JP3412588B2 - 非可逆回路素子及び通信機装置 - Google Patents
非可逆回路素子及び通信機装置Info
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Description
特に、マイクロ波帯で使用されるアイソレータやサーキ
ュレータ等の非可逆回路素子及び通信機装置に関する。
用される集中定数型アイソレータは、信号を伝送方向に
のみ通過させ、逆方向への伝送を阻止する機能を有して
いる。また、最近の移動通信機器では、その用途からし
て小型、軽量化とともに、低コスト化に対する要求が強
くなっており、これに伴ってアイソレータにおいても小
型、軽量化および低コスト化が要請されている。
は、図13に示すようなものが提案されている。該集中
定数型アイソレータ11は、左右の側壁12aと底壁1
2bとを有する金属製下側ケース部12上に、樹脂製端
子ケース13を配置するとともに、端子ケース13内に
中心電極組立体14を収容し、金属製上側ケース部15
を装着している。上側ケース部15の内面には永久磁石
16が貼着され、この永久磁石16により中心電極組立
体14に直流磁界を印加するようになっている。
イト20の上面に3本の中心電極21〜23を電気的絶
縁状態で120度毎に互いに交差させて配置している。
これら中心電極21〜23は、各々の一端側のポート部
P1〜P3を水平に導出するとともに、他端側の各中心
電極21〜23共通のシールド部をフェライト20の下
面に当接させている。共通シールド部は、フェライト2
0の下面を略覆っており、端子ケース13の窓13aを
通して、下側ケース部12の底壁12bに接続される。
は、整合用コンデンサC1〜C3の各々のホット側コン
デンサ電極に接続される。終端抵抗Rの一端は整合用コ
ンデンサC3のホット側コンデンサ電極に接続される。
これら中心電極組立体14やコンデンサC1〜C3等
は、端子ケース13内に収容される。この後、図14に
示すように、上側ケース部15と下側ケース部12の近
接する2辺(図14において、斜線にて表示している)
が半田18(図15参照)で接続される。
ソレータ11は、上側ケース部15と下側ケース部12
にて、永久磁石16や中心電極組立体14の周囲に筒状
のループ構造体を形成している。このため、図15に示
すように、ケース部15,12を高周波電流iが周回し
易く、電力がジュール損として消耗されるという問題が
あった。さらに、ケース部15,12を周回する高周波
電流iは、中心電極21〜23を流れる正規信号電流I
を打ち消すように働いている。言い換えると、フェライ
ト20から出た高周波磁界を弱めるように働いている。
従って、中心電極21〜23の実効インダクタンスが減
少するとともに、フェライト20の実効透磁率が減少
し、アイソレータ11の動作帯域幅が狭くなるという問
題もあった。
れにくい構造の金属ケースを有した非可逆回路素子及び
通信機装置を提供することにある。
するため、本発明に係る非可逆回路素子は、 (a)永久磁石と、 (b)永久磁石により直流磁界が印加される一つのフェ
ライトと、 (c)フェライトに電気的絶縁状態で互いに交差させて
配置された複数の中心電極と、 (d)永久磁石とフェライトと中心電極を収容する金属
ケースとを備え、 (e)金属ケースにおいて、中心電極の交差面に対して
フェライトが配置されている側と反対側の部分に、フェ
ライトと中心電極の周りを流れる周回電流を遮断するた
めのギャップを設けたこと、を特徴とする。ここに、
「ギャップ」は電気的なギャップを意味しており、間に
絶縁物等が充填されていて物理的にはギャップを形成し
ていないような場合でも、電気的につながっていなけれ
ば本発明のギャップに含まれる。
辺に対して平行に4箇所折り曲げることにより、横断面
が略矩形の筒状に形成されている。あるいは、金属ケー
スは上側ケース部と下側ケース部とで構成され、少なく
とも上側ケース部の一辺と該上側ケース部の一辺に対向
する下側ケース部の一辺との間にギャップを設けてい
る。さらに、永久磁石の軸に対して、金属ケースを回転
対称形にすることが好ましい。
高周波電流が金属ケースに設けられたギャップによって
遮断されるため、金属ケースに高周波電流が流れにくく
なる。
特徴を有する非可逆回路素子を備えることにより、優れ
た周波数特性が得られる。
素子及び通信機装置の実施の形態について添付の図面を
参照して説明する。
る非可逆回路素子の一つの実施形態の構成を示す分解斜
視図を図1に示す。該非可逆回路素子41は、図13で
説明した集中定数型アイソレータ11に本発明を適用し
たものである。図1に示すように、集中定数型アイソレ
ータ41は、樹脂製端子ケース13と、中心電極組立体
