JP3221024B2 - ε−カプロラクタムの製造方法及びε−カプロラクタム製造用固体触媒の活性化方法 - Google Patents

ε−カプロラクタムの製造方法及びε−カプロラクタム製造用固体触媒の活性化方法

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JP3221024B2 JP34082191A JP34082191A JP3221024B2 JP 3221024 B2 JP3221024 B2 JP 3221024B2 JP 34082191 A JP34082191 A JP 34082191A JP 34082191 A JP34082191 A JP 34082191A JP 3221024 B2 JP3221024 B2 JP 3221024B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、活性化した固体触媒を
用いて気相反応条件下にシクロヘキサノンオキシムから
ε−カプロラクタムを製造する方法及びε−カプロラク
タム製造用固体触媒の活性化方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ε−
カプロラクタムはナイロン等の原料として用いられてい
る重要な基幹化学原料である。
【0003】本発明者らは、固体触媒を用い、気相反応
条件下にシクロヘキサノンオキシムを転位(ベックマン
転位)させる方法を提案している(特開平2−2758
50号公報及び特開平2−250866号公報)。
【0004】しかしながら、固体触媒の性能に関して、
さらに活性を増大させることが望まれていた。
【0005】触媒の活性を増大させる方法としては、例
えばクラッキング反応において、ゼオライトをアルカリ
金属アルミネートとアンモニアとの混合溶液と接触させ
る方法が提案されている(特開昭60−42226号公
報)。また、パラフィンの異性化等の反応において、チ
タノシリケートを気体アンモニア、硝酸アンモニウム等
のpH7〜10の水溶液に接触させることが提案されて
いる(特開平2−4455号公報)。さらに、メタノー
ルのガソリンへの転化反応等において、ゼオライトに気
体のアンモニア、アンモニア水、硝酸アンモニウム水溶
液等のアンモニア化合物でアンモニア化を実施した後、
これを熱処理し、ゼオライトからヒドロキシル基を取り
除くことなくアンモニアを除く方法が提案されている
(特開昭62−96314号公報)。また、炭化水素の
クラッキング反応において、ZSM−12、20、23
のゼオライトを水蒸気と接触させ、しかる後、硫酸アン
モニウム等のアンモニウム塩で塩基交換する方法が提案
されている(特公昭63−31257号公報)。
【0006】このような状況下に、本発明者らは、ε−
カプロラクタム製造用固体触媒の活性を増大させる方法
について鋭意検討を行った結果、固体触媒を特定の塩基
性物質とアンモニウム塩との水溶液に、またはアンモニ
ア水に接触させることにより、触媒の活性を増大させ得
ることを見出すとともに、さらに検討を加えて本発明を
完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、気
相反応条件下に固体触媒を用いてシクロヘキサノンオキ
シムからε−カプロラクタムを製造する方法において、
触媒として、 (1)アンモニア、低級アルキルアミン類、アリルアミ
ン類及び水酸化アルキルアンモニウム類の中から選ばれ
る少なくとも1種の塩基性物質と、アンモニウム塩との
水溶液に、または (2)アンモニア水に、接触させて得られる固体触媒
(ただし、活性が低下した固体触媒をアンモニアと接触
させることにより再生した触媒は除く)を用いることを
特徴とするε−カプロラクタムの製造方法を提供するも
のである。
【0008】また、本発明は、ε−カプロラクタム製造
用固体触媒(ただし、反応に使用して活性が低下した固
体触媒は除く)の活性化方法において、触媒の前駆体
を、 (1)アンモニア、低級アルキルアミン類、アリルアミ
ン類及び水酸化アルキルアンモニウム類の中から選ばれ
る少なくとも1種の塩基性物質と、アンモニウム塩との
水溶液に、または (2)アンモニア水に、接触させることを特徴とするε
−カプロラクタム製造用固体触媒の活性化方法を提供す
