JP2007267052A - 非可逆回路素子 - Google Patents

非可逆回路素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2007267052A
JP2007267052A JP2006089709A JP2006089709A JP2007267052A JP 2007267052 A JP2007267052 A JP 2007267052A JP 2006089709 A JP2006089709 A JP 2006089709A JP 2006089709 A JP2006089709 A JP 2006089709A JP 2007267052 A JP2007267052 A JP 2007267052A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode pattern
input
output port
capacitance
multilayer substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006089709A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007267052A5 (ja
Inventor
Yasushi Kishimoto
靖 岸本
Takefumi Terawaki
武文 寺脇
Minoru Nozu
稔 野津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2006089709A priority Critical patent/JP2007267052A/ja
Publication of JP2007267052A publication Critical patent/JP2007267052A/ja
Publication of JP2007267052A5 publication Critical patent/JP2007267052A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)

Abstract

【課題】優れた電気的特性が得られる非可逆回路素子を提供する。
【解決手段】第1及び第2入出力ポートの間に接続した第1インダクタンス素子と、第2入出力ポートとアースの間に接続した第2インダクタンス素子と、第1及び第2入出力ポートの間に接続し、第1インダクタンス素子と並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子と、第2入出力ポートとグランドとの間に接続し、第2インダクタンス素子と並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子と、第1及び第2入出力ポートの間に接続した抵抗素子とを備えた非可逆回路素子であり、1及び/又は第2キャパシタンス素子は、積層基板内に電極パターンで形成キャパシタを含み、積層基板の表面には、積層基板内部のキャパシタ用電極パターンと接続する表面電極パターンを備え、表面電極パターンとの電気的接続により第1及び/又は第2キャパシタンス素子の容量値を調整する島状電極パターンを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高周波信号に対して非可逆伝送特性を有する非可逆回路素子に関し、特に携帯電話等の移動体通信システム中で使用され、一般にアイソレータと呼ばれる非可逆回路素子に関する。
数100MHzから十数GHzの周波数帯を利用した移動体通信機器、すなわちPHS(パーソナル・ハンデイ・ホン)の基地局や、携帯電話の端末機等には、アイソレータ等の非可逆回路素子が多く使用されている。アイソレータは、例えば移動体通信機器の送信段において電力増幅器とアンテナとの間に配置され、電力増幅器への不要信号の逆流を防ぐとともに、電力増幅器の負荷側のインピーダンスを安定させる。従って、アイソレータは挿入損失特性、反射損失特性及びアイソレーション特性に優れていることが要求される。
図9は特許文献1に開示された2端子対アイソレータの等価回路であり、図10はその各部品を示す分解斜視図である。この2端子対アイソレータは、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2との間に設けられた第1中心導体21で形成された第1のインダクタンス素子L1と、第1中心導体21と電気的絶縁状態で交差するように第2入出力ポートP2とアースとの間に設けられた第2中心導体22で形成された第2のインダクタンス素子L2と、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2の間に設けられ、第1のインダクタンス素子L1と第1並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子Ciと、抵抗素子Rと、第2入出力ポートP2とアースとの間に設けられ、第2のインダクタンス素子L2と第2並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子Cfとを有する。