14と、永久磁石16と、金属製ケース42を備えてい
る。
入出力端子51,52及びアース端子53がインサート
モールドされている。入出力端子51,52はそれぞ
れ、一端がケース13の外側壁に露出し、他端がケース
13の内側面に露出して入出力接続電極部51a,52
aを形成している。同様に、アース端子53は、二つの
端部がそれぞれケース13の対向する外側壁に露出し、
残りの端部がケース13の内側面に露出してアース接続
電極部53a(図1参照)を形成している。
イト20の上面(第1の主面であり、一方の磁極面)に
3本の中心電極21〜23を電気的絶縁状態で120度
毎に互いに交差させて配置している。これら中心電極2
1〜23は、各々の一端側のポート部P1〜P3を水平
に導出するとともに、他端側の各中心電極21〜23共
通のシールド部をフェライト20の下面(第2の主面で
あり、他方の磁極面)に当接させている。共通シールド
部は、フェライト20の下面を略覆っており、端子ケー
ス13の窓13aを通して、後述の金属製ケース42の
底部42bに半田付け等の方法により接続される。
コンデンサ電極がポート部P1〜P3にそれぞれ半田付
けされ、コールド側コンデンサ電極が端子ケース13の
内側面に露出しているアース接続電極部53aにそれぞ
れ半田付けされている。終端抵抗Rの一端は整合用コン
デンサC3のホット側コンデンサ電極に接続され、他端
はアース接続電極部53aに接続される。つまり、整合
用コンデンサC3と終端抵抗Rとは、中心電極23のポ
ート部P3とアースとの間に電気的に並列に接続され
る。
体金属板からなり、その短辺に対して平行に2箇所を予
め直角に折り曲げておく。金属製ケース42の中央部分
は底部42bとされ、その左側及び右側はそれぞれ腕部
42a,42aとされる。この金属製ケース42の底部
42b上に端子ケース13を配置するとともに、端子ケ
ース13内に中心電極組立体14や整合用コンデンサC
1〜C3等を収容する。この後、金属製ケース42の二
つの腕部42a,42aをそれぞれ、端子ケース13の
外形に沿って一点鎖線K(図1参照)で直角に内側に折
り曲げ、端子ケース13の開口部を覆う。このとき、二
つの腕部42a,42aのうちいずれか一方の腕部42
aの内側面に永久磁石16を貼着しておく。この永久磁
石16により中心電極組立体14に直流磁界を印加する
ようになっている。金属製ケース42と中心電極組立体
14とで磁路を構成している。
の集中定数型アイソレータ41が得られる。図5は、ア
イソレータ41の電気等価回路図である。金属製ケース
42は、略矩形金属板をその短辺に対して平行に4箇所
直角に内側に折り曲げることにより、横断面が矩形の筒
状とされている。金属製ケース42の二つの腕部42a
と42aのそれぞれの先端は、所定寸法のギャップ45
を確保して対向している。つまり、この金属製ケース4
2は、永久磁石16と中心電極組立体14の周りにルー
プを形成しない。従って、永久磁石16と中心電極組立
体14の周りを流れる周回電流、言い換えると金属製ケ
ース42を周回する高周波電流iがギャップ45によっ
て遮断され、金属製ケース42に高周波電流iが流れに
くくなる。この結果、ジュール損による電力消耗を抑え
ることができる。ギャップ45は、例えば0.001m
m以上あれば十分である。
iは、中心電極21〜23を流れる正規信号電流Iを打
ち消し、フェライト20から出た高周波磁界を弱めるよ
うに働くが、金属製ケース42にギャップ45を設ける
ことにより、この高周波磁界の減少を防ぐことができ
る。従って、中心電極21〜23の実効インダクタンス
が増加するとともに、フェライト20の実効透磁率が増
加し、アイソレータ41の動作帯域幅を広くすることが
できる。図6は、アイソレータ41の順方向通過特性A
1及び逆方向特性(アイソレーション特性)A2を測定
した結果を示すグラフである。比較のため、図13に示
した従来のアイソレータ11の順方向通過特性B1及び
逆方向特性B2も併せて記載している。図6から、アイ
ソレータ41の動作帯域幅が広がっていることが分か
る。
ース42は永久磁石16の中心軸L(図3及び図4参
照)に対して回転対称形をしており、フェライト20に
印加される直流磁界の分布が効率良く行われるように工
夫されている。
ることにより、図13に示した従来のアイソレータ11
の金属ケース部12,15の組み合わせと比較して、磁
気抵抗を減らすことができる。また、金属ケース部同士
を半田で接続する工程もなくなる。
る非可逆回路素子のいま一つの実施形態を図7〜図9に
示す。該非可逆回路素子61は、図13で説明した集中
定数型アイソレータ11において、上側ケース部15の
替わりに、2分割された上側ケース部62を使用したも
のである。
