JP3489904B2 - メチルアミン類の製造方法 - Google Patents

メチルアミン類の製造方法

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアミン類の製造方法、よ
り詳細には、メタノールとアンモニアからメチルアミン
類を製造する際にトリメチルアミンよりもモノ、および
ジメチルアミンをより大量に取得する方法、より詳細に
は該反応を促進させるのに使用するモルデナイト触媒の
中でより優れた触媒能を発現するモルデナイトの結晶形
態に関する。本発明の方法で得られるメチルアミン類は
溶剤の製造原料、各種有機合成中間体製造原料として広
範な用途を持つ有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】メチルアミン類、即ちモノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、およびトリメチルアミンはメタノ
ール又はメタノールとジメチルエーテルの混合物をアン
モニアと反応させる方法や、青酸を接触還元する方法等
で製造される。
【0003】而して、これらのメチルアミン類はモノ、
ジ、およびトリメチルアミンの混合物として生成し、各
々に対応した用途を持つ。 一方、これらのメチルアミ
ン類の需要は、ジメチルアミン又はモノメチルアミンに
偏っており、トリメチルアミンの需要は現状では少な
い。 通常の非晶質シリカアルミナを触媒としてメタノ
ールとアンモニアの反応で得られるメチルアミン類は、
トリメチルアミンが主生成物であり、需要の多いジメチ
ルアミンの取得量が少ない難点があった。 これらの難
点を克服するために、炭素数1〜18のアルコールとア
ンモニアとの反応に孔径5〜10オングストロームの値
を持つ脱水した結晶性アルミノシリケート(ゼオライ
ト)を触媒に用いると、モノ、およびジアミンがトリア
ミンより優先的に生成することが開示されている。 ま
た、上記した反応に適したゼオライトの種類として、天
然ゼオライトおよび合成ゼオライトが示されている。天
然ゼオライトとして、フォージャス石、アナルサイト、
クリノプチルライト、フェリエライト、チャバザイト、
グメリナイト、レビナイト、エリオナイトおよびモルデ
ナイト等が適当であると開示されている。 合成ゼオラ
イトとしては、X型、Y型、およびA型等が適当である
と開示されている(USP.,3,384,667;
1968年)。
【0004】メタノールとアンモニアを特定割合で混合
し、モルデナイト等の触媒存在下に反応させモノメチル
アミンを特異的に多く取得する方法(特開昭56−11
3747)、 および ナトリウムイオン型モルデナイ
トから選ばれる結晶質アルミノシリケートで、モノメチ
ルアミンを不均化しジメチルアミンを高選択的に得る
(特開昭56−46846)方法も開示されている。
【0005】上記のUSP.,3,384,667と同
様な方法で使用するモルデナイトに天然産の鉱物を使用
する方法(特開昭57−169444)、 ランタンイ
オンでイオン交換したモルデナイトを触媒に使用する方
法(特開昭58−49340)、 アルカリ金属イオン
のイオン交換量を特定の範囲に限定したモルデナイトを
触媒に使用する方法(特開昭59−210050、 U
SP4,578,516)、 触媒にスチーム処理した
モルデナイトを使用する方法(特開昭59−22784
1、USP4,582,936)、 低バインダー含有
量のA型ゼオライトを触媒として使用する方法(特開昭
58−69846)又は、Rho型(ZK−5)ゼオラ
イトを触媒とする方法等も開示されている。
【0006】以上の方法でゼオライト系の触媒を使用す
るとトリメチルアミンの生成量を抑制することができる
が、更にトリメチルアミンの生成量をゼロないし実質的
にゼロとする目的でモルデナイトの細孔を四塩化珪素の
CVD( Chemical Vapor Deposition )処理で修飾し
たものを触媒として使用する方法も知られている(特開
平03−262540; J.Catal.,131
巻,482(1991)、USP5,137,85
4)。
【0007】チャバザイト、エリオナイト、ZK−5、
およびRho型ゼオライト上にケイ素、アルミニウム、
燐又はホウ素の化合物を沈澱させ変性したものを触媒に
する方法(特開昭61−254256、 USP4,6
83,334)でトリメチルアミンの生成を低減する方
法もある。また、非ゼオライト系モレキュラーシーブの
SAPOを触媒としてアルコールとアンモニアを反応さ
せアルキルアミンとする方法(特開平02−734)も
知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、従来開示
されている種々なゼオライト系触媒をメタノールとアン
モニアとの反応に使用することで、需要の少ないトリメ
チルアミンの生成量を低く抑制し、需要の多いジメチル
