JP3665776B2 - 非可逆回路素子及びそれを用いた通信機装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等の通信機装置に使用されるアイソレータ、サーキュレータ等の非可逆回路素子及びそれを用いた通信機装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
集中定数型のアイソレータは、信号を伝送方向に損失なく通過させ、逆方向への信号の通過を阻止する機能を備えた高周波部品であり、携帯電話等の移動通信装置の送信回路部に使用されている。このようなアイソレータの一例として、図10に示す構成のものがある。
図10に示す従来のアイソレータ100は、イットリウム鉄ガーネットフェライト(YIG)からなる磁性体104と中心導体105とからなる磁性組立体110と、中心導体105に接続される容量素子基板120と、永久磁石130とを、磁性ヨークを兼ねる金属製上ケース141及び下ケース142内に収納し、磁性組立体110に永久磁石で直流バイアス磁界を印加できる構成とされてなるものである。この従来のアイソレータ100は、携帯電話等の小型の移動通信装置に使用される場合、5mm角程度の大きさとされている。
【0003】
中心導体105は磁性体104の下面に添わせて設けられた共通電極(図示略)と、この共通電極から放射状に3方向に延出形成されて磁性体104の表面側に巻き掛けられた第1の中心導体106と第2の中心導体107と第3の中心導体108とから構成されている。前述の各中心導体106〜108は、アース部となる上記共通電極において連設一体化されている。なお、図面では省略されているが、中心導体106、107、108どうしは絶縁シートにより磁性体104の表面側において個々に絶縁されている。
容量素子基板120には、後述の各ポート部に対応する整合用コンデンサが設けられている。
また、先の3つの中心導体106、107、108の先端部側は磁性体104の側方に突出するように配置されて各ポート部とされている。そして、各ポート部に上記整合用コンデンサが接続され、ポート部の1つに先の整合用コンデンサを介して終端抵抗が接続されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のアイソレータにおいては、磁性体104を構成するYIGは、使用温度範囲(具体的には−35℃〜+85℃の範囲)では飽和磁束密度(4πMs)が24%〜34%変化(−35℃のときの飽和磁束密度に対して85°℃のときの飽和磁束密度が24%〜34%低下)しており、特に高温になると飽和磁束密度の低下率が大きく、一方、永久磁石130は使用温度範囲で残留磁束密度(Br)が21%〜22%しか変化(−35℃のときの残留磁束密度に対して85℃のときの残留磁束密度が21%〜22%低下)していない。
【0005】
しかし、従来のアイソレータにおいては、磁性体104の飽和磁束密度の温度特性と永久磁石103は残留磁束密度の温度特性の差が大きいことから、温度が低いところでは磁性体104に適正な直流バイアス磁界がかかっているが、温度が高くなると磁性体104の飽和磁束密度の低下割合が大きくなり、これによって永久磁石103の残留磁束密度が相対的に高くなり、上記磁性ヨーク(上ケース141及び下ケース142)と永久磁石103とで構成される磁気回路から磁性体104に直流バイアス磁界が強くかかる傾向がでてくる。このような傾向がでてくると、それに起因してアイソレーションのピークが目標値からずれて、アイソレーションの周波数特性が変化してしまい、挿入損失が大きくなり、信号の伝達効率が低下するという問題があった。
なお、上ケース141及び下ケース142の材質は、SPCC等のほぼ純鉄に近い材料が用いられている。このSPCCはキュリー点(Tc)が727℃(1000K)程度であるが、Tcが1000K程度の材料は上記のような使用温度範囲では飽和磁束密度(4πMs)が1.0%程度しか変化しないため、磁性体104の飽和磁束密度の温度特性と永久磁石103の残留磁束密度の温度特性の差を補償できない。
【0006】
本発明は以上の背景に基づいてなされたもので、温度特性を向上させることで、挿入損失を抑制して信号の伝達効率に優れた非可逆回路素子を提供することを目的とする。
また、本発明は、温度特性を向上させることで、挿入損失を抑制して信号の伝達効率に優れた非可逆回路素子を用いることにより、温度安定性が高い通信機装置を提供することを他の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の非可逆回路素子は、フェライトからなる磁性体の一面側に共通電極が配置され、この共通電極外周部から3方向に延出形成された3つの中心導体が、前記フェライトに配置された磁性組立体と、前記の各中心導体に対応して設けられるとともに対応する中心導体に接続される容量素子と、前記磁性体に直流バイアス磁界を印加する永久磁石とが、磁性ヨークを兼ねる金属製の上ケースと下ケースとの間に収納されてなり、
前記上ケース又は下ケースの飽和磁束密度及び前記永久磁石の残留磁束密度は負の温度係数を有し、−35℃以上+85℃の温度範囲において前記永久磁石の残留磁束密度の温度係数の絶対値よりも前記上ケース又は下ケースの飽和磁束密度の温度係数の絶対値が大きくなるように、前記上ケース又は下ケースが下記組成式で示される磁性材料から形成されていることを特徴とする。
(Fe 1−a Co a ) 100−b Ni b
但し、組成比を示すa、bは原子%で、0≦a≦0.1、28≦b≦41である。
【0008】
かかる非可逆回路素子によれば、−35℃以上+85℃の温度範囲(使用温度範囲)において使用温度が高い場合には上記永久磁石の残留磁束密度の低下割合は小さく、上記磁性体の飽和磁束密度の低下割合が大きくなっても、上記金属製の上ケース又は下ケースに備えられた上記磁性材料の飽和磁束密度の低下割合は大きくなるので、上記永久磁石と磁性ヨーク(上ケース及び下ケース)とで構成される磁気回路から上記磁性体にかけられる直流バイアス磁界は上記磁性材料の作用によって少なくなるので、上記永久磁石の残留磁束密度が相対的に高くなることによるバイアス磁界への影響を防止でき、上記フェライトからなる磁性体に適正な直流バイアス磁界を印加することができる。一方、使用温度が低い場合には上記磁性体の飽和磁束密度の低下割合が小さく(飽和磁束密度の変化率が小さく)、また、上記磁性材料の飽和磁束密度の低下割合も小さい(飽和磁束密度の変化率が小さい)ので、永久磁石の残留磁束密度が相対的に高くなることがなく、上記フェライトからなる磁性体に適正な直流バイアス磁界を印加することができる。
