JPH08193057A - メチルアミン類の製造方法 - Google Patents

メチルアミン類の製造方法

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JPH08193057A
JPH08193057A JP7002463A JP246395A JPH08193057A JP H08193057 A JPH08193057 A JP H08193057A JP 7002463 A JP7002463 A JP 7002463A JP 246395 A JP246395 A JP 246395A JP H08193057 A JPH08193057 A JP H08193057A
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reaction
mordenite
silylation
catalyst
zeolite
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JP7002463A
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English (en)
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Tadamitsu Kiyoura
忠光 清浦
Kinkai Ou
金▲かい▼ 王
Shinobu Aoki
忍 青木
Keiichi Ikeda
圭一 池田
Kazuaki Matsui
和明 松井
Shuichi Tokumoto
修一 徳元
Kaoru Inoue
薫 井上
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 メタノールとアンモニアとの反応によるメチ
ルアミン類の製造に際し、高反応転化率においてトリメ
チルアミンの生成を抑制し、且つ高い反応活性を有する
高性能触媒を用いたメチルアミン類の製造方法を提供す
る。 【構成】 メタノールとアンモニアとの反応によりメチ
ルアミン類を製造する方法において、モルデナイトまた
はクリノプチルライトよりなる群から選ばれた少なくと
も1種を500℃〜750℃で加熱処理を施し、次い
で、液相においてシリル化剤によりシリル化処理を施
し、更に500℃〜750℃の温度で加熱処理を施した
触媒の存在下に、メタノールとアンモニアとを反応させ
ることを特徴とするメチルアミン類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアミン類の製造方法、よ
り詳しくは、メタノールとアンモニアからメチルアミン
類を製造するに際し、トリメチルアミンよりも、モノお
よびジメチルアミンをより大量に取得する方法、さらに
詳しくは、該反応を促進させるに使用する、トリメチル
アミンの生成の抑制に有効な触媒であるアルミノシリケ
ートを主成分とするゼオライト類を更に高活性化し、且
つトリメチルアミンの生成を抑制する触媒を提供し、そ
の触媒を使用してメタノールとアンモニアからメチルア
ミン類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メチルアミン類、即ちモノメチルアミ
ン、ジメチルアミンおよびトリメチルアミンはメタノー
ルまたはメタノールとジメチルエーテルの混合物をアン
モニアと反応させる方法や、青酸を水素で接触還元する
方法等で製造されている。これらのメチルアミン類はモ
ノ、ジおよびトリメチルアミンの混合物として生成し、
各々に対応した用途を有している。一方、これらメチル
アミン類の需要は、ジメチルアミンまたはモノメチルア
ミンに偏っており、トリメチルアミンの需要は現状では
極めて少ない。
【0003】通常、知られている非晶質シリカアルミナ
を触媒としてメタノールとアンモニアの反応で得られる
メチルアミン類は、トリメチルアミンが反応平衡上主生
成物となり、需要の多いジメチルアミンの取得量が少な
いという難点があった。これらの難点を克服するため
に、炭素数1〜18のアルコールとアンモニアとの反応
に、孔径5〜10オングストロームの値を有する脱水し
た結晶性アルミノシリケート(ゼオライト)を触媒に用
いると、モノ、およびジアミンがトリアミンより優先的
に生成することが開示されている。また、上記した反応
に適したゼオライトの種類として、天然ゼオライトおよ
び合成ゼオライトが示されている。天然ゼオライトとし
て、フォージャス石、アナルサイト、クリノプチルライ
ト、フェリエライト、チャバサイト、グメリナイト、レ
ビナイト、エリオナイトおよびモルデナイト等が適当で
あると開示されている。
【0004】合成ゼオライトとしては、X型、Y型、お
よびA型等が適当であると開示されている(米国特許
3,384,667号,1968年)。メタノールとア
ンモニアを特定割合で混合し、モルデナイト等の触媒の
存在下に反応させモノメチルアミンを特異的に多く取得
する方法(特開昭56−113747号)、および、ナ
トリウム型モルデナイトから選ばれる結晶質アルミノシ
リケートでモノメチルアミンを不均化しジメチルアミン
を高選択的に得る(特開昭56−46846号)方法も
開示されている。
【0005】上記の米国特許3,384,667号と同
様な方法で使用するモルデナイトに天然産の鉱物を使用
する方法(特開昭57−169444号)、ランタンイ
オンでイオン交換したモルデナイトを触媒に使用する方
法(特開昭58−49340号)、アルカリ金属のイオ
ン交換量を特定の範囲に限定したモルデナイトを触媒に
