JP3774000B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速動作、高出力、かつ低雑音動作が可能な2次元電子ガスを利用する電界効果トランジスタ(FET)などの半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、InP基板を用いてInAlAsとInGaAsとにより形成したFETの1種である高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor ;HEMT) の半導体構造の従来例を示すものである。この図6において、半絶縁性のInPからなる半導体基板(以下、基板と称す)1上に、膜厚が100nmのノンドープIn0.52Al0.48Asからなるバッファ層2が配置されている。
【0003】
バッファ層2は、後述するようにソース,ゲート,ドレインなどの電極が形成される側からの電流が基板1へ流れるのを防止する役割を果たすものである。膜厚が20nmのノンドープInXGa1−XAs(0.53 ≦X≦1)からなるチャネル層3は、バッファ層2上に配置されており、このチャネル層3をキャリアたる電子が走行するようになっている。
【0004】
膜厚が5nmのノンドープIn0.52Al0.48Asからなるスペーサ層4は、チャネル層3上に配置されており、不純物濃度1×1019/cm3にSiがドープされた膜厚が10nmのn形In0.52Al0.48Asからなるドープ層(電子供給層)5は、スペーサ層4上に配置されている。ドープ層5はチャネル層3に2次元電子ガスを誘起させるため、チャネル層3のInXGa1−XAs(0.53 ≦X≦1)よりも電子親和力の小さい、n形不純物を含有するIn0.52Al0.48Asで構成されている。
【0005】
膜厚が10nmのノンドープIn0.52Al0.48Asからなるゲートコンタクト層6は、ドープ層5上に配置されている。このゲートコンタクト層6は、ゲート電極とショットキー接触をとるための層である。不純物濃度1×1019/cm3にSiがドープされた膜厚が20nmのn形InXGa1−XAs(0.53 ≦X≦1)からなるキャップ層7は、ゲートコンタクト層6の上に配置される。キャップ層7はソース電極及びドレイン電極の良好なオーミック接触をとるための層である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような半導体構造を用いてHEMTを作製しているが、この構造では、InPからなる基板1に対して格子定数の整合を良好にとるために、ドープ層5としてn形In0.52Al0.48Asを用いている。このIn0.52Al0.48Asについては、熱的に不安定な材料であることが報告されている( 報告文献:N.Hayafuji,Y.Yamamoto,N.Yoshida,T.Sonoda,S.Takamiya,and S.Mitsui "Thermal stability of AlInAs/GaInAs/InP heterostructures" Appl.Phys.Lett.66(7)863,1995) 。
【0007】
この報告によれば、ドープ層5にn形In0.52Al0.48Asを用いた従来の半導体構造では、比較的低温の熱処理でドープ層5からの電子放出能力が急激に劣化してシートキャリア濃度を劣化させる。その結果としてHEMTの特性が悪化してしまう、という特性劣化の機構が説明されている。
【0008】
HEMTの製造工程では結晶成長後に、レジストのベーク、SiNパッシベーション膜の形成等、素子を加熱する必要のある工程が多く含まれている。しかしながら、上述のようにIn0.52Al0.48Asが熱的に不安定な材料であるため、従来は加熱を必要とする工程をIn0.52Al0.48Asからなるドープ層のドープ濃度が設計値からずれない低温で行う必要があり、このため特性の優れたHEMTの作製が困難になるという問題点があった。
【0009】
また、一般に、完成したデバイスを高温雰囲気中に一定時間保持した後に電気的特性の測定を行う信頼性試験において、従来のHEMTでは、高温雰囲気中の保持によって特性の劣化が生じており、その信頼性が極めて乏しいという問題点をも有していた。
【0010】
以下においては、上記の様なドープ層5における電子放出能力の劣化を防止するための対策例を列挙する。先ず、第43回応用物理学関係連合講演会講演予稿集28a-M-7,1996( 日本電気株式会社) で提案されている方法を図7に示す。尚、図6と同一部分には同一符号を付して示す。ここで提案されている構造では、ドープ層5とゲートコンタクト層6との間に、ノンドープInAs層8aとノンドープAlAs層8bとの組合わせからなる超格子8が、4分子層×7周期挿入されている(図7では簡略化した状態で示す)。
【0011】
