JP3518162B2 - 歯科用接着キット - Google Patents

歯科用接着キット

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JP3518162B2
JP3518162B2 JP11155496A JP11155496A JP3518162B2 JP 3518162 B2 JP3518162 B2 JP 3518162B2 JP 11155496 A JP11155496 A JP 11155496A JP 11155496 A JP11155496 A JP 11155496A JP 3518162 B2 JP3518162 B2 JP 3518162B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は歯科用の接着キット
に関する。詳しくは歯科分野における充填修復に際し、
充填材料と歯質との高い接着力を得るために用いられる
プライマー組成物、接着材およびこれらからなるキット
に関する。
【0002】
【従来の技術】齲蝕等により損傷を受けた歯質の修復に
は通常コンポジットレジンと呼ばれる充填修復材料が用
いられるが、コンポジットレジン自体には接着性がない
ため、従来歯質表面の酸水溶液による処理・水洗・乾
燥、続いてプライマーの塗布・乾燥後、接着材を用いて
歯質とコンポジットレジンを接着してきた。しかしこの
様な酸水溶液による処理、プライマー組成物による処
理、接着材塗布という操作は煩雑であり、又、操作上の
誤りを犯す可能性も少なくない。
【0003】そこで近年、酸水溶液による処理・水洗を
省略し、プライマー組成物のみで歯質に対する高い接着
力を得ようとする試みが行われてきた。例えば、使用直
前にA、Bの2液からなるプライマー組成物を混合し、
歯面に塗布・乾燥、続いて接着材を塗布・光硬化させる
という比較的簡略化された操作方法のシステムが提供さ
れているが、このシステムは、プライマー組成物が口腔
内の歯肉等軟組織に付着すると、付着した部位を著しく
白変させてしまうという問題点が存在する。又、井上ら
は2アクリロイルオキシエチル ハイドロジェン マレー
ト(2AEM)を用いたプライマー組成物を提案してい
る(第40回 JADR総会、及び第24、25回日本
歯科理工学会総会)が、この2AEMも軟組織を白変さ
せる上、60秒という長い処理時間を必要とする。又、
特開平6−24928号公報には金属塩と酸性基含有重
合性単量体を含有するプライマー組成物が開示されてい
るが、このプライマー組成物は、トリアルキルホウ素類
を重合開始剤とする接着材を要し、このためこの接着材
は使用直前に重合開始剤と重合性単量体を混合する必要
性があり、さらに可使時間が比較的短いため、操作性の
向上という点からは不充分である。また、これらのプラ
イマー組成物は保存安定性の点から、各構成成分を2つ
以上に分割し、使用直前に混合する必要があり、操作性
に未だ改良の余地を残している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上の点から、コンポ
ジットレジン修復用の接着システムとして酸水溶液によ
る前処理・水洗を必要とせずに、プライマー組成物のみ
による前処理、接着材塗布により、象牙質、エナメル質
双方に対し高い接着力を有し、かつ歯肉の白変等生体に
対する為害性の少ない材料の開発が望まれていた。さら
には上記課題に加え、プライマー組成物、接着材とも使
用直前に必要成分を混合する必要のない材料の開発が望
まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記技術
課題を克服すべく鋭意研究を重ねた結果、スルホン酸基
重合性単量体が、歯肉を白変させる事なく歯質接着性を
向上させることを見いだし、更に研究を重ね、スルホン
酸基含有重合性単量体、水溶性重合性単量体及び水から
なるプライマー組成物で歯面を処理した後、多価カルボ
ン酸基含有多官能性重合性単量体及び重合開始剤からな
る接着材により接着を行う事により、歯肉を白変させる
事なく、象牙質、エナメル質双方に対して高い接着力が
得られることを見いだした。
【0006】即ち本発明は、(A)スルホン酸基含有重
合性単量体、(B)水溶性重合性単量体、及び(C)水
を含有してなるプライマー組成物と、(D)多価カルボ
ン酸基含有多官能性重合性単量体及び(E)重合開始剤
を含有してなる接着材とからなる歯科用接着キットであ
る。
【0007】他の発明は、(G)スルホン酸基含有(メ
タ)アクリルアミド系重合性単量体、(H)水溶性(メ
タ)アクリルアミド系重合性単量体、及び(C)水を含
有してなり、1液にて保存される歯科用プライマー組成
物である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の(A)スルホン酸基含有
重合性単量体は、1分子中に少なくとも1つの−SO3
H基、あるいは本発明の必須成分である水と容易に反応
して−SO3H基を生ずる基と、少なくとも1つの重合
性不飽和基を持つ重合性単量体であれば特に限定され
ず、公知の化合物を使用することができる。
【0009】代表的なスルホン酸基含有重合性単量体の
例としては、以下の一般式(1)に示すようなスルホン
酸の(メタ)アクリル酸エステル、チオエステル、アミ
ド誘導体、あるいはビニルスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸等が例示される。
【0010】
【化1】
【0011】[但し、XはO、S又はNR5(R5は水素
原子又は炭素数1〜5の炭化水素基を表す)を表し、R
1は水素原子又はメチル基を、R2、R3はそれぞれ独立
に水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基を、R4はエ
ーテル結合を有していてもよい炭素数1〜20の2価の
有機残基を表す。] 一般式(1)中、R2、R3は、それぞれ独立に水素原子
又は炭素数1〜5の炭化水素基であり、具体的に例示す
ると、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基等である。
【0012】一般式(1)中、R4はエーテル結合を有
していてもよい炭素数1〜20の2価の有機残基であ
り、その構造は特に制限されないが、具体的に例示する
と以下の様である。
【0013】
【化2】
【0014】当該スルホン酸基含有重合性単量体の好ま
しい具体例を挙げると以下の様である。
【0015】
【化3】
【0016】(Rは上記一般式と同義) 上記スルホン酸基含有重合性単量体のなかでも、XがN
である(メタ)アクリルアミド誘導体が、プライマ
ー組成物の構成成分を1液にした場合の保存安定性及び
歯質接着性が良好なため好適に使用される。ここでR
水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基であり、上記
、Rと同じ基が例示される。特にR、Rが水
素原子ではない(メタ)アクリルアミド誘導体がさらに
好適に使用され、さらに生体に対する為害性を考慮する
と2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸が最も好適に使用される。
【0017】上記スルホン酸基含有重合性単量体の配合
量は、プライマーを構成する全構成成分の合計を100
wt%とした時、好ましくは1〜50wt%であり、よ
り好ましくは2〜30wt%であり、最も好ましくは4
〜20wt%である。スルホン酸基含有重合性単量体の
配合量が少ないと、エナメル質に対する接着力が低下す
る傾向があり、逆に多いと象牙質に対する接着力が低下
する傾向がある。
【0018】上記スルホン酸基含有重合性単量体は必要
に応じて複数の種類を混合して用いてもよい。
【0019】本発明で用いる水溶性重合性単量体は、1