使用する方法(特開昭59−210050号)、触媒に
スチーム処理をしたモルデナイトを使用する方法(特開
昭59−227841号)、低バインダー含有量のA型
ゼオライトを触媒として使用する方法(特開昭58−6
9846号)または、Rho型(ZK−5)ゼオライト
を触媒とする方法等も開示されている。以上の方法でゼ
オライト系の触媒を使用するとトリメチルアミンの生成
量を抑制することが出来るが、更にトリメチルアミンの
生成量をゼロないし実質的にゼロとすることを目的にモ
ルデナイトの細孔を四塩化珪素のCVD(Chemic
al Vapor Deposition)処理で修飾
したものを触媒として使用する方法も知られている(特
開平 3−262540号;J.Catal.,131
巻、482頁(1991);米国特許5,137,85
4号)。
【0006】チャバサイト、エリオナイト、ZK−5お
よびRho型ゼオライト上にケイ素、アルミニウム、リ
ンまたはホウ素を沈着させ修飾したものを触媒にする方
法(特開昭61−254256号 、米国特許4,68
3,334号)でトリメチルアミンの生成を低減する方
法も開示されている。また、非ゼオライト系モレキュラ
ーシーブのSAPOを触媒としてアルコールとアンモニ
アを反応させてアルキルアミンとする方法(特開平 2
−734号)も知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
知られている種々のゼオライト系触媒をメタノールとア
ンモニアとの反応に使用することで、需要の少ないトリ
メチルアミンの生成量を低減、抑制し、需要の多いジメ
チルアミンの取得量を高めることが出来るようになって
いる。しかしながら、これらのゼオライト系の化合物を
触媒に使用してもトリメチルアミンの生成割合を通常1
0%、あるいは、せいぜい5%程度までにしか低減でき
ない。トリメチルアミンの生成量を1〜3%程度にまで
低減できれば、需要の少ないトリメチルアミンを反応系
にリサイクルし不均化する必要がなく製造プロセスが簡
単となりスチーム等の用役の低減が可能となる。
【0008】トリメチルアミンの生成量を数%に低減す
る方法としてモルデナイトに四塩化珪素をCVD(Ch
emical Vapor Deposition)に
より沈着させたものを触媒として使用する方法が開示さ
れている。(特開平 3−262540号;米国特許
5,137,854号)。しかしながら、この方法は実
験室的には容易に実施できるが、工業的な観点からは触
媒を大量生産するには困難な方法であり、また沈着しな
い四塩化珪素が大量に残り、これを回収再使用すること
は困難であり、製造方法および、経済性の双方に問題が
生じる。
【0009】ZK−5、あるいはRho型ゼオライトを
珪素、アルミニウム、リンまたはホウ素化合物で処理す
る方法でトリメチルアミンを数%にまで低減する方法
(米国特許4,683,334号)もあるが、ZK−
5、Rhoのような特殊な合成ゼオライトを用いる等の
難点がある。
【0010】ここにおいて、モルデナイト、クリノプチ
ルライト等のアルミノシリケートを主成分とするゼオラ
イトを液相においてテトラアルコキシシラン等のシルル
化剤と接触処理し、ゼオライトの細孔径、外表面酸点を
制御することで、トリメチルアミンの生成を効率よく数
%以下に抑制する方法が提案されている(特開平 6−
179640号、特願平 6−68478号、特願平
6−97168号など)。これらの方法では、モルデナ
イト等のゼオライトを液相においてシリル化剤でシリル
化することから、前記したCVD法による四塩化ケイ素
の沈着のように実質的に工業的には実施困難ではなく、
充分工業的規模の生産の可能な触媒調製方法となり、且
つトリメチルアミンの生成を極めて効率的に抑制するこ
とが出来る触媒が提供され、優れた触媒となる。しかし
ながら、これらの方法では液相におけるシリル化の条件
は定かではなく、トリメチルアミンの生成抑制と、触媒
の活性向上には未だ理想的とはいい難い点もあった。
【0011】本発明の目的とするところは上記モルデナ
イトまたはクリノプチルライトよりなる群から選ばれた
少なくとも1種のゼオライトの液相シリル化されたトリ
メチルアミンの生成を抑制するメチルアミン製造触媒を
さらに、高活性且つ、トリメチルアミンの生成を抑制す
る触媒とする方法を提供するとともに、この触媒を用い
た効率的なメチルアミン類の製造方法を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、メタノー
ルとアンモニアとの反応によるメチルアミン類の製造方
法において、液相においてシリル化剤によりシリル化さ
れた、モルデナイト、クリノプチルライト等のアルミノ
シリケートを主成分とするゼオライト類が、トリメチル
アミンの生成を抑制する優れた触媒であることに着目
し、該触媒において更に、トリメチルアミンの生成を抑
制し、且つ高活性な触媒とすることを鋭意検討した結
果、モルデナイトまたはクリノプチルライトよりなる群
から選ばれた少なくとも1種のゼオライトの細孔制御法
における液相シリル化において、予めシリル化工程を行
う前にゼオライトの一定温度範囲での加熱処理(第一加
熱工程)とシリル化工程の後に再度一定温度範囲での加
熱処理(第二加熱工程)を施すことで、ゼオライトへの
シリル化の効果が格段に向上し、かつ高い反応活性を発
現させ、高い反応転化率においてトリメチルアミンの生
成量が極めて少量となることを見いだし本発明を完成す
るに至った。
【0013】即ち、本発明はメタノールとアンモニアと
の反応によりメチルアミン類を製造する方法において、
