JP3458349B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3458349B2
JP3458349B2 JP28340397A JP28340397A JP3458349B2 JP 3458349 B2 JP3458349 B2 JP 3458349B2 JP 28340397 A JP28340397 A JP 28340397A JP 28340397 A JP28340397 A JP 28340397A JP 3458349 B2 JP3458349 B2 JP 3458349B2
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Denso Corp
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    • H01L29/7783Field effect transistors with two-dimensional charge carrier gas channel, e.g. HEMT ; with two-dimensional charge-carrier layer formed at a heterojunction interface with confinement of carriers by at least two heterojunctions, e.g. DHHEMT, quantum well HEMT, DHMODFET using III-V semiconductor material

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半絶縁性基板上に
チャネル層および電子供給層を形成して二次元電子ガス
を利用して動作させることにより、高速動作、高出力、
かつ低雑音動作が可能となるように構成した半導体装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の半導体装置、つまり半絶縁性基
板上にチャネル層および電子供給層を形成して、いわゆ
る二次元電子ガスとよばれるキャリアを利用して動作さ
せるようにした半導体装置としては、例えば、HEMT
(high electron mobility transistor )と称される電
界効果トランジスタの一種である高電子移動度トランジ
スタがある。
【0003】これは、例えば、図23に示すような構造
を有する半導体の基板を用いて製作されるもので、この
基板は、InP(インジウムリン)基板に対してInA
lAs(インジウムアルミニウム砒素)層およびInG
aAs(インジウムガリウム砒素)層を形成してなる基
板の構造を有している。
【0004】図23に示すように、半絶縁性のInP基
板1上には、三元混晶の化合物であるIn0.52Al
0.48Asバッファ層2が膜厚100nmで形成され
ている。このバッファ層2は上部層からの電流がInP
基板1へ流れるのを防止する役割を果たすものである。
このバッファ層2上に、膜厚が20nmのノンドープI
Ga1−XAs(0.53≦X≦1)チャネル層3
を形成する。このチャネル層3は、動作時に励起される
二次元電子ガスが走行する領域に対応しているものであ
る。
【0005】次に、このチャネル層3上に、膜厚が5n
mのノンドープIn0.52Al .48Asスペーサ
層4を形成し、続いて膜厚が10nmで不純物濃度が1
×1019cm−3程度となるようにSiがドープされ
たn型In0.52Al0. 48Asドープ層5を形成
する。このドープ層5はチャネル層3に二次元電子ガス
を誘起させるため、チャネル層3のInGa1−X
s(0.53≦X≦1)よりも電子親和力が小さくなる
ように、n型不純物を含有するIn0.52Al
0.48Asで構成されているものである。
【0006】そして、上述したドープ層5上には、膜厚
が10nmのノンドープIn0.5 Al0.48As
ゲートコンタクト層6が形成されている。このゲートコ
ンタクト層6はゲート電極との間でショットキー接触を
とるための層である。さらに、このゲートコンタクト層
6上に、膜厚が20nmで不純物濃度が1×1019
−3程度となるようにSiがドープされたn型In
Ga1−XAs(0.53≦X≦1)キャップ層7を形
成する。このキャップ層7は、ソース電極およびドレイ
ン電極に対して良好なオーミックコンタクトを得るため
に不純物が高濃度でドープされている層である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したような半導体
の基板構造を用いてHEMTを作製した場合に、ドープ
層5にn型のIn0.52Al0.48Asを用いてい
ることに起因して、次のような不具合の発生が予想され
ている。すなわち、ドープ層5としてのIn0. 52
0.48As層の組成では、製造工程や加工後に受け
る熱処理により特性が変動してしまうことが報告されて
おり、熱的に不安定な材料であることが認められている
からである。(報告文献:N.Hayafuji,Y.Yamamoto,N.
Yoshida ,T.Sonoda,S.Takamiya,and S.Mitsui”Ther
mal stability of AlInAs/GaInAs/InP heterostructure
s ”Appl.Phys.Lett.66(7)863,1995)。
【0008】この報告によれば、ドープ層にn型In
0.52Al0.48Asを用いた従来の基板構造で
は、製造工程や加工後における比較的低温の熱処理でも
n型In0.52Al0.48As層中にフッ素が拡散
し、これによって、ドープ層5からチャネル層3への電
子放出能力が急激に劣化してシートキャリア濃度を劣化
させてしまうという現象が確認されており、その結果と
してHEMTの電気的特性の低下を招くことになってい
る。
【0009】通常、HEMTの製造工程では、半導体基
板の結晶成長後に、レジストのベーク処理工程や、Si
Nパッシベーション膜の形成工程等を経るため、半導体
素子にとっては、それらの工程の加熱処理により熱的な
影響を受ける機会を多く含んでいる。したがって、上述
したようにドープ層5となるIn0.52Al0.4
Asが熱的に不安定な材料であることから、このドープ
層5を採用することが電気的特性の劣化を招くことにな
っているのである。
【0010】そこで、従来のHEMT製造工程では、こ
のような構造を採用しても特性の劣化が発生しないよう
にするためには、加熱を必要とする製造工程でも、In
0. 52Al0.48Asドープ層のドープ濃度が設計
値からずれない程度の低温領域で行う必要がある。とこ
ろが、このため確実な熱処理工程が行えなくなる場合が
生じ、これに起因して電気的特性の優れた本来の特性を
有するHEMTの作製が困難になってしまうという問題
点があった。
【0011】加えて、一般的に行われるように、完成し
た素子を高温雰囲気中に一定時間保持した後に電気的特
性の測定を行うことにより素子の信頼性を測定する試験
があるが、従来のHEMTの構成を採用した素子におい
ては、このような信頼性試験を行った場合においても、
高温雰囲気中に保持することによってその熱的な悪影響
を受けて特性の劣化が生ずるという不具合があり、半導
体素子としての安定した電気的特性を望めないものであ
った。
【0012】そこで、このような不具合を回避すべく、
従来では次のようなものが提案されていた。すなわち、
キャリア濃度劣化を防止するための従来例として、特開
平7−183493で提案されている構成を図24に示
す。この場合には、上述のn型In0.52Al
0.48As層5に代えて、ドープ層として、膜厚を1
nm程度の極薄に設定したn型InGa1−XAs層
8を採用する構成としたものである。
【0013】InGa1−XAsドープ層8は、前述
したIn0.52Al0.48Asドープ層5に比べ熱
的に安定であるため、HEMTとしての熱安定性が向上