【0009】
即ち、本発明の非可逆回路素子によれば、−35℃以上+85℃の温度範囲において永久磁石の残留磁束密度の温度係数と、フェライトからなる磁性体の飽和磁束密度の温度係数の差が大きくても、この温度係数の差は上記磁性ヨークを兼ねる金属製の上ケース又は下ケースに用いた磁性材料によって補償されるので、使用温度によって磁性体に直流バイアス磁界が強くかかることを防止でき、アイソレーションのピークがずれることが改善され、アイソレーションの周波数特性が変化するのを防止できる。
【0010】
従って、本発明の非可逆回路素子は、温度特性を向上させることができ、これにより挿入損失の温度変化を低減して信号の伝達効率を向上することができる。
また、本発明の非可逆回路素子は、上記のように金属製の上ケース又は下ケースを上記の磁性材料から構成することで、上記永久磁石と上記磁性体の温度係数の差を補償することができるので、上記永久磁石や上記磁性体として温度係数の差が大きいものを使用することができ、永久磁石や磁性体の材料選択性が広がる。
また、本発明の非可逆回路素子は、5mm角以下に小型化されたものであっても上記のような効果を得ることができる。
【0011】
また、本発明の非可逆回路素子においては、前記磁性材料のキュリー点は400℃未満であることが好ましく、100℃以上300℃以下であることがより好ましい。キュリー点が400℃未満の磁性材料は、−35℃〜+85℃付近での飽和磁束密度の温度係数が−0.19%/℃以下と変化が大きくなるので、永久磁石の残留磁束密度変化が相対的に高くなることに起因してバイアス磁界変化が大きくなるのを効果的に防ぐことができる。
キュリー点が100℃以上300℃以下の磁性材料は、−35℃〜+85℃付近で飽和磁束密度が大きく変化する(−0.52%/℃〜−0.19%/℃)ので、このような磁性材料を用いると、非可逆回路素子を−35℃〜+85℃付近で使用する場合に、永久磁石の残留磁束密度の温度係数と、フェライトからなる磁性体の飽和磁束密度の温度係数の差が大きくても、この温度係数の差は上記磁性材料によって効果的に補償できる。
【0012】
また、本発明の非可逆回路素子においては、前記磁性ヨークを兼ねる金属製の上ケース又は下ケースに用いる磁性材料が(Fe1−aCoa)100−bNibなる組成のものであれば、キュリー点が100℃以上300℃以下を示すことができる。CoをFeの10%以下の範囲で置換されていてもよく、Coが添加されることにより磁歪の低減効果が得られる。
【0013】
また、本発明の非可逆回路素子においては、前記磁性材料が前記上ケースと下ケースのうち前記永久磁石からの距離が近い方のケースに用いられていることが、使用温度が高い場合に上記磁性体の飽和磁束密度の低下割合が大きくなっても、上記永久磁石と磁性ヨークとを含む磁気回路に上記磁性材料の作用が及び易く、上記磁気回路から上記磁性体にかけられる直流バイアス磁界が小さくなり、上記永久磁石の残留磁束密度が相対的に高くなることによるバイアス磁界への影響を防止する効果を向上できる。
【0014】
また、本発明の非可逆回路素子においては、前記金属製の上ケース又は下ケースにおいて、上記磁性材料からなる部分以外の材料は、純鉄又はSPCC等のほぼ純鉄に近い材料が用いられることが好ましい。
また、本発明の非可逆回路素子においては、前記永久磁石の材料は、−35℃以上+85℃の温度範囲において前記フェライトからなる磁性体の飽和磁束密度の温度係数の絶対値より残留磁束密度の温度係数の絶対値が20%以上小さい硬磁性材料が用いられることが、本発明の効果を顕著に発揮できる点で好ましい。
また、本発明の非可逆回路素子においては、前記金属製の上ケース又は下ケースの表面に、Cu、Ag、Au、Niのうち少なくとも1種の金属メッキが施されていてもよい。
また、本発明の非可逆回路素子においては、前記金属製の上ケース又は下ケースの厚みは、120μm以下であることが、小型化及び軽量化できる点で好ましい。
【0015】
また、本発明の通信機装置は、前記のいずれかの構成の本発明の非可逆回路素子を備えたことを特徴とする。
本発明の通信機装置によれば、温度特性を向上させることにより、挿入損失の温度特性を抑制して信号の伝達効率に優れた本発明の非可逆回路素子が備えられたことで、温度安定性が高い通信機装置を提供できる。また、本発明の非可逆回路素子は、5mm角以下に小型化されたものであっても、温度特性が優れ、挿入損失の温度変化を抑制して信号の伝達効率に優れたものであるので、その結果としてこの非可逆回路素子を備えた本発明の通信機装置によれば、小型で、温度安定性が高い通信機装置を提供できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を更に詳細に説明する。
(非可逆回路素子の第1の実施の形態)
図1〜図3は本発明に係る非可逆回路素子をアイソレータとして適用した第1の実施の形態を示すものである。
この実施形態のアイソレータ1は、磁性ヨークを兼ねる金属製上ケース2と金属製下ケース3とで構成される磁気閉回路内に、後述の磁性体基板5に直流バイアス磁界を印加する永久磁石(磁石部材)4と、フェライト等の強磁性体からなる磁性体基板(磁性体)5と、中心導体6、7、8と、これら中心導体6、7、8を接続した共通電極10と、磁性体基板5の周囲に配置されたコンデンサ基板(容量素子)11、12と、終端抵抗13とを備えて構成されている。
このアイソレータ1の全体大きさは、3mm〜7mm角程度のものであり、小型化の点で5mm角以下とされるのが好ましい。このアイソレータ1は、−35℃以上+85℃の温度範囲内で使用されるものである。
【0017】
上ケース2と下ケース3は4角形状の箱型に形成されている。
