JP3841121B2 - 自動車のステアリング支持構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のステアリング支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の操舵をするステアリングホイールはステアリングシャフトの先端に取付けられ、ステアリングシャフトは、車体側部材に支持されている。図10について、その構造を説明する。1はステアリングホイールであり、ステアリングシャフト2の上端に取付けられている。ステアリングシャフト2は、インストルメントパネル3の下部に位置するステアリングハンガーブラケット4から下方に向けて突出させた支持部5,6によって支持され、下端はダッシュボード7を貫通してエンジンルーム側に至っている。
【0003】
ダッシュボード7のステアリングシャフト2より上の部分にはペダルブラケット8の下端が取付けられており、その中間部分に軸9によりペダル(ブレーキペダルまたはクラッチペダルあるいはその両方)10が軸着されている。ペダルブラケット8の上端はステアリングハンガーブラケット4の一部に接しており、ボルト11とナット12によりステアリングハンガーブラケット4に結合されている。13はピラーパイプであり、この図には示さない左右両側のフロントピラー(図3参照)間に渡架されており、その間の部分が図示するようにステアリングハンガーブラケット4を貫通している。
【0004】
この構造においては、ペダルブラケット8がステアリングハンガーブラケット4に直接結合されており、この部分が一体化しているので剛性が高いことになるが、自動車が衝突したときのように、前方から大きな力が加わったときには、この部分ではその荷重を吸収することがないので、ステアリングホイール1が運転者側に大きく移動しないような何らかの措置を講じていた。実公昭59−7167号公報に開示される技術もその一例である。この公報のものでは、ステアリング支持フレーム(図10におけるステアリングハンガーブラケット4に相当)とペダルブラケットとの間に、下向きには十分な剛性を有するが後方向には剛性を低くした連結ブラケットを介装したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この技術によれば、自動車の前方衝突時にマスターシリンダに押されてブレーキブラケットが後退したときに連結ブラケットが前後方向に変形し、ステアリング支持フレームが変形せず、これによってステアリングホイールの後退を防ぐことができる。この公報には、連結ブラケットに関してその形状、構造および材質等について具体的な説明がなされていないが、図から判断して、板部材の上端をステアリングブラケット側に固定し、下端をペダルブラケットに軸着したものである。したがって連結ブラケットの変形範囲を大きく取ることができず、前方衝突による後方に向けた力の吸収にも限界があった。
【0006】
本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、上記公報のものとは異なった構成によって、前方衝突時の後方に向けた力を効果的に吸収することができる自動車のステアリング支持構造を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載された発明においては、車体側に支持されたペダルブラケットにペダルの上端を軸着すると共に、ステアリングハンガーブラケットにステアリングシャフトを支持した自動車のステアリング支持構造において、車両側面視で車両後方側へ右上がりに側面視山形の連結部材を配置し、該連結部材の上端部に前記ステアリングハンガーブラケットを、前記連結部材の下端部に前記ペダルブラケットを夫々連結して、前記ペダルブラケットの上端部と前記ステアリングハンガーブラケットの下端部との間に空間を形成し、また、前記連結部材は、前記ペダルブラケット側が幅広で、前記ステアリングハンガーブラケット側が幅狭に形成され、かつ、前記連結部材の幅広部分と幅狭部分との間の幅寸法が徐々に変化して形成されており、また、前記連結部材の外周部には起立したフランジが形成されており、該フランジには、前記連結部材の山形に形成された部分に対応する部分に切欠きが形成されていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、まず要部を示した図1と、この図1のものを用いたものを図10に対応して示した図2について説明する。4はステアリングハンガーブラケットであり、8はペダルブラケットである。この両者は、図2から明らかなように図10のものとは異なって離れて設けられており(この点において前掲公報のものとも相違する)、その間を、本発明に係る側面視山形の連結部材14で連結している。連結部材14は金属板で製作されている。15は連結部材14をペダルブラケット8に固定するボルト、16は連結部材14をステアリングハンガーブラケット4に固定するボルトである。その他、図2において図10と同一の符号を付したものは同一の部材である。
【0009】
図1において、17はピラーパイプ13を貫通させ、これに支持させるためにステアリングハンガーブラケット4に設けられた孔(凹部でもよい)である。ピラーパイプ13は、図3に示すようにフロントピラー18に取付け用のフランジ19を介して取付けられており、その中間部分に、ステアリングハンガーブラケット4が支持されることになる。
【0010】
図4は連結部材14の平面を、図5はその側面を示すもので、これらの図から明らかなように、この連結部材14には、幅広部14aと幅狭部14bがあり、その間の中間部14cは、幅寸法が徐々に変化する形状となっている。そして図5に示すように側面から見た形状では、幅狭部14bと中間部14cの境界部分を頂点にした山形の形状になっている。この連結部材14には、図5ないし図9に示すように、全周にわたって縁部を一方向に屈曲させたフランジ14dが形成されている。