し、電気的特性において高い信頼性が得られるHEMT
が実現できるというものである。しかしこの構成におい
ては、ドープ層8を構成するInGa1−XAsの膜
厚を厚くすることにより初期的な電気的特性の向上を図
ろうとする場合に、InGa1−XAsのバンドギャ
ップエネルギが小さいことに起因してゲートコンタクト
層のショットキー障壁厚さが薄くなることになるため、
これによってゲートの逆方向耐圧が悪化することが予測
され、厚く形成することができない事情がある。したが
って、極薄のn型InGa1−XAsドープ層8を採
用せざるを得ないのでHEMTの初期特性が低下してし
まうというものであった。
【0014】次に、第43回応用物理学関係連合講演会
講演予稿集28a−M−7,1996(日本電気株式会
社)で提案されている構成を図25に示す。この構成で
は、n型In0.52Al0.48Asドープ層9とノ
ンドープIn0.52Al .48Asゲートコンタク
ト層10との間に、ノンドープInAs11aとノンド
ープAlAs11bとからなる超格子を4分子層×7周
期挿入した超格子層11を備えたものとしている。そし
て、この超格子層11を設けることで、基板上部側から
の不純物浸透を防ぐことで、不純物浸透に起因している
と想定されるドープ濃度の劣化を防止できるとしてい
る。
【0015】しかしこの構成では、ドープ層9とゲート
コンタクト層10との間に新しい超格子層11を別途に
挿入するため、結果としてチャネル層3とこの上に形成
するゲート電極との距離が大きくなり、HEMTの電気
的特性として重要な要素となる利得値が原理的に小さく
なってしまうという不具合が発生する。
【0016】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、ドープ層として、熱的に安定な構成と
すると共にバンドギャップエネルギが実効的に小さくな
らない構造を採用して、熱安定性が高くしかもHEMT
を製作したときには良好な初期特性を得ることができる
ようにした半導体装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、電子供給層として高濃度のn型不純物がドープされ
た異なる組成を有するInAl1−XAs層およびI
Al1−YAs層を交互に積層した超格子層として
形成しているので、従来構成のIn0.52Al
0.48As層を単独で用いる構成とは異なり、熱的に
安定した電子供給層を構成することができるようにな
り、製造工程においても熱処理の温度で制約を大きく受
けることなく製作することができ、また、これによって
電気的特性の優れたHEMTを構成することができるよ
うになる。そして、ノンドープのIn Al 1−Z As
(0≦Z≦0.52)をスペーサ層として設けるので、
チャネル層と電子供給層が接する状態に形成される場合
に比べて、それらの界面付近における電子の集中の防止
およびチャネル層に加わる歪みの低減を図ることができ
るようになる。 さらに、チャンネル層を、スペーサ層よ
りも電子親和力が大きくなるように設定されたノンドー
プのIn Ga 1−T As(0.53≦T≦1)であっ
て、スペーサ層側に位置するように設けられた膜厚4n
mのIn 0.53 Ga 0.47 As層およびこれと接す
るように設けられた膜厚16nmのIn 0.8 Ga
0.2 As層から構成しているので、電子供給層から電
子が供給されて二次元電子ガスとして高移動度の電子を
走行させることにより高速動作を行わせる構成とするこ
とができる。
【0018】請求項2の発明によれば、電子供給層の組
成を示すXおよびYの値を、一方が0.52以上で且つ
他方が0.52以下となるように設定したので、In
Al1−XAs層およびInAl1−YAs層のそれ
ぞれの格子定数は、In0. 52Al0.48Asの格
子定数に対してその値を中心とした大小関係となるの
で、等価的に得られる電子供給層の格子定数もIn
0.52Al0.48Asの格子定数に対して大きく離
れた値とならないので、従来構成の基板や下地を用いる
場合でも格子定数のずれに起因した転位の発生を抑制し
た構成とすることができるようになる。
【0019】請求項3の発明によれば、電子供給層を構
成するInAl1−XAs層およびInAl1−Y
As層のそれぞれを臨界膜厚以下の膜厚で積層するの
で、格子定数が異なる構成ながら転位の発生を極力抑制
したものとすることができ、電気的特性の向上を図るこ
とができるようになる。
【0020】請求項4の発明によれば、電子供給層とし
て形成する超格子の層を、InAl1−XAs層およ
びInAl1−YAs層の組成を示すX,Yの値が1
および0をとる組成つまりInAs層とAlAs層とか
らなる超格子層として形成するので、InAlAsの三
元混晶系で最も熱的に安定した層構成とすることがで
き、等価的に得られる電子供給層の格子定数についても
In0.52Al0.4 As層の格子定数とほぼ同程
度のものとすることができ、整合性の良い構成とするこ
とができる。
【0021】請求項5の発明によれば、電子供給層を構
成するInAs層およびAlAs層をそれぞれ臨界膜厚
以下の膜厚で積層しているので、格子定数の違いによる
転位の発生を極力抑制することができ、電気的特性の向
上を図ることができる。
【0022】請求項6の発明によれば、電子供給層を構
成するInAs層およびAlAs層をそれぞれ臨界膜厚
の範囲内である2分子層に相当する膜厚で20周期程度
積層することにより形成しているので、電気的特性の向
上を図ることができる。
【0023】請求項7の発明あるいは請求項8の発明に
よれば、電子供給層の組成を示すXおよびYの値を、一
方が0.8で且つ他方が0.2となるように設定し、I
.8Al0.2As層およびIn0.2Al0.8
As層としたので、上述のInAs層およびAlAs層
からなる電子供給層に比べて、熱的な安定性は多少低下
するが臨界膜厚が厚くなるので、結晶成長をする際の余
裕度が大きくなり、安定した製造工程とすることができ
るようになる。
【0024】請求項9の発明によれば、電子供給層とし
て構成されるInAl1−XAs層およびInAl
1−YAs層による超格子層のうちのAlの組成比がI
nよりも多くなるAlリッチな層においては、Alの組
成比が大きくなるにしたがって不純物のドーピングによ
る実質的な電子供給能力が低下するので、有効に作用す
るInリッチな層側にのみn型の不純物をドーピングす
る構成としながら同等の特性を得ることができるように
なる。
【0025】請求項10の発明によれば、電子供給層中
にn型不純物を局所的に蓄積させたδドープ層を設ける
構成とすることにより、全体としてのドーピング効率を
向上させることができ、これによって初期的な電気的特
性の向上を図ることができるようになる。
【0026】
【0027】
【0028】請求項12の発明によれば、電子供給層を
半導体基板とチャネル層との間に配置するので、いわゆ
る逆HEMTの構成を得ることができ、使用用途に対応
して柔軟な構成のHEMTを作成することができるよう
になる。
【0029】請求項13の発明によれば、電子供給層と
チャネル層との間に電子供給層として高濃度のn型不純
物がドープされたIn0.52Al0.48As層を備
えるので、熱的な特性を安定な状態に保持しながら電子
供給層の電子供給の効率を低下させることがなくなる。
【0030】請求項14の発明によれば、半絶縁性基板
としてInP基板を用いているので、このInPの格子
定数である5.8688オングストロームが、InAl
As系の化合物の格子定数であるInAsの6.058
4オングストロームからAlAsの5.6611オング
ストロームの範囲のほぼ中央値となるので、InAlA
s系を用いた化合物の組成を変化させながら転位の発生
を抑制した結晶成長を行うことができるようになる。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)以下、本実施例をHEMTに適用した
