JP4687692B2 - ε−カプロラクタム製造用触媒の再生方法及びε−カプロラクタムの製造方法 - Google Patents

ε−カプロラクタム製造用触媒の再生方法及びε−カプロラクタムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位反応に用いられるε−カプロラクタム製造用触媒を再生する方法に関する。また、本発明は、こうして再生した触媒を用いて、シクロヘキサノンオキシムをベックマン転位反応させることにより、ε−カプロラクタムを製造する方法にも関係している。
ε−カプロラクタムを製造する方法の1つとして、シクロヘキサノンオキシムをゼオライト触媒の存在下にベックマン転位反応させる方法が知られている。この触媒は、通常、使用時間の経過と共に活性や選択性が低下し、シクロヘキサノンオキシムの転化率やε−カプロラクタムの選択率の低下を招くため、その再生方法として、例えば、特開平5−9180号公報(特許文献1)には、使用済触媒にアンモニアを接触させることが提案されている。また、特開2003−320260号公報(特許文献2)には、使用済触媒に4級アンモニウム化合物及び/又は低級アルキルアミン類とアンモニアを含む水溶液を接触させることが提案されている。さらに、特開2005−224752号公報(特許文献3)には、使用済触媒にアンモニア及び/又はアミンとカルボン酸と水を含むガスを接触させることが提案されている。
特開平5−9180号公報 特開2003−320260号公報 特開2005−224752号公報
本発明者等は、上記ε−カプロラクタム製造用触媒のさらに優れた再生方法を開発すべく鋭意研究を行った結果、使用済触媒に対し、ケイ素化合物による吸着処理、並びに4級アンモニウム化合物、低級アルキルアミン及びアンモニアから選ばれる化合物を含む水溶液による接触処理を行うことで、使用済触媒の活性及び選択性が効果的に回復しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位反応に使用したゼオライト触媒に、ケイ素化合物を吸着させること、並びに4級アンモニウム化合物、低級アルキルアミン類及びアンモニアから選ばれる化合物を含む水溶液を接触させることにより、ε−カプロラクタム製造用触媒を再生する方法を提供するものである。また、本発明によれば、こうして再生した触媒の存在下に、シクロヘキサノンをベックマン転位反応させることにより、ε−カプロラクタムを製造する方法も提供される。
本発明によれば、シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位反応に使用したゼオライト触媒の活性及び選択性を効果的に回復させることができ、こうして触媒を再生、再使用することにより、ε−カプロラクタムを長期間にわたり収率良く製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明が再生の対象とする触媒は、シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位反応に用いられるゼオライト触媒である。このゼオライト触媒は、実質的にゼオライトのみからなるものであってもよいし、ゼオライトと他の成分からなるものであってもよく、例えば、実質的にゼオライトのみを成形したものであってもよいし、ゼオライトをバインダーや補強材等と混合して成形したものであってもよいし、ゼオライトを担体に担持したものであってもよい。また、その粒径は、通常5mm以下であり、好ましくは3mm以下である。
上記ゼオライトは、その骨格が実質的にケイ素及び酸素のみから構成される結晶性シリカであってもよいし、骨格を構成する元素としてさらに他の元素を含む結晶性メタロシリケート等であってもよい。結晶性メタロシリケート等である場合、ケイ素及び酸素以外に含まれうる元素としては、例えば、Be、B、Al、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Sb、La、Hf、Bi等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上が含まれていてもよい。また、これら元素に対するケイ素の原子比は、好ましくは5以上であり、さらに好ましくは500以上である。
また、上記ゼオライトは、ペンタシル型ゼオライトであるのが好ましく、中でもMFI型ゼオライトであるのが好ましい。また、その1次粒子径は、5μm以下であるのが好ましく、1μm以下であるのがさらに好ましい。
