JP3418778B2 - 接着性組成物 - Google Patents

接着性組成物

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    • C09J11/00Features of adhesives not provided for in group C09J9/00, e.g. additives
    • C09J11/02Non-macromolecular additives
    • C09J11/06Non-macromolecular additives organic
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J4/00Adhesives based on organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond ; adhesives, based on monomers of macromolecular compounds of groups C09J183/00 - C09J183/16

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、特に貴金属
および貴金属合金に対して優れた接着性を有する接着性
組成物に関する。本発明の接着性組成物は、金属にレジ
ンを接着する医療、電子材料、精密機械および宝飾等の
多くの分野で利用可能であるが、特に歯科分野において
有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、齲蝕等により損傷を受けた歯牙の
修復には、金属製の補綴物を歯牙に接着する方法が広く
行われている。このような金属製の補綴物と歯牙とを接
着させるための接着剤として、特開昭58−21607
号公報、特開昭61−293951号公報等に開示され
ているリン酸エステルモノマーやカルボン酸モノマーを
配合した歯科用接着剤が用いられている。これら接着剤
を用いた接着に際しては、接着力を向上させる目的で接
着剤を補綴物に塗布するに先立ち各々の被着面の前処理
が行われる。具体的には、歯牙はリン酸に代表される酸
水溶液による処理が行われ、他方、補綴物の被着面は一
般にサンドブラスト処理を行い表面の粗造化が行われて
いた。
【0003】上記方法による接着は、鉄、ニッケル、ク
ロム、コバルト、スズ、アルミニウム、銅、チタン等の
卑金属およびこれらの元素を主成分とする卑金属合金に
対して優れた接着性を示す事が確認されている。しかし
ながら、貴金属合金(金、白金、パラジウム、銀等を主
成分とする合金)に対する接着力は充分なものではなか
った。そこで、貴金属を対象とする場合、その接着性を
向上させる目的で、貴金属合金表面をサンドブラスト処
理した後に更にスズメッキまたは加熱酸化処理等の表面
処理が行われていた。
【0004】しかしながら、かかるスズメッキや加熱酸
化処理操作は煩雑であり、より簡便な方法として、チオ
リン酸基を有する化合物(特開平1−138282)、
チオリン酸ジクロリド基を有する化合物(特開平5−1
17595)、トリアジンジチオン誘導体(特開昭64
−83254)、さらにはメルカプトチアジアゾール誘
導体(特開平8−113763)等の特定の官能基を有
する重合性化合物を含む表面処理剤を、予めサンドブラ
スト処理された貴金属合金面に塗布する方法が提案さ
れ、操作の簡略化が図られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、もっと
簡便に、即ち、表面処理剤による表面処理操作を行うこ
とを必ずしも必要としない貴金属および貴金属合金に対
して充分な接着性を有する接着剤の開発が望まれてい
た。
【0006】従って、本発明の目的は、金属、特に貴金
属および貴金属合金に対して充分な接着性を有する接着
性組成物を見い出すことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討を行った結果、特定構造のラジカル重合可能
なチオウラシル誘導体を含有する接着性組成物が、貴金
属に対する接着性に極めて有効であることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、下記一般式(1)または
(2)で示されるラジカル重合性不飽和結合を有するチ
オウラシル誘導体、ラジカル重合性単量体、重合開始剤
及びフィラーを含有してなる接着性組成物である。
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R、Rはそれぞれ水素原子ま
たはアルキル基であり、RとRの少なくとも一方は
水素原子であり、Rは水素原子、アルキル基またはフ
ェニル基であり、Rは炭素数1〜20の2価の有機残
基であり、Zはラジカル重合性不飽和結合を有する有機
基である。)
【0011】上記一般式(1)および(2)で表される
本発明のラジカル重合性不飽和結合を有するチオウラシ
ル誘導体(以下、重合性チオウラシル誘導体という)に
おいて、R1、R2はそれぞれ水素原子またはアルキル基
を表し、R1とR2の少なくとも一方は水素原子である。
アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基等が例示される。
【0012】また、上記一般式(1)および(2)にお
いて、R3は水素原子、アルキル基またはフェニル基を
表す。該アルキル基としては、上記R1、R2と同様のも
のが例示できる。
【0013】さらに、上記一般式(1)および(2)に
おいて、R4は炭素数1〜20の2価の有機残基であれ
ば何ら制限されない。従って、アルキレン基の様な2価
の鎖状または分枝を有する炭化水素基のみならず、主鎖
中にエーテル結合、エステル結合、シロキサン結合もし
くはフェニレン基を有する有機基も含まれる。
【0014】基R4を具体的に例示すれば、
【0015】
【化3】
【0016】等が挙げられる(いずれの基も左端の炭素
原子が基Zに結合し、右端の炭素原子が酸素原子に結合
する)。
【0017】また、上記一般式(1)および(2)にお
いて、Zはラジカル重合性不飽和結合を有する有機基を
表す。Zはラジカル重合性不飽和結合を有する有機基で
あれば特に制限されず、具体的にはメタクリロイルオキ
シ基、アクリロイルオキシ基、4−ビニルベンジルオキ
シ基、スチリル基、アリルオキシ基およびアリル基等が
例示される。中でも、メタクリロイルオキシ基、アクリ
ロイルオキシ基が重合性及び取り扱い易さ等の点で好適
である。
【0018】一般式(1)または(2)で示される重合
性チオウラシル誘導体の中で代表的なものを、下記一般
式(3)または(4)で示す。
【0019】
【化4】
【0020】{式中、R5、R6はそれぞれ水素原子また
はアルキル基であり、R5とR6の少なくとも一方は水素
原子であり、R7は水素原子、アルキル基またはフェニ
ル基であり、R8は炭素数2〜12の2価の飽和炭化水
素基、−CH2−C64−CH2−基、もしくは−(CH
2O−Si(CH32OSi(CH32−(CH2P
基(o、p=1〜5)であり(シロキサン結合を有する
基の左端の炭素が基Yに結合し、右端の炭素原子が酸素
原子に結合する)、Yは、−COO−基、−CH2O−
基または−C64−CH2O−基であり(いずれの基も
左端の炭素原子が不飽和炭素に結合し、右端の酸素原子
が基R8に結合する)、R9は水素原子またはメチル基で
ある。} 本発明で用いられる重合性チオウラシル誘導体を具体的
に例示すれば下記のとおりである。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】
【化13】
【0030】前記一般式(3)および(4)で示される
チオウラシル誘導体の製造方法は特に限定されるもので
はなく、如何なる方法を採用してもよい。工業的に好適
な方法の一例を具体的に例示すれば次の通りである。
【0031】まず、一般式(3)で示されるチオウラシ
ル誘導体の製造方法について説明する。即ち下記一般式
(5)
【0032】
【化14】
【0033】(式中、R5、R6はそれぞれ水素原子また
はアルキル基であり、R5とR6の少なくとも一方は水素
原子である。)で示されるチオ尿素誘導体と、下記一般
式(6)
【0034】
【化15】
【0035】(式中、R7は水素原子、アルキル基また
はフェニル基である。)で示されるマロン酸誘導体を縮
合反応させ、下記一般式(7)
【0036】
【化16】
【0037】(式中、R5、R6およびR7は上記一般式
における定義と同義である。)で示されるカルボエトキ
シチオウラシル誘導体を得、その後に加水分解により下
記一般式(8)
【0038】
【化17】
【0039】(式中、R5、R6およびR7は上記一般式
における定義と同義である。)で示されるカルボキシチ
オウラシル誘導体を得た後、これと下記一般式(9)
【0040】
【化18】
【0041】{式中、R8は炭素数2〜12の2価の飽
和炭化水素基、もしくは−CH2−C6H4−CH2−基、
−(CH2O−Si(CH32OSi(CH32−(C
2P−基(o、p=1〜5)であり(シロキサン結合
を有する基の左端の炭素が基Yに結合し、右端の炭素原
子が酸素原子に結合する)、Yは、−COO−基、−C
2O−基または−C64−CH2O−基であり(いずれ
の基も左端の炭素原子が不飽和炭素に結合し、右端の酸
素原子が基R8に結合する)、R9は水素原子またはメチ
ル基である。}で示される重合性不飽和結合を有するア
ルコールを反応させることにより前記一般式(3)で示
される重合性チオウラシル誘導体が得られる。
【0042】上記一般式(5)で示したチオ尿素誘導体
としては公知のものが制限なく用いられる。例えば、チ
オ尿素、メチルチオ尿素、エチルチオ尿素、プロピルチ
オ尿素、ブチルチオ尿素等が好適に用いられる。
【0043】上記一般式(6)で示したマロン酸誘導体
は、マロン酸ジエチルとオルト酸トリエチルの反応によ
り合成される。
【0044】オルト酸トリエチルとしては、オルトギ酸
トリエチル、オルト酢酸トリエチル、オルトプロピオン
酸トリエチル、オルト安息香酸トリエチル等が例示され
