JPH0717716A - フッ化ウラニルの製造方法 - Google Patents
フッ化ウラニルの製造方法Info
- Publication number
- JPH0717716A JPH0717716A JP16205793A JP16205793A JPH0717716A JP H0717716 A JPH0717716 A JP H0717716A JP 16205793 A JP16205793 A JP 16205793A JP 16205793 A JP16205793 A JP 16205793A JP H0717716 A JPH0717716 A JP H0717716A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- uranium
- hydrate
- convert
- uranyl
- powder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 スクラップウランから結晶粒径の大きな核燃
料ペレットの原料となる活性度の高いUO2粉末を得る
ために必要な高純度のUO2F2を得る。 【構成】 U3O8を硝酸に溶解して硝酸ウラニル溶液に
変換し、この硝酸ウラニル溶液を過酸化水素水と所定の
H2O2/Uモル比で反応させることにより過酸化ウラン
水和物に変換し、この変換工程で生成されたスラリーか
ら過酸化ウラン水和物をろ過回収した後乾燥し、この乾
燥した過酸化ウラン水和物を焙焼して三酸化ウラン(U
O3)又はUO3水和物のいずれか又は双方に変換し、こ
のUO3又はUO3水和物のいずれか又は双方をHFガス
と反応させることによりフッ化してUO2F2に変換す
る。
料ペレットの原料となる活性度の高いUO2粉末を得る
ために必要な高純度のUO2F2を得る。 【構成】 U3O8を硝酸に溶解して硝酸ウラニル溶液に
変換し、この硝酸ウラニル溶液を過酸化水素水と所定の
H2O2/Uモル比で反応させることにより過酸化ウラン
水和物に変換し、この変換工程で生成されたスラリーか
ら過酸化ウラン水和物をろ過回収した後乾燥し、この乾
燥した過酸化ウラン水和物を焙焼して三酸化ウラン(U
O3)又はUO3水和物のいずれか又は双方に変換し、こ
のUO3又はUO3水和物のいずれか又は双方をHFガス
と反応させることによりフッ化してUO2F2に変換す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子炉燃料を製造するに
適したフッ化ウラニル(UO2F2)を製造する方法に関
する。更に詳しくは、結晶粒径の大きな核燃料ペレット
の原料となる活性度の高い二酸化ウラン(UO2)粉末
を得るために必要な高純度のUO2F2の製造方法に関す
るものである。
適したフッ化ウラニル(UO2F2)を製造する方法に関
する。更に詳しくは、結晶粒径の大きな核燃料ペレット
の原料となる活性度の高い二酸化ウラン(UO2)粉末
を得るために必要な高純度のUO2F2の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】燃料の高燃焼度化に伴い核分裂生成ガス
が多量に発生することから、その保持能力に優れた改良
型の核燃料ペレットが必要とされている。この要求を満
たすには結晶粒径の大きなペレットが必要である。大粒
径のペレットを製造する方法としては、一般に焼結条件
をコントロールする方法、活性度の高い原料粉末を用い
る方法等が考えられる。
が多量に発生することから、その保持能力に優れた改良
型の核燃料ペレットが必要とされている。この要求を満
たすには結晶粒径の大きなペレットが必要である。大粒
径のペレットを製造する方法としては、一般に焼結条件
をコントロールする方法、活性度の高い原料粉末を用い
る方法等が考えられる。
【0003】本発明者は、特開昭62―297215号
公報、特開昭63―45127号公報に開示するよう
に、遊離のフッ酸を含有しないUO2F2溶液を用いて大
粒径ペレットの原料となる高活性粉末を製造する方法を
提案した。この遊離のフッ酸を含有しないUO2溶液
は、特開昭62―197318号公報に示すように、六
フッ化ウランとスチームの反応によりUO2F2粉末を生
成した後、得られたUO2F2粉末を水に溶解することに
より工業的に通常製造される。
公報、特開昭63―45127号公報に開示するよう
に、遊離のフッ酸を含有しないUO2F2溶液を用いて大
粒径ペレットの原料となる高活性粉末を製造する方法を