上ケース2は側面視コ字型で、側面視コ字型の下ケース3に嵌め込み自在の大きさとされており、上ケース2と下ケース3の互いの開口部分を嵌め合わせることで両者を一体として箱型の磁気閉回路を構成することができるように構成されている。
上ケース2と下ケース3のうち永久磁石4からの距離が近い方のケース、本実施形態では上ケース2は、−35℃以上+85℃の温度範囲において永久磁石4の残留磁束密度の温度係数の絶対値よりも飽和磁束密度(4πMs)の温度係数(α4πMs)の絶対値が大きい磁性材料から形成されている。即ち、上ケース2を形成する磁性材料の−35℃以上+85℃の温度範囲における飽和磁束密度の温度係数の絶対値が、永久磁石4の−35℃以上+85℃の温度範囲における残留磁束密度の温度係数の絶対値より大きい。
本実施形態での永久磁石4の材質は残留磁束密度が負の温度係数を有するものであり、また、上ケース2の材質は飽和磁束密度が負の温度係数を有するものである。
本実施形態での永久磁石4の材質は、後述するように−35℃以上+85℃の温度範囲において残留磁束密度の温度係数が−0.16%/℃〜−0.2%/℃程度の硬磁性材料が用いられているので、上ケース2の材質としては−35℃以上+85℃の温度範囲において飽和磁束密度の温度係数が−0.19%/℃〜−0.52%/℃のものが用いられる。
なお、飽和磁束密度(4πMs)の温度係数(α4πMs)は、以下の式で定義される。
α4πMs=Δ4πMs/(4πMs・ΔT)
(式中、Δ4πMsは温度差ΔTにおける4πMsの変化量である。)
従って、飽和磁束密度の温度係数の絶対値は、以下の式で定義される。
|α4πMs|=|Δ4πMs/(4πMs・ΔT)|
(式中、Δ4πMsは温度差ΔTにおける4πMsの変化量である。)
【0018】
上ケース2に用いる上記磁性材料は、キュリー点が400℃未満のものであることが好ましい。キュリー点が400℃未満の磁性材料は、−35℃〜+85℃付近での飽和磁束密度の温度係数が−0.19%/℃以下と変化が大きくなるので、永久磁石の残留磁束密度変化が相対的に高くなることに起因してバイアス磁界変化が大きくなるのを効果的に防ぐことができる。
また、上ケース2に用いる上記磁性材料は、キュリー点が100℃以上300℃以下のものことがより好ましい。キュリー点が100℃以上300℃以下の磁性材料は、−35℃〜+85℃付近で飽和磁束密度が大きく低下する(−0.52%/℃〜−0.20%/℃)ので、このような磁性材料を用いると、アイソレータ1を−35℃〜+85℃付近で使用する場合に、永久磁石4の残留磁束密度の温度係数と、磁性体基板5の飽和磁束密度の温度係数の差が大きくても、この温度係数の差は上記磁性材料によって効果的に補償できる。また、上ケース2に用いる上記磁性材料のキュリー点は、さらに好ましくは100℃以上230℃以下であると良い。
【0019】
上記のような温度特性を有する磁性材料の具体例としては、(Fe1−aCoa)100−bNib なる組成式で示されるものを挙げることができる。このFe−Ni系又はFe−Co−Ni系の磁性材料において、キュリー点はNiの含有量に依存するため、上記組成式においてNiの組成比を示すbが28原子%以上41原子%以下であれば、キュリー点が100℃以上300℃以下を示すことができる。Niの含有量が41原子%を越えるとキュリー点が高くなり温度係数の補償効果が小さくなり、28原子%未満になるとキュリー点が低くなりすぎて温度係数の補償効果が大きすぎる状態となってしまう。また、Niの組成比を示すbは、より好ましくは31原子%以上36原子%以下とすると良い。
Fe又はFeとCoの含有量は、59原子%以上72原子%以下とされる。
CoはFeの10%以下の範囲で置換されていてもよく、Coが添加されることにより磁歪の低減効果が得られる。Coの添加量が10%を越える(上記組成式においてCoの組成比を示すaが0.1を越える)と、コスト高となり不利である。
【0020】
下ケース3は、SPCC等のほぼ純鉄に近い材料から形成されている。
なお、これら上下のケース2、3の表裏面にはCu、Ag、Au、Niのうち少なくとも1種の金属メッキなどの導電層が被覆形成されていることが好ましい。
上ケース2の厚みは、100〜250μm程度のものであり、小型化及び軽量化の点で120μm以下が好ましい。
下ケース3の厚みは、100〜200μm程度のものであり、小型化及び軽量化の点で120μm以下が好ましい。
なお、これらのケース2、3の形状はこの実施形態の如くコ字型に限るものではなく、複数のケースで箱型の閉磁器回路を構成するものであれば、任意の形状で差し支えない。
【0021】
前記の如く嵌め合わされた上ケース2と下ケース3が囲む空間には、換言すると上ケース2と下ケース3からなる閉磁気回路内には、先の磁性体基板5と3本の中心導体6、7、8とこれら中心導体6、7、8を接続した共通電極10とからなる磁性組立体15が収納されている。従って、本実施形態のアイソレータは磁性組立体15を有している。
磁性体基板5は、フェライトなどの強磁性体からなり、図2に示すように平面視横長の略長方形板状とされている。より詳細には、相対向する横長の2つの長辺5a、5aと、これらの長辺5a、5aに直角向きの短辺5b、5bと、長辺5a、5aの両端部側に位置して各長辺5aに対して150゜の角度で傾斜し(長辺5aの延長線に対しては30°の傾斜角度で傾斜し)、個々に先の短辺5bに接続する4つの傾斜辺5dとから構成される平面視横長の略長方形状とされている。従って磁性体基板5の平面視4つのコーナ部には、それぞれ長辺5aに対する150°傾斜(短辺5bに対して120°傾斜)の傾斜面(受面)5dが形成されている。
この磁性体基板5は、−35℃以上+85℃の温度範囲において飽和磁束密度の温度係数が−0.25%/℃程度のものであり、従って、上記温度範囲において飽和磁化の温度変化が−24%〜−32%程度のものである。このような特性を示すフェライトの具体例としては、Y3Fe4.37Al0.57O12 、Y3Fe4.105Al0.83O12等を挙げることができる。
【0022】
