JP2004350164A - 非可逆回路素子、非可逆回路素子の製造方法および通信装置 - Google Patents

非可逆回路素子、非可逆回路素子の製造方法および通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】整合用コンデンサの静電容量値の増加および減少いずれの調整にも対応でき、かつ、回路構成の簡素な非可逆回路素子、非可逆回路素子の製造方法および通信装置を提供する。
【解決手段】整合用副コンデンサC4〜C6のコールド側コンデンサ電極は樹脂製端子ケース3に露出しているアース接続電極部16aにそれぞれはんだ付けされ、ホット側コンデンサ電極は組み立て前にはいずれの電極にも接続していない。整合用主コンデンサC1〜C3の静電容量が小さ過ぎる場合には、金属製上側ケース8の開口8a,8bを通して、整合用主コンデンサC1〜C3のホット側コンデンサ電極と整合用副コンデンサC4〜C6のホット側コンデンサ電極とをワイヤボンディング法で電気的に接続する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばマイクロ波帯で使用されるアイソレータなどの非可逆回路素子、非可逆回路素子の製造方法および通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の集中定数型アイソレータは、概略、永久磁石と、永久磁石により直流磁界Hが印加されるフェライトと、フェライトに互いに電気的絶縁状態で交差して配置されている複数の中心電極と、これら中心電極に電気的に接続している整合用コンデンサと、金属ケースとで構成されている。
【0003】
ところで、従来の集中定数型アイソレータにおいて、フェライトの磁気共鳴半値幅(△H)や飽和磁化(4πMs)などがばらついたり、中心電極の交差角や電極幅などがばらついたりすると、挿入損失や反射損失やアイソレーションが劣化してしまう。そこで、従来は、特許文献1や特許文献2に示すように、整合用コンデンサのコンデンサ電極をレーザやリュータによりトリミングして、整合用コンデンサの静電容量値を調整することにより所望の特性を得ていた。
【0004】
また、特許文献3のように、異なる複数の周波数帯域で動作させるために、動作周波数に応じてスイッチ回路を切り替えることにより、アイソレータの各中心電極の入出力ポートに接続された共振回路の共振周波数を変更するものも知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−303605号公報
【特許文献2】
特開平9−289402号公報
【特許文献3】
特開平9−93003号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1や特許文献2のように、コンデンサ電極のトリミングによる調整は、静電容量値を減少させる調整しかできないという問題があった。また、特許文献3のアイソレータは、回路構成が複雑で大型化するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、整合用コンデンサの静電容量値の増加および減少いずれの調整にも対応でき、かつ、回路構成の簡素な非可逆回路素子、非可逆回路素子の製造方法および通信装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】
前記目的を達成するため、本発明に係る非可逆回路素子は、
(a)永久磁石と、
(b)永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、
(c)フェライトに互いに電気的絶縁状態で交差して配置されている複数の中心電極と、
(d)中心電極の少なくとも一つに電気的に接続している整合用主コンデンサと、
(e)中心電極の少なくとも一つに電気的に接続して、整合用主コンデンサとともにインピーダンス整合をとるための整合用副コンデンサと、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
整合用副コンデンサを中心電極の少なくとも一つに電気的に接続することにより、整合用主コンデンサの静電容量に整合用副コンデンサの静電容量が加わる。そして、整合用主コンデンサや整合用副コンデンサのコンデンサ電極をトリミングすることにより、整合用主コンデンサと整合用副コンデンサの合成静電容量を調整する(減少させる)ことができる。整合用副コンデンサの静電容量は、例えば、整合用主コンデンサの静電容量の1/2以下である。
【0010】
また、整合用主コンデンサと整合用副コンデンサを誘電体基板に設けることにより、非可逆回路素子の構成部品点数が少なくなるとともに、非可逆回路素子の組立て作業が簡素になる。
【0011】
さらに、整合用副コンデンサと中心電極を、ワイヤボンディング方式もしくはTAB方式で電気的に接続することにより、作業時間が短く、かつ、信頼性の高い接続が可能となる。