るものである。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明が
対象とする触媒は固体触媒であり、例えばシリカ−アル
ミナ、ゼオライト等が挙げられ、これらの中でもゼオラ
イトが好ましく、中でも結晶性シリカ、結晶性メタロシ
リケート等がより好ましい。
【0010】本発明における結晶性シリカとしては、実
質的にケイ素と酸素とからなるものであり、また結晶性
メタロシリケートとしては、例えばSi/Me原子比
(ここにMeはAl,Ga,Fe,B,Zn,Cr,B
e,Co,La,Ge,Ti,Zr,Hf,V,Ni,
Sb,Bi,Cu,Nb等から選ばれる少なくとも1種
の金属元素を示す)が通常5以上、好ましくは500以
上である。Si/Me原子比は、通常の分析手段、例え
ば原子吸光法、蛍光X線法等により求めることができ
る。
【0011】これらの結晶性シリカ、または結晶性メタ
ロシリケートは、種々の構造が知られているが、いわゆ
るペンタシル型構造に属するものが好ましい。
【0012】結晶性シリカ、または結晶性メタロシリケ
ートの製造は公知であり、これらの固体触媒は、一般
に、オートクレーブ中でシリカ源、水及び第4級アンモ
ニウム塩及び必要によりメタル源から結晶が形成される
まで十分に水熱合成が行われ、続いて得られた結晶固体
が焼成され、さらにアンモニウム塩等でイオン交換が行
われ、乾燥され、場合によっては焼成されることにより
製造されている。
【0013】本発明で用いる固体触媒を活性増大させる
操作としては、水熱合成して得られた結晶固体を焼成し
た後の触媒の前駆体に実施されれば特に限定されるもの
ではない。例えば、前記のアンモニウム塩等でイオン
交換を行う際に同時に処理する。イオン交換後に処理
する。イオン交換後、乾燥させた固体を処理する。そ
の他種々のケースが提案できる。また、本発明における
触媒の活性増大処理をした後、従来のイオン交換を実施
することもできる。
【0014】本発明の特徴は、特定の塩基性物質とアン
モニウム塩との水溶液、またはアンモニア水を用いて、
固体触媒の活性を増大させ得ることである。
【0015】本発明で用いる塩基性物質としては、アン
モニア、低級アルキルアミン類、アリルアミン類または
水酸化アルキルアンモニウム類が挙げられ、これらの1
種または2種以上用いることができる。
【0016】低級アルキルアミン類としては、例えば一
般式(1)で示される化合物が挙げられる。 NR1 2 3 (1) (式中、R1 、R2 、R3 はそれぞれ水素原子、低級ア
ルキル基を表わし、R1 、R2 、R3 が同時に水素原子
であることはない。) 一般式(1)におけるR1 、R2 、R3 としては、例え
ばメチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数が1〜
4の低級アルキル基が挙げられ、具体化合物としては、
例えばモノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロ
ピルアミン、モノブチルアミン、ジメチルアミン、ジエ
チルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミン等の全炭素数1〜12のアルキル
アミン類が挙げられる。
【0017】アリルアミン類としては、モノアリルアミ
ン、ジアリルアミン、トリアリルアミンの全炭素数3〜
9のアリルアミン類が挙げられる。
【0018】また、水酸化アルキルアンモニウム類とし
ては、例えば一般式(2)で示される化合物が挙げられ
る。 R4 5 6 7 + OH- (2) (式中、R4 、R5 、R6 、R7 はそれぞれ低級アルキ
ル基、アラルキル基、アリール基、アリル基を表わし、
4 、R5 、R6 、R7 が同時に水素原子であることは
ない。) 一般式(2)におけるR4 、R5 、R6 、R7 として
は、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素
数が1〜4の低級アルキル基、ベンジル、トリルメチル
等の炭素数が7〜8のアラルキル、フェニル、トリル等
の炭素数が6〜7のアリール基、アリルが挙げられ、具
体化合物としては、例えばテトラメチルアンモニウムハ
イドロキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロキ
サイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロキサイ
ド、テトラブチルアンモニウムハイドロキサイド、トリ
ブチルベンジルアンモニウムハイドロキサイド、ジ−p
−トリルアンモニウムハイドロキサイド、ジ−m−トリ
ルアンモニウムハイドロキサイド、ジ−o−トリルアン
モニウムハイドロキサイド、ジフェニルアンモニウムハ
イドロキサイド、モノ−p−トリルアンモニウムハイド
ロキサイド、モノ−m−トリルアンモニウムハイドロキ
サイド、モノ−o−トリルアンモニウムハイドロキサイ
ド、モノフェニルアンモニウムハイドロキサイド、テト
ラアリルアンモニウムハイドロキサイド、トリメチルア
ンモニウムハイドロキサイド、ジメチルアンモニウムハ
イドロキサイド、モノメチルアンモニウムハイドロキサ
イド、トリエチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエ
チルアンモニウムハイドロキサイド、モノエチルアンモ
ニウムハイドロキサイド、トリプロピルアンモニウムハ
イドロキサイド、ジプロピルアンモニウムハイドロキサ
イド、モノプロピルアンモニウムハイドロキサイド、ト
リブチルアンモニウムハイドロキサイド、ジブチルアン
モニウムハイドロキサイド、モノブチルアンモニウムハ
イドロキサイド等の全炭素数1〜20の水酸化アルキル
アンモニウム類が挙げられる。また、上記水酸化アルキ
ルアンモニウム類に代えて、臭化又は塩化アルキルアン
モニウム等の第4級アンモニウム塩を用いる場合には、
アンモニア、低級アルキルアミン類又はアリルアミン類
と併用することによって水酸化アルキルアンモニウム類
の場合と同様に用いることができる。
【0019】また、本発明で用いるアンモニウム塩とし
ては、例えば塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝
酸アンモニウム等が挙げられる。
【0020】アンモニア等の特定の塩基性物質とアンモ
ニウム塩との混合割合はpHによって具体的に決められ
る。本発明における活性を増大させる処理は、pHが通
常9以上、好ましくは9〜13の範囲で行なわれる。ま
た、その際の温度は、一般に30〜200℃、通常60
〜100℃の範囲である。処理する時間は、通常0.0
5〜10時間程度であり、場合によっては、処理を任意
の回数繰り返してもよい。さらに、処理した後、水洗あ
るいは塩酸等の酸によって洗浄し、次いで水洗浄しても
よい。
【0021】本発明における活性を増大させるにあたっ
ては、触媒全体が十分に塩基性物質とアンモニウム塩と
の水溶液、あるいはアンモニア水と接触できる方法であ
れば特に限定されるものではなく、例えば反応釜中に触
媒を充填し、次いで塩基性物質とアンモニウム塩との水
溶液、あるいはアンモニア水を反応釜へ注ぎ、反応釜中
で、触媒を撹拌下に浸漬する方法、また、触媒をカラム
に充填した状態で上記混合液等を通過させる方法等が挙
げられる。
【0022】次に本発明を実施する際のε−カプロラク
タムの製造方法について述べる。本発明は通常の固定床
方式または流動床方式の気相接触反応で行なわれる。反
応温度は、通常250〜500℃の範囲がよい。250
℃未満の温度では反応速度が十分ではなく、またε−カ
プロラクタムの選択率も低下する傾向がある。一方、5
00℃を越えるとε−カプロラクタムの選択率が低下す
る傾向がある。特に、好ましい温度範囲は300〜45
0℃であり、最も好ましい温度範囲は300〜400℃
である。また反応圧力は特に限定されるものではなく、
通常0.05〜10kg/cm2 である。
【0023】原料シクロヘキサノンオキシムの空間速度
は、通常WHSV=0.1〜40hr -1(すなわち触媒1
kg当たりのシクロヘキサノンオキシム供給速度が0.1
〜40kg/hr)である。好ましくは0.2〜20hr-1
あり、より好ましくは0.5〜10hr-1の範囲から選ば
れる。
【0024】反応混合物からのε−カプロラクタムの分
離は、通常の方法で実施できる。例えば、反応生成ガス
を冷却して凝縮させ、次いで抽出、蒸留あるいは晶析等
により精製されたε−カプロラクタムを得ることができ
る。
【0025】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
特定の塩基性物質とアンモニウム塩の水溶液、またはア
