JP2500457B2 - ヘテロ接合電界効果トランジスタ - Google Patents
ヘテロ接合電界効果トランジスタInfo
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- JP2500457B2 JP2500457B2 JP17109593A JP17109593A JP2500457B2 JP 2500457 B2 JP2500457 B2 JP 2500457B2 JP 17109593 A JP17109593 A JP 17109593A JP 17109593 A JP17109593 A JP 17109593A JP 2500457 B2 JP2500457 B2 JP 2500457B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】へテロ接合電界効果トランジスタ
に関し、特に、高周波(ミリ波帯)・高出力のへテロ接
合電界効果トランジスタに関する。
に関し、特に、高周波(ミリ波帯)・高出力のへテロ接
合電界効果トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】この種従来のへテロ接合電界効果トラン
ジスタを図3に示す。図3の(a)に示されたものは、
ダブルへテロ接合型のトランジスタであって、半絶縁性
GaAs基板1上に、GaAsバッファ層2、Siドー
プAlGaAs層7a、ノンドープInGaAs層6
a、SiドープAlGaAs層7b、SiドープGaA
s層8を順次積層し、SiドープAlGaAs層7bの
リセス部にゲート電極9を、ゲート電極9を挾んでSi
ドープGaAs層8上にソース電極10、ドレイン電極
11を形成したものである。
ジスタを図3に示す。図3の(a)に示されたものは、
ダブルへテロ接合型のトランジスタであって、半絶縁性
GaAs基板1上に、GaAsバッファ層2、Siドー
プAlGaAs層7a、ノンドープInGaAs層6
a、SiドープAlGaAs層7b、SiドープGaA
s層8を順次積層し、SiドープAlGaAs層7bの
リセス部にゲート電極9を、ゲート電極9を挾んでSi
ドープGaAs層8上にソース電極10、ドレイン電極
11を形成したものである。
【0003】この構造の特徴は、チャネル層であるノン
ドープInGaAs層6aを、第1、第2の二つの電子
供給層(SiドープAlGaAs層7b、7a)で挟み
込んだ点であり、この構造のトランジスタでは、チャネ
ル層にシングルへテロ接合の場合と比較して約2倍の2
次元電子ガスを存在させることが可能になり、最大電流
を約2倍とすることができる。したがって、高出力トラ
ンジスタを実現することができる。
ドープInGaAs層6aを、第1、第2の二つの電子
供給層(SiドープAlGaAs層7b、7a)で挟み
込んだ点であり、この構造のトランジスタでは、チャネ
ル層にシングルへテロ接合の場合と比較して約2倍の2
次元電子ガスを存在させることが可能になり、最大電流
を約2倍とすることができる。したがって、高出力トラ
ンジスタを実現することができる。
【0004】図3の(b)に示すものは、ドープトチャ
ネル型と称されるものであって、この型のトランジスタ
は、GaAsバッファ層2上にSiドープInGaAs
層12を設け、その上に電子供給層としてSiドープA
lGaAs層7cを配置したものである。この型のトラ
ンジスタの特徴は、チャネル層であるInGaAs層に
Siがドープされている点であり、この構成により、チ
ャネル層には、電子供給層であるSiドープAlGaA
s層7cから供給された2次元電子ガスと、ドーパント
であるSiの電子の両方が存在することになり、電子密
度が上昇し、最大電流も増加する。
ネル型と称されるものであって、この型のトランジスタ
は、GaAsバッファ層2上にSiドープInGaAs
層12を設け、その上に電子供給層としてSiドープA
lGaAs層7cを配置したものである。この型のトラ
ンジスタの特徴は、チャネル層であるInGaAs層に
Siがドープされている点であり、この構成により、チ
ャネル層には、電子供給層であるSiドープAlGaA
s層7cから供給された2次元電子ガスと、ドーパント
であるSiの電子の両方が存在することになり、電子密
度が上昇し、最大電流も増加する。
【0005】図3の(c)は、米国雑誌、Appl.P
hys.Lett.54(21),22 May 1989
の pp.2121−2123「Novel pseudomorphic high electro
n movility transistor structures with GaAs−I