アミンの取得量を高めることができるようになってい
る。 これらの目的で使用するゼオライトのなかでは、
特にモルデナイトがメチルアミン類の合成活性に優れて
いることが古くからよく知られている。(USP.,
3,384,667;1968年、 J.Cata
l.,82巻,313(1983) )。 しかしなが
ら、これらのモルデナイトを使用した場合において、使
用するモルデナイトの製造方法(水熱合成の方法)また
は天然産のモルデナイトの場合、モルデナイト含有率、
不純物のレベル、カチオン組成等がほぼ同一であり、通
常の粉末X線回折値または液体アルゴン温度でのアルゴ
ンの吸着等温線から求めた細孔径等も同一水準であるに
も関わらずメチルアミン類の合成活性およびトリメチル
アミンの抑制能力にはかなりの差異がある。この差異は
合成モルデナイトの場合はあまり大きいものではない
が、天然産のモルデナイトの場合に特に著しい。
【0009】USP.,3,384,667(196
8)には炭素数が1〜15のアルコールとアンモニアか
らモノおよびジアルキルアミンを優先的に得る為に細孔
径が5〜10オングストロームのゼオライトが提案さ
れ、これらのゼオライトの中の一つとして、天然産のモ
ルデナイトが適当であることが開示されている。しかし
ながら、天然産のモルデナイトの中でどの様なものが適
当であるかについては何ら開示されていない。特公平0
2−27335にはメタノールとアンモニアとからメチ
ルアミン類を製造するに際し、触媒として使用するモル
デナイトに有効細孔径1〜5オングストロームの天然産
のモルデナイトが適当であることが記載されているが、
それ以上のことについては何ら開示されていない。即
ち、従来までにメタノールとアンモニアからメチルアミ
ン類を製造するのに適したモルデナイト、特に天然産の
モルデナイトの特性に関しては何等の選択基準が無く、
本反応を効率良く促進しトリメチルアミンの生成を充分
抑制する触媒を製造するのが困難であった。
【0010】本発明の目的とするところは、上記のよう
な問題点の無いメチルアミンの製造方法、即ち、ジメチ
ルアミンおよびモノメチルアミンの取得量を多くし、ト
リメチルアミンの生成量を充分に抑制したメチルアミン
の工業的製造に使用するのに特に適した結晶形態を持つ
モルデナイトを触媒として使用したメチルアミン類の製
造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、モルデナイ
トを触媒とし、トリメチルアミンの生成を極めて低く抑
制し、ジメチルアミンの取得量の多いメチルアミン類の
工業的製造方法に関して種々研究した。その結果、触媒
として使用するモルデナイトの結晶のc軸方向の長さと
a軸方向またはb軸方向の長さの比、c/aまたはc/
bが2以上、より好ましくは3以上であるモルデナイト
を触媒の出発原料に使用すればトリメチルアミンの生成
を充分低く抑制し、効率良くメチルアミン類を製造でき
ることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、モルデナイトのc軸方向
の長さとa軸またはb軸方向の長さの比、c/aまたは
c/bが2以上であるモルデナイトの存在下に、メタノ
ール、またはメタノールとジメチルエーテルをアンモニ
アと反応させることを特徴とするメチルアミン類の製造
方法である。
【0013】メチルアミン類の合成反応に多用されてい
る通常のモルデナイトは、 Na8(Al8 Si
4096)・24H2 Oで表される結晶状のアルミノシリケ
ートである(ATLAS OF ZEOLITE ST
RUCTURE TYPES,W.M.Meier a
nd D.H.Olson, 1987,Butter
worths )。 それはまた、Me1/n (AlSi
512)・3H2 O ,(Meはn価のアルカリ金属原
子、アルカリ土類金属原子または水素原子を表す。)で
表記されている(特開昭57−169444; 特開昭
59−210050等)場合等もある。
【0014】いずれの場合においても、通常のモルデナ
イトでは天然品又は合成品(Norton社Zeolo
n、UCC社LZM−8、La Grande Par
oisse社CM−180等)を問わず、そのSi/A
l比は5、シリカ/アルミナ比(SiO2 /Al2
3 )で示すと10の近傍であって、シリカ/アルミナ比
で11を大きく越えるものは特殊な合成品を除き知られ
ていない。
【0015】然るに、本発明の方法で使用するモルデナ
イトはシリカ/アルミナ比が 10又は10以上のもの
である。シリカ/アルミナ比が10前後のものであれば
通常の合成又は天然産のモルデナイトを使用する。シリ
カ/アルミナ比が 11以上のものは、通常のモルデナ
イトに酸処理、スチーム処理などの常法をほどこすこと
で得ることもできるし、ケイ酸ソーダ水溶液と塩化アル
ミニウム水溶液で (10+n)Na2 O(3+n)Al23 (87−n)S