る。
【0045】さらに具体的には、一般式(6)で示され
るマロン酸誘導体は、マロン酸ジエチル1モルとナトリ
ウムエトキシド2〜3モルを溶媒存在下で仕込み、オル
ト酸トリエチル1モルを徐々に滴下して反応させること
により得られる。
【0046】上記一般式(9)で示した重合性不飽和結
合を有するアルコールとしては、Yが−COO−基の場
合、(メタ)アクリル酸とグリコールとのエステル化反
応、(メタ)アクリル酸クロライドとグリコールのエス
テル化反応等により得られるが使用できる。Yが−CH
2O−基の場合にはアリルクロライドとグリコールとの
反応等により得られるものが使用できる。また、Yが−
64−CH2O−基の場合には4−ビニルベンジルク
ロライドとグリコールとの反応等により得られるものが
使用できる。
【0047】上記グリコールとしてはエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ペンタメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコ
ール、デカメチレングリコール、ドデカメチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオ
ール、1,2−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオ
ール、パラ−キシレングリコール、1,3−ビス(ヒド
ロキシプロピル)テトラメチルジシロキサン等が例示さ
れる。
【0048】具体的には、一般式(9)においてYが−
COO−基の場合、対応するアルコール(9)は、(メ
タ)アクリル酸1モルに対し、グリコール1モル〜4モ
ルと酸触媒0.01〜0.1モルを仕込み、反応させる
ことにより得られる。酸触媒としてはp−トルエンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸等が好ましく用いられる。
【0049】あるいは、グリコール1〜4モルと脱ハロ
ゲン化水素剤として第三アミン1モルまたはモレキュラ
ーシーブ3Aを溶媒存在下で仕込み、(メタ)アクリル
酸クロライド1モルを徐々に滴下してエステル化反応す
ることでも得られる。第三アミンとしてはピリジン、ト
リエチルアミン等が好ましく用いられる。
【0050】また、一般式(9)においてYが−CH2
O−基の場合、対応するアルコール(9)は、グリコー
ル1モル〜4モルと塩基性触媒1〜1.2モルを溶媒存
在下で仕込み、アリルクロライド1モルを徐々に滴下し
て反応させることにより得られる。塩基性触媒としては
水素化ナトリウム等が好ましく用いられる。
【0051】さらに、一般式(9)においてYが−C6
4−CH2O−基の場合、対応するアルコール(9)
は、グリコール1モル〜2モルと塩基性触媒1〜1.2
モルを溶媒存在下で仕込み、4−ビニルベンジルクロラ
イド1モルを徐々に滴下して反応させることにより得ら
れる。塩基性触媒としては水素化ナトリウム等が好まし
く用いられる。
【0052】上記反応生成物としては、通常、目的のモ
ノ置換体(9)とジ置換体が得られる。蒸留またはカラ
ムクロマトグラフィーによりモノ置換体(9)を分離精
製することができる。
【0053】前記一般式(5)のチオ尿素誘導体と一般
式(6)のマロン酸誘導体との縮合反応において、一般
式(5)のチオ尿素誘導体に対する一般式(6)のマロ
ン酸誘導体の反応モル比は0.5〜1.5モルが好まし
い。
【0054】この時用いられる反応触媒としては公知の
ものが使用可能であり、ナトリウムエトキシド等が例示
され、その添加量は一般式(5)のチオ尿素誘導体に対
して0.5〜1.5倍モルが好ましい。
【0055】またこの反応に用いる溶媒としてはエタノ
ール等が挙げられる。反応の温度は40〜80℃の範囲
から選択することができ、好ましくは60〜80℃の範
囲である。反応時間は特に限定されることはなく一般的
には1〜10時間程度の範囲から選択できるが、反応温
度との関連で決定されればよい。
【0056】反応後は析出した塩を水に溶解させ、酸を
加えて溶液を酸性にすることにより、一般式(7)で示
されるカルボエトキシチオウラシル誘導体が得られる。
【0057】ただし、一般式(5)のチオ尿素におい
て、R5、R6のいずれかがアルキル基の場合、一般式
(7)のカルボエトキシチオウラシル誘導体はアルキル
基のN原子上の置換位置による異性体の混合物として得
られる。これらはカラムクロマトグラフィーにより分離
精製することができる。
【0058】前記一般式(5)のチオ尿素誘導体と一般
式(6)のマロン酸誘導体との反応で得られる一般式
(7)のカルボエトキシチオウラシル誘導体の加水分解
において、用いられる反応試剤としては公知のものが使
用できるが、カリウムターシャルブトキシドのジメチル
スルホキシド溶液を用いるのが好ましい。
【0059】また、該反応試剤の添加量は上記カルボエ
トキシチオウラシル誘導体に対して6〜20倍モルの範
囲が好適であるが、12〜16倍の範囲がより好まし
い。反応の温度は室温〜80℃の範囲から選択すること
ができるが、好ましくは室温〜40℃の範囲である。反
応時間は特に限定されることはなく一般的には1〜24
時間程度の範囲から選択できるが、反応温度との関連で
決定されればよい。
【0060】反応後は、反応混合液に水を添加して、さ
らに酸を加えて溶液を酸性にすることにより、一般式
(8)で示されるカルボキシチオウラシル誘導体が得ら
れる。
【0061】一般式(8)のカルボキシチオウラシル誘
導体と一般式(9)の重合性不飽和結合を有するアルコ
ールとのエステル化反応において、一般式(8)のカル
ボキシチオウラシル誘導体に対する一般式(9)の重合
性不飽和結合を有するアルコールの反応モル比は1〜5
の範囲で反応させることができるが、1〜3の範囲がよ
り好ましい。
【0062】この時用いられるエステル化反応のエステ
ル化触媒としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド等が挙げられる。また、これら反応触媒の添加量は上
記カルボキシチオウラシル誘導体に対して0.1〜1倍
モルの範囲が好ましい。
【0063】またこの反応に用いる溶媒としてはテトラ
ヒドロフラン、アセトン、トルエン等が挙げられる。ま
た、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、ブチルヒドロキシトルエン等の重合禁止剤を少量添
加することも好ましい。
【0064】反応の温度は室温〜80℃の範囲から選択
することができるが、好ましくは室温〜70℃の範囲で
ある。反応時間は特に限定されることはなく一般的には
1〜50時間程度の範囲から選択できるが、反応温度と
の関連で反応物が重合しない範囲で決定されればよい。
【0065】反応後は、析出物を濾過し、溶媒を減圧留
去後、その濃縮物を酢酸エチル等の不活性溶媒を展開溶
媒としてシリカゲルカラムを通過させて分離精製するこ
とにより純度の高い生成物が得られる。
【0066】次に、一般式(4)で示される重合性チオ
ウラシル誘導体の製造方法について説明する。
【0067】即ち下記一般式(5)
【0068】
【化19】
【0069】(式中、R5、R6は前記に同じ。)で示さ
れるチオ尿素誘導体と、下記一般式(10)
【0070】
【化20】
【0071】(式中、R7は水素原子、アルキル基また
はフェニル基である。)で示されるコハク酸誘導体を縮
合反応させ、下記一般式(11)
【0072】
【化21】
【0073】(式中、R5、R6およびR7は上記一般式
における定義と同義である。)で示されるカルボエトキ
シチオウラシル誘導体を得、その後に加水分解により下
記一般式(12)
【0074】
【化22】
【0075】(式中、R5、R6およびR7は上記一般式
における定義と同義である。)で示されるカルボキシチ
オウラシル誘導体を得た後、これと下記一般式(9)
【0076】
【化23】
【0077】{式中、R8は炭素数2〜12の2価の飽
和炭化水素基、−CH2−C64−CH2−基、もしくは
−(CH2O−Si(CH32OSi(CH32−(C
2P−基(o、p=1〜5)であり(シロキサン結合
を有する基の左端の炭素が基Yに結合し、右端の炭素原
子が酸素原子に結合する)、Yは、−COO−基、−C
2O−基または−C64−CH2O−基であり(いずれ
の基も左端の炭素原子が不飽和炭素に結合し、右端の酸
素原子が基R8に結合する)、R9は水素原子またはメチ
ル基である。}で示される重合性不飽和結合を有するア
ルコールを反応させることにより前記一般式(4)の重
合性チオウラシル誘導体が得られる。
【0078】上記一般式(5)で示したチオ尿素誘導体
としては前記一般式(3)の製造の場合と同様に公知の
ものが制限なく用いられる。
【0079】上記一般式(10)で示したコハク酸誘導
体は公知のものが制限なく用いられる。例えば、2−オ
キソコハク酸ジエチル、2−メチル−2’−オキソコハ
ク酸ジエチル、2−エチル−2’−オキソコハク酸ジエ
チル、2−ブチル−2’−オキソコハク酸ジエチル等が
好適に用いられる。
【0080】上記一般式(9)で示した重合性不飽和結
合を有するアルコールとしては、前記一般式(3)の製
造の場合と同様のものが用いられる。
【0081】前記一般式(5)のチオ尿素誘導体と一般
式(10)のコハク酸誘導体との縮合反応において、一
般式(5)のチオ尿素誘導体に対する一般式(10)の
コハク酸誘導体の反応モル比は0.5〜1.5モルが好
ましい。
【0082】この時用いられる反応触媒としては公知の
ものが使用可能であり、ナトリウムエトキシド等が例示
され、その添加量は一般式(5)のチオ尿素誘導体に対
して0.5〜1.0倍モルが好ましい。
【0083】またこの反応に用いる溶媒としてはエタノ
ール等が挙げられる。反応の温度は40〜80℃の範囲
から選択することができ、好ましくは60〜80℃の範
囲である。反応時間は特に限定されることはなく一般的
には1〜10時間程度の範囲から選択できるが、反応温
度との関連で決定されればよい。
【0084】反応後は析出した塩を水に溶解させ、酸を