この超格子8が電極側からのドープ層5に対する不純物浸透を防ぐことで、その不純物浸透に起因する電子放出能力の劣化防止を図っている。しかしながら、この構造では、電子放出能力の劣化防止には有効であるものの、ドープ層5とゲートコンタクト層6との間に新たな層を挿入することになるため、ゲート電極とチャネル層3との距離が遠くなりHEMTの利得が低下してしまうという新たな問題点が出てくる。
【0012】
次に、特開平4−28237号公報に開示されているものについて図8を参照して説明する。図8において、ゲートコンタクト層9は、ノンドープのInAs層9aとノンドープのAlAs層9bとの組合せからなる超格子により構成されている。この公報に記載された発明の目的はゲート耐圧の向上であるが、キャップ層7がエッチングされることにより形成されるリセス領域において表面に露出するゲートコンタクト層9に熱的に不安定なIn0.52Al0.48Asを用いるのを避けているため、加熱による電子放出能力の劣化防止対策の1つとなり得ると考えられる。
【0013】
ところで、図9に示すように、InAs及びAlAsの格子定数(約6.07及び5.66)は、基板1を構成しているInPの格子定数(約5.868)に対して各々4%程度異なっている(InAs:+4%,AlAs:−4%)。この格子定数の差は非常に大きく、上記公報においては、基板1に対して格子不整を発生させずに成長を行うことができるInAs層,AlAs層の膜厚は、各々3nm程度(略10分子層)が限度であるとしている。
【0014】
しかしながら、本発明の発明者らは鋭意研究の結果、実際に安定して形成できるInAs層,AlAs層の膜厚は、各々2分子層程度(約0.6nm)であることを突き止めた。これ以上の膜厚を形成した場合は、微視的に見ると層内に多くの転位が入るため、これが半導体としての特性劣化に大きく影響すると考えられる。
【0015】
また、膜厚が2分子層程度と薄い場合には、電気特性の観点で見ると、超格子構造にしたことによる特性を十分に得ることができず巨視的にIn0.52Al0.48Asと同等になってしまい、電子放出能力劣化の有効な防止手段とはならないことが判明した。
【0016】
而して、本発明の発明者らはその研究の結果として、巨視的にIn0.52Al0.48Asと同等とならないために必要な超格子の各構成層の組成は、転位を発生させること無く積層可能な膜厚、即ち臨界膜厚が20nmのものであると結論した。
【0017】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電子供給層の電子放出能力が熱処理により低下することを防止できる半導体装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の半導体装置によれば、ゲートコンタクト層が、夫々臨界膜厚が15nm以上であり、各層の組成比を示すX及びYの値が格子不整合による転位の発生がないように設定されている所定厚さ寸法以上のInXAl1-XAs層とInYAl1-YAs層(但し、0<X<1,0<Y<1,X≠Y)とが三対以上交互に積層された超格子として形成されることによって、電子供給層のチャネル層に対する電子放出能力が熱処理によって低下するのを防止することができる。そして、転位の発生による電子の移動度の低下、即ち、半導体特性の劣化を防止することができる。
【0020】
請求項2記載の半導体装置によれば、前記InXAl1-XAs層のXの値は0.8,前記InYAl1-YAs層のYの値は0.2に選択設定されるので、熱処理による電子供給層の電子放出能力の低下防止と、超格子の各層内における転位の発生による半導体特性の劣化防止とを、最適なバランスによって達成することができる。
【0021】
請求項3載の半導体装置によれば、InXAl1−XAs層及びInYAl1−YAs層の組成比は、臨界膜厚が20nmとなる値に選択設定されるので、請求項2と同様の効果が得られる。
【0022】
請求項4記載の半導体装置によれば、電子供給層におけるゲートコンタクト層に接している面とは反対側の面に接して、InZAl1-ZAs(0≦Z≦0.52) からなるスペーサ層が形成されることにより、チャネル層に形成されるエネルギギャップのポテンシャル井戸をより深くし得て、電子の移動度をより向上させることができ、高速動作を行わせることができる。
【0023】
請求項5記載の半導体装置によれば、チャネル層がInGaAsによって形成されると共に、InTGa1-TAs(0.53 ≦T≦1)からなる電子分布制御層が形成され、チャネル層内における電子の分布をスペーサ層のヘテロ界面から遠ざけて、当該チャネル層の略中央に電子密度分布のピークが位置するようにしたことにより、チャネル層における電子密度の分布を最適に制御し得て電子の移動度を一層向上させることができる。
【0024】