モルデナイトまたはクリノプチルライトよりなる群から
選ばれた少なくとも1種を500℃〜750℃で加熱処
理(第一加熱工程)を施し、次いで、液相においてシリ
ル化剤によりシリル化処理を施し、更に500℃〜75
0℃の温度で加熱処理(第二加熱工程)を施した触媒の
存在下に、メタノールとアンモニアとを反応させること
を特徴とするメチルアミン類の製造方法である。
【0014】本発明に使用する通常のモルデナイトは一
般式:Na8(Al8Si4096)・24H2O で表される
アルミノシリケートである(ATLAS OF ZEOLITE STRUCTU
RE TYPES, W. M. Meiler and D. H. Olson, 1987,Butte
rworths)。 また、一般式: Me1/n(AlSi512)・3H2O (Meはn価のアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原
子または水素原子を表す。)で標記されている(特開昭
59−210050号;特開昭57−169444号
等)場合もある。
【0015】これらの通常のモルデナイトでは、天然モ
ルデナイトまたは合成モルデナイト(Norton社Z
eolon、UCC社LZM−8、La Grande
Paroisse社CM−180等)を問わず、その
Si/Al比は5、シリカ/アルミナ比(SiO2/A
23) で示すと10近傍のモルデナイトである。
【0016】本発明においては更に、シリカ/アルミナ
比が10以上、更には11以上のモルデナイトを使用す
ることも出来る。シリカ/アルミナ比が11以上のモル
デナイトは、通常の合成もしくは天然モルデナイトに酸
処理、あるいは酸処理とスチーム処理を併用する等の通
常の方法を施すことにより得ることも出来るし、ケイ酸
ソーダ水溶液と塩化アルミニウム水溶液で (10+n)Na2O(3+n)Al23(87−n)Si
2 (式中、nは0〜4)の組成を有するゲル状のスラリー
を調製し、これを130℃〜250℃で10時間〜数日
間水熱合成することにより製造する(Am. Mineral. 65
巻、1012(1972))ことも出来る。また、本発明に使用す
るクリノプチルライトはNa6(Al6Si3072)24
2O の組成である。このままのシリカ/アルミナ比で
使用しても差し支えないし、あるいは酸処理、スチーム
処理等によりシリカ/アルミナ比を高めたものでもよ
い。
【0017】本発明の方法においては、使用するモルデ
ナイトもしくはクリノプチルライトは、特にその形態
(イオン交換の状態)に関しては制限されることはない
が、通常水素イオン型のものを使用することが好まし
い。合成もしくは天然のモルデナイトまたはクリノプリ
ルライトは通常、主にナトリウムイオン型として得られ
る。本発明方法においては、ナトリウムイオン型等の金
属交換型のものを使用しても差し支えないが、シリル化
の効率、さらには反応活性の観点から水素イオン型を使
用することが推奨される。特に、水素イオン型で且つ、
これらモルデナイトまたはクリノプチルライト中のナト
リウムの含有量が0.2重量%未満であるものが、反応
活性およびシリル化の効率の観点から推奨される。
【0018】アルカリ金属、アルカリ土類金属等のカチ
オンで交換されている上記ゼオライトのナトリウム含有
量を上記の値未満にし、同時に水素イオン型に転換する
には種々の方法が採用されるが、本発明方法においては
これらの方法に関しては特に限定されることはない。実
施し易い方法として例示すれば、硝酸アンモニウム、塩
化アンモニウム等のアンモニウム塩水溶液中にイオン交
換すべき上記ゼオライトを投入してイオン交換する。ア
ンモニウム塩水溶液の濃度は一般的に0.1〜2規定の
範囲が多用され、ゼオライト中のイオン交換すべきカチ
オン量の2〜10倍のアンモニウム塩に対応する量のア
ンモニウム塩水溶液を使用する方法が挙げられる。イオ
ン交換する際の温度は特に限定されないが実施し易い温
度範囲としては室温〜アンモニウム塩水溶液の沸点の範
囲で行うことが好ましい。また、イオン交換に要する時
間は特に限定されないが、通常1〜30時間の範囲が多
用される。イオン交換は上記例示等の操作を1回以上、
通常2〜3回繰り返すことで上記ゼオライト中のナトリ
ウム含有量を0.2重量%未満に低減することが出来
る。アンモニウム塩でイオン交換した上記ゼオライトは
脱イオン水で洗浄後、固液分離し乾燥して、シリル化に
先立つ第一加熱工程に供する。
【0019】使用する上記ゼオライト中のナトリウム含
有量を所定の値未満にし、水素イオン型とする方法とし
て、上記アンモニウム塩水溶液で処理する以外には、直
接、酸水溶液でイオン交換処理する方法も挙げられる。
この際に使用する酸は塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸水溶液
が最も実施し易い方法として推奨されるが、その他のプ
ロトン酸(有機酸)等を使用しても差し支えない。
【0020】使用する酸水溶液の濃度は特に規定されな
くいかなる濃度で実施してもかまわないが、通常6規定
以下、特に0.5〜5規定の範囲が多用される。使用さ
れる酸の量は交換すべきゼオライト中のカチオンの2〜
10倍量が使用される。酸によるイオン交換処理につい
ても同様にイオン交換の操作を1回以上繰り返すことで
必要に応じてナトリウム含有量を0.2重量%未満にす
ることができる。酸水溶液によりイオン交換したゼオラ
イトも同様に脱イオン水で洗浄後固液分離し、乾燥後第
一加熱工程に供する。本発明方法において、水素イオン
型モルデナイトまたは水素イオン型クリノプチルライト