加えて溶液を酸性にすることにより、一般式(11)で
示されるカルボエトキシチオウラシル誘導体が得られ
る。
【0085】ただし、一般式(5)のチオ尿素におい
て、R5、R6のいずれかがアルキル基の場合、一般式
(11)のカルボエトキシチオウラシル誘導体はアルキ
ル基のN原子上の置換位置による異性体の混合物として
得られる。これらはカラムクロマトグラフィーにより分
離精製することができる。
【0086】前記一般式(5)のチオ尿素誘導体と一般
式(10)のコハク酸誘導体との反応で得られる一般式
(11)のカルボエトキシチオウラシル誘導体の加水分
解は、前記一般式(7)で示されるカルボエトキシチオ
ウラシル誘導体の場合と同様に行うことができる。
【0087】一般式(12)で示されるカルボキシチオ
ウラシル誘導体と一般式(9)の重合性不飽和結合を有
するアルコールとの反応は前記一般式(8)のカルボキ
シチオウラシル誘導体と前記一般式(9)の重合性不飽
和結合を有するアルコールとの反応と同様に行うことが
できる。
【0088】本発明の接着性組成物において、かかる重
合性チオウラシル誘導体の配合量は特に制限されるもの
ではないが、接着強度の観点から、ラジカル重合性単量
体100重量部に対し、好ましくは0.005〜30重
量部の範囲内であり、より好ましくは0.01〜10重
量部であり、特に好ましくは0.05〜5重量部であ
る。該重合性チオウラシル誘導体の配合量が多すぎても
少なすぎても貴金属および貴金属合金に対する接着強さ
が小さくなる傾向がある。
【0089】本発明の接着性組成物には、ラジカル重合
性単量体が配合される。該ラジカル重合性単量体は特に
限定されず、公知の単官能または多官能ラジカル重合性
単量体、もしくは酸性基を含有するラジカル重合性単量
体(以下、酸性基含有重合性単量体という)を用いるこ
とができる。
【0090】上記ラジカル重合性単量体において、ラジ
カル重合可能な不飽和結合を有する基としては、メタク
リロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリル
アミド基、アクリルアミド基、スチリル基、アリル基等
が挙げられる。中でも、メタクリロイルオキシ基または
アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレート系
重合性単量体が重合性、接着性及び取り扱い易さの点で
好適である。
【0091】一般に好適に使用される単官能ラジカル重
合性単量体を具体的に例示すると、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル
(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリ
デシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グ
リシジル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレング
リコール(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アク
リレート系単量体:N−メチロール(メタ)アクリルア
ミド等の単官能(メタ)アクリルアミド系単量体:スチ
レン、α−メチルスチレン等の単官能スチレン系単量体
が挙げられる。
【0092】一般に好適に使用される多官能ラジカル重
合性単量体を具体的に例示すると、2,2−ビス(4−
(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプ
ロポキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−
(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリ
ロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アク
リロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロ
ポキシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリ
ロイルオキシエトキシフェニル)−2−(4−(メタ)
アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2
−(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニ
ル)−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエト
キシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロ
イルオキシジプロポキシフェニル)−2−(4−(メ
タ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシイ
ソプロポキシフェニル)プロパン、1−(メタ)アクリ
ロイルオキシメチル−2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル ハイドロジェンマレート等の芳香族二官能(メ
タ)アクリレート系単量体:エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブ
タンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタン
ジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)
アクリレート、ジ−2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバ
メート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミ
ド等の脂肪族二官能(メタ)アクリレート系単量体:
N,N’−メチレン(ビス)アクリルアミド等の二官能
(メタ)アクリル酸アミド系単量体:ジビニルベンゼ
ン、α−メチルスチレンダイマー等の二官能スチレン系
単量体:ジアリルフタレート、ジアリルフタレート、ジ
アリルカーボネートなどの二官能アリル系単量体:トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールエタントリ(メタ)アクリレート等の三官能
(メタ)アクリレート系単量体:ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート等の四官能(メタ)アクリ
レート系単量体等が挙げられる。
【0093】酸性基含有重合性単量体としては、1分子
中に少なくとも1つの酸性基と少なくとも1つの重合性
不飽和基を持つ重合性単量体であれば特に限定されず、
公知の化合物を用いることができる。
【0094】酸性基としてはリン酸基、カルボン酸基、
無水カルボン酸基、スルホン酸基等が好ましく、代表的
なリン酸基、カルボン酸基、無水カルボン酸基、及びス
ルホン酸基を有する重合性単量体を下記一般式(13)
で示す。
【0095】
【化24】
【0096】{式中、R10は水素原子またはメチル基、
Wはオキシカルボニル基(−COO−)、アミド基(−
CONH−)、またはフェニレン基(−C64−)を表
し、R11は結合手、またはエーテル結合および/または
エステル結合を有していてもよい2〜6価の炭素数1〜
30の有機残基、Xはリン酸基、カルボン酸基、無水カ
ルボン酸基、又はスルホン酸基を含有する基を表し、l
は1〜4の整数を、mおよびnは1又は2の整数を表
す。但し、Wがオキシカルボニル基またはアミド基の場
合にはR11は結合手とはならない。} 上記一般式(13)中、Xはリン酸基、カルボン酸基、
無水カルボン酸基、スルホン酸基を含有する基であり、
その構造は特に限定されることはないが、好ましい具体
例は次の通りである。
【0097】
【化25】
【0098】上記一般式(13)中、R11の構造は特に
制限されることはなく、結合手、または公知のエーテル
結合および/またはエステル結合を有してもよい2〜6
価の炭素数1〜30の有機残基が採用され得るが、該有
機残基を具体的に例示すると次の通りである。尚、R11
が結合手の場合とは基Wと基Xが直接結合した状態をい
い、Wがオキシカルボニル基またはアミド基の場合には
11は結合手とはならず、上記有機残基となる。
【0099】
【化26】
【0100】一般式(13)で表される酸性基含有重合
性単量体の好ましい具体例を挙げると次の通りである。
【0101】
【化27】
【0102】
【化28】
【0103】
【化29】
【0104】
【化30】
【0105】(但し、R10は水素原子またはメチル基で
ある。) その他、ビニル基に直接リン酸基が結合したビニルホス
ホン酸類や、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホ
ン酸等も酸性基含有重合性単量体の好ましい具体例とし
て挙げられる。
【0106】上述のラジカル重合性単量体は単独で又は
二種以上を混合して用いることができる。特に貴金属へ
の接着と同時に、歯質等の生体の硬組織や卑金属への接
着性が要求される歯科用レジンセメントとして本発明の
接着性組成物を使用する場合は、ラジカル重合性単量体
の一部に酸性基含有重合性単量体を配合するのが好適で
ある。この場合、酸性基含有重合性単量体は全ラジカル
重合性単量体に対して10重量部〜50重量部の配合が
好ましく、特に15重量部〜40重量部の配合がより好
ましい。
【0107】本発明の接着性組成物には、さらに重合開
始剤が配合される。この重合開始剤は、ラジカル機構に
より上述のラジカル重合性単量体を重合しうる公知のラ
ジカル重合開始剤が制限なく使用される。
【0108】代表的な重合開始剤としては、有機過酸化
物とアミン類、有機過酸化物類及びアミン類とスルフィ
ン酸塩類、酸性化合物とアリールボレート類、バルビツ
ール酸、アルキルボラン等の化学重合開始剤、アリール
ボレート類と光酸発生剤類、α−ジケトン類と第三級ア
ミン類、チオキサントン類と第三級アミン類及びα−ア