請求項6記載の半導体装置によれば、電子分布制御層が4nm膜厚のIn0.53Ga0.47Asによって形成され、チャネル層が16nm膜厚のIn0.8Ga0.2Asによって形成されることにより、チャネル層の組成を最適にして電子移動度を向上させることができると共に、電子分布制御による電子移動度の向上効果をも最大にすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例について図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施例における半導体装置の構造を示す摸式的な断面図である。尚、図7と同一部分には同一符号を付すことにより、具体的な説明を省略している。この図1において、バッファ層2とスペーサ層4との間に、チャネル層20が挿入されている。このチャネル層20は、第1チャネル層(チャネル層)20aと第2チャネル層(電子分布制御層)20bとの2層構造になっている。
【0026】
第1チャネル層20aは、膜厚16nmのノンドープIn0.8Ga0.2Asから構成されており、バッファ層2上に配置されている。また、第2チャネル層20bは、膜厚4nmのノンドープIn0.53Ga0.47Asから構成されており、第1チャネル層20a上に配置されている。
【0027】
チャネル層20は、HEMTの動作時においてキャリアたる電子が走行(移動)する領域である。従って、ドープ層5,スペーサ層4,チャネル層20及びバッファ層2の各層間のバンドギャップによってこの領域に形成されるポテンシャル井戸を深く(エネルギ準位を低く)する程、電子はチャネル層20に集まり易くなる。このためには、InXGa1−XAsの組成比を与えるXの値を、ドープ層5や基板1との格子不整合を生じない範囲で大きくすることによりInAsの組成比を高めれば良く、その最も良い組成比として、X=0.8,即ち、In0.8Ga0.2Asが選択されている。
【0028】
また、第2チャネル層20bは、In0.53Ga0.47Asで構成されることにより、チャネル層20内における電子の分布をスペーサ層4のヘテロ界面から遠ざけて、チャネル層20の略中央に電子密度分布のピークが位置するように制御し、電子の移動度をより高めるように作用するものである。この場合、第2チャネル層20bを加えることによって、チャネル層20のエネルギ準位が若干上昇するというデメリットもあるが、上記のように電子移動度を高める効果を最大に得ることができ、そのデメリットの影響を実質的に受けることがない膜厚は4nmであることが、例えば特開平6−140435号公報に示されているように実験的に確認されている。
【0029】
また、ドープ層5とキャップ層7との間には、ゲートコンタクト層21が挿入されている。ゲートコンタクト層21は、膜厚20nmのノンドープIn0.8Al0.2AsからなるA層(InXAl1−XAs層,X=0.8)21aと膜厚20nmのノンドープIn0.2Al0.8AsからなるB層(InYAl1−YAs層,Y=0.2)21bとを交互に2周期形成した超格子構造となっている。その他の層については、図7と同様に構成されている。
【0030】
上記の構造を有する半導体装置を用いてHEMTを素子として作製した場合の摸式的な断面図を図2に示す。オーム接触によるソース電極22a及びドレイン電極22bはキャップ層7上に形成される。ゲート電極23は、キャップ層7を選択エッチングにより除去したリセス領域24のゲートコンタクト層21上に形成される。
【0031】
本実施例の従来技術に対する相違点として、例えば図6に示す従来技術では、ゲートコンタクト層6にIn0.52Al0.48Asを用いているのに対し、本実施例では、In0.8Al0.2As(A層21a)とIn0.2Al0.8As(B層21b)との超格子を用いたことにある。図2のリセス領域24で表面に露出するゲートコンタクト層21が、A層21aとB層21bとによる超格子である。
【0032】
ここで、A層21aとB層21bとの組成比を上記のように決定したのは、以下の理由による。ゲートコンタクト層21には、キャリアを生成するための不純物はドープされていないが、キャリアとしての電子が僅かに存在している。一つの目安として、1014/cm3以上の密度で、超格子構造で形成されるバンドギャップ部分に電子が残留する状態をシミュレーションにより想定した。
【0033】
この時、バンドギャップの谷若しくは山を電子密度分布のピークとして、超格子を構成する各層の厚さを変化させると、前記各層の膜厚がある程度薄くなった場合に、隣接する層に対して、1014/cm3以上の密度を有する電子の分布がはみ出してしまうことが分かった。この様に、電子密度分布のはみ出しが隣接する層に対して生じることによって、巨視的にIn0.52Al0.48Asと同じように熱特性が悪化してしまうと考えられる。
【0034】
そして、この1014/cm3以上の密度の電子分布が隣接する層に対してはみ出すこと無く、バンドギャップの谷若しくは山の部分に収まる超格子の1層の厚さは、15nm以上であれば良いことが分った。但し、この場合でもトンネル効果などにより若干の電子のしみ出しが発生する可能性が想定されるため、若干の余裕を持たせることにより20nmの膜厚を確保するのが良いという結論に達した。
