JP3339535B2 - 六フッ化ウランを二酸化ウランに変換する方法 - Google Patents
六フッ化ウランを二酸化ウランに変換する方法Info
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Description
した二酸化ウラン(UO2)を六フッ化ウラン(UF6)
の変換により製造する方法に関する。更に詳しくは結晶
粒径の大きな核燃料ペレットを製造するに適した六フッ
化ウランを二酸化ウランに変換する方法に関するもので
ある。
として、湿式法と乾式法が知られており、湿式法の中で
はADU(重ウラン酸アンモニウム)法が最も多く用い
られている。ADU法は、UF6ガスを気液反応で加水
分解してウラニルイオン含有液とし、この含有液にアン
モニア水溶液を添加して重ウラン酸アンモニウムを沈殿
させ、これを濾過し、乾燥し、焙焼・還元して二酸化ウ
ラン粉末を得る方法である。しかしこの方法では、アン
モニア水が目的とする中間生成物であるADUの沈殿反
応の他に、上記加水分解において副生するHFとも反応
するために、本来目的とする量より過剰のアンモニア水
を必要とし、かつ上記アンモニアの添加によってNH4
Fが副生し、これが上記濾過工程で濾液中に移行する等
の問題点がある。
昭62−197318号公報による二酸化ウランを製造
する方法が提案されている。この方法はUF6ガスと水
蒸気の気相反応によりUO2F2粒子とHFガスに分離
し、このUO2F2粒子を水に溶解してUO2F2水溶液を
生成させ、これにアンモニア水溶液を添加して重ウラン
酸アンモニウムを沈殿させ、これを濾過し、乾燥させ、
乾燥した重ウラン酸アンモニウムを焙焼・還元してUO
2粉末を得ることを特徴とする。一方、近年の原子力発
電における技術革新の試みのひとつとして、原子炉燃料
をより長期間使用する、いわゆる高燃焼度化の計画が検
討されている。この高燃焼度化に伴って燃料からの核分
裂生成ガス(FPガス)の放出が増大し、これによる燃
料棒内の内圧上昇及びペレット−被覆管ギャップの熱伝
導度の低下が起こり、燃料の健全性が低下する可能性が
あるため、高燃焼度化を実現するにはFPガスのペレッ
ト外への放出を低減することが必要である。このFPガ
スの保持効果を高めるためには、ペレットの結晶粒径を
大きくするのが有効であることが判っている。
−197318号公報に示される方法では従来のADU
法に比べてアンモニア水の使用量及び副生NH4Fの発
生量を減少させることは可能であるが、得られるUO2
粉末のハンドリング性(成形性)が不十分であり、沈殿
後の重ウラン酸アンモニウムの濾過が必要になり、必然
的にプロセス廃液が発生する等の問題点が残されてい
る。本発明の目的は、ハンドリング性及び焼結特性に優
れ、かつ結晶粒径の大きな核燃料ペレットの製造に適し
たUO2粉末を得ることができる六フッ化ウランを二酸
化ウランに変換する方法を提供することにある。本発明
の別の目的は、濾過による分離工程を必要とせず、従っ
て廃液が実質的に発生しない六フッ化ウランを二酸化ウ
ランに変換する方法を提供することにある。
に、本発明の六フッ化ウランを二酸化ウランに変換する
方法はUF6ガスと水蒸気とを反応させてUO2F2粒子
を生成する工程と、このUO2F2粒子が粒子形状を損な
わない程度にUO2F2粒子にアンモニウム塩水溶液を噴
霧しながら混合することによりUO2F2粒子とアンモニ
ウム塩水溶液とを反応させて粒子状のウラン酸アンモニ
ウム塩を生成する工程と、このウラン酸アンモニウム塩
の粒子を焙焼・還元してUO2粉末を生成する工程とを
含むことを特徴とする。本発明において、好ましく使用
されるアンモニウム塩の具体例としては炭酸アンモニウ
ム及び有機酸のアンモニウム塩のいずれか又は双方を含
む。有機酸のアンモニウム塩としては酢酸アンモニウ
ム、シュウ酸アンモニウム又はコハク酸アンモニウムを
挙げることができる。
は好ましくは炭酸ウラニルアンモニウム、酢酸ウラニル
アンモニウム、シュウ酸ウラニルアンモニウム及びコハ
ク酸ウラニルアンモニウムからなる群から選ばれた1種
又は2種以上の化合物である。
ンに変換する方法を図1に示す装置に基づいて説明す
る。図1に示すように、UF6ガスは導入管10を通じ
て、また水蒸気は導入管1を通じてそれぞれ流動層反応
装置12内に導入され、この内部で反応してUO2F2粒
子を生成する。流動層反応装置12の好ましい操作温度
は200〜500℃である。流動層反応装置12で副生
するHFガスは凝縮器13によってHF水溶液として回