場合の第1の実施例について図1ないし図5を参照して
説明する。図1において、半絶縁性のInP基板21上
には、膜厚100nmのノンドープIn0.52Al
0.48Asバッファ層22が形成されている。このバ
ッファ層22の上には、膜厚16nmのノンドープIn
0. Ga0.2As第1チャネル層23aが形成さ
れ、この上に膜厚4nmのノンドープIn0.53Ga
0.48As第2チャネル層(電子分布制御層)23b
が形成されている。この第2チャネル層23bの上に
は、膜厚5nmのノンドープIn0.52Al0.48
Asスペーサ層24が形成されている。
【0047】スペーサ層24上には、膜厚が0.6nm
(6オングストローム;2分子層)で不純物濃度が1×
1019cm−3となるようにSiドープされたn型I
nAs層25aと、膜厚が0.57nm(5.7オング
ストローム;2分子層)で不純物濃度が2×1018
−3となるようにSiドープされたn型AlAs層2
5bを、交互に20周期繰り返して形成してなるn型I
nAs/n型AlAs超格子(superlattice)ドープ層
25が形成されている。
【0048】超格子ドープ層25の上には、膜厚10n
mのノンドープIn0.52Al .48Asゲートコ
ンタクト層26が形成されている。このゲートコンタク
ト層26上には、膜厚が20nmで不純物濃度が1×1
19cm−3となるようにSiドープされたn型In
0.53Ga0.48Asキャップ層27が形成されて
いる。このように形成された半導体基板を用いてHEM
T28を作製すべく加工工程が実施される。
【0049】図2は、HEMT28作製後の構成を模式
的な断面図で示すものである。キャップ層27上にはオ
ーミックコンタクトをとったオーミック電極としてソー
ス電極29a及びドレイン電極29bが形成されてい
る。ゲート電極30は、キャップ層27を選択エッチン
グにより除去したリセス領域27aに露出しているゲー
トコンタクト層26にショットキー接触となるように形
成される。
【0050】本実施においては、従来構成において電子
供給層としてのn型In0.52Al0.48As5を
採用しているのに対し、n型InAs25a/n型Al
As25bを20周期繰り返し積層してなる超格子層2
5を用いた点が異なるところであり、このような構成を
採用したことにより、次のような特性上での差がもたら
される。
【0051】まず、上記構成の半導体基板構造の熱安定
性について説明する。図3は、発明者らが行った実験の
結果を示すもので、従来例および両実施例にドープ層5
あるいは25として用いられるn型のInAs,In
0.61Al0.39As,In0.52Al0.48
As,In0.19Al0.81AsおよびAlAs単
層の熱処理前後でのドープ濃度の変化を比の値で示して
いる。このときの熱処理条件としては、窒素(N)雰
囲気中で360℃,2分というものである。
【0052】この結果からわかるように、従来例で用い
られるIn0.52Al0.48Asは熱処理前後でキ
ャリア濃度が大きく劣化しているが、InAs,In
0.6 Al0.39As,In0.52Al0.48
As,In0.19Al0.8 AsおよびAlAsは
キャリア濃度劣化が小さく、中でもInAsおよびAl
Asは劣化量が特に小さいことがわかる。
【0053】一方、図4は、InAl1−XAs組成
Xに対しどれだけの膜厚を転位無しに成長可能であるか
を示したもので、MatthewsおよびPeople
の計算式に基づいた計算結果である。この結果からわか
るように、InPの格子定数は5.8688オングスト
ロームであるのに対し、InAsは6.0584オング
ストローム、AlAsは5.6611オングストローム
とInPとは±4%程度異なる値を有する。この関係
は、図5に示すように、格子定数とバンドギャップエネ
ルギとの関係がInPを中心としてInAsおよびAl
Asがほぼ等しい値だけ離れていることからもわかる。
【0054】そのため基板のInPに格子整合している
層の上にInAl1−XAsを積層する際、InPの
格子定数から大きくはずれる組成となるInリッチのI
Al1−XAs層、およびAlリッチのInAl
1−XAs層を成膜すると、格子定数の大きさの違いが
あることから、転位の無い良質の層を得ようとするとわ
ずかな膜厚しか成膜できないことがわかる。
【0055】また、結晶成長技術も格子不整合が大きく
なるにつれ成長実施可能条件領域が狭くなり難しくな
る。この点から、本実施例では、熱安定性の点で最も安
定性の高いn型InAs/n型AlAs超格子ドープ層
25を用いるため、InAsおよびAlAs両層の膜厚
を各々2分子層(InAs;0.60nm,AlAs;
0.57nm)に規定して20周期の超格子層25を採
用しているものであり、これにより熱安定性の高い半導
体の基板構造を得ることができる。
【0056】(第2の実施例)図6は、本発明の第2の
実施例による半導体基板の構造を示す模式的な断面図で
ある。図6において、半絶縁性のInP基板31上に
は、膜厚100nmのノンドープIn0.52Al
0.48Asバッファ層32が形成されている。バッフ
ァ層32上には膜厚16nmのノンドープIn0.8
0.2As第1チャネル層33aが形成され、その上
には、膜厚4nmのノンドープIn0.53Ga
0.47As第2チャネル層(電子分布制御層)33b
が形成されている。
【0057】この第2チャネル層33bの上には、膜厚
5nmのノンドープIn0.52Al0.48Asスペ
ーサ層34が形成されている。そして、この上には、膜
厚が2nmで不純物濃度が1×1019cm−3となる
ようにSiドープされたn型In0.8Al0.2As
層35aと、膜厚が2nmで不純物濃度が3×10
cm−3となるようにSiドープされたn型In0.2
Al0.8As層35bとを、交互に5周期繰り返して
形成したn型In0.8Al0.2As/n型In
0.2Al0.8As超格子ドープ層35が形成されて
いる。
【0058】超格子ドープ層35上には、膜厚10nm
のノンドープIn0.52Al0. 48Asゲートコン
タクト層36が形成され、この上には膜厚が20nmで
不純物濃度が1×1019cm−3となるようにSiド
ープされたn型In0.53Ga0.48Asキャップ
層37が形成されている。そして、このように構成され
た半導体基板を用いて第1の実施例と同様にしてHEM
Tが作成される。
【0059】このように構成された第2の実施例におけ
るHEMTの半導体装置用基板では、第1の実施例では
電子供給層として20周期のn型InAs25a/n型
AlAs25bによる超格子ドープ層25を用いていた
のに対し、各周期2nmのn型In0.8Al0.2
s/n型In0.2Al0.8As超格子ドープ層35
を用いたところが異なっている。
【0060】そして、これによって、InAs,AlA
sに比べ、In0.8Al0.2As,In0.2Al
0.8Asの基板のInPとの格子不整合が小さくなる
ことに起因して、膜厚を厚くすることができるようにな
るので、結晶成長可能条件に余裕ができ、この結果、半
導体装置用基板の製作においてその成膜工程での歩留ま
りを向上させることができる。したがって、本実施例を
用いることにより、半導体装置用基板の熱安定性を高く
することができ、且つ半導体装置用基板の成膜工程での
歩留まりを高くすることができる。
【0061】また、第1の実施例や第2の実施例では、
InAl1−XAsのXの値を変更して交互に積層し
ているが、交互に積層された電子供給層のInとAlと
の組成比が対称となっている(第1の実施例ではInA
sとAlAs、第2の実施例ではIn0.8Al0.2
AsとIn0.2Al0.8As)。これは、積層され
た膜全体として、基板であるInPと格子整合させるべ
くInPと格子定数がほぼ同じであるIn0.52Al
0.48Asに積層された膜全体として組成比を近付け
るようにするためになされたものである。以下の実施例
