JP2004289291A - アイソレータ及び通信機装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】終端側のコンデンサを小型化することにより、小型のアイソレータを提供する。
【解決手段】板状磁性体5の一面5b側に共通電極10が配置されるとともに板状磁性体5の他面5a側に第1、第2、第3中心導体6b、7b、8bが相互に交差された状態で配置され、各中心導体6b、7b、8bの一端側に共通電極10が接続されるとともに中心導体6b、7b、8bの他端側に整合用容量素子11a、11b、12が各々接続され、第3中心導体8bの他端側には終端抵抗素子15が接続されてなり、第3中心導体8bに接続される整合用容量素子12のQ値が200以下であるとともに静電容量が18pF以上であり、第1、第2中心導体6b、7bに接続される整合用容量素子11a、11bのQ値が400以上であることを特徴とするアイソレータ1を採用する。
【選択図】 図1
【解決手段】板状磁性体5の一面5b側に共通電極10が配置されるとともに板状磁性体5の他面5a側に第1、第2、第3中心導体6b、7b、8bが相互に交差された状態で配置され、各中心導体6b、7b、8bの一端側に共通電極10が接続されるとともに中心導体6b、7b、8bの他端側に整合用容量素子11a、11b、12が各々接続され、第3中心導体8bの他端側には終端抵抗素子15が接続されてなり、第3中心導体8bに接続される整合用容量素子12のQ値が200以下であるとともに静電容量が18pF以上であり、第1、第2中心導体6b、7bに接続される整合用容量素子11a、11bのQ値が400以上であることを特徴とするアイソレータ1を採用する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アイソレータ及び通信機装置に関するものであり、特に、従来よりも小型化することが可能なアイソレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
集中定数型のアイソレータは、信号を伝送方向に損失なく通過させ、逆方向への信号の通過を阻止する機能を備えた高周波部品であり、携帯電話等の移動通信装置の送信回路部に使用されている。一般にアイソレータは、フェライト等からなる板状磁性体と、板状磁性体の一面側に配置された共通電極と、板状磁性体の他面側に相互に交差した状態で配置された複数の中心導体と、各中心導体に接続された整合用のコンデンサと、一の中心導体に接続された終端抵抗素子とを備えて構成されている。整合用のコンデンサとしては、高いQ値を有するものが挿入損失を低減する上で必要とされることから、下記特許文献1及び2に記載されているように、従来から単板型コンデンサが用いられている。
最近では、携帯電話等の高機能化に伴って、アイソレータの小型化の要請がある。
【0003】
動作周波数を維持させつつアイソレータの小型化を達成する上で問題となるのは、中心導体のインダクタンス(以下、Lと表記)と整合用コンデンサの静電容量(以下、Cと表記)の兼ね合いである。即ち、アイソレータの小型化を図るためには板状磁性体の小型化が避けられず、これに伴って中心導体の導体長が減少してLが低下する。ここで特に問題となるのは、入出力端子に接続される中心導体のLが低下すると、その分コンデンサのCを大きくせざるを得ないが、これによりアイソレータの挿入損失が増大するといった問題がある。
また、単板型コンデンサのCを大きくするには、コンデンサを大きくするか、厚みを薄くする必要があるが、コンデンサを大きくすることはアイソレータの小型化の要請に反し、厚みを薄くするとコンデンサが破損され易くなるという問題が生じる。また下記特許文献3及び4に記載されたように、単板型コンデンサよりも小型のチップ型コンデンサを採用することも考えられるが、チップ型コンデンサは一般にQ値が低く、アイソレータの挿入損失が著しく増大するという問題がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−58525号公報
【特許文献2】
特開平11−97908号公報
【特許文献3】
実開平5−93110号公報
【特許文献4】
実開昭62−86706号公報
【0005】
そこで、板状磁性体を平面視略長方形状に成形し、入出力端子に接続される中心導体を板状磁性体の長手方向に沿って重ねることで中心導体の導体長を可能な限り長くすることにより、中心導体のLを高く維持してその分コンデンサのCを小さくすることが検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
その一方で、終端抵抗に接続される中心導体は、板状磁性体の短手方向に沿って重ねざるを得ず、中心導体のLが小さくなる。このため、かかる中心導体に接続されるコンデンサについてはその静電容量Cを大きくしなければならない。従来のアイソレータにおいては、終端側のコンデンサについても単板型コンデンサを用いていたため、静電容量Cを大きくすることによりコンデンサが大型化し、これがアイソレータを小型化する上での最大の障害になっていた。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、終端側のコンデンサを小型化することにより、小型のアイソレータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明のアイソレータは、板状磁性体の一面側に共通電極が配置されるとともに前記板状磁性体の他面側に第1、第2、第3の中心導体が相互に交差された状態で配置され、各中心導体の一端側に前記共通電極が接続されるとともに各中心導体の他端側に整合用容量素子が各々接続され、更に前記第3の中心導体の他端側には終端抵抗素子が接続されてなり、前記第3中心導体に接続される整合用容量素子のQ値が200以下であるとともに静電容量が18pF以上であり、かつ前記第1、第2の中心導体に接続される整合用容量素子のQ値が400以上であることを特徴とする。
特に本発明は、3.5mm角以下の大きさのアイソレータに好適に適用される。
【0009】
上記のアイソレータによれば、第3中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が200以下のものを用いるとともに、第1、第2の中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が400以上のものを用いることにより、挿入損失を低減することができる。
また第3中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量が18pF以上と比較的大きいので、第3中心導体の導体長を短くすることができ、アイソレータの小型化を図ることができる。
本発明において、第3中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が200以下のものを用いることができるのは、第3中心導体が終端電極としての役割を担うものであり、第1、第2中心導体のように挿入損失を低減する必要がなく、比較的Q値が小さなコンデンサを使用しても挿入損失への影響が小さいためである。
【0010】
また、本発明のアイソレータは、前記第3中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量が、前記第1、第2中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量より大きくされたことを特徴とする。
【0011】
かかる構成により、第3中心導体のインダクタンスを他の中心導体よりも小さく、即ち第3中心導体の導体長を短くすることができ、アイソレータの小型化を図ることができる。
【0012】
また、本発明のアイソレータにおいては、前記第3中心導体に接続される整合用容量素子が、チップ型コンデンサであることが好ましい。
先に記載したように、第3中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が小さなコンデンサを用いることができるので、かかるコンデンサのみをチップ型コンデンサにすることができ、これによりアイソレータの小型化を図ることができる。
【0013】
また、本発明のアイソレータにおいては、前記第3中心導体に接続される整合用容量素子が、誘電率200以上の単板型コンデンサであることが好ましい。
先に記載したように、第3中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が小さなコンデンサであれば、それが単板型コンデンサであっても誘電率が200以上であれば、本発明のアイソレータに好適に用いることができる。即ち、誘電率が200以上であれば、単板型コンデンサであっても小型なものを用いることができ、これによりアイソレータの小型化を図ることができる。
【0014】
また、本発明のアイソレータは、先に記載のアイソレータであって、前記板状磁性体が長辺を有する平面視略四角形状とされ、前記第1、第2中心導体が前記板状磁性体の長辺方向にほぼ沿うように配置され、前記第3中心導体が前記第1、第2中心導体より短く形成されていることを特徴とする。
【0015】