収され、容器14に受けられる。
2の流動層からオーバーフローして排出され、混練機1
8に導入される。混練機18にはアンモニウム塩水溶液
を噴霧状態で導入する導管19が配管され、導管19の
先端には噴霧ノズル19aが設けられる。混練機18内
において、噴霧ノズル19aからアンモニウム塩水溶液
をUO2F2粒子が粒子形状を損なわない程度に噴霧しな
がらUO2F2粒子と混合する。この噴霧と混合により反
応が起こり、粒子状のウラン酸アンモニウム塩が生成さ
れる。生成したウラン酸アンモニウム塩の粒子は乾燥装
置22に送られて乾燥される。乾燥されたウラン酸アン
モニウム塩は焙焼・還元装置23に送られ、導管24よ
り導入される水素ガス、窒素ガス及び水蒸気よりなる混
合ガスと反応して、焙焼・還元され、UO2粉末を生成
し、製品の二酸化ウランとして容器26に受容される。
なお27は排気処理系である。
3に基づいて説明する。図2及び図3に示すように、混
練機18の本体を構成する上部が開放した収納槽31内
には互いに逆方向に回転する一対のブレード32,32
が収納されている。これらのブレード32の回転軸32
aは収納槽31の外側に設けられた一対の駆動ギヤ3
3,34に接続される。一方の駆動ギヤ33の軸33a
は図示しないモータに接続される。また収納槽31の上
方にはアンモニウム塩水溶液の導管19が配管され、そ
の先端にはアンモニウム塩水溶液を収納槽31内のUO
2F2粒子に噴霧する噴霧ノズル19aが設けられる。
て粒子状のウラン酸アンモニウム塩を生成するには、先
ず流動層反応装置12から排出されたUO2F2粒子を所
定量秤量して収納槽31に投入する。次いでブレード3
2,32を回転させながらアンモニウム塩水溶液を噴霧
ノズル19aから少量ずつUO2F2粒子が粒子形状を損
なわないように噴霧しながら混合すると、UO2F2粒子
とアンモニウム塩水溶液が反応して粒子状のウラン酸ア
ンモニウム塩が生成する。ウラン酸アンモニウム塩が生
成されると、図3の二点鎖線に示す位置まで収納槽31
が支点31aを中心に回転して生成物は取出される。
によって生成した粒子状のウラン酸アンモニウム塩は流
動性が良好であるため、このウラン酸アンモニウム塩を
焙焼・還元すると、ハンドリング性及び焼結特性に優れ
たUO2粉末が得られる。
明の実施例を図1〜図3の装置に基づいて説明する。 <実施例1>上述のように構成された図1〜図3の装置
を下記の操作条件で操作してUO2粉末を製造した。 流動層反応装置12の操作温度 : 270℃ UF6ガスの供給速度 : 243g/分 水蒸気供給速度 : 72g/分 UO2F2粒子の生成速度 : 203g/分 アンモニウム塩 : 炭酸アンモニウム アンモニウム塩水溶液の濃度 : 10% UO2F2粒子に対するアンモニウム塩 水溶液の噴霧混合比(NH3/Uモル比) : 3 ウラン酸アンモニウム塩 : 炭酸ウラニルアンモニウム ブレード32の回転速度 : 10rpm 焙焼・還元装置23の操作温度 : 700℃ 水素ガス及び水蒸気よりなる混合ガス の混合比(容量) : H2/水蒸気=1/1 <実施例2>アンモニウム塩として炭酸アンモニウムの
代わりに酢酸アンモニウムを用いた以外は実施例1と実
質的に同じ操作を繰返してUO2粉末を製造した。
混練機18に導入し、UO2F2粒子が粒子形状を損なわ
ない程度にUO2F2粒子に導管19の噴霧ノズル19a
からアンモニウム塩水溶液を噴霧しながら混合して粒子
状のウラン酸アンモニウム塩を生成した。これに対し、
この比較例ではその代わりに、UO2F2粒子を水に溶解
してUO2F2水溶液を生成させ、これにアンモニア水溶
液を添加して重ウラン酸アンモニウム(ADU)を沈殿
させ、これを濾過し、乾燥装置22を経由して焙焼・還
元装置23に移送し、ここで焙焼・還元した以外は実施
例1と実質的に同じ操作を繰返してUO2粉末を製造し
た。
ら製造したUO2粉末の代表的物性及びこれらのUO2粉
末から同一条件でペレットを製造したときのペレットの
結晶粒径を表1に示す。
実施例1及び2は成形性及び焼結特性に優れ、かつ結晶
粒径の大きなペレットが得られることが判った。
F6ガスと水蒸気とを反応させてUO2F2粒子を生成さ
せ、このUO2F2粒子が粒子形状を損なわない程度にU
O2F2粒子にアンモニウム塩水溶液を噴霧しながら混合
することにより粒子状のウラン酸アンモニウム塩を生成
させ、生成したウラン酸アンモニウム塩の粒子を焙焼・
還元してUO2粉末を生成させるようにしたから、成形
