JP2013194012A - ラクタム化合物及び/又はアミド化合物の製造方法 - Google Patents

ラクタム化合物及び/又はアミド化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ラクタム化合物及び/又はアミド化合物を良好な収率で製造する方法の提供。
【解決手段】ラクトン化合物と、アンモニア又はアミン化合物とを、アルミニウムに対するケイ素の原子比(Si/Al)が5000以上であるゼオライト及び水の存在下に反応させて下記式アミド化合物(IV)を製造する。
Figure 2013194012

(式中、Rは、炭素数3〜7のアルキレン基を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、式(I)
Figure 2013194012
(式中、Rは、炭素数3〜7のアルキレン基を表す。)
で示されるラクトン化合物〔以下、ラクトン化合物(I)ということがある。〕と、式(II)
Figure 2013194012
(式中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。)
で示される化合物〔以下、アンモニア又はアミン化合物(II)ということがある。〕とを反応させて、式(III)
Figure 2013194012
(式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるラクタム化合物〔以下、ラクタム化合物(III)ということがある。〕及び/又は式(IV)
Figure 2013194012
(式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるアミド化合物〔以下、アミド化合物(IV)ということがある。〕を製造する方法に関するものである。
ラクタム化合物(III)及びアミド化合物(IV)は、ナイロン等の合成繊維の原料として有用である。ラクトン化合物(I)と、アンモニア又はアミン化合物(II)とを反応させてラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)を製造する方法として、例えば、固体触媒として酸化ケイ素/酸化アルミニウムのモル比が30〜500/1(ケイ素/アルミニウムのモル比が15〜250/1)である結晶性アルミニウムケイ酸塩ゼオライトを使用し、該結晶性アルミニウムケイ酸塩ゼオライト及び水の存在下、γ−ブチロラクトンと、アンモニア、アルキルアミン又はエタノールアミンとを反応させる方法が知られている(特許文献1)。
特開2001−302625号公報
しかしながら、前記従来の方法では、ラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)の収率の点で必ずしも満足のいくものではなかった。
そこで、本発明の目的は、ラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)を良好な収率で製造する方法を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
(1)ラクトン化合物(I)と、アンモニア又はアミン化合物(II)とを、アルミニウムに対するケイ素の原子比(Si/Al)が5000以上であるゼオライト及び水の存在下に反応させることを特徴とするラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)の製造方法。
(2)前記ゼオライトがペンタシル型ゼオライトである前記(1)に記載の製造方法。
(3)前記ゼオライトがシリカライトである前記(1)に記載の製造方法。
(4)式(II)で示される化合物の使用量が、式(I)で示されるラクトン化合物1モルに対して1〜20モルである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)式(II)、(III)及び(IV)におけるRが水素原子である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)式(I)で示されるラクトン化合物が、γ−ブチロラクトン又はε−カプロラクトンである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)前記反応を200〜600℃で行う前記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、ラクトン化合物(I)を良好な転化率で転化して、ラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)を良好な収率で製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明では、ラクトン化合物(I)と、アンモニア又はアミン化合物(II)とを、アルミニウムに対するケイ素の原子比(Si/Al)が5000以上であるゼオライト及び水の存在下に反応させる。
式(I)中、炭素数3〜7のアルキレン基としては、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基が挙げられる。ラクトン化合物(I)としては、例えば、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、ζ−エナントラクトン、η−カプリロラクトン等が挙げられ、中でも、γ−ブチロラクトン又はε−カプロラクトンを原料とする場合に、本発明の方法は有利に採用される。