第1入出力ポートP1から第2入出力ポートP2に高周波信号が伝搬する際には、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2との間の第1並列共振回路は共振しないが、第2並列共振回路が共振するため、伝送損失が少ない(挿入損失特性に優れている)。第2入出力ポートP2から第1入出力ポートP1に逆流する電流は、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2との間の抵抗素子Rに吸収される。
図10に示すように、2端子対アイソレータ1は、磁気回路を構成するように軟鉄等の強磁性金属からなるケース(上側ケース4、下側ケース8)と、永久磁石9と、マイクロ波フェライト20及び中心導体21,22からなる中心導体組立体13と、中心導体組立体13を搭載する積層基板30とを備えている。中心導体組立体13は、円板状マイクロ波フェライト20と、その上面に絶縁層(図示せず)を介して直交するように配置された第1及び第2の中心導体21,22とを備えている。第1及び第2の中心導体21,22はそれぞれ二本の線路で構成され、各線路の両端部は相互に分離した状態でマイクロ波フェライト20の下面に延在している。
積層基板30には、第1の並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子Ciと、第2の並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子Cfと、抵抗素子Rとが形成されている。積層基板30は、中心導体21,22の端部と接続する電極51〜54を備え、第1中心導体21の一端部は、電極51を介して入力外部電極14に接続されている。第1中心導体21の他端部は、電極54を介して出力外部電極15に接続されている。第2中心導体22の一端部は、電極53を介して出力外部電極15に接続されている。第2中心導体22の他端部は、電極52を介してアース外部電極16に接続されている。
2端子対アイソレータでは、第1中心導体21で形成された第1のインダクタンス素子L1及び第1キャパシタンスCiを調整することにより、アイソレーションが最大となる共振周波数(以下「ピーク周波数」と言うこともある。)を決定し、第2中心導体22で形成された第2のインダクタンス素子L2、及び第2キャパシタンスCfを調整することにより、挿入損失が最小となるピーク周波数を決定している。
このように2端子対アイソレータの電気的特性は、通信機器が採用している通信システムの周波数に応じて、第1及び第2のインダクタンス素子L1、L2と、第1及び第2のキャパシタンスCi、Cfとを調整することにより決定される。このため、2端子対アイソレータで優れた電気的特性を得るには、第1及び第2のインダクタンス素子L1,L2と第1及び第2のキャパシタンス素子Ci,Cfのばらつきを少なく、精度良く形成することが重要である。
しかしながら、それぞれのインダクタンス値及びキャパシタンス値は、前記構成部品自体の様々な要因によりばらつくため、ピーク周波数を一定とするのは困難なことが多い。そのため、得られた2端子対アイソレータの中に、電気的特性が所望の範囲から外れたものが多かった。
第1及び第2のインダクタンス素子L1,L2に起因する電気的特性のばらつきについては、それらのインダクタンスが中心導体の幅及び間隔及びマイクロ波フェライトの磁気特性、及び外形寸法のほかに、永久磁石からの直流磁界により決定されるので、着磁コイルにより永久磁石の磁力を調整することにより低減可能である。しかし、積層基板50に形成する第1及び第2のキャパシタンス素子Ci,Cfに起因する電気的特性のばらつきについては、それらのキャパシタンスが誘電体の誘電特性、コンデンサ電極の面積や間隔等により決定されるため、電極膜厚、誘電体シート厚等の各種作成条件を高精度で制御しても、容量の精度は±4%程度が限界であり、低減するのが難しい。
前述のように電極膜厚、誘電体シート厚等の調整により容量値のばらつきを抑えるのが困難であるため、従来は積層基板に形成された電極パターンをレーザによりトリミングする方法が用いられていた。しかしながら、トリミングによる第1及び第2のキャパシタンス素子Ci,Cfの容量値の調整は、積層基板の割れや、クラック等の発生を招き、製品歩留りを著しく低下させていた。
このような問題を解決する為、本発明者等は特許文献2において、第1キャパシタンス素子や第2キャパシタンス素子を、積層基板に内蔵するキャパシタと、チップコンデンサとを並列接続して構成することを提案している。この方法は容量値を調整するのに、実効的で有効なものであるが、別途チップコンデンサを準備する必要があり、その分、コストの上昇を招く。
特開2004−88743 WO2006/013865
そこで本発明の目的は、トリミング等の加工手段によらず、第1、第2のキャパシタンス素子が有する容量値を容易に調整可能とし、そのばらつきを低減することにより、もっと優れた電気的特性が得られる非可逆回路素子を提供することである。