【0012】
また、本発明に係る通信装置は、前述の特徴を有する非可逆回路素子を備えることにより、小型で安価なものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る非可逆回路素子、非可逆回路素子の製造方法および通信装置の実施の形態について添付の図面を参照して説明する。
【0014】
[第1実施形態、図1〜図3]
図1に示すように、集中定数型アイソレータ1は、概略、金属製下側ケース4と、樹脂製端子ケース3と、中心電極組立体13と、金属製上側ケース8と、永久磁石9と、終端抵抗Rと、整合用主コンデンサC1〜C3と、整合用副コンデンサC4〜C6等を備えている。金属製上側ケース8には、開口8a,8bが設けられており、アイソレータ1を組み立てた後、平面視で開口8a,8bを通してコンデンサC1〜C6の一部がトリミング可能に露出する。
【0015】
中心電極組立体13は、円板状のマイクロ波フェライト20の上面に、中心電極21〜23を電気的絶縁状態で、それぞれの交差角が略120度になるように配置している。中心電極21,22,23は、それぞれのホットエンドにポート部P1,P2,P3を有し、コールドエンドにアース電極25が接続されている。
【0016】
中心電極21,22,23共通のアース電極25は、フェライト20の下面を略覆うように設けられている。中心電極組立体13は、フェライト20の裏面に設けられたアース電極25が、樹脂製端子ケース3の窓部3cを通して、金属製下側ケース4の底壁4bにはんだ付け等の方法により接続され、接地される。
【0017】
図2に示すように、樹脂製端子ケース3には、入力端子14、出力端子15及び四つのアース端子16がインサートモールドされている。これらの端子14〜16は、一端が樹脂製端子ケース3の対向する側壁3aからそれぞれ外方向へ導出され、他端が樹脂製端子ケース3の底部3bに露出してそれぞれ入力接続電極部14a、出力接続電極部15a及びアース接続電極部16aを形成している。入力接続電極部14a及び出力接続電極部15aは、中心電極21,22のポート部P1,P2にそれぞれはんだ付けされている。
【0018】
整合用主コンデンサC1〜C3並びに整合用副コンデンサC4〜C6は、誘電体基板の表裏面にそれぞれホット側コンデンサ電極およびコールド側コンデンサ電極を形成した単板型コンデンサである。整合用主コンデンサC1〜C3のホット側コンデンサ電極は中心電極21〜23のポート部P1〜P3にそれぞれはんだ付けされ、コールド側コンデンサ電極は樹脂製端子ケース3に露出しているアース接続電極部16aにそれぞれはんだ付けされている。
【0019】
一方、整合用副コンデンサC4〜C6のコールド側コンデンサ電極は樹脂製端子ケース3に露出しているアース接続電極部16aにそれぞれはんだ付けされ、ホット側コンデンサ電極は組み立て前にはいずれの電極にも接続していない。整合用副コンデンサC4〜C6の静電容量は、例えば、整合用主コンデンサC1〜C3の静電容量の1/10〜1/2程度である。
【0020】
終端抵抗Rの一方は、中心電極23のポート部P3を介して整合用コンデンサC3のホット側コンデンサ電極に接続され、他方は樹脂製端子ケース3の底部3bに露出しているアース接続電極部16aに接続されている。つまり、整合用コンデンサC3と終端抵抗Rとは、中心電極23のポート部P3とアースとの間に電気的に並列に接続されている。
【0021】
以上の構成からなる各部品は、例えば、次のようにして組み立てられる。図1に示すように、樹脂製端子ケース3の下方から金属製下側ケース4を装着する。次に、この樹脂製端子ケース3内に、中心電極組立体13や整合用主コンデンサC1〜C3や整合用副コンデンサC4〜C6や終端抵抗Rなどを収容し、金属製上側ケース8を装着する。金属製上側ケース8と中心電極組立体13の間には、永久磁石9が配置される。永久磁石9は、中心電極組立体13に直流磁界Hを印加する。下側ケース4と上側ケース8は接合して金属ケースをなし、磁気回路を構成しており、ヨークとしても機能している。
【0022】
次に、こうして組み立てられたアイソレータ1の電気特性が測定される。測定の結果、所望の電気特性が得られていない場合には、以下の調整方法の中から適宜最適な方法が選択される。
【0023】
整合用主コンデンサC1〜C3の静電容量が大き過ぎる場合、従来のように、金属製上側ケース8の開口8a,8bを通して、整合用主コンデンサC1〜C3のホット側コンデンサ電極をレーザビームまたはリュータなどでトリミングする。これにより、ホット側コンデンサ電極の一部を除去して、整合用主コンデンサC1〜C3の静電容量を小さくする。
【0024】