上記ゼオライトは、例えば、ケイ素化合物を、4級アンモニウム化合物、水及び必要により金属化合物等と混合して水熱合成反応に付し、得られた結晶を焼成した後、さらにアンモニアやアンモニウム塩で接触処理することにより、好適に調製することができる。
上記ゼオライト触媒を用いるシクロヘキサノンオキシムのベックマン転位反応は、気相条件下に固定床式又は流動床式で好適に行うことができ、反応温度は通常250〜500℃、好ましくは300〜450℃であり、反応圧力は通常0.005〜0.5MPa、好ましくは0.005〜0.2MPaである。また、原料のシクロヘキサノンオキシムの供給速度は、触媒1kgあたりの供給速度(kg/h)、すなわち空間速度WHSV(h-1)として、通常0.1〜20h-1、好ましくは0.2〜10h-1である。
シクロヘキサノンオキシムは、単独で反応系内に供給してもよいし、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガスと共に反応系内に供給してもよい。また、特開平2−250866号公報に記載の如きエーテル化合物を共存させる方法、特開平2−275850号公報に記載の如き低級アルコールを共存させる方法、特開平5−201965号公報に記載の如きアルコール及び/又はエーテル化合物と水を共存させる方法、特開平5−201966号公報に記載の如きアンモニアを共存させる方法、特開平6−107627号公報に記載の如きメチルアミン類を共存させる方法等も有効である。
なお、シクロヘキサノンオキシムは、例えば、シクロヘキサノンをヒドロキシルアミン乃至その塩でオキシム化することにより調製されたものであってもよいし、シクロヘキサノンをチタノシリケート等の触媒の存在下にアンモニアと過酸化水素でアンモキシム化することにより調製されたものであってもよい。
また、上記ベックマン転位反応は、ゼオライト触媒を空気等の酸素含有ガス雰囲気下に焼成する操作と組み合わせて実施してもよく、この触媒焼成処理により、触媒上に析出した炭素質物質を燃焼除去することができ、シクロヘキサノンオキシムの転化率やε−カプロラクタムの選択率の持続性を高めることができる。例えば、反応を固定床式で行う場合には、触媒が充填された固定床式反応器に、シクロヘキサノンオキシムを供給して反応を行った後、その供給を止め、次いで、酸素含有ガスを供給して焼成を行い、さらに、これら反応及び焼成を繰り返す処方が、好適に採用される。また、反応を流動床式で行う場合には、触媒が流動した流動床式反応器に、シクロヘキサノンオキシムを供給して反応を行いながら、該反応器から触媒を連続的または断続的に抜き出し、焼成器で酸素含有ガス雰囲気下に焼成してから、再び反応器に戻す処方が、好適に採用される。
以上のようにシクロヘキサノンオキシムをゼオライト触媒の存在下にベックマン転位反応させる場合、通常、運転時間の経過と共に、すなわち触媒の使用時間の経過と共に、触媒上に炭素質物質が析出することや、触媒が熱劣化すること等により、触媒の活性や選択性が低下する、すなわちシクロヘキサノンオキシムの転化率やε−カプロラクタムの選択率が低下する。そこで、本発明においては、使用済触媒に対し、ケイ素化合物による吸着処理、並びに4級アンモニウム化合物、低級アルキルアミン及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種の化合物を含む水溶液による接触処理を行う。これらの吸着処理及び接触処理により、使用済触媒の活性及び選択性を効果的に回復させることができ、上記ベックマン転位反応に使用する前の新品触媒と同等以上の活性及び選択性を有する再生触媒を得ることができる。
上記吸着処理に用いられるケイ素化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−プロピルトリエトキシシラン、酢酸ケイ素(テトラアセトキシシラン)、2−エチルヘキサン酸ケイ素(テトラ−2−エチルヘキサノイルオキシシラン)、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシランのような有機ケイ素化合物や、モノシラン、ジシラン、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)、コロイダルシリカのような無機ケイ素化合物が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランのようなアルコキシシランが好ましい。
ケイ素化合物の使用量は、使用済触媒100重量部に対して、通常0.1〜100重量部である。