本発明の非可逆回路素子は、第1入出力ポートと第2入出力ポートとの間に接続された第1インダクタンス素子と、第2入出力ポートとアースとの間に接続された第2インダクタンス素子と、前記第1入出力ポートと前記第2入出力ポートとの間に接続され、前記第1インダクタンス素子と並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子と、前記第2入出力ポートとグランドとの間に接続され、前記第2インダクタンス素子と並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子と、前記第1入出力ポートと前記第2入出力ポートとの間に接続された抵抗素子とを備えた非可逆回路素子であって、前記第1キャパシタンス素子及び/又は前記第2キャパシタンス素子は、誘電体と電極パターンで構成された積層基板内に前記電極パターンで形成されたキャパシタを含み、前記積層基板の表面には、積層基板内部のキャパシタ用電極パターンと接続する表面電極パターンを備え、更に前記表面電極パターンとの電気的接続により前記第1及び/又は第2キャパシタンス素子の容量値を調整する島状電極パターンを備えた非可逆回路素子である。
本発明の非可逆回路素子は、マイクロ波フェライトに、前記第1インダクタンス素子を構成する第1中心導体と、前記第2インダクタンス素子を構成する第2中心導体を交差して配置して形成した中心導体組立体を有し、これを前記積層基板表面に形成された表面電極パターンに実装してなる。そして、第1中心導体及び第2中心導体の一端は、共通の表面電極パターンと接続するのが好ましい。また、前記第2中心導体の他端は前記表面電極パターンと接続し、前記第1中心導体の他端は他の表面電極パターンと接続する。そして、前記積層基板の裏面には、入力端子及び出力端子が形成されており、前記積層基板に形成されたビアホールを介して、各表面電極パターンと接続する。
以上の通り、第1キャパシタンス素子及び/又は第2キャパシタンス素子を積層基板に電極パターンで形成すると共に、積層基板の表面に形成した島状電極パターンによる容量補正によって、トリミング等の手段によらず、第1及び第2キャパシタンス素子の容量値のばらつきを低減し、積層基板に加工によるダメージを与えず、電気的特性に優れた非可逆回路素子を歩留り良く製造することができる。
図1は、本発明の一実施態様による非可逆回路素子に用いる積層基板の外観斜視図であり、図2(a)(b)は、積層基板の部分拡大図であり、図3は積層基板の分解斜視図である。また、図4は一実施態様による非可逆回路素子の内部構造を示す平面図であり、図5は非可逆回路素子の分解斜視図であり、図6は非可逆回路素子の外観斜視図である。また図7は、本発明の一実施態様による非可逆回路素子としての2端子対アイソレータの等価回路を示す。
この非可逆回路素子は、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2との間に接続された第1のインダクタンス素子L1と、第2入出力ポートP2とグランドとの間に接続された第2のインダクタンス素子L2と、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2の間に接続され、第1のインダクタンス素子L1と第1の並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子Ciと、第2入出力ポートP2とグランドとの間に接続され、第2のインダクタンス素子L2と第2の並列共振回路とを構成する第2キャパシタンス素子Cfと、第1入出力ポートP1とグランドとの間に接続された第3キャパシタンス素子Cinと、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2の間に接続された抵抗素子Rとを具備する。
非可逆回路素子1は、マイクロ波フェライト20及びそれを包むように配置された中心導体(マイクロ波フェライト20上で互いに電気的絶縁状態で交差する第1中心導体21及び第2中心導体22からなる)を備えた中心導体組立体13と、内部にコンデンサCi及びCfが形成され、表面に電極パターン35a、35b、40,45,50a,50b,50c、入出力電極IN,OUT、グランド電極GNDが形成され、チップ抵抗Rを実装した積層基板30と、積層基板30を収容する下ケース8と、マイクロ波フェライト20に直流磁界を供給する永久磁石9と、永久磁石9を収容するとともに、下ケース8と係合する上ケース4とを具備する。
第1及び第2のキャパシタンス素子Ci、Cfは、専ら積層基板30の内部に形成された電極パターンによって構成されるが、容量値が不足する場合には、積層基板30の外表面に形成した島状電極パターンの電気的接続により容量値を調整可能としている。この島状電極パターンは、積層基板内や外表面に形成された他の電極パターンと電気的に未接続状態に形成されている。
積層基板30は、公知のLTCC(Low Temperature Co−fireable Ceramics)法で作製される。低温焼成が可能なセラミックからなる誘電体シート上に、Ag,Cu等を主体とする導電ペーストを印刷して所望の導体パターンを形成し、得られた複数の導体パターン付き誘電体シートを積層し、焼成することにより得られる。これにより、複数のキャパシタンス素子を一体化した積層基板30が得られる。積層基板50に低温焼結セラミックスを用いることにより、Ag,Cu,Au等の高い導電率を有する金属を電極パターンに使用できる。そして高いQ値を有する誘電体材料を用いるとともに、電気抵抗による損失を抑えた電極を用いることにより、極めて損失の小さい非可逆回路素子が得られる。