分子中に少なくとも1つの重合性不飽和基を持ち、且つ
水溶性であれば既存のものが制限なく使用できる。但し
ここで水溶性とは、該化合物の10gが水100gに均
一に溶解できる場合をいう。
【0020】代表的な水溶性重合性単量体としては、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタク
リレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、2,3−ジヒドロキシブチルメタクリレート、2,
4−ジヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキ
シメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
2,3,4−トリヒドロキシブチルメタクリレート、
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、2,3,4,5−テトラヒドロ
キシペンチルメタクリレート、ジエチレングリコールモ
ノメタクリレート、トリエチレングリコールモノメタク
リレート、テトラエチレングリコールモノメタクリレー
ト、ペンタエチレングリコールモノメタクリレート及び
これらのアクリレート類等の多価アルコール類あるいは
ポリエチレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステ
ル類、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド等のアミノアルコールの(メタ)アク
リル酸アミド類、2ー(メタ)アクリロイルオキシ ジ
ハイドロジェン フォスフェート等のリン酸モノエステ
ル系化合物の(メタ)アクリル酸エステル類、ジアセト
ン(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイル
モルホリン、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0021】上記水溶性重合性単量体の中でも、組成物
の調製が容易なため水と任意の割合で混合可能な重合性
単量体が好適に使用される。また、(メタ)アクリルア
ミド類が保存安定性、象牙質接着性が良好で好適に使用
され、アミドの窒素原子が結合する炭素原子が水素原子
を有しない(メタ)アクリルアミド類がさらに好適に使
用され、さらに、生体に対する為害性を考慮するとジア
セトン(メタ)アクリルアミドが最も好適に使用され
る。
【0022】上記水溶性重合性単量体の配合量は、プラ
イマーを構成する全構成成分の合計を100wt%とし
た時、好ましくは5〜70wt%であり、10〜50w
t%の配合量がより好ましく、15〜40%の配合量が
最も好ましい。配合量が少なすぎる場合には象牙質に対
する接着力が不足する傾向があり、逆に多すぎる場合に
は、象牙質、エナメル質共に接着力が不足する傾向があ
る。
【0023】上記水溶性重合性単量体は必要に応じて複
数の種類を混合して使用することが可能である。
【0024】本発明のプライマー組成物に使用する水
は、貯蔵安定性、生体適合性および接着性に有害な不純
物を実質的に含まない事が好ましく、例としては脱イオ
ン水、蒸留水等が挙げられる。
【0025】本発明で用いる上記水の配合量は、プライ
マーを構成する全構成成分の合計を100wt%とした
時、好ましくは5〜90wt%であり、より好ましくは
20〜80wt%であり、30〜75%の添加量が最も
好ましい。配合量が少なすぎる場合には象牙質、エナメ
ル質双方に対する接着力が不足する傾向があり、逆に多
すぎる場合には、象牙質に対する接着力が不足する傾向
がある。
【0026】本発明の歯科用組成物には更に、(F)多
官能性重合性単量体を配合することが好ましい。多官能
性重合性単量体を配合することにより、本発明のプライ
マー組成物を用いた場合の辺縁封鎖性が向上する。
【0027】本発明の(F)多官能性重合性単量体は、
1分子中に複数の重合性不飽和基をもつ重合性単量体で
あれば特に限定されず、公知の化合物を使用することが
できる。
【0028】この様な化合物を具体的に例示すると、
2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−(3−メタクリロイルオキ
シ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオ
キシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−メタクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシペンタ
エトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタ
クリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2
(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)−2
(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロ
パン、2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニ
ル)−2(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェ
ニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジプロ
ポキシフェニル)−2(4−メタクリロイルオキシトリ
エトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタ
クリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシイソプロポキ
シフェニル)プロパン、1−メタクリロイルオキシメチ
ル−2−メタクリロイルオキシエチル ハイドロジェン
マレートおよびこれらのアクリレート等の芳香族系二官
能性単量体、エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレング
リコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−
ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメ
タクリレート、グリセリンジメタクリレート、ジ−2−
メタクリロイルオキシエチル−2,2,4−トリメチル
ヘキサメチレンジカルバメートおよびこれらのアクリレ
ート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド
等の脂肪族系二官能性単量体、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート
及びこれらのアクリレート等の三官能性単量体、ペンタ
エリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート等の四官能性単量体等が挙げ
られる。
【0029】上記、多官能性重合性単量体の中でも脂肪
族系二官能性単量体、又は三若しくは四官能性単量体の
使用が好ましい。
【0030】これら多官能性重合性単量体は必要に応じ
て複数を混合して用いることも可能である。
【0031】本発明における(F)多官能性重合性単量
体の配合量は、プライマーを構成する全構成成分の合計
を100wt%とした時、0.1〜30重量%が好まし
く、より好ましくは0.5〜20重量%である。0.1重
量%未満であると辺縁封鎖性の向上効果が認められない
傾向があり、30重量%を超える場合には、象牙質に対
する接着力が低下する傾向がある。
