JP3767562B2 - ε−カプロラクタムの製造方法 - Google Patents

ε−カプロラクタムの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゼオライトを製造する方法に関するものである。また本発明は、ゼオライトを触媒として用いて、シクロヘキサノンオキシムからε−カプロラクタムを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ε−カプロラクタムの製造方法の1つとして、シクロヘキサノンオキシムを固体触媒の存在下に気相にてベックマン転位反応させる方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、この固体触媒に関し、例えば、特開平5−170732号公報(特許文献3)には、アンモニア、低級アルキルアミン、アリルアミン、水酸化アルキルアンモニウム等の塩基性物質を含む水溶液で接触処理したゼオライトが、触媒活性とその持続性に優れる触媒として提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−250866号公報
【特許文献2】
特開平2−275850号公報
【特許文献3】
特開平5−170732号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、触媒活性の持続性、すなわち触媒寿命の点でさらに優れるゼオライトを製造する方法を提供することにある。また本発明のもう1つの目的は、こうして得られたゼオライトを触媒として用いて、ε−カプロラクタムを長期間に渡り高収率で製造しうる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究を行った結果、ケイ素化合物の水熱合成反応により得られた結晶を焼成した後、特定の2種の成分を含む水溶液と接触させることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、ケイ素化合物の水熱合成反応により得られた結晶を焼成した後、4級アンモニウム塩およびアンモニアを含む水溶液と接触させることにより、ゼオライトを製造する方法に係るものである。また本発明は、こうして製造されたゼオライトを触媒として用い、この触媒の存在下にシクロヘキサノンを気相にてベックマン転位反応させることにより、ε−カプロラクタムを製造する方法に係るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明が製造の対象とするゼオライトは、その骨格を構成する元素としてケイ素および酸素を含むものであり、実質的にケイ素と酸素から骨格が構成される結晶性シリカであってもよいし、骨格を構成する元素としてさらに他の元素を含む結晶性メタロシリケート等であってもよい。メタロシリケート等の場合、ケイ素および酸素以外に存在しうる元素としては、例えば、Be、B、Al、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Sb、La、Hf、Bi等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上が含まれていてもよい。
【0007】
本発明では、上記のようなゼオライトの製造を、ケイ素化合物の水熱合成反応により得られた結晶を焼成した後、4級アンモニウム塩およびアンモニアを含む水溶液と接触させることにより行う。
【0008】
ケイ素化合物の水熱合成反応は、公知の方法を適宜採用することができるが、中でも、ケイ素化合物を水および水酸化テトラアルキルアンモニウムと混合し、この混合液を熱処理する処方が、好適に採用される。ケイ素化合物としては、オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸テトラエチル、オルトケイ酸テトラプロピル、オルトケイ酸テトラブチルのようなオルトケイ酸テトラアルキルが好ましい。また、水酸化テトラアルキルアンモニウムとして、水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウムを用いることにより、ε−カプロラクタム製造用触媒として好ましいペンタシル型ゼオライト、特にMFIゼオライトを好適に製造することができる。
【0009】
上記混合液を調製する際には、必要に応じてケイ素化合物、水および水酸化テトラアルキルアンモニウム以外の成分を混合原料として用いてもよい。例えば、混合液中の水酸化物イオン濃度を調整するために、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような塩基性化合物を混合してもよい。また、混合液中のテトラアルキルアンモニウムイオン濃度を調整するために、臭化テトラアルキルアンモニウムのようなテトラアルキルアンモニウム塩を混合してもよい。さらに、得られるゼオライトの骨格中にケイ素および酸素以外の元素を存在させるために、先に例示したケイ素および酸素以外の元素を含む化合物を混合してもよい。
【0010】