誘電体シートS1には電極パターン35a、35b,40,45,50a〜50cが配設され、誘電体シートS2には電極パターン36が形成され、誘電体シートS3には電極パターン37が形成され、誘電体シートS4には電極パターン38と電極パターンGNDが形成され、誘電体シートS5には電極パターンGNDが形成されている。積層基板30の裏面には、入力端子用電極パターンINと出力端子用電極パターンOUTとがグランド電極GNDを挟んで配設されている。
誘電体シートS1〜S5上の電極パターンは、導電性ペーストを充填したビアホール(図中黒丸で表示)を介して適宜電気的に接続されている。積層基板30の表面に形成された電極パターン50aは、ビアホールと誘電体シートS2の電極パターン36を介して入力端子用電極パターンINと接続する。また、電極パターン40及び45は、ビアホールと誘電体シートS2の電極パターン36及び誘電体シートS4の電極パターン38を介して入力端子用電極パターンOUTと接続する。また電極パターン35aは、ビアホールを介して入力端子用電極パターンOUTと接続し、電極パターン36,37,38で第1のキャパシタンス素子Ciを形成し、電極パターン38と誘電体シートS5の電極パターンGNDで第2のキャパシタンス素子Cfを形成している。また、誘電体シートS4の電極パターンGNDは、誘電体シートS3の電極パターン37とで、インピーダンス整合用の第3のキャパシタンス素子Cinを形成している。
積層基板30内に形成されたキャパシタの容量値を計測し、第1又は第2のキャパシタンス素子Ci,Cfの容量値との差分を、積層基板内のコンデンサ用電極パターンと接続する表面電極パターンと、島状電極パターンとを電気的に接続して調整する。
島状電極パターン50bは、表面電極パターン50aと導電性接着剤70で接続されることで、下層の電極パターン36と対向して、第1のキャパシタンス素子Ciを調整するキャパシタを形成する。島状電極パターン50bで得られたキャパシタでも容量値が不足する場合には、島状電極パターン50bと島状電極パターン50cを導電性接着剤70で接続する。島状電極パターン35bは、表面電極パターン35aと導電性接着剤70で電気的に接続されることで、下層の電極パターン36と対向して第2のキャパシタンス素子Cfを調整するキャパシタを形成する。表面電極パターン50aと島状電極パターン50bとの接続手段は、はんだ接続、金属ワイヤやリボンで接続することが可能であるが、導電性接着剤を用いるのが最も容易である。
従来の電極パターンをトリミングする方法では、キャパシタンス素子の容量値を減じるように調整するが、本発明では積層基板30内のコンデンサCi,Cfの容量値のばらつきに応じて、容量値を増加させることにより、第1及び第2のキャパシタンス素子Ci,Cfのばらつきを低減し、所望の容量値に設定することができる。
中心導体組立体13には、例えば矩形状のマイクロ波フェライト20の表面に、第1中心導体21及び第2中心導体22が絶縁層(図示せず)を介して交差するように配置されている。本実施例では第1中心導体21及び第2中心導体22は直交している(交差角が90°である)が、交差角が90°以外の場合も本発明の範囲内である。一般に、第1中心導体21及び第2中心導体22は80°〜110°の角度範囲で交差していれば良い。
このような中心導体は、例えば厚さ30μmの銅板から打ち抜き等により形成することができる。高周波における表皮効果により損失を低減するために、銅板に厚さ1〜4μmの銀メッキを施すのが好ましい。
本実施例において、第1中心導体21は3本の並列導体(線路)からなり、第2中心導体22は1本の導体(線路)からなる。このような構成により、第1中心導体21のインダクタンスは第2中心導体22のインダクタンスより小さく形成されて、インピーダンスが調整される。
第1中心導体21及び第2中心導体22を一枚の銅板により一体的に形成する代わりに、別々の銅板により形成しても良い。またポリイミド等の可撓性耐熱絶縁シートの両面に、第1中心導体21及び第2中心導体22を、印刷法又はエッチング法により形成しても良い。さらにマイクロ波フェライト20に第1中心導体21及び第2中心導体22を印刷しても良い。このように、第1中心導体21及び第2中心導体22の形態は限定的ではない。
マイクロ波フェライト20は、永久磁石9からの直流磁界に対して非可逆回路素子としての機能を果たす磁性材であれば良い。好ましい磁性材として、イットリウム−鉄−ガーネット(YIG)等のようなガーネット構造を有するフェライトが挙げられるが、使用周波数によってはNi系フェライト等のスピネル構造を有するフェライトを用いることもできる。YIGの場合、Yの一部をGd,Ca,V等で置換しても良く、またFeの一部をAl,Ga等で置換しても良い。また第1及び第2の中心導体21,22を印刷して形成する場合、中心導体を構成する電極パターンと同時焼成可能なように、所定量のBiを添加しても良い。