上記接触処理に用いられる水溶液が4級アンモニウム化合物を含む場合、この4級アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、n−プロピルトリメチルアンモニウム、テトラ−n−プロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、4,4’−トリメチレンビス(ジメチルピペリジウム)、ベンジルトリメチルアンモニウム、ジベンジルジメチルアンモニウム、1,1’−ブチレンビス(4−アザ−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]オクタン)、トリメチルアダマンチルアンモニウムのような各種4級アンモニウムの水酸化物やハロゲン化物等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、テトラ−n−プロピルアンモニウム化合物が好ましく、さらに好ましくは水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウムや臭化テトラ−n−プロピルアンモニウムである。
また、上記接触処理に用いられる水溶液が低級アルキルアミン類を含む場合、この低級アルキルアミン類は、モノアルキルアミンであってもよいし、ジアルキルアミンであってもよいし、トリアルキルアミンであってもよく、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。通常、下記一般式(1)
NR123 (1)
(式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R1、R2及びR3が同時に水素原子であることはない。)
で示される化合物が好適に用いられる。
上記一般式(1)で示される低級アルキルアミン類の具体例としては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。中でもトリプロピルアミンが好ましい。
上記接触処理に用いられる水溶液は、通常pHが9以上であり、好ましくはpHが10〜13である。また、該水溶液中、4級アンモニウム化合物、低級アルキルアミン類及びアンモニアから選ばれる化合物の濃度は、複数種含まれる場合はそれらの合計として、通常2〜30重量%、好ましくは5〜25重量%である。該水溶液には、アンモニアが含まれるのが好ましく、さらにはアンモニアに加えて4級アンモニウム化合物及び低級アルキルアミンから選ばれる化合物が含まれるのが好ましい。この場合、4級アンモニウム化合物及び低級アルキルアミン類の含有量は、複数種含まれる場合はそれらの合計として、アンモニア1モルに対して、通常0.00001〜0.1モル、好ましくは0.0001〜0.05モルである。
上記水溶液には、必要に応じて、アンモニウム塩等の他の成分を含有させてもよい。このアンモニウム塩としては、例えば、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、フッ化アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム等が挙げられ、中でも硝酸アンモニウムと酢酸アンモニウムが好ましい。上記水溶液にアンモニウム塩を含有させる場合、その含有量は、4級アンモニウム化合物、低級アルキルアミン類及びアンモニアから選ばれる化合物1モルに対して、通常0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.1モルである。
上記水溶液の使用量は、使用済触媒100重量部に対して、通常100〜5000重量部である。
上記吸着処理及び接触処理の順序は任意であり、吸着処理を行った後、接触処理を行ってもよいし、接触処理を行った後、吸着処理を行ってもよいし、吸着処理と接触処理を同時に行ってもよいが、吸着処理を行った後、接触処理を行うのが好ましい。
上記吸着処理及び接触処理を別々に行う場合、該吸着処理は、ケイ素化合物を必要によりアルコール等の有機溶媒や水又は有機溶媒と水の混合溶媒に溶解して、液相条件下に好適に行うことができる。具体的には、使用済触媒をケイ素化合物又はその溶液に浸して、使用済触媒にケイ素化合物を吸着させた後、過剰分のケイ素化合物又はその溶液を濾別する方法や、使用済触媒をケイ素化合物の溶液に浸した後、溶媒を蒸発させる方法等が挙げられる。吸着処理の温度は、通常20〜150℃である。尚、該吸着処理の際、上記接触処理で用いる4級アンモニウム化合物等を一部又は全部添加して行ってもよい。