iO2 (ここでnは0〜4)の組成を持つゲル状のスラリーを
調製し、これを130゜〜250℃で10時間〜数日間
水熱合成することにより製造する(Am.Minera
l.65巻,1012(1972))。
【0016】X線結晶解析によるモルデナイトの構造
は、図1に示すように、広い12員環細孔(最大口径の
細孔、6.5×7.0オングストローム)と縦に細長い
8員環細孔とがc軸方向に平行に並び、これらの細孔が
b軸方向の8員環細孔によりつながっている。a軸方向
には細孔は無く、a軸に垂直な面には細孔が開いていな
い。また、a軸、b軸方向には、正面図の波線のところ
が最も結合がすくなくへきかいしやすい。側面図より見
て、c軸方向には特にへきかいしやすい面はない。
【0017】本発明の方法においては、触媒として使用
するモルデナイト、特に天然産のモルデナイトの中で、
上に説明したモルデナイト結晶の形態がc軸方向の長さ
とa軸またはb軸方向の長さの比、c/aまたはc/b
が2以上、より好ましくは3以上であるものを触媒、ま
たは触媒の出発原料として使用する。c/aまたはc/
bの値は通常モルデナイトの試料を電子顕微鏡で20万
〜100万倍の拡大像を観察することで、容易にその値
を知ることができる。 軸方向が長い円筒状の結晶形態
を持つモルデナイトがこれに対応する。電子顕微鏡で観
察している結晶のどの部分がc軸に対応するかは、同時
に( in situ )に電子線回折パターンを観察すること
で明確に知ることができる。 c/aまたはc/bの値
は、また、走査型電子顕微鏡(SEM)により400〜
2000倍程度に拡大した拡大像からも容易に判定でき
る。特にSEMによる観察の場合、長い繊維状の結晶が
観察される(c/aまたはc/bの値が極めて大きい)
天然産のモルデナイトが触媒の出発原料として特に好ま
しい。
【0018】c/aまたはc/bが2未満のモルデナイ
ト結晶の形態は、球状〜楕円状、直方体状、軸の短い円
筒状、等の場合が多い。この様な結晶形態のモルデナイ
トを触媒の出発原料に使用した場合には好ましい触媒を
製造するのは困難である。観察によって得られる結晶の
形態は全てのものが上記したc/aまたはc/bが2以
上であることは必要ではない。その比が2以上、より好
ましくは3以上のものを含有するモルデナイトを出発原
料に使用して調製した触媒の存在下にメタノールとアン
モニアの反応を行えば、高いメタノールの転化率でトリ
メチルアミンの生成を充分に抑制できる。結晶の形態
中、その比が2以上、好ましくは3以上のものの占める
割合は30%以上、好ましくは40%以上である。
【0019】通常、本発明の方法において使用するモル
デナイト結晶のa軸またはb軸の長さは20〜1000
nmの程度であり、c軸の長さは40〜100000n
mの程度のものが多用される。 使用するモルデナイト
は、通常、水素イオン型のものが高活性を示すために多
用されるが、水素イオンの一部が少量のアルカリ金属イ
オン、アルカリ土類金属イオンに置換されたものでも使
用可能である。 合成又は天然産のモルデナイトは、ア
ルカリ金属イオン型として得られるため、アンモニウム
イオンでイオン交換後、熱分解することで水素イオン型
とする。又はアルカリ金属イオン型のモルデナイトを1
〜3規定の鉱酸で処理することで水素イオン型とし触媒
の先駆体とする。
【0020】天然モルデナイトの場合モルデナイト成分
とその他の成分の混合物である。モルデナイト成分中の
アルカリ金属およびアルカリ土類金属は実質的にゼロに
近いものが多用される。通常0.1〜1%の程度のもの
が好ましい。モルデナイト以外の成分である長石類ある
いは粘土質中に残存するナトリウムは0.2〜0.5%
程度、カリウムは0.2〜5%、カルシウムおよびマグ
ネシウムは合計で0.2〜5%程度のものが多用され
る。モルデナイト成分とその他の成分のアルカリ金属お
よびアルカリ土類金属の含有量は、分析電子顕微鏡によ
り各成分をモルデナイト中、あるいは粘土中、長石中等
に分けて測定することができる。
【0021】上記のイオン交換処理に依りモルデナイト
のナトリウムイオンはほぼ完全に水素イオン型に交換さ
れる。ナトリウムイオンの残存量は0.1〜0.2%程
度であるが、カリウム、カルシウム或いはマグネシウム
イオン等は若干量が残存する場合があるが、これらの残
存量が変動しても、最終的に得られる触媒の活性とトリ
メチルアミンの生成抑制能には殆ど影響しない。また、
不純物とし含まれる石英または長石類、無定形の粘土等
も、最終的に得られた触媒の性能には殆ど影響しない。
天然産のモルデナイトのモルデナイト含有量は40〜8
0%程度の範囲のものが多用され、最終的に得られる触
媒は満足な性能を示す。
【0022】モルデナイトの含有量は40%未満であっ
てもメチルアミンの合成反応は進行するが、触媒の空時
収率が低下し、単位量を生産するために必要な反応容器
の体積が大きくなるため、経済性が低下する。通常はモ