中心導体組立体13に直流磁界を印加する永久磁石9は、上ケース4の内壁面に接着剤等により固定される。永久磁石9としては、コスト及びマイクロ波フェライト20との温度特性の相性の観点から、フェライト磁石[例えば、(Sr/Ba)O・nFe]が好ましい。さらに(Sr/Ba)RO・n(FeM)[RはYを含む希土類元素の少なくとも1種の元素で、Sr及び/又はBaの一部を置換し、MはCo、Mn、Ni及びZnからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素で、Feの一部を置換している]により表される組成を有し、マグネトプランバイト型結晶構造を有し、R元素及び/又はM元素が化合物の状態で仮焼後の粉砕工程で添加されたフェライト磁石は、高い磁束密度を有するので、非可逆回路素子の小型化及び薄型化を可能にする。フェライト磁石の磁気特性としては、残留磁束密度Brが430mT以上、特に440mT以上であり、保持力iHcが340kA/m以上であり、最大エネルギー積(BH)maxが35kJ/m以上であるのが好ましい。
下ケース8内に積層基板30を収容し、積層基板30の電極パターンIN及び電極パターンOUTを、下ケース8の入力端子の露出端及び出力端子の露出端にそれぞれ半田付する。積層基板30の底部の電極パターンGNDは、下ケース8のフレーム底部に半田付する。下ケース8や、これと係合する上ケース4は、軟鉄等の強磁性体により形成され、永久磁石40、中心導体組立体30及び積層基板50を囲む磁気回路を形成する磁気ヨークとして機能する。また下ケース8は樹脂壁を備えており、端子IN、OUTを保持して下ケース8と一体化している。
上、下ケース4,8には、Ag、Au、Cu及びAlからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属、又はその合金からなるメッキ層を形成するのが好ましい。メッキ層の電気抵抗率は5.5μΩcm以下が好ましく、3μΩcm以下がより好ましく、1.8μΩcm以下が最も好ましい。メッキ層の厚さは0.5〜25μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜8μmが最も好ましい。このような構成により、外部回路との相互干渉を抑制して損失を低減することができる。
通過帯域周波数が1.9GHz帯で2.5mm×2.5mm×1.2mmの小型非可逆回路素子を作製した。製造方法や主要な構成は前段の説明と重複するので、その説明を省く。
この非可逆回路素子のスペックは以下の通りである。
積層基板30:2.0mm×2.0mm×0.2mm
マイクロ波フェライト20:1.3mm×1.3×厚さ0.2mmのガーネット。
永久磁石9:長さ2.2mm×幅1.9mm×厚さ0.3mmのSrフェライト磁石。
中心導体21:幅、間隔0.2mmの3本の並列導体(銅板をエッチングして形成)
中心導体22:幅0.2mmの導体(銅板をエッチングして形成)
積層基板30の表面に形成された表面電極パターン50aと島状電極パターン50bとを導電性接着剤で接続した試料と、接続しなかった試料を準備し、それぞれ挿入損失特性とアイソレーション特性を評価した。結果を図9(a)(b)に示す。本発明によれば、挿入損失特性に影響を与えず、アイソレーション特性において、その減衰極を低周波側に容易に移動させ得ることが判る。また、表面電極パターン50aと島状電極パターン50bとを接続しない試料を複数準備し、予め計測していた第1キャパシタンス素子の容量値に基づいて、表面電極パターン50aと島状電極パターン50bとを接続したり、更に島状電極パターン50b、50cを接続したところ、アイソレーション特性のばらつきを低減することが出来た。
また、表面電極パターン35aと島状電極パターン35bとを接続することで、アイソレーション特性に影響を与えず、挿入損失特性において、そのピーク周波数を低周波側に容易に移動させることが出来た。またこの場合も同様に、挿入損失特性のばらつきを低減することが出来た。
本発明によれば、第1キャパシタンス素子及び/又は第2キャパシタンス素子を積層基板に電極パターンで形成すると共に、積層基板の表面に形成した島状電極パターンによる容量補正によって、トリミング等の手段によらず、第1及び第2キャパシタンス素子の容量値のばらつきを低減し、積層基板に加工によるダメージを与えず、電気的特性に優れた非可逆回路素子を歩留り良く製造することができる。
本発明の一実施態様による非可逆回路素子に用いる積層基板の外観斜視図である。 (a)本発明の一実施態様による非可逆回路素子に用いる積層基板の部分拡大図である。(b)同じく積層基板の部分拡大図である。 本発明の一実施態様による非可逆回路素子に用いる積層基板の分解斜視図である。 本発明の一実施態様による非可逆回路素子の内部構造を示す平面図である。 本発明の一実施態様による非可逆回路素子の分解斜視図である。 本発明の一実施態様による非可逆回路素子の外観斜視図である。 本発明の一実施態様による非可逆回路素子の等価回路図である。 (a)本発明の一実施態様による非可逆回路素子と比較例による挿入損失特性を示すグラフである。(b)本発明の一実施態様による非可逆回路素子と比較例によるアイソレーション特性を示すグラフである。 従来の非可逆回路素子の等価回路図である。 従来の非可逆回路素子の分解斜視図である。
符号の説明
1 非可逆回路素子
4 上ケース
8 下ケース
9 永久磁石
13 中心導体組立体
20 マイクロ波フェライト
21,22 中心導体
30 積層基板
35a,50a,40,45 表面電極パターン
35b,50b、50c 島状電極パターン