n.3Ga.7As thin strained superlattice active l
ayers 」で提案されたTSSL(Thin Strained Superl
attice)型のトランジスタ構造を示すものであって、G
aAsバッファ層2上に3層のノンドープInGaAs
層6bが、ノンドープGaAs層13を介して積層さ
れ、その上にノンドープAlGaAsスペーサ層14を
介して電子供給層としてのSiドープAlGaAs層7
dを配置したものである。ここで、各ノンドープInG
aAs層6bは、Inの混晶比が0.3で膜厚が52Å
であり、またノンドープGaAs層13の膜厚は、15
Åとなっている。
hys.Lett.54(21),22 May 1989
の pp.2121−2123「Novel pseudomorphic high electro
n movility transistor structures with GaAs−I
n.3Ga.7As thin strained superlattice active l
ayers 」で提案されたTSSL(Thin Strained Superl
attice)型のトランジスタ構造を示すものであって、G
aAsバッファ層2上に3層のノンドープInGaAs
層6bが、ノンドープGaAs層13を介して積層さ
れ、その上にノンドープAlGaAsスペーサ層14を
介して電子供給層としてのSiドープAlGaAs層7
dを配置したものである。ここで、各ノンドープInG
aAs層6bは、Inの混晶比が0.3で膜厚が52Å
であり、またノンドープGaAs層13の膜厚は、15
Åとなっている。
【0006】この構造のトランジスタでは、チャネル層
の混晶比を大きく設定したことにより、バンド不連続の
大きい量子井戸を形成でき、かつGaAs層13を介す
ることにより転位を抑えつつチャネル膜厚を大きくでき
るため、チャネル層での電子閉じ込め性が向上し、高出
力、高利得を実現することができる。
の混晶比を大きく設定したことにより、バンド不連続の
大きい量子井戸を形成でき、かつGaAs層13を介す
ることにより転位を抑えつつチャネル膜厚を大きくでき
るため、チャネル層での電子閉じ込め性が向上し、高出
力、高利得を実現することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のヘテロ
接合電界効果トランジスタでは、それぞれ次のような問
題点があった。図3の(a)に示されたダブルヘテロ接
合型のトランジスタでは、第2電子供給層であるSiド
ープAlGaAs層7aがチャネル層の基板側にあるた
め、こちら側を流れる電流についてはゲート電極9から
の電圧による電流制御が困難でである。その結果、ピン
チオフ特性の劣化、ドレインコンダクタンスの上昇が起
こり、出力、利得が低下する。また、ノンドープInG
aAs層6aは、その格子定数が、SiドープAlGa
As7a、7bのそれと異なるため、歪格子を形成して
おり、転位を起こさない臨界膜厚までしか成長させるこ
とができないないため、最大電流容量を大きくできない
という問題点があった。
接合電界効果トランジスタでは、それぞれ次のような問
題点があった。図3の(a)に示されたダブルヘテロ接
合型のトランジスタでは、第2電子供給層であるSiド
ープAlGaAs層7aがチャネル層の基板側にあるた
め、こちら側を流れる電流についてはゲート電極9から
の電圧による電流制御が困難でである。その結果、ピン
チオフ特性の劣化、ドレインコンダクタンスの上昇が起
こり、出力、利得が低下する。また、ノンドープInG
aAs層6aは、その格子定数が、SiドープAlGa
As7a、7bのそれと異なるため、歪格子を形成して
おり、転位を起こさない臨界膜厚までしか成長させるこ
とができないないため、最大電流容量を大きくできない
という問題点があった。
【0008】図3の(b)に示されたドープトチャネル
型のトランジスタでも、図3の(a)に示されたものと
同様に、チャネル層(SiドープInGaAs層12)
を転位を起こさない臨界膜厚までしか成長させることが
できないため、最大電流容量が小さいという欠点があ
り、さらに、チャネルにSiをドープしているため、5
0GHz以上のミリ波帯においてモビリティが低下し、
利得が低下するという問題点があった。
型のトランジスタでも、図3の(a)に示されたものと
同様に、チャネル層(SiドープInGaAs層12)
を転位を起こさない臨界膜厚までしか成長させることが
できないため、最大電流容量が小さいという欠点があ
り、さらに、チャネルにSiをドープしているため、5
0GHz以上のミリ波帯においてモビリティが低下し、
利得が低下するという問題点があった。
