部に衝撃が伝達されると、サブフレーム5には、間隔調整部材9に作用する前方からの衝撃力により、ピン8を中心として図3における反時計方向周りに回転しようとするモーメントが発生する。そして、メインフレーム2には、サブフレーム5の後端部に左側面で結合している結合部分に、サブフレーム5のモーメントにより車幅方向内側への応力が作用することとなる。
【0014】
メインフレーム2は、サブフレーム5から車幅方向内側への応力を受けると、図4に示すように、車幅方向内側へ突出するように屈曲される。つまり、メインフレーム2は、サブフレーム5に前方からの衝撃が伝達されると、この衝撃力によってサブフレーム5との結合部において車幅方向内側へ屈曲される。
このようにメインフレーム5に前方から衝撃が伝達され、サブフレーム5にも前方から衝撃が伝達されると、サブフレーム5にモーメントが発生して、このモーメントによりメインフレーム2が屈曲されることとなる。なお、サブフレーム5に伝達される衝撃力が大きいほど、発生するモーメントも大きくなり、メインフレーム2を屈曲させる応力も大きいものとなる。
【0015】
そして、サブフレーム5に衝撃が伝達されて、メインフレーム2が屈曲した状態において、さらなる衝撃がメインフレーム2の前端部及びサブフレーム5の前端部に伝達されると、各前端部がさらに潰れて該衝撃が吸収されるとともに、サブフレーム5にさらに発生するモーメントによってメインフレーム2がさらに屈曲されることとなる。
【0016】
よって、前方からの衝撃は、サブフレーム5に衝撃が伝達されるまでは、メインフレーム2の前端部が座曲することにより衝撃を吸収し、さらに衝撃が大きくサブフレーム5にも衝撃力が伝達されると、サブフレーム5が揺動して、メインフレーム2を屈曲させるようなモーメントが発生して、このモーメントによりメインフレーム2が屈曲される。つまりメインフレーム2が屈曲されることにより衝撃力を効果的に吸収することとなる。
【0017】
このように構成されるフレーム構造を有する車両の衝突時におけるボデーGの変化状態を、図5に実線で示す。なお、この図5における破線は、従来の乗用車(従来構造)におけるボデーGの変化状態を示している。
ここで、正突などに対応した車両前方におけるフレーム構造の設定方法について説明する。例えば、乗用車やキャブオーバータイプの自動車のように、各車種によってクラッシュストローク(以下、ボデー変形量)が設定される。このボデー変形量は、前席乗員の着座位置から前方側への一定空間の乗員生存空間や該乗員生存空間よりも前方側の空間や乗員が一般的に耐えられる減速度に基づく乗員傷害値などによって設定される。なお、これらの乗員生存空間や乗員傷害値は、車種に関係なく略一定である。したがって、キャブオーバータイプの自動車などのように、運転席から車両前端部までの長さが短い車両であるほど、ボデー変形量は短いものとされる。
【0018】
次に、乗員傷害値によって、ボデー変形量に対する乗員拘束開始位置、つまり、乗員がシートベルトなどによって車両に拘束され始める位置が決定される。これは、車両が正突するなどして車両が変形し始めて減速していても、シートベルトなどが作動して乗員の拘束が開始されるまでにタイムラグがあり、車両が衝撃により減速していても乗員はすぐには減速されないためである。
【0019】
この乗員拘束開始位置から、シートベルトなどにより乗員が拘束され始めると車両が停止するなどしてボデー変形が終了するまでに、乗員には減速G(以下、胸G)が作用する。この胸Gは、車両のボデー減速度(以下、ボデーG)に応じて増大していく。つまり、乗員拘束開始位置以降において、ボデーGが大きい場合には、胸Gの増加率が大きくなる。また、乗員拘束開始位置以降におけるボデー変形量が大きいほど、つまり変形時間が長いほど胸Gの増大量も大きくなる。
【0020】
そして、乗員拘束開始位置以降の胸Gの大きさ及び増加率の大きさが大きいほど乗員傷害値は大きくなる。よって、乗員拘束開始位置から変形終了までの変形量が長いほど、つまりボデー変形量に対する乗員拘束開始位置が早いほど、また乗員拘束開始位置以降のボデーGが小さいほど、乗員傷害値は小さいものとなる。
【0021】
次に、ボデーGの変化状態が図5に破線で示す従来の乗用車(従来構造)では、ボデー変形量が大きく、乗員の拘束開始位置は遅いので、乗員拘束開始位置まで変形するまでの間にボデーが吸収した衝撃(エネルギ)、つまりボデーGの変形量に対する積算値が大きいために、乗員拘束開始位置以降のボデー変形量が少なくボデーGも小さいものとなる。よって、乗員拘束開始位置以降にボデーが吸収する衝撃は少なく、乗員の胸Gは徐々に増加していくこととなり、胸Gの変形量に対する積算値である乗員傷害値は小さいものとなる。