Claims (4)

  1. 第1入出力ポートと第2入出力ポートとの間に接続された第1インダクタンス素子と、第2入出力ポートとアースとの間に接続された第2インダクタンス素子と、前記第1入出力ポートと前記第2入出力ポートとの間に接続され、前記第1インダクタンス素子と並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子と、前記第2入出力ポートとグランドとの間に接続され、前記第2インダクタンス素子と並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子と、前記第1入出力ポートと前記第2入出力ポートとの間に接続された抵抗素子とを備えた非可逆回路素子であって、
    前記第1キャパシタンス素子及び/又は前記第2キャパシタンス素子は、誘電体と電極パターンで構成された積層基板内に前記電極パターンで形成されたキャパシタを含み、
    前記積層基板の表面には、積層基板内部のキャパシタ用電極パターンと接続する表面電極パターンを備え、更に前記表面電極パターンとの電気的接続により前記第1及び/又は第2キャパシタンス素子の容量値を調整する島状電極パターンを備えたことを特徴とする非可逆回路素子。
  2. 請求項1に記載の非可逆回路素子において、マイクロ波フェライトに、前記第1インダクタンス素子を構成する第1中心導体と、前記第2インダクタンス素子を構成する第2中心導体を交差して配置して形成した中心導体組立体を有し、これを前記積層基板表面に形成された表面電極パターンに実装してなり、
    第1中心導体及び第2中心導体の一端は、共通の表面電極パターンと接続することを特徴とする非可逆回路素子。
  3. 請求項2に記載の非可逆回路素子において、前記第2中心導体の他端は前記表面電極パターンと接続し、前記第1中心導体の他端は他の表面電極パターンと接続することを特徴とする非可逆回路素子。
  4. 請求項3に記載の非可逆回路素子において、前記積層基板の裏面に入力端子及び出力端子が形成されており、前記積層基板に形成されたビアホールを介して、各表面電極パターンと接続することを特徴とする非可逆回路素子。
JP2006089709A 2006-03-29 2006-03-29 非可逆回路素子 Pending JP2007267052A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006089709A JP2007267052A (ja) 2006-03-29 2006-03-29 非可逆回路素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006089709A JP2007267052A (ja) 2006-03-29 2006-03-29 非可逆回路素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007267052A true JP2007267052A (ja) 2007-10-11
JP2007267052A5 JP2007267052A5 (ja) 2009-04-02