においても同様のことが言える。
【0062】また、第1の実施例では電子供給層の積層
構造がInAsとAlAsとの積層すなわちInAl
AsとInAlAsの積層構造であり、第2の実
施例では電子供給層の積層構造がIn0.8Al0.2
AsとIn0.2Al0.8Asとの積層構造となって
いたが、InAlAsにおけるInとAlとの組成比は
図16に示す熱処理の影響を考慮すると、第1の実施例
と第2の実施例との組成比の間であれば問題ないものと
考えられる。
【0063】(第3の実施例)図7は、本発明の第3の
実施例による半導体構造を示す断面図である。図7にお
いて、半絶縁性InP基板41上には、膜厚100nm
のノンドープIn0. 52Al0.48Asバッファ層
42が形成されている。バッファ層42上には、膜厚1
6nmのノンドープIn0.8Ga0.2As第1チャ
ネル層43aが形成され、この上に、さらに膜厚4nm
のノンドープIn0.53Ga0.47As第2チャネ
ル層(電子分布制御層)43bが形成されている。
【0064】第2チャネル層43b上には、膜厚5nm
のノンドープIn0.52Al0. 48Asスペーサ層
44が形成されている。このスペーサ層44上には、膜
厚が2nmで不純物濃度が1×1019cm−3となる
ようにSiドープされたn型In0.8Al0.2As
層45aと、膜厚が2nmでノンドープのIn0.2
0.8As層45bとを、交互に5周期繰り返して形
成したn型In0.8Al0.2As/ノンドープIn
0.2Al0.8As超格子ドープ層45が形成されて
いる。
【0065】このドープ層45上には、膜厚10nmの
ノンドープIn0.52Al0.4 Asゲートコンタ
クト層46が形成され、その上に、さらに、膜厚が20
nmで不純物濃度が1×1019cm−3となるように
Siドープされたn型In .53Ga0.48Asキ
ャップ層47が形成されている。このようにして形成さ
れた半導体装置用基板を用いて、第1の実施例と同様に
してHEMTが作製される。
【0066】このように構成された第3の実施例におけ
るHEMTの半導体装置用基板では、第2の実施例では
電子供給層として5周期のn型In0.8Al0.2
s/n型In0.2Al0.8As超格子ドープ層35
を用いていたのに対し、各周期2nmのn型In0.8
Al0.2As/ノンドープIn0.2Al0.8As
超格子ドープ層45を用いたところが異なっている。
【0067】そして、このような構成によっても、第2
の実施例と略同様の作用効果を得ることができるように
なり、したがって、本実施例を用いることにより、半導
体装置用基板の熱安定性を高くすることができ、且つ半
導体装置用基板の成膜工程での歩留まりを高くすること
ができる。
【0068】(第4の実施例)図8および図9は、本発
明の第4の実施例による半導体構造を示す断面図であ
る。図8において、半絶縁性InP基板51上には、膜
厚100nmのノンドープIn0.52Al0.48
sバッファ層52が形成されている。このバッファ層5
2上には、膜厚16nmのノンドープIn0.8Ga
0.2As第1チャネル層53aが形成され、その上部
に膜厚4nmのノンドープIn0.53Ga0.48
s第2チャネル層(電子分布制御層)53bが形成され
ている。
【0069】この第2チャネル層53bの上には、膜厚
5nmのノンドープIn0.52Al0.48Asスペ
ーサ層54が形成されている。スペーサ層54上には、
膜厚が2nmで不純物濃度が1×1019cm−3程度
となるようにSiドープされたn型In0.8Al
0.2As層55aと、膜厚が2nmでノンドープのI
0.2Al0.8As層55bを、交互に5周期繰り
返して形成したn型In .8Al0.2As/ノンド
ープIn0.2Al0.8As超格子ドープ層55が形
成されている。そして、n型In0.8Al0.2As
層55a中には、n型不純物であるSiをδドープ(例
えば1原子層の厚さ)したδドープ層55cが設けられ
ている(図9参照)。
【0070】ドープ層55上には、膜厚10nmのノン
ドープIn0.52Al0.48Asゲートコンタクト
層56が形成され、この上には、膜厚が20nmで不純
物濃度が1×1019cm−3程度となるようにSiド
ープされたn型In0.53Ga0.47Asキャップ
層57が形成されている。このように構成された半導体
装置用基板を用いてHEMTが作製される。
【0071】この第4の実施例においては、第3の実施
例で電子供給層として5周期のn型In0.8Al
0.2As/ノンドープIn0.2Al0.8As超格
子ドープ層45を用いていたのに対し、n型In0.8
Al0.2As中にn型不純物のδドープ層55cを有
するn型In0.8Al0.2As/ノンドープIn
0. Al0.8As超格子ドープ層55を用いたこと
にある。そして、このような構成とした第4の実施例に
よれば、δドープによりドープ効率を向上させることに
より容易に高い初期特性が得られかつ基板の熱安定性が
高い構造を得ることができる。
【0072】(第5の実施例)図10および図11は、
本発明の第5の実施例による半導体構造を示す断面図で
ある。図10において、半絶縁性InP基板61上に
は、膜厚100nmのノンドープIn0.52Al
0.48Asバッファ層62が形成されている。このバ
ッファ層62上には、膜厚が2nmで不純物濃度が1×
1019cm−3程度となるようにSiドープされたn
型In0.8Al0.2As層63aと、膜厚が2nm
で同様に不純物がドープされたn型In0.2Al
0.8As層63bを、交互に5周期繰り返して形成し
たn型In0.8Al0.2As/n型In0.2Al
0.8As超格子ドープ層63が形成されている。
【0073】超格子ドープ層63上には、膜厚5nmの
ノンドープIn0.52Al0.4 Asスペーサ層6
4が形成されている。このスペーサ層64上には、膜厚
4nmのノンドープIn0.53Ga0.47As第2
チャネル層(電子分布制御層)65bが形成され、さら
にその上には、膜厚16nmのノンドープIn0.8
0.2As第1チャネル層65aが形成されている。
第1チャネル層65a上には、膜厚10nmのノンドー
プIn0.52Al0.48Asゲートコンタクト層6
6が形成されている。
【0074】ゲートコンタクト層66上には、膜厚が2
0nmで不純物濃度が1×1019cm−3程度となる
ようにSiドープされたn型In0.53Ga0.48
Asキャップ層67が形成されている。このように形成
された半導体基板を用いてHEMT68が作製される。
【0075】HEMT68の作製後の模式図を図11に
示す。キャップ層67上には、オーミック電極としての
ソース電極69a、ドレイン電極69bが形成されてお
り、ゲート電極70は、キャップ層67を選択エッチン
グにより除去したリセス領域67aに露出されたゲート
コンタクト層66にショットキー接触するように形成さ
れる。
【0076】本実施例のこれまでの実施例との相違点
は、チャネル層65とドープ層63とを逆転させた位置
関係に配置した、「逆HEMT」と呼ばれる構造をとっ
ていることである。この構造でも、本発明の超格子ドー
プ層63を用いることにより熱安定性の高い半導体構造
を得ることができる。
【0077】(第6の実施例)図12は本発明の第6の
実施例を示すもので、第1の実施例と異なるところは、
スペーサ層24と超格子層ドープ層25との間にn型不
純物を高濃度でドープしたIn0.52Al0.48
s層81を電子供給層の一部として設けたところであ
る。
【0078】このような第6の実施例によれば、n型不
純物をドープしたn型In0.52Al0.48As層
81を設ける構成とした場合でも、超格子ドープ層25
を設けているので、熱処理時にこれがバリアとなって電
子供給能力が低下するのを防止することができ、しか
も、超格子ドープ層25もn型不純物をドープした構成
としているので、電極と電子供給層との離間する距離が