一対の部材62a,62bにて構成されている。一対の
部材62a,62bは、所定寸法のギャップ65を確保
して対向し、部材62a,62bの内側面には永久磁石
16が貼着されている。上側ケース部62と下側ケース
部12の近接する2辺(図8において、斜線にて表示し
ている)は半田18(図9参照)で接続されている。
ケース部12,62を流れる高周波電流iがギャップ6
5によって遮断されるので、ジュール損による電力消耗
を抑えることができる。
は、本発明に係る通信機装置として、携帯電話を例にし
て説明する。
回路ブロック図である。図10において、122はアン
テナ素子、123はデュプレクサ、131は送信側アイ
ソレータ、132は送信側増幅器、133は送信側段間
用バンドパスフィルタ、134は送信側ミキサ、135
は受信側増幅器、136は受信側段間用バンドパスフィ
ルタ、137は受信側ミキサ、138は電圧制御発振器
(VCO)、139はローカル用バンドパスフィルタで
ある。
て、前記第1および第2実施形態の集中定数型アイソレ
ータ41,61を使用することができる。これらのアイ
ソレータ41,61を実装することにより、通信特性が
優れた携帯電話を実現することができる。
逆回路素子及び通信機装置は前記実施形態に限定するも
のではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することが
できる。例えば、第1実施形態のアイソレータ41にお
いて、ギャップ45は金属製ケース42の上面中央部に
必ずしも設ける必要はなく、図11の(a),(b)の
ように中央部から外れた位置に設けてもよい。また、図
12に示すように、従来のアイソレータ11において、
上側ケース部15と下側ケース部12が近接する2辺の
うちいずれか一方の辺を半田18ではなく、絶縁物70
で接合することによってギャップ71を形成するように
してもよい。なお、2辺とも絶縁物で接合した場合に
は、中心電極組立体14の直流磁界が弱くなり過ぎてし
まう。
サーキュレータ等の他の高周波部品に採用される非可逆
回路素子にも適用することができる。さらに、中心電極
は、金属板を打抜き、曲げ加工して形成するものの他
に、基板(誘電体基板や磁性体基板や積層基板等)にパ
ターン電極を設けることによっても形成することができ
る。
によれば、金属ケースにギャップを設けたので、金属ケ
ースを流れる高周波電流がこのギャップによって遮断さ
れ、ジュール損による電力消耗を抑えることができる。
ェライトから出た高周波磁界を弱めるように働くが、金
属ケースにギャップを設けることにより、この高周波磁
界の減少を防ぐことができる。従って、フェライトの実
効透磁率が増加するとともに、中心電極の実効インダク
タンスが増加し、非可逆回路素子の動作帯域幅を広くす
ることができる。この結果、周波数特性の優れた非可逆
回路素子や通信機装置を得ることができる。
分解斜視図。
図。
アイソレーション特性を示すグラフ。
分解斜視図。
ブロック図。
を示す模式断面図。
施形態を示す模式断面図。
Claims (7)
- 【請求項1】 永久磁石と、 前記永久磁石により直流磁界が印加される一つのフェラ
イトと、 前記フェライトに電気的絶縁状態で互いに交差させて配
置された複数の中心電極と、 前記永久磁石とフェライトと中心電極を収容する金属ケ
ースとを備え、 前記金属ケースにおいて、前記中心電極の交差面に対し
てフェライトが配置されている側と反対側の部分に、前
記フェライトと中心電極の周りを流れる周回電流を遮断
するためのギャップを設けたこと、 を特徴とする非可逆回路素子。 - 【請求項2】 前記金属ケースが一体成形品であること
を特徴とする請求項1記載の非可逆回路素子。 - 【請求項3】 前記金属ケースが複数の部品にて構成さ
れていることを特徴とする請求項1記載の非可逆回路素
子。 - 【請求項4】 前記金属ケースが前記永久磁石の軸に対
して回転対称形であることを特徴とする請求項1ないし
請求項3記載の非可逆回路素子。 - 【請求項5】 前記金属ケースが、略矩形金属板を一辺
に対して平行に4箇所折り曲げることにより、横断面が
略矩形の筒状に形成されていることを特徴とする請求項
2記載の非可逆回路素子。 - 【請求項6】 前記金属ケースが上側ケース部と下側ケ
ース部とで構成され、少なくとも前記上側ケース部の一
辺と該上側ケース部の一辺に対向する下側ケース部の一
辺との間に前記ギャップが設けられていることを特徴と
する請求項3記載の非可逆回路素子。 - 【請求項7】 請求項1ないし請求項6記載の非可逆回
路素子の少なくともいずれか一つを備えたことを特徴と
する通信機装置。
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