また、上記吸着処理及び接触処理を別々に行う場合、該接触処理は、回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよく、例えば、攪拌槽中で使用済触媒を4級アンモニウム化合物、低級アルキルアミン類及びアンモニアから選ばれる化合物を含む水溶液に浸漬して攪拌してもよいし、使用済触媒を充填した管状容器に該水溶液を流通させてもよい。接触処理の温度は、通常50〜250℃、好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは60〜150℃であり、接触処理の時間は通常0.1〜10時間である。接触処理後の使用済触媒は、必要に応じて水洗、乾燥等の処理に供される。
また、上記吸着処理及び接触処理を同時に行う場合は、ケイ素化合物又はその溶液を、4級アンモニウム化合物、低級アルキルアミン類及びアンモニアから選ばれる化合物を含む水溶液に加え、この水溶液を用いて、上で述べた接触処理と同様の条件で使用済触媒を処理するのがよい。
上記吸着処理及び接触処理に供される使用済触媒は、該触媒上に析出した炭素質物質が残存したままであってもよいし、あらかじめ空気等の酸素含有ガスの雰囲気下に焼成しておき、該触媒上に析出した炭素質物質を燃焼除去しておいてもよい。なお、この焼成は、例えば特開平3−207454号公報に提案された方法のように、アルコールを共存させて行ってもよい。
以上のようにして得られた再生触媒は、前述のシクロヘキサノンオキシムのベックマン転位反応に再使用することができ、このように触媒を再生、再使用することにより、ε−カプロラクタムを長期間にわたり高収率で製造することができる。
前述のように、ベックマン転位反応を触媒焼成処理と組み合わせて実施する場合には、この焼成処理後の触媒に、上記吸着処理及び接触処理を施すのが好ましい。例えば、前述のように、触媒が充填された固定床式反応器に、シクロヘキサノンオキシムの供給による反応および酸素含有ガスの供給による焼成を繰り返して行う場合は、焼成後、毎回又は数回おきに、触媒を上記吸着処理及び接触処理に供せばよく、この際、触媒を反応器に充填したままで上記吸着処理及び接触処理を行ってもよいし、触媒を一旦反応器から抜き出し、上記吸着処理及び接触処理を行った後、再び反応器に充填してもよい。また、前述のように、流動床式反応器と焼成器の間で触媒を循環させつつ反応を行う場合は、焼成器から触媒の一部を抜き出し、上記吸着処理及び接触処理に供せばよく、処理後の触媒は、再び焼成器に戻してもよいし、反応器に導入してもよい。
なお、上記ベックマン転位反応により得られた反応混合物の後処理操作としては、公知の方法を適宜採用することができ、例えば、反応生成ガスを冷却して凝縮させた後、抽出、蒸留、晶析等の操作を行うことにより、ε−カプロラクタム分離することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、触媒中の炭素含有量の分析は、NCH定量装置〔住化分析センター(株)のスミグラフNCH−21(酸素循環燃焼・TCD−GC検出方法)〕により行った。またシクロヘキサノンオキシムの空間速度WHSV(h-1)は、シクロヘキサノンオキシムの供給速度(g/h)を触媒重量(g)で除することにより算出した。また、シクロヘキサノンオキシム及びε−カプロラクタムの分析はガスクロマトグラフィーにより行い、シクロヘキサノンオキシムの転化率及びε−カプロラクタムの選択率は、供給したシクロヘキサノンオキシムのモル数をX、未反応のシクロヘキサノンオキシムのモル数をY、生成したε−カプロラクタムのモル数をZとして、それぞれ以下の式により算出した。
・シクロヘキサノンオキシムの転化率(%)=[(X−Y)/X]×100
・ε−カプロラクタムの選択率(%)=[Z/(X−Y)]×100
参考例1
(a)使用済触媒の取得
結晶性シリカからなるMFIゼオライトを主成分とする粒径0.3mm以下の粒子を触媒として用い、この触媒を流動させた流動床式反応器に、気化させたシクロヘキサノンオキシム、気化させたメタノール及び窒素ガスを供給しながら、反応生成ガスを抜き出すことにより、380℃にて6ヶ月、反応を行った。この間、シクロヘキサノンオキシムの空間速度WHSVは2h-1とし、メタノールの供給割合はシクロヘキサノンオキシム1kgに対して1.8kg、窒素ガスの供給割合はシクロヘキサノンオキシム1kgに対して0.8Lとした。またこの間、反応器内から触媒の一部を抜き出し、焼成器に導入して、空気流通下、500℃、滞留時間20時間で焼成した後、再び反応器に導入することにより、触媒を反応器と焼成器の間で循環させた。ここで、該焼成器内より触媒の一部を抜き出し、これを使用済触媒Aとした。この使用済触媒Aの炭素含有量は0.05重量%であった。また、該反応器内より触媒の一部を抜き出し、これを使用済触媒Bとした。この使用済触媒Bの炭素含有量は1.2重量%であった。さらに使用済触媒Bを、空気雰囲気下、340℃、1時間で焼成し、得られた触媒を使用済触媒Cとした。この使用済触媒Cの炭素含有量は0.25重量%であった。