とする方法としては、硫酸、硝酸、塩酸等の鉱酸水溶液
による処理により、極めて良好な触媒性能(反応活性と
トリメチルアミン生成抑制)が得られ且つ、経済的な処
理法となり推奨される。
【0021】本発明における触媒は上記モルデナイトま
たはクリノプチルライトよりなる群から選ばれた少なく
とも1種を好ましくは上記処方により、水素イオン型、
または水素イオン型で且つナトリウム含有量を0.2重
量%未満として第一加熱工程に供する。
【0022】本発明方法において、ゼオライトのシリル
化の効果及び高反応活性且つ、極めて高いトリメチルア
ミンの生成抑制効果を発現させるためには、シリル化工
程前の第一加熱工程及びシリル化処理後の第二加熱工程
を行うことが極めて重要である。何れかの加熱工程を省
略すれば、触媒の活性及びトリメチルアミンの生成抑制
効果は極端に低下を来す。
【0023】ここにおいて、本発明で実施する第一加熱
工程に付いてその実施態様を述べる。加熱温度は第一加
熱及び第二加熱工程とも500℃〜750℃、更に好ま
しくは600℃〜700℃の範囲で行う。これ以下の温
度範囲では加熱処理の効果は小さく、触媒の反応活性が
低下すると共にそのトリメチルアミンの生成抑制効果も
小さい。またこれ以上の範囲での加熱では実質的に本発
明の触媒調製に用いるゼオライトが熱的に分解し、触媒
性能が極端に低下する恐れがある為である。
【0024】加熱時間に関しては特に限定されないが、
第一加熱及び第二加熱工程ともに、通常0.5〜24時
間、好ましくは1〜12時間、更に好ましくは2〜6時
間の範囲である。余りに短時間で有れば、本発明で実施
する加熱処理の効果は実質的に得られない。また、長時
間の加熱は本発明においてその加熱効果を発現させるに
はさほどの支障は来さないが、上記時間での加熱で通常
充分であり、極端な長時間加熱はエネルギーの観点から
経済的とはいえない。
【0025】第一加熱工程における加熱方法としては、
通常の電気炉(管状炉、マッフル炉等)による加熱等、
その加熱装置は特に限定されなく、上記温度範囲及び時
間で継続的もしくは断続的に加熱できる装置であるなら
ばいかなる装置を用いても差し支えない。また、その加
熱における雰囲気も特に限定されず、通常の空気雰囲気
下で加熱して差し支えない。また、窒素、アルゴン、ヘ
リウム等の不活性気体雰囲気下で加熱しても差し支えな
い。
【0026】第二加熱工程における加熱方法も、その装
置等は第一加熱工程同様に特に限定はされない。また、
加熱雰囲気も特に限定はされないが、より好ましい加熱
雰囲気としては、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性
気体の雰囲気下に加熱を行うことが推奨される。第二加
熱工程を不活性気体雰囲気下に加熱することで、とりわ
け触媒のトリメチルアミンの生成抑制効果が向上するか
らである。
【0027】本発明におけるシリル化剤によるシリル化
処理とは、液相で上記した、第一加熱工程、または酸処
理工程等により、水素イオン交換型、水素イオン交換型
且つナトリウム含有量を0.2重量%未満とし第一加熱
工程を経たモルデナイトまたはクリノプチルライトより
なる群から選ばれた少なくとも1種のゼオライトとシリ
ル化剤との接触により行われる。シリル化方法として
は、所定量のシリル化剤を上記ゼオライトと必要である
ならば溶媒で希釈して、室温もしくは加熱状態で懸濁状
態で接触をさせる等の方法で実施される。懸濁状態で接
触をさせる際に攪拌を行うことも差し支えない。
【0028】本発明において特に推奨される液相シリル
化方法として、例えばシリル化に先立ち、予め上記第一
加熱工程に供せられた上記ゼオライト中の水分含有量を
実質的に0ないし1重量%、もしくは3〜15重量%に
調整した後シリル化を行うことが好適な触媒とするため
に好ましい。上記ゼオライト中の水分含有量を0ないし
1重量%に調整した場合には水と均一に混ざりあう溶媒
を用いてシリル化剤とゼオライトとを懸濁状態で接触さ
せることが推奨される。また、上記ゼオライト中の水分
含有量を3〜15重量%に調整した場合には、水と二液
相を形成する溶媒を用いてシリル化を行うことが推奨さ
れる。
【0029】ここにおいてシリル化に先立ち必要に応じ
てモルデナイトの水分量を調整する方法は種々の方法で
実施できるが、実施し易い方法としては、上記方法で第
一加熱工程に供せられたゼオライトは、実質的に水分量
を0とすることが出来る。また水分量を調整する方法と
しては実質的に水分量を0としたゼオライトを0℃〜6
0℃程度で水の蒸気圧の水分を吸着させることにより達
成される。
【0030】水と均一の混ざりあう溶媒とは、水と溶媒
が均一相を形成させうる溶媒で且つ、シリル化剤を溶解
させうる溶媒であるならば、本発明においてはいずれの
溶媒を用いても差し支えないが、好ましい溶媒として例
示すれば、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール、メ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類等
が挙げられる。
【0031】水と二液相を形成する溶媒とは、水と溶媒
を混合した際に、実質的に界面形成をし、且つシリル化
剤を溶解させうる溶媒である。好ましい溶媒として例示
すれば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサ
ン等の脂肪族もしくは脂環式炭化水素類、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエー
テル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類が入手し
易い溶媒として挙げられる。
【0032】シリル化に使用するシリル化剤としては、
通常のシリル化剤であれば、いずれのシリル化剤を用い
ることも可能であるが、入手し易いものとして例示すれ
ば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の
ケイ素のアルコキサイド、四塩化ケイ素、ジメチルジク
ロロシラン、トリメチルクロロシラン、テトラメチルジ
シラザン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
【0033】溶媒を用いてシリル化を実施する場合には
シリル化剤の溶媒に対する濃度は特に限定はされない
が、1〜30重量%の範囲であることが好ましい。ま
た、用いる溶媒中の水分量は少量であれば少量であるほ
ど好ましい。水分量が多ければ、シリル化剤が加水分解
され、無駄に消費され効率的にシリル化が行われない恐
れがある。
【0034】シリル化処理を行う温度は特に限定されな
いが、例えば液相でのシリル化では室温ないしは溶液の
沸点で実施することが好ましく、通常20〜200℃の
範囲で行う。加圧下でのシリル化を行う場合には更に処
理温度を高くすることも可能である。シリル化処理に要
する時間は主としてその処理温度により変化するが室温
近傍では6時間〜100時間、60〜90℃では2〜2
0時間の範囲が多用される。シリル化処理を終了したモ
ルデナイトは、例えば液相処理の場合には、濾過または
遠心分離等の通常の方法により処理液から分離し、窒素
等の不活性気体の雰囲気下に加熱するか、減圧下に加熱
し付着または吸着している溶媒等を除去した後、第二加
熱工程に供する。
【0035】この時、上記したゼオライトのシリル化剤
によるシリル化処理は1回だけでなく、複数回繰り返し
実施しても差し支えない。特に実質的に水分量0ないし
1重量%の上記ゼオライトを水と均一相を形成する溶媒
を用いてシリル化処理を行う場合は、シリル化−乾燥−
焼成(第二加熱工程)を複数回繰り返すことでトリメチ
ルアミンの生成量を1%以下に抑制する触媒とすること
も出来る。水分量3〜15%の上記ゼオライトを水と二
相を形成する溶媒を用いてシリル化処理を行う場合は通
常1回のシリル化工程でトリメチルアミンの生成量を充
分低く低減できるので、複数回の処理を行うことが不要
の場合が多い。
【0036】触媒の形態は特に限定されることはない
が、好ましくは粒状等で用いることが推奨される。出発
原料であるモルデナイトまたはクリノプチルライトより
なる群から選ばれた少なくとも1種のゼオライトが粒状
もしくは錠剤に成型済みで有ればそのまま触媒として使
用し、粉状で有れば通常の方法により押し出し、または
打錠成型して用いることが反応器への充填のしやすさ等
の観点から好ましい。
【0037】本発明方法で使用する反応原料は、メタノ
ールまたはメタノールとジメチルエーテルとの混合物と
アンモニアである。アンモニアとメタノールとのモル比
は特に限定されないが、通常NH3/MeOH モル比で
0.5以上、好ましくは1〜10更に好ましくは1〜4
の範囲である。反応形態は特に限定はされないが好まし
くは、気相で固定床もしくは流動床流通反応で実施する
事が推奨される。この際、充填された触媒層に供給する
反応気体の量は特に限定されないが、好ましくは空間速
度(SV)で示すと200〜20000/時間の範囲で
ある。
【0038】反応圧力は特に限定はされなく、常圧、加
圧、減圧のいずれの圧力で実施する事も可能であるが、
好ましくは常圧〜30Kg/cm2G.更に好ましくは10〜
25Kg/cm2G.の範囲で実施する。
【0039】反応温度も同様に特に限定されないが、好
ましくは250〜450℃、更に好ましくは250〜3
50℃である。余りに高温で実施すれば、好ましからざ
る副生物が多量に生成し、経済的とはならず、また余り
に低温で実施すれば、実質的に好ましい反応転化率を達
成する事は困難となるからである。
【0040】本発明において使用する反応装置は特に限
定される事はないが、実施し易い装置としては、通常の
固定床または流動床反応装置である。本反応は約14K
Cal/molの発熱反応であるため、固定床反応器を
使用する場合には反応熱の除去に留意する事がトリメチ
ルアミン生成を低いレベルに保つのに重要である。この
目的で、多管式の反応器の採用が好ましい。多管式反応
器のチューブ径は一般的には1〜3インチの範囲が多用
されている。
【0041】反応装置の出口ガス(反応ガス)は通常の
分離精製装置によりメチルアミン類を単離取得する事が
出来るが、本発明方法を実施する事でトリメチルアミン
の生成が1%程度と低いため、トリメチルアミンの分離
工程が小型となり、トリメチルアミンを反応系にリサイ
クルする工程が不要となる等、全製造工程が簡素化され
る。また、反応系へのリサイクル量の低減によりスチー
ム等の用役使用量が削減される。
【0042】
【実施例】以下実施例により、本発明をより詳細に説明
する。 実施例1 合成モルデナイト150gを0.5規定硝酸アンモニウ
ム水溶液1l中に懸濁させ油浴上で加熱還流を4時間行
った後、モルデナイトを濾別し、更に新たな0.5規定
硝酸アンモニウム水溶液を加え、同様な操作を3回繰り
返し、濾別、水洗しアンモニウム型モルデナイトとし、
これを減圧下、120℃で2時間の乾燥後、600℃、
3時間空気下に加熱(第一加熱工程)を行った。これに
より実質的に水分含有率0の水素イオン型モルデナイト
とした。このモルデナイト中のナトリウム含有量は0.