【0009】一方、図3の(c)に示されたTSSL型
のトランジスタでは、チャネル層となるノンドープIn
GaAs層6bにおけるインジウム混晶比が高いため、
チャネル膜厚を増大させるためには3層以上の多層構造
が必要となり、下層のチャネルへのゲート電圧の影響が
低下して高出力において利得が低下するという欠点があ
った。また、チャネル層間に存在するノンドープGaA
s層13が薄層であるためチャネル層に転位を生じ易
い。さらに、バッファにチャネル層とのバンドギャップ
差の小さいGaAsを用いているため電子の閉じ込め性
が悪く、出力、利得の低下が生ずるという問題点があっ
た。
のトランジスタでは、チャネル層となるノンドープIn
GaAs層6bにおけるインジウム混晶比が高いため、
チャネル膜厚を増大させるためには3層以上の多層構造
が必要となり、下層のチャネルへのゲート電圧の影響が
低下して高出力において利得が低下するという欠点があ
った。また、チャネル層間に存在するノンドープGaA
s層13が薄層であるためチャネル層に転位を生じ易
い。さらに、バッファにチャネル層とのバンドギャップ
差の小さいGaAsを用いているため電子の閉じ込め性
が悪く、出力、利得の低下が生ずるという問題点があっ
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の各問題を解決する
ため、本発明によれば、第1のバンドギャップを有する
材料からなるバリア層(3)と、該バリア層上に形成さ
れた、第1のバンドギャップより狭い第2のバンドギャ
ップを有する材料からなるノンドープの第1のチャネル
層(4、4a)と、該第1のチャネル層上に形成され
た、第1のバンドギャップより狭く第2のバンドギャッ
プより広い第3のバンドギャップを有する材料からな
る、不純物のドープされた第1の電子供給層(5)と、
該第1の電子供給層上に形成された、第3のバンドギャ
ップより狭いバンドギャップを有する材料からなるノン
ドープの第2のチャネル層(6)と、該第2のチャネル
層上に形成された、第3のバンドギャップより広いバン
ドギャップを有する材料からなる、不純物のドープされ
た第2の電子供給層(7)と、該第2の電子供給層上に
形成された、該第2の電子供給層との間にショットキー
接合を形成するゲート電極(9)と、を備えるへテロ接
合電界効果トランジスタが提供される。具体的には、例
えば、前記バリア層(3)がノンドープAlGaAsに
より、そして前記第2の電子供給層(7)が、Siドー
プAlGaAsにより構成され、前記第1および第2の
チャネル層(4、4a;6)が、ノンドープInGaA
sにより構成され、前記第1の電子供給層(5)が、S
iドープGaAsにより構成される。
ため、本発明によれば、第1のバンドギャップを有する
材料からなるバリア層(3)と、該バリア層上に形成さ
れた、第1のバンドギャップより狭い第2のバンドギャ
ップを有する材料からなるノンドープの第1のチャネル
層(4、4a)と、該第1のチャネル層上に形成され
た、第1のバンドギャップより狭く第2のバンドギャッ
プより広い第3のバンドギャップを有する材料からな
る、不純物のドープされた第1の電子供給層(5)と、
該第1の電子供給層上に形成された、第3のバンドギャ
ップより狭いバンドギャップを有する材料からなるノン
ドープの第2のチャネル層(6)と、該第2のチャネル
層上に形成された、第3のバンドギャップより広いバン
ドギャップを有する材料からなる、不純物のドープされ
た第2の電子供給層(7)と、該第2の電子供給層上に
形成された、該第2の電子供給層との間にショットキー
接合を形成するゲート電極(9)と、を備えるへテロ接
合電界効果トランジスタが提供される。具体的には、例
えば、前記バリア層(3)がノンドープAlGaAsに
より、そして前記第2の電子供給層(7)が、Siドー
プAlGaAsにより構成され、前記第1および第2の
チャネル層(4、4a;6)が、ノンドープInGaA
sにより構成され、前記第1の電子供給層(5)が、S
iドープGaAsにより構成される。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1の(a)は、本発明の第1の実施例の
トランジスタ構造を示す断面図である。本実施例のヘテ
ロ接合電界効果トランジスタを作製するには、同図に示
されるように、半絶縁性GaAs基板1の上に、MBE
(Molecular Beam Epitaxy;分子線成長)法により順
に、膜厚5000ÅのGaAsバッファ層2、膜厚10
00ÅのノンドープAlGaAs層3、膜厚150Åの
ノンドープInGaAs(Inの混晶比:0.2)層