上記混合液中、ケイ素に対する水のモル比は、通常5〜100、好ましくは10〜60に調整され、ケイ素に対するテトラアルキルアンモニウムイオンのモル比は、通常0.1〜0.6、好ましくは0.2〜0.5に調整され、ケイ素に対する水酸化物イオンのモル比は、通常0.1〜0.6、好ましくは0.2〜0.5に調整される。また、先に例示したケイ素および酸素以外の元素を含む化合物を混合する場合には、上記混合液中、これら元素に対するケイ素のモル比は、好ましくは5以上、さらに好ましくは500以上に調整される。
【0011】
上記混合液を水熱合成反応に付する際の熱処理温度は、通常80〜160℃であり、また熱処理時間は、通常1〜200時間である。
【0012】
上記の水熱合成反応により得られる反応混合物から、濃縮、濾過等により結晶を分離し、この結晶を必要に応じて乾燥等の処理に付した後、焼成する。この焼成は、酸素含有ガス雰囲気下、例えば空気雰囲気下や空気と窒素との混合ガス雰囲気下に、400〜600℃の温度で好適に行われる。
【0013】
次いで、焼成後の結晶に対し、4級アンモニウム塩およびアンモニアを含む水溶液と接触させる処理を行う。このように特定の水溶液で接触処理を行うことにより、触媒としての寿命が向上されたゼオライトを製造することができる。なお、この水溶液による接触処理の前に、上記の焼成後の結晶に対して、必要に応じて他の処理を施しておいてもよく、例えば、水蒸気による接触処理を行うことにより、結晶の強度を向上させることができる。
【0014】
上記水溶液に含まれる4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、n−プロピルトリメチルアンモニウム、テトラ−n−プロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、4,4’−トリメチレンビス(ジメチルピペリジウム)、ベンジルトリメチルアンモニウム、ジベンジルジメチルアンモニウム、1,1’−ブチレンビス(4−アザ−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]オクタン)、トリメチルアダマンチルアンモニウムのような各種4級アンモニウムのハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、臭化テトラ−n−プロピルアンモニウムのようなハロゲン化4級アンモニウムが好ましい。
【0015】
上記水溶液は、通常pHが9以上であり、好ましくはpHが10〜13である。また、該水溶液中、アンモニアの濃度は、通常2〜30重量%、好ましくは5〜25重量%であり、4級アンモニウム塩の含有量は、アンモニア1モルに対して、通常0.0000001〜1モル、好ましくは0.000001〜0.1モル、さらに好ましくは0.000001〜0.0001モル、特に好ましくは0.000001〜0.00002モルである。
【0016】
上記水溶液には、必要に応じて、アンモニウム塩等の他の成分を含有させてもよい。このアンモニウム塩としては、例えば、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等が挙げられるが、中でも硝酸アンモニウムが好ましい。上記水溶液にアンモニウム塩を含有させる場合、その含有量は、アンモニア1モルに対して、通常0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.1モルである。
【0017】
上記水溶液による接触処理は、回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよく、例えば、攪拌槽中で結晶を上記水溶液に浸漬して攪拌してもよいし、結晶を充填した管状容器に上記水溶液を流通させてもよい。接触処理の温度は、通常50〜250℃、好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは60〜150℃であり、接触処理の時間は通常0.1〜10時間である。また上記水溶液の使用量は、結晶100重量部に対して通常100〜5000重量部である。接触処理後の結晶は、必要に応じて水洗、乾燥等の処理に付される。
【0018】
なお、上記水溶液による接触処理は、必要に応じて複数回行ってもよい。また、この接触処理は、必要に応じて、例えば前記特開平5−170732号公報(特許文献3)等に記載の公知の水溶液による接触処理と組み合わせて行ってもよい。
【0019】
以上のようにして製造されるゼオライトは、有機合成反応用触媒をはじめ各種用途に用いることができるが、中でも、シクロヘキサノンオキシムを気相にてベックマン転位反応させることによりε−カプロラクタムを製造する際の触媒として、好適に用いることができる。この触媒としては、その粒径が0.001〜5mmであるのが好ましく、0.02〜3mmであるのがさらに好ましい。またこの触媒は、例えば、実質的にゼオライトのみからなるものであってもよいし、ゼオライトを担体に担持したものであってもよい。
【0020】
上記ベックマン転位反応の条件としては、反応温度が通常250〜500℃、好ましくは300〜450℃であり、反応圧力が通常0.005〜0.5MPa、好ましくは0.005〜0.2MPaである。この反応は、固定床式で行ってもよいし、流動床式で行ってもよく、原料のシクロヘキサノンオキシムの供給速度は、触媒1kgあたりの供給速度(kg/h)、すなわち空間速度WHSV(h-1)として、通常0.1〜20h-1、好ましくは0.2〜10h-1である。