また、この磁性体基板5においては、その横方向、即ち長手方向の幅と、その縦方向、即ち長手方向に直交する方向の幅との比、即ち縦横比が25%(1:4)以上、80%(4:5)以下の範囲、即ち平面視横長であることが好ましい。なお、ここで、図1に示すものは平面視横長の磁性体基板5であるが、図1を90゜回転させた横方向から見ると、磁性体基板5は縦長形状となる。よって本発明では、磁性体基板5は横長形状でも縦長形状でも全く等価のものと考える。
【0023】
先の3本の中心導体6、7、8と共通電極10は図3の展開図に示すように一体化されてなり、3本の中心導体6、7、8と共通電極10とを主体として電極部16が構成されている。この共通電極10は、平面視先の磁性体基板5とほぼ相似形状の金属板からなる本体部10Aから構成されている。即ち、本体部10Aは相対向する2つの長辺部10a、10aと、これらの長辺部10a、10aに直角向きの短辺部10b、10bと、長辺部10a、10aの両端部側に位置して各長辺部10aに対して150°の角度で傾斜し、先の短辺部10bに対しては120°の傾斜角度で接続する4つの傾斜部10dとから構成される平面視略長方形(矩形状)とされている。
【0024】
そして、先の共通電極10の4つのコーナ部の傾斜部10dのうち、一方の長辺部側の2つの傾斜部10dから第1の中心導体6と第2の中心導体7が延出形成されている。まず、先の2つの傾斜部10dの一方から、第1の基部導体6aと第1の中央部導体6bと第1の先端部導体6cからなる第1の中心導体6が延出形成される一方、先の傾斜部10dの他方から、第2の基部導体7aと第2の中央部導体7bと第2の先端部導体7cとからなる第2の中心導体7が延出形成されている。
基部導体6a、7aはいずれも傾斜部10dを延長するように傾斜部10dと同じ幅に形成されていて、基部導体6a、7aはそれらの中心軸線A、Aどうしがなす角度θ1が図3に示すように60°程度とされている。
【0025】
第1の中央部導体6bは、平面視波形あるいはジクザグ状のものであり、基部導体側端部6Dと、先端部導体側端部6Fと、これらの間の中央部6Eの3つの部分からなる。第2の中央部導体7bも第1の中央部導体6bと同様の形状であり、基部導体側端部7Dと、先端部導体側端部7Fと、これらの間の中央部7Eの3つの部分からなる。第1と第2の中央部導体6b、7bを上記のような形状とすることで、中心導体の実質的な導体長を長くして第1と第2の中央部導体6b、7bのインダクタンスを大きくし、非可逆回路素子としての低周波化と小型化を両立させることができる。
基部導体側端部6D、7Dは、図3に示すようにそれらの中心軸線B、Bどうしがなす角度θ3が上記角度θ1と同程度の角度以上とされており、即ち、基部導体側端部6D、7Dが徐々に外側に広がるような角度とされている。
中央部6E、7Eは、図3に示すようにそれらの中心軸線B、Bどうしが徐々に近接するように形成されている。
先端部導体側端部6F、7Fは、図3に示すようにそれらの中心軸線B、Bどうしがなす角度θ3が上記角度θ1より大きい角度とされており、即ち、先端部導体側端部6F、7Fが徐々に外側に広がるような角度とされている。
更に先端部導体6c、7cは、図3に示すようにそれらの中心軸線C、Cどうしがなす角度θ2が150゜程度の角度以上とされており、即ち、先端部導体6c、7cが徐々に外側に広がるような角度とされている。
【0026】
次に、第1の中心導体6の幅方向中央部には、共通電極10の外周部から基部導体6aと中央部導体6bを通過し先端部導体6cの基端部まで到達するスリット部18が形成され、このスリット部18を形成することにより中央部導体6bが2本の分割導体6b1、6b2に分割され、基部導体6aも2本の分割導体6a1、6a2に分割されている。
第2の中心導体7の幅方向中央部にも上記スリット部18と同様のスリット部19が形成され、このスリット部19を形成することにより中央部導体7bが2本の分割導体7b1、7b2に分割され、基部導体7aも2本の分割導体7a1、7a2に分割されている。
スリット部18の共通電極10側の端部は、接続導体6aを通過して共通電極10の外周部から若干深い位置まで到達することで凹部18aを形成し、第1の中心導体6の線路長を若干長くしているとともに、スリット部19の共通電極10側の端部も接続導体7aを通過して共通電極10の外周部まで到達することで凹部19aを形成し、第2の中心導体7の線路長を若干長くしている。なお、凹部18a、凹部19aは必要に応じて設ければ良く、なくても良い。
【0027】
一方、共通電極10の他方の長辺部10a側の中央部に第3の中心導体8が延設されている。この第3の中心導体8は共通電極10から突出形成された第3の基部導体8aと第3の中央部導体8bと第3の先端部導体8cとから構成されている。第3の基部導体8aは、共通電極10の長辺側中央部からほぼ直角に延出形成された2本の短冊状の分割導体8a1、8a2からなり、2本の分割導体8a1、8a2の間にはスリット20が形成されている。
第3の中央部導体8bは、平面視L字型に湾曲して形成されており、先の分割導体8a1に接続する平面視L字状の分割導体8b1と先の分割導体8a2に接続する平面視L字状の分割導体8b2とからなり、第3の中央部導体8bをこのように湾曲して形成することにより中心導体の実質的な導体長を長くしてインダクタンスを大きくし、非可逆回路素子としての低周波化と小型化を両立させることができる。
【0028】
更に、これらの分割導体8b1、8b2の先端側はL字型の第3の先端部導体8cに一体化されている。この第3の先端部導体8cは、先の分割導体8b1、8b2を一体化して先の分割導体8a1、8a2と同じ方向に向けて延出形成された接続部8c1とこの接続部8c1に対してほぼ直角方向に延出形成された接続部8c2とから構成されている。
次に、共通電極10の一方の長辺部10a側において、第3の中心導体8の分割導体8a1、8a2の間の部分には、共通電極10の長辺部10aを一部切り欠く形で凹部10eが形成され、この凹部10eを形成することで第3の中心導体8の線路長が若干長くされている。なお、この凹部10eも、先の凹部18a、19aと同じく、必要に応じて設ければ良い。
【0029】
前記の如く構成された電極部16は、その共通電極10の本体部10Aを磁性体基板5の裏面側(一面側)に添わせ、第1の中心導体6と第2の中心導体7と第3の中心導体8とを磁性体基板5の表面側(他面側)に折り曲げて磁性体基板5に装着され、磁性体基板5とともに磁性組立体15を構成している。
