JPH09249618A - メチルアミン類の製造方法 - Google Patents

メチルアミン類の製造方法

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JPH09249618A
JPH09249618A JP8054879A JP5487996A JPH09249618A JP H09249618 A JPH09249618 A JP H09249618A JP 8054879 A JP8054879 A JP 8054879A JP 5487996 A JP5487996 A JP 5487996A JP H09249618 A JPH09249618 A JP H09249618A
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methanol
reaction
zeolite
ammonia
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JP8054879A
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Tadamitsu Kiyoura
忠光 清浦
Shinobu Aoki
忍 青木
Keiichi Ikeda
圭一 池田
Kazuaki Matsui
和明 松井
Shuichi Tokumoto
修一 徳元
Kaoru Inoue
薫 井上
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタノールとアンモニアとの反応によるメチ
ルアミン類の製造に際し、高反応転化率においてトリメ
チルアミンの生成を抑制する高性能触媒を用いたメチル
アミン類の製造に際し触媒の劣化を抑制する方法を提供
する。 【解決手段】 メタノールとアンモニアとをゼオライト
触媒の存在下に反応させてメチルアミン類を製造する方
法において、反応を水素の存在下に行うことを特徴とす
るメチルアミン類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアミン類の製造法、
より詳しくは、メタノールとアンモニアからメチルアミ
ン類を製造するに際し、トリメチルアミンよりも、モノ
及びジメチルアミンをより大量に取得する方法、更に詳
しくは、該反応を促進させるのに使用する、トリメチル
アミンの生成抑制に有効な触媒であるアルミノシリケー
トを主成分とするゼオライト類の活性低下を抑制し、高
活性かつ高選択性を長時間維持し、安定にメタノールと
アンモニアからメチルアミン類を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】メチルアミン類、即ちモノメチルアミ
ン、ジメチルアミンおよびトリメチルアミンはメタノー
ルまたはメタノールとジメチルエーテルの混合物をアン
モニアと反応させる方法や、青酸を水素で接触還元する
方法等で製造されている。これらのメチルアミン類はモ
ノ、ジおよびトリメチルアミンの混合物として生成し、
各々に対応した用途を有している。一方、これらメチル
アミン類の需要は、ジメチルアミンまたはモノメチルア
ミンに偏っており、トリメチルアミンの需要は現状では
極めて少ない。
【0003】通常、知られている非晶質シリカアルミナ
を触媒としてメタノールとアンモニアの反応で得られる
メチルアミン類は、トリメチルアミンが反応平衡上主生
成物となり、需要の多いジメチルアミンの取得量が少な
いという難点があった。これらの難点を克服するため
に、炭素数1−18のアルコールとアンモニアとの反応
に、孔径5〜10オングストロームの値を有する脱水し
た結晶性アルミノシリケート(ゼオライト)を触媒に用
いると、モノ、およびジアミンがトリアミンより優先的
に生成することが開示されている。また、上記した反応
に適したゼオライトの種類として、天然ゼオライトおよ
び合成ゼオライトが開示されている。天然ゼオライトと
して、フォージャス石、アナルサイト、クリノプチルラ
イト、フェリエライト、チャバサイト、グメリナイト、
レビナイト、エリオナイト及びモルデナイト等が適当で
あると開示されている。
【0004】合成ゼオライトとしては、X型、Y型、お
よびA型等が適当であると開示されている。(米国特許
3,384,667号、1968年)。メタノールとア
ンモニアを特定割合で混合し、モルデナイト等の触媒の
存在下に反応させモノメチルアミンを特異的に多く取得
する方法(特開昭56−113747号)、および、ナ
トリウム型モルデナイトから選ばれる結晶質アルミノシ