長くなるのを防止することができ、初期的な特性を良好
なものとすることができる。
【0079】(第7の実施例)図13は本発明の第7の
実施例による半導体装置の構造を示す模式的な断面図で
ある。半絶縁性のInP基板91上に、順次次の各層が
積層形成されている。第1層目には膜厚100nmのノ
ンドープIn0.52Al0.48Asバッファ層92
が形成され、第2層目には膜厚20nmのノンドープI
0.53Ga0.47Asチャネル層93が形成さ
れ、第3層目には膜厚5nmのノンドープIn0.52
Al0.48Asスペーサ層94が形成され、第4層目
には膜厚1.5nmのノンドープIn0.52Al
0.48As層および膜厚1.5nmのSiドープIn
0.3Ga0.7As層を交互に7周期積層した超格子
からなる電子供給層95を形成し、第5層目に膜厚10
nmのノンドープIn0.52Al0.48Asゲート
コンタクト層96を形成し、第6層目に膜厚20nmの
SiドープIn0.53Ga0.47Asキャップ層9
7が形成されている。
【0080】そして、上述の構成において、Siドープ
In0.53Ga0.47Asキャップ層97の一部は
エッチングによって除去され、露出したノンドープIn
0. 52Al0.48Asゲートコンタクト層96上に
ショットキー接触状態にゲート電極98が形成されてい
る。また、SiドープIn0.53Ga0.47Asキ
ャップ層97上には、ソース,ドレイン電極となるオー
ミック電極99が形成されている。このソース,ドレイ
ン電極となるオーミック電極99は、HEMTに電流を
流し込むためのものであり、ゲート電極98はチャネル
層93の電子量を制御することで流れる電流を制御する
ためのものである。
【0081】次に、本実施例に特徴的な構成である電子
供給層95について説明する。電子供給層95を構成し
ているノンドープIn0.52Al0.48As層がI
nP基板91や他の層と格子定数が等しいのに対し、S
iドープIn0.3Ga0. As層は異なる格子定数
となっている。このことは、SiドープIn0.3Ga
0.7As層の膜厚が臨界膜厚を超えると結晶欠陥が発
生して結晶品質が劣化することを意味しており、HEM
Tの性能低下を招くことになる。そこで、HEMTの性
能低下を防止するためにはSiドープIn0.3Ga
0.7As層の膜厚を臨界膜厚より小さくする必要があ
る。
【0082】図14はInP基板,In0.52Al
0.48AsおよびIn0.53Ga0.47Asの格
子定数である5.869オングストロームに対する格子
定数のずれ量に対する臨界膜厚の関係を示すもので、Pe
opleの式(J.Crystal.Growth,vol27,p118(1974))に基
づいて求めた結果である。この結果によれば、例えば、
格子定数のずれ量がマイナス側に0.1オングストロー
ムである場合には、臨界膜厚は約30nmとなる。
【0083】そこで、この実施例における電子供給層9
5のずれ量を求めてみると次のようになる。In
0.52Al0.48As層の格子定数は、上述のとお
り、5.869オングストロームであり、SiドープI
0.3Ga0.7As層の格子定数は5.775オン
グストロームである。また、膜厚はいずれも1.5nm
と同じであるから、これらから平均的な格子定数を求め
ると、5.882オングストロームとなる。これによ
り、InPの格子定数に対するずれ量は、0.047オ
ングストロームとなるから、図14から臨界膜厚を求め
ると、約150nmであることがわかる。
【0084】この実施例においては、電子供給層95の
超格子を7周期で構成しているので、超格子層の全体の
膜厚は21nmであるから、この膜厚は臨界膜厚の範囲
内にあることがわかる。したがって、電子供給層95は
他の層に対して格子不整合に起因した結晶欠陥の発生は
防止される。
【0085】図15は、InGa1−XAs層および
InAl1−XAs層の各組成比を示すX値を変化さ
せた場合のバンドギャップエネルギの値を計算した結果
を示すものである。この結果から、本実施例における電
子供給層95を構成するIn0.52Al0.48As
層およびIn0.3Ga0.7As層の各バンドギャッ
プエネルギは1.53eVおよび0.98eVであるこ
とがわかる。これにより、電子供給層95の等価的なバ
ンドギャップエネルギは1.26eVと計算されるの
で、チャネル層93のバンドギャップエネルギ0.71
eVに対して十分高い値を得ることができ、電子供給層
としての機能を十分に果たすことが確認できる。(な
お、図15中、Eo,Eg,Egは、AlAsが間
接遷移であることに起因するバンドギャップの状態を表
し、Inの組成比Xの値に従い、図15に示すように変
化する。) また、電子供給層95をn型の層として形成するため
に、超格子層を構成するIn0.3Ga0.7As層側
にのみn型の不純物としてSiをドープしているので、
フッ素の侵入によるキャリア濃度の低下を引き起こすこ
とがなくなり、熱的に安定した電子供給層95を形成す
ることができる。この場合、In0.3Ga0.7As
層にSiをドープする方法としては、例えば、結晶成長
中にIn .3Ga0.7As層の結晶成長を一旦停止
した状態で原子層上にSiをドーピングするδドープ
(あるいはプレーナドープ)と呼ばれる方法があり、こ
れによって1nm程度の極めて薄い層に効率的にドーピ
ングすることができる。
【0086】また、上述のように、超格子層を構成する
In0.3Ga0.7As層側にのみn型の不純物とし
てSiをドープするのは、次の理由に基づくものであ
る。すなわち、図16には、結晶成長後の状態(熱処理
前)のキャリア濃度に対して熱処理を行なった後(熱処
理後)のキャリア濃度の比の値について、各種の化合物
半導体および三元混晶について測定された結果を円環状
のグラフにまとめて示している。
【0087】この図から分かるように、In0.52
0.48As層においては不純物をドープしても熱処
理後に大幅に低下してしまうが、図中矢印Aで示すよう
に、In0.3Ga0.7As層においてはほとんど低
下することがない。これによって、電子供給層95の超
格子層を構成するIn0.52Al0.48As層およ
びIn0.3Ga0.7As層のうち、熱処理によるキ
ャリア濃度の低下の悪影響を受けないIn0.3Ga
0.7As層にのみn型不純物としてのSiをドーピン
グすることで全体としてn型の電子供給層95を形成す
ることができるのである。
【0088】このような第7の実施例によれば、電子供
給層95を、膜厚1.5nmのノンドープIn0.52
Al0.48As層と膜厚1.5nmのSiドープIn
0. Ga0.7As層を交互に7周期積層した超格子
層から構成しているので、熱処理を実施してもフッ素の
侵入によるキャリア濃度の低下を防止できると共に、格
子定数のずれに起因した結晶欠陥の発生を防止すること
ができ、これによってHEMTとしての電気的特性の向
上を図ることができるようになる。
【0089】(第8の実施例)図17は本発明の第8の
実施例を示すもので、第7の実施例と異なるところは、
電子供給層95に代えて、電子供給層100を設けたと
ころで、以下、この電子供給層100について説明す
る。すなわち、この実施例においては、第7の実施例に
おける構成中において、第4層目に電子供給層100と
して、膜厚2.0nmのノンドープIn0.52Al
0.48As層および膜厚1.0nmのSiドープIn
0.53Ga0.47As層を交互に7周期積層して形
成した超格子層を設けている。
【0090】この場合、電子供給層100を構成する各
層の格子定数はInP基板91と同じ格子定数となるの
で、この構造では格子整合の点を考慮する必要はなく、
したがって、格子不整合に起因した結晶欠陥の発生は抑
制される。一方、各層のバンドギャップエネルギは、第
7の実施例において説明した図15に示すように、In
0.52Al0.48As層については1.53eVで
あり、In0.53Ga0.47As層については0.