かかるアイソレータによれば、第1、第2中心導体が板状磁性体の長辺方向にほぼ沿うように配置されることで、第1、第2中心導体の導体長を比較的長くすることができ、各中心導体のインダクタンスが大きくなって挿入損失を低減できる。また、第3中心導体を第1、第2中心導体より短くすることにより、板状磁性体の短辺方向の長さを更に短くすることができ、アイソレータの小型化を図ることができる。
【0016】
また、本発明のアイソレータにおいては、前記第3中心導体に接続される整合用容量素子の平面視形状が、前記第1、第2中心導体に接続される整合用容量素子の平面視形状よりも大きいことが好ましい。
第1〜第3中心導体に接続される整合用容量素子の全てが単板型コンデンサである場合に、第3中心導体に接続される整合用容量素子を、他の整合用容量素子より大きくすることで、相対的に当該他の整合用容量素子の静電容量を小さくすることができ、これにより挿入損失を低減することができる。
【0017】
また、本発明のアイソレータにおいては、前記第3中心導体に接続される整合用容量素子の厚みが、前記第1、第2中心導体に接続される整合用容量素子の厚みより小さくされたことが好ましい。
第1〜第3中心導体に接続される整合用容量素子の全てが単板型コンデンサである場合に、第3中心導体に接続される整合用容量素子の厚みを、他の整合用容量素子より小さくすることで、相対的に当該他の整合用容量素子の静電容量を小さくすることができ、これにより挿入損失を低減することができる。
【0018】
また、本発明のアイソレータにおいては、前記第3中心導体に接続される整合用容量素子の誘電率が、前記第1、第2中心導体に接続される整合用容量素子の誘電率より大きくされたことが好ましい。
第1〜第3中心導体に接続される整合用容量素子の全てが単板型コンデンサである場合に、第3中心導体に接続される整合用容量素子の誘電率を、他の整合用容量素子より大きくすることで、相対的に当該他の整合用容量素子の静電容量を小さくすることができ、これにより挿入損失を低減することができる。
【0019】
次に、本発明の通信機装置は、先のいずれかに記載のアイソレータと、該アイソレータの前記第1または第2中心導体に接続された送信回路部と、前記第2または第1中心導体に接続されたアンテナとを具備してなることを特徴とする。
【0020】
かかる通信機装置によれば、先のいずれかに記載の小型のアイソレータを備えているので、通信機装置自体を小型化できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図3に本実施形態のアイソレータを示す。本実施形態のアイソレータ1は、上ヨーク2と下ヨーク3とで構成される磁気閉回路内に、磁性組立体15と、磁性組立体15の周囲に配置されたコンデンサ(整合用容量素子)11a、11b、12と終端抵抗素子13と、が収納されて構成されている。
【0022】
磁性組立体15は、図1A及び図1Bに示すように、板状磁性体5の一面5a側に共通電極10が配置されるとともに板状磁性体5の他面5b側に第1、第2、第3の中心導体6b、7b、8bが相互に交差された状態で配置され、各中心導体6b、7b、8bの一端側に共通電極10が接続されるとともに各中心導体6b、7b、8bの他端側にコンデンサ11a、11b、12が各々接続され、更に第3の中心導体の他端側には終端抵抗素子13が接続されて構成されている。また、板状磁性体5と第1中心導体6bと第2中心導体7bと第3中心導体8との間には各々絶縁シートZが介在されており、各中心導体6b、7b、8が個々に絶縁されている。
【0023】
磁性組立体15は下ヨーク3の底部中央側に配置され、下ヨーク3の底部側の磁性組立体15の一方の側にコンデンサ12が収納され、他方の側にコンデンサ11a、11bが収納され、コンデンサ12の一側部側には終端抵抗13が収納されている。
そして、第1中心導体6bの他端側に形成された先端部導体6cがコンデンサ11aに接続され、第2中心導体7bの他端側に形成された先端部導体7cがコンデンサ11bに接続され、第3中心導体8の他端側に形成された先端部導体8cがコンデンサ12と終端抵抗素子13に接続されている。
【0024】
そして、コンデンサ11bにアイソレータ1としての第1ポートP1が接続され、コンデンサ11aにアイソレータ1としての第2ポートP2が接続され、終端抵抗素子13にアイソレータ1としての第3ポートP3が接続されている。
【0025】
また、下ヨーク3と上ヨーク2との間の空間部において磁性組立体15はその空間部の厚さの半分程を占有する厚さに形成されており、磁性組立体15の上ヨーク2側には、図1Bに示すスペーサ部材30が収納され、該スペーサ部材30に磁石部材4が設置されている。
スペーサ部材30は、平面視矩形板状の基板部31と、この基板部31の底部側の4隅の各コーナ部分に形成された脚部31aとからなり、基板部31において脚部31aの反対側の面に円型の収納凹部31bが形成されている。そして、収納凹部31bに永久磁石からなる磁石部材4が嵌め込まれている。
【0026】
また、図1Aに示すように、板状磁性体5は長辺を有する平面視略四角形状、即ち略長方形状とされている。また、第1、第2中心導体6b、7bが板状磁性体5の長辺方向(図中横方向)にほぼ沿うように配置され、第3中心導体8が板状磁性体5の短辺方向(図中縦方向)にほぼ沿うように配置されている。このようにして、第3中心導体8は、板状磁性体5の他面5b側において第1、第2中心導体6b、7bより短く形成されている。
【0027】
すなわち、板状磁性体5は、図2に示すように、横長の2つの長辺5a、5aと、これらの長辺5a、5aに直角向きの短辺5b、5bと、長辺5a、5aの両端部側に位置して各長辺5aに対して150゜の角度で傾斜し(長辺5aの延長線に対しては30°の傾斜角度で傾斜し)、個々に先の短辺5bに接続する4つの傾斜辺5dとにより区画されている。このようにして、板状磁性体5の平面視4つのコーナ部に傾斜面(受面)5dが形成されている。
また、図1に示すように、第1、第2中心導体6b、7bは、板状磁性体5の図中下側の傾斜面5d、5dに沿って折り曲げられることにより、板状磁性体5の一面側5アイソレータから他面5b側に巻掛けられている。また、第3中心導体8は、板状磁性体5の図中上側の長辺5aに沿って折り曲げられることにより、板状磁性体5の他面5b側に巻掛けられている。
【0028】
上記のように、第1、第2中心導体6b、7bが板状磁性体5の長辺方向にほぼ沿うように配置されることで、第1、第2中心導体6b、7bの導体長を比較的長くすることができ、各中心導体6b、7bのインダクタンスが大きくなって挿入損失を低減できる。また、第3中心導体8を第1、第2中心導体6b、7bより短くすることにより、板状磁性体5の短辺方向の長さを更に短くすることができ、アイソレータ1の小型化を図ることができる。
【0029】
次に、コンデンサ11a、11bは、いわゆる単板型のコンデンサであり、Q値が400以上のものである。このような高いQ値を有するコンデンサ11a、11bを第1、第2中心導体6b、7bに接続することにより、挿入損失を低減することが可能になる。Q値が400未満になると、挿入損失が増大してしまうので好ましくない。
また、第1、第2中心導体6b、7bが板状磁性体5の長辺方向にほぼ沿うように配置されることで、第1、第2中心導体6b、7bの導体長を比較的長くすることができ、各中心導体6b、7bのインダクタンスが大きくなる。このため、相対的にコンデンサ11a、11bの静電容量を小さくすることができ、アイソレータ1の小型化を図ることができる。
【0030】
また、コンデンサ12は、いわゆるチップ型のコンデンサであり、Q値が200以下であるとともに静電容量が18pF以上を示すものである。チップ型のコンデンサを採用することにより、アイソレータ1自体を小型化することができる。
コンデンサ12が接続される第3中心導体8は、終端電極としての役割を担うものであり、Q値が200以下のコンデンサを用いたとしても、挿入損失が増大するおそれがない。このため比較的Q値が小さなチップ型のコンデンサを使用することができる。本実施形態の場合、チップ型コンデンサとして1005(1.0mm×0.5mm×0.3mm)タイプのものが使用できる。
また、第3中心導体8は、第1、第2中心導体6b、7bと比べて導体長が短く、インダクタンスLが小さいので、第1、第2中心導体6b、7bとのインピーダンスマッチングを図るためには、コンデンサ12の静電容量をある程度高くする必要がある。本実施形態では静電容量が18pF以上のコンデンサ12を用いることにより、インピーダンスのマッチングを確保することができる。
【0031】
尚、本実施形態においては、インピーダンスマッチングを図る観点から、第3中心導体8の導体長を第1、第2中心導体6b、7bの導体長よりも短くすることに伴い、第3中心導体8に接続されるコンデンサ8の静電容量を、第1、第2中心導体6b、7bに接続されるコンデンサ11アイソレータ、11bの静電容量より大きくすることが必要となる。かかる構成により、アイソレータの小型化を図ることができる。
【0032】
尚、本実施形態のアイソレータ1においては、第3中心導体8に接続されるコンデンサ12として上記のようにQ値が小さいものであれば、誘電率が200以上の単板型コンデンサであっても好適に用いることができる。即ち、誘電率が200以上であれば、単板型コンデンサであっても小型なものを用いることができ、これによりアイソレータ1の小型化を図ることができる。
【0033】