リケートでモノメチルアミンを不均化しジメチルアミン
を高選択的に得る(特開昭56−46846号)方法も
開示されている。
【0005】上記の米国特許3,384,667号と同
様な方法で使用するモルデナイトに天然産の鉱物を使用
する方法(特開昭57−169444号)、ランタンイ
オンでイオン交換したモルデナイトを触媒に使用する方
法(特開昭58−49340号)、アルカリ金属のイオ
ン交換量を特定の範囲に限定したモルデナイトを触媒に
使用する方法(特開昭59−210050号)、触媒に
スチーム処理をしたモルデナイトを使用する方法(特開
昭59−227841号)、低バインダー含有量のA型
ゼオライトを触媒として使用する方法(特開昭58−6
9846号)または、Rho型(ZK−5)ゼオライト
を触媒とする方法等も開示されている。以上の方法でゼ
オライト系の触媒を使用するとトリメチルアミンの生成
量を抑制することが出来るが、更にトリメチルアミンの
生成量をゼロないし実質的にゼロとすることを目的にモ
ルデナイトの細孔を四塩化珪素のCVD(Chemic
al Vapor Deposition)処理で修飾
したものを触媒として使用する方法も知られている(特
開平 3−262540号;J. Catal.,13
1巻、482頁(1991);米国特許5,137,8
54号)。
【0006】チャバサイト、エリオナイト、ZK−5お
よびRho型ゼオライト上に珪素、アルミニウム、リン
またはホウ素を沈着させ修飾したものを触媒とする方法
(特開昭61−254256号、米国特許4,683,
334号)でトリメチルアミンの生成を低減する方法も
開示されている。更に、モルデナイトをエチルシリケー
ト等のシリル化剤を用いて液相でシリル化する方法(特
開平 6−179640号、特開平 7−2740号)
も開示されている。特に液相でシリル化処理を施したモ
ルデナイト触媒の使用により極めて効率的にトリメチル
アミンの生成を抑制することが知られている。
【0007】また、非ゼオライト系モレキュラーシーブ
のSAPOを触媒としてアルコールとアンモニアを反応
させてアルキルアミンとする方法(特開平 2−734
号)も知られている。上記したように、メタノールとア
ンモニアとの反応によりメチルアミン類を製造する方法
において、とりわけトリメチルアミンの生成を低減もし
くは抑制する製造法に使用される触媒はゼオライト類、
特に金属イオン交換または、CVD法、液相シリル化法
により処理されたモルデナイト等のゼオライト触媒が有
効であることが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
特開平 2−63554号明細書に記載されているよう
に、ゼオライト触媒の存在下で、メタノールとアンモニ
アとの反応によるトリメチルアミンの生成を抑制したメ
チルアミン類の製造方法においては、反応生成物中に相
当量のホルムアルデヒド等のアルデヒド化合物が生成す
る。また、該メチルアミン類の製造方法を工業的に実施
する際には反応生成物からメチルアミン類を分離取得し
た後、未反応のメタノールを副生物である水、その他の
不純物と分離し回収、再使用することを必要とする。上
記明細書にはその際に、メタノールとアルデヒド化合物
の分離は容易ではなく反応系内への相当量のアルデヒド
化合物の循環は避けられないことが記載されている。こ
こにおいて、上記特許(特開平 2−63554号)で
は、反応系に導入するアルデヒド類(特にホルムアルデ
ヒド)の量を低減させる必要性を開示している。つま
り、アルデヒド類の反応系内への混入により触媒寿命を
極端に低下させることから、触媒に対してアルデヒド類
を一定の負荷量以下にする必要があることを開示してい
る。
【0009】しかしながら、前記したようにトリメチル
アミンの生成抑制を達成させる触媒、特に通常のゼオラ
イト類、とりわけナトリウム金属等でイオン交換したモ
ルデナイト触媒においては相当量のアルデヒド類(特に
ホルムアルデヒド)の反応中における生成は避け難く、
従って工業的実施における未反応のメタノールのリサイ
クル再使用において実質的に相当量のアルデヒド類の反
応系への再循環を避けることは、通常の工業的分離方法
においては困難である。
【0010】この解決方法としては、メタノール分離回
収に際して、亜硫酸ナトリウム等の試薬によりアルデヒ
ド類を除去する方法が公知であり、更には触媒中のナト
リウム等の金属含有量を低下させ、ホルムアルデヒド等
の生成を抑制するとともに、ホルムアルデヒド等に対す
る耐久性を増大させる方法も開示されている(特願平6
−68478号)。