整合用主コンデンサC1〜C3の静電容量が小さ過ぎる場合、金属製上側ケース8の開口8a,8bを通して、整合用主コンデンサC1〜C3のホット側コンデンサ電極と整合用副コンデンサC4〜C6のホット側コンデンサ電極とをワイヤボンディング法で電気的に接続する。ワイヤボンディング法は、作業時間が短く、かつ、信頼性の高い接続方法である。ワイヤ28の材質としては、Au線、Al線、Cu線などの低抵抗金属材料が用いられる。なお、コンデンサC1〜C6のホット側コンデンサ電極の表面には予めAuめっきやAgめっき処理をして、ワイヤボンディングができる状態にしておく必要がある。
【0025】
こうして、図3に示すように、整合用副コンデンサC4〜C6をそれぞれ整合用主コンデンサC1〜C3や中心電極21〜23に対して並列接続し、整合用主コンデンサC1〜C3の静電容量に整合用副コンデンサC4〜C6の静電容量を加える。これで所望の電気特性が得られれば、調整作業は終了する。
【0026】
しかし、整合用主コンデンサC1(C2,C3)と整合用副コンデンサC4(C5,C6)の合成静電容量が大き過ぎる場合には、さらに、金属製上側ケース8の開口8a,8bを通してコンデンサC1とC4(C2とC5、または、C3とC6)のホット側コンデンサ電極をレーザビームまたはリュータなどでトリミングする。これにより、ホット側コンデンサ電極の一部を除去して、コンデンサC1とC4(C2とC5,または、C3とC6)の合成静電容量を小さくする。
【0027】
以上のように、アイソレータ1は、整合用コンデンサの静電容量値の増加および減少のいずれの調整にも対応できる。その結果、良品率が向上する。また、従来の特許文献3のアイソレータと比較して、本第1実施形態のアイソレータ1は、特別なスイッチ回路を設けなくてもすむので、回路構成が簡素化できる。
【0028】
[第2実施形態、図4〜図7]
図4に示すように、集中定数型アイソレータ51は、概略、金属製下側ケース54と金属製上側ケース58とからなる金属ケースと、永久磁石59と、中心電極組立体60と、終端抵抗Rや整合用主コンデンサC1〜C3や整合用副コンデンサC4〜C6を設けた矩形状の積層基板70を備えている。
【0029】
中心電極組立体60は、平面視形状が長方形のマイクロ波フェライト64の上面に中心電極61,62,63を絶縁層(図示せず)を介在させて略120度で交差するように配置している。
【0030】
中心電極61〜63は銅箔を用いてフェライト64に貼り付けてもよいし、フェライト64上にAg,Au,Ag−Pd,Cuなどの導電ペーストを印刷して形成してもよい。導電ペーストには感光性樹脂が含まれており、導電ペーストをフェライト64の全面に印刷した後、露光、現像して不要部分を除去してから焼成する。これにより、位置精度の高い厚膜の中心電極61〜63が形成されるので、安定な電気特性が得られる。
【0031】
図5に示すように、積層基板70は、コンデンサ電極71〜73,76〜78や中心電極コールドエンド用接続電極75や終端抵抗Rなどを表面に設けた誘電体シートと、グランド電極79などを表面に設けた誘電体シートとを積み重ねて一体的に焼成したものである。
【0032】
電極71〜73,75〜79は、スクリーン印刷やフォトリソグラフ等の方法により誘電体シートに形成されている。電極71〜73,75〜79等の材料としては、抵抗率が低く、誘電体シートと同時焼成可能なAg,Cu,Ag−Pdなどが用いられる。コンデンサ電極71〜73は、中心電極ホットエンド用接続電極としても機能する。
【0033】
終端抵抗Rは、スクリーン印刷等の方法により誘電体シートの表面に形成されている。終端抵抗Rの材料としては、サーメット、カーボン、ルテニウムなどが使用される。
【0034】
ビアホール80は、誘電体シートにレーザ加工やパンチング加工などにより、予めビアホール用孔を形成した後、そのビアホール用孔に導電ペーストを充填することにより形成される。一般に、導電ペーストの材料としては、電極71〜73等と同一の材料(Ag,Cu,Ag−Pdなど)が用いられる。
【0035】
コンデンサ電極71〜73はそれぞれ、誘電体シートを間に挟んでグランド電極79に対向して整合用主コンデンサC1〜C3を構成する。コンデンサ電極76〜78はそれぞれ、誘電体シートを間に挟んでグランド電極79に対向して整合用副コンデンサC4〜C6を構成する。積層基板70の底面には、入力端子84、出力端子85およびグランド端子86が突出して配設されている。
【0036】
以上の構成部品は以下のようにして組み立てられる。すなわち、永久磁石59は金属製上側ケース58の天井に接着剤によって固定される。積層基板70上には、中心電極組立体60が、中心電極61〜63の各々の端部が積層基板70の表面に形成されたコンデンサ電極71〜73や中心電極コールドエンド用接続電極75にはんだ付けされることにより、実装される。
【0037】
積層基板70は金属製下側ケース54の底部54b上に載置され、積層基板70の裏面に設けたグランド電極79がはんだによって底部54bに固定されるとともに電気的に接続される。
【0038】