71eVである。これから、各層の膜厚を考慮して等価
的なバンドギャップエネルギを計算すると1.26eV
となり、第7の実施例と同等のバンドギャップエネルギ
を得ることができる。
【0091】上述の場合に、電子供給層100の各層の
厚さは、次のようにして設定されている。すなわち、I
0.52Al0.48As層およびIn0.53Ga
0. 47As層を同じ膜厚で形成した場合には、等価的
なバンドギャップエネルギの値が1.12eVとなるの
で、第7の実施例に比べて小さくなり、電子供給能力が
低下する。そこで、バンドギャップエネルギの大きいI
0.52Al0.4 As層側を厚く設定することに
より上述のように等価的なバンドギャップエネルギの低
下防止を図っているものである。
【0092】また、電子供給層100をn型の層として
形成するために、超格子層を構成するIn0.53Ga
0.47As層にのみn型の不純物としてSiをドープ
しているので、フッ素の侵入によるキャリア濃度の低下
を引き起こすことがなくなり(図16中、矢印B参
照)、熱的に安定した電子供給層100を形成すること
ができる。このような本実施例によっても第7の実施例
と同様の効果を得ることができるようになる。
【0093】(第9の実施例)図18および図19は本
発明の第9の実施例を示すもので、第7の実施例と異な
るところは、電子供給層95に代えて、電子供給層10
1を設けたところで、以下、この電子供給層101につ
いて説明する。すなわち、この実施例においては、図1
8に示すように、第7の実施例における構成中におい
て、第4層目に電子供給層101として、膜厚1.5n
mのノンドープIn0.52Al0.48As層および
膜厚1.5nmのSiドープAl0.15Ga0.85
As層を交互に7周期積層して形成した超格子層を設け
ている。
【0094】この場合、電子供給層101を構成する各
層のうち、Al0.15Ga0.8 As層について
は、その格子定数がInP基板91やIn0.52Al
0.4 As層の格子定数とは異なるため、第7の実施
例における場合と同様にして格子定数の不整合に起因し
た結晶欠陥の発生を抑制するために、臨界膜厚を考慮し
た膜厚に設定されている。
【0095】すなわち、In0.52Al0.48As
層の格子定数が5.869オングストロームであり、A
0.15Ga0.85As層の格子定数は5.654
オングストロームであるから、これらを積層してなる電
子供給層101としての等価的な格子定数は、5.76
1オングストロームとなる。ここで、電子供給層101
の格子定数とInP基板91やIn0.52Al
0.58As層の格子定数とのずれ量は−0.108オ
ングストロームであるから、第7の実施例において説明
した図14を参照すると、臨界膜厚は約25nmである
ことがわかる。ここで、電子供給層101の膜厚は、前
述したように各層の膜厚が1.5nmで7周期積層され
ているから、21nmである。したがって、臨界膜厚以
下の膜厚であるから、格子不整合に起因した結晶欠陥の
発生は抑制される。
【0096】一方、電子供給層101の各層のバンドギ
ャップエネルギは、Al0.15Ga0.85As層に
ついては、図19に示すように、1.60eVであり、
また、In0.52Al0.48As層については、前
述した図15に示すように、1.53eVである。これ
から、各層の膜厚を考慮して等価的なバンドギャップエ
ネルギを計算すると1.57eVとなり、第7の実施例
に比べて高いバンドギャップエネルギとなり、電子供給
能力を得ることができるようになる。
【0097】また、電子供給層101をn型の層として
形成するために、超格子層を構成するAl0.15Ga
0.85As層にのみn型の不純物としてSiをドープ
している。この場合、AlGa1−XAsは、組成比
を示すX値つまりAlの組成比を示す値が0.2以上に
なると、ドープしているSiによるDXセンターと呼ば
れる深い準位を発生するため、キャリア供給能力が低下
することが知られるが、本実施例においてはこのような
DXセンターの発生による不具合を回避するためにX値
を0.15に設定しているので、不純物のドーピングを
効率的に行なうことができる。
【0098】さらに、電子供給層101を構成するAl
0.15Ga0.85As層においては、第7の実施例
において説明した図16に示すように、熱処理の前後で
キャリア濃度の低下がほとんど起こらない。つまり、熱
処理によりフッ素の侵入が起こってキャリア濃度が低下
することは抑制されている。このような本実施例によっ
ても第7の実施例と同様の効果を得ることができるよう
になる。
【0099】(第10の実施例)図20は本発明の第1
0の実施例を示すもので、第7の実施例と異なるところ
は、電子供給層95に代えて、電子供給層102を設け
たところで、以下、この電子供給層102について説明
する。すなわち、この実施例においては、図20に示す
ように、第7の実施例における構成中において、第4層
目に電子供給層102として、膜厚1.0nmのSiド
ープIn0.8Al0.2As層および膜厚2.0nm
のノンドープAl0.3Ga0.7As層を交互に7周
期積層して形成した超格子層を設けている。
【0100】この場合、電子供給層102を構成するI
0.8Al0.2As層およびAl0.3Ga0.7
As層のそれぞれについては、InP基板91や他の層
とは格子定数が異なるので、第7の実施例における場合
と同様にして格子定数の不整合に起因した結晶欠陥の発
生を抑制するために、臨界膜厚を考慮した膜厚に設定さ
れている。
【0101】すなわち、In0.8Al0.2As層の
格子定数が5.979オングストロームであり、Al
0.3Ga0.7As層の格子定数は5.656オング
ストロームであるから、これらを積層してなる電子供給
層102としての等価的な格子定数は、5.764オン
グストロームとなる。ここで、電子供給層102の格子
定数とInP基板91やIn0.52Al0.58As
層の格子定数とのずれ量は−0.105オングストロー
ムであるから、第7の実施例において説明した図4を参
照すると、臨界膜厚は約25nmであることがわかる。
ここで、電子供給層102の膜厚は、前述したように各
層が7周期積層されているから、21nmである。した
がって、臨界膜厚以下の膜厚であるから、格子不整合に
起因した結晶欠陥の発生は抑制される。
【0102】一方、電子供給層102の各層のバンドギ
ャップエネルギは、Al0.3Ga0.7As層につい
ては、第9の実施例で説明した図19に示すように、
1.80eVであり、また、In0.8Al0.2As
層については、前述した図15に示すように、0.83
eVである。これから、各層の膜厚を考慮して等価的な
バンドギャップエネルギを計算すると1.47eVとな
り、第7の実施例に比べて高いバンドギャップエネルギ
となり、電子供給能力を得ることができるようになる。
【0103】また、電子供給層102をn型の層として
形成するために、超格子層を構成するIn0.8Al
0.2As層にのみn型の不純物としてSiをドープし
ている。この場合、InAl1−XAsは、熱処理の
実施によりフッ素の侵入でキャリア濃度の変動が生ずる
材料であるが、前述の第7の実施例で説明した図15に
示すように、X値つまりInの組成比が0.2以下ある
いは0.8以上であればキャリア濃度の低下を極力抑制
できる特性を持っているので、実際上の悪影響を受ける
ことはない。このような本実施例によっても第7の実施
例と同様の効果を得ることができるようになる。
【0104】(第11の実施例)図21は本発明の第1
1の実施例を示すもので、第7の実施例と異なるところ
は、電子供給層95に代えて、電子供給層103を設け
たところで、以下、この電子供給層103について説明
する。すなわち、この実施例においては、図21に示す
ように、第7の実施例における構成中において、第4層
目に電子供給層103として、膜厚1.0nmのSiド
ープIn0.8Ga0.2As層および膜厚2.0nm
のノンドープAl0.5Ga0.5As層を交互に7周
期積層して形成した超格子層を設けている。
【0105】この場合、電子供給層103を構成するI
0.8Ga0.2As層およびAl0.5Ga0.5
As層のそれぞれについては、InP基板71や他の層
とは格子定数が異なるので、第7の実施例における場合
と同様にして格子定数の不整合に起因した結晶欠陥の発
生を抑制するために、臨界膜厚を考慮した膜厚に設定さ
れている。
【0106】すなわち、In0.8Ga0.2As層の
格子定数が5.977オングストロームであり、Al
0.5Ga0.5As層の格子定数は5.657オング