即ち、第1の中心導体6の分割導体6a1、6a2を磁性体基板5の1つの傾斜面5dの縁に沿って折り曲げ、第2の中心導体7の分割導体7a1、7a2を磁性体基板5の他の1つの傾斜面5dの縁に沿って折り曲げ、第3の中心導体8の分割導体8a1、8a2を磁性体基板5の長辺5aの縁に沿って折り曲げ、第1の中心導体6の中央部導体6aを磁性体基板5の表面(他面)に沿って添わせ、第2の中心導体7の中央部導体7bを磁性体基板5の表面(他面)に沿って添わせ、更に第3の中心導体8の中央部導体8bを磁性体基板5の表面部の中央部分に沿って添わせることで電極部16が磁性体基板5に装着されて磁性組立体15とされている。
【0030】
第1と第2の中央部導体6b、7bは上記構成とされているので、上記のように磁性体基板5の表面(他面)に沿って添わせると、該磁性体基板5の表面上で第1と第2の中央部導体6b、7bが交差している。図1には、中央部6E、7Eが重複している場合を図示した。
第1と第2の中央部導体6b、7bの交差部35の両中央部導体の重複部分の長さL3は、磁性体基板5の表面(他面)に重なる中央部導体部分の長さL4の10%以上、好ましくは20%以上とされている。図1には、交差部35の両中央部導体の重複部分の長さL3が磁性体基板5の表面に重なる中央部導体部分の長さL4の約75%である場合を図示した。
なお、第1と第2の中央部導体6b、7bの重複部分の長さL3の上限としては、第1と第2の中心導体6、7の形状等を変更、例えば、第1と第2の基部導体6a、7aの中心軸線A、Aどうしがなす角度θ1や第1と第2の中央部導体6b、7bの各部分の中心軸線B、Bどうしがなす角度θ3を変更することにより、磁性体基板5の表面に重なる中央部導体部分の長さL4の100%まで可能である。
【0031】
また、第1と第2の中央部導体6b、7bの重複部分が交差する場合、その交差角度が30度以下であることが好ましく、さらに好ましくは15度以下である。
また、第1と第2の中央部導体6b、7bの重複部分の第1と第2の中央部導体6b、7bは交差せず、略平行であることがさらに好ましい。
図1には、中央部6E、7Eの中心軸線B、Bが平行である場合を図示した。なお、図1(A)では略したが、磁性体基板5と第1の中心導体6と第2の中心導体7と第3の中心導体8との間には各々に絶縁シートZが介在されて各中心導体6、7、8は個々に電気的に絶縁されている。
【0032】
次に、磁性組立体15は下ケース3の底部中央側に配置され、下ケース3の底部側の磁性組立体15の両側部分には平面視細長で先の磁性体基板5の半分程度の厚さの板状のコンデンサ基板(容量素子)11、12が収納され、コンデンサ基板12の一側部側には終端抵抗13が収納されている。
そして、先の第1の中心導体6の先端部導体6cを先のコンデンサ基板11の一側端部に形成されている電極部11aに電気的に接続し、先の第2の中心導体7の先端部導体7cを先のコンデンサ基板11の他側端部に形成されている電極部11bに電気的に接続し、先の第3の中央部導体8の先端部導体8cをコンデンサ基板12と終端抵抗13に電気的に接続して磁性組立体15にコンデンサ基板11、12と終端抵抗13とが接続されている。なお、終端抵抗13を接続しなければ、サーキュレータとして作用する。
【0033】
先端部導体7cの部分が接続されたコンデンサ基板11の端部側に非可逆回路素子1としての第1ポートP1が形成され、先端部導体6cの部分が接続されたコンデンサ基板11の端部側に非可逆回路素子1としての第2ポートP2が形成され、先端部導体8cの部分が接続された終端抵抗13の端部側がアイソレータ1としての第3ポートP3とされている。
【0034】
また、下ケース3と上ケース2との間の空間部において磁性組立体15はその空間部の厚さの半分程を占有する厚さに形成されているので、磁性組立体15よりも上ケース2側の空間部分には、図1Bに示すスペーサ部材30が収納され、該スペーサ部材30に永久磁石4が設置されている。この永久磁石4の材質は、−35℃以上+85℃の温度範囲において残留磁束密度の温度係数が−0.16%/℃〜−0.2%/℃であり、従って上記温度範囲において残留磁束密度の温度係数の絶対値が0.16%/℃〜0.2%/℃程度の硬磁性材料が用いられている。また、この永久磁石4の材質は、−35℃以上+85℃の温度範囲において磁性体基板5の飽和磁束密度の温度係数の絶対値より残留磁束密度の温度係数の絶対値が20%以上小さい硬磁性材料が用いられる。上記のような温度特性を有する硬磁性材料しては、フェライト磁石等が挙げられる。
【0035】
先のスペーサ部材30は、上ケース2の内部に収納可能な大きさの平面視矩形板状の基板部31と、この基板部31の底部側の4隅の各コーナ部分に形成された脚部31aとからなり、基板部31において脚部31a…が形成されていない側の面(上面)に円型の収納凹部31bが形成され、該収納凹部31bの底面側には基板部31を貫通する矩形型の透孔(図示略)が形成されている。
【0036】
そして、先の収納凹部31bに円盤状の永久磁石4が嵌め込まれ、この永久磁石4を備えた状態のスペーサ部材30がそれらの4つの脚部30aで先のコンデンサ基板11、12とこれらに接続されている第1の先端部導体6c、7c、並びに、終端抵抗13とこれに接続されている先端部導体8cの先端部を下ケース3の底部側に押さえ付け、スペーサ部材30の底部により磁性組立体15を下ケース3の底面側に押さえ付けた状態でケース2、3の間に収納されている。
アイソレータ1は、上記のようにして第1の中心導体6と第2の中心導体7がいずれも磁性体基板5の表面側に折り畳まれたので、入力側の中心導体から磁性体基板5に入力された信号を出力側に伝搬させることができる。
【0037】
本実施の形態のアイソレータ1は、−35℃以上+85℃の温度範囲において永久磁石4の残留磁束密度の温度係数の絶対値よりも飽和磁束密度の温度係数の絶対値が大きい磁性材料から上ケース2を構成したので、−35℃以上+85℃の温度範囲において使用温度が高い場合に永久磁石4の残留磁束密度の低下割合は小さく、磁性体基板5の飽和磁束密度の低下割合が大きくなっても、上ケース2を構成する磁性材料の飽和磁束密度の低下割合は大きくなるので、永久磁石4と上下のケース2、3とで構成される磁気回路から磁性体基板5にかけられる直流バイアス磁界は上記磁性材料の作用によって少なくなり、永久磁石4の残留磁束密度が相対的に高くなることによるバイアス磁界への影響を防止でき、磁性体基板5に適正な直流バイアス磁界を印加することができる。