ンモニア水に接触させることにより固体触媒の活性が一
段と増大し、かつ触媒の寿命が向上する。また、活性が
増大した固体触媒を用いてε−カプロラクタムを製造す
れば、ε−カプロラクタムを効率的に製造できる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0027】参考例1(固体Aの調製) 5l のステンレス製オートクレーブにテトラエチルオル
ソシリケート(Si(OC2H5)4、Al含有量10ppm以下)
500g、10%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニ
ウム水溶液1120g、エタノール1070gを仕込
み、120分間激しく撹拌した。混合溶液のpHは13
であった。オートクレーブの蓋を締めた後、油浴に浸し
内温を105℃に保ち400rpm以上の回転数で撹拌
を行いながら、96時間の水熱合成を行った。この間オ
ートクレーブ内の圧力は2〜3kg/cm2 に達した。水熱
合成終了時のpHは11.8であった。白色の固体生成
物を濾別し、ついで濾液のpHが7付近になるまで蒸留
水で連続的に洗浄した。得られた結晶を120℃で16
時間乾燥し、さらに500〜530℃で4時間、空気流
通下に焼成し、130gの粉末状白色結晶を得た。該結
晶を粉末X線回折で分析した結果、ペンタシル型ゼオラ
イトと同定された。また、原子吸光分光法による元素分
析の結果、Alの含有量は3ppmであった。このように
して得られた白色結晶を固体A(触媒の前駆体)と称す
る。
【0028】参考例2(固体Bの調製) 1.5l のステンレス製オートクレーブに10%の水酸
化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液232.8
6g、エタノール62.33g、蒸留水50.4g、チ
タンテトライソプロポキシド0.025gを含む水溶液
2ml、テトラエチルオルソシリケート(Si(OC2H5)4)1
04.17gをこの順に仕込み、1時間充分に撹拌し
た。ついで、内温を105℃に保ち、400rpm以上
の回転数で撹拌しながら、96時間水熱合成を行った。
得られた白色固形物を濾過し濾液のpHが7付近になる
まで蒸留水で連続的に洗浄した。得られた結晶を120
℃で16時間乾燥した。この乾燥した結晶をさらに50
0〜550℃で4時間空気流通下に焼成し、27gの白
色の粉末状結晶を得た。該結晶を粉末X線回折で分析し
た結果、ペンタシル型ゼオライトと類似構造を有するチ
タノシリケートと同定された。また該結晶を原子吸光分
析した結果、Si/Ti原子比は9600であった。こ
のようにして得られた白色結晶を固体B(触媒の前駆
体)と称する。
【0029】実施例1 (触媒の活性増大処理)参考例1で調製した固体A5g
をオートクレーブに充填し、7.5重量%の硝酸アンモ
ニウム水溶液20gと28重量%アンモニア水溶液30
gの混合液(pH=11.5)を50g加えて、攪拌
下、90℃で1時間保持した。保持した後、濾別した固
体を再びオートクレーブに充填し、同様の処理を行っ
た。この操作を合計3回繰り返した。次いでこの固体を
濾過、水洗、乾燥した。このようにして得られた触媒を
触媒Cと称する。
【0030】(ε−カプロラクタムの製造方法)内径1
cmの石英ガラス製反応管中に、加圧成形し24〜48メ
ッシュに篩分けした触媒Cを0.375g(0.6ml)
充填し、窒素気流下(4.2l/hr)に350℃で1時
間予熱処理した。次いでシクロヘキサノンオキシム/メ
タノール重量比1/1.8の混合液を8.4g/hrの供
給速度で反応管に供給し、反応させた。このときの空間
速度WHSVは8hr-1であり、触媒層の温度(反応温
度)は350℃であった。反応は6.25時間継続し
た。反応生成物は1時間ごとに水冷下に捕集し、ガスク
ロマトグラフで分析した。
【0031】ここに空間速度WHSVは次式で算出し、
またシクロヘキサノンオキシムの転化率及びε−カプロ
ラクタムの選択率もそれぞれ次式で算出した。 WHSV(hr- ) =O/C シクロヘキサノンオキシムの転化率(%)=〔(X−Y)/X〕×100 ε−カプロラクタムの選択率(%)=〔Z/(X−Y)〕×100 なお、O、C、X、YおよびZはそれぞれ次のとおりで