ストロームであるから、これらを積層してなる電子供給
層103としての等価的な格子定数は、5.764オン
グストロームとなる。ここで、電子供給層103の格子
定数とInP基板91やIn0.52Ga0.58As
層の格子定数とのずれ量は−0.105オングストロー
ムであるから、第7の実施例において説明した図4を参
照すると、臨界膜厚は約25nmであることがわかる。
ここで、電子供給層103の膜厚は、前述したように各
層が7周期積層されているから、21nmである。した
がって、臨界膜厚以下の膜厚であるから、格子不整合に
起因した結晶欠陥の発生は抑制される。
【0107】一方、電子供給層103の各層のバンドギ
ャップエネルギは、Al0.5Ga0.5As層につい
ては、第9の実施例で説明した図19に示すように、
1.97eVであり、また、In0.8Ga0.2As
層については、前述した図15に示すように、0.47
eVである。これから、各層の膜厚を考慮して等価的な
バンドギャップエネルギを計算すると1.47eVとな
り、第7の実施例に比べて高いバンドギャップエネルギ
となり、電子供給能力を得ることができるようになる。
【0108】また、電子供給層103をn型の層として
形成するために、超格子層を構成するIn0.8Ga
0.2As層にのみn型の不純物としてSiをドープし
ているので、フッ素の侵入によるキャリア濃度の低下を
引き起こすことがなくなり(図16中、矢印E参照)、
熱的に安定した電子供給層103を形成することができ
る。このような本実施例によっても第7の実施例と同様
の効果を得ることができるようになる。
【0109】(第12の実施例)図22は本発明の第1
2の実施例を示すもので、第7の実施例と異なるところ
は、電子供給層95に代えて、電子供給層104を設け
たところで、以下、この電子供給層104について説明
する。なお、この実施例においては、電子供給層104
として、元素周期律表でいうところの III族の元素であ
るIn,Ga,AlとV族の元素であるAsとを混合し
て用いる4元混晶化合物半導体により構成しているとこ
ろである。
【0110】すなわち、この実施例においては、図22
に示すように、第7の実施例における構成中において、
第4層目に電子供給層104として、膜厚1.0nmの
SiドープIn0.3(Al0.8Ga0.20.7
As層および膜厚2.0nmのノンドープIn
0.7(Al0.2Ga0.80.3As層を交互に
7周期積層して形成した超格子層を設けている。
【0111】この場合、電子供給層104を構成するI
0.3(Al0.8Ga0.20.7As層および
In0.7(Al0.2Ga0.80.3As層のそ
れぞれについては、InP基板91や他の層とは格子定
数が異なるので、第7の実施例における場合と同様にし
て格子定数の不整合に起因した結晶欠陥の発生を抑制す
るために、臨界膜厚を考慮した膜厚に設定されている。
【0112】すなわち、In0.3(Al0.8Ga
0.20.7As層の格子定数が5.937オングス
トロームであり、In0.7(Al0.2Ga0.8
0.3As層の格子定数は5.780オングストローム
であるから、これらを積層してなる電子供給層104と
しての等価的な格子定数は、5.832オングストロー
ムとなる。ここで、電子供給層104の格子定数とIn
P基板91やIn0.5 Al0.58As層の格子定
数とのずれ量は−0.037オングストロームであるか
ら、第7の実施例において説明した図4を参照すると、
臨界膜厚は約300nmであることがわかる。ここで、
電子供給層104の膜厚は、前述したように各層が7周
期積層されているから、21nmである。したがって、
臨界膜厚以下の膜厚であるから、格子不整合に起因した
結晶欠陥の発生は抑制される。
【0113】一方、電子供給層104の各層のバンドギ
ャップエネルギは、In0.3(Al0.8
0.20.7As層については0.66evであ
り、In0.7(Al0.2Ga0.80.3As層
については1.67eVである。これから、各層の膜厚
を考慮して等価的なバンドギャップエネルギを計算する
と1.33eVとなり、第7の実施例に比べて高いバン
ドギャップエネルギとなり、電子供給能力を得ることが
できるようになる。
【0114】また、電子供給層104をn型の層として
形成するために、超格子層を構成するIn0.7(Al
0.2Ga0.80.3As層に行なっている。
【0115】この場合、In0.7(Al0.2Ga
0.80.3As層は要素としてInAl1−X
sを含んでいるので、熱処理の実施によりフッ素の侵入
でキャリア濃度の変動が生じ得る材料であるが、In原
子に対するAl原子の存在比率は10%以下であるか
ら、キャリア濃度の低下を極力抑制できる特性を持って
いるので、実際上の悪影響を受けることはない。このよ
うな本実施例によっても第7の実施例と同様の効果を得
ることができるようになる。
【0116】本発明は、上記実施例にのみ限定されるも
のではなく、次のように変形また拡張できる。第6の実
施例はn型不純物をドープしたIn0.52Al
0.48As層81を第1の実施例に適用した場合につ
いて説明したが、第2ないし第5の実施例にも適用した
構成を採用することができる。
【0117】第7の実施例においては、電子供給層95
として、In0.52Al0.48As層およびIn
0.3Ga0.7As層からなる超格子層として構成し
たが、各層の組成比はこれに限定されることなく、上述
したように、各層の組成から決まる格子定数およびバン
ドギャップエネルギを考慮して臨界膜厚の範囲内となる
ように膜厚を設定することができる。また、In
0.52Al0.48As層およびIn0.3Ga
0.7As層を交互に7周期積層した超格子層から構成
しているが、これに限らず、各膜厚や積層周期について
も適宜に設定することができる。
【0118】また、第8ないし第12の実施例において
も電子供給層100〜104において上述同様の考え方
に基づいて各層の膜厚の設定および積層周期の設定を適
宜に変更して行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す半導体装置用基板
の模式的断面図
【図2】半導体装置用基板を用いて作製したHEMTの
模式的断面図
【図3】組成Xに対する熱処理前後でのInAl
1−XAs(0≦X≦1)のドープ濃度変化
【図4】InP基板上に転位を発生させることなく成長
可能なInAl1−XAs(0≦X≦1)の臨界膜厚
【図5】二元化合物の格子定数とバンドギャップの関係
を示す図
【図6】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図7】本発明の第3の実施例を示す図1相当図
【図8】本発明の第4の実施例を示す図1相当図
【図9】ドープ層の詳細な模式的断面
【図10】本発明の第5の実施例を示す図1相当図
【図11】図2相当図
【図12】本発明の第6の実施例を示す図1相当図
【図13】本発明の第7の実施例を示す図2相当図
【図14】In0.52Al0.48Asの格子定数か
らのずれ量に対する臨界膜厚の関係を示す図
【図15】InAl1−XAsおよびInGa
1−XAsの組成比Xに対するバンドギャップエネルギ
の関係を示す図
【図16】InAs,GaAs,AlAsおよびそれら
の三元混晶の層に不純物をドープしたときの熱処理の前
後でのキャリア濃度の変化の比を示す図
【図17】本発明の第8の実施例を示す図13相当図
【図18】本発明の第9の実施例を示す図13相当図
【図19】AlGa1−XAsについての図15相当
【図20】本発明の第10の実施例を示す図13相当図
【図21】本発明の第11の実施例を示す図13相当図
【図22】本発明の第12の実施例を示す図13相当図
【図23】従来例を示す図1相当図
【図24】異なる従来例を示す図1相当図
【図25】異なる従来例を示す図1相当図
【符号の説明】
21,31,41,51,61は半絶縁性InP基板
(半絶縁性基板)、22,32,42,52,62はノ
ンドープIn0.52Al0.48Asバッファ層、2
3a,33a,43a,53a,65aはノンドープI
0.8Ga0. As第1 チャネル層、23b,33
b,43b,53b,65bはノンドープIn0.53
Ga0.47As第2チャネル層、24,34,44,
54,64はノンドープIn0.52Al0.48As
スペーサ層、25はn型InAs/AlAs超格子ドー
プ層(電子供給層)、25aはn型InAs層、25b
はn型AlAs層、26,36,46,56,66はノ
ンドープIn0.52Al .48Asゲートコンタク
ト層、27,37,47,57,67はn型In0.