コンデンサ12を単板型コンデンサとすることで、第1〜第3中心導体6b、7b、8に接続される全てのコンデンサ11a、11b、12が単板型コンデンサになる。この場合には、第3中心導体に接続されるコンデンサ12の平面視形状を、第1、第2中心導体6b、7bに接続されるコンデンサ11a、11bの平面視形状よりも大きくすることが好ましい。単板型コンデンサの静電容量は、コンデンサの電極面積、すなわちコンデンサの平面視形状の大きさに比例するので、かかる構成により、コンデンサ11a、11bの静電容量を相対的に小さくすることができ、これにより挿入損失を低減することができる。
【0034】
また、全てのコンデンサ11a、11b、12を単板型コンデンサにした場合には、本発明のアイソレータにおいては、コンデンサ12の厚みを、コンデンサ11a、11bの厚みより小さくすることが好ましい。単板型コンデンサの静電容量は、コンデンサの電極間の距離、すなわちコンデンサの厚みに反比例するので、かかる構成により、コンデンサ11a、11bの静電容量を相対的に小さくすることができ、これにより挿入損失を低減することができる。
【0035】
尚、本実施形態の場合、コンデンサ11a、11bの寸法は、0.75mm(縦)×1.05mm(横)×0.1mm(厚さ)であり、コンデンサ12の寸法は、0.5mm(縦)×2.55mm(横)×0.1mm(厚さ)である。
【0036】
また、全てのコンデンサ11a、11b、12を単板型コンデンサにした場合には、本発明のアイソレータにおいては、コンデンサ12の誘電率を、コンデンサ11a、11bの誘電率よりも大きくすることが好ましい。単板型コンデンサの静電容量は、コンデンサに備えられる誘電体の誘電率に比例するので、かかる構成により、コンデンサ11a、11bの静電容量を相対的に小さくすることができ、これにより挿入損失を低減することができる。
【0037】
次に、第1、第2、第3中心導体6b、7b、8と共通電極10の詳細な構造について詳細に説明する。
図3の展開図に示すように、各中心導体6b、7b、8と共通電極10とは一体化されてなり、各中心導体6b、7b、8と共通電極10を主体として電極部16が構成されている。共通電極10は、平面視先の板状磁性体5とほぼ相似形状の金属板からなる本体部10Aから構成されている。即ち、本体部10Aは相対向する2つの長辺部10a、10aと、これらの長辺部10a、10aに直角向きの短辺部10b、10bと、長辺部10a、10aの両端部側に位置して各長辺部10aに対して150°の角度で傾斜し、先の短辺部10bに対しては130°の傾斜角度で接続する4つの傾斜部10dとから構成される平面視略長方形(矩形状)とされている。
【0038】
また、図3に示すように、第1中心導体6bは、その一端側に形成された基部導体6aと、他端側に形成された先端部導体6cとともに第1線路導体6を構成している。同様に、第2中心導体7bは、基部導体7aと先端部導体7cとともに第2線路導体7を構成している。また第3中心導体8bは、基部導体8aと先端部導体8cとともに第3線路導体8を構成している。
そして、共通電極10の4つの傾斜部10dのうち、一方の長辺部側の2つの傾斜部10dから第1線路導体6と第2線路導体7が延出形成されている。また、共通電極10の他方の長辺部10a側の中央部に第3線路導体8が延設されている。
【0039】
第1中心導体6bは、平面視波形あるいはジクザグ状のものであり、基部導体側端部6Dと、先端部導体側端部6Fと、これらの間の平面視略く字状の中央部6Eの3つの部分からなる。第2中心導体7bも第1中心導体6bと同様に、基部導体側端部7Dと、先端部導体側端部7Fと、これらの間の平面視略く字状の中央部7Eの3つの部分からなる。
第1と第2の中心導体6b、7bを上記のような形状とすることで、実質的な導体長を長くして第1と第2の中心導体6b、7bのインダクタンスを大きくし、アイソレータ1の低周波化と小型化を両立させることができる。
【0040】
また、第1線路導体6の幅方向中央部には、共通電極10の外周部から基部導体6aと中心導体6bを通過し先端部導体6cの基端部まで到達するスリット部18が形成され、このスリット部18により中心導体6bが2本の分割導体6b1、6b2に分割され、基部導体6aも2本の分割導体6a1、6a2に分割されている。
第2の線路導体7の幅方向中央部にも上記スリット部18と同様のスリット部19が形成され、このスリット部19を形成することにより中心導体7bが2本の分割導体7b1、7b2に分割され、基部導体7aも2本の分割導体7a1、7a2に分割されている。
【0041】
スリット部18、19の幅は、第1、第2中心導体6b、7bの基部導体側端部6D、7Dにおける幅よりも中央部6E、7E、先端部導体側端部6F、7Fにおける幅の方が大きく形成される。すなわち第1、第2中心導体6b、7bの交差部分のスリット部18、19の幅が交差部分以外の同幅よりも広く形成されている。このようなスリット幅の大小関係とすることで、アイソレータの特性を損なうことなく、インピーダンスのマッチングを適切に設定することが可能となる。
また、第1中心導体6bの分割導体6b1、6b2の幅は、第2中心導体7bの分割導体7b1、7b2の幅より狭く形成されている。こうすることで第1中心導体6bが第2中心導体7bよりも板状磁性体5に近接して巻付けられることによるインピーダンスのマッチング不良を防止し、適切なインピーダンスのマッチングを取ることが可能となる。
【0042】
また、第3線路導体8を構成する基部導体8aは、共通電極10の長辺側中央部からほぼ直角に延出形成された2本の短冊状の分割導体8a1、8a2からなり、2本の分割導体8a1、8a2の間にはスリット20が形成されている。一方の分割導体8a2は他方の分割導体8a1より幅広に形成されている。更に、分割導体8b1、8b2の先端側はL字型の先端部導体8cに一体化されている。この先端部導体8cは、先の分割導体8b1、8b2を一体化して先の分割導体8a1、8a2と同じ方向に向けて延出形成された接続部8c1とこの接続部8c1に対してほぼ直角方向に延出形成された接続部8c2とから構成されている。
【0043】
上記のように第3中心導体8bを構成する2本の分割導体がそれぞれ平面視略直線状であれば、第3線路導体8を板状磁性体5に巻き付けて磁性組立体15aを組み立てる際に第3の線路導体8の位置ずれが起こりにくい。
また、上記のように第3中心導体8bが2本の分割導体に分割されている場合、これら分割導体8b1、8b2の間隔W5は広い方がアイソレーションの帯域を広くすることができる。
また、2本の分割導体8b1、8b2のうち一方を他方より幅広にして剛性を高めているので、第3線路導体8を板状磁性体5に巻き付けて磁性組立体15aを組み立てる際に、第3線路導体8の変形を防止できる。また、分割導体8b1、8b2のうち一方を幅狭とすることにより、挿入損失を低く維持できる。
【0044】
前記の如く構成された電極部16は、その共通電極10の本体部10Aを板状磁性体5の裏面側(一面側)に添わせ、第1線路導体6と第2線路導体7と第3線路導体8とを板状磁性体5の表面側(他面側)に折り曲げて(巻き付けて)板状磁性体5に装着され、板状磁性体5とともに磁性組立体15aを構成している。
【0045】
第1、第2の中心導体6b、7bが上記構成とされているので、これらを板状磁性体5の表面(他面)に沿って添わせると、板状磁性体5の表面上で第1、第2の中心導体6b、7bが交差する。図1には、交差により中央部6E、7Eが重なっている状態を図示している。
【0046】
第1、第2中心導体6b、7bの交差部35aの両中心導体の重複部分の長さは、図1に示すように中央部6Eの一方の分割導体6b1と中央部7Eの一方の分割導体7b1の重複部分の長さL7あるいは中央部6Eの他方の分割導体6b2と中央部7Eの他方の分割導体7b2の重複部分の長さL8であり、その場合、両分割導体の重複部分の長さL7、L8は、それぞれ板状磁性体5の表面(他面)に重なる中心導体部分の長さL4の10%以上とすることが好ましい。また、上記重複部分の長さL7、L8は、それぞれ板状磁性体5の表面(他面)に重なる中心導体部分の長さL4の20%以上とされていることがさらに好ましい。
【0047】
分割導体6b1と分割導体7b1の重複部分は平行である部分(平行部36a)以外に非平行部分を有しており、また、分割導体6b2と分割導体7b2の重複部分も平行である部分(平行部36b)以外に非平行部分を有している。平行部36aの長さは、分割導体の重複部分の長さL7の20%程度〜100%程度であることが好ましく、平行部36bの長さは、分割導体の重複部分の長さL8の20%程度〜100%程度であることが好ましい。こうすることで、第1、第2中心導体6b、7bの重複部分で確保される容量値が大きくなり、また、各中心導体6b、7bの実質的な長さも大きくなるので、その分、各線路導体に接続するコンデンサ11a、11bの静電容量を小さくできる。
【0048】
平行部36aの長さが分割導体の重複部分の長さL7の20%未満であると(L7と平行部36aの長さの比が20%未満であると)、挿入損失が増大し、好ましくない。また、平行部36bの長さが分割導体の重複部分の長さL8の20%未満であると(L8と平行部36bの長さの比が20%未満であると)、挿入損失が増大し、好ましくない。
【0049】