【0032】本発明のプライマー組成物には上記スルホ
ン酸基含有重合性単量体、水溶性重合性単量体、水及び
多官能性重合性単量体以外にも本発明の効果を損なわな
い範囲で、必要に応じて後述する様々な任意成分を含有
させる事ができる。その場合、上記各成分の含有率はプ
ライマー組成物を構成する全構成成分の合計を100w
t%とした場合の重量含有率である。
【0033】この様な任意成分としては重合禁止剤、無
機又は有機微粒子、水溶性有機溶媒、非水溶性有機溶
媒、非水溶性単官能性重合性単量体、重合開始剤、酸及
び酸塩、抗菌剤等が挙げられる。
【0034】重合禁止剤は、本発明のプライマー組成物
を1液にて保存する場合に、保存時のゲル化を防止し保
存安定性を向上させるために、接着力に著しい影響を与
えない程度の量を添加することが好ましい。このような
重合禁止剤を具体的に例示すると、ハイドロキノン、ハ
イドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャ
リイブチルフェノール等が挙げられる。
【0035】無機又は有機微粒子を配合することによ
り、プライマー組成物の粘度や流動性を調節することが
できる。
【0036】この様な微粒子を具体的に例示すると、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリスチレン類、
シリコーン類等の高分子の微粒子類、ケイ素、アルミニ
ウム、チタン、ジルコニウム、ニッケル、コバルト、ス
トロンチウム、鉄、銅、亜鉛、錫、マグネシウム、カル
シウム、カリウム、ナトリウム等の金属の単独あるいは
複合酸化物類、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化化
チタン、窒化ホウ素等の窒化物類、炭化ケイ素、炭化ホ
ウ素等の炭化物類等の無機微粒子類、及びそれら金属酸
化物類、金属窒化物類、金属炭化物類等の無機微粒子類
をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラ
ン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(β−
メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、β(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシラ
ンカップリング剤類、イソプロピルトリイソステアロイ
ルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネー
ト、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネー
ト、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタ
ネ、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネ
ート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート等の
チタネート系カップリング剤類、アセトアルコキシアル
ミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップ
リング剤類で表面処理したものが挙げられる。さらに、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリスチレン
類、シリコーン類等の高分子で無機微粒子表面を被覆し
た微粒子の使用も好ましい。
【0037】上記、無機微粒子の製造方法は特に制限さ
れるものではなく、既存の共沈法、溶射法、ゾルゲル
法、バルク粉砕−分級法等が使用可能であり、また、表
面処理方法も、スプレードライ法、乾式混合法、湿式混
合法等既存の方法が制限なく使用できる。当該微粒子の
一次粒子系は、0.001μm〜1μmが好ましい。
0.001μm以下の粒子の入手は事実上困難であり、
一方、粒子径が大きすぎると沈降が生じやすく均一な分
散が困難であるなど問題が生じるため、0.5μm以下
であることが好ましく、0.1μm以下がより好まし
い。
【0038】上記、微粒子はその粒子の組成、形状、製
造方法、表面処理の方法、粒子系が異なるものを複数混
合して用いることも可能である。
【0039】水溶性有機溶媒は、本発明のプライマー組
成物中に非水溶性の多官能性重合性単量体や、その他の
非水溶性の任意成分を添加する場合、これら各成分を溶
解し均一溶液とするために有用である。
【0040】このような水溶性有機溶媒の具体例とし
て、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−
プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−
メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノ
ール、2−メチル−2−ブタノール、2−プロペン−1
−オール、2−プロピン−1−オール、1,2−エタン
ジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、ヘキシレングリコール、グリセロール、1,
2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパ
ン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2
−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−
(メトキシエトキシ)エタノール、2−(エトキシエト
キシ)エタノール、トリエチレングリコールモノメチル
エーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタ
ノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキ
シ−2−プロパノール、ジプロピレングリコールモノメ
チルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、プロピレンオキサイド、ジメトキシメタ
ン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエ
タン、ビス(2−メトキシエチル)エ−テル、ビス(2
−エトキシエチル)エ−テル等のアルコール化合物類又
はエーテル化合物類、アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン化合物類、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の
リン酸エステル化合物類、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド等の酸アミド化合物類、酢酸、プロピ
オン酸等のカルボン酸化合物類、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン等の硫黄酸化物系化合物類等が挙げられ
る。
【0041】これら水溶性有機溶媒のなかでも、生体に
対する為害作用の上からエタノール、プロパノール又は
アセトンの使用が最も好ましい。
【0042】また、非水溶性有機溶媒を配合することも
可能であり、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ペンタノン、
ヘキサノン、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ビニル、
ジエチルエーテル等があげられる。
【0043】前記非水溶性単官能性重合性単量体を具体