ルデナイトの含有量が40%以上のものが使用される。
【0023】上記のアルカリ金属イオン型を水素イオン
型に交換したモルデナイトは、通常、活性が高いがトリ
メチルアミンの生成を抑制する能力が不十分である。
水素イオン型に交換したままの状態のモルデナイトでも
本発明方法の特徴であるc/aまたはc/bが2以上の
モルデナイトと2未満のモルデナイトの間には、トリメ
チルアミンの生成割合に大きな差が存在する。 この場
合も両モルデナイトの間に細孔径の差は実質的に認めら
れない。
【0024】トリメチルアミンの生成抑制能力をモルデ
ナイトに十分に賦与する方法には、適当なカチオンをイ
オン交換する方法、外表面のを脱アルミニウム処理する
方法、高温、高圧のスチームで処理する方法、外表面を
シリル化処理する方法またはこれらの方法の二つ以上を
併用する方法等が使用される。
【0025】上記の目的で使用するのに適したカチオン
としてはナトリウムイオン、マグネシウムイオン或い
は、ランタン等の希土類のイオン等がある。具体的な例
示としてはナトリウムイオンを0.3〜1wt%となる
様にイオン交換で調製し(USP4,578,51
6)、得られたモルデナイトを常圧〜30kg/cm2
G.、300〜500℃の水蒸気で数時間〜100時間
処理(USP4,582,936)することで、トリメ
チルアミンの生成率を5〜10%程度に抑制することが
できる触媒となる。
【0026】マグネシウム、あるいはランタン等の希土
類のイオンをイオン交換した触媒を使用する方法は、特
開昭58−49340、および J. Catal., 82巻,3
13(1983)に詳細に記載されている。マグネシウ
ムやランタンイオンをイオン交換した触媒の場合も、更
にスチーム処理することでトリメチルアミンの生成を、
いっそう抑制することができる。高温高圧スチーム処理
に先立って触媒をアミン化合物類と接触させる処理を行
うと、トリメチルアミンの生成をよりいっそう抑制する
効果がある。この方法はUSP.,5,382,696
に記載されている。
【0027】トリメチルアミンの生成を数%程度にまで
低減するのに適当な処理法は、外表面を適当なシリル化
剤によりシリル化する方法である。使用するシリル化剤
分子のサイズがモルデナイトの細孔より大きいため、選
択的に外表面のみがシリル化される。上記モルデナイト
のシリル剤による処理の方法は特に限定されないが、C
VD( Chemical Vapor Deposition )による気相中で
の処理、或いはシリル化剤を適当な溶媒中に溶かした液
相中での処理等がある。触媒を大量に製造するには液相
中で処理する方法が多用される。
【0028】液相でのシリル化の好ましい処理方法の一
例を以下に例示する。液相でのモルデナイトのシリル化
剤による処理に先立ち、モルデナイトの細孔中に存在す
る水分含有量を所定の範囲に調整する。モルデナイト中
の水分含有量は3〜40重量%、より好ましくは4〜3
0重量%である。水分含有量が上記の範囲以外では得ら
れたシリル化処理後の触媒のトリメチルアミン生成量を
1%程度の低い値に保つことは難しい。 モルデナイト
の水分量の調整は種々な方法で実施できるが、例えば以
下に示す方法が便利である。水素イオン型にイオン交換
し水洗、ろ別、乾燥したモルデナイトを一度、400゜
〜600℃に焼成しモルデナイト細孔中の水分を実質的
にゼロとする。次いで0゜〜50℃程度の水の蒸気圧の
水分を吸着させることにより3〜40重量%の水分をモ
ルデナイトに付与する。実験室規模であれば、デシケー
ター下部に水を入れた容器を置き、上部にモルデナイト
を入れ室温で10〜30時間放置すれば5〜20重量%
の水分が付与される。モルデナイトに所定量の水を付与
する他の方法として、酸水溶液処理して水素イオン型に
したモルデナイトを風乾後100〜160℃で乾燥処理
することで3〜30%の水分を付与することもできる。
この方法によれば水分と共に微量の酸がモルデナイトの
細孔内に吸蔵されており、これが徐々に表面に拡散しシ
リル化反応を円滑に進行させる触媒作用を営むので好都
合である。
【0029】シリル化処理に使用するシリル化剤はテト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのケイ素
のアルコキサイド、四塩化ケイ素、ジメチルジクロルシ
ラン、トリメチルクロルシラン、テトラメチルジシラザ
ン又はヘキサメチルジシラザン等が使用される。モルデ
ナイトの液相シリル化処理は通常、適当な溶媒中にシリ
ル化剤を溶解させて実施する。溶媒としてはヘキサン、
オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族もしくは脂環式炭
化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素類、等がある。使用するシリル化剤の種類により
適当な溶媒を選択することが好ましい。