【0011】
このフランジ14dの一部で山形の頂点に対応する部分は、図8に示すようにフランジ14dが外側に広げられており、変形し易くなっている。さらにその部分の内側には、切欠き14eが形成されており、フランジ14dを形成した状態で山形形状を形成する屈折加工がし易く、かつ、連結部材14をペダルブラケット8とステアリングハンガーブラケット4との間に取付けた状態で前方衝突等により大きな力を受けたときに、山形形状の頂点部分での屈折が行い易いようにしてある。
【0012】
図4に示すように、連結部材14には長円形の孔20が設けられており、図1に示す取付け用のボルト15,16を挿通するようになっている。連結部材14をペダルブラケット8とステアリングハンガーブラケット4との間に取付けるに当たっては、幅広部14aをペダルブラケット8側にし、幅狭部14bをステアリングハンガーブラケット4側にする。これにより、幅寸法が大きい車体側に取付けられたペダルブラケット8側からの力が、幅狭のステアリングハンガーブラケット4側に曲がらずに伝達される。
【0013】
作用を説明する。自動車が前方衝突をする等によって、車体の前方から大きな力を受けたときには、エンジンルーム内の部材、たとえばマスターシリンダ等に押されることよって、ペダルブラケット8が後方(図1、図2における右方)に移動することがある。この場合、図10に示した構造では、ペダルブラケット8がステアリングハンガーブラケット4を直接押すことになるが、本発明では両者の間に図4、5に示すような形状の連結部材14が介装されているので、これが変形することによってその力を吸収することになる。そしてその場合、連結部材14の形状が山形であり、かつフランジ14dの一部に切欠き14eを形成した形状であるので、大きな力を受けたときには変形し易い。さらに、全周にフランジ14dを設けたので、通常の走行時には変形しにくいことになる。
【0014】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成された自動車のステアリング支持構造であるから、請求項1に記載された発明によれば、ペダルブラケットとステアリングハンガーブラケットとが連結部材で結合されることにより、その部分の剛性が高まるので、走行時の防振性が向上すると共に、ステアリングホイール内に衝撃を感知するセンサ機構を設けたSRSエアバッグシステムの場合には、車両前部からの伝達加速度信号が受信し易くなる。また結合により衝突時の加速度伝達性が向上するので、衝突エネルギの衝撃吸収度が高くなる。連結部材を山形の形状にしたことにより、圧縮方向に対する変形が容易であり、ステアリングハンガーブラケットを変形させることが防げることから、衝突時のハンドル挙動が安定する。さらに、連結部材の幅寸法が、車体側のペダルブラケット側が広くなっていることから、前方から大きな力を受けたとき、車体側への影響は少なく、ステアリングハンガーブラケットを結合した部分が変形して、衝撃吸収が良好に行われる。そして幅広部と幅狭部の間の部分の幅寸法が徐々に変化する形状としたため、前方から大きな力を受けたときにも、どこか1箇所に荷重が集中することがなく、安定した変形を得ることができる。さらに、山形に屈折させた部分の対応部に切欠きを設けたことにより、連結部材外周にフランジがあってもそのために変形が妨げられることがなく、必要なときにはその部分が座屈して安定した変形が得られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の要部を示す側面図である。
【図2】 図1のものを用いた周辺部分を示す側面図である。
【図3】 ピラーパイプの取付位置を示す斜視図である。
【図4】 図1および図2における連結部材の平面図である。
【図5】 図4のものを図の下方から見た側面図である。
【図6】 図5のものを矢印B方向から見た矢視図である。
【図7】 図4のものを矢印A方向から見た矢視図である。
【図8】 図5のC−C線に沿った断面図である。
【図9】 図5のD−D線に沿った断面図である。
【図10】 従来構造を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
4 ステアリングハンガーブラケット
7 ダッシュボード
8 ペダルブラケット
9 軸
10 ペダル
13 ピラーパイプ
14 連結部材
14a 幅広部
14b 幅狭部
14c 中間部
14d フランジ
14e 切欠き
Claims (1)
- 車体側に支持されたペダルブラケットにペダルの上端を軸着すると共に、ステアリングハンガーブラケットにステアリングシャフトを支持した自動車のステアリング支持構造において、車両側面視で車両後方側へ右上がりに側面視山形の連結部材を配置し、該連結部材の上端部に前記ステアリングハンガーブラケットを、前記連結部材の下端部に前記ペダルブラケットを夫々連結して、前記ペダルブラケットの上端部と前記ステアリングハンガーブラケットの下端部との間に空間を形成し、また、前記連結部材は、前記ペダルブラケット側が幅広で、前記ステアリングハンガーブラケット側が幅狭に形成され、かつ、前記連結部材の幅広部分と幅狭部分との間の幅寸法が徐々に変化して形成されており、また、前記連結部材の外周部には起立したフランジが形成されており、該フランジには、前記連結部材の山形に形成された部分に対応する部分に切欠きが形成されていることを特徴とする自動車のステアリング支持構造。
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