的に例示すると、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリ
レート及びこれらのアクリレート等があげられる。
【0044】前記重合開始剤としては、後述する接着材
の項で具体的に例示する有機過酸化物類、アミン化合物
類、スルフィン酸塩類、ボレート類、有機金属型の重合
開始剤類、光増感剤類、光重合促進剤類、色素類、光酸
発生剤類を必要に応じ各々単独で、あるいは複数を組み
合わせて添加することが可能である。
【0045】上記酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン
酸、過塩素酸等の無機酸類、酢酸、マレイン酸、クエン
酸、マロン酸、蓚酸等の有機カルボン酸類、メタンスル
ホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン
酸、キシレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン
酸、クロロベンゼンスルホン酸、ブロモベンゼンスルホ
ン酸、ビフェニルスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、
アントラセンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフ
トールスルホン酸、スルホ酢酸、スルホ安息香酸、スル
ホサリチル酸、アントラキノンスルホン酸、ベンゼンジ
スルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ナフトールジス
ルホン酸、ビフェニルジスルホン酸等の非重合性スルホ
ン酸類等が挙げられる。
【0046】上記金属の塩としては、マグネシウム、ア
ルミニウム、カルシウム、鉄、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛、ストロンチウム、錫、バリウム等の多価金属
の、塩酸塩、フッ酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢
酸塩、くえん酸塩、蓚酸塩、EDTA塩等があげられ
る。
【0047】また、着色材料として色素を配合すること
もできる。
【0048】本発明のプライマー組成物の調整方法は特
に制限されるものではなく、上記各成分を計りとり、容
器に入れて攪拌・混合、均一溶液とすればよい。
【0049】本発明のプライマー組成物の包装形態は、
保存安定性を考慮して適宜決定すればよく、特に制限さ
れるものではない。例えば、易加水分解性の成分が含ま
れる場合には、該易加水分解性化合物と水、及びスルホ
ン酸基含有重合性単量体の様な加水分解の触媒となる化
合物を任意の組合せで2つに分割しておき、使用直前に
混合すればよい。また、重合性単量体として(メタ)ア
クリルアミド基を有する重合性単量体の様な難加水分解
性化合物のみ含まれる場合には、最初から1液にしてお
くことが可能である。
【0050】本発明のプライマー組成物は、下記接着材
と組み合わせて用いることが必要である。
【0051】本発明で使用する接着材に含有される
(D)多価カルボン酸基含有多官能性重合性単量体は、
1分子中にカルボキシル基、あるいはその無水物又は酸
ハロゲン化物等、水と容易に反応してカルボキシル基を
生じる基を複数有し、かつ複数の重合性不飽和基をもつ
重合性単量体であり、該構造を満たすものであれば特に
限定されず公知の化合物を使用することが出来る。この
様な化合物としては、下記一般式(2)で表されるトリ
メリット酸あるいはピロメリット酸誘導体及びそれらの
無水物、ハロゲン化物、下記一般式(3)で表せられる
ピロメリット酸誘導体及びその無水物、ハロゲン化物、
下記一般式(4)で表されるマロン酸誘導体及びそれら
の無水物、ハロゲン化物などがあげられる。
【0052】
【化4】
【0053】(但し、R1は水素原子又はメチル基を表
し、R6はエ−テル結合及び/又はエステル結合を有し
てもよい炭素数1〜30の3〜6価の有機残基を、R7
は水素原子又はカルボキシル基を表し、n1は2〜5の
整数を、n2は1又は2を、n3は1〜4の整数を表
す。) 一般式(2)中、R6はエ−テル結合及び/又はエステ
ル結合を有してもよい炭素数1〜30の3〜6価の有機
残基であり、その構造は特に制限されないが、具体的に
例示すると下記の通りである。
【0054】
【化5】
【0055】一般式(2)で表される多価カルボン酸基
含有多官能性重合性単量体の好ましい具体例を挙げると
次の通りである。
【0056】
【化6】
【0057】
【化7】
【0058】
【化8】
【0059】(R1は前記定義に同じ) 一般式(3)で表される多価カルボン酸基含有多官能性
重合性単量体の好ましい具体例を挙げると次の通りであ
る。
【0060】
【化9】
【0061】一般式(4)で表される多価カルボン酸基
含有多官能性重合性単量体の好ましい具体例を挙げると
次の通りである。
【0062】
【化10】
【0063】上記多価カルボン酸基含有多官能性重合性
単量体の中でも、歯質接着性の点から特にトリメリット
酸誘導体が好適に使用される。
【0064】これらの多価カルボン酸基含有多官能性重
合性単量体は必要に応じ複数を混合して用いることも可
能である。
【0065】本発明で用いる接着材には上記多価カルボ
ン酸基含有多官能性重合性単量体以外にも、後述する他
の様々な重合性単量体を任意成分として含有させること
ができる。その場合、上記多価カルボン酸基含有多官能
性重合性単量体の含有量は、多価カルボン酸基含有多官
能性重合性単量体とそれ以外の任意成分として含有され
る重合性単量体とを合計して100重量部(以下、全重
合性単量体の合計100重量部という)とした時の重量
含有率である。
【0066】本発明で用いる接着材に含有される上記多
価カルボン酸基含有多官能性重合性単量体は、通常粘度
の高い液体あるいは固体であるので、操作性の点から後
述する様々な他の重合性単量体を任意成分として混合し
て用いることが好ましい。さらに、上記多価カルボン酸
基含有多官能性重合性単量体は通常高価であるので、他
の安価な重合性単量体を任意成分として希釈して用いる
ことも好ましい。
【0067】この様な他の重合性単量体としては、前記
プライマー組成物の項で具体的に例示されたものと同じ
スルホン酸基含有重合性単量体類や水溶性重合性単量体
類、非水溶性単官能性重合性単量体類、芳香族系二官能
性単量体類、脂肪族系二官能性単量体類、三官能性単量
体類、四官能性単量体類、非水溶性単官能性単量体類等
を使用することができ、さらには、11−メタクリロイ
ルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸や4−メタ
クリロイルオキシエチルトリメリテートアンハイドライ
ドの様な一分子中に複数のカルボキシル基と一つの重合
性不飽和基を有する多価カルボン酸基含有単官能性重合
性単量体類や、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル
ハイドロジェン マレートや2−(メタ)アクリロイル
オキシエチル ハイドロジェン サクシネートの様なカル
ボン酸基を一つしか持たない重合性単量体類、2−メタ
クリロイルオキシエチル フェニル ハイドロジェンホス
フェートや2−メタクリロイルオキシエチル ジハイド
ロジェンホスフェートの様なリン酸基を有する重合性単
量体類等が挙げられる。これらの重合性単量体は必要に
応じ複数を混合して用いることが可能である。
【0068】他の重合性単量体と混合して用いる場合、
本発明の接着材に含有される上記多価カルボン酸基含有
多官能性重合性単量体の配合量は、歯質接着性の点から
全重合性単量体の合計100重量部当り10重量部以上
が好ましく、30重量部以上がより好ましい。
【0069】本発明で使用する接着材には、重合、硬化