【0030】シリル化剤の使用量はシリル化剤中のケイ
素分が酸化ケイ素換算で使用するモルデナイトに対し1
〜10%の範囲が多用される。溶媒中のシリル化剤の濃
度は、2〜30重量%の範囲が多用される。また、シリ
ル化処理に使用する溶媒中の水分が多いと、シリル化剤
が加水分解され、無駄に消費されるので、シリル化に用
いる溶媒中の水分は少ない方が好ましい。
【0031】上記したシリル化剤の溶液にモルデナイト
を懸濁させてモルデナイトの上にケイ素化合物を析出固
定させる。シリル化処理を実施する際の温度は室温ない
し溶液の沸点であり、通常20゜〜200℃の範囲が多
用される。 加圧下で処理する場合には更に処理温度を
高くすることもできる。シリル化処理に要する時間は主
に処理温度等により変化するが室温近傍では3時間ない
し30時間、60゜〜90℃では1〜10時間の範囲が
多用される。
【0032】処理を終了したモルデナイトは、ろ過又は
遠心分離等の常法により処理溶液から分離し窒素等の不
活性ガス雰囲気下に加熱するか、減圧下に加熱し付着、
又は吸着している有機溶媒等を除去する。 次いで、窒
素、空気又は酸素雰囲気下に300〜600℃に加熱処
理(焼成)し触媒とする。 出発原料のモルデナイトが
粒状又は錠剤に成型済みであればそのまま触媒として使
用に供する。 粉状の場合には常法により押し出し、又
は打錠成型して触媒とする。
【0033】シリル化と焼成により生成するSiO2
が触媒重量に対して1〜10wt%、より好ましくは1
〜8wt%が好ましい範囲である。この値は使用するモ
ルデナイトの外表面積に依存するので、実験的に最適値
を決めるのが好ましい。
【0034】本発明の方法で使用する反応原料は、メタ
ノール、又はメタノールとジメチルエーテルの混合物と
アンモニアである。 この他にモノメチルアミン等のメ
チルアミン類が反応原料に混入してもよい。アンモニア
とメタノール等のモル比はメタノール等1モルに対する
アンモニアのモル数で 0.5以上好ましくは1〜5で
通常1〜3の範囲が多用される。
【0035】触媒層に供給する反応ガスの量は空間速度
SVで示すと200〜5000l/h.l−catの範
囲であり、反応の圧力は1〜40kg/cm2G.、特に10
〜30kg/cm2G.の範囲が多用される。反応を実施する
際の触媒層温度は250゜〜450℃、好ましくは27
0゜〜360℃が多用される。
【0036】本発明の方法を実施するのに使用する反応
装置は通常の固定床又は流動層反応装置である。反応装
置の出口ガスは通常の分離精製装置によりメチルアミン
類を単離取得するが、本発明の方法ではトリメチルアミ
ンの生成が数%程度であるため、トリメチルアミンの分
離工程が小型となり、トリメチルアミンを反応系にリサ
イクルする工程が不要になるなど全製造工程が簡素化さ
れる。
【0037】
【実施例】以下に実施例及び比較例で本発明を説明す
る。 実施例1 電子顕微鏡で20万倍に拡大して観察した結果、c軸方
向の長さが300〜400nm、a軸またはb軸方向の
長さが100〜150nmでc/aまたはc/bの比が
2〜4である天然産のモルデナイトを触媒の出発原料に
使用し触媒を調製した。本モルデナイトの液体アルゴン
温度でのアルゴンの吸着から求めた細孔径は6.2オン
グストロームであった。
【0038】上記の粒径2〜3mmの天然産のモルデナイ
ト(モルデナイト含有量約65%)110gを2規定の
塩酸1l中に投入し35℃で10時間震とうした。ゼオ
ライトをろ別し次いで新たな2規定塩酸1l中に投入し
35℃で更に10時間震とうした。ゼオライトをろ別
し、風乾後140℃で乾燥しモルデナイト細孔に9%の
水分と微量の塩酸を吸蔵したものを得た。得られたゼオ
ライトはほぼ完全に水素イオン型でありNaの含有量は
0.14%であった。テトラエトキシシラン4.5gを
溶解したトルエン溶液100g中に上記の水素イオン型
モルデナイト50gを投入し室温(20゜〜25℃)で
10時間震とうした。 モルデナイトをろ別、窒素気流
中で昇温し300℃で2時間加熱、次いで空気気流中で
500℃まで昇温し4時間加熱した。得られた粒状ゼオ
ライトをそのまま触媒として反応に使用した。触媒のシ
リル化の程度はSiO2 換算で触媒に対して2.5wt
%に相当する量であった。
【0039】内径1インチのステンレス鋼製反応器に上
記の触媒40g(60ml)を充填し砂流動浴で外部よ
り加熱した。メタノールを毎時20g、アンモニアを毎
時21gの割合で蒸発器を経て反応器に圧入し300
℃,圧力19kg/cm2G.で反応させた。反応開始130
時間後に反応器出口成分を分析したところ、メタノール
の転化率93%、モノメチルアミンの選択率34.8
%、ジメチルアミンの選択率63.1%、トリメチルア
ミンの選択率2.1%であった。
【0040】比較例1 電子顕微鏡で20万倍に拡大して観察した結果、c軸方
向の長さとa軸またはb軸方向の長さの比が、1〜1.