一方、使用温度が低い場合には磁性体基板5の飽和磁束密度の低下割合が小さく、また、上記磁性材料の飽和磁束密度の低下割合も小さいので、永久磁石4の残留磁束密度が相対的に高くなることがなく、磁性体基板5に適正な直流バイアス磁界を印加することができる。
従って、本実施形態のアイソレータ1によれば、温度特性を向上させたものであるので、使用温度によって磁性体基板5に直流バイアス磁界が強くかかることを防止でき、アイソレーションのピークがずれることが改善され、アイソレーションの周波数特性が変化するのを防止できるので、これにより広い温度範囲で挿入損失を低減して信号の伝達効率を向上することができる。
【0038】
図4Aは、先の実施の形態のアイソレータ1が組み込まれる携帯電話装置(通信機装置)の回路構成の一例を示すもので、この例の回路構成においては、アンテナ40にアンテナ共用器(ディプレクサ)41が接続され、アンテナ共用器41の出力側にローノイズアンプ(増幅器)42と段間フィルタ48と選択回路(混合回路)43を介して受信回路(IF回路)44が接続され、アンテナ共用器41の入力側に先の実施の形態のアイソレータ1とパワーアンプ(増幅器)45と選択回路(混合回路)46を介して送信回路(IF回路)47が接続され、選択回路43、46に分配トランス49を介して局部発振器49aに接続されて構成されている。
先の構成のアイソレータ1は図4Aに示すような携帯電話装置の回路に組み込まれて使用され、アイソレータ1からアンテナ共振器41側への信号は低損失で通過させるが、その逆方向の信号は損失を大きくして遮断するように作用する。これにより、増幅器45側のノイズ等の不要な信号を増幅器45側に逆入力させないという作用を奏する。
【0039】
図4Bは図1から図3に示した構成のアイソレータ1の動作原理を示すものである。図4Bに示す回路に組み込まれているアイソレータ1は、符号▲1▼で示す第1ポートP1側から符号▲2▼で示す第2ポートP2方向への信号は伝えるが、符号▲2▼の第2ポートP2側から符号▲3▼の第3ポートP3側への信号は終端抵抗13により減衰させて吸収し、終端抵抗13側の符号▲3▼で示す第3ポートP3側から符号▲1▼で示す第1ポートP1側への信号は遮断する。
従って、本実施形態のアイソレータ1が回路に組み込まれた携帯電話装置は、温度安定性が高く、信頼性が優れるという利点がある。
【0040】
(非可逆回路素子の第2の実施の形態)
図5は本発明に係る非可逆回路素子をアイソレータとして適用した第2の実施の形態を示すもので、この実施形態のアイソレータ70は、磁性ヨークを兼ねる上ケース71と下ケース72とからなる閉磁気回路の内部に、換言すると、上ケース71と下ケース72の間に、4角板状の永久磁石75とスペーサ部材76と磁性組立体195とコンデンサ基板(容量素子)58、59、60と終端抵抗61とこれらを収容する樹脂ケース62とを収容して構成されている。上ケース71は、先の実施形態の上ケース2と同じ材質のものから形成されている。下ケース72は、先の実施形態の下ケース3と同じ材質のものから形成されている。永久磁石75は、先の実施形態の永久磁石4と同じ材質のものから形成されている。
【0041】
磁性組立体95は先の第1の実施の形態と同等の電極部16が平面視略長方形状の磁性体基板65に巻き付けられて構成されている。この磁性体基板65は先の実施形態の横長の磁性体基板5とほぼ同じ形状であるが若干正方形状に近い長方形板状とされている。この磁性体基板65は、先の実施形態の磁性体基板5と同じ材質のものから形成されている。
【0042】
磁性体基板65に巻き付けられた電極部16は、第1の中心導体6の先端部導体を先のコンデンサ基板59の一側端部に形成されている電極部(図示略)に電気的に接続し、第2の中心導体7の先端部導体を先のコンデンサ基板58の他側端部に形成されている電極部(図示略)に電気的に接続し、第3の中央部導体8の先端部導体をコンデンサ基板60と終端抵抗61に電気的に接続して磁性組立体65にコンデンサ基板58、59、60と終端抵抗61とが接続されている。図7に示す構造のアイソレータ70においても先の実施の形態のアイソレータ1と同等の効果を得ることができる。
【0043】
なお、上記の実施形態においては、上下のケース内に収納される磁性組立体に備えられる3つの中心導体6、7、8が図1乃至図3、図5に示したような形状である場合について説明したが、3つの中心導体は、共通電極外周部から3方向に延出形成され、磁性体基板を包むように上記磁性体基板の他面側に折り曲げたときに各中心導体が上記他面側で相互に所定の角度でもって交差するものであれば、他の形状のものであってもよい。
また、上記の実施の形態においては、上ケースを−35℃以上+85℃の温度範囲において永久磁石の残留磁束密度の温度係数の絶対値よりも飽和磁束密度の温度係数の絶対値が大きい磁性材料から形成した場合について説明したが、上ケースの少なくとも一部が上記磁性材料から形成されていてもよい。また、下ケースの方が永久磁石からの距離が近い場合は、下ケースの少なくとも一部が上記磁性材料から形成されていてもよい。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
(実験例1)
アイソレータを構成する永久磁石に用いる材料の残留磁束密度と磁性体基板に用いる材料の飽和磁束密度の温度依存性についてそれぞれ調べた。永久磁石に用いる材料は、フェライト磁石を使用した。磁性体基板に用いる材料としてはY3Fe4.37Al0.57O12を使用した。