13重量%であった。テトラエトキシシラン7.5gを
エタノール100gに溶解した溶液に上記の実質的に水
分含有率0の水素イオン型モルデナイト60gを懸濁さ
せ60℃で8時間加熱振とうしてシリル化を行った。こ
れを濾別しエタノールで洗浄後、120℃、2時間減圧
下に加熱乾燥し、更に空気気流中で600℃、3時間の
加熱(第二加熱工程)を行った。これを打錠成型し3m
m×3mmの錠剤とし、触媒として使用した。
【0043】この触媒20mlを内径20mmのステン
レススチール製反応管に充填し、外部より砂流動浴で加
熱した。メタノール5.5g/時およびアンモニア7.
5g/時を気化器を通して反応管に圧入し、触媒層温度
を310℃に保ちながら、圧力20Kg/cm2G で反
応させた。反応開始30時間後に反応管出口成分(反応
ガス)を補集し分析した。結果は表1に示した。
【0044】実施例2 実施例1における触媒調製工程で、第一加熱工程の加熱
温度を700℃とした以外は総て実施例1と同一の条件
で合成モルデナイトから触媒を調製し、この触媒を用い
て実施例1と全く同一の反応装置、反応方法及び反応条
件で反応を行った。結果は表1に掲げた。
【0045】実施例3 実施例1における触媒調製工程で、第二加熱工程の加熱
温度を700℃とした以外は総て実施例1と同一の条件
で合成モルデナイトから触媒を調製し、この触媒を用い
て実施例1と全く同一の反応装置、反応方法及び反応条
件で反応を行った。結果は表1に掲げた。
【0046】実施例4 合成モルデナイト150gを0.5規定硝酸アンモニウ
ム水溶液1l中に懸濁させ油浴上で加熱還流を4時間行
った後、モルデナイトを濾別し、更に新たな0.5規定
硝酸アンモニウム水溶液を加え、同様な操作を3回繰り
返し、濾別、水洗しアンモニウム型モルデナイトとし、
120℃で減圧下2時間これを乾燥し、第一加熱工程と
して空気気流中600℃、3時間の加熱処理を行い、実
質的に水分含有率0の水素イオン型モルデナイトとし
た。このモルデナイト中のナトリウム含有量は0.13
重量%であった。得られた水素イオン型モルデナイトを
室温下、空気中に24時間放置した。この結果、水素イ
オン型モルデナイト中の水分含有率は12.8重量%と
なった。テトラエトキシシラン12gをベンゼン100
gに溶解した溶液に、上記水分を含有した水素イオン型
モルデナイト60gを懸濁させて室温で40時間緩やか
に震とうし、シリル化を行った。シリル化終了後、モル
デナイトを濾別し、120℃で減圧下2時間乾燥した。
次いで空気気流中600℃で3時間の加熱(第二加熱工
程)を行った。これを打錠成型し、3mm×3mmの錠
剤に成型した。これを触媒とし、実施例1と同一の反応
器に入れ、反応温度を300℃とした以外は実施例1と
全く同一の反応方法及び反応条件で反応を行った。結果
は1に掲げた。
【0047】実施例5 触媒原料であるモルデナイトを合成ゼオライトから粒径
2〜4mmの天然ゼオライト(モルデナイト含有率約7
0重量%)とした以外は総て実施例4と同一の条件で水
素イオンへのイオン交換、第一加熱工程、シリル化及び
第二加熱工程を行って触媒を調製した。このとき、第一
加熱工程へ供された水素イオン型ゼオライトのナトリウ
ム含有率は0.14重量%であり、第一加熱工程後、シ
リル化前のゼオライトの水分含有量は9.7重量%であ
った。これを成型することなく触媒として用い、実施例
4と全く同一の反応装置、反応方法及び反応条件で反応
を行った。結果は表1に示した。
【0048】実施例6 実施例5において触媒を調製する際に、水素イオンへの
イオン交換をせず、市水洗浄を行ったのみとした以外は
総て実施例5と同一の条件及び方法で触媒を調製した。
このとき、第一加熱工程へ供されたゼオライトのナトリ
ウム含有率は1.3重量%であり、第一加熱工程後、シ
リル化前のゼオライトの水分含有量は11.2重量%で
あった。これを触媒として用いて実施例5と全く同一の
反応装置、反応方法及び反応条件で反応を行った。結果
は表1に掲げた。
【0049】実施例7 実施例5における触媒調製方法で、0.5規定での硝酸
アンモニウム水溶液による処理の代わりに、2規定塩酸
1lを用いて50℃で10時間の浸とう処理を3回行い
水素イオン型へのイオン交換した以外は総て実施例5と
同一の条件および方法で触媒を調製した。このとき、第
一加熱工程へ供されたゼオライトのナトリウム含有率は
0.14重量%であり、第一加熱工程後、シリル化前の
ゼオライトの水分含有量は10.2重量%であった。こ
れを触媒として用いて実施例5と全く同一の反応装置、
反応方法及び反応条件で反応を行った。結果は表1に掲
げた。
【0050】実施例8 2規定塩酸を2規定硫酸とした以外は実施例7と全く同
一の方法および条件で触媒を調製した。このとき、第一
加熱工程へ供されたゼオライトのナトリウム含有率は
0.14重量%であり、第一加熱工程後、シリル化前の
ゼオライトの水分含有量は10.5重量%であった。こ
れを触媒として用いて実施例5と全く同一の反応装置、
反応方法及び反応条件で反応を行った。結果は表1に掲
げた。
【0051】実施例9 実施例8における触媒調製方法において、第二加熱工程
を窒素気流下に行った以外は総て実施例8と同一の条
件、方法で触媒を調製し、この触媒を用いて実施例8と
全く同一の反応装置、反応方法及び反応条件で反応を行
った。結果を表1に掲げた。
【0052】