尚、中央部6Eの一方の分割導体6b1と中央部7Eの一方の分割導体7b1の重複部分の交差角度あるいは中央部6Eの他方の分割導体6b2と中央部7Eの他方の分割導体7b2の重複部分の交差角度を、第1、第2中心導体6b、7bの交差部35aの両中心導体の重複部分の交差角度としたとき、交差角度が30度以下であることが好ましく、さらに好ましくは15度以下である。本実施形態のように両分割導体の重複部分が平行部36aを有している場合、この平行部36aでの両分割導体の交差角度は0度あるいは略0度であり、非平行部での両分割導体の交差角度は30度以下であることが好ましい。非平行部での両分割導体の交差角度が30度よりも大きくなると、挿入損失が増大し好ましくない。
【0050】
図1〜図3に示す本実施形態のアイソレータ1によれば、第3中心導体8bに接続されるコンデンサ12としてQ値が200以下のものを用いるとともに、第1、第2中心導体に接続されるコンデンサ11a、11bとしてQ値が400以上のものを用いることにより、挿入損失を低減することができる。
また第3中心導体8bに接続されるコンデンサ12の静電容量が18pF以上と比較的大きいので、第3中心導体8bの導体長を短くすることができ、アイソレータ1の小型化を図ることができる。
更に、コンデンサ12としてQ値が小さなものを用いることができるので、かかるコンデンサ12のみをチップ型コンデンサにすることができ、これによりアイソレータ1の小型化を図ることができる。
【0051】
図4Aは、本実施形態のアイソレータ1が組み込まれた携帯電話装置(通信機装置)の回路構成の一例を示すもので、この例の回路構成においては、アンテナ40にアンテナ共用器(ディプレクサ)41が接続され、アンテナ共用器41の出力側にローノイズアンプ(増幅器)42と段間フィルタ48と選択回路(混合回路)43を介して受信回路(IF回路)44が接続され、アンテナ共用器41の入力側に先の実施の形態のアイソレータ1とパワーアンプ(増幅器)45と選択回路(混合回路)46を介して送信回路(IF回路)47が接続され、選択回路43、46に分配トランス49を介して局部発振器49aに接続されて構成されている。
先の構成のアイソレータ1は図4Aに示すような携帯電話装置の回路に組み込まれて使用され、アイソレータ1からアンテナ共振器41側への信号は低損失で通過させるが、その逆方向の信号は損失を大きくして遮断するように作用する。これにより、増幅器45側のノイズ等の不要な信号を増幅器45側に逆入力させないという作用を奏する。
【0052】
図4Bは図1から図3に示した構成のアイソレータ1の動作原理を示すものである。図4Bに示す回路に組み込まれているアイソレータ1は、符号▲1▼で示す第1ポートP1側から符号▲2▼で示す第2ポートP2方向への信号は伝えるが、符号▲2▼の第2ポートP2側から符号▲3▼の第3ポートP3側への信号は終端抵抗13により減衰させて吸収し、終端抵抗13側の符号▲3▼で示す第3ポートP3側から符号▲1▼で示す第1ポートP1側への信号は遮断する。
従って図4Aに示す回路に組み込んだ場合に先に説明した効果を奏することができる。
【0053】
【実施例】
図1〜図3に示した構成のアイソレータについて、コンデンサ11a、11b、12のQ値を変えた場合の挿入損失をシミュレーションにより予測した。
【0054】
(実験例1)
図1〜図3に示したアイソレータにおいて、板状磁性体は、長辺3.55mm、短辺2.0mm、厚さ0.35mmの長方形状のイットリウム鉄ガーネットフェライト(YIGフェライト)からなるものとした。また、第1、第2、第3中心導体としては、線路長3.2mm、実質的な線路幅0.4mm、厚さ0.05mmの銅箔からなるものとした。これら第1、第2、第3中心導体は、板状磁性体とほぼ同じ大きさで厚さ0.05mmの共通電極から3方向に延出形成されたものとした。
【0055】
また、第1、第2中心導体に接続されるコンデンサ11a、11bとしては、Q値が50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000のものとした。また、第3中心導体に接続されるコンデンサ12としては、Q値が10000のものとした。更に、コンデンサ11aの静電容量を11.6pFとし、コンデンサ11bの静電容量を10.9pFとし、コンデンサ12の静電容量を23.0pFとした。
上記のアイソレータについて、予想される挿入損失の値を測定した。尚、挿入損失は、第1中心導体における挿入損失と、第2中心導体のおける挿入損失をそれぞれ計算し、各計算値を平均したものとした。
【0056】
(実験例2)
また、第1、第2中心導体に接続されるコンデンサ11a、11bのQ値を とし、第3中心導体のQ値を50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000としたこと以外は実験例1と同様にして、予想される挿入損失を計算した。
【0057】
図5に、実験例1及び2における挿入損失とQ値との関係を示す。また、表1には実験例1及び2における挿入損失とQ値を示す。
図5から明らかなように、実験例1のアイソレータの場合、コンデンサ11a及び11bのQ値が400未満になると、挿入損失が徐々に増大し、Q値が100では挿入損失が0.71dBとなり、現時点の一般的なアイソレータと比較した場合、挿入損失が非常に大きくなる。
一方、実験例2では、コンデンサ12のQ値が200以下になっても、挿入損失が一定であることが分かる。
【0058】
【表1】
【0059】
尚、チップ型コンデンサは、本実験例の場合、1005タイプ(1.0mm(縦)×0.5mm(横)×0.3mm(厚さ))が使用可能であり、単板コンデンサ(0.5mm(縦)×2.55mm(横)×0.1mm(厚さ))と比較して実装面積を約40%とすることが可能になる。これによりアイソレータを小型化できることがわかる。
またチップ型コンデンサは、一般的にQ値が200以下程度であり、単板型コンデンサは一般的にQ値が400〜500程度である。従って、上記の結果から、コンデンサ12としてチップ型のコンデンサの使用が可能である。
【0060】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明のアイソレータによれば、第3中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が200以下のものを用いるとともに、第1、第2の中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が400以上のものを用いることにより、挿入損失を低減することができる。
また第3中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量が18pF以上と比較的大きいので、第3中心導体の導体長を短くすることができ、アイソレータの小型化を図ることができる。
【0061】
また、本発明のアイソレータによれば、第3中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量が、第1、第2中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量より大きくされているので、第3中心導体のインダクタンスを他の中心導体よりも小さく、即ち第3中心導体の導体長を短くすることができ、アイソレータの小型化を図ることができる。
更に、第3中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が小さなコンデンサを用いることができるので、かかるコンデンサのみをチップ型コンデンサにすることができ、これによりアイソレータの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1Aは本発明の実施形態であるアイソレータの一部分を取り除いた状態を示す平面図、図1Bは同アイソレータの断面図。
【図2】本発明の実施形態であるアイソレータに備えられる板状磁性体の一例を示す平面図。
【図3】本発明の実施形態であるアイソレータに備えられる電極部の展開図。
【図4】図4Aは本発明のアイソレータが備えられる電気回路の一例を示す図、図4Bはアイソレータの動作原理を示す図。
【図5】実験例1及び実験例2のアイソレータにといて、コンデンサのQ値と挿入損失との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…アイソレータ、5…板状磁性体、5a…他面、5b…一面、6b…第1中心導体、7b…第2中心導体、8b…第3中心導体、10…共通電極、11a、11b、12…コンデンサ(整合用容量素子)、13…終端抵抗素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、アイソレータ及び通信機装置に関するものであり、特に、従来よりも小型化することが可能なアイソレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
集中定数型のアイソレータは、信号を伝送方向に損失なく通過させ、逆方向への信号の通過を阻止する機能を備えた高周波部品であり、携帯電話等の移動通信装置の送信回路部に使用されている。一般にアイソレータは、フェライト等からなる板状磁性体と、板状磁性体の一面側に配置された共通電極と、板状磁性体の他面側に相互に交差した状態で配置された複数の中心導体と、各中心導体に接続された整合用のコンデンサと、一の中心導体に接続された終端抵抗素子とを備えて構成されている。整合用のコンデンサとしては、高いQ値を有するものが挿入損失を低減する上で必要とされることから、下記特許文献1及び2に記載されているように、従来から単板型コンデンサが用いられている。