【0011】前者の解決方法はプロセスを煩雑にし、さ
らには亜硫酸ナトリウム等の試薬を使用することから工
業的実施には有利とはいえない。さらには、メタノール
とアンモニアとのゼオライト類触媒存在下での反応によ
り、反応系内で生成するホルムアルデヒド等のアルデヒ
ド類の生成を抑制することに関しての解決方法とはなり
得ず、反応系内生成アルデヒド類による触媒の活性低下
は実質的に解決されない。後者の解決方法は効率的で効
果も高く、工業的製造方法としてはそれなりに有効であ
るが、更なる寿命の延長方法を見いだせれば、極めて工
業的製造方法としては、有効なプロセスとなり得る。
【0012】本発明の目的とするところは、メタノール
とアンモニアとの反応に、ゼオライト等の触媒を使用し
トリメチルアミンの生成を抑制もしくは低減させるメチ
ルアミン類の製造において、反応系内で生成するホルム
アルデヒド類等による触媒活性低下を抑制することを可
能とし、更に工業的に実施する際、未反応のメタノール
を蒸留等の工業的手法により分離し、回収された相当量
のホルムアルデヒド等のアルデヒド類等を含有したメタ
ノールをアルデヒド類等を特殊な分離除去操作を行わず
に該反応にリサイクル再使用しても触媒の活性低下を抑
制することを可能とし、極めて効率の高い、メタノール
とアンモニアとのゼオライト触媒存在下でのトリメチル
アミンの生成量を抑制できるメチルアミン類の製造方法
を提供することである。
【0013】本発明の他の目的としては、ホルムアルデ
ヒド等のアルデヒド類を含んだ、精製度の低いメタノー
ルとアンモニアとのゼオライト触媒存在下でのトリメチ
ルアミンの生成を抑制する製造法においても同様に工業
的に実施可能なメチルアミン類の製造方法を提供するこ
とでもある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記ホル
マリン等のアルデヒド類による触媒の活性等の性能低下
により工業的に実施することの困難さを解決すべく鋭意
検討した結果、メタノールとアンモニアとの反応を、ゼ
オライト触媒の存在下に行いメチルアミン類を製造する
方法において、該反応を更に水素を存在させて行うこと
により、該反応における触媒の活性低下等による劣化を
極めて効果的に抑制することを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0015】即ち、本発明は、メタノールとアンモニア
とをゼオライト触媒の存在下に反応させてメチルアミン
類を製造する方法において、反応を水素の存在下に行う
ことを特徴とするメチルアミン類の製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に触媒として使用するゼオライトは特に限定され
ることはなく、メタノールとアンモニアとの反応により
トリメチルアミンの生成を抑制し、モノメチルアミン及
びジメチルアミンを選択的に生成する公知のゼオライト
類で有ればいかなるゼオライトを使用することも可能で
ある。ゼオライト類としてモルデナイト、A型ゼオライ
ト、クリノプチルライト、チャバサイト、エリオナイ
ト、ZK−5およびRho型ゼオライト等が例示され
る。更にこれらゼオライトをイオン交換、四塩化珪素等
でCVD処理、珪素、アルミニウム、リンまたはホウ素
の沈着修飾処理または液相におけるシリル化剤によるシ
リル化処理等の処理法によってゼオライトの細孔を制御
したものも同様に例示される。ゼオライトとして好まし
くはモルデナイトまたはクリノプチルライトであり、細
孔制御処理としては液相におけるシリル化処理が推奨さ
れる。しかしながら、本発明はこれらゼオライトのみお
よびこれらゼオライト細孔制御処理方法のみに限定され
るものではない。また、本発明に使用するゼオライト触
媒はその形態(イオン交換の状態)は特に制限されるこ
とはないが、カチオンの少なくとも一部が水素イオン型
であるものを用いることが好ましい。とりわけ液相にお
いてシリル化剤によりシリル化処理をしたゼオライトの
場合には水素イオン型を用いることが推奨される。
【0017】触媒の形態に関しては特に限定されること
はないが、好ましくは粒状等で用いることが推奨され
る。触媒として使用するゼオライト類が粒状もしくは錠
剤に成型済みで有ればそのまま触媒として使用し、粉状
で有れば通常の方法により押し出し、または打錠成型等
で成型して用いることが反応器への充填のし易さ等の観
点から好ましい。
【0018】本発明は、上記ゼオライト類を触媒として
メタノールとアンモニアとの反応によりメチルアミン類
を製造する方法である。ここにおいて使用するアンモニ