ミノアセトフェノン類等の光重合開始剤が挙げられる。
【0109】上記有機過酸化物類を具体的に例示する
と、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペル
オキシド、過酸化ジt−ブチル、過酸化ジクミル、過酸
化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル等が
挙げられ、これらを単独で又は2種以上を配合して使用
することができる。
【0110】アミン類としては、アミノ基がアリール基
に結合した第二級又は第三級アミン類が好ましく、具体
的に例示すると、N−メチルアニリン、N−メチル−p
−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジ
エチルアニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリン、
N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−
トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,
N−ジメチル−m−トルイジン、p−ブロモ−N,N−
ジメチルアニリン、m−クロロ−N,N−ジメチルアニ
リン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメ
チルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香
酸、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−
ジメチルアミノ安息香酸アミルエステル、N,N−ジメ
チルアンスラニリックアシッドメチルエステル、N,N
−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジヒドロキシ
エチル−p−トルイジン、p−ジメチルアミノフェネチ
ルアルコール、p−ジメチルアミノスチルベン、N,N
−ジメチル−3,5−キシリジン、4−ジメチルアミノ
ピリジン、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン、
N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン、トリブチルア
ミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、N−メ
チルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミ
ン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチ
ルドデシルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミ
ン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2,
2’−(n−ブチルイミノ)ジエタノール等が挙げら
れ、これらも単独又は2種以上を配合して使用すること
ができる。
【0111】スルフィン酸塩類としては、ベンゼンスル
フィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、
p−トルエンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンス
ルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸カリウ
ム、m−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p−
フルオロベンゼンスルフィン酸ナトリウム等が挙げられ
る。
【0112】アリールボレート類としてはテトラフェニ
ルホウ素、テトラ(p−フルオロフェニル)ホウ素、テ
トラ(p−クロロフェニル)ホウ素、トリアルキル(p
−フルオロフェニル)ホウ素、トリアルキル(3、5−
ビストリフルオロメチル)フェニルホウ素、ジアルキル
ジフェニルホウ素、ジアルキルジ(p−クロロフェニ
ル)ホウ素、ジアルキルジ(p−フルオロフェニル)ホ
ウ素、ジアルキルジ(3、5−ビストリフルオロメチ
ル)フェニルホウ素、モノアルキルトリフェニルホウ
素、モノアルキルトリ(p−クロロフェニル)ホウ素、
モノアルキルトリ(p−フルオロフェニル)ホウ素、モ
ノアルキルトリ(3、5−ビストリフルオロメチル)フ
ェニルホウ素(アルキル基はn−ブチル基、n−オクチ
ル基、n−ドデシル基等)のナトリウム塩、リチウム
塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモ
ニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩等が挙げられ
る。
【0113】バルビツール酸としては5−ブチルバルビ
ツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸
等を挙げることができる。
【0114】アルキルボランとしてはトリブチルボラ
ン、トリブチルボラン部分酸化物等が好適に使用され
る。
【0115】光酸発生剤としては、2,4,6−トリス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−
トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メ
チル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)
−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ
フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−
トリアジン、2−(p−メチルチオフェニル)−4,6
−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−
(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメ
チル)−s−トリアジン、2−(2,4−ジクロロフェ
ニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(p−ブロモフェニル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ト
リル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロ
ピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6
−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ス
チリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(o−メ
トキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−
4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,
4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基置換
−s−トリアジン誘導体類や、ジフェニルヨードニウ
ム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム、ジトリ
ルヨードニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニ
ル)ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨード
ニウム、p−tert−ブチルフェニルフェニルヨード
ニウム、メトキシフェニルフェニルヨードニウム、p−
オクチルオキシフェニルフェニルヨードニウム等のクロ
リド、ブロミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフル
オロフォスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘ
キサフルオロアンチモネート、トリフルオロメタンスル
ホネート等のジフェニルヨードニウム塩化合物類が例示
される。
【0116】また、上記光酸発生剤を増感分解させるこ
とができるクマリン系色素類の添加も好ましく、好適に
使用されるクマリン系色素類を具体的に例示すると、3
−チエノイルクマリン、3−(4−メトキシベンゾイ
ル)クマリン、3−ベンゾイルクマリン、3−(4−シ
アノベンゾイル)クマリン、3−チエノイル−7−メト
キシクマリン、7−メトキシ−3−(4−メトキシベン
ゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマ
リン、3−(4−シアノベンゾイル)−7−メトキシク
マリン、5,7−ジメトキシ−3−(4−メトシキベン
ゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキ
シクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−5,7−
ジメトキシクマリン、3−アセチル−7−ジメチルアミ
ノクマリン、7−ジエチルアミノ−3−チエノイルクマ
リン、7−ジエチルアミノ−3−(4−メトキシベンゾ
イル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノ
クマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−シアノベン
ゾイル)クマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジ
メチルアミノベンゾイル)クマリン、3−シンナモイル