ここでの飽和磁束密度の温度特性は、−35℃〜+85℃の範囲で雰囲気温度を変更したときの各材料の飽和磁束密度Bs(永久磁石材料については残留磁束密度Br)を測定し、飽和磁束密度の変化率(永久磁石材料については残留磁束密度の変化率)を調べた。その結果を図6に示す。図6は、永久磁石材料と磁性体基板材料の温度依存性を示すグラフであり、横軸のTは雰囲気温度(℃)、縦軸の変化(%)は、雰囲気温度が25℃のときの飽和磁束密度Bs25の値に対する各温度での飽和磁束密度Bsの値の変化率(Bs/Bs25%)(永久磁石材料については雰囲気温度が25℃のときの残留磁束磁束密度の値に対する各温度での残留磁束密度の値の変化率(Br/Br25%)であり、▲1▼線は永久磁石材料の残留磁束密度の温度特性、▲2▼線は磁性体基板材料の飽和磁束密度の温度特性を示している。
【0045】
図6に示す結果から磁性体基板材料のY3Fe4.37Al0.57O12は−35℃〜+85℃の範囲における飽和磁束密度は35%低下(−35℃のときのBs/Bs25(%)に対して85℃のときのBs/Bs25(%)は35%低下)しており、一方、永久磁石材料のフェライト磁石は−35℃〜+85℃の範囲における残留磁束密度は21.6%低下しており(−35℃のときのBs/Bs25 (%)に対して85℃のときのBs/Bs25(%)は21.6%低下)しており、−35℃〜+85℃の範囲では磁性体基板材料と永久磁石材料の温度特性の差が大きいことがわかる。
【0046】
(実験例2)
上ケース2の厚さtを0.2mm、材質をFe69Ni31とし、下ケース3の厚さtを0.1mm、材質を純鉄とし、永久磁石4の材質をフェライト磁石とし、磁性体基板5の材質をY3Fe4.37Al0.57O12とし、コンデンサ基板11、12としては日本タングステン単板型コンデンサ(CaTiO3系)を使用し、目標アイソレーション周波数ピークを0.9GHzにした以外は図1乃至図3に示したアイソレータ1と同様のアイソレータを作製し、実施例1とした。
この実施例1のアイソレータの永久磁石4の残留磁束密度の温度係数は−0.18%/℃、従って温度係数の絶対値は0.18%/℃、下ケース3の飽和磁束密度は−1.0%変化(−35℃のときの飽和磁束密度に対して85°℃のときの飽和磁束密度が1.0%低下)、飽和磁束密度の温度係数は−0.01%/℃、従って温度係数の絶対値は0.01%/℃、磁性体基板5の飽和磁束密度の温度係数は−0.25%/℃、従って、温度係数の絶対値は0.25%/℃ 、上ケース2の飽和磁束密度(4πMs)は−62%変化(−35℃のときの飽和磁束密度に対して85°℃のときの飽和磁束密度が62%低下)しており、飽和磁束密度の温度係数は−0.52%/℃、従って、温度係数の絶対値は0.52%/℃であった。
【0047】
上ケース2の厚さtを0.15mmとした以外は上記実施例1と同様のアイソレータを作製し、実施例2とした。この実施例2のアイソレータの上ケース2の飽和磁束密度の温度係数は−0.52%/℃、従って、温度係数の絶対値は0.52%/℃であった。
上ケース2の厚さtを0.2mm、材質をFe68Ni32とし、下ケース3の厚さtを0.1mm、材質を純鉄とした以外は上記実施例1と同様のアイソレータを作製し、実施例3とした。
上ケース2の厚さtを0.2mm、材質をFe67.7Ni32.3とし、下ケース3の厚さtを0.1mm、材質を純鉄とした以外は上記実施例1と同様のアイソレータを作製し、実施例4とした。
【0048】
上ケース2の厚さtを0.1mm、材質を純鉄とし、下ケース3の厚さtを0.1mm、材質を純鉄とした以外は上記実施例1と同様のアイソレータを作製し、比較例1とした。この比較例1の上下ケース2、3の飽和磁束密度の温度係数は−0.01%/℃、従って温度係数の絶対値は0.01%/℃であった。
上ケース2の厚さtを0.1mm、材質をFe58Ni42(42アロイ材)とし、下ケース3の厚さtを0.1mm、材質を純鉄とした以外は上記実施例1と同様のアイソレータを作製し、比較例2とした。この比較例2のアイソレータの上ケース2の飽和磁束密度の温度係数は−0.11%/℃、従って、温度係数の絶対値は0.11%/℃であった。
【0049】
次に、作製した実施例1〜4、比較例1〜2のアイソレータのアイソレーション周波数の温度特性について調べた。
ここでのアイソレーション周波数の温度特性は、−35℃〜85℃の範囲で雰囲気温度を変更したときの各アイソレータのアイソレーション周波数Fのピークの測定し、アイソレーション周波数ピークの変化量ΔFを調べた。その結果を表1と図7に示す。図7のグラフの横軸のTは雰囲気温度(℃)、縦軸のΔFは雰囲気温度が25℃のときのアイソレーション周波数ピークの値と各温度でのアイソレーション周波数ピークの値の差である。
【0050】
【表1】
【0051】
図7と表1に示す結果から上下のケース共純鉄から形成した比較例1のアイソレータは、ΔFが−23.0〜+30.0の間で変化しており、上ケースをFe58Ni42から形成した比較例2のアイソレータは、ΔFが−23.5〜+28.3の間で変化しており、比較例1〜2のものはアイソレーション周波数ピークの温度特性が悪いことがわかる。
これに対して上ケースをFe69Ni31から形成した実施例2のアイソレータは、ΔFが−8.6〜0の間で変化しており、比較例1〜2のものに比べてΔFが小さく、アイソレーション周波数ピークの温度特性が優れており、また、実施例2のものより上ケースの厚みを厚くした実施例1はΔFが−5.1〜0間で変化しており、実施例2のものよりアイソレーション周波数ピークの温度特性がさらに優れていることがわかる。
また、図7と表1に示す結果から実施例3のアイソレータの85℃でのΔFは+5.5であり、実施例4のアイソレータの85℃でのΔFは+7.8であり、比較例1〜2のものに比べてΔFが小さく、アイソレーション周波数ピークの温度特性が優れていることがわかる。
【0052】
(実験例3)
上記で作製した実施例1のアイソレータを25℃と85℃で使用したときのアイソレーションの周波数特性をそれぞれ測定した。その結果を図8に示す。ここでのアイソレーションの周波数特性はアイソレータ部を試験槽に入れ、25℃及び85℃にそれぞれ安定した後にネットワークアナライザで測定した。
図8に示す結果から実施例1のアイソレータは、25℃で使用したときの周波数ピークは926MHz付近にあり、85℃で使用したときも同様に周波数ピークは926MHz(0.926GHz)付近にあることから使用温度が変化してもアイソレーション周波数ピークのずれが小さいことがわかる。従って、実施例1のアイソレータは、温度特性が向上しており、挿入損失の温度変化も抑制できている。また同様に信号の伝達効率を向上できることがわかる。