アは通常の試薬純度のものであっても、また工業純度の
ものを使用しても差し支えない。また、反応に使用し分
離回収されたアンモニアを一部もしくはすべてを再使用
しても差し支えない。
【0019】使用するメタノールはアンモニア同様、通
常の試薬純度のものでも工業純度のものでも差し支えな
い。また、ジメチルエーテルとの混合物としても使用さ
れる。さらには、精製純度の低いアルデヒド類(特にホ
ルムアルデヒド)を含有しているものを使用することも
可能である。当然、反応に使用し副生したホルムアルデ
ヒドを含む回収メタノール(反応混合物からメチルアミ
ン類を分離した後の、反応副生物である水を含む混合物
より蒸留により分離し、回収されたメタノールも当然含
まれる。)を一部またはすべてを再使用することも出来
る。
【0020】通常、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類
はメタノール中に大部分が含有される場合が一般的であ
る。使用するメタノール中に含まれるホルムアルデヒド
等のアルデヒド類の量は特に限定されないが、好ましく
はメタノール中にホルムアルデヒドとしての重量換算で
2,000ppm以下、更に好ましくは1,000pp
m以下である。余りにアルデヒド量が大量で有れば、触
媒寿命の延長効果は認められるが、実質的に工業的製造
法に耐え得る触媒寿命をもたらすことは難しい。本発明
方法の効果は触媒の耐久性の向上である。従って、基本
的には触媒寿命に悪影響を及ぼすホルムアルデヒド等の
アルデヒド類の量は触媒に対する負荷量で決定される。
触媒に対する負荷量も特に制限されることはないが、触
媒単位重量当たりのアルデヒド量はホルムアルデヒド重
量換算で1時間あたり2,000ppm以下が好ましく
更に好ましくは1,000ppm以下である。ここにお
いて、かりに上記メタノール中に含有されるアルデヒド
量以上であっても、触媒に対する負荷量は2,000p
pm以下となり得るが、その際にはメタノールの触媒層
への導入速度は極端に遅くなることが避けられず、工業
的に実施する際には経済的な方法とはならない恐れがあ
る。
【0021】しかしながら、アルデヒド類は必ずしも、
メタノールに含有されたもののみが、反応系内に導入さ
れるとは限らず、一方の反応原料であるアンモニア中に
含有され反応系に導入される場合も有り得る。この際に
は、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類の量はメタノー
ル及びアンモニア双方または何れか一方のみにに含まれ
る。この場合の導入アルデヒド量はゼオライト触媒に対
するアルデヒド類の上記した負荷量の範囲で実施するこ
とが好ましい。
【0022】したがって、本発明においては反応に使用
したアンモニアのうち未反応で蒸留等の通常の工業的分
離方法により分離回収されたアンモニア中にホルムアル
デヒド等のアルデヒド類が含有されていてもこれをリサ
イクル再使用し実施することが可能である。
【0023】無論、本発明はこれらアルデヒド類が原料
中に混入し導入されることが必須ではなく、混入してい
ても実施可能であり、アルデヒド類を含有しない原料を
使用して実施することも当然のことではあるが可能であ
る。本発明方法で使用する反応原料は前記したごとくメ
タノールまたはメタノールとジメチルエーテルとの混合
物とアンモニアである。アンモニアとメタノールの反応
系への導入比率は特に限定されることはないが、通常ア
ンモニア/メタノールのモル比で0.5以上、好ましく
は1〜10更に好ましくは1〜4の範囲で実施すること
が推奨される。
【0024】本発明方法は、メタノールとアンモニアと
の種々のゼオライト触媒の存在下でトリメチルアミンの
生成を抑制するメチルアミン類の製造方法において、更
に反応系に水素を存在もしくは導入することで触媒の活
性低下等の劣化を抑制するメチルアミン類の製造方法で
ある。
【0025】ここにおいて、反応系に存在もしくは導入
する水素の量は特に限定されないが、原料となるアンモ
ニアとメタノールの合計のモル量に対して、好ましくは
1〜50モル%、更に好ましくは2〜20モル%の範囲
である。余りに水素が多量に存在すれば、反応効率の低
下、蒸留効率の低下等の工業的実施に差し支える恐れが
あり、余りに少量で有れば本発明方法における効果がそ
れほど期待されない恐れが生じる。
【0026】反応形態は本発明方法においては特に限定
されることはないが好ましくは、気相で固定床もしくは
流動床で流通反応で実施することが工業的な製造方法と
して推奨される。この際、充填された触媒層に供給する