−7−ジエチルアミノクマリン、3−(p−ジエチルア
ミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3
−アセチル−7−ジエチルアミノクマリン、3−カルボ
キシ−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−カルボ
キシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,
3’−カルボニルビスクマリン、3,3’−カルボニル
ビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、2,3,6,7
−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−10
−(ベンゾチアゾイル)−11−オキソ−1H,5H,
11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノ
リジン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジメトキ
シ)−3,3’−ビスクマリン、3−(2’−ベンズイ
ミダゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−
(2’−ベンズオキサゾイル)−7−ジエチルアミノク
マリン、3−(5’−フェニルチアジアゾイル−2’)
−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2’−ベンズチ
アゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’カ
ルボニルビス(4−シアノ−7−ジエチルアミノ)クマ
リン等を挙げることができる。
【0117】α−ジケトン類としては、カンファーキノ
ン、ベンジル、α−ナフチル、アセトナフテン、ナフト
キノン、p,p’−ジメトキシベンジル、p,p’−ジ
クロロベンジルアセチル、1,2−フェナントレンキノ
ン、1,4−フェナントレンキノン、3,4−フェナン
トレンキノン、9,10−フェナントレンキノン等が好
適に使用できる。
【0118】チオキサントン類として2−クロロチオキ
サントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げら
れる。
【0119】α−アミノアセトフェノン類として2−ベ
ンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェ
ニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−ジエチルアミノ
−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、
2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリ
ノフェニル)−プロパノン−1、2−ベンジル−ジエチ
ルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−プロパ
ノン−1、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−
モルフォリノフェニル)−ペンタノン−1、2−ベンジ
ル−ジエチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニ
ル)−ペンタノン−1等が挙げられる。
【0120】これら重合開始剤は単独で、あるいはその
複数を組み合わせて用いることが可能である。重合開始
剤の配合量は、特に制限されるものではないが、ラジカ
ル重合性単量体100重量部に対し、0.01〜10重
量部が好ましく、0.1〜5重量部の配合がより好まし
い。
【0121】本発明の接着性組成物には、さらにフィラ
ーを配合することが本発明の接着性組成物の硬化体の機
械的強度、耐水性を向上させるという観点から必要であ
。また、フィラーを配合することにより、接着性組成
物の粘度や流動性を調節することができる。このフィラ
ーとしては、公知の有機フィラー、無機フィラーを限定
なく使用することができる。
【0122】有機フィラ−を具体的に例示すると、ポリ
メチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、メ
チルメタクリレート−エチルメタクリレート共重合体、
エチルメタクリレート−ブチルメタクリレート共重合
体、メチルメタクリレート−トリメチロールプロパント
リメタクリレート共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、塩素化ポリエチレン、ナイロン、ポリサルホン、
ポリエーテルサルホン、ポリカーボネート等が挙げられ
る。
【0123】無機フィラーを具体的に例示すると、石
英、無定形シリカ、シリカジルコニア、フルオロアルミ
ノシリケート、クレー、酸化アルミニウム、タルク、雲
母、カオリン、ガラス、硫酸バリウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化
チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭酸カルシウム、ヒ
ドロキシアパタイト、リン酸カルシウム等が挙げられ
る。
【0124】さらに、これら無機フィラーは、シランカ
ップリング剤に代表される表面処理剤で処理すること
が、重合性単量体とのなじみをよくし、機械的強度や耐
水性を向上させる上で望ましい。表面処理の方法は公知
の方法で行えばよく、シランカップリング剤としては、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラ
ン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(β−
メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジ
シラザン等が好適に用いられる。
【0125】また、上記種々の無機フィラーを分散、含
有したラジカル重合性単量体混合物を重合硬化させて得
られる無機酸化物とポリマーの複合体を粉砕して得られ
る無機有機複合フィラーも好適に使用される。
【0126】これらフィラーの形状は特に限定されず、
通常の粉砕により得られる様な粉砕形フィラー、あるい
は球状フィラーでもよい。フィラーの粒子径は、特に限
定されるものではないが、操作性の点で100μm以下
のものが好適に使用される。
【0127】また、フィラーの配合量は、所望される粘
度や機械的強度等に応じて適宜決定される。特に、接着
性組成物の硬化体の機械的強度が必要な場合には、ラジ
カル重合性単量体100重量部に対し、該フィラーを1
00〜1200重量部添加するのが好ましく、さらには
300〜1000重量部添加するのがより好ましい。
【0128】本発明の接着性組成物において、その性能
を低下させない範囲で、必要に応じてハイドキノン、ハ
イドロキノンモノメチルエーテル、ブチルヒドロキシト
ルエン等の重合禁止剤や紫外線吸収剤、顔料、有機溶
媒、増粘剤等を添加することも可能である。有機溶媒と
しては、エタノール、2−プロパノール、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール等のアルコール類、また
はアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサ
ン、トルエン、ジクロロメタン、酢酸エチル等が挙げら
れる。これら有機溶媒は必要に応じ複数を混合して用い
ることも可能である。
【0129】本発明の接着性組成物において、全成分が
必ずしも同一包装中に存在する必要はなく、例えば、前
記重合性チオウラシル誘導体、ラジカル重合性単量体、
重合開始剤及びフィラーを組成とする場合、包装形態は
保存安定性を損なわない事を条件に適宜決定することが
できる。例えば、重合性チオウラシル誘導体、ラジカル
重合性単量体、重合開始剤及びフィラーからなるペース
トと、ラジカル重合性単量体、重合開始剤及びフィラー
からなるペーストを別個に包装し、使用時に混合するこ
とも可能である。さらには、重合性チオウラシル誘導
体、ラジカル重合性単量体を主成分とする液と、重合開
始剤及びフィラーを主成分とする粉を別個に包装し、使
用時に混合することが可能である。
【0130】
【発明の効果】本発明の接着性組成物は、重合性チオウ
ラシル誘導体を含有するため、金属、特に貴金属や貴金
属合金との接着性に優れる。また、フィラーを含有する
接着組成物は、該組成物を重合させた硬化体が機械的強
度に優れる。
【0131】従って、本発明の組成物は歯科用接着材料
として好適であり、特に金属の補綴物と歯質との接着に
極めて有効である。
【0132】
【実施例】次に、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるもので
はない。
【0133】製造例1 窒素雰囲気下、1、6−ヘキサンジオール(47.3
g、0.40mol)とモレキュラシーブ3A粉末(4
0g)およびアセトニトリル(470ml)の入った1
リットルの3つ口フラスコに、メタクリル酸クロリド
(20.9g、0.2mol)のアセトニトリル溶液
(30ml)を滴下ロートを用いて室温でゆっくり滴下
した。滴下終了後、5時間加熱還流させた。その後室温
まで放冷し、反応混合物からモレキュラシーブ3A粉末
を濾過し、ろ液からアセトニトリルを減圧留去した。残
査に塩化メチレン300mlを加え、その塩化メチレン
溶液を水洗した。塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、溶媒を減圧留去した。この残査からシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで無色透明液体6−ヒドロ
キシヘキシルメタクリレート(33.3g)を分離精製
した。
【0134】6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート
(5.59g、30mmol)、N,N’−ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(2.27g、11mmol)、
5−カルボキシ−2−チオウラシル(1.72g、10
mmol)およびテトラヒドロフラン(50ml)を2
00ml三つ口フラスコに入れて溶解し、室温で3日間
攪拌を続けた。反応するに従い白色沈澱物が生成する
が、反応終了後、該白色沈澱物を濾過した。得られたろ
液からテトラヒドロフランを減圧留去し、残査をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに添加した。酢酸エチ
ル、ヘキサンの混合溶媒を展開溶媒として用いることに
より、下記式で表される6−メタクリロイルオキシヘキ
シル 2−チオウラシル−5−カルボキシレート[A]
(1.13g、3.3mmol)を得た。NMR(d6
DMSO)、MASSおよび元素分析の結果を以下に示
す。
【0135】
【化31】
【0136】 NMR(δ、ppm);1.3〜1.7(8H、−COO−CH (CH
CH−OCO−) 1.87(3H、-CH3 ) 4.09、4.13(4H、-COO-CH2 (CH2) 4CH2 -OCO- ) 5.65,6.01(2H、CH2 =C-) 7.94(1H、-N-CH=C-) 12.7(2H、-NH-) MASS(M+1)+=341 元素分析;C152025S C H N 計算値 52.93 5.92 8.23 実測値 52.96 5.92 8.25 製造例2 窒素雰囲気下、1、10−デカンジオール(34.9
g、0.20mol)とモレキュラシーブ3A粉末(2
0g)およびテトラヒドロフラン(350ml)の入っ
た1リットルの3つ口フラスコに、メタクリル酸クロリ
ド(10.5g、0.1mol)のテトラヒドロフラン
溶液(30ml)を滴下ロートを用いて室温でゆっくり
滴下した。滴下終了後、5時間加熱還流させた。その後
室温まで放冷し、反応混合物からモレキュラシーブ3A
粉末を濾過し、ろ液からテトラヒドロフランを減圧留去
した。残査に塩化メチレン300mlを加え、その塩化
メチレン溶液を水洗した。塩化メチレン層を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。この残査から
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで無色透明液体1
0−ヒドロキシデシルメタクリレート(14.5g)を
分離精製した。
【0137】10−ヒドロキシデシルメタクリレート
(7.27g、30mmol)、N,N’−ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(2.27g、11mmol)、
5−カルボキシ−2−チオウラシル(1.72g、10
mmol)およびテトラヒドロフラン(50ml)を2
00ml三つ口フラスコに入れて溶解し、室温で3日間
攪拌を続けた。反応するに従い白色沈澱物が生成する
が、反応終了後、該白色沈澱物を濾過した。その後、製
造例1と同様の分離精製処理を行うことによって、下記
式で表される10−メタクリロイルオキシデシル 2−
チオウラシル−5−カルボキシレート[B](1.15
g、2.9mmol)を得た。NMR(d6DMS
O)、MASSおよび元素分析の結果を以下に示す。
【0138】
【化32】
【0139】 NMR(δ、ppm);1.3〜1.8(16H、-COO-CH 2(CH2)8 CH2-OCO-) 1.87(3H、-CH3 )、 4.08、4.13(4H、-COO-CH2 (CH2) 8CH2 -OCO- ) 5.65,6.01(2H、CH2 =C-)、 7.93(1H、-N-CH=C-)、 12.8(2H、-NH-) MASS(M+1)+=397 元素分析;C192825S C H N 計算値 57.56 7.12 7.07 実測値 57.51 7.14 7.08 製造例3 窒素雰囲気下、1、6−ヘキサンジオール(47.3
g、0.40mol)とモレキュラシーブ3A粉末(4
0g)のアセトニトリル溶液(470ml)の入った1
リットルの3つ口フラスコに、アクリル酸クロリド(1
8.1g、0.2mol)のアセトニトリル溶液(30
ml)を滴下ロートを用いて室温でゆっくり滴下した。
滴下終了後、5時間加熱還流させた。反応後、製造例2
と同様の処理を行い、その後無色透明液体6−ヒドロキ
シヘキシルアクリレート(28.9g)を分離精製し
た。
【0140】6−ヒドロキシヘキシルアクリレート
(5.17g、30.0mmol)、N,N’−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド(2.27g、11mmo
l)、5−カルボキシ−2−チオウラシル(1.72
g、10mmol)およびテトラヒドロフラン(50m
l)を200ml三つ口フラスコに入れて溶解し、室温
で3日間攪拌を続けた。反応するに従い白色沈澱物が生
成するが、反応終了後、該白色沈澱物を濾過した。その
後、製造例1と同様の分離精製処理を行うことによっ
て、下記式で表される6−アクリロイルオキシヘキシル
2−チオウラシル−5−カルボキシレート[C]
(1.01g、3.1mmol)を得た。NMR(d6
DMSO)、MASSおよび元素分析の結果を以下に示
す。
【0141】
【化33】
【0142】 NMR(δ、ppm);1.3〜1.7(8H、-COO-CH 2(CH2)4 CH2-OCO-) 4.09、4.13(4H、-COO-CH2 (CH2) 4CH2 -OCO- ) 5.82、6.12、6.45(3H、CH2 =CH-)、 7.93(1H、-N-CH=C-)、 12.7(2H、-NH-) MASS(M+1)+=327 元素分析;C141825S C H N 計算値 51.52 5.56 8.58 実測値 51.56 5.57 8.57 製造例4 窒素雰囲気下、60%水素化ナトリウム(1.92g、
48mmol)のテトラヒドロフラン溶液(20ml)
の入った300mlの3つ口フラスコに、1、6−ヘキ
サンジオール(4.72g、40mmol)のテトラヒ
ドロフラン溶液(30ml)を滴下ロートを用いて室温
でゆっくり滴下した。引き続き、クロロメチルスチレン
(6.1g、40mmol)のテトラヒドロフラン溶液
(30ml)をゆっくり滴下した。滴下終了後、4時間
加熱還流させた。その後室温まで放冷し、反応混合物に
希塩酸を加えて反応を停止した。水層をエーテルで抽出
し、合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、
飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで1−ヒドロキシ−6−(p−ビニルベンジルオ
キシ)ヘキサン(7.97gを分離精製した。
【0143】1−ヒドロキシ−6−(p−ビニルベンジ
ルオキシ)ヘキサン(7.03g、30mmol)、
N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.27
g、11mmol)、5−カルボキシ−2−チオウラシ
ル(1.72g、10mmol)およびテトラヒドロフ
ラン(50ml)を200ml三つ口フラスコに入れて
溶解し、室温で3日間攪拌を続けた。反応するに従い白
色沈澱物が生成するが、反応終了後、該白色沈澱物を濾
過した。その後、製造例1と同様の分離精製処理を行う
ことによって、下記式で表される6−(p−ビニルベン
ジルオキシ)ヘキシル 2−チオウラシル−5−カルボ
キシレート[D](1.17g、3.0mmol)を得
た。NMR(d6DMSO)、MASSおよび元素分析
の結果を以下に示す。
【0144】
【化34】
【0145】 NMR(δ、ppm);1.3〜1.7(8H、-COO-CH 2(CH2)4 CH2-OCH2-) 3.49、4.1(4H、-COO-CH2 (CH2) 4CH2 -OCH2- ) 4.53(2H、-OCH2 -C6H4) 5.27、5.84、6.71(3H、CH2 =CH-)、 7.3〜7.4(4H、C6H4 ) 7.93(1H、-N-CH=C-)、 12.7(2H、-NH-) MASS(M+1)+=389 元素分析;C202424S C H N 計算値 61.84 6.23 7.21 実測値 61.81 6.27 7.24 製造例5 窒素雰囲気下、2、2−ジメチル−1、3プロパンジオ
ール(20.8g、0.2mol)とモレキュラシーブ
3A粉末(20g)およびテトラヒドロフラン(350
ml)の入った1リットルの3つ口フラスコに、メタク
リル酸クロリド(10.5g、0.1mol)のテトラ
ヒドロフラン溶液(30ml)を滴下ロートを用いて室
温でゆっくり滴下した。滴下終了後、4時間加熱還流さ
せた。反応後、実施例3と同様の処理を行い、3−ヒド
ロキシ−2,2−ジメチルプロピルメタクリレート(1
3.1g)を分離精製した。
【0146】3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピ
ルメタクリレート(5.18g、30mmol)、N,
N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.27g、
11mmol)、5−カルボキシ−2−チオウラシル
(1.72g、10mmol)およびテトラヒドロフラ
ン(50ml)を200ml三つ口フラスコに入れて溶
解し、室温で3日間攪拌を続けた。反応するに従い白色
沈澱物が生成するが、反応終了後、該白色沈澱物を濾過
した。その後、製造例1と同様の分離精製処理を行うこ
とによって、下記式で表される3−メタクリロイルオキ
シ−2,2−ジメチルプロピル 2−チオウラシル−5
−カルボキシレート[E](0.91g、2.8mmo
l)を得た。NMR(d6DMSO)、MASSおよび
元素分析の結果を以下に示す。
【0147】
【化35】