最近では、携帯電話等の高機能化に伴って、アイソレータの小型化の要請がある。
【0003】
動作周波数を維持させつつアイソレータの小型化を達成する上で問題となるのは、中心導体のインダクタンス(以下、Lと表記)と整合用コンデンサの静電容量(以下、Cと表記)の兼ね合いである。即ち、アイソレータの小型化を図るためには板状磁性体の小型化が避けられず、これに伴って中心導体の導体長が減少してLが低下する。ここで特に問題となるのは、入出力端子に接続される中心導体のLが低下すると、その分コンデンサのCを大きくせざるを得ないが、これによりアイソレータの挿入損失が増大するといった問題がある。
また、単板型コンデンサのCを大きくするには、コンデンサを大きくするか、厚みを薄くする必要があるが、コンデンサを大きくすることはアイソレータの小型化の要請に反し、厚みを薄くするとコンデンサが破損され易くなるという問題が生じる。また下記特許文献3及び4に記載されたように、単板型コンデンサよりも小型のチップ型コンデンサを採用することも考えられるが、チップ型コンデンサは一般にQ値が低く、アイソレータの挿入損失が著しく増大するという問題がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−58525号公報
【特許文献2】
特開平11−97908号公報
【特許文献3】
実開平5−93110号公報
【特許文献4】
実開昭62−86706号公報
【0005】
そこで、板状磁性体を平面視略長方形状に成形し、入出力端子に接続される中心導体を板状磁性体の長手方向に沿って重ねることで中心導体の導体長を可能な限り長くすることにより、中心導体のLを高く維持してその分コンデンサのCを小さくすることが検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
その一方で、終端抵抗に接続される中心導体は、板状磁性体の短手方向に沿って重ねざるを得ず、中心導体のLが小さくなる。このため、かかる中心導体に接続されるコンデンサについてはその静電容量Cを大きくしなければならない。従来のアイソレータにおいては、終端側のコンデンサについても単板型コンデンサを用いていたため、静電容量Cを大きくすることによりコンデンサが大型化し、これがアイソレータを小型化する上での最大の障害になっていた。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、終端側のコンデンサを小型化することにより、小型のアイソレータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明のアイソレータは、板状磁性体の一面側に共通電極が配置されるとともに前記板状磁性体の他面側に第1、第2、第3の中心導体が相互に交差された状態で配置され、各中心導体の一端側に前記共通電極が接続されるとともに各中心導体の他端側に整合用容量素子が各々接続され、更に前記第3の中心導体の他端側には終端抵抗素子が接続されてなり、前記第3中心導体に接続される整合用容量素子のQ値が200以下であるとともに静電容量が18pF以上であり、かつ前記第1、第2の中心導体に接続される整合用容量素子のQ値が400以上であることを特徴とする。
特に本発明は、3.5mm角以下の大きさのアイソレータに好適に適用される。
【0009】
上記のアイソレータによれば、第3中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が200以下のものを用いるとともに、第1、第2の中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が400以上のものを用いることにより、挿入損失を低減することができる。
また第3中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量が18pF以上と比較的大きいので、第3中心導体の導体長を短くすることができ、アイソレータの小型化を図ることができる。
本発明において、第3中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が200以下のものを用いることができるのは、第3中心導体が終端電極としての役割を担うものであり、第1、第2中心導体のように挿入損失を低減する必要がなく、比較的Q値が小さなコンデンサを使用しても挿入損失への影響が小さいためである。
【0010】
また、本発明のアイソレータは、前記第3中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量が、前記第1、第2中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量より大きくされたことを特徴とする。
【0011】
かかる構成により、第3中心導体のインダクタンスを他の中心導体よりも小さく、即ち第3中心導体の導体長を短くすることができ、アイソレータの小型化を図ることができる。
【0012】
また、本発明のアイソレータにおいては、前記第3中心導体に接続される整合用容量素子が、チップ型コンデンサであることが好ましい。
先に記載したように、第3中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が小さなコンデンサを用いることができるので、かかるコンデンサのみをチップ型コンデンサにすることができ、これによりアイソレータの小型化を図ることができる。
【0013】
また、本発明のアイソレータにおいては、前記第3中心導体に接続される整合用容量素子が、誘電率200以上の単板型コンデンサであることが好ましい。
先に記載したように、第3中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が小さなコンデンサであれば、それが単板型コンデンサであっても誘電率が200以上であれば、本発明のアイソレータに好適に用いることができる。即ち、誘電率が200以上であれば、単板型コンデンサであっても小型なものを用いることができ、これによりアイソレータの小型化を図ることができる。
【0014】
また、本発明のアイソレータは、先に記載のアイソレータであって、前記板状磁性体が長辺を有する平面視略四角形状とされ、前記第1、第2中心導体が前記板状磁性体の長辺方向にほぼ沿うように配置され、前記第3中心導体が前記第1、第2中心導体より短く形成されていることを特徴とする。
【0015】
かかるアイソレータによれば、第1、第2中心導体が板状磁性体の長辺方向にほぼ沿うように配置されることで、第1、第2中心導体の導体長を比較的長くすることができ、各中心導体のインダクタンスが大きくなって挿入損失を低減できる。また、第3中心導体を第1、第2中心導体より短くすることにより、板状磁性体の短辺方向の長さを更に短くすることができ、アイソレータの小型化を図ることができる。
【0016】
また、本発明のアイソレータにおいては、前記第3中心導体に接続される整合用容量素子の平面視形状が、前記第1、第2中心導体に接続される整合用容量素子の平面視形状よりも大きいことが好ましい。
第1〜第3中心導体に接続される整合用容量素子の全てが単板型コンデンサである場合に、第3中心導体に接続される整合用容量素子を、他の整合用容量素子より大きくすることで、相対的に当該他の整合用容量素子の静電容量を小さくすることができ、これにより挿入損失を低減することができる。
【0017】
また、本発明のアイソレータにおいては、前記第3中心導体に接続される整合用容量素子の厚みが、前記第1、第2中心導体に接続される整合用容量素子の厚みより小さくされたことが好ましい。
第1〜第3中心導体に接続される整合用容量素子の全てが単板型コンデンサである場合に、第3中心導体に接続される整合用容量素子の厚みを、他の整合用容量素子より小さくすることで、相対的に当該他の整合用容量素子の静電容量を小さくすることができ、これにより挿入損失を低減することができる。
【0018】
また、本発明のアイソレータにおいては、前記第3中心導体に接続される整合用容量素子の誘電率が、前記第1、第2中心導体に接続される整合用容量素子の誘電率より大きくされたことが好ましい。
第1〜第3中心導体に接続される整合用容量素子の全てが単板型コンデンサである場合に、第3中心導体に接続される整合用容量素子の誘電率を、他の整合用容量素子より大きくすることで、相対的に当該他の整合用容量素子の静電容量を小さくすることができ、これにより挿入損失を低減することができる。
【0019】
次に、本発明の通信機装置は、先のいずれかに記載のアイソレータと、該アイソレータの前記第1または第2中心導体に接続された送信回路部と、前記第2または第1中心導体に接続されたアンテナとを具備してなることを特徴とする。
【0020】
かかる通信機装置によれば、先のいずれかに記載の小型のアイソレータを備えているので、通信機装置自体を小型化できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図3に本実施形態のアイソレータを示す。本実施形態のアイソレータ1は、上ヨーク2と下ヨーク3とで構成される磁気閉回路内に、磁性組立体15と、磁性組立体15の周囲に配置されたコンデンサ(整合用容量素子)11a、11b、12と終端抵抗素子13と、が収納されて構成されている。