【0022】
このようにボデー変形量が大きく設定される乗用車に対して、キャブオーバータイプの自動車などにおいては、図5に実線で示すように、ボデー変形量が小さく設定される。しかし、乗員傷害値は予め規定されているので、この乗員傷害値を満足するためには、乗員拘束開始位置から変形終了までの間におけるボデー変形量を大きくするとともに、ボデーGを小さくすればよい。
【0023】
よって、衝突開始時点、即ち車両変形開始時点から、乗員が乗員拘束開始位置に到達するまでの間において、効果的に衝撃を吸収させて、乗員拘束開始位置以降におけるボデーGを小さくしてやることにより、乗員拘束開始以降における胸Gの増加が緩やかになり、乗員傷害値を小さいものとすることが出来る。
また、キャブオーバータイプの自動車のようにボデー変形量が小さい車両においては、乗員拘束開始位置を車両変形開始位置(ボデー変形量がゼロの位置)側に近接させて、乗員拘束開始位置から変形終了までの間におけるボデー変形量が大きくなるようにして、乗員拘束開始位置以降におけるボデーGを小さくするようにすることにより、乗員拘束開始位置以降における胸Gの増加をより緩やかにすることができ、乗員傷害値をより小さくすることができる。
【0024】
上述したように、本実施形態においては、メインフレーム2にサブフレーム5が設けられて、サブフレーム5に入力される衝撃力によってメインフレーム2を屈曲させるように構成されているので、ボデーGが、図5に実線で示すように変化する。
詳しくは、車両が正突するなどして、図2乃至図4に示すようにメインフレーム2の前端部に衝撃が入力されると、メインフレーム2の前端部が座屈するなどして衝撃を吸収していき、ボデーGがゼロから実線のa点に向かうように上昇していき、その後低下するように変化していく。これは、上述したように、メインフレーム2の前端部が、補強構造が採られて衝撃が吸収されにくい構成とされているためであり、ボデーGが従来の乗用車におけるボデーGの増加よりも格段に増加していく。
【0025】
その後、NO.1クロスメンバ3が、サブフレーム5の前端部(間隔調整部材9)に当接して、サブフレーム5にも衝撃が伝達されると、ボデーGは再び増加していく。そして上述したように、サブフレーム5に衝撃が伝達されると、サブフレーム5にモーメントが発生して、このモーメントによってメインフレーム2が屈曲される。このサブフレーム5に衝撃が伝達されてからメインフレーム2が屈曲されるまでは、ボデー変形量に応じてボデーGがb点からc点へとなるまで増加していく。
【0026】
そして、サブフレーム5に発生するモーメントによってメインフレーム2が屈曲されると、メインフレーム2が屈曲することによりメインフレーム2に入力される衝撃を吸収することとなる。このメインフレーム2の屈曲による衝撃吸収は、メインフレーム2の前端部が潰れることによる衝撃吸収よりも、より効果的なものであるため、メインフレーム5が屈曲し始めると、ボデーGはc点より低下していく。
【0027】
さらに、前方からの衝撃によりボデー変形量が増加していき、ボデー変形量が乗員拘束開始位置まで達するとボデーGはd点まで減少され、その後もメインフレーム2が屈曲していくことにより、衝撃が吸収されながらボデーは変形していく。このときのボデーGは、メインフレーム2におけるスポットが外れたりすることにより、増加及び減少を繰り返していくこととなり、ボデー変形量が所定の変形量に達するまでに、衝撃を全て吸収してボデー変形が終了することとなる。
【0028】
そして、図6はボデー変形量に対するボデーG及び胸Gの変化状態を模式的に示す図であり、図6において、実線はボデーGが図5に実線で示す変化状態となるように構成された本実施形態のフレーム構造の場合を示し、破線は従来の乗用車(従来構造)の場合を示している。
まず、従来の乗用車においては、破線で示すように、メインフレーム2の前端部が座屈するなどして衝撃が吸収されていき、メインフレーム2の前端部における衝撃吸収が終了すると、車両全体の衝撃吸収が悪くなり、ボデーGが大きくなり、乗員拘束が開始される。この乗員拘束開始位置からのボデー変形量は大きく設定されているので、乗員拘束開始位置以降におけるボデーGが小さくなるように構成されており、乗員の胸Gは緩やかに増加していき、乗員傷害値は小さいものとなる。