させるために重合開始剤が含有される。この様な重合開
始剤は特に限定されず、公知のものが制限なく用いられ
る。
【0070】この様な重合開始剤は通常、接着材の構成
成分を2つ以上に分割しておき、使用直前に混合するこ
とにより重合を開始させるもの(化学重合開始剤)と、
光照射により重合を開始させるもの(光重合開始剤)に
大別される。
【0071】化学重合開始剤としては、有機過酸化物/
アミン化合物又は、有機過酸化物/アミン化合物/スル
フィン酸塩、有機過酸化物/アミン化合物/ボレートか
らなるレドックス型の重合開始剤、酸素や水と反応して
重合を開始する有機金属型の重合開始剤が挙げられ、さ
らにはスルフィン酸塩類やボレート類は酸性を有する化
合物との反応により重合を開始させることもできる。
【0072】上記有機過酸化物としてはt−ブチルヒド
ロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、過酸化ジ
t−ブチル、過酸化ジクミル、過酸化アセチル、過酸化
ラウロイル、過酸化ベンゾイル等が挙げられる。
【0073】アミン化合物としては、アミノ基がアリー
ル基に結合した第二級又は第三級アミン類が好ましく、
具体的に例示すると、N,N−ジメチル−p−トルイジ
ン、N,N−ジメチルアニリン、N−(2−ヒドロキシ
エチル)アニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチ
ル)−p−トルイジン、N−メチルアニリン、N−メチ
ル−p−トルイジン等が好ましい。
【0074】上記スルフィン酸塩類としては、ベンゼン
スルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウ
ム、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエ
ンスルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸カ
リウム、m−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、
p−フルオロベンゼンスルフィン酸ナトリウム等が挙げ
られ、ボレート類としてはトリアルキルフェニルホウ
素、トリアルキル(p−クロロフェニル)ホウ素、トリ
アルキル(p−フロロフェニル)ホウ素、トリアルキル
(3,5−ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、ジ
アルキルジフェニルホウ素、ジアルキルジ(p−クロロ
フェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p−フロロフェニ
ル)ホウ素、ジアルキルジ(3,5−ビストリフロロメ
チル)フェニルホウ素、モノアルキルトリフェニルホウ
素、モノアルキルトリ(p−クロロフェニル)ホウ素、
モノアルキルトリ(p−フロロフェニル)ホウ素、モノ
アルキルトリ(3,5−ビストリフロロメチル)フェニ
ルホウ素(アルキル基はn−ブチル基、n−オクチル
基、n−ドデシル基等)のナトリウム塩、リチウム塩、
カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウ
ム塩、テトラメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0075】また、有機金属型の重合開始剤としては、
トリフェニルボラン、トリブチルボラン、トリブチルボ
ラン部分酸化物等のほう素化合物類が挙げられる。
【0076】光重合開始剤としては、光増感剤のみから
なるもの、光増感剤/光重合促進剤からなるもの、色素
/光酸発生剤/スルフィン酸塩、色素/光酸発生剤/ボ
レ−トからなるもの等が挙げられる。
【0077】光増感剤としては、カンファーキノン、ベ
ンジル、α-ナフチル、アセトナフテン、ナフトキノ
ン、p,p’−ジメトキシベンジル、p,p’−ジクロ
ロベンジルアセチル、1,2−フェナントレンキノン、
1,4−フェナントレンキノン、3,4−フェナントレ
ンキノン、9,10−フェナントレンキノン等のα-ジ
ケトン類、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキ
サントン類、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4
−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジ
ル−ジエチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニ
ル)−ブタノン−1、2−ベンジル−ジメチルアミノ−
1−(4−モルフォリノフェニル)−プロパノン−1、
2−ベンジル−ジエチルアミノ−1−(4−モルフォリ
ノフェニル)−プロパノン−1、2−ベンジル−ジメチ
ルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ペンタ
ノン−1、2−ベンジル−ジエチルアミノ−1−(4−
モルフォリノフェニル)−ペンタノン−1等のα−アミ
ノアセトフェノン類等があげられる。
【0078】上記光重合促進剤として、N,N−ジメチ
ルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−
n−ブチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、
N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル
−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジ
ン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、m−クロ
ロ−N,N−ジメチルアニリン、p−ジメチルアミノベ
ンズアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、
p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息
香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミ
ルエステル、N,N−ジメチルアンスラニリックアシッ
ドメチルエステル、N,N−ジヒドキシエチルアニリ
ン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、p
−ジメチルアミノフェネチルアルコール、p−ジメチル
アミノスチルペン、N,N−ジメチル−3,5−キシリ
ジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチル
−α−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−β−ナフチ
ルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、ト
リエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−
エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルヘキシル
アミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジ
メチルステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタ
クリレート、2,2′−(n−ブチルイミノ)ジエタノ
ール等の第三級アミン類、5−ブチルバルビツール酸、
1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸等のバルビ