(b)使用済触媒Aの評価
上記使用済触媒A0.375gを、内径1cmの石英ガラス製反応管中に充填して触媒層を形成し、窒素4.2L/hの流通下、350℃にて1時間予熱処理した。次いで、窒素4.2L/hの流通下、触媒層の温度を340℃に下げた後、気化させたシクロヘキサノンオキシム/メタノール=1/1.8(重量比)の混合物を8.4g/h(シクロヘキサノンオキシムのWHSV=8h-1)の供給速度で反応管に供給し、5.25時間反応を行った。反応開始後0〜0.25時間及び5〜5.25時間の各間、反応ガスを捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析して求めたシクロヘキサノンオキシムの転化率及びε−カプロラクタムの選択率を表1に示す。
実施例1
参考例1(a)で得られた使用済触媒A26gをナス型フラスコに入れ、この中に、エタノール60g、テトラメトキシシラン2.5g及び水2.0gの混合液を加えて、室温にて3時間攪拌した。この混合物から溶媒を、常圧下90〜120℃で、留去した後、乾燥した。得られた触媒をオートクレーブに入れて、この中に、7.5重量%硝酸アンモニウム水溶液110g、25重量%アンモニア水溶液168g及び臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム0.039gの混合液(pH=11.5)を加えて、90℃にて2時間攪拌した。この混合物を濾過し、濾残の固体を水洗、乾燥し、再生触媒を得た。この再生触媒を参考例1(b)と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例2
参考例1(a)で得られた使用済触媒A26gをナス型フラスコに入れ、この中に、エタノール40g、テトラメトキシシラン14g及び水8.0gの混合液を加えて、室温にて3時間攪拌した。この混合物から溶媒を、常圧下90〜120℃で、留去した後、乾燥した。得られた触媒をオートクレーブに入れて、この中に、7.5重量%の硝酸アンモニウム水溶液110g、25重量%のアンモニア水溶液168g及び臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム0.039gの混合液(pH=11.5)を加えて、90℃にて2時間攪拌した。この混合物を濾過し、濾残の固体を水洗、乾燥し、再生触媒を得た。この再生触媒を参考例1(b)と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例3
参考例1(a)で得られた使用済触媒A18gをナス型フラスコに入れ、この中に、エタノール28g、テトラメトキシシラン9.7g及び水6.0gの混合液を加えて、室温にて3時間攪拌した。この混合物から溶媒を、常圧下90〜120℃で、留去した後、乾燥した。得られた触媒をオートクレーブに入れて、この中に、7.5重量%の硝酸アンモニウム水溶液77g、25重量%のアンモニア水溶液118g及び1.0重量%のトリ−n−プロピルアミンのエタノール溶液0.7gの混合液(pH=11.5)を加えて、90℃にて2時間攪拌した。この混合物を濾過し、濾残の固体を水洗、乾燥し、再生触媒を得た。この再生触媒を参考例1(b)と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例4
参考例1(a)で得られた使用済触媒B18gをナス型フラスコに入れ、この中に、エタノール28g、テトラエトキシシラン1.2g、臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム0.027g及び水2.0gの混合液を加えて、室温にて3時間攪拌した。この混合物から溶媒を、常圧下90〜120℃で、留去した後、乾燥した。得られた触媒をオートクレーブに入れて、この中に、7.5重量%の硝酸アンモニウム水溶液77g、25重量%のアンモニア水溶液118g及び臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム0.027gの混合液(pH=11.5)を加えて、90℃にて4時間攪拌した。この混合物を濾過し、濾残の固体を水洗、乾燥し、再生触媒を得た。この再生触媒を参考例1(b)と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例5