【0029】
これに対して、本実施形態におけるフレーム構造では、上述したように、サブフレーム5がメインフレーム2を屈曲させるまでは、メインフレーム2の補強された前端部にて衝撃が吸収されるために、ボデーGが大きくなり、ボデーGが大きい状態でボデー変形していく。そして、サブフレーム5に衝撃力が伝達されて、メインフレーム2がサブフレーム5からのモーメントによって屈曲されて、メインフレーム2が屈曲することにより衝撃が吸収されていくと、ボデーGが減少した状態でボデー変形していくこととなる。
【0030】
また、メインフレーム2が屈曲し始めて、ボデーGが減少した状態で変形していくときが乗員拘束開始位置とされているので、この乗員拘束開始位置以降においては、ボデーGが小さい状態で変形して胸Gの増加率も小さいものとなり、胸Gは徐々に増加していくこととなる。
さらに、乗員拘束開始位置までは高いボデーGによって変形していく構成であるために、乗員拘束開始位置までの間により多くの衝撃エネルギをフレーム構造によって吸収することができ、乗員拘束開始位置以降のボデー変形量をより大きくするとともにボデーGを小さくすることができるので、乗員拘束開始位置以降における乗員の胸Gをより緩やかに増加させることができ、乗員傷害値の許容値までは増加しないように構成することができる。
【0031】
本実施形態におけるフレーム構造において、メインフレーム2の前端面とサブフレーム5の前端面、つまり間隔調整部材9の前端面との間隔は、ボデー変形が開始されてから乗員拘束開始位置までの間により多くの衝撃エネルギがフレーム構造によって吸収される位置となるように設置されている。
また、間隔調整部材9によって、サブフレーム5に衝撃が入力されるタイミングを調整することにより、各車両に応じて衝突時のボデーGを調整することができ、乗員に与える乗員傷害値を抑制することができる。なお、間隔調整部材9以外の部材を共用化することも可能となる。
【0032】
なお、図6に一点鎖線で示すボデーGと胸Gと関係は、本実施形態のフレーム構造において、サブフレームを備えずに、メインフレーム2の前端部に補強構造を施しただけのフレーム構造におけるものである。メインフレーム2の前端部を補強したのみであるために、乗員拘束開始位置となってもボデーGは減少することなく、メインフレーム2の前端部における衝撃吸収が終了したために上昇する。このため、乗員拘束が開始されると、胸Gは本実施形態や従来の乗用車における胸Gの増加よりも、急激に増加していき、変形が終了したときの胸Gは、二点鎖線で示す乗員傷害値の許容値をオーバーしており、衝撃がフレーム構造によって効果的に吸収されないものとなる。
【0033】
以上のように、本発明の車両のフレーム構造によれば、メインフレーム2に揺動可能に設けられたサブフレーム5に衝撃が入力されると、サブフレーム5にメインフレーム2を屈曲させるようなモーメントが発生して、メインフレーム2がこのモーメントにより確実に屈曲されることにより、衝撃を効果的に吸収することができる。
【0034】
また、メインフレーム2に衝撃が入力されてから乗員の拘束が開始されるまでの間に、より多くの衝撃エネルギが吸収され、乗員の拘束が開始されてからのボデーGが小さくなるように、サブフレーム5がメインフレーム2に揺動可能に配設される構成であるために、乗員拘束開始からの乗員の胸Gを緩やかに増加させることができ、乗員に与えられる衝撃値を抑制することができる。
【0035】
本発明におけるフレーム構造は、上述した実施形態における構成に限定されるものではなく、サブフレーム5が、メインフレーム2の前端部において、後端部がメインフレーム2に結合されるとともに、中間部が揺動可能に支持されて、サブフレーム5の前端部に衝撃が入力されると、メインフレーム2との結合部においてメインフレーム2を屈曲させるようなモーメントを発生するように揺動するように構成されていればよい。
【0036】
また、サブフレーム5がメインフレーム2の側面に結合支持される構成であるが、メインフレーム2の下面や上面においてメインフレーム2を屈曲させることが可能であれば何処でもよい。
なお、上述した実施形態において、メインフレーム2の前端部がある程度座曲した後に、サブフレーム5に衝撃が入力される構成であったが、これに限定されることはなく、メインフレーム2に衝撃が入力されるのと同時にサブフレーム5にも衝撃が入力されるように構成してもよい。