ツール酸類等を挙げる事が出来る。
【0079】好適に使用される色素を具体的に例示する
と、3−チエノイルクマリン、3−(4−メトキシベン
ゾイル)クマリン、3−ベンゾイルクマリン、3−(4
−シアノベンゾイル)クマリン、3−チエノイル−7−
メトキシクマリン、7−メトキシ−3−(4−メトキシ
ベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシ
クマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−7−メトキ
シクマリン、5,7−ジメトキシ−3−(4−メトキシ
ベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメ
トキシクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−5,
7−ジメトキシクマリン、3−アセチル−7−ジメチル
アミノクマリン、7−ジエチルアミノ−3−チエノイル
クマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−メトキシベ
ンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルア
ミノクマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−シアノ
ベンゾイル)クマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4
−ジメチルアミノベンゾイル)クマリン、3−シンナモ
イル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(p−ジエチ
ルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリ
ン、3−アセチル−7−ジエチルアミノクマリン、3−
カルボキシ−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−
カルボキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリ
ン、3,3’−カルボニルビスクマリン、3,3’−カ
ルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、2,
3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメ
チル−10−(ベンゾチアゾイル)−11−オキソ−1
H,5H,11H,−[1]ベンゾピラノ[6,7,8
−ij]キノリジン、3,3’−カルボニルビス(5,
7−)ジメトキシ−3,3’−ビスクマリン、3−
(2’−ベンズイミダゾイル)−7−ジエチルアミノク
マリン、3−(2’−ベンズオキサゾイル)−7−ジエ
チルアミノクマリン、3−(5’−フェニルチアジアゾ
イル−2’)−7−ジエチルアミノクマリン、3−
(2’−ベンズチアゾイル)−7−ジエチルアミノクマ
リン、3,3’−カルボニルビス(4−シアノ−7−ジ
エチルアミノ)クマリン等を挙げることができる。
【0080】上記光酸発生剤としては、2,4,6−ト
リス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,
6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2
−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチ
ル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メ
トキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、2−(p−メチルチオフェニル)−
4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロ
ロメチル)−s−トリアジン、2−(2,4−ジクロロ
フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−
トリアジン、2−(p−ブロモフェニル)−4,6−ビ
ス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−
トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビ
ス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プ
ロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,
6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−
スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビ
ス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(o−
メトキシスチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−
4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,
4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基置換
−s−トリアジン誘導体類や、ジフェニルヨードニウ
ム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム、ジトリ
ルヨードニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニ
ル)ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨード
ニウム、p−tert−ブチルフェニルフェニルヨード
ニウム、メトキシフェニルフェニルヨードニウム、p−
オクチルオキシフェニルフェニルヨードニウム等のクロ
リド、ブロミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフル
オロフォスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘ
キサフルオロアンチモネート、トリフロロメタンスルホ
ネート等のジフェニルヨードニウム塩化合物類が例示さ
れる。
【0081】スルフィン酸塩類やボレート類は、前記レ
ドックス型の重合開始剤の項で具体的に例示されたもの
が同様に使用できる。
【0082】これら重合開始剤の添加量は、その効果を
発現する範囲であれば特に制限されるものではないが、
接着材中の全重合性単量体の合計100重量部に対し、
0.01〜30重量部の添加が好ましく、0.05〜1
0重量部の添加がより好ましい。
【0083】上記重合開始剤の中でも、接着材組成物を
1液にて保存することが可能になる光重合開始剤の使用
が好ましく、光増感剤/光重合促進剤からなる重合開始
剤の使用がより好ましい。
【0084】本発明で使用する接着材には保存安定性や
環境光安定性を向上させるため必要に応じて、ハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−
ジターシャリイブチルフェノール等の重合禁止剤を少量
添加することが好ましい。
【0085】本発明の接着材には必要に応じて、更にフ
ィラーを添加することも好適である。フィラーを添加す
ることにより、機械的強度の改良、粘性、流動性の制御
等が可能となる。
【0086】この様なフィラーを具体的に例示すると、
前記歯科用組成物において任意成分として具体的に例示