【0035】
図3は、InP基板上に転位を発生することなく成膜できるInXAl1−XAsの膜厚(臨界膜厚)のPeopleによる理論計算式の計算結果を示すものである。巨視的にIn0.52Al0.48Asと同様の熱特性を有しないために必要な、20nmの膜厚を形成可能にするInXAl1−XAsの組成比を与えるXの値は、0.2 ≦X≦0.8 であることが分かる。
【0036】
そこで、本実施例では最大20nm程度の成膜が可能であり、かつ熱的に不安定なIn0.52Al0.48Asと組成がもっとも離れたIn0.8Al0.2AsからなるA層21aとIn0.2Al0.8AsからなるB層21bとの超格子構造をゲートコンタクト層21に用いたのである。
【0037】
斯様な超格子構造を有するゲートコンタクト層21を用いることによって、熱処理等が行われた場合に、In0.52Al0.48Asからなるドープ層5に対してHEMTの各電極22a,22b及び23が形成されている側からの不純物浸透を防ぐことができ、ドープ層5の電子放出能力が低下することを防止できる。
【0038】
また、A層21a及びB層21bの上記組成比は、InPからなる基板1に対して格子定数の整合が最も良好であるIn0.52Al0.48Asに対しても、組成比の正負バランスの釣合い(0.52に対して、0.8(+0.28),0.2(−0.3))が適当にとり得るので、格子不整合による転位の発生が許容範囲内となるように抑えることができる。
【0039】
以上のように本実施例によれば、ゲートコンタクト層21を、夫々20nmの厚さ寸法のIn0.8Al0.2AsからなるA層21aとIn0.2Al0.8AsからなるB層21bとの超格子として形成した。従って、ゲートコンタクト層21を、転位の発生が許容範囲内となるように形成し得、且つ、その、ゲートコンタクト層21によりドープ層5の電子放出能力が熱処理によって低下するのを防止し得て、HEMTの製造プロセスにおける各種の熱処理を十分な高温で行うことができ、半導体としての特性の優れた素子を容易に製造することができる。加えて、完成品としてのHEMTの熱的安定性も高くなることにより、素子の安定性を大幅に向上させることができる。
【0040】
また、本実施例によれば、ゲートコンタクト層21の直下であるドープ層5に接してIn0.52Al0.48Asからなるスペーサ層4を形成したので、チャネル層20に形成されるポテンシャル井戸をより深くし得て、より多くの電子を集めることができるので、電子の移動度をより高めることができる。
【0041】
更に、本実施例によれば、スペーサ層4の直下に、In0.53Ga0.47からなる第2チャネル層20bが4nm膜厚よって形成され、その第2チャネル層20bの直下に、In0.8Ga0.2Asからなる第1チャネル層20aを16nm膜厚をもって形成したので、チャネル層20自体の特性及び第2チャネル層20bによる電子分布制御効果を最大にし得て、電子の移動度を高める効果を最大にすることができる。
【0042】
図4は本発明の第2実施例におけるHEMTの構造を示す摸式的な断面図であり、以下は第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。図4においては、第1実施例におけるドープ層5は除かれている。その代わりに、スペーサ層4に対して不純物濃度1 ×1013/cm2に局所的にSiドープされたSiδドープ層25が電子供給層として形成されている。その他は第1実施例と同様である。
【0043】
以上のように第2実施例によれば、電子供給層としてSiδドープ層25を用いたが、ゲートコンタクト層21をA層21aとB層21bとの超格子構造としたことにより、電子供給層の構造によらず、ゲートコンタクト層21が熱的に安定なため高い信頼性の素子を形成することができる。
【0044】
図5は本発明の第3実施例におけるHEMTの構造を示す摸式的な断面図であり、以下は第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。この図5においては、第1実施例の図2に示す各層構造に対して、バッファ層2とゲートコンタクト層21との間に形成される各層の形成順序が、第1実施例の図2に示す各層の形成順序に対して逆になっている。
【0045】
即ち、バッファ層2からゲートコンタクト層21の方向に、ドープ層5,スペーサ層4,第2チャネル層20b及び第1チャネル層20aの順で形成されている。これは、所謂「逆HEMT」構造をなすものである。斯様な構造においても、ゲートコンタクト層21をA層21aとB層21bとの超格子構造としたことにより、熱安定性の高い半導体装置の構造を得ることができる。
【0046】
本発明は上記しかつ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