ある。 O=シクロヘキサノンオキシム供給速度(kg/hr) C=触媒重量(kg) X=供給した原料シクロヘキサノンオキシムのモル数 Y=未反応のシクロヘキサノンオキシムのモル数 Z=生成物中のε−カプロラクタムのモル数
【0032】反応終了後、シクロヘキサノンオキシムの
メタノール溶液の供給を止め、窒素ガス2.5 l/hr、
空気2.5 l/hrを混合して0℃に保持したメタノール
中にバブリングし、メタノール(3.8容量%、0℃飽
和濃度)を窒素、空気混合ガス中に気化同伴させて反応
管に供給し、触媒層を430℃まで昇温し、23時間処
理した。この操作により触媒上に析出した炭素質物質を
除去した。
【0033】次いで、窒素ガス(4.2 l/hr)を供給
しながら、温度を350℃まで下げた。続いて前記反応
条件と同様に反応を行った。
【0034】反応終了後、前記条件と同様の操作により
触媒上に析出した炭素質物質を除去した。さらに、前記
反応と炭素質物質の除去操作を累計で30回繰り返し実
施した。それぞれの反応結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】比較例1 固体A5gに7.5重量%硝酸アンモニウム水溶液50
gを加え、90℃で1時間イオン交換処理を行い、続い
て濾別した。このイオン交換処理を3回行った後、蒸留
水で洗浄し乾燥した。この触媒を触媒Dと称する。この
触媒Dを実施例1と同様のε−カプロラクタムの製造方
法と炭素質物質の除去操作を累計で30回繰り返し実施
した。反応結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】実施例2 (触媒の活性増大処理)参考例2で調製した固体B5g
をオートクレーブに充填し、実施例1の(触媒の活性増
大処理)で示したのと同様の方法で処理を行った。この
ようにして得られた触媒を触媒Eと称する。 (ε−カプロラクタムの製造方法)この触媒Eを実施例
1に示した方法と同様にε−カプロラクタムの製造と炭
素質物質の除去操作を累計で20回繰り返し実施した。
反応結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】実施例3 (触媒の活性増大処理)参考例1で調製した固体A5g
をオートクレーブに充填し、pH=11.5のアンモニ
ア水を50g加えて、攪拌下90℃で10分間保持し
た。保持した後濾別した固体を再びオートクレーブに充
填し同様の処理を行った。この操作を合計6回繰り返し
た。次いで、この固体を濾過、水洗、乾燥した。このよ
うにして得られた触媒を触媒Gと称する。
【0041】(ε−カプロラクタムの製造方法)内径1
cmの石英ガラス製反応管中に、加圧成形し24〜48メ
ッシュに篩分けした触媒Gを0.25g(0.4ml)充
填し、窒素気流下(4.2l/hr)に350℃で1時間
予熱処理した。次いでシクロヘキサノンオキシム/メタ
ノール重量比1/1.8の混合液を11.8g/hrの供
給速度で反応管に供給し、反応させた。このときの空間
速度WHSVは16.8hr-1であり、触媒層の温度(反
応温度)は350℃であった。反応は10.25時間継
続した。反応生成物は1時間ごとに水冷下に捕集し、ガ
スクロマトグラフで分析した。反応結果を表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】実施例4 実施例1で調製した触媒Cを用い、実施例3と同様の方
法でε−カプロラクタムの製造を行った。反応結果を表
5に示す。
【0044】
【表5】
【0045】実施例5 (触媒の活性増大処理)参考例1で調製した固体A5g
をオートクレーブに充填し、14重量%の硫酸アンモニ
ウム水溶液20gと28重量%アンモニア水溶液30g
の混合液(pH=12)を50g加えて、攪拌下90℃
で1時間保持した。保持した後、濾別した固体を再びオ
ートクレーブに充填し、同様の処理を行った。この操作
を合計3回繰り返した。次いで、この固体を濾過、水
洗、乾燥した。このようにして得られた触媒を触媒Hと
称する。 (ε−カプロラクタムの製造方法)触媒Hを用い、実施
例3と同様の方法でε−カプロラクタムの製造を行っ
た。反応結果を表6に示す。
【0046】
【表6】
【0047】実施例6 (触媒の活性増大処理)参考例1で調製した固体A5g
をオートクレーブに充填し、7.5重量%の硝酸アンモ
ニウム水溶液49gと28重量%アンモニア水溶液1g
の混合液(pH=9.5)を50g加えて、攪拌下90