53Ga0.47Asキャップ層、29a,69aはソ
ース電極、29b,69bはドレイン電極、30,70
はゲート電極、27a,67aはリセス領域、28,6
8はHEMT、35はn型In0.8Al0.2As/
n型In0.2Al0.8As超格子ドープ層(電子供
給層)、35aはn型In0.8Al0. As層、3
5bはn型In0.2Al0.8As層、45はn型I
0.8Al0.2As/ノンドープIn0.2Al
0.8As超格子ドープ層(電子供給層)、45aはn
型In0.8Al0.2As層、45bはノンドープの
In .2Al0.8As層、55はn型In0.8
0.2As/ノンドープIn0.2Al0.8As超
格子ドープ層、(電子供給層)55aはn型In0.8
Al0.2As層、55bはノンドープのIn0.2
0.8As層、55cはSiのδドープ層、63はn
型In0.8Al0.2As/n型In0.2Al
0.8As超格子ドープ層、63aはn型In0.8
0.2As層、63bはn型In0.2Al0.8
s層、81はn型In0.52Al0.48As層(電
子供給層)、91はInP基板、92はノンドープIn
0.52Al .48Asバッファ層、93はノンドー
プIn0.53Ga0.47Asチャネル層、94はノ
ンドープIn0.52Al0.48Asスペーサ層、9
5,100,101,102,103,104は電子供
給層である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 隆志 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (56)参考文献 特開 平4−343438(JP,A) 特開 平6−232178(JP,A) 特開 昭61−158183(JP,A) 特開 平2−112239(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/338 H01L 29/778 H01L 29/812 H01L 29/06

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半絶縁性基板上にチャネル層および電子
    供給層を形成して二次元電子ガスを利用して動作させる
    ようにした半導体装置において、前記チャネル層および電子供給層の間に位置してノンド
    ープのIn Al 1−Z As(0≦Z≦0.52)をス
    ペーサ層として設け、 前記電子供給層は、高濃度のn型不純物がドープされた
    異なる組成を有するInAl1−XAs層およびIn
    Al1−YAs層(XおよびYは、0≦X≦1,0≦
    Y≦1で且つX≠Y)を交互に積層した超格子層として
    形成され、 前記チャネル層は、前記スペーサ層よりも電子親和力が
    大きくなるように設定されたノンドープのIn Ga
    1−T As(0.53≦T≦1)であって、前記スペー
    サ層側に位置するように設けられた膜厚4nmのIn
    0.53 Ga 0.47 As層およびこれと接するように
    設けられた膜厚16nmのIn 0.8 Ga 0.2 As層
    から構成されている ことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記電子供給層の組成を示すXおよびY
    の値は、 一方が0.52以上で且つ他方が0.52以下([0.
    52≦Xで且つY≦0.52]、あるいは、[X≦0.
    52で且つ0.52≦Y]のいずれか)となるように設
    定されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装
    置。
  3. 【請求項3】 前記電子供給層を構成するInAl
    1−XAs層およびInAl1−YAs層のそれぞれ
    は、格子不整合による転位が発生しない範囲である臨界
    膜厚以下の膜厚に形成されていることを特徴とする請求
    項1または2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記電子供給層の組成を示すXおよびY
    の値は、 一方が1で他方が0([X=1且つY=0]、あるいは
    [X=0且つY=1]のいずれか)となるように設定さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記電子供給層を構成するInAs層お
    よびAlAs層はそれぞれ格子不整合による転位が発生
    しない臨界膜厚以下の膜厚で積層されていることを特徴
    とする請求項4記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記電子供給層を構成するInAs層お
    よびAlAs層はそれぞれ2分子層に相当する膜厚で2
    0周期程度積層することにより形成されていることを特
    徴とする請求項4または5記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記電子供給層の組成を示すXおよびY
    の値は、 一方が0.8で且つ他方が0.2([X=0.8且つY
    =0.2]、あるいは[X=0.2且つY=0.8]の
    いずれか)となるように設定されていることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記電子供給層を構成するIn0.8
    0.2As層およびIn0.2Al0.8As層の超
    格子層は、 膜厚寸法がそれぞれ2nm程度に設定されると共に5周
    期程度積層することにより形成されていることを特徴と
    する請求項7記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記電子供給層は、この層を構成する前
    記InAl1−XAs層およびInAl1−YAs
    層のうちの組成比を示すX,Yの値が大きく設定されて
    いる側の層にのみ高濃度のn型不純物が導入されている
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の
    半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記電子供給層は、 内部にn型不純物を局所的に蓄積させたδ(デルタ)ド
    ープ層を含んだ状態に形成されていることを特徴とする
    請求項1ないし9のいずれかに記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】 前記スペーサ層は、 膜厚が5nmでノンドープのIn 0.52 Al 0.48
    As層として形成されている ことを特徴とする請求項1
    ないし10のいずれかに記載の半導体装置。
  12. 【請求項12】 前記電子供給層は、 前記半導体基板と前記チャネル層との間に配置されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに
    載の半導体装置。
  13. 【請求項13】 前記電子供給層とチャネル層との間
    に、電子供給層として機能する高濃度のn型不純物がド
    ープされたIn 0.52 Al 0.48 As層を設ける構
    成としたことを特徴とする請求項1ないし12のいずれ
    に記載の半導体装置。
  14. 【請求項14】 前記半絶縁性基板は、 半絶縁性のInP基板であることを特徴とする請求項1
    ないし13のいずれかに 記載の半導体装置。
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