【0148】 NMR(δ、ppm);0.91(6H、-CH2C(CH3)2 CH2-) 1.87(3H、CH2=C-CH3 )、 4.1、4.18(4H、-COO-CH2 C(CH3) 2CH2 -OCO- ) 5.66,6.02(2H、CH2 =C-)、 7.93(1H、-N-CH=C-)、 12.8(2H、-NH-) MASS(M+1)+=327 元素分析;C141825S C H N 計算値 51.52 5.56 8.58 実測値 51.54 5.55 8.57 製造例6 窒素雰囲気下、パラ−キシレングリコール(55.2
g、0.40mol)とモレキュラシーブ3A粉末(4
0g)およびアセトニトリル(470ml)の入った1
リットルの3つ口フラスコに、メタクリル酸クロリド
(20.9g、0.2mol)のアセトニトリル溶液
(30ml)を滴下ロートを用いて室温でゆっくり滴下
した。滴下終了後、5時間加熱還流させた。その後室温
まで放冷し、反応混合物からモレキュラシーブ3A粉末
を濾過し、ろ液からアセトニトリルを減圧留去した。残
査に塩化メチレン300mlを加え、その塩化メチレン
溶液を水洗した。塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、溶媒を減圧留去した。この残査からシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで白色固体(4−ヒドロキ
シメチル)ベンジルメタクリレート(34.8g)を分
離精製した。
【0149】4−ヒドロキシメチルベンジルメタクリレ
ート(6.48g、30mmol)、N,N’−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド(2.27g、11mmo
l)、5−カルボキシ−2−チオウラシル(1.72
g、10mmol)およびテトラヒドロフラン(50m
l)を200ml三つ口フラスコに入れて溶解し、室温
で3日間攪拌を続けた。反応するに従い白色沈澱物が生
成するが、反応終了後、該白色沈澱物を濾過した。その
後、製造例1と同様の分離精製処理を行うことによっ
て、下記式で表される(4−メタクリロイルオキシメチ
ル)ベンジル 2−チオウラシル−5−カルボキシレー
ト[F](0.91g、2.5mmol)を得た。NM
R(d6DMSO)、MASSおよび元素分析の結果を
以下に示す。
【0150】
【化36】
【0151】 NMR(δ、ppm);1.90(3H、-CH3 )、 5.17、5.23(4H、-COO-CH2 -C6H4-CH2 -OCO- ) 5.70,6.07(2H、CH2 =C-)、 7.40(4H、-C6H4 -)、 8.00(1H、-N-CH=C-)、 12.8(2H、-NH-) MASS(M+1)+=361 元素分析;C171625S C H N 計算値 56.66 4.47 7.77 実測値 56.42 4.31 7.82 製造例7 窒素雰囲気下、1,3−ビス(ヒドロキシプロピル)テ
トラメチルジシロキサン(100g、0.40mol)
とモレキュラシーブ3A粉末(40g)およびアセトニ
トリル(470ml)の入った1リットルの3つ口フラ
スコに、メタクリル酸クロリド(20.9g、0.2m
ol)のアセトニトリル溶液(30ml)を滴下ロート
を用いて室温でゆっくり滴下した。滴下終了後、5時間
加熱還流させた。その後室温まで放冷し、反応混合物か
らモレキュラシーブ3A粉末を濾過し、ろ液からアセト
ニトリルを減圧留去した。残査に塩化メチレン300m
lを加え、その塩化メチレン溶液を水洗した。塩化メチ
レン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去
した。この残査からシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで無色透明液体1−(メタクリロイルオキシプロピ
ル)−3−(ヒドロキシプロピル)テトラメチルジシロ
キサン(46.2g)を分離精製した。
【0152】1−(メタクリロイルオキシプロピル)−
3−(ヒドロキシプロピル)テトラメチルジシロキサン
(9.54、30mmol)、N,N’−ジシクロヘキ
シルカルボジイミド(2.27g、11mmol)、5
−カルボキシ−2−チオウラシル(1.72g、10m
mol)およびテトラヒドロフラン(50ml)を20
0ml三つ口フラスコに入れて溶解し、室温で3日間攪
拌を続けた。反応するに従い白色沈澱物が生成するが、
反応終了後、該白色沈澱物を濾過した。その後、製造例
1と同様の分離精製処理を行うことによって、下記式で
表される化合物[G](1.13g、2.4mmol)
を得た。NMR(d6DMSO)、MASSおよび元素
分析の結果を以下に示す。
【0153】
【化37】
【0154】 NMR(δ、ppm);0.06(12H,-Si-CH3)、 0.51(4H、-Si-CH2 -CH2-CH2-OCO-)、 1.69(4H、-Si-CH2-CH2 -CH2-OCO-)、 1.87(3H、-CH3 )、 4.23(4H、-Si-CH2-CH2-CH2 -OCO-)、 5.67,6.03(2H、CH2 =C-)、 7.96(1H、-N-CH=C-)、 12.8(2H、-NH-) MASS(M+1)+=473 元素分析;C193226SSi2 C H N 計算値 48.28 6.82 5.93 実測値 48.35 6.74 5.73 製造例8 窒素雰囲気下、ナトリウムエトキシド(13.6g、
0.2mol)のエタノール溶液(200ml)の入っ
た1リットルの3つ口フラスコにマロン酸ジエチル(1
6.0g、0.1mol)のエタノール溶液(50m
l)を滴下ロートを用いて室温でゆっくり滴下した。滴
下終了後、加熱還流させた。引き続きオルトプロピオン
酸トリエチル(17.6g、0.1mol)のエタノー
ル溶液(100ml)を滴下ロートを用いてゆっくり滴
下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。室温まで
放冷し、エタノールを減圧留去し、残査に200mlの
水を加えてエーテル抽出(3回)した。エーテル層を飽
和食塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し
た。残査を減圧蒸留し、1−エトキシ−1−エチルメチ
レンマロン酸ジエチル(17.2g)を得た。
【0155】窒素雰囲気下、ナトリウムエトキシド
(3.4g、0.05mol)のエタノール溶液(50
ml)の入った500mlの3つ口フラスコに1−エト
キシ−1−エチルメチレンマロン酸ジエチル(12.2
g、0.05mol)のエタノール溶液(50ml)を
滴下ロートを用いて室温でゆっくり滴下した。滴下終了
後、加熱還流させた。引き続き、チオ尿素(3.8g、
0.05mol)のエタノール溶液(50ml)を滴下
ロートを用いて室温でゆっくり滴下した。滴下終了後、
3時間加熱還流させた。室温まで放冷し、反応混合物を
水(200ml)の入ったビーカーに添加した。得られ
た溶液に濃塩酸を加えたところ、淡黄色固体が析出し
た。析出した固体をろ過することにより、エチル 6−
エチル−2−チオウラシル−5−カルボキシレート
(7.3g)を得た。
【0156】カリウム ターシャルブトキシド(43.
7g、389mmol)とジメチルスルホキシド(40
0ml)を2リットルナス型フラスコに入れて溶解し、
この溶液にエチル 6−エチル−2−チオウラシル−5
−カルボキシレート(5.70g、25.0mmol)
をゆっくり滴下し、1時間室温で反応させた。反応終了
後、反応混合液にメタノール(500ml)を添加し、
析出した沈澱物を濾過した。得られた沈澱物を水に溶解
させ、この水溶液に塩酸を加え、淡黄色固体5−カルボ
キシ−6−エチル−2−チオウラシル(3.10g)を
得た。
【0157】6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート
(5.59g、30mmol)、N,N’−ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(2.27g、11mmol)、
5−カルボキシ−6−エチル−2−チオウラシル(2.
00g、10mmol)およびテトラヒドロフラン(5
0ml)を200ml三つ口フラスコに入れて溶解し、
室温で3日間攪拌を続けた。反応するに従い白色沈澱物
が生成するが、反応終了後、該白色沈澱物を濾過した。
その後、製造例1と同様の分離精製処理を行うことによ
って、下記式で表される6−メタクリロイルオキシヘキ
シル 6−エチル−2−チオウラシル−5−カルボキシ
レート[H](1.14g、3.10mmol)を得
た。NMR(d6DMSO)、MASSおよび元素分析
の結果を以下に示す。
【0158】
【化38】
【0159】 NMR(δ、ppm);1.02(3H、-CH 2CH3 ) 1.3〜1.7(8H、-COO-CH 2(CH2)4 CH2-OCO-) 1.87(3H、C=C-CH3 ) 2.05(2H、-CH2 CH3) 4.09、4.13(4H、-COO-CH2 (CH2) 4CH2 -OCO- ) 5.65,6.01(2H、CH2 =C-) 12.5(2H、-NH-) MASS(M+1)+=369 元素分析;C172425S C H N 計算値 55.42 6.57 7.60 実測値 55.42 6.59 7.63 製造例9 窒素雰囲気下、ナトリウムエトキシド(13.6g、
0.20mol)のエタノール溶液(200ml)の入
った1リットルの3つ口フラスコに2−メチル−2’−
オキソコハク酸ジエチル(40.4g、0.2mol)
のエタノール溶液(100ml)を滴下ロートを用いて
室温でゆっくり滴下した。滴下終了後、加熱還流させ
た。引き続き、メチルチオ尿素(18.0g、0.2m
ol)のエタノール溶液(100ml)を滴下ロートを
用いてゆっくり滴下した。滴下終了後、3時間加熱還流
させた。室温まで放冷し、反応混合物を水(500m
l)の入ったビーカーに添加した。得られた溶液に濃塩
酸を加えたところ、淡黄色固体が析出した。析出した固
体をろ過し、カラムクロマトグラフィーを用いて分離精
製することにより、エチル 3、5−ジメチル−2−チ
オウラシル−6−カルボキシレート(16.2g)を得
た。
【0160】カリウム ターシャルブトキシド(43.