【0037】
また、サブフレーム5の前端部に、座曲部を設け、この座曲部によってある程度の衝撃を吸収した後に、揺動を開始して、メインフレーム2の屈曲させるようなモーメントが発生するように構成してもよい。
上述した実施形態において、サブフレーム5がNO.1クロスメンバ3を介して衝撃が入力される構成であったが、これに限定されるものではなく、実施形態における壁などから直接サブフレーム5に衝撃が入力されるように構成してもよい。
【0038】
また、上述した実施形態においては、車両前方に位置するメインフレーム2の前端部における例について説明したが、これに限定されることなく、車両後方に位置するメインフレーム2の後端部に同様のフレーム構造を用いてもよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、車両前後方向に延びて、車両ボディ部材を支持するフレーム部材を備えた自動車のフレーム構造において、上記フレーム部材の前端部又は後端部に設けられるサブフレームを有し、該サブフレームは、一端部が上記フレーム部材に結合され、中間部が上記フレーム部材に揺動自在に支持され、他端部が上記サブフレームが設けられる上記フレーム部材の前端部または後端部と同一方向に向いて配置されるとともに、上記サブフレームが設けられる上記フレーム部材の前端部又は後端部側から上記他端部に衝撃が与えられると上記サブフレームが揺動して上記フレーム部材との結合部において上記フレーム部材を屈曲させるように構成されているので、フレーム部材がサブフレームによって確実に屈曲されて、フレーム部材が屈曲することにより、衝撃をより効果的に吸収することができ、乗員に与える衝撃をより緩和させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるフレーム構造における要部斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるフレーム構造における上面視図である。
【図3】本発明の一実施形態によるフレーム構造における上面視図である。
【図4】本発明の一実施形態によるフレーム構造における上面視図である。
【図5】本発明の一実施形態によるフレーム構造のボデー変形量とボデー減速度との関係を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態によるフレーム構造のボデー変形量とボデー減速度と乗員減速度(胸G)との関係を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 フレーム構造
2 メインフレーム(フレーム部材)
3 NO.1クロスメンバ(フレーム部材)
5 サブフレーム
9 間隔調整部材

Claims (3)

  1. 車両前後方向に延びて、車両ボディ部材を支持するフレーム部材を備えた自動車のフレーム構造において、
    上記フレーム部材の前端部又は後端部に設けられるサブフレームを有し、
    該サブフレームは、一端部が上記フレーム部材に結合され、中間部が上記フレーム部材に揺動自在に支持され、他端部が上記サブフレームが設けられる上記フレーム部材の前端部または後端部と同一方向に向いて配置されるとともに、上記サブフレームが設けられる上記フレーム部材の前端部又は後端部側から上記他端部に衝撃が与えられると上記サブフレームが揺動して上記フレーム部材との結合部において上記フレーム部材を屈曲させるように構成されている
    ことを特徴とする自動車のフレーム構造。
  2. 上記車両前後方向に対して垂直な方向に延びるピンをそなえ、
    上記サブフレームの中間部は、上記ピンを中心として揺動自在に支持されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の自動車のフレーム構造。
  3. 上記フレーム部材に対して垂直に配設される前後一対のクロスメンバをそなえ、
    上記サブフレームの前端面又は後端面には、上記サブフレームの前端又は後端と上記前又は後のクロスメンバとの間隔を調整する間隔調整部材が固着されている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の自動車のフレーム構造。
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