式(II)中、アルキル基としては、炭素数が1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、炭素数が2〜6のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、2−メチルアリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、2−メチル−2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、炭素数が3〜6のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、トリフェニルエチル基、(1−ナフチル)メチル基、(2−ナフチル)メチル基等が挙げられる。ヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソブチル基等が挙げられる。本発明の方法において、アンモニア又はアミン化合物(II)としては、中でも、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−オクチルアミン、ビニルアミン、エタノールアミンが好ましく、アンモニア、メチルアミンがより好ましく、アンモニアがさらに好ましい。アンモニア又はアミン化合物(II)は、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
アンモニア又はアミン化合物(II)の使用量は、ラクトン化合物(I)1モルに対して、1〜20モルが好ましく、1〜10モルがより好ましい。2種以上のアンモニア又はアミン化合物(II)を使用する場合、アンモニア又はアミン化合物(II)の合計使用量が、ラクトン化合物(I)に対して、上記範囲となればよい。
本発明では、水の存在下に反応を行うことにより、前記反応を円滑に進行させることができる。水の使用量は、ラクトン化合物(I)1モルに対して、0.1〜10モルが好ましく、0.4〜5モルがより好ましい。
本発明では、アルミニウムに対するケイ素の原子比(Si/Al)が5000以上であるゼオライトを触媒として使用することにより、前記反応を円滑に進行させることができる。前記ゼオライトにおけるアルミニウムに対するケイ素の原子比(Si/Al)は、8000以上が好ましい。前記ゼオライトは、その骨格を構成する元素としてケイ素、アルミニウム及び酸素を含むものであってもよいし、アルミニウムが実質的に含まれず、実質的にケイ素と酸素から骨格が構成される結晶性シリカであってもよいし、骨格を構成する元素としてケイ素、アルミニウム及び酸素以外の他の元素を含む結晶性メタロシリケート等であってもよい。該メタロシリケート等は、アルミニウムが実質的に含まれないものであってもよい。アルミニウムが実質的に含まれない結晶性シリカ又はメタロシリケートは、アルミニウムに対するケイ素の原子比(Si/Al)が∞であることを意味する。メタロシリケート等の場合、ケイ素、アルミニウム及び酸素以外に存在しうる元素としては、例えば、Be、B、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Sb、La、Hf、Bi等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上が含まれていてもよい。
前記ゼオライトとしては、LTA、MFI、FAU、BEA、MWW、FER、CHA、MOR等の種々の構造のものが挙げられる。前記ゼオライトの中でも、ペンタシル型構造を有するものが好ましく、特にMFI構造を有するものが好ましい。尚、ゼオライトの構造は、例えば、XRD(X線回折)測定により確認することができる。
前記ゼオライトは、例えば、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、構造規定剤及び水を含む混合物を自己圧下に水熱合成反応に付すことにより合成することができる。ケイ素化合物及びアルミニウム化合物の使用割合は、混合物中のアルミニウムに対するケイ素のモル比が5000以上となるように定めることができる。アルミニウムが実質的に含まれず、実質的にケイ素と酸素から骨格が構成される結晶性シリカを合成する場合は、アルミニウム化合物を用いずに合成を行えばよい。
前記ケイ素化合物としては、例えば、コロイダルシリカ、シリカゲル、フュームドシリカ等の非晶質シリカ;珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等の珪酸アルカリ;オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸テトラエチル、オルトケイ酸テトラプロピル、オルトケイ酸テトラブチル等のオルトケイ酸テトラアルキル等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、オルトケイ酸テトラアルキルが好ましく、オルトケイ酸テトラエチルがより好ましい。
前記アルミニウム化合物としては、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシド;水酸化アルミニウム;硫酸アルミニウム;塩化アルミニウム;硝酸アルミニウム;アルミン酸ナトリウム等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