5である結晶形態を示す天然産のモルデナイトを触媒の
出発原料に使用して触媒を調製した。本天然産のモルデ
ナイトの不純物である長石、石英および無定形の粘土成
分の量と組成等は実施例1の出発原料と同一レベルであ
った。本モルデナイトの液体アルゴン温度でのアルゴン
吸着により求めた細孔径は6.0オングストロームを示
した。上記の粒径2〜3mmの天然産のモルデナイト
(モルデナイト含有量約68%)110gを2規定塩酸
1l中に投入し35℃で10時間震とう後モルデナイト
を分離し、新たな2規定塩酸1lを加え同様に更に10
時間処理した。モルデナイトをろ別し、風乾後140℃
で乾燥した。モルデナイトの細孔には9%の水分と供に
微量の塩酸が吸蔵されていた。得られたモルデナイトの
Na含有量は0.13%で、他のカチオン類の残存量は
実施例1と略同一の値であった。得られたモルデナイト
50gをテトラエトキシシラン4.5gを含むトルエン
溶液100g中に投入し室温で10時間震とうした。モ
ルデナイトをろ別し、窒素気流中で昇温し300℃で2
時間、次いで空気気流中で500℃まで昇温し4時間加
熱して触媒を調製した。 対触媒重量でSiO2 に換算
し2.6wt%がシリル化された。
【0041】本触媒を40g実施例1と同じ反応器に充
填し、実施例1と同様の反応条件でメチルアミン類の合
成を試験した。反応開始130時間後の反応器出口成分
を分析したところ、メタノールの転化率88%、モノメ
チルアミンの選択率35.2%、ジメチルアミンの選択
率58.5%、トリメチルアミンの選択率6.3%であ
った。即ち、c/aまたはc/bの値が、2以下の結晶
形態を持つモルデナイトを出発原料として調製した触媒
を使用して、メチルアミン類の合成を実施すると、上記
の比が2以上のモルデナイトを出発原料とした場合に比
較して、メタノールの転化率が低く、且つトリメチルア
ミンの副生量も多く、好ましい結果は得られない。
【0042】実施例2〜4 種々な天然産のモルデナイトでc/aまたはc/bの値
が2を越えるものを触媒の出発原料として、実施例1と
同様の方法で触媒を調製し、同様な反応条件でメチルア
ミン類の合成反応を試験した。得られた結果を表1に示
す。
【0043】比較例2〜3 種々な天然産のモルデナイトでc/aまたはc/bの値
が2以下のものを触媒の出発原料として、実施例1と同
様に触媒の調製をし、同様の反応条件でメチルアミンの
合成反応を試験した。得られた結果を表1に併記した。
【0044】
【表1】 表1 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No. c/a Mol含量 MeOH メチルアミン選択率% ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ % 転化率% モノ体 ジ体 トリ体 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例2 3〜10 64 92.8 34.7 62.8 2.5 実施例3 10〜50 71 91.5 35.1 63.0 1.9 実施例4 10〜30 68 93.6 35.9 61.9 2.2 比較例2 1〜1.5 72 89.1 37.0 56.5 6.5 比較例3 1〜1.5 65 87.8 38.3 55.5 6.2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0045】実施例5 天然産のモルデナイトをSEMで600倍に拡大して観
察した結果、長い繊維状の結晶形態を持つモルデナイト
を出発原料として触媒を調製した。モルデナイト結晶の
c/aまたはc/bの値は主に30〜500の範囲であ
った。上記のモルデナイトを砕き、粒径2.5〜4.0
mmにふるい分けたもの300gを3規定硫酸2.5l
に投入し30℃で10時間緩やかに振とうした。固相を
ろ別し、新たな3規定硫酸2.5lに投入し更に10時
間振とうした。固相を濾別し、140℃で乾燥、600
℃で5時間焼成して水素イオン型のモルデナイトを得
た。 この水素イオン型モルデナイト100gを採り、
0.01規定の硝酸ナトリウム水溶液400gに1分間
ひたし、直ちに脱イオン水で洗浄しナトリウム含量0.