した高分子の微粒子類、金属酸化物類、金属窒化物類、
金属炭化物類等の無機微粒子類、及びそれらをシランカ
ップリング剤類、チタネート系カップリング剤類、アル
ミニウム系カップリング剤類で表面処理したものが挙げ
られる。
【0087】さらに、接着材の粘度は通常比較的高いの
で、フィラー沈降の可能性が低減されるため、前記微粒
子類より粒子径の大きなものが使用可能であり、上記高
分子又は無機化合物で、1〜200μmの粒子の使用も
可能である。
【0088】また、有機又は無機粒子を重合性単量体中
の分散し、これを重合させて得た粒子分散高分子重合体
を粉砕して、200μm以下の大きさにしたものをフィ
ラーとして用いることも好適である。
【0089】上記、フィラー径は、0.001μm〜2
00μmの粒子の使用が好ましく、0.001μm〜1
00μmの粒子の使用がより好ましい。
【0090】上記、フィラーはその粒子の組成、形状、
製造方法、表面処理の方法、粒子系が異なるものを複数
混合して用いることも可能である。
【0091】これらのフィラーの添加量は、本発明の効
果を損なわない範囲であれば特に制限されるものではな
いが、全重合性単量体の合計100重量部に対し、30
0重量部以下の添加が好ましく、100重量部以下の添
加がより好ましい。
【0092】本発明の接着材を調製する方法については
特に制限がなく、上記多価カルボン酸基含有多官能性重
合性単量体、重合開始剤、並びに必要に応じて配合され
る任意成分をその所望の割合で秤り採り、攪拌混合して
均一とすれば良い。
【0093】本発明のプライマー組成物を接着材の塗布
に先だって、歯面に塗布することによって、スルホン酸
基含有重合性単量体がその酸供給能力により、歯面上の
無機成分を溶解することにより重合性単量体の歯質への
浸透を容易にし、また、水溶性重合性単量体はその親水
性のため比較的親水性である歯質に浸透しやすいと考え
られる。更に、塗布された接着材に含まれる多価カルボ
ン酸基含有多官能性重合成単量体は、そのカルボン酸基
の親水性のため、接着材成分の歯質への浸透性を容易に
し、これら重合性単量体が一体になって重合することに
より、強固な接着力が発現すると考えられる。
【0094】
【発明の効果】コンポジットレジン修復用のシステムと
して、本発明のプライマー組成物により前処理を行い、
続いて、本発明の接着材を用いて接着することにより、
従来行われていた酸水溶液による処理が不要となり、か
つ、歯肉の白変等の生体に対する為害性が少なくでき
る。更には、用いる成分の化学構造を選択することによ
り、プライマー組成物及び接着材の各々を1液にて保存
することも可能となる。
【0095】
【実施例】以下本発明を具体的に説明するために、実施
例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらにより
何等制限されるものではない。尚、実施例中に示した、
略称、略号、接着力測定方法、生体為害性の評価方法、
及び接着材の組成については以下の通りである。
【0096】(1)略称・略号 スルホン酸基含有重合性単量体 ・AMPS:2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸 ・SPN:3−メタクリロイルオキシプロパンスルホン
酸 水溶性重合性単量体 ・HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート ・DAAM:ジアセトンアクリルアミド ・NMAA:N−メチロールアクリルアミド ・NVP:N−ビニルピロリドン ・PM:2−メタクリロイルオキシエチル ジハイドロ
ジェン フォスフェート 多官能性重合性単量体 ・3G:トリエチレングリコールジメタクリレート ・NMBA:N,N−メチレンビスアクリルアミド ・NPG:ネオペンチルグリコールジメタクリレート ・Bis−GMA:2,2−ビス(4−(2−ヒドロキ
シ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル)
プロパン 重合禁止剤 ・BHT:2,6−ジターシャリイブチルフェノール ・HQME:ハイドロキノンモノメチルエーテル 多価カルボン酸基含有多官能性重合性単量体 ・MTS:2−メタクリロイルオキシエチル−3’−メ
タクリロイルオキシ−2’−(3,4ジカルボキシベン
ゾイルオキシ)プロピルサクシネート ・4−TAPT:4−(3−アクリロオキシ−2,2−
ビス(アクリロオキシメチル)プロピル)ジハイドロジ
ェントリメリテート 重合開始剤 ・CQ:カンファーキノン ・DMBE:N,N−ジメチル−p−アミノ安息香酸エ
チル ・DAAP:N,N−ジメチル−p−アミノアセトフェ
ノン ・TBBO:トリブチルボラン部分酸化物 その他成分 ・MAC−10:11−メタクリロイルオキシ−1,1
−ウンデカンジカルボン酸 ・4−META:4−メタクリロイルオキシエチルトリ
メリテートアンハイドライド ・VPA:ビニルホスホン酸 ・フェニル−P:2−メタクリロイルオキシエチル フ
ェニル ハイドロジェンフォスフェート ・MT−10:微粉シリカ(トクヤマ社製市販シリカレ
オロシールMT−10) (2)エナメル質、象牙質接着力 屠殺後24時間以内に牛前歯を抜去し、注水下、#80
0のエメリーペーパーで唇面に平行になるようにエナメ
ル質又は象牙質平面を削り出した。次にこれらの面に圧
縮空気を約10秒間吹き付けて乾燥した後、この平面に
直径4mmの孔のあいた両面テープを固定し、次に厚さ
1.5mm、直径6mmの孔の開いたパラフィンワック
スを上記円孔上に同一中心となるように固定して模擬窩
洞を形成した。この模擬窩洞内に使用直前に調製した本
発明の歯科用組成物を薄く塗布し、20秒間放置した
後、圧縮空気を約10秒間吹き付けて乾燥した。次に接
着材を塗布し、可視光線光照射器(ホワイトライト、タ
カラベルモント社製)にて10秒間光照射し接着材を硬
化させた。更にその上に歯科用コンポジットレジン(パ
ルフィークライトポステリア、(株)トクヤマ社製)を
充填し、可視光線照射器により30秒間光照射して、接
着試験片を作製した。
【0097】上記接着試験片を37℃の水中に24時間
浸漬した後、引っ張り試験機(オートグラフ、島津製作
所製)を用いてクロスヘッドスピード10mm/min
にて引っ張り、歯牙とコンポジットレジンの引っ張り接
着強さを測定した。
【0098】1試験当り、4本の引っ張り接着強さを上
記方法で測定し、その平均値を接着力とした。
【0099】接着力は、充填材料と歯質表面との間隙生
成や、充填材料の脱落を防ぐために、エナメル質では1
7MPa程度、象牙質では15MPa程度以上必要であ
る。
【0100】(3)辺縁封鎖性 屠殺後24時間以内に牛前歯を抜去し、注水下、#80
0のエメリーペーパーで唇面に平行になるようにエナメ
ル質平面を削り出した。次に注水下、カーボランダムポ
イント(HP35、松風社製)を用いて、内系4.5m
m〜5mm、深さ4mm〜5mmの象牙質にまで達する
窩洞を形成した。この窩洞内に本発明のプライマー組成
物を薄く塗布し、20秒間放置した後、圧縮空気を約5
秒間吹き付けて乾燥した。次に接着材を塗布し、可視光
線光照射器(ホワイトライト、タカラベルモント社製)
にて10秒間光照射し接着材を硬化させた。更にその上
に歯科用コンポジットレジン(パルフィークエステライ
ト、(株)トクヤマ社製)を充填し、可視光線照射器に
より30秒間光照射して辺縁封鎖性試験片を作製した。
【0101】上記接着試験片を37℃の水中に24時間
浸漬した後、注水下、#800のエメリーペーパーを用
いて研磨し余剰のコンポジットレジンを除去し、歯根部
を即時重合製レジン(トクソーキュアファスト、(株)
トクヤマ社製)で被った。これを4℃と60℃の色素水
溶液(0.1%塩基性フクシン、東京化成社製)に交互
に、各1分間づつ60回浸漬を繰り返した。浸漬終了