気体(主にアンモニア、メタノール及び水素から構成さ
れる)の導入速度は特に限定はされないが、好ましくは
標準状態気体換算空間速度(SV)で示すと200〜2
000/時間の範囲である。
【0027】反応圧力に関しても特に限定されなく、常
圧、加圧、減圧の何れの圧力下で実施することも可能で
あるが、好ましくは常圧〜30Kg/cm2G.、更に好まし
くは5〜25Kg/cm2G.の範囲で実施することが推奨さ
れる。反応温度も同様に特に限定されることはないが、
好ましくは200〜450℃、更に好ましくは250〜
350℃である。余りに高温で実施すれば、好ましから
ざる副生物が多量に生成し、経済的とはならず、また余
りに低温で実施すれば、実質的に好ましい反応転化率を
達成することは困難となる恐れがある。
【0028】本発明方法において使用する反応装置は特
に限定されることはないが、実施し易い装置として例示
すれば、通常の固定床または流動床反応装置である。メ
タノールとアンモニアからメチルアミン類を生成する反
応は約14Kcal/molの発熱反応であるため、固
定床反応装置を使用する場合には反応熱の除去に留意す
ることがトリメチルアミン生成を低レベルに保つのに重
要である。この目的で、多管式の反応器の採用が好まし
い。多管式反応器のチューブ径は一般的には1〜3イン
チの範囲が多用されている。
【0029】反応装置の出口ガス(反応ガス)は通常の
分離精製装置により、メチルアミン類を分離取得し、更
に未反応のメタノール、アンモニアも分離回収される
が、回収されたメタノール及び/又はアンモニアは反応
系にリサイクル再使用することもできる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により、本発明をより詳細に説
明する。 触媒調製 触媒1 水熱合成で得られたナトリウム型の合成モルデナイト5
00gを1規定硝酸アンモニウム水溶液2.5L中に投
入し、オイルバス上で加熱し8時間リフラックスした。
固液を分離し、脱イオン水で固体を洗浄後、新たな2規
定硝酸アンモニウム水溶液を固体に加え同様に8時間リ
フラックスした。固液分離後、固体を充分脱イオン水で
洗浄、乾燥後、空気流通下に600℃5時間焼成し触媒
前駆体のモルデナイトとした。得られたモルデナイト中
のナトリウム含有量はNa2O として0.12w%であ
った。これを打錠し3mm×3mmの円筒状に成型し
た。次いで、0.1規定の硝酸水溶液中に投入後30分
放置してから固液分離し、固体を風乾後140℃で6時
間乾燥後、室温で空気中に10時間放置した。この状態
でモルデナイトに約10w%の水分と微量の硝酸が吸蔵
されていた。230ミリモルのテトラエトキシシランを
含むトルエン1L中に上記で得られた水分を吸蔵したモ
ルデナイトを投入し室温で8時間緩やかに振とうしモル
デナイトのシリル化処理を実施した。シリル化終了後、
固液分離し、固体を減圧下に140℃、5時間乾燥した
後、空気雰囲気下に600℃、5時間焼成し触媒1とし
た。
【0031】触媒2 触媒1の調製に使用した合成モルデナイト500gを触
媒1の調製のときと同様に硝酸アンモニウム処理し、一
旦ナトリウムを充分にアンモニウムイオンに交換した。
次いで、0.02規定硝酸ナトリウムの水溶液2L中に
投入し1分間緩やかに振とうし、直ちに固液分離、脱イ
オン水で洗浄後乾燥し、600℃で焼成し触媒前駆体の
モルデナイトとした。得られたモルデナイト中のナトリ
ウム含有量はNa2O として0.75w%であった。こ
れを3mm×3mmの円筒状に成型した。その後は触媒
1の場合と同様の処理によりシリル化を行い、触媒2と
した。
【0032】触媒3 天然産クリノプチルライト(クリノプチルライト含有量
74%、粒径2.5〜3.5mm)500gを4規定塩
酸2.5Lに投入し、室温で8時間緩やかに振とうし
た。固液分離後、新たな4規定塩酸2.5Lを使用し、
更に15時間同様の処理をし、固液分離、脱イオン水洗
浄、乾燥後600℃で焼成し触媒前駆体を調製した(N
2O 含有量0.1w%)。これを触媒1の場合と同様
の方法でテトラエトキシシランによりシルル化処理を行
い触媒3とした。
【0033】触媒4 粒径2〜3mmの天然ゼオライト(モルデナイト含有量
約70%)110gを2規定塩酸1L中に投入し50℃
で10時間振とうした。固液分離後、更に固体を新たな
1規定塩酸1Lを用い、同様の操作を繰り返した。ゼオ
ライトを濾別、脱イオン水洗浄、乾燥後600℃で焼成
しH−モルデナイト(触媒前駆体)を得た。得られたモ
ルデナイトはほぼ完全にH型であり、Naの含有量は