4、膜厚50Å、ドーピング濃度1×1018cm-3のS
iドープGaAs層5、膜厚150ÅのノンドープIn
GaAs(Inの混晶比:0.2)層6、膜厚400
Å、ドーピング濃度1×1018cm-3のSiドープAl
GaAs層7、SiドープGaAs層8を成長させる。
続いて、GaAs層8をエッチング除去したリセス部
に、AlGaAs層7とショットキー接合を形成するゲ
ート電極9を形成し、ゲート電極9を挟んだ両側のGa
As層8上にはGaAs層とオーミックに接触するソー
ス電極10とドレイン電極11を形成する。
て説明する。図1の(a)は、本発明の第1の実施例の
トランジスタ構造を示す断面図である。本実施例のヘテ
ロ接合電界効果トランジスタを作製するには、同図に示
されるように、半絶縁性GaAs基板1の上に、MBE
(Molecular Beam Epitaxy;分子線成長)法により順
に、膜厚5000ÅのGaAsバッファ層2、膜厚10
00ÅのノンドープAlGaAs層3、膜厚150Åの
ノンドープInGaAs(Inの混晶比:0.2)層
4、膜厚50Å、ドーピング濃度1×1018cm-3のS
iドープGaAs層5、膜厚150ÅのノンドープIn
GaAs(Inの混晶比:0.2)層6、膜厚400
Å、ドーピング濃度1×1018cm-3のSiドープAl
GaAs層7、SiドープGaAs層8を成長させる。
続いて、GaAs層8をエッチング除去したリセス部
に、AlGaAs層7とショットキー接合を形成するゲ
ート電極9を形成し、ゲート電極9を挟んだ両側のGa
As層8上にはGaAs層とオーミックに接触するソー
ス電極10とドレイン電極11を形成する。
【0012】チャネル層(ノンドープInGaAs層
4、6)の膜厚は、転位を起こさない臨界近くの膜厚に
なされている。ここで、Inの混晶比が0.2と低く抑
えられているため、チャネル層の膜厚を150Åと大き
くすることができる。また、チャネル内にあって電子供
給層となるSiドープGaAs層5の膜厚は、下層のI
nGaAs層4の歪みの影響が上層のInGaAs層6
に及ばない値に選定されている。また、このSiドープ
GaAs層5の不純物濃度は熱平衡状態でこの層が完全
に空乏化できる範囲で高濃度になされている。このSi
ドープGaAs層5の膜厚は、30〜80Åの範囲内に
収めることが望ましい。30Å以下では、上層のチャネ
ル層に転位の発生する可能性が高くなりまたチャネル層
に対する電子供給能力に不足が生じるからであり、また
80Å以上では、下層チャネルに対するゲートの制御性
が低下するからである。
4、6)の膜厚は、転位を起こさない臨界近くの膜厚に
なされている。ここで、Inの混晶比が0.2と低く抑
えられているため、チャネル層の膜厚を150Åと大き
くすることができる。また、チャネル内にあって電子供
給層となるSiドープGaAs層5の膜厚は、下層のI
nGaAs層4の歪みの影響が上層のInGaAs層6
に及ばない値に選定されている。また、このSiドープ
GaAs層5の不純物濃度は熱平衡状態でこの層が完全
に空乏化できる範囲で高濃度になされている。このSi
ドープGaAs層5の膜厚は、30〜80Åの範囲内に
収めることが望ましい。30Å以下では、上層のチャネ
ル層に転位の発生する可能性が高くなりまたチャネル層
に対する電子供給能力に不足が生じるからであり、また
80Å以上では、下層チャネルに対するゲートの制御性
が低下するからである。
【0013】図1の(b)は、このように製造された電
界効果トランジスタの伝導帯付近のバンド図である。上
層の電子供給層(SiドープAlGaAs層7)から供
給された電子は上層のチャネル層(ノンドープInGa
As層6)中で2次元電子ガスを形成し、またチャネル
中に設けられた電子供給層(SiドープGaAs層5)
から供給された電子は上、下層のチャネル層(ノンドー
プInGaAs層6、4)中に2次元電子ガスを形成
し、SiドープGaAs層5自身は完全に空乏化してい
る。而して、SiドープGaAs層とチャネル層とのバ
ンド不連続が小さいことによる2次元電子ガスの減少
は、チャネル層下に設けられたノンドープAlGaAs
層3により補償されている。そして、各チャネル層は1
50Åと厚く形成されているため、十分な電流容量を確
保することができる。このように本実施例のトランジス
タでは、チャネル層と電子供給層とがそれぞれ2つずつ
設けられたことにより、電流容量が従来例の約2倍とな
っている。
界効果トランジスタの伝導帯付近のバンド図である。上
層の電子供給層(SiドープAlGaAs層7)から供
給された電子は上層のチャネル層(ノンドープInGa
As層6)中で2次元電子ガスを形成し、またチャネル