提案した。この遊離のフッ酸を含有しないUO2溶液
は、特開昭62―197318号公報に示すように、六
フッ化ウランとスチームの反応によりUO2F2粉末を生
成した後、得られたUO2F2粉末を水に溶解することに
より工業的に通常製造される。
【0004】一方、核燃料ペレットの製造工程において
は、スクラップのウランが発生し、リサイクルする必要
がある。大部分のウランは酸化してU3O8の粉末として
原料UO2粉末に混合添加し、成形・焼結してリサイク
ルされる。しかし一部のウランにはダーティスクラップ
のような上述したリサイクル方法に適さないウランも存
在する。このようなウランについては、硝酸ウラニルに
変換して精製した後、重ウラン酸アンモニウム(AD
U)やU3O8を経てペレット原料用のUO2粉末に変換
されリサイクルされるのが一般的である。
は、スクラップのウランが発生し、リサイクルする必要
がある。大部分のウランは酸化してU3O8の粉末として
原料UO2粉末に混合添加し、成形・焼結してリサイク
ルされる。しかし一部のウランにはダーティスクラップ
のような上述したリサイクル方法に適さないウランも存
在する。このようなウランについては、硝酸ウラニルに
変換して精製した後、重ウラン酸アンモニウム(AD
U)やU3O8を経てペレット原料用のUO2粉末に変換
されリサイクルされるのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、UO2F2を出
発物質として製造されるUO2粉末と硝酸ウラニルを出
発物質として製造されるUO2粉末を比較した場合、大
粒径ペレット用の原料粉末としての性能はUO2F2系の
UO2粉末に比べて硝酸ウラニル系のUO2粉末の方が劣
り、硝酸ウラニル系のUO2粉末からは20μm以下の
結晶粒径のペレットしか得ることができない。従って、
大粒径ペレットの製造プロセスにおいて、硝酸ウラニル
系のUO2粉末が多くなることは生産の自由度が著しく
制限される問題があった。
発物質として製造されるUO2粉末と硝酸ウラニルを出
発物質として製造されるUO2粉末を比較した場合、大
粒径ペレット用の原料粉末としての性能はUO2F2系の
UO2粉末に比べて硝酸ウラニル系のUO2粉末の方が劣
り、硝酸ウラニル系のUO2粉末からは20μm以下の
結晶粒径のペレットしか得ることができない。従って、
大粒径ペレットの製造プロセスにおいて、硝酸ウラニル
系のUO2粉末が多くなることは生産の自由度が著しく
制限される問題があった。
【0006】本発明の目的は、スクラップウランから結
晶粒径の大きな核燃料ペレットの原料となる活性度の高
いUO2粉末を得るために必要な高純度のUO2F2を製
造する方法を提供することにある。
晶粒径の大きな核燃料ペレットの原料となる活性度の高
いUO2粉末を得るために必要な高純度のUO2F2を製
造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のUO2F2の製造方法は、U3O8を硝酸に溶
解して硝酸ウラニル溶液に変換し、この硝酸ウラニル溶
液を過酸化水素水と所定のH2O2/Uモル比で反応させ
ることにより過酸化ウラン水和物に変換し、この変換工
程で生成されたスラリーから過酸化ウラン水和物をろ過
回収した後乾燥し、この乾燥した過酸化ウラン水和物を
焙焼して三酸化ウラン(UO3)又はUO3水和物のいず
れか又は双方に変換し、このUO3又はUO3水和物のい
ずれか又は双方をHFガスと反応させることによりフッ
化してUO2F2に変換する方法である。
に、本発明のUO2F2の製造方法は、U3O8を硝酸に溶
解して硝酸ウラニル溶液に変換し、この硝酸ウラニル溶
液を過酸化水素水と所定のH2O2/Uモル比で反応させ
ることにより過酸化ウラン水和物に変換し、この変換工
程で生成されたスラリーから過酸化ウラン水和物をろ過
回収した後乾燥し、この乾燥した過酸化ウラン水和物を
焙焼して三酸化ウラン(UO3)又はUO3水和物のいず
れか又は双方に変換し、このUO3又はUO3水和物のい
ずれか又は双方をHFガスと反応させることによりフッ
化してUO2F2に変換する方法である。
【0008】以下、本発明を詳述する。本発明の出発原
料であるU3O8は例えばペレット製造工程で発生するス
クラップのうち不純物を多く含む不良ペレット、研削屑
等を酸化して得られる。この方法によらず、他の方法で
得られたU3O8も勿論本発明の出発原料とすることがで