95wt%のNaH型モルデナイトを得た。これを乾
燥、600℃で焼成し、触媒とした。 この触媒40g
を採り内径1インチのステンレス鋼製反応器に充填し実
施例1と同様の反応条件で15時間メチルアミンの合成
を行なった後反応を中断した。次いで、450℃、15
kg/cm2G.のスチームをSV500で15時間触
媒層に流した後、反応温度300℃で実施例1の反応条
件でメチルアミンの合成を試験した。反応開始150時
間後の反応器出口成分を分析したところ、メタノールの
転化率92%、モノメチルアミンの選択率32.4%、
ジメチルアミン選択率60.5%、トリメチルアミン選
択率7.1%であった。
【0046】実施例6 実施例5で調製した水素イオン型モルデナイトの一部か
ら120g採り、0.1規定の硫酸水溶液に浸し、濾別
後140℃で6時間乾燥した。次いで室温下、空気中に
1晩放置し、ゼオライト細孔に約8%の水分を吸蔵させ
た。ゼオライト細孔には上記水分と共に微量の硫酸が吸
蔵されている。テトラエトキシシランの0.15mol
/l のトルエン溶液0.3l中に上記の調湿済みモル
デナイトを投入し、室温で13時間緩やかに振とうしシ
リル化処理を実施した。次いで固相を濾別し、140℃
で減圧乾燥し、空気雰囲気下に600℃で5時間焼成し
触媒を得た。 触媒のシリル化の程度はSiO2 換算で
触媒に対して2.2wt%であった。内径1.5インチ
のステンレス製反応器に上記触媒100gを充填し、砂
流動浴で外部より加熱した。メタノールを毎時55g、
アンモニアを毎時55gで蒸発器を経て触媒層に圧入
し、触媒層温度294℃、圧力19kg/cm2G.で
反応させた。 反応開始150時間後に反応器出口成分
を分析したところ、メタノール転化率95%、モノメチ
ルアミン選択率35.4%、ジメチルアミン選択率6
3.0%、トリメチルアミン選択率2.0%であった。
本反応を継続し800時間後のメタノール転化率94
%、モノメチルアミン選択率35.6%、ジメチルアミ
ン選択率62.5%、トリメチルアミン選択率1.9%
であった。
【0047】実施例7 実施例5で調製した水素イオン型モルデナイトの一部
を、そのままの状態で触媒として使用した(c/aまた
はc/b=30〜500)。上記の触媒40gを採り、
実施例1と同様の反応器に充填し、実施例1と同様の反
応条件でメチルアミンの合成反応を試験した。反応開始
100時間後に反応器出口成分を分析したところ、メタ
ノール転化率96.7%、 モノ、ジ、およびトリメチ
ルアミンの選択率は、それぞれ24.2%、 48.6
%、および27.2%であった。
【0048】比較例4 比較例1で使用したモルデナイト(c/aまたはc/b
=1〜1.5)の、2規定塩酸処理後の水素イオン型に
交換されたままの状態のものを触媒として使用した。上
記の触媒40gを採り、実施例1と同様の反応器に充填
し、実施例1と同様の反応条件でメチルアミンの合成反
応を試験した。反応開始100時間後に反応器出口成分
を分析したところ、メタノール転化率94.9%、 モ
ノ、ジ、およびトリメチルアミンの選択率は、それぞれ
21.4%、 38.6%、および40.0%であっ
た。
【0049】実施例8 実施例5と同様の方法で調製した水素イオン型モルデナ
イトを採り、0.1規定の硝酸ナトリウム水溶液に3分
間ひたし、濾別、乾燥、ついで500℃に焼成し触媒と
した(c/aまたはc/b=30〜500)。 触媒中
のNa含量は0.95wt%であった。この触媒5gを
内径15mmのガラス製の反応管に充填し、電気炉で外
部より加熱した。メタノールを2.5g/hr、アンモ
ニアを2.5g/hrで反応管に送入し、大気圧下、3
20℃で反応させた。反応管出口ガスを分析したとこ
ろ、メタノール転化率87%、 モノ、ジ、およびトリ
メチルアミンの選択率は、それぞれ36.1%、 5
1.4%、および12.5%であった。
【0050】実施例9 実施例5と同様の方法で調製した水素イオン型モルデナ
イトを採り、0.1規定の硝酸ランタン水溶液に10分
間ひたし、濾別、乾燥、ついで500℃に焼成し触媒と
した(c/aまたはc/b=30〜500)。 触媒中
のランタン含量は 2.1wt%であった。上記触媒に
500℃で常圧の水蒸気をSV=500Hr-1 で3時
間接触させて触媒のスチーム処理を行った。この触媒5
gを内径15mmのガラス製の反応管に充填し、電気炉
で外部より加熱した。メタノールを2.5g/hr、ア
ンモニアを2.5g/hrで反応管に送入し、大気圧
下、320℃で反応させた。反応管出口ガスを分析した
ところ、メタノール転化率90%、 モノ、ジ、および
トリメチルアミンの選択率は、それぞれ37.1%、
52.9%、および10.0%であった。
【0051】実施例10 実施例5で調製した水素イオン型モルデナイトを、大気
圧下、500℃でSV=500Hr-1 で3時間水蒸気
と接触させたものを触媒とした。この触媒5gを内径1
5mmのガラス製の反応管に充填し、電気炉で外部より