参考例1(a)で得られた使用済触媒B18gをナス型フラスコに入れ、この中に、エタノール28g、テトラエトキシシラン1.2g、1.0重量%のトリ−n−プロピルアミンのエタノール溶液0.7g及び水2.0gの混合液を加えて、室温にて3時間攪拌した。この混合物から溶媒を、常圧下90〜120℃で、留去した後、乾燥した。得られた触媒をオートクレーブに入れて、この中に、7.5重量%の硝酸アンモニウム水溶液77g、25重量%のアンモニア水溶液118g及び1.0重量%のトリ−n−プロピルアミンのエタノール溶液0.7gの混合液(pH=11.5)を加えて、90℃にて4時間攪拌した。この混合物を濾過し、濾残の固体を水洗、乾燥し、再生触媒を得た。この再生触媒を参考例1(b)と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例6
参考例1(a)で得られた使用済触媒C18gをナス型フラスコに入れ、この中に、エタノール28g、テトラエトキシシラン1.2g、臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム0.027g及び水2.0gの混合液を加えて、室温にて3時間攪拌した。この混合物から溶媒を、常圧下90〜120℃で、留去した後、乾燥した。得られた触媒をオートクレーブに入れて、この中に、7.5重量%の硝酸アンモニウム水溶液77g、25重量%のアンモニア水溶液118g及び臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム0.027gの混合液(pH=11.5)を加えて、90℃にて4時間攪拌した。この混合物を濾過し、濾残の固体を水洗、乾燥し、再生触媒を得た。この再生触媒を参考例1(b)と同様に評価し、結果を表1に示した。
比較例1
参考例1(a)で得られた使用済触媒A26gをオートクレーブに入れ、この中に、7.5重量%硝酸アンモニウム水溶液110g及び25重量%アンモニア水溶液168gの混合液(pH=11.5)を加えて、90℃にて1時間攪拌した。この混合物を濾過し、濾残の固体を水洗、乾燥し、再生触媒を得た。この再生触媒を参考例1(b)と同様に評価し、結果を表1に示した。
比較例2
参考例1(a)で得られた使用済触媒A26gをオートクレーブに入れ、この中に、7.5重量%硝酸アンモニウム水溶液110gおよび25重量%アンモニア水溶液168g及び臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム0.039gの混合液(pH=11.5)を加えて、90℃にて2時間攪拌した。この混合物を濾過し、濾残の固体を水洗、乾燥し、再生触媒を得た。この再生触媒を参考例1(b)と同様に評価し、結果を表1に示した。
比較例3
参考例1(a)で得られた使用済触媒A26gをナス型フラスコに入れ、この中に、エタノール40g、テトラメトキシシラン14g及び水8.0gの混合液を加えて、室温にて3時間攪拌した。この混合物から溶媒を、常圧下90〜120℃で、留去した後、乾燥した。このケイ素化合物を吸着させた触媒を参考例1(b)と同様に評価し、結果を表1に示した。
Figure 0004687692

Claims (4)

  1. シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位反応に使用したゼオライト触媒に、ケイ素化合物を吸着させること、並びに4級アンモニウム化合物、低級アルキルアミン類及びアンモニアから選ばれる化合物を含む水溶液を接触させることを特徴とするε−カプロラクタム製造用触媒の再生方法。
  2. 前記ゼオライト触媒に、ケイ素化合物を吸着させた後、前記水溶液を接触させる請求項1に記載の方法。
  3. 前記水溶液が、4級アンモニウム化合物及び低級アルキルアミン類から選ばれる化合物とアンモニアとを含む請求項1又は2に記載の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法によりε−カプロラクタム製造用触媒を再生し、この再生触媒の存在下に、シクロヘキサノンオキシムをベックマン転位反応させるε−カプロラクタムの製造方法。
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