きる。 このU3O8は粉末の状態で硝酸に溶解して硝酸
ウラニル溶液に変換される。次にこの硝酸ウラニル溶液
は過酸化水素水と反応させることにより過酸化ウラン水
和物に変換される。スクラップウランを用いた場合、こ
の変換工程でスクラップウランは精製される。ガドリニ
ウムを含むような過酸化水素水による処理だけでは精製
できないスクラップウランの場合には、溶媒抽出等の精
製を過酸化水素水による処理の前段に組み合わせること
により精製される。
料であるU3O8は例えばペレット製造工程で発生するス
クラップのうち不純物を多く含む不良ペレット、研削屑
等を酸化して得られる。この方法によらず、他の方法で
得られたU3O8も勿論本発明の出発原料とすることがで
きる。 このU3O8は粉末の状態で硝酸に溶解して硝酸
ウラニル溶液に変換される。次にこの硝酸ウラニル溶液
は過酸化水素水と反応させることにより過酸化ウラン水
和物に変換される。スクラップウランを用いた場合、こ
の変換工程でスクラップウランは精製される。ガドリニ
ウムを含むような過酸化水素水による処理だけでは精製
できないスクラップウランの場合には、溶媒抽出等の精
製を過酸化水素水による処理の前段に組み合わせること
により精製される。
【0009】過酸化水素水による処理を行う際の硝酸ウ
ラニル溶液は実質的に遊離の硝酸を含有せず、かつウラ
ン濃度が20〜200gU/L、好ましくは50〜10
0gU/Lとするのがよい。もし硝酸ウラニル溶液が遊
離の硝酸を含有する場合には、アンモニア水などによる
pHの調整を予め行っておくことが必要となるが、この
場合、過酸化水素水による処理で生成する過酸化ウラン
水和物には少量の硝酸アンモニウムが混入することにな
り、このアンモニウム塩は焙焼までの過程で完全には除
去できないので、HFのフッ化によりフッ化アンモニウ
ムとして残留することになり、UO2F2の品質上好まし
くない。
ラニル溶液は実質的に遊離の硝酸を含有せず、かつウラ
ン濃度が20〜200gU/L、好ましくは50〜10
0gU/Lとするのがよい。もし硝酸ウラニル溶液が遊
離の硝酸を含有する場合には、アンモニア水などによる
pHの調整を予め行っておくことが必要となるが、この
場合、過酸化水素水による処理で生成する過酸化ウラン
水和物には少量の硝酸アンモニウムが混入することにな
り、このアンモニウム塩は焙焼までの過程で完全には除
去できないので、HFのフッ化によりフッ化アンモニウ
ムとして残留することになり、UO2F2の品質上好まし
くない。
【0010】またウラン濃度が20gU/L未満では、
装置が非常に大きくなり、かつ廃液の発生量が多くなる
ので好ましくない。一方、ウラン濃度が200gU/L
を越えると、反応生成物の粘性が非常に大きくなり反応
のコントロールが困難になるので好ましくない。硝酸ウ
ラニル溶液と過酸化水素水との反応の際のH2O2/Uモ
ル比は1〜16、好ましくは2〜8とするのがよい。H
202/Uモル比が1未満であると、過酸化ウラン水和物
の生成速度が低下し、一方16を越えると過酸化水素水
のロスが多くなる上に、廃液が増えるため好ましくな
い。
装置が非常に大きくなり、かつ廃液の発生量が多くなる
ので好ましくない。一方、ウラン濃度が200gU/L
を越えると、反応生成物の粘性が非常に大きくなり反応
のコントロールが困難になるので好ましくない。硝酸ウ
ラニル溶液と過酸化水素水との反応の際のH2O2/Uモ
ル比は1〜16、好ましくは2〜8とするのがよい。H
202/Uモル比が1未満であると、過酸化ウラン水和物
の生成速度が低下し、一方16を越えると過酸化水素水
のロスが多くなる上に、廃液が増えるため好ましくな
い。
【0011】硝酸ウラニルと過酸化水素水の反応で過酸
化ウラン水和物を含むスラリーが生成される。このスラ
リーから公知のろ過装置を用いて過酸化ウラン水和物粒
子をろ過する。この装置でスラリーをろ液と沈澱物に分
離し、ろ別した沈澱物を乾燥する。乾燥した粉末状の過
酸化ウラン水和物は、流動層、ロータリーキルン等の反
応装置により空気中又は窒素ガス中で焙焼してUO3又
はUO3水和物のいずれか又は双方に変換される。この
UO3又はUO3水和物のいずれか又は双方は、更にHF
ガスによりフッ化されてUO2F2に変換される。これら
の変換工程で、焙焼及びフッ化の温度は少なくとも20
0℃以上であって300℃以下にすることが好ましい。
これらの温度が200℃未満であると反応速度が十分で
なく変換が不十分となる。また300℃を越えると微量
の4価のウランが生成することになり