A層(InXAl1−XAs層)21a及びB層(InYAl1−YAs層)21bの組成比を与えるX及びYの値は0.8及び0.2に限ること無く、X≠Yの条件を満たし、且つ、熱処理によって電子供給層の電子放出能力が低下するのを防止し得る範囲であれば適宜変更して良い。また、格子不整合による転位の発生が許容範囲内となる条件を加えて適宜変更しても良い。
InXAl1−XAs層及びInYAl1−YAs層の組成比は、臨界膜厚が20nm程度となるものに限らず、15nm以上となる範囲で選択設定しても良い。
【0047】
スペーサ層の組成比は、In0.52Al0.48Asに限ること無く、InZAl1-ZAs(0≦Z≦0.52) の範囲で適宜変更して良い。
電子分布制御層の組成比も、In0.53Ga0.47Asに限ること無く、InTGa1-TAs(0.53 ≦T≦1)の範囲で適宜変更して良い。
また、チャネル層の組成比も、In0.8Ga0.2Asに限ること無く、適宜変更して良い。
ゲートコンタクト層21に形成する超格子は、A層21a及びB層21bを交互に2周期形成するものに限らず、A層21a及びB層21bを三対以上積層するものであれば良い。
電子分布制御層及びチャネル層の膜厚は4nm及び16nmに限ること無く、両者の組成比の変化などに応じて変更して良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における半導体装置の断面を摸式的に示す図
【図2】半導体装置に電極を形成してHEMT素子を構成した場合の断面を摸式的に示す図
【図3】 Peopleによる理論計算式の計算結果を示す図
【図4】本発明の第2実施例を示す図2相当図
【図5】本発明の第3実施例を示す図2相当図
【図6】従来技術を示す図1相当図
【図7】図6と異なる従来技術を示す図1相当図
【図8】図6,図7と異なる従来技術を示す図1相当図
【図9】AlAs,InP,InAsの格子定数とバンドギャップとの関係を示す図
【符号の説明】
1は半導体基板(InP基板)、4はスペーサ層、5はドープ層(電子供給層)、20aは第1チャネル層(チャネル層)、20bは第2チャネル層(電子分布制御層)、21はゲートコンタクト層、21aはA層(InXAl1−XAs層)、21bはB層(InYAl1−YAs層)、25はSiδドープ層(電子供給層)を示す。
Claims (6)
- InP基板上に形成され、電子がキャリアとして移動するチャネル層と、このチャネル層上に形成され、前記チャネル層に前記電子を供給するn形の不純物がドープされた電子供給層と、この電子供給層上に形成されたゲートコンタクト層と、このゲートコンタクト層上に形成されて、前記チャンネル層を移動する前記電子の量を制御するゲート電極とを設けてなる半導体装置において、
前記ゲートコンタクト層は、夫々臨界膜厚が15nm以上であり、各層の組成比を示すX及びYの値が格子不整合による転位の発生がないように設定されているInXAl1-XAs層とInYAl1-YAs層(但し、0<X<1,0<Y<1,X≠Y)とが三対以上交互に積層された超格子として形成されて、前記電子供給層の電子放出能力が熱処理によって低下するのを防止し得るように構成されていることを特徴とする半導体装置。 - 前記Xの値は0.8,前記Yの値は0.2に選択設定されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記In X Al 1-X As層及びIn Y Al 1-Y As層の組成比は、臨界膜厚が20nmとなる値に選択設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
- 前記電子供給層における前記ゲートコンタクト層に接している面とは反対側の面に接して、InZAl1-ZAs(0≦Z≦0.52) からなるスペーサ層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の半導体装置。
- 前記チャネル層は、InGaAsによって形成され、
前記スペーサ層における前記電子供給層に接している面とは反対側の面に接して、InTGa1-TAs(0.53 ≦T≦1)からなる電子分布制御層が形成され、
前記チャネル層内における電子の分布を前記スペーサ層のヘテロ界面から遠ざけて、当該チャネル層の略中央に電子密度分布のピークが位置するようにしたことを特徴とする請求項4記載の半導体装置。 - 前記電子分布制御層は、4nm膜厚のIn 0.53 Ga 0.47 Asによって形成され、前記チャネル層は、16nm膜厚のIn 0.8 Ga 0.2 Asによって形成されると共に、前記電子分布制御層における前記スペーサ層に接する面とは反対側の面に接していることを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
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