【0022】
磁性組立体15は、図1A及び図1Bに示すように、板状磁性体5の一面5a側に共通電極10が配置されるとともに板状磁性体5の他面5b側に第1、第2、第3の中心導体6b、7b、8bが相互に交差された状態で配置され、各中心導体6b、7b、8bの一端側に共通電極10が接続されるとともに各中心導体6b、7b、8bの他端側にコンデンサ11a、11b、12が各々接続され、更に第3の中心導体の他端側には終端抵抗素子13が接続されて構成されている。また、板状磁性体5と第1中心導体6bと第2中心導体7bと第3中心導体8との間には各々絶縁シートZが介在されており、各中心導体6b、7b、8が個々に絶縁されている。
【0023】
磁性組立体15は下ヨーク3の底部中央側に配置され、下ヨーク3の底部側の磁性組立体15の一方の側にコンデンサ12が収納され、他方の側にコンデンサ11a、11bが収納され、コンデンサ12の一側部側には終端抵抗13が収納されている。
そして、第1中心導体6bの他端側に形成された先端部導体6cがコンデンサ11aに接続され、第2中心導体7bの他端側に形成された先端部導体7cがコンデンサ11bに接続され、第3中心導体8の他端側に形成された先端部導体8cがコンデンサ12と終端抵抗素子13に接続されている。
【0024】
そして、コンデンサ11bにアイソレータ1としての第1ポートP1が接続され、コンデンサ11aにアイソレータ1としての第2ポートP2が接続され、終端抵抗素子13にアイソレータ1としての第3ポートP3が接続されている。
【0025】
また、下ヨーク3と上ヨーク2との間の空間部において磁性組立体15はその空間部の厚さの半分程を占有する厚さに形成されており、磁性組立体15の上ヨーク2側には、図1Bに示すスペーサ部材30が収納され、該スペーサ部材30に磁石部材4が設置されている。
スペーサ部材30は、平面視矩形板状の基板部31と、この基板部31の底部側の4隅の各コーナ部分に形成された脚部31aとからなり、基板部31において脚部31aの反対側の面に円型の収納凹部31bが形成されている。そして、収納凹部31bに永久磁石からなる磁石部材4が嵌め込まれている。
【0026】
また、図1Aに示すように、板状磁性体5は長辺を有する平面視略四角形状、即ち略長方形状とされている。また、第1、第2中心導体6b、7bが板状磁性体5の長辺方向(図中横方向)にほぼ沿うように配置され、第3中心導体8が板状磁性体5の短辺方向(図中縦方向)にほぼ沿うように配置されている。このようにして、第3中心導体8は、板状磁性体5の他面5b側において第1、第2中心導体6b、7bより短く形成されている。
【0027】
すなわち、板状磁性体5は、図2に示すように、横長の2つの長辺5a、5aと、これらの長辺5a、5aに直角向きの短辺5b、5bと、長辺5a、5aの両端部側に位置して各長辺5aに対して150゜の角度で傾斜し(長辺5aの延長線に対しては30°の傾斜角度で傾斜し)、個々に先の短辺5bに接続する4つの傾斜辺5dとにより区画されている。このようにして、板状磁性体5の平面視4つのコーナ部に傾斜面(受面)5dが形成されている。
また、図1に示すように、第1、第2中心導体6b、7bは、板状磁性体5の図中下側の傾斜面5d、5dに沿って折り曲げられることにより、板状磁性体5の一面側5アイソレータから他面5b側に巻掛けられている。また、第3中心導体8は、板状磁性体5の図中上側の長辺5aに沿って折り曲げられることにより、板状磁性体5の他面5b側に巻掛けられている。
【0028】
上記のように、第1、第2中心導体6b、7bが板状磁性体5の長辺方向にほぼ沿うように配置されることで、第1、第2中心導体6b、7bの導体長を比較的長くすることができ、各中心導体6b、7bのインダクタンスが大きくなって挿入損失を低減できる。また、第3中心導体8を第1、第2中心導体6b、7bより短くすることにより、板状磁性体5の短辺方向の長さを更に短くすることができ、アイソレータ1の小型化を図ることができる。
【0029】
次に、コンデンサ11a、11bは、いわゆる単板型のコンデンサであり、Q値が400以上のものである。このような高いQ値を有するコンデンサ11a、11bを第1、第2中心導体6b、7bに接続することにより、挿入損失を低減することが可能になる。Q値が400未満になると、挿入損失が増大してしまうので好ましくない。
また、第1、第2中心導体6b、7bが板状磁性体5の長辺方向にほぼ沿うように配置されることで、第1、第2中心導体6b、7bの導体長を比較的長くすることができ、各中心導体6b、7bのインダクタンスが大きくなる。このため、相対的にコンデンサ11a、11bの静電容量を小さくすることができ、アイソレータ1の小型化を図ることができる。
【0030】
また、コンデンサ12は、いわゆるチップ型のコンデンサであり、Q値が200以下であるとともに静電容量が18pF以上を示すものである。チップ型のコンデンサを採用することにより、アイソレータ1自体を小型化することができる。
コンデンサ12が接続される第3中心導体8は、終端電極としての役割を担うものであり、Q値が200以下のコンデンサを用いたとしても、挿入損失が増大するおそれがない。このため比較的Q値が小さなチップ型のコンデンサを使用することができる。本実施形態の場合、チップ型コンデンサとして1005(1.0mm×0.5mm×0.3mm)タイプのものが使用できる。
また、第3中心導体8は、第1、第2中心導体6b、7bと比べて導体長が短く、インダクタンスLが小さいので、第1、第2中心導体6b、7bとのインピーダンスマッチングを図るためには、コンデンサ12の静電容量をある程度高くする必要がある。本実施形態では静電容量が18pF以上のコンデンサ12を用いることにより、インピーダンスのマッチングを確保することができる。
【0031】
尚、本実施形態においては、インピーダンスマッチングを図る観点から、第3中心導体8の導体長を第1、第2中心導体6b、7bの導体長よりも短くすることに伴い、第3中心導体8に接続されるコンデンサ8の静電容量を、第1、第2中心導体6b、7bに接続されるコンデンサ11アイソレータ、11bの静電容量より大きくすることが必要となる。かかる構成により、アイソレータの小型化を図ることができる。
【0032】
尚、本実施形態のアイソレータ1においては、第3中心導体8に接続されるコンデンサ12として上記のようにQ値が小さいものであれば、誘電率が200以上の単板型コンデンサであっても好適に用いることができる。即ち、誘電率が200以上であれば、単板型コンデンサであっても小型なものを用いることができ、これによりアイソレータ1の小型化を図ることができる。
【0033】
コンデンサ12を単板型コンデンサとすることで、第1〜第3中心導体6b、7b、8に接続される全てのコンデンサ11a、11b、12が単板型コンデンサになる。この場合には、第3中心導体に接続されるコンデンサ12の平面視形状を、第1、第2中心導体6b、7bに接続されるコンデンサ11a、11bの平面視形状よりも大きくすることが好ましい。単板型コンデンサの静電容量は、コンデンサの電極面積、すなわちコンデンサの平面視形状の大きさに比例するので、かかる構成により、コンデンサ11a、11bの静電容量を相対的に小さくすることができ、これにより挿入損失を低減することができる。
【0034】
また、全てのコンデンサ11a、11b、12を単板型コンデンサにした場合には、本発明のアイソレータにおいては、コンデンサ12の厚みを、コンデンサ11a、11bの厚みより小さくすることが好ましい。単板型コンデンサの静電容量は、コンデンサの電極間の距離、すなわちコンデンサの厚みに反比例するので、かかる構成により、コンデンサ11a、11bの静電容量を相対的に小さくすることができ、これにより挿入損失を低減することができる。
【0035】
尚、本実施形態の場合、コンデンサ11a、11bの寸法は、0.75mm(縦)×1.05mm(横)×0.1mm(厚さ)であり、コンデンサ12の寸法は、0.5mm(縦)×2.55mm(横)×0.1mm(厚さ)である。
【0036】
また、全てのコンデンサ11a、11b、12を単板型コンデンサにした場合には、本発明のアイソレータにおいては、コンデンサ12の誘電率を、コンデンサ11a、11bの誘電率よりも大きくすることが好ましい。単板型コンデンサの静電容量は、コンデンサに備えられる誘電体の誘電率に比例するので、かかる構成により、コンデンサ11a、11bの静電容量を相対的に小さくすることができ、これにより挿入損失を低減することができる。
【0037】
次に、第1、第2、第3中心導体6b、7b、8と共通電極10の詳細な構造について詳細に説明する。
図3の展開図に示すように、各中心導体6b、7b、8と共通電極10とは一体化されてなり、各中心導体6b、7b、8と共通電極10を主体として電極部16が構成されている。共通電極10は、平面視先の板状磁性体5とほぼ相似形状の金属板からなる本体部10Aから構成されている。即ち、本体部10Aは相対向する2つの長辺部10a、10aと、これらの長辺部10a、10aに直角向きの短辺部10b、10bと、長辺部10a、10aの両端部側に位置して各長辺部10aに対して150°の角度で傾斜し、先の短辺部10bに対しては130°の傾斜角度で接続する4つの傾斜部10dとから構成される平面視略長方形(矩形状)とされている。
【0038】