後、試験片を歯頸部方向から歯冠部方向への断面が見ら
れるように#120のエメリーペーパーで研削し、歯質
と充填したコンポジットレジンの界面への色素の侵入状
態を観察、評価した。評価は試験片6本、即ち歯頸部側
と歯冠部側各々6ヶ所、計12ヶ所の断面を観察し、1
2分の幾つに色素が侵入していないか数えた。即ち数字
の大きいほど辺縁封鎖性は良好である。
【0102】(4)保存安定性 調製したプライマーを気密下37℃にて4週間保存後、
接着力を測定した。 (5)歯肉の白変テスト 調製したプライマー組成物を20代の健康成人男子の歯
肉に少量塗布し、20秒後歯肉の白変が起きているかど
うかを肉眼で観察した。白変の起きていない場合を○、
歯肉の白変が起きていた場合を×とした。
【0103】(6)接着材の調製 接着材A〜Iはそれぞれ表1に示す組成で遮光下、攪
拌、混合し、粘稠な液体として得た。接着材Jは市販の
接着システムに付属の、MMAと4−METAからなる
液成分をTBBOを重合開始剤として重合硬化させる接
着材をそのまま用いた。接着材A〜Gは本発明の多価カ
ルボン酸基含有多官能性重合性単量体及び重合開始剤を
含有する接着材、接着材H〜Jは多価カルボン酸基含有
多官能性重合性単量が配合されていない接着材である。
【0104】
【表1】
【0105】実施例1 1.0gのAMPS、3.0gのHEMAを6.0gの水
に溶解した。これをプライマーとして歯面を処理し、上
記接着材Aを用いて接着し、象牙質、エナメル質接着力
を測定した。同時にこのプライマーを用いて歯肉の白変
テストを行った。結果を表1に示す。
【0106】実施例2〜20 実施例1の方法に準じてプライマーを調製し、接着材A
を用いて評価を行った。プライマーの組成、及び結果を
表2に示す。
【0107】比較例1〜7 実施例1の方法に準じてプライマーを調製し、接着材A
を用いて評価を行った。プライマーの組成、及び結果を
表2に示す。
【0108】
【表2】
【0109】実施例1〜5は(B)成分の水溶性重合性
単量体の種類を変化させた場合の結果を代表し、実施例
5〜8及び実施例4と9〜11は(A)成分のスルホン
酸基含有重合性単量体、(B)成分及び(C)成分の水
割合を変化させた場合の結果を代表している。いずれの
場合も象牙質、エナメル質とも良好な接着力を示した。
実施例12〜18は各種の任意成分を配合した場合の結
果であり、これらいずれの場合も象牙質、エナメル質と
も良好な接着力を示した。実施例19と20は(A)成
分の種類を変化させた場合の結果であり、この場合も良
好な接着力を示した。さらに実施例1〜3と実施例4、
5の比較及び実施例4と19及び5と20の比較から、
配合する(A)成分及び/又は(B)成分が(メタ)ア
クリルアミド類である方がより高い象牙質接着力を示す
ことが分かる。
【0110】比較例1は(A)成分を含有しない場合の
結果であり、エナメル質に対する接着力が低く、象牙質
に対する接着力も幾分低めであった。比較例2は(B)
成分を含有しない場合の結果であり、象牙質に対する接
着力が低かった。比較例3と4は(C)成分の水を含ま
ない場合のであるが、これらは均一の液体にならず評価
ができなかった。比較例5は(B)成分に変えて、非重
合性の水溶性化合物であるEtOHを用いた場合の結果
であるがこの場合も象牙質に対する接着力が低かった。
比較例6は同じく非重合性の水溶性化合物であるPVP
を用いた場合の結果であるがこの時には象牙質、エナメ
ル質双方に対する接着力が低かった。比較例7は(A)
成分に変えてホスホン酸基含有の重合性単量体であるV
PAを用いた場合の結果であるが、この場合には象牙質
に対する接着力が低かった。
【0111】また、上記いずれのプライマーにおいても
歯肉の白変は認められなかった。
【0112】実施例21〜30 実施例1の方法に準じてプライマーを調製し、各種接着
材を用いて評価を行った。プライマーの組成、使用した
接着材及び結果を表3に示す。
【0113】比較例8〜10 実施例1の方法に準じてプライマーを調製し、各種接着
材を用いて評価を行った。プライマーの組成、使用した
接着材及び結果を表3に示す。
【0114】
【表3】
【0115】実施例21〜30は本発明の多価カルボン
酸基含有多官能性重合性単量体及び重合開始剤を含有す
る各種接着材を用いた場合の結果であるが、いずれの場
合も象牙質、エナメル質双方に良好な接着力を示した。
【0116】比較例8及び10は多価カルボン酸基含有
多官能性重合性単量体に変えて、多価カルボン酸基含有
単官能性重合性単量体であるMAC−10又は4−ME
TAを配合した接着材を用いた場合の結果、比較例9は
カルボン酸基含有重合性単量体を全く含まない接着材を
用いた場合の結果である。いずれの場合にも象牙質接着
力が低く、接着材Jを用いた比較例10の場合にはエナ
メル質接着力も低かった。
【0117】実施例31〜34 実施例1の方法に準じてプライマーを調製し、接着材A
を用いて辺縁封鎖性の評価を行った。プライマーの組
成、及び結果を表4に示す。
【0118】比較例11 実施例1の方法に準じてプライマーを調製し、接着材A
を用いて辺縁封鎖性の評価を行った。プライマーの組
成、及び結果を表4に示す。
【0119】
【表4】
【0120】実施例31〜34はいずれも(A)成分を
含まない比較例11に比較して良好な辺縁封鎖性を示し
た。更に(F)成分を含有する実施例32、33は
(F)成分を含有しない実施例31、34に比較してよ
り良好な辺縁封鎖性を示した。
【0121】実施例35、36 実施例1の方法に準じてプライマーを調製し、接着材A
を用いて初期の接着力及び37℃保存後の接着力を測定
し、保存安定性の評価を行った。プライマーの組成、及
び結果を表5に示す。
【0122】比較例12 実施例1の方法に準じてプライマーを調製し、接着材A
を用いて初期の接着力及び37℃保存後の接着力を測定
し、保存安定性の評価を行った。プライマーの組成、及
び結果を表5に示す。
【0123】
【表5】
【0124】実施例35及び36のプライマーは37℃
保存後いずれも調製直後と同等の接着力を示し、保存安
定性が良好であった。一方、スルホン酸基含有重合性単
量体に代えて、リン酸基含有重合性単量体であるフェニ
ル−Pを用いた場合の結果である比較例12では、調整
直後の接着力は高いものの、37℃保存後は調整直後に
比較して著しく接着力が低下し保存安定性が悪かった。
更には、フェニル−Pを用いた場合には、歯肉が著しく
白変した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−82115(JP,A) 特開 平6−40838(JP,A) 特開 平6−199624(JP,A) 特開 平7−118116(JP,A) 特開 平9−157124(JP,A) 特開 平9−157126(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 6/083

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)スルホン酸基含有重合性単量体、
    (B)水溶性重合性単量体、及び(C)水を含有してな
    るプライマー組成物と、(D)多価カルボン酸基含有多
    官能性重合性単量体及び(E)重合開始剤を含有してな
    る接着材とからなる歯科用接着キット。
  2. 【請求項2】 プライマー組成物中に、さらに(F)多
    官能性重合性単量体を含有する請求項1記載の歯科用接
    着キット。
  3. 【請求項3】 (G)スルホン酸基含有(メタ)アクリ
    ルアミド系重合性単量体、(H)水溶性(メタ)アクリ
    ルアミド系重合性単量体、及び(C)水を含有してな
    り、1液にて保存される歯科用プライマー組成物。
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