【0021】
上記反応には、シクロヘキサノンオキシムの転化率やε−カプロラクタムの選択率を向上させる観点から、アルコールを共存させるのが好ましい。該アルコールとしては、通常炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜6のものが用いられ、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−メチル−1−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でもメタノール、エタノールが好ましい。該アルコールの使用量は、シクロヘキサノンオキシム100重量部に対して、通常10〜2000重量部、好ましくは20〜1000重量部である。
【0022】
また上記反応には、水を共存させてもよく、この場合、水の使用量は、シクロヘキサノンオキシム1モルに対して2.5モル以下であるのが好ましい。さらに上記反応には、不活性ガスを共存させてもよく、該不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、二酸化炭素等が挙げられる。
【0023】
また上記反応は、触媒を空気等の酸素含有ガス雰囲気下に焼成する操作と組み合わせて実施してもよく、この触媒焼成処理により、触媒上に析出した炭素質物質を燃焼除去することができ、シクロヘキサノンオキシムの転化率やε−カプロラクタムの選択率の持続性を高めることができる。例えば、反応を固定床式で行う場合には、固体触媒を充填した固定床式反応器に、シクロヘキサノンオキシムを必要に応じてアルコール、水、不活性ガス等と共に供給して反応を行った後、シクロヘキサノンオキシムの供給を止め、次いで、酸素含有ガスを供給して焼成を行い、さらに、これら反応および焼成を繰り返す処方が、好適に採用される。また、反応を流動床式で行う場合には、固体触媒が流動した流動床式反応器に、シクロヘキサノンオキシムを必要に応じてアルコール、水、不活性ガス等と共に供給して反応を行いながら、該反応器から固体触媒を連続的または断続的に抜き出し、焼成器で焼成してから再び反応器に戻す処方が、好適に採用される。
【0024】
なお、上記反応により得られた反応混合物の後処理操作としては、公知の方法を適宜採用することができ、例えば、反応生成ガスを冷却して凝縮させた後、抽出、蒸留、晶析等の操作を行うことにより、ε−カプロラクタムを分離することができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、空間速度WHSV(h-1)は、シクロヘキサノンオキシムの供給速度(g/h)を触媒重量(g)で除することにより算出した。また、シクロヘキサノンオキシムおよびε−カプロラクタムの分析はガスクロマトグラフィーにより行い、シクロヘキサノンオキシムの転化率およびε−カプロラクタムの選択率は、供給したシクロヘキサノンオキシムのモル数をX、未反応のシクロヘキサノンオキシムのモル数をY、生成したε−カプロラクタムのモル数をZとして、それぞれ以下の式により算出した。
シクロヘキサノンオキシムの転化率(%)=[(X−Y)/X]×100
ε−カプロラクタムの選択率(%)=[Z/(X−Y)]×100
【0026】
実施例1
(a)ゼオライトの製造
ステンレス製オートクレーブに、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC2H5)4)100重量部、40重量%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液57.4重量部、48重量%水酸化カリウム水溶液0.36重量部、および水279重量部を入れ、室温にて120分間激しく攪拌した後、105℃にて48時間攪拌し、水熱合成反応を行った。得られた反応混合物を濾過し、濾残を洗液のpHが9付近になるまでイオン交換水で連続的に洗浄した後、100℃以上で乾燥した。
【0027】
得られた結晶を、530℃にて1時間窒素流通下に焼成した後、530℃にて1時間空気流通下に焼成し、粉末状白色結晶を得た。この粉末状白色結晶は、粉末X線回折で分析した結果、MFIゼオライトと同定された。次いで、この粉末状白色結晶を、80℃の水蒸気で3時間接触処理した。
【0028】
この水蒸気接触処理後の結晶8.8gをオートクレーブに入れ、この中に、7.5重量%硝酸アンモニウム水溶液96gと25重量%アンモニア水溶液147gと臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム0.003gとの混合液(pH=11.5)を加えて、90℃にて1時間攪拌した後、濾過により結晶を分離した。この結晶に対し、上記と同様の硝酸アンモニウム水溶液とアンモニア水溶液と臭化テトラ−n−プロピルアンモニウムとの混合液による処理をさらに2回繰り返した後、水洗、乾燥を行った。こうして得られたゼオライトを触媒Aとする。
【0029】
(b)ε−カプロラクタムの製造−1