また、図3に示すように、第1中心導体6bは、その一端側に形成された基部導体6aと、他端側に形成された先端部導体6cとともに第1線路導体6を構成している。同様に、第2中心導体7bは、基部導体7aと先端部導体7cとともに第2線路導体7を構成している。また第3中心導体8bは、基部導体8aと先端部導体8cとともに第3線路導体8を構成している。
そして、共通電極10の4つの傾斜部10dのうち、一方の長辺部側の2つの傾斜部10dから第1線路導体6と第2線路導体7が延出形成されている。また、共通電極10の他方の長辺部10a側の中央部に第3線路導体8が延設されている。
【0039】
第1中心導体6bは、平面視波形あるいはジクザグ状のものであり、基部導体側端部6Dと、先端部導体側端部6Fと、これらの間の平面視略く字状の中央部6Eの3つの部分からなる。第2中心導体7bも第1中心導体6bと同様に、基部導体側端部7Dと、先端部導体側端部7Fと、これらの間の平面視略く字状の中央部7Eの3つの部分からなる。
第1と第2の中心導体6b、7bを上記のような形状とすることで、実質的な導体長を長くして第1と第2の中心導体6b、7bのインダクタンスを大きくし、アイソレータ1の低周波化と小型化を両立させることができる。
【0040】
また、第1線路導体6の幅方向中央部には、共通電極10の外周部から基部導体6aと中心導体6bを通過し先端部導体6cの基端部まで到達するスリット部18が形成され、このスリット部18により中心導体6bが2本の分割導体6b1、6b2に分割され、基部導体6aも2本の分割導体6a1、6a2に分割されている。
第2の線路導体7の幅方向中央部にも上記スリット部18と同様のスリット部19が形成され、このスリット部19を形成することにより中心導体7bが2本の分割導体7b1、7b2に分割され、基部導体7aも2本の分割導体7a1、7a2に分割されている。
【0041】
スリット部18、19の幅は、第1、第2中心導体6b、7bの基部導体側端部6D、7Dにおける幅よりも中央部6E、7E、先端部導体側端部6F、7Fにおける幅の方が大きく形成される。すなわち第1、第2中心導体6b、7bの交差部分のスリット部18、19の幅が交差部分以外の同幅よりも広く形成されている。このようなスリット幅の大小関係とすることで、アイソレータの特性を損なうことなく、インピーダンスのマッチングを適切に設定することが可能となる。
また、第1中心導体6bの分割導体6b1、6b2の幅は、第2中心導体7bの分割導体7b1、7b2の幅より狭く形成されている。こうすることで第1中心導体6bが第2中心導体7bよりも板状磁性体5に近接して巻付けられることによるインピーダンスのマッチング不良を防止し、適切なインピーダンスのマッチングを取ることが可能となる。
【0042】
また、第3線路導体8を構成する基部導体8aは、共通電極10の長辺側中央部からほぼ直角に延出形成された2本の短冊状の分割導体8a1、8a2からなり、2本の分割導体8a1、8a2の間にはスリット20が形成されている。一方の分割導体8a2は他方の分割導体8a1より幅広に形成されている。更に、分割導体8b1、8b2の先端側はL字型の先端部導体8cに一体化されている。この先端部導体8cは、先の分割導体8b1、8b2を一体化して先の分割導体8a1、8a2と同じ方向に向けて延出形成された接続部8c1とこの接続部8c1に対してほぼ直角方向に延出形成された接続部8c2とから構成されている。
【0043】
上記のように第3中心導体8bを構成する2本の分割導体がそれぞれ平面視略直線状であれば、第3線路導体8を板状磁性体5に巻き付けて磁性組立体15aを組み立てる際に第3の線路導体8の位置ずれが起こりにくい。
また、上記のように第3中心導体8bが2本の分割導体に分割されている場合、これら分割導体8b1、8b2の間隔W5は広い方がアイソレーションの帯域を広くすることができる。
また、2本の分割導体8b1、8b2のうち一方を他方より幅広にして剛性を高めているので、第3線路導体8を板状磁性体5に巻き付けて磁性組立体15aを組み立てる際に、第3線路導体8の変形を防止できる。また、分割導体8b1、8b2のうち一方を幅狭とすることにより、挿入損失を低く維持できる。
【0044】
前記の如く構成された電極部16は、その共通電極10の本体部10Aを板状磁性体5の裏面側(一面側)に添わせ、第1線路導体6と第2線路導体7と第3線路導体8とを板状磁性体5の表面側(他面側)に折り曲げて(巻き付けて)板状磁性体5に装着され、板状磁性体5とともに磁性組立体15aを構成している。
【0045】
第1、第2の中心導体6b、7bが上記構成とされているので、これらを板状磁性体5の表面(他面)に沿って添わせると、板状磁性体5の表面上で第1、第2の中心導体6b、7bが交差する。図1には、交差により中央部6E、7Eが重なっている状態を図示している。
【0046】
第1、第2中心導体6b、7bの交差部35aの両中心導体の重複部分の長さは、図1に示すように中央部6Eの一方の分割導体6b1と中央部7Eの一方の分割導体7b1の重複部分の長さL7あるいは中央部6Eの他方の分割導体6b2と中央部7Eの他方の分割導体7b2の重複部分の長さL8であり、その場合、両分割導体の重複部分の長さL7、L8は、それぞれ板状磁性体5の表面(他面)に重なる中心導体部分の長さL4の10%以上とすることが好ましい。また、上記重複部分の長さL7、L8は、それぞれ板状磁性体5の表面(他面)に重なる中心導体部分の長さL4の20%以上とされていることがさらに好ましい。
【0047】
分割導体6b1と分割導体7b1の重複部分は平行である部分(平行部36a)以外に非平行部分を有しており、また、分割導体6b2と分割導体7b2の重複部分も平行である部分(平行部36b)以外に非平行部分を有している。平行部36aの長さは、分割導体の重複部分の長さL7の20%程度〜100%程度であることが好ましく、平行部36bの長さは、分割導体の重複部分の長さL8の20%程度〜100%程度であることが好ましい。こうすることで、第1、第2中心導体6b、7bの重複部分で確保される容量値が大きくなり、また、各中心導体6b、7bの実質的な長さも大きくなるので、その分、各線路導体に接続するコンデンサ11a、11bの静電容量を小さくできる。
【0048】
平行部36aの長さが分割導体の重複部分の長さL7の20%未満であると(L7と平行部36aの長さの比が20%未満であると)、挿入損失が増大し、好ましくない。また、平行部36bの長さが分割導体の重複部分の長さL8の20%未満であると(L8と平行部36bの長さの比が20%未満であると)、挿入損失が増大し、好ましくない。
【0049】
尚、中央部6Eの一方の分割導体6b1と中央部7Eの一方の分割導体7b1の重複部分の交差角度あるいは中央部6Eの他方の分割導体6b2と中央部7Eの他方の分割導体7b2の重複部分の交差角度を、第1、第2中心導体6b、7bの交差部35aの両中心導体の重複部分の交差角度としたとき、交差角度が30度以下であることが好ましく、さらに好ましくは15度以下である。本実施形態のように両分割導体の重複部分が平行部36aを有している場合、この平行部36aでの両分割導体の交差角度は0度あるいは略0度であり、非平行部での両分割導体の交差角度は30度以下であることが好ましい。非平行部での両分割導体の交差角度が30度よりも大きくなると、挿入損失が増大し好ましくない。
【0050】
図1〜図3に示す本実施形態のアイソレータ1によれば、第3中心導体8bに接続されるコンデンサ12としてQ値が200以下のものを用いるとともに、第1、第2中心導体に接続されるコンデンサ11a、11bとしてQ値が400以上のものを用いることにより、挿入損失を低減することができる。
また第3中心導体8bに接続されるコンデンサ12の静電容量が18pF以上と比較的大きいので、第3中心導体8bの導体長を短くすることができ、アイソレータ1の小型化を図ることができる。
更に、コンデンサ12としてQ値が小さなものを用いることができるので、かかるコンデンサ12のみをチップ型コンデンサにすることができ、これによりアイソレータ1の小型化を図ることができる。
【0051】
図4Aは、本実施形態のアイソレータ1が組み込まれた携帯電話装置(通信機装置)の回路構成の一例を示すもので、この例の回路構成においては、アンテナ40にアンテナ共用器(ディプレクサ)41が接続され、アンテナ共用器41の出力側にローノイズアンプ(増幅器)42と段間フィルタ48と選択回路(混合回路)43を介して受信回路(IF回路)44が接続され、アンテナ共用器41の入力側に先の実施の形態のアイソレータ1とパワーアンプ(増幅器)45と選択回路(混合回路)46を介して送信回路(IF回路)47が接続され、選択回路43、46に分配トランス49を介して局部発振器49aに接続されて構成されている。
先の構成のアイソレータ1は図4Aに示すような携帯電話装置の回路に組み込まれて使用され、アイソレータ1からアンテナ共振器41側への信号は低損失で通過させるが、その逆方向の信号は損失を大きくして遮断するように作用する。これにより、増幅器45側のノイズ等の不要な信号を増幅器45側に逆入力させないという作用を奏する。
【0052】
図4Bは図1から図3に示した構成のアイソレータ1の動作原理を示すものである。図4Bに示す回路に組み込まれているアイソレータ1は、符号▲1▼で示す第1ポートP1側から符号▲2▼で示す第2ポートP2方向への信号は伝えるが、符号▲2▼の第2ポートP2側から符号▲3▼の第3ポートP3側への信号は終端抵抗13により減衰させて吸収し、終端抵抗13側の符号▲3▼で示す第3ポートP3側から符号▲1▼で示す第1ポートP1側への信号は遮断する。