0.19%であった。この触媒前駆体を触媒1の場合と
同様の方法でテトラエトキシシランによるシリル化処理
を行い触媒4とした。
【0034】触媒5 触媒1の調製に使用した合成モルデナイト500gを1
規定の硝酸マグネシウム水溶液2.5L中に懸濁させ8
時間還流し濾過し、イオン交換した。この操作を3回繰
り返した後、濾過し、固体を脱イオン水で充分洗浄、乾
燥した後500℃に焼成した。これを、3mm×3mm
に打錠成型し触媒5とした。
【0035】触媒6 触媒1の調製に使用した合成モルデナイト100gを6
規定塩酸500mL中、100℃で5時間攪拌、濾別
し、固体を脱イオン水で充分洗浄後、触媒5と同様に1
規定の硝酸マグネシウム水溶液によりイオン交換、焼
成、成型し触媒6とした。
【0036】比較例1 上記調製方法により調製された触媒1を50g、内径2
5mmのステンレス鋼製反応管に充填し、外部より砂流
動浴で290℃に加熱した。工業用メタノールを毎時3
0gとアンモニアを毎時36gとを触媒層に圧入し圧力
20Kg/cm2Gでメチルアミン製造反応を行った。触媒
層の最高温度は294〜296℃を示した。100時
間、1500時間及び3000時間経過後の反応成績を
表1に掲げた。
【0037】比較例2 比較例1において、更に窒素を毎分100mL(20
℃、1気圧換算)で導入した以外は比較例1と同一の条
件でメタノールとアンモニアとの反応を行った。各経過
時間後の反応成績を表1に掲げた。反応結果は、表1に
示したように、若干メタノール転化率は低下するが、触
媒の性能劣化の程度は比較例1と同様であった。
【0038】実施例1 比較例2において、窒素の代わりに水素を毎分100m
L(20℃、1気圧換算)を導入した以外はすべて比較
例2と同一の条件で実施した。結果は表1に掲げたよう
に、触媒の性能低下が抑制され寿命が延長されたことが
分かる。
【0039】比較例3〜4 比較例2において触媒を各々2及び4に代えた以外は、
触媒充填量、原料導入量、窒素導入量等、比較例2と同
一の条件で実施した。結果は表2に示した。
【0040】実施例2〜3 実施例1において触媒を各々2及び4に代えた以外は、
触媒充填量、原料導入量、水素導入量等、比較例2と同
一の条件で実施した。結果は表2に示したように、それ
ぞれの触媒についても触媒の性能低下の抑制が認められ
た。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】比較例5 比較例2において触媒1の代わりに触媒5を50g、反
応温度を310℃とした以外は総て比較例2と同一の条
件で反応を実施した。反応開始後20時間及び500時
間の結果を表3に示した。
【0044】実施例4 比較例5において、窒素の代わりに水素を毎分100m
L(20℃、1気圧換算)を導入した以外は総て比較例
5と同一の条件で実施した。結果は表3に掲げたように
水素の導入により、触媒の性能低下が抑制されたことが
分かる。
【0045】比較例6 比較例5において触媒5の代わりに触媒6を50g及び
反応温度を305℃とした以外は比較例5と同一の条件
で反応を実施した。結果を表3に示した。
【0046】実施例5 比較例6において、窒素の代わりに水素を毎分100m
L(20℃、1気圧換算)を導入した以外は総て比較例
6と同一の条件で実施した。結果は表3に掲げたように
水素の導入により、触媒の性能低下が抑制されたことが
分かる。
【0047】
【表3】
【0048】比較例7 比較例2において、使用したメタノールをホルムアルデ
ヒドを670ppm含有するメタノールに代えた以外は
総て比較例2と同一の条件で反応を行った。この時、ホ
ルムアルデヒドの送入量は触媒1kgに対して1時間当
たり0.4gに相当する。反応開始後100時間及び2
000時間経過後の反応成績を表4に示した。
【0049】実施例6 比較例7において、窒素の代わりに水素を毎分100m
L(20℃、1気圧換算)で導入した以外は総て比較例
7と同一の条件で実施した。結果は表4に示したよう
に、水素の導入が触媒性能低下の抑制に効果を示してい
る。
【0050】比較例8 比較例7において触媒1の代わりに触媒2を50gとし
た以外は総て比較例7と同一の条件で実施した。結果を
表4に掲げた。
【0051】実施例7 比較例8において、窒素の代わりに水素を毎分100m
L(20℃、1気圧換算)で導入した以外は総て比較例
8と同一の条件で実施した。結果は表4に示したよう
に、水素の導入が触媒性能低下の抑制に効果を示してい
る。
【0052】
【表4】
【0053】比較例9 比較例8において、触媒2の代わりに触媒3を50gと