7g、389mmol)とジメチルスルホキシド(40
0ml)を2リットルナス型フラスコに入れて溶解し、
この溶液にエチル 3、5−ジメチル−2−チオウラシ
ル−6−カルボキシレート(5.70g、25.0mm
ol)をゆっくり滴下し、1時間室温で反応させた。反
応終了後、反応混合液にメタノール(500ml)を添
加し、析出した沈澱物を濾過した。得られた沈澱物を水
に溶解させ、この水溶液に塩酸を加え、淡黄色固体6−
カルボキシ−3、5−ジメチル−2−チオウラシル
(2.88g)を得た。
【0161】6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート
(5.59g、30mmol)、N,N’−ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(2.27g、11mmol)、
6−カルボキシ−3、5−ジメチル−2−チオウラシル
(2.00g、10mmol)およびテトラヒドロフラ
ン(50ml)を200ml三つ口フラスコに入れて溶
解し、室温で3日間攪拌を続けた。反応するに従い白色
沈澱物が生成するが、反応終了後、該白色沈澱物を濾過
した。その後、製造例1と同様の分離精製処理を行うこ
とによって、下記式で表される6−メタクリロイルオキ
シヘキシル3、5−ジメチル−2−チオウラシル−6−
カルボキシレート[I](1.13g、3.07mmo
l)を得た。NMR(d6DMSO)、MASSおよび
元素分析の結果を以下に示す。
【0162】
【化39】
【0163】 NMR(δ、ppm);1.3〜1.7(8H、-COO-CH 2(CH2)4 CH2-OCO-) 1.87(3H、CH2=C-CH3 ) 2.36(3H、C=C-CH3) 3.68(3H、N-CH3) 4.09、4.13(4H、-COO-CH2 (CH2) 4CH2 -OCO- ) 5.65,6.01(2H、CH2 =C-) 12.3(1H、-NH-) MASS(M+1)+=369 元素分析;C172425S C H N 計算値 55.42 6.57 7.60 実測値 55.48 6.54 7.61 次に、実施例中に使用した化合物の略称または構造を下
に示す。
【0164】(1)略称または構造 MAC−10:11−メタクリロイルオキシ−1,1−
ウンデカンジカルボン酸 PM2:ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイ
ドロジェンホスフェート 4−META:4−メタクリロイルオキシエチルトリメ
リテート無水物 AMPS:2−アクリルアミド−2−メチルスルホン酸 3G:トリエチレングリコールジメタクリレート D−2.6E:2,2−ビス(4−(メタクリロイルオ
キシエトキシ)フェニル)プロパン NPG:ネオペンチルグリコールジメタクリレート BPO:過酸化ベンゾイル DMPT:N,N−ジメチル−p−トルイジン DEPT:N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジ
ン PBNa:テトラフェニルホウ素ナトリウム PTSNa:p−トルエンスルフィン酸ナトリウム CQ:カンファーキノン DMBE:4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル DMEM:N,N−ジメチルアミノエチル メタクリレ
ート DMA:p−ジメチルアミノアセトフェノン F1:平均粒径9μmの石英粉末(非球状形の粉砕品)
をγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ンで表面処理したフィラー F2:平均粒径0.2μmの球状のシリカ−ジルコニア
をγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ンで表面処理したフィラー F3:200重量部のF2をbis−GMA60重量部
と3G40重量部の混合溶液に充填してペースト状とし
たものを触媒にアゾビスイソブチロニトリルを用いて加
熱重合し、得られた硬化物を粉砕して得た平均粒径20
μmの無機有機複合フィラー F4:ポリメチルメタクリレートを粉砕して得た平均粒
径50μmの有機フィラー
【0165】
【化40】
【0166】
【化41】
【0167】(2)純金、歯科用貴金属合金に対する接
着強さ 被着体である歯科用金−銀−パラジウム合金「金パラ1
2」(トーワ技研社製10×10×3mm)、純金板
(10×10×3mm)をそれぞれ#1500の耐水研
磨紙で磨いた後にサンドブラスト処理し、その処理面に
接着面積を固定するために4mmφの穴を開けた接着テ
ープを貼り付けた。この面に実施例または比較例の接着
性組成物を直接充填した。次いで、あらかじめサンドブ
ラスト処理を行った8mmφ×18mmの純銀製丸棒
(実施例1〜2)あるいはSUS304製丸棒(実施例
3〜28、比較例1〜3)を接着面に押しつけて接着を
行った。余剰の接着性組成物を除去し、1時間後に接着
試験片を37℃水中に浸漬した。24時間後、島津製作
所製オートグラフ(クロスヘッドスピード10mm/
分)を用いて引張接着強さを測定した。各々6個の試験
片の測定値を平均し、測定結果とした。
【0168】実施例1 0.02gのチオウラシル誘導体A、10gの2,2−
ビス(4−(メタクリロイルオキシエトキシ)フェニ
ル)プロパン(D−2.6E)、0.2gの過酸化ベン
ゾイル、0.2gのカンファーキノンから成る組成物A
と10gの2,2−ビス(4−(メタクリロイルオキシ
エトキシ)フェニル)プロパン(D−2.6E)、0.
2gのN,N−ジメチル−p−トルイジン(DMP
T)、0.2gのN,N−ジメチルアミノエチルメタク
リレート(DMEM)から成る組成物Bをあらかじめ別
個に調製し、使用直前にこれらA、Bの組成物を1:1
の重量比で練和したものを接着性組成物として、純金、
歯科用貴金属合金「金パラ12」に対する接着強度を測
定した。その結果、純金に対し20.5MPa、金パラ
12に対し21.7MPaの高い接着強さを得た。
【0169】実施例2〜28 実施例1と同様に表1及び表2に示す組成の組成物A、
組成物Bをそれぞれ調製した。使用直前に、組成物A、
組成物Bを1:1の重量比で練和し表3及び表4に示す
組成の接着性組成物を調製し、純金、歯科用貴金属合金
「金パラ12」に対する接着強度を測定した。その結
果、表3及び表4に示したように、いずれの組成におい
ても高い接着強さが得られた。
【0170】比較例1〜3 実施例1と同様に表5に示す組成の組成物A、組成物B
をそれぞれ調製した。使用直前に、組成物A、組成物B
を1:1の重量比で練和し表6に示す組成の接着性組成
物を調製し、純金、歯科用貴金属合金「金パラ12」に
対する接着強さを測定した。その結果、表6に示したよ
うに、該チオウラシル誘導体を添加しなかった例(比較
例1)ではいずれの金属に対しても接着強さは低下し
た。さらに、ラジカル重合性単量体を添加しなかった場
合(比較例2)では両組成物が粉末であり、接着試験が
不可能であるため、また、重合開始剤を添加しなかった
場合(比較例3)では得られた接着性組成物が硬化しな
いため、いずれの金属に対する接着強さも、0MPaで
あった。
【0171】
【表1】
【0172】
【表2】
【0173】
【表3】
【0174】
【表4】
【0175】
【表5】
【0176】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−1409(JP,A) 特開 平10−1473(JP,A) 特開 昭57−75907(JP,A) 特開 平8−253756(JP,A) 特開 平7−258248(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 4/00 - 201/10 A61K 6/00 - 6/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)または(2)で示される
    ラジカル重合性不飽和結合を有するチオウラシル誘導
    体、ラジカル重合性単量体、重合開始剤及びフィラー
    含有してなる接着性組成物。 【化1】 (式中、R、Rはそれぞれ水素原子またはアルキル
    基であり、RとRの少なくとも一方は水素原子であ
    り、Rは水素原子、アルキル基またはフェニル基であ
    り、Rは炭素数1〜20の2価の有機残基であり、Z
    はラジカル重合性不飽和結合を有する有機基である。)
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