【表1】 表1 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MeOH 選択率(重量%) 転化率(%) MMA DMA TMA ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1 91.5 36.2 60.4 3.4 実施例2 93.7 36.7 60.1 3.2 実施例3 91.0 37.0 60.8 2.2 実施例4 92.8 36.7 61.4 1.9 実施例5 94.2 36.5 60.2 3.3 実施例6 85.2 44.2 54.8 1.0 実施例7 94.6 36.1 60.8 3.1 実施例8 95.8 36.4 60.7 2.9 実施例9 95.6 36.8 61.2 2.0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 注 MMA:モノメチルアミン DMA:ジメチルアミン TMA:トリメチルアミン 反応成績は、反応開始後、30時間経過した後の反応生
成ガスを捕集し分析した値である。
【0053】実施例10〜 14、及び比較例1〜4 実施例8における第一加熱工程及び第二加熱工程の温度
をそれぞれ表2に示したように変えた以外は総て実施例
8と同一の方法及び条件で触媒を調製し、この触媒を用
いて実施例8と全く同一の反応装置、反応方法及び反応
条件で反応を行った。結果を表2に掲げた。尚、実施例
8の結果も同時に表2に掲げた。
【0054】
【表2】 表2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 加熱温度(℃) MeOH 選択率(重量%) 第一加熱 第二加熱 転化率(%) MMA DMA TMA ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例8 600 600 95.8 36.4 60.7 2.9 実施例10 600 700 94.9 36.9 62.2 0.9 比較例1 600 800 83.0 33.6 60.6 5.8 比較例2 800 600 89.3 33.8 61.1 5.1 実施例11 500 700 95.2 36.5 62.3 1.2 実施例12 700 700 96.7 37.2 61.9 0.9 実施例13 700 600 96.3 36.1 60.9 3.0 実施例14 700 500 94.0 36.4 60.1 3.5 比較例3 250 600 88.1 32.9 62.2 4.9 比較例4 600 400 93.8 30.5 62.8 6.7 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 注 MMA:モノメチルアミン DMA:ジメチルアミン TMA:トリメチルアミン 反応成績は、反応開始後、30時間経過した後の反応生
成ガスを捕集し分析した値である。
【0055】実施例15 天然産クリノプチルライト(クリノプチルライト含有量
74重量%、粒径2.5〜3.5mm)500gを5規
定硫酸2.5lを使用し、室温で12時間緩やかに震と
うした後、固液分離し、更にこの固体を新たな5規定硫
酸2.5lで同様に室温で12時間震とう処理を施し、
固液分離し、脱イオン水により充分固体洗浄し、水素イ
オン型クリノプチルライトとした。これを減圧下120
℃で乾燥した後、第一加熱工程として空気下、600℃
で加熱処理を施した。このクリノプチルライト中のナト
リウム含有量は0.1重量%であった。第一加熱工程終
了後の水素イオン型クリノプチルライトを室温下、空気
中に24時間放置した。この結果、水素イオン型クリノ
プチルライト中の水分含有量は13.8%重量となっ
た。
【0056】テトラエトキシシラン11gをベンゼン1
00gに溶解した溶液に、上記の水分を含有した水素イ
オン型クリノプチルライト60gを懸濁させて室温で1
00時間緩やかに震とうし、シリル化を行った。シリル
化終了後、クリノプチルライトを濾別し、減圧下120
℃で乾燥した。次いで空気下600℃で4時間の加熱
(第二加熱工程)を行い、触媒を調製した。上記、調製
された触媒を用いて、実施例1と全く同一の反応装置、
反応方法及び反応条件で反応を行った。結果は表3に掲
げた。
【0057】実施例16〜20 実施例15において、第一加熱工程及び第二加熱工程を
表3に示したように、加熱温度を変えた以外は総て実施
例15と同一の条件、方法で触媒を調製した。この時、
第一加熱工程後のナトリウム含有率はそれぞれ0.1重
量%であり、室温に放置したクリノプチルライトの水分
含有率はそれぞれ14%以下であった。 これらの触媒
を用いて、実施例1と全く同一の反応装置、反応方法及
び反応条件で反応を行った。結果はそれぞれ表3に示し
た。
【0058】比較例5〜8 実施例15において、第一加熱工程及び第二加熱工程を
表3に示したように、加熱温度を変えた以外は総て実施
例15と同一の条件、方法で触媒を調製した。この時、
第一加熱工程後のナトリウム含有率はそれぞれ0.1重
量%であり、室温に放置したクリノプチルライトの水分
含有率はそれぞれ14%以下であった。これらの触媒を
用いて、実施例1と全く同一の反応装置、反応方法及び
反応条件で反応を行った。結果はそれぞれ表3に示し
た。
【0059】
【表3】 表3 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 加熱温度(℃) MeOH 選択率(重量%) 第一加熱 第二加熱 転化率(%) MMA DMA TMA ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例15 600 600 92.1 37.4 59.1 3.5 実施例16 600 700 90.7 36.0 61.4 2.6 実施例17 500 700 91.3 36.5 60.6 2.9 実施例18 700 700 92.9 35.6 61.9 2.5 実施例19 700 600 93.1 36.7 59.7 3.6 実施例20 700 500 91.8 36.8 59.9 3.3 比較例5 600 800 80.9 30.6 62.2 7.2 比較例6 800 600 86.2 32.5 60.9 6.6 比較例7 200 600 85.1 32.3 62.4 5.3 比較例8 600 400 91.0 29.9 62.0 8.1 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 注 MMA:モノメチルアミン DMA:ジメチルアミン TMA:トリメチルアミン 反応成績は、反応開始後、30時間経過した後の反応生