【0053】
(実験例4)
Fe100−bNibなる組成の磁性材料のNi量(原子%)とキュリー点Tc(℃)と飽和磁束密度Bs(T)の温度変化との関係を調べた。その結果を表2と図9に示す。図9は、Fe100−bNibなる組成の磁性材料のNi量と飽和磁束密度の温度変化との関係を示すグラフである。
【0054】
【表2】
【0055】
表2と図9からFe100−bNibなる組成の磁性材料においてNiの含有量が42原子%未満、例えば、Niの含有量が41原子%であればキュリー点Tcが400℃未満以下を示し、また、Niの含有量が31原子%以上41原子%以下であればキュリー点Tcが100℃以上400℃未満を示すと考えられる。また、Niの含有量が31原子%以上36原子%以下であればキュリー点Tcが100℃以上230℃以下を示すことがわかる。
また、Tcが100℃以上400℃未満を示す各磁性材料の−35℃〜85℃の飽和磁束密度の変化量は、約−61.8%以上約−13.7%未満になっており、Tcが400℃のFe58Ni42なる組成の磁性材料(比較例2)ではバイアス磁界の補正効果が小さくなっていることがわかる。従って、バイアス磁界の補正効果を得る上では、より好ましくはTcが230℃以下を示す磁性材料を用いることが良いことがわかる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の非可逆回路素子においては、磁性ヨークを兼ねる金属製の上ケース又は下ケースは、−35℃以上+85℃の温度範囲において永久磁石の残留磁束密度の温度係数の絶対値よりも飽和磁束密度の温度係数の絶対値が大きい磁性材料から形成されたことにより、−35℃以上+85℃の温度範囲において永久磁石の残留磁束密度の温度係数と、フェライトからなる磁性体の飽和磁束密度の温度係数の差が大きくても、この温度係数の差は上記磁性ヨークを兼ねる金属製の上ケース又は下ケースに用いた磁性材料によって補償され、使用温度によって磁性体に直流バイアス磁界が強くかかることを防止できるので、温度特性が向上したものとなり、これによってアイソレーションの温度変化が改善され、信号の伝達効率に優れた非可逆回路素子を提供できる。
また、本発明の通信機装置によれば、温度特性を向上させることにより、挿入損失の温度変化を抑制して信号の伝達効率に優れた本発明の非可逆回路素子が備えられたことで、温度安定性が高い通信機装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aは本発明の第1の実施の形態に係るアイソレータの一部分を取り除いた状態を示す平面図、図1Bは同アイソレータの断面図である。
【図2】 図2は本発明に係るアイソレータに用いられる磁性体基板の一例を示す平面図。
【図3】 図3は本発明に係るアイソレータに用いられる電極部の展開図である。
【図4】 図4Aはこの種のアイソレータが備えられる電気回路の一例を示す図、図4Bはアイソレータの動作原理を示す図である。
【図5】 図5は本発明に係るアイソレータの他の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図6】 図6は永久磁石材料と磁性体基板材料の温度依存性を示すグラフである。
【図7】 図7は実施例1〜4、比較例1〜2のアイソレータのアイソレーション周波数の温度特性を示すグラフである。
【図8】 図8は実施例1のアイソレータのアイソレーションの周波数特性を示すグラフである。
【図9】 図9はFe100−bNibなる組成の磁性材料のNi量と飽和磁束密度の温度変化との関係を示すグラフである。
【図10】 図10は従来のアイソレータの例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1,70…アイソレータ(非可逆回路素子)、2,71…上ケース(磁性ヨークを兼ねる金属製ケース)、3,72…下ケース(磁性ヨークを兼ねる金属製ケース)、4,75…永久磁石、5,65…磁性体基板(磁性体)、6…第1の中心導体、7…第2の中心導体、8…第3の中心導体、11,12,58,59,60…コンデンサ基板(容量素子)、15,95…磁性組立体、16…電極部。
Claims (5)
- フェライトからなる磁性体の一面側に共通電極が配置され、この共通電極外周部から3方向に延出形成された3つの中心導体が、前記フェライトに配置された磁性組立体と、前記の各中心導体に対応して設けられるとともに対応する中心導体に接続される容量素子と、前記磁性体に直流バイアス磁界を印加する永久磁石とが、磁性ヨークを兼ねる金属製の上ケースと下ケースとの間に収納されてなり、
前記上ケース又は下ケースの飽和磁束密度及び前記永久磁石の残留磁束密度は負の温度係数を有し、−35℃以上+85℃の温度範囲において前記永久磁石の残留磁束密度の温度係数の絶対値よりも前記上ケース又は下ケースの飽和磁束密度の温度係数の絶対値が大きくなるように、前記上ケース又は下ケースが下記組成式で示される磁性材料から形成されていることを特徴とする非可逆回路素子。
(Fe 1−a Co a ) 100−b Ni b
但し、組成比を示すa、bは原子%で、0≦a≦0.1、28≦b≦41である。 - 前記磁性材料のキュリー点は400℃未満であることを特徴とする請求項1記載の非可逆回路素子。
- 前記磁性材料のキュリー点は100℃以上300℃以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の非可逆回路素子。
- 前記磁性材料は前記上ケースと下ケースのうち前記永久磁石からの距離が近い方のケースに用いられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の非可逆回路素子。
- 前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の非可逆回路素子を備えたことを特徴とする通信機装置。
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