構造規定剤(テンプレート)とは、ゼオライト構造の形成に利用される有機化合物を意味する。前記構造規定剤は、その周囲にポリケイ酸イオンやポリメタロケイ酸イオンを組織することによりゼオライト構造の前駆体を形成することができる(ゼオライトの科学と工学、講談社サイエンティフィク、2000年、p.33−34参照)。本発明において、前記ゼオライトの合成に用いられる構造規定剤としては、第四級アンモニウム化合物、アルキルアミン等が挙げられるが、中でも、第四級アンモニウム化合物が好ましい。第四級アンモニウム化合物の中でも、水酸化テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウムのハロゲン化物等のテトラアルキルアンモニウム塩が好ましく、水酸化テトラアルキルアンモニウムがより好ましい。水酸化テトラアルキルアンモニウムは、構造規定剤ないし塩基として作用しうるものであり、水酸化テトラメチルアンモニウムや水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウムが好ましく用いられ、水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウムがより好ましく用いられる。
前記混合物を調製する際には、必要に応じて、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、水及び構造規定剤の他に、これら以外の成分を原料として用いてもよい。例えば、混合物中の水酸化物イオン濃度を調整するために、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような塩基性化合物を混合してもよい。また、例えば、構造規定剤として水酸化テトラアルキルアンモニウムを使用する場合には、混合液中のテトラアルキルアンモニウムイオン濃度を調整するために、臭化テトラアルキルアンモニウムのようなテトラアルキルアンモニウム塩を混合してもよい。上述のケイ素、アルミニウム及び酸素以外の元素を含むゼオライトを調製する場合には、ケイ素、アルミニウム及び酸素以外の元素を含む化合物を混合してもよい。また、アルコール等の溶媒を混合してもよい。
水熱合成反応に付される混合物中のケイ素に対する水のモル比は、5〜100が好ましく、より好ましくは10〜60である。混合物中のケイ素に対する水酸化物イオンのモル比は、好ましくは0.1〜0.6に調整され、より好ましくは0.2〜0.5に調整される。構造規定剤としてテトラアルキルアンモニウム塩を使用する場合、混合物中のケイ素に対するテトラアルキルアンモニウムイオンのモル比は、0.1〜0.6が好ましく、より好ましくは0.2〜0.5である。先に例示したケイ素、アルミニウム及び酸素以外の元素について、該元素を含む化合物を混合する場合には、前記混合物中、これら元素に対するケイ素のモル比は、好ましくは5以上に調整される。
前記水熱合成反応において、その温度は、通常80〜160℃であり、また、水熱合成時間は、通常1〜200時間である。水熱合成における圧力は、通常、絶対圧で、0.10〜1.0MPaの範囲である。水熱合成の方法は、特に限定されないが、例えば、前記混合液をオートクレーブ等の反応容器に封入し、密閉状態で前記温度条件下、攪拌することにより行われる。
前記の水熱合成反応により得られる反応混合物からのゼオライトの分離は、例えば、濾過により行ってもよいし、遠心分離により行ってもよいし、デカンテーションにより行ってもよいが、濾過により行うのが好ましい。濾過の方式としては、特に制限はなく、クロスフロー方式であってもよく、全量濾過方式であってもよい。尚、該分離後に、必要に応じて洗浄処理を行ってもよい。
分離されたゼオライトは、焼成するのが好ましい。焼成は、通常、酸素含有ガス雰囲気下、例えば、空気雰囲気下や空気と窒素との混合ガス雰囲気下に、400〜600℃の温度で好適に行われる。また、この酸素含有ガス雰囲気下の焼成の前ないし後に、窒素等の不活性ガス雰囲気下での焼成を行ってもよい。
分離されたゼオライトは、前記焼成に付す前に、必要に応じて乾燥してもよい。乾燥する際の乾燥方法は、特に制限されるものではなく、例えば、蒸発乾固法、噴霧乾燥法、ドラム乾燥法、気流乾燥法等、この分野で通常用いられる方法を採用することができる。また、乾燥条件については、適宜設定すればよい。
前記反応に用いられるゼオライトは、使用する反応器等に合わせて、成形して使用することができる。成形は、例えば、押出、圧縮、打錠、流動、転動、噴霧等の方法により行うことができる。このような成形方法により所望の形状、例えば球状、円柱状、板状、リング状、クローバー状等に成形することができる。ゼオライトの成形体は、その用途に合わせて形状が選択され、その形状に合わせて成形方法が選択されうる。例えば、固定床反応の触媒として使用する場合は、押出、打錠等の方法を採用することにより、円柱状や円筒状の如きペレット状の成形体が製造され、また、流動床反応や移動床反応の触媒として使用する場合は、球状の如き微粒子状の成形体が、スラリーの噴霧乾燥により製造される。また、このゼオライトは、実質的にゼオライトのみからなるものであってもよいし、ゼオライトと他の成分からなるものであってもよく、例えば、実質的にゼオライトのみを成形したものであってもよいし、ゼオライトをバインダーや補強材等と混合して成形したものであってもよいし、ゼオライトを担体に担持したものであってもよい。