性及び焼結特性に優れ、かつ結晶粒径の大きなペレット
の製造に適したUO2粉末を得ることができる。特に粒
子状のウラン酸アンモニウム塩は濾過による分離工程を
必要とせずに生成するから、廃液が実質的に発生しない
優れた特長がある。
図。
Claims (4)
- 【請求項1】 UF6ガスと水蒸気とを反応させてUO2
F2粒子を生成する工程と、 前記UO2F2粒子が粒子形状を損なわない程度に前記U
O2F2粒子にアンモニウム塩水溶液を噴霧しながら混合
することにより前記UO2F2粒子と前記アンモニウム塩
水溶液とを反応させて粒子状のウラン酸アンモニウム塩
を生成する工程と、 前記ウラン酸アンモニウム塩の粒子を焙焼・還元してU
O2粉末を生成する工程とを含む六フッ化ウランを二酸
化ウランに変換する方法。 - 【請求項2】 アンモニウム塩が炭酸アンモニウム及び
有機酸のアンモニウム塩のいずれか又は双方である請求
項1記載の六フッ化ウランを二酸化ウランに変換する方
法。 - 【請求項3】 有機酸のアンモニウム塩が酢酸アンモニ
ウム、シュウ酸アンモニウム又はコハク酸アンモニウム
のいずれかである請求項2記載の六フッ化ウランを二酸
化ウランに変換する方法。 - 【請求項4】 ウラン酸アンモニウム塩が炭酸ウラニル
アンモニウム、酢酸ウラニルアンモニウム、シュウ酸ウ
ラニルアンモニウム及びコハク酸ウラニルアンモニウム
からなる群から選ばれた1種又は2種以上の化合物であ
る請求項1ないし3いずれか記載の六フッ化ウランを二
酸化ウランに変換する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03860595A JP3339535B2 (ja) | 1995-02-27 | 1995-02-27 | 六フッ化ウランを二酸化ウランに変換する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03860595A JP3339535B2 (ja) | 1995-02-27 | 1995-02-27 | 六フッ化ウランを二酸化ウランに変換する方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08231227A JPH08231227A (ja) | 1996-09-10 |
JP3339535B2 true JP3339535B2 (ja) | 2002-10-28 |
Family
ID=12529911
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03860595A Expired - Lifetime JP3339535B2 (ja) | 1995-02-27 | 1995-02-27 | 六フッ化ウランを二酸化ウランに変換する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3339535B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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EP2390230B1 (en) * | 2003-10-16 | 2014-09-24 | Nuclear Fuel Industries, Ltd. | Device for supplying a feedstock liquid |
JP4649159B2 (ja) * | 2004-09-30 | 2011-03-09 | 原子燃料工業株式会社 | 滴下ノズル装置、および重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置 |
JP2009035432A (ja) * | 2007-07-31 | 2009-02-19 | Mitsubishi Materials Corp | 二酸化ウラン造粒体の製造方法。 |
CN113548693A (zh) * | 2021-08-16 | 2021-10-26 | 南京国祺新能源设备有限公司 | 一种六氟化铀制备八氧化三铀的方法及装置 |
-
1995
- 1995-02-27 JP JP03860595A patent/JP3339535B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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