触媒A0.375gを、内径1cmの石英ガラス製反応管中に充填して触媒層を形成させ、窒素4.2L/hの流通下、350℃にて1時間予熱処理した。次いで、窒素4.2L/hの流通下、触媒層の温度を340℃に下げた後、気化させたシクロヘキサノンオキシム/メタノール=1/1.8(重量比)の混合物を8.4g/h(シクロヘキサノンオキシムのWHSV=8h-1)の供給速度で反応管に供給し、20時間反応を行った。反応開始後0〜0.25時間、5〜5.25時間、13〜13.25時間、20〜20.25時間の間、反応ガスを捕集し、ガスクロマトグラフィーにより分析した。シクロヘキサノンオキシムの転化率およびε−カプロラクタムの選択率を表1に示す。
【0030】
実施例2
(a)ゼオライトの製造
実施例1(a)における水蒸気接触処理後の結晶8.8gをオートクレーブに入れ、この中に、7.5重量%硝酸アンモニウム水溶液96gと25重量%アンモニア水溶液147gとの混合液(pH=11.5)を加えて、90℃にて1時間攪拌した後、濾過により結晶を分離した。この結晶に対し、上記と同様の硝酸アンモニウム水溶液とアンモニア水溶液との混合液による処理をさらに1回繰り返し、次いで7.5重量%硝酸アンモニウム水溶液96gと25重量%アンモニア水溶液147gと臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム0.008gとの混合液(pH=11.5)を加えて、90℃にて2時間攪拌した後、濾過により結晶を分離して、水洗、乾燥した。こうして得られたゼオライトを触媒Bとする。
【0031】
(b)ε−カプロラクタムの製造−1
触媒Aに代えて触媒Bを用いた以外は、実施例1(b)と同様の操作を行った。シクロヘキサノンオキシムの転化率およびε−カプロラクタムの選択率を表1に示す。
【0032】
(c)ε−カプロラクタムの製造−2
触媒B0.375gを、内径1cmの石英ガラス製反応管中に充填して触媒層を形成させ、窒素4.2L/hの流通下、350℃にて1時間予熱処理した。次いで、窒素4.2L/hの流通下、触媒層の温度を340℃に下げた後、気化させたシクロヘキサノンオキシム/メタノール=1/1.8(重量比)の混合物を8.4g/h(シクロヘキサノンオキシムのWHSV=8h-1)の供給速度で反応管に供給し、10.25時間反応を行った。
【0033】
次いで、シクロヘキサノンオキシム/メタノール混合物の供給を停止し、窒素を空気に切り替え、空気5L/hの流通下、触媒層の温度を340℃から410℃に昇温した後、410℃にて20時間焼成処理した。その後、空気を窒素に切り替え、窒素4.2L/hの流通下、触媒層の温度を340℃に調整した。
【0034】
その後、シクロヘキサノンオキシム/メタノール混合物の供給を再開し、1回目と同じ条件で2回目の反応を行った。さらに上と同じ焼成処理および反応をもう1度繰返し、合計3回の反応を行った。初回、2回目、3回目の各反応において、反応開始後10〜10.25時間の間、反応ガスを捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析した。シクロヘキサノンオキシムの転化率およびε−カプロラクタムの選択率を表2に示す。
【0035】
比較例1
(a)ゼオライトの製造
実施例1(a)における水蒸気接触処理後の結晶8.8gをオートクレーブに入れ、この中に、7.5重量%硝酸アンモニウム水溶液96gと25重量%アンモニア水溶液147gとの混合液(pH=11.5)を加えて、90℃にて1時間攪拌した後、濾過により結晶を分離した。この結晶に対し、上記と同様の硝酸アンモニウム水溶液とアンモニア水溶液との混合液による処理をさらに2回繰り返した後、水洗、乾燥を行った。こうして得られたゼオライトを触媒Cとする。
【0036】
(b)ε−カプロラクタムの製造−1
触媒Aに代えて触媒Cを用いた以外は、実施例1(b)と同様の操作を行った。シクロヘキサノンオキシムの転化率およびε−カプロラクタムの選択率を表1に示す。
【0037】
(c)ε−カプロラクタムの製造−2
触媒Bに代えて触媒Cを用いた以外は、実施例2(c)と同様の操作を行った。シクロヘキサノンオキシムの転化率およびε−カプロラクタムの選択率を表2に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003767562
【0039】
【表2】
Figure 0003767562
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた触媒活性の持続性を有するゼオライトを製造することができる。そして得られたゼオライトを触媒として用いて、シクロヘキサノンオキシムを気相にてベックマン転位反応させることにより、ε−カプロラクタムを長期間に渡り高収率で製造することができる。

Claims (1)

  1. ケイ素化合物の水熱合成反応により得られた結晶を焼成した後、4級アンモニウム塩およびアンモニアを含む水溶液と接触させることにより製造されたゼオライトを触媒として用い、この触媒の存在下に、シクロヘキサノンオキシムを気相にてベックマン転位反応させることを特徴とするε−カプロラクタムの製造方法。
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