本発明においては、前記反応に用いられるゼオライトとして、シリカライトを使用するのが好ましい。シリカライトは、アルミニウムが実質的に含まれず、実質的にケイ素と酸素から骨格が構成される結晶性シリケートであり、例えば、オルトケイ酸テトラアルキル、水、水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム及び必要により溶媒等を混合して得られる混合液を自己圧下に水熱合成反応に付すことにより合成することができる。
前記反応は、回分式で行ってもよく、半回分式で行ってもよく、連続式で行ってもよいが、生産性及び操作性の点から、連続式で行うのが好ましい。該反応における反応温度は、200〜600℃が好ましく、300〜500℃がより好ましい。反応圧力は、通常0.1〜1MPaである。該反応を連続式で行う場合、気相条件下に固定床形式又は流動床形式で好適に行うことができ、原料のラクトン化合物(I)の供給速度は、触媒1kgあたりの供給速度(kg/h)、すなわち空間速度WHSV(h−1)として、通常1〜50h−1、好ましくは2〜10h−1である。該反応を連続式で行う場合、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガスを原料とともに供給してもよい。
かくして、ラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)を含む反応混合物を得ることができる。反応後の後処理操作については適宜選択されるが、例えば、適宜濾過やデカンテーション等により反応混合物からメソポーラスシリカを分離した後、抽出、蒸留、晶析等の操作を行うことにより、ラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)を分離することができる。アミド化合物(IV)は、公知の方法、例えば、特開2003−321427号公報に記載された方法等によって、分子内脱水縮合反応させることにより、ラクタム化合物(III)に変換することができる。ゆえに、アミド化合物(IV)は、ラクタム化合物(III)の製造における中間体として有用である。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、ラクトン化合物(I)の空間速度WHSV(h−1)は、ラクトン化合物(I)の供給速度(g/h)を触媒重量(g)で除することにより算出した。また、ラクトン化合物(I)、ラクタム化合物(III)及びアミド化合物(IV)の分析はガスクロマトグラフィーにより行い、ラクトン化合物(I)の転化率、ラクタム化合物(III)の選択率、アミド化合物(IV)の選択率及びラクタム化合物(III)及びアミド化合物(IV)の合計収率は、供給したラクトン化合物(I)のモル数をa、未反応のラクトン化合物(I)のモル数をb、生成したラクタム化合物(III)のモル数をc、生成したアミド化合物(IV)のモル数をdとして、それぞれ以下の式により算出した。
・ラクトン化合物(I)の転化率(%)=[(a−b)/a]×100
・ラクタム化合物(III)の選択率(%)=[c/(a−b)]×100
・アミド化合物(IV)の選択率(%)=[d/(a−b)]×100
・ラクタム化合物(III)及びアミド化合物(IV)の合計収率(%)
=(ラクトン化合物(I)の転化率(%))×[(ラクタム化合物(III)の選択率(%))+(アミド化合物(IV)の選択率(%))]/100
実施例1
(a)<ゼオライトの製造>
ステンレス製オートクレーブに、オルトケイ酸テトラエチル[Si(OC]100重量部、40重量%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液57.4重量部、48重量%水酸化カリウム水溶液0.36重量部、及び水279重量部を入れ、室温にて120分間激しく攪拌した後、105℃にて48時間、300rpmの回転数で攪拌し、水熱合成反応を行った。得られた反応混合物を濾過し、濾残を洗液のpHが9付近になるまでイオン交換水で連続的に洗浄した後、110℃にて乾燥し、結晶を得た。
上記で得られた結晶を、530℃にて1時間窒素流通下に焼成した後、530℃にて1時間空気流通下に焼成し、シリカライトを得た。このシリカライトは、粉末X線回折で分析した結果、MFIゼオライトと同定された。
(b)<2−ピロリドン〔式(III)中、Rがプロピレン基であり、Rが水素原子である化合物〕及び4−ヒドロキシブタンアミド〔式(IV)中、Rがプロピレン基であり、Rが水素原子である化合物〕の製造>
実施例1(a)で得られたシリカライト0.375gを、内径12mmの石英ガラス製反応管中に充填して触媒層を形成させ、窒素4.2L/hの流通下、350℃にて2時間予熱処理した。次いで、触媒層の温度を300℃に下げた後、窒素3.0L/h及びアンモニア〔式(II)中、Rが水素原子である化合物〕ガス0.36L/hの流通下、気化させたγ−ブチロラクトン〔式(I)中、Rがプロピレン基である化合物〕/水=11.5(重量比)の混合物を1.3g/h(γ−ブチロラクトン/水/アンモニア=2.4/1/2.4(モル比)、γ−ブチロラクトンのWHSV=3.3h−1)の供給速度で反応管に供給し、反応を行った。反応開始から0時間後〜1時間後の反応ガスを捕集し、ガスクロマトグラフィーにより分析した。γ−ブチロラクトンの転化率は44.1%であり、2−ピロリドンの選択率は3.6%、4−ヒドロキシブタンアミドの選択率は83.4%、2−ピロリドン及び4−ヒドロキシブタンアミドの合計収率は38.4%であった。