した以外は総て比較例8と同一の条件で反応を行った。
反応開始後100時間及び1000時間での反応結果を
表5に示した。
【0054】実施例8 比較例9において、窒素の代わりに水素を毎分100m
L(20℃、1気圧換算)で導入した以外は総て比較例
9と同一の条件で実施した。結果は表5に示したよう
に、水素の導入が触媒性能低下の抑制に効果を示してい
る。
【0055】
【表5】
【0056】比較例10 メタノールを、比較例3の反応液から蒸留分離により回
収されたメタノール2重量部と工業用メタノール8重量
部とを混合したメタノール(アルデヒド類のホルムアル
デヒド換算量は約400ppm)に代えた以外は比較例
2と同一の条件で反応を実施した。結果を表6に示す。 実施例9 メタノールを、比較例3の反応液から蒸留分離により回
収されたメタノール2重量部と工業用メタノール8重量
部とを混合したメタノール(アルデヒド類のホルムアル
デヒド換算量は約400ppm)に代えた以外は実施例
1と同一の条件で反応を実施した。結果を表6に示す。
この結果から反応混合物から回収されたメタノールを原
料として使用した場合にも、本発明における触媒の劣化
抑制効果が認められた。
【0057】
【表6】
【0058】
【発明の効果】メタノールとアンモニアとをゼオライト
触媒の存在下に反応させてトリメチルアミンの生成量を
抑制するメチルアミン類の製造方法において、本発明方
法を実施することで、従来メチルアミン類製造に使用さ
れているホルムアルデヒド等のアルデヒド類を殆ど含有
しない、高純度のメタノールのみでなく、ホルムアルデ
ヒド等のアルデヒド類が混入したメタノールを原料とし
て使用した際にも、触媒の性能低下を抑制し工業的且つ
安定にトリメチルアミンの生成量を抑制して、ジメチル
アミンとモノメチルアミンを主として製造することがで
きる。更に、高純度のメタノールを原料として、本発明
方法を実施することでも、同様に触媒の性能低下を抑制
し、長期間、極めて安定にメチルアミン類を製造するこ
とが可能となった。これによりメタノールとアンモニア
とをゼオライト触媒存在下に反応させてメチルアミン類
を製造する際、反応後の未反応メタノールを蒸留等の通
常の分離方法のみで回収したものを、再度反応に使用す
ることができ、極めて経済性の高いメチルアミン類の製
造方法が提供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 和明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 徳元 修一 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 井上 薫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタノールとアンモニアとをゼオライト
    触媒の存在下に反応させてメチルアミン類を製造する方
    法において、反応を水素の存在下に行うことを特徴とす
    るメチルアミン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 メタノールが、ホルムアルデヒドを含有
    するものである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 メタノールの一部が、メタノールとアン
    モニアとをゼオライト触媒の存在下に反応させてメチル
    アミン類を製造する際に反応混合物より回収された未反
    応のメタノールである請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 ホルムアルデヒドの含有量が、メタノー
    ルに対して重量比で2,000ppm以下である請求項
    2または3記載の方法。
  5. 【請求項5】 ゼオライトが、クリノプチルライト及び
    モルデナイトよりなる群から選ばれた少なくとも1種で
    ある請求項1、2、3または4記載の方法。
  6. 【請求項6】 回収された未反応のメタノールが、反応
    混合物からメチルアミン類を分離した後の、反応副生物
    である水を含む混合物より蒸留により分離し、回収され
    たメタノールである請求項3記載の方法。
  7. 【請求項7】 ゼオライトが液相において、シリル化剤
    によりシリル化されたゼオライトである請求項1、2、
    3、4、5または6記載の方法。
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