加熱した。メタノールを2.5g/hr、アンモニアを
2.5g/hrで反応管に送入し、大気圧下、320℃
で反応させた。反応管出口ガスを分析したところ、メタ
ノール転化率91%、 モノ、ジ、およびトリメチルア
ミンの選択率は、それぞれ35.9%、 51.0%、
および13.1%であった。
【0052】実施例11 合成モルデナイトで、針状( needle form )の結晶形
態を持ち、c/aまたはc/bが4〜8であるものを触
媒の出発原料に使用した。水素イオン型にした上記モル
デナイトを500℃に焼成し、次いで室温で空気中に放
置してモルデナイト細孔に9wt%の水分を吸蔵させ
た。テトラエトキシシラン1.0gをベンゼン9gに溶
解した溶液中に上記モルデナイト10gを投入し、ゆる
やかに撹拌しながら室温(20〜25℃)で30時間シ
リル化し、濾別、乾燥、次いで500℃に焼成し触媒と
した。 触媒のシリル化の程度はSiO2 換算で触媒に
対して3wt%であった。
【0053】この触媒5gを内径15mmのガラス製の
反応管に充填し、電気炉で外部より加熱した。メタノー
ルを2.5g/hr、アンモニアを2.5g/hrで反
応管に送入し、大気圧下、310℃で反応させた。反応
管出口ガスを分析したところ、メタノール転化率91
%、 モノ、ジ、およびトリメチルアミンの選択率は、
それぞれ34.5%、 61.9%、および3.6%で
あった。
【0054】比較例5 合成モルデナイトで、球状(globular form )の結晶形
態を持ち、c/aまたはc/bが2未満であるものを触
媒の出発原料に使用した。上記モルデナイトを水素イオ
ン型とし、500℃に焼成し、次いで室温で空気中に放
置してモルデナイト細孔に8wt%の水分を吸蔵させ
た。テトラエトキシシラン1.0gをベンゼン9gに溶
解した溶液に上記モルデナイト10gを投入し、ゆるや
かに撹拌しながら室温(20〜25℃)で30時間シリ
ル化し、濾別、乾燥、次いで500℃に焼成し触媒とし
た。 触媒のシリル化の程度はSiO2 換算で触媒に対
して3wt%であった。
【0055】この触媒5gを内径15mmのガラス製の
反応管に充填し、電気炉で外部より加熱した。メタノー
ルを2.5g/hr、アンモニアを2.5g/hrで反
応管に送入し、大気圧下、310℃で反応させた。反応
管出口ガスを分析したところ、メタノール転化率90
%、 モノ、ジ、およびトリメチルアミンの選択率は、
それぞれ32.0%、 58.5%、および9.5%で
あった。
【0056】
【発明の効果】メタノールとアンモニアとの反応によ
り、メチルアミン類を製造する際、モルデナイト結晶の
c軸とa軸またはb軸方向の長さの比c/aまたはc/
bが2以上であるモルデナイトを触媒、または触媒製造
の出発原料に使用することで、メチルアミン類の合成活
性を高く保ちトリメチルアミンの生成割合を数%程度の
低い値に低減できる。これにより、トリメチルアミンを
反応系にリサイクルし不均化する工程が省略でき、メチ
ルアミン製造プロセスが簡略化でき、用役使用量も低減
可能となる等工業的に有利なメチルアミン類の製造方法
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】モルデナイトの結晶構造を模式的に示したもの
である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 209/16 C07C 211/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モルデナイトのc軸方向の長さとa軸ま
    たはb軸方向の長さの比、c/aまたはc/bが2以上
    であるモルデナイトの存在下に、メタノール、またはメ
    タノールとジメチルエーテルをアンモニアと反応させる
    ことを特徴とするメチルアミン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 モルデナイトのc/aまたはc/bが3
    以上である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 モルデナイトの外表面が、シリル化剤に
    よりシリル化処理されたものである請求項1または2記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 シリル化処理を液相で行う請求項3記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 モルデナイトが、天然産のモルデナイト
    である請求項1、2、3または4記載の方法。
  6. 【請求項6】 メタノールとアンモニアとの反応を、2
    50〜450℃、1〜40kg/cm2G.で行う請求
    項1、2、3または4記載の方法。
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