比較例1
シリカライトに代えて、H−ZSM−5[PQコーポレーション社製、アルミニウムに対するケイ素の原子比(Si/Al)=40]を使用した以外は、実施例1(b)と同様に反応を行った。γ−ブチロラクトンの転化率は26.7%であり、2−ピロリドンの選択率は46.1%、4−ヒドロキシブタンアミドの選択率は34.0%、2−ピロリドン及び4−ヒドロキシブタンアミドの合計収率は21.4%であった。
比較例2
シリカライトに代えて、H−ZSM−5[PQコーポレーション社製、アルミニウムに対するケイ素の原子比(Si/Al)=140]を使用した以外は、実施例1(b)と同様に反応を行った。γ−ブチロラクトンの転化率は19.3%であり、2−ピロリドンの選択率は24.3%、4−ヒドロキシブタンアミドの選択率は63.2%、2−ピロリドン及び4−ヒドロキシブタンアミドの合計収率は16.9%であった。
実施例2
<ε−カプロラクタム〔式(III)中、Rがペンチレン基であり、Rが水素原子である化合物〕及び6−ヒドロキシヘキサンアミド〔式(IV)中、Rがペンチレン基であり、Rが水素原子である化合物〕の製造>
実施例1(a)で得られたシリカライト0.375gを、内径12mmの石英ガラス製反応管中に充填して触媒層を形成させ、窒素4.2L/hの流通下、350℃にて2時間予熱処理した。次いで、触媒層の温度を300℃に下げた後、窒素3.0L/h及びアンモニアガス0.26L/hの流通下、気化させたε−カプロラクトン〔式(I)中、Rがペンチレン基である化合物〕/水=12(重量比)の混合物を1.3g/h(ε−カプロラクトン/水/アンモニア=1.9/1/1.9(モル比)、ε−カプロラクトンのWHSV=3.2h−1)の供給速度で反応管に供給し、反応を行った。反応開始から0時間後〜1時間後の反応ガスを捕集し、ガスクロマトグラフィーにより分析した。ε−カプロラクトンの転化率は10.6%であり、ε−カプロラクタムの選択率は4.7%、6−ヒドロキシヘキサンアミドの選択率は78.9%、ε−カプロラクタム及び6−ヒドロキシヘキサンアミドの合計収率は8.9%であった。
比較例3
シリカライトに代えて、H−ZSM−5[PQコーポレーション社製、アルミニウムに対するケイ素の原子比(Si/Al)=40]を使用した以外は、実施例2と同様に反応を行った。ε−カプロラクトンの転化率は9.9%であり、ε−カプロラクタムの選択率は12.2%、6−ヒドロキシヘキサンアミドの選択率は32.8%、ε−カプロラクタム及び6−ヒドロキシヘキサンアミドの合計収率は4.5%であった。
比較例4
シリカライトに代えて、H−ZSM−5[PQコーポレーション社製、アルミニウムに対するケイ素の原子比(Si/Al)=140]を使用した以外は、実施例2と同様に反応を行った。ε−カプロラクトンの転化率は9.5%であり、ε−カプロラクタムの選択率は8.4%、6−ヒドロキシヘキサンアミドの選択率は22.1%、ε−カプロラクタム及び6−ヒドロキシヘキサンアミドの合計収率は2.9%であった。

Claims (7)

  1. 式(I)
    Figure 2013194012
    (式中、Rは、炭素数3〜7のアルキレン基を表す。)
    で示されるラクトン化合物と、式(II)
    Figure 2013194012
    (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。)
    で示される化合物とを、アルミニウムに対するケイ素の原子比(Si/Al)が5000以上であるゼオライト及び水の存在下に反応させることを特徴とする式(III)
    Figure 2013194012
    (式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
    で示されるラクタム化合物及び/又は式(IV)
    Figure 2013194012
    (式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
    で示されるアミド化合物の製造方法。
  2. 前記ゼオライトがペンタシル型ゼオライトである請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ゼオライトがシリカライトである請求項1に記載の製造方法。
  4. 式(II)で示される化合物の使用量が、式(I)で示されるラクトン化合物1モルに対して1〜20モルである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 式(II)、(III)及び(IV)におけるRが水素原子である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 式(I)で示されるラクトン化合物が、γ−ブチロラクトン又はε−カプロラクトンである請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記反応を200〜600℃で行う請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104496878A (zh) * 2014-12-02 2015-04-08 铜仁学院 一种用颗粒型固体超强酸催化合成α-吡咯烷酮的方法

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