Family

ID=38639592

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006089709A Pending JP2007267052A (ja) 2006-03-29 2006-03-29 非可逆回路素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007267052A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5280449A (en) * 1975-12-27 1977-07-06 Nippon Electric Co Variable capacitor
JPS56123624A (en) * 1980-03-05 1981-09-28 Mitsubishi Rayon Co Polypropylene film for electric article
JPH0264208A (ja) * 1988-08-30 1990-03-05 Nippon Piston Ring Co Ltd ロッカアーム
JP2004350164A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Murata Mfg Co Ltd 非可逆回路素子、非可逆回路素子の製造方法および通信装置
WO2006013865A1 (ja) * 2004-08-03 2006-02-09 Hitachi Metals, Ltd. 非可逆回路素子

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5280449A (en) * 1975-12-27 1977-07-06 Nippon Electric Co Variable capacitor
JPS56123624A (en) * 1980-03-05 1981-09-28 Mitsubishi Rayon Co Polypropylene film for electric article
JPH0264208A (ja) * 1988-08-30 1990-03-05 Nippon Piston Ring Co Ltd ロッカアーム
JP2004350164A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Murata Mfg Co Ltd 非可逆回路素子、非可逆回路素子の製造方法および通信装置
WO2006013865A1 (ja) * 2004-08-03 2006-02-09 Hitachi Metals, Ltd. 非可逆回路素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4849269B2 (ja) 非可逆回路素子
US7420435B2 (en) Non-reciprocal circuit element, method for manufacturing the same, and communication device
US7253697B2 (en) Two-port isolator and communication apparatus
JP5082858B2 (ja) 非可逆回路素子
KR20010043838A (ko) 집중 정수형 비상반소자
US7382211B2 (en) Non-reciprocal circuit device
JP5365967B2 (ja) 多結晶セラミック磁性体材料、マイクロ波磁性体、及びこれを用いた非可逆回路素子
JP4665786B2 (ja) 非可逆回路素子及び通信装置
JP4793350B2 (ja) 2ポート型非可逆回路素子
JP4947289B2 (ja) 非可逆回路素子
JPWO2009128534A1 (ja) 非可逆回路及び非可逆回路素子、並びにそれらに用いる中心導体組立体
JP4423619B2 (ja) 非可逆回路素子
JP6011911B2 (ja) 非可逆回路素子
JP2007267052A (ja) 非可逆回路素子
JP4348698B2 (ja) 非可逆回路素子
JP4293118B2 (ja) 非可逆回路素子および通信装置
JP2006020052A (ja) 2ポートアイソレータ
JP2004193904A (ja) 2ポート型アイソレータ、2ポート型アイソレータの製造方法および通信装置
JP2007251250A (ja) 非可逆回路素子及び通信装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090217

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090217

A977 Report on retrieval

Effective date: 20100701

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100709

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110218

A02 Decision of refusal

Effective date: 20111028

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02