次に、こうして組み立てられたアイソレータ51の電気特性が測定される。測定の結果、所望の電気特性が得られていない場合には、以下の調整方法の中から適宜最適な方法が選択される。
【0039】
整合用主コンデンサC1〜C3の静電容量が大き過ぎる場合、従来のように、金属製上側ケース58の開口58a〜58cを通して、整合用主コンデンサC1〜C3のホット側コンデンサ電極71〜73をレーザビームまたはリュータなどでトリミングする。これにより、ホット側コンデンサ電極71〜73の一部を除去して、整合用主コンデンサC1〜C3の静電容量を小さくする。
【0040】
整合用主コンデンサC1〜C3の静電容量が小さ過ぎる場合、金属製上側ケース58の開口58a〜58cを通して、整合用主コンデンサC1〜C3のホット側コンデンサ電極71〜73と整合用副コンデンサC4〜C6のホット側コンデンサ電極76〜78とをTAB法で電気的に接続する。
【0041】
TAB法は、半導体チップ実装に使用されている周知の方法である。図6に示すように、バンプ90は、樹脂フィルムキャリアテープ81のリード導体パターン82と積層基板70のコンデンサ電極71〜73,76〜78とを接続するための媒体である。バンプ90はコンデンサ電極71〜73,76〜78上に形成されている。ただし、バンプ90はリード導体パターン82の表面に形成されていてもよい。
【0042】
TAB法は、リード導体パターン82とコンデンサ電極71〜73,76〜78のバンプ90とを接合するILB(Inner Lead Bonding)工程と、接合部を保護するための樹脂塗布工程と、樹脂フィルムキャリアテープ81から所定寸法に切り出すパンチング工程とからなる。リード導体パターン82としては、通常、Cu母材にAuめっきやSnめっきを施したものが使用される。
【0043】
こうして、図7に示すように、整合用副コンデンサC4〜C6をそれぞれ、リード導体パターン82を介して整合用主コンデンサC1〜C3に接続することができ、図3に示したアイソレータ1と同様の電気回路を有するアイソレータ51が得られる。すなわち、整合用副コンデンサC4〜C6をそれぞれ整合用主コンデンサC1〜C3や中心電極61〜63に対して並列接続し、整合用主コンデンサC1〜C3の静電容量に整合用副コンデンサC4〜C6の静電容量を加える。これで所望の電気特性が得られれば、調整作業は終了する。
【0044】
しかし、整合用主コンデンサC1(C2,C3)と整合用副コンデンサC4(C5,C6)の合成静電容量が大き過ぎる場合には、さらに、金属製上側ケース58の開口58a〜58cを通してコンデンサC1とC4(C2とC5、または、C3とC6)のホット側コンデンサ電極71〜73,76〜78をレーザビームまたはリュータなどでトリミングする。これにより、ホット側コンデンサ電極71〜73,76〜78の一部を除去して、コンデンサC1とC4(C2とC5,または、C3とC6)の合成静電容量を小さくする。本第2実施形態のアイソレータ51は前記第1実施形態のアイソレータ1と同様の作用効果を奏する。
【0045】
また、本発明では、整合用コンデンサC1〜C6の数が、通常のアイソレータと比較して多くなるため、個別部品の整合用コンデンサC1〜C6を用いると、部品点数や接続箇所が増加して信頼性が低下し、小型化にも不利である。そこで、整合用コンデンサC1〜C6を積層基板70に内蔵することで、小型で高信頼性のアイソレータ51を得ることができる。
【0046】
[第3実施形態、図8]
第3実施形態は、本発明に係る通信装置として、携帯電話を例にして説明する。
【0047】
図8は携帯電話120のRF部分の電気回路ブロック図である。図8において、122はアンテナ素子、123はデュプレクサ、131は送信側アイソレータ、132は送信側電力増幅器、133は送信側段間用帯域通過フィルタ、134は送信側ミキサ、135は受信側電力増幅器、136は受信側段間用帯域通過フィルタ、137は受信側ミキサ、138は電圧制御発振器(VCO)、139はローカル用帯域通過フィルタである。
【0048】
ここに、送信側アイソレータ131として、例えば前記第1実施形態または第2実施形態のアイソレータ1,51が用いられる。これらのアイソレータ1,51を実装することにより、電気的特性の向上した、かつ、高信頼性で小型の携帯電話120を実現することができる。
【0049】
[他の実施形態]
なお、本発明は前記実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。例えば、本発明に係る非可逆回路素子は、アイソレータ以外に、サーキュレータやカップラ内蔵の非可逆回路素子などであってもよい。
【0050】
また、図9に示すように、整合用主コンデンサC1〜C3の各々に対して、複数の整合用副コンデンサC4,C7、C5,C8、C6,C9を並列接続することにより、調整精度をさらに向上させてもよい。
【0051】