従って図4Aに示す回路に組み込んだ場合に先に説明した効果を奏することができる。
【0053】
【実施例】
図1〜図3に示した構成のアイソレータについて、コンデンサ11a、11b、12のQ値を変えた場合の挿入損失をシミュレーションにより予測した。
【0054】
(実験例1)
図1〜図3に示したアイソレータにおいて、板状磁性体は、長辺3.55mm、短辺2.0mm、厚さ0.35mmの長方形状のイットリウム鉄ガーネットフェライト(YIGフェライト)からなるものとした。また、第1、第2、第3中心導体としては、線路長3.2mm、実質的な線路幅0.4mm、厚さ0.05mmの銅箔からなるものとした。これら第1、第2、第3中心導体は、板状磁性体とほぼ同じ大きさで厚さ0.05mmの共通電極から3方向に延出形成されたものとした。
【0055】
また、第1、第2中心導体に接続されるコンデンサ11a、11bとしては、Q値が50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000のものとした。また、第3中心導体に接続されるコンデンサ12としては、Q値が10000のものとした。更に、コンデンサ11aの静電容量を11.6pFとし、コンデンサ11bの静電容量を10.9pFとし、コンデンサ12の静電容量を23.0pFとした。
上記のアイソレータについて、予想される挿入損失の値を測定した。尚、挿入損失は、第1中心導体における挿入損失と、第2中心導体のおける挿入損失をそれぞれ計算し、各計算値を平均したものとした。
【0056】
(実験例2)
また、第1、第2中心導体に接続されるコンデンサ11a、11bのQ値を とし、第3中心導体のQ値を50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000としたこと以外は実験例1と同様にして、予想される挿入損失を計算した。
【0057】
図5に、実験例1及び2における挿入損失とQ値との関係を示す。また、表1には実験例1及び2における挿入損失とQ値を示す。
図5から明らかなように、実験例1のアイソレータの場合、コンデンサ11a及び11bのQ値が400未満になると、挿入損失が徐々に増大し、Q値が100では挿入損失が0.71dBとなり、現時点の一般的なアイソレータと比較した場合、挿入損失が非常に大きくなる。
一方、実験例2では、コンデンサ12のQ値が200以下になっても、挿入損失が一定であることが分かる。
【0058】
【表1】
【0059】
尚、チップ型コンデンサは、本実験例の場合、1005タイプ(1.0mm(縦)×0.5mm(横)×0.3mm(厚さ))が使用可能であり、単板コンデンサ(0.5mm(縦)×2.55mm(横)×0.1mm(厚さ))と比較して実装面積を約40%とすることが可能になる。これによりアイソレータを小型化できることがわかる。
またチップ型コンデンサは、一般的にQ値が200以下程度であり、単板型コンデンサは一般的にQ値が400〜500程度である。従って、上記の結果から、コンデンサ12としてチップ型のコンデンサの使用が可能である。
【0060】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明のアイソレータによれば、第3中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が200以下のものを用いるとともに、第1、第2の中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が400以上のものを用いることにより、挿入損失を低減することができる。
また第3中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量が18pF以上と比較的大きいので、第3中心導体の導体長を短くすることができ、アイソレータの小型化を図ることができる。
【0061】
また、本発明のアイソレータによれば、第3中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量が、第1、第2中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量より大きくされているので、第3中心導体のインダクタンスを他の中心導体よりも小さく、即ち第3中心導体の導体長を短くすることができ、アイソレータの小型化を図ることができる。
更に、第3中心導体に接続される整合用容量素子としてQ値が小さなコンデンサを用いることができるので、かかるコンデンサのみをチップ型コンデンサにすることができ、これによりアイソレータの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1Aは本発明の実施形態であるアイソレータの一部分を取り除いた状態を示す平面図、図1Bは同アイソレータの断面図。
【図2】本発明の実施形態であるアイソレータに備えられる板状磁性体の一例を示す平面図。
【図3】本発明の実施形態であるアイソレータに備えられる電極部の展開図。
【図4】図4Aは本発明のアイソレータが備えられる電気回路の一例を示す図、図4Bはアイソレータの動作原理を示す図。
【図5】実験例1及び実験例2のアイソレータにといて、コンデンサのQ値と挿入損失との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…アイソレータ、5…板状磁性体、5a…他面、5b…一面、6b…第1中心導体、7b…第2中心導体、8b…第3中心導体、10…共通電極、11a、11b、12…コンデンサ(整合用容量素子)、13…終端抵抗素子
Claims (10)
- 板状磁性体の一面側に共通電極が配置されるとともに前記板状磁性体の他面側に第1、第2、第3の中心導体が相互に交差された状態で配置され、各中心導体の一端側に前記共通電極が接続されるとともに各中心導体の他端側に整合用容量素子が各々接続され、更に前記第3の中心導体の他端側には終端抵抗素子が接続されてなり、
前記第3中心導体に接続される整合用容量素子のQ値が200以下であるとともに静電容量が18pF以上であり、かつ前記第1、第2の中心導体に接続される整合用容量素子のQ値が400以上であることを特徴とするアイソレータ。 - 前記第3中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量が、前記第1、第2中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量より大きくされたことを特徴とする請求項1に記載のアイソレータ。
- 前記第3中心導体に接続される整合用容量素子が、チップ型コンデンサであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアイソレータ。
- 前記第3中心導体に接続される整合用容量素子が、誘電率200以上の単板型コンデンサであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアイソレータ。
- 前記板状磁性体が長辺を有する平面視略四角形状とされ、前記第1、第2中心導体が前記板状磁性体の長辺方向にほぼ沿うように配置され、前記第3中心導体が前記第1、第2中心導体より短く形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のアイソレータ。
- 前記第3中心導体に接続される整合用容量素子の平面視形状が、前記第1、第2中心導体に接続される整合用容量素子の平面視形状よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載のアイソレータ。
- 前記第3中心導体に接続される整合用容量素子の厚みが、前記第1、第2中心導体に接続される整合用容量素子の厚みより小さくされたことを特徴とする請求項4または請求項6に記載のアイソレータ。
- 前記第3中心導体に接続される整合用容量素子の誘電率が、前記第1、第2中心導体に接続される整合用容量素子の誘電率より大きくされたことを特徴とする請求項4に記載のアイソレータ。
- 板状磁性体の一面側に共通電極が配置されるとともに前記板状磁性体の他面側に第1、第2、第3の中心導体が相互に交差された状態で配置され、各中心導体の一端側に前記共通電極が接続されるとともに各中心導体の他端側に整合用容量素子が各々接続され、更に前記第3の中心導体の他端側には終端抵抗素子が接続されてなり、
前記第3中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量が、前記第1、第2中心導体に接続される整合用容量素子の静電容量より大きくされたことを特徴とするアイソレータ。 - 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のアイソレータと、該アイソレータの前記第1または第2中心導体に接続された送信回路部と、前記第2または第1中心導体に接続されたアンテナとを具備してなることを特徴とする通信機装置。
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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