中に設けられた電子供給層(SiドープGaAs層5)
から供給された電子は上、下層のチャネル層(ノンドー
プInGaAs層6、4)中に2次元電子ガスを形成
し、SiドープGaAs層5自身は完全に空乏化してい
る。而して、SiドープGaAs層とチャネル層とのバ
ンド不連続が小さいことによる2次元電子ガスの減少
は、チャネル層下に設けられたノンドープAlGaAs
層3により補償されている。そして、各チャネル層は1
50Åと厚く形成されているため、十分な電流容量を確
保することができる。このように本実施例のトランジス
タでは、チャネル層と電子供給層とがそれぞれ2つずつ
設けられたことにより、電流容量が従来例の約2倍とな
っている。
【0014】本実施例の構造では、チャネル層が2層と
なりその間にSiドープGaAs層5が配置されている
が、このGaAs層は、チャネル層とのバンドギャップ
差が小さく、しかも完全に空乏化しているため、下層の
チャネル層に対しても良好なゲート制御性が確保されて
いる。さらに、SiドープGaAs層5は、チャネル層
間に配置されているものの完全に空乏化しているためチ
ャネルドープしていないヘテロ接合トランジスタと同様
の電子走行特性が得られ、超高周波でもモビリティの劣
化は起こらない。よって、本実施例により、高出力で超
高周波まで利得の低下することのないトランジスタを実
現することができる。
なりその間にSiドープGaAs層5が配置されている
が、このGaAs層は、チャネル層とのバンドギャップ
差が小さく、しかも完全に空乏化しているため、下層の
チャネル層に対しても良好なゲート制御性が確保されて
いる。さらに、SiドープGaAs層5は、チャネル層
間に配置されているものの完全に空乏化しているためチ
ャネルドープしていないヘテロ接合トランジスタと同様
の電子走行特性が得られ、超高周波でもモビリティの劣
化は起こらない。よって、本実施例により、高出力で超
高周波まで利得の低下することのないトランジスタを実
現することができる。
【0015】図2の(a)は、本発明の第2の実施例の
トランジスタの断面図である。本実施例の、図1に示し
た先の実施例と相違する点は、先の実施例で、膜厚15
0ÅのノンドープInGaAs(Inの混晶比:0.
2)層4であった下層のチャネル層が、膜厚100Åの
ノンドープInGaAs(Inの混晶比:0.25)層
4aとなされた点である。
トランジスタの断面図である。本実施例の、図1に示し
た先の実施例と相違する点は、先の実施例で、膜厚15
0ÅのノンドープInGaAs(Inの混晶比:0.
2)層4であった下層のチャネル層が、膜厚100Åの
ノンドープInGaAs(Inの混晶比:0.25)層
4aとなされた点である。
【0016】図2の(b)は、本実施例のトランジスタ
のバンド図である。本実施例では、下層のチャネル層の
ノンドープInGaAs層4aの混晶比を上げたため、
下層チャネル層での2次元電子ガス密度が向上し、ま
た、ノンドープAlGaAs層3により高いバリアが形
成されるため、電子閉じ込め性およびゲート制御性が向
上する。よって、本実施例によれば、先の実施例と同様
の効果を期待できる外、より高い利得を実現することが
できる。
のバンド図である。本実施例では、下層のチャネル層の
ノンドープInGaAs層4aの混晶比を上げたため、
下層チャネル層での2次元電子ガス密度が向上し、ま
た、ノンドープAlGaAs層3により高いバリアが形
成されるため、電子閉じ込め性およびゲート制御性が向
上する。よって、本実施例によれば、先の実施例と同様
の効果を期待できる外、より高い利得を実現することが
できる。
【0017】以上、好ましい実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特
許請求の範囲に記載された本願発明の要旨内において各
種の変更が可能である。
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特
許請求の範囲に記載された本願発明の要旨内において各
種の変更が可能である。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
チャネル層中の電子供給層からも電子の供給が行われる
ので、チャネルの電流容量が増加し、またこの電子供給
層が完全に空乏化していることにより、この層によっ
て、電子の走行性が乱されることがなく、この層がない
場合と同様の電子走行性を維持することができる。さら
にバリア層上にチャネル層を設けたことにより、電子閉
じ込め性が向上しゲート制御性が改善される。よって、
本発明によれば、高出力で超高周波まで高い利得を持つ
ヘテロ接合電界効果トランジスタを提供することができ