℃で1時間保持した。保持した後、濾別した固体を再び
オートクレーブに充填し、同様の処理を行った。この操
作を合計3回繰り返した。次いで、この固体を濾過、水
洗、乾燥した。このようにして得られた触媒を触媒Iと
称する。 (ε−カプロラクタムの製造方法)触媒Iを用い、実施
例3と同様の方法でε−カプロラクタムの製造を行っ
た。反応結果を表7に示す。
【0048】
【表7】
【0049】実施例7 (触媒の活性増大処理)参考例1で調製した固体A5g
をオートクレーブに充填し、7.5重量%の硝酸アンモ
ニウム水溶液32gと約30重量%のトリメチルアミン
水溶液18gの混合液(pH=11)を50g加えて、
攪拌下90℃で1時間保持した。保持した後、濾別した
固体を再びオートクレーブに充填し、同様の処理を行っ
た。この操作を合計3回繰り返した。次いで、この固体
を濾過、水洗、乾燥した。このようにして得られた触媒
を触媒Jと称する。 (ε−カプロラクタムの製造方法)触媒Jを用い、実施
例3と同様の方法でε−カプロラクタムの製造を行っ
た。反応結果を表8に示す。
【0050】
【表8】
【0051】実施例8 (触媒の活性増大処理)参考例1で調製した固体A5g
をオートクレーブに充填し、7.5重量%の硝酸アンモ
ニウム水溶液19gと10重量%のテトラ−n−プロピ
ルアンモニウムハイドロキサイド水溶液31gの混合液
(pH=10)を50g加えて、攪拌下90℃で1時間
保持した。保持した後、濾別した固体を再びオートクレ
ーブに充填し、同様の処理を行った。この操作を合計3
回繰り返した。次いで、この固体を濾過、水洗、乾燥し
た。このようにして得られた触媒を触媒Kと称する。 (ε−カプロラクタムの製造方法)触媒Kを用い、実施
例3と同様の方法でε−カプロラクタムの製造を行っ
た。反応結果を表9に示す。
【0052】
【表9】
【0053】比較例2 比較例1で得た触媒Dと同様にして得た触媒を同量用
い、実施例3と同様の方法でε−カプロラクタムの製造
を行った。反応結果を表10に示す。
【0054】
【表10】
【0055】実施例9 (触媒の活性増大処理)実施例3で調製した触媒Gと同
様にして得た触媒2gに7.5重量%硝酸アンモニウム
水溶液20gを加え、90℃で1時間イオン交換処理を
行い、続いて濾別した。この操作を3回実施した後、蒸
留水で洗浄、乾燥した。このようにして得られた触媒を
触媒Lと称する。 (ε−カプロラクタムの製造方法)触媒Lを用い、実施
例3と同様の方法でε−カプロラクタムの製造を行っ
た。反応結果を表11に示す。
【0056】
【表11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−207454(JP,A) 特開 平1−99649(JP,A) 特開 平5−9180(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 201/04 C07D 223/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気相反応条件下に固体触媒を用いてシクロ
    ヘキサノンオキシムからε−カプロラクタムを製造する
    方法において、触媒として、 (1)アンモニア、低級アルキルアミン類、アリルアミ
    ン類及び水酸化アルキルアンモニウム類の中から選ばれ
    る少なくとも1種の塩基性物質と、アンモニウム塩との
    水溶液に、または (2)アンモニア水に、 接触させて得られる固体触媒(ただし活性が低下した
    固体触媒をアンモニアと接触させることにより再生した
    触媒は除く)を用いることを特徴とするε−カプロラク
    タムの製造方法。
  2. 【請求項2】ε−カプロラクタム製造用固体触媒(ただ
    し、反応に使用して活性が低下した固体触媒は除く)の
    活性化方法において、触媒の前駆体を、 (1)アンモニア、低級アルキルアミン類、アリルアミ
    ン類及び水酸化アルキルアンモニウム類の中から選ばれ
    る少なくとも1種の塩基性物質と、アンモニウム塩との
    水溶液に、または (2)アンモニア水に、 接触させることを特徴とするε−カプロラクタム製造用
    固体触媒の活性化方法。
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