成ガスを捕集し分析した値である。
【0060】
【発明の効果】メタノールとアンモニアとの反応によ
り、メチルアミン類を製造する際に、モルデナイトまた
はクリノプチルライトよりなる群から選ばれた少なくと
も1種のゼオライトを好ましくは、前処理として酸等で
水素イオン型とし、且つナトリウム低含有量としたもの
を、500〜750℃で加熱処理(第一加熱工程)を施
し、液相においてシリル化し、更に500〜750℃で
の加熱処理(第二加熱工程)を施した触媒を用いること
で、極めて高い反応転化率(高活性)のもとで、極めて
低いトリメチルアミンの生成割合(トリメチルアミンの
生成抑制)でメチルアミン類を製造することが可能とな
る。 本製造方法でメチルアミン類を製造することで、
トリメチルアミンを反応系にリサイクルし、不均化する
工程を省略することが可能となり、メチルアミンの製造
プロセスの簡略化ができ、用役使用量も削減可能となる
等、工業的に極めて有利なメチルアミン類の製造方法と
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 圭一 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 松井 和明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 徳元 修一 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 井上 薫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタノールとアンモニアとの反応により
    メチルアミン類を製造する方法において、モルデナイト
    またはクリノプチルライトよりなる群から選ばれた少な
    くとも1種を500℃〜750℃で加熱処理を施し、次
    いで、液相においてシリル化剤によりシリル化処理を施
    し、更に500℃〜750℃の温度で加熱処理を施した
    触媒の存在下に、メタノールとアンモニアとを反応させ
    ることを特徴とするメチルアミン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 モルデナイトまたはクリノプチルライト
    が、水素イオンでイオン交換されたモルデナイトまたは
    クリノプチルライトである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 モルデナイトまたはクリノプチルライト
    が、予め酸処理されて水素イオンでイオン交換され、且
    つナトリウム含有量が0.2重量パーセント未満である
    請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 シリル化処理を施した後の加熱処理を、
    不活性気体の雰囲気下に行う請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 不活性気体が窒素、ヘリウムまたはアル
    ゴンよりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求
    項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 液相においてのシリル化に際して、モル
    デナイトまたはクリノプチルライトの水分含有量を実質
    的に0ないし1重量パーセントとして、アルコールを溶
    媒としてシリル化を行う請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 液相においてのシリル化に際して、モル
    デナイトまたはクリノプチルライトの水分含有量を予め
    3〜15重量パーセントの範囲に調整した後、脂肪族炭
    化水素、脂環式炭化水素または芳香族炭化水素を溶媒と
    してシリル化を行う請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 シリル化剤がアルコキシシラン類、ハロ
    ゲン化シラン類よりなる群から選ばれた少なくとも1種
    である請求項1、6または7記載の方法。
JP7002463A 1995-01-11 1995-01-11 メチルアミン類の製造方法 Pending JPH08193057A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023063244A1 (ja) * 2021-10-11 2023-04-20 株式会社レゾナック 固体触媒、固体触媒の製造方法、モノメチルアミンの製造方法

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WO2023063244A1 (ja) * 2021-10-11 2023-04-20 株式会社レゾナック 固体触媒、固体触媒の製造方法、モノメチルアミンの製造方法

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