さらに、前記第1実施形態で、整合用主コンデンサC1〜C3のホット側コンデンサ電極と整合用副コンデンサC4〜C6のホット側コンデンサ電極とをTAB法で電気的に接続するものであってもよい。また、前記第2実施形態で、整合用主コンデンサC1〜C3のホット側コンデンサ電極71〜73と整合用副コンデンサC4〜C6のホット側コンデンサ電極76〜78とをワイヤボンディング法で電気的に接続するものであってもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、整合用副コンデンサを中心電極の少なくとも一つに電気的に接続することにより、整合用主コンデンサの静電容量に整合用副コンデンサの静電容量を加えることができる。従って、トリミングによる調整方法を併用することにより、非可逆回路素子の整合用コンデンサの静電容量値の増加および減少のいずれの調整にも対応することができる。この結果、小型で優れた周波数特性を有する通信装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非可逆回路素子の第1実施形態を示す分解斜視図。
【図2】図1に示した非可逆回路素子の内部平面図。
【図3】図1に示した非可逆回路素子の電気等価回路図。
【図4】本発明に係る非可逆回路素子の第2実施形態を示す分解斜視図。
【図5】図4に示された積層基板の断面図。
【図6】TAB法を説明するための拡大断面図。
【図7】TAB法による整合用主コンデンサと整合用副コンデンサの接続状態を示す平面図。
【図8】本発明に係る通信装置の一実施形態を示す電気回路ブロック図。
【図9】他の実施形態を示す電気等価回路図。
【符号の説明】
1,51…アイソレータ
4,54…金属製下側ケース
8,58…金属製上側ケース
9,59…永久磁石
20,64…フェライト
21〜23,61〜63…中心電極
120…携帯電話
R…終端抵抗
C1〜C3…整合用主コンデンサ
C4〜C6…整合用副コンデンサ

Claims (6)

  1. 永久磁石と、
    前記永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、
    前記フェライトに互いに電気的絶縁状態で交差して配置されている複数の中心電極と、
    前記中心電極の少なくとも一つに電気的に接続している整合用主コンデンサと、
    前記中心電極の少なくとも一つに電気的に接続して、前記整合用主コンデンサとともにインピーダンス整合をとるための整合用副コンデンサと、
    を備えたことを特徴とする非可逆回路素子。
  2. 前記整合用主コンデンサと前記整合用副コンデンサを誘電体基板に設けたことを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
  3. 前記整合用副コンデンサがワイヤボンディング方式もしくはTAB方式で前記中心電極に電気的に接続していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非可逆回路素子。
  4. 前記整合用副コンデンサの静電容量が前記整合用主コンデンサの静電容量の1/2以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  5. 永久磁石と、前記永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、前記フェライトに互いに電気的絶縁状態で交差して配置されている複数の中心電極と、前記中心電極の少なくとも一つに電気的に接続している整合用主コンデンサと、前記中心電極の少なくとも一つに電気的に接続して、前記整合用主コンデンサとともにインピーダンス整合をとるための整合用副コンデンサとを備えた非可逆回路素子の製造方法であって、
    前記整合用副コンデンサを前記中心電極の少なくとも一つに電気的に接続して、前記整合用主コンデンサの静電容量に前記整合用副コンデンサの静電容量を加える工程と、
    前記整合用主コンデンサのコンデンサ電極および前記整合用副コンデンサのコンデンサ電極の少なくともいずれか一方をトリミングすることにより、前記整合用主コンデンサと前記整合用副コンデンサの合成静電容量を調整する工程と、
    を備えたことを特徴とする非可逆回路素子の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の非可逆回路素子の少なくともいずれか一つを備えたことを特徴とする通信装置。
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JP2007267052A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Hitachi Metals Ltd 非可逆回路素子
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