る。
チャネル層中の電子供給層からも電子の供給が行われる
ので、チャネルの電流容量が増加し、またこの電子供給
層が完全に空乏化していることにより、この層によっ
て、電子の走行性が乱されることがなく、この層がない
場合と同様の電子走行性を維持することができる。さら
にバリア層上にチャネル層を設けたことにより、電子閉
じ込め性が向上しゲート制御性が改善される。よって、
本発明によれば、高出力で超高周波まで高い利得を持つ
ヘテロ接合電界効果トランジスタを提供することができ
る。
【図1】本発明の第1の実施例の断面図とその伝導帯付
近のバンド図。
近のバンド図。
【図2】本発明の第2の実施例の断面図とその伝導帯付
近のバンド図。
近のバンド図。
【図3】各種従来例の断面図。
1 半絶縁性GaAs基板 2 GaAsバッファ層 3 ノンドープAlGaAs層 4、4a、6、6a、6b ノンドープInGaAs層 5 SiドープGaAs層 7、7a、7b、7c、7d SiドープAlGaAs
層 8 SiドープGaAs層 9 ゲート電極 10 ソース電極 11 ドレイン電極 12 SiドープInGaAs層 13 ノンドープGaAs層 14 ノンドープAlGaAsスペーサ層
層 8 SiドープGaAs層 9 ゲート電極 10 ソース電極 11 ドレイン電極 12 SiドープInGaAs層 13 ノンドープGaAs層 14 ノンドープAlGaAsスペーサ層
Claims (5)
- 【請求項1】 第1のバンドギャップを有する材料から
なるバリア層と、 該バリア層上に形成された、第1のバンドギャップより
狭い第2のバンドギャップを有する材料からなるノンド
ープの第1のチャネル層と、 該第1のチャネル層上に形成された、第1のバンドギャ
ップより狭く第2のバンドギャップより広い第3のバン
ドギャップを有する材料からなる、不純物のドープされ
た第1の電子供給層と、 該第1の電子供給層上に形成された、第3のバンドギャ
ップより狭いバンドギャップを有する材料からなるノン
ドープの第2のチャネル層と、 該第2のチャネル層上に形成された、第3のバンドギャ
ップより広いバンドギャップを有する材料からなる、不
純物のドープされた第2の電子供給層と、 該第2の電子供給層上に形成された、該第2の電子供給
層との間にショットキー接合を形成するゲート電極と、 を備えるへテロ接合電界効果トランジスタ。 - 【請求項2】 前記第1、第2のチャネル層が、混晶化
合物半導体から構成され、その膜厚が、その混晶比にお
ける臨界膜厚乃至それに近い膜厚になされていることを
特徴とする請求項1記載のへテロ接合電界効果トランジ
スタ。 - 【請求項3】 前記第1の電子供給層は、30Å以上8
0Å以下の膜厚を有し、そのドーピング不純物濃度は、
熱平衡状態でその層が完全に空乏化される範囲内に選定
されていることを特徴とする請求項1記載のへテロ接合
電界効果トランジスタ。 - 【請求項4】 前記バリア層および前記第2の電子供給
層が、AlGaAsにより構成され、前記第1および第
2のチャネル層が、InGaAsにより構成され、前記
第1の電子供給層が、GaAsにより構成され、ドープ
ト層のドーパントがSiであることを特徴とする請求項
1記載のへテロ接合電界効果トランジスタ。 - 【請求項5】 前記第1のチャネル層のInの混晶比
が、前記第2のチャネル層のそれより大きいことを特徴
とする請求項4記載のへテロ接合電界効果トランジス
タ。
Priority Applications (1)
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JP17109593A JP2500457B2 (ja) | 1993-06-17 | 1993-06-17 | ヘテロ接合電界効果トランジスタ |
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JP17109593A JP2500457B2 (ja) | 1993-06-17 | 1993-06-17 | ヘテロ接合電界効果トランジスタ |
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JP17109593A Expired - Fee Related JP2500457B2 (ja) | 1993-06-17 | 1993-06-17 | ヘテロ接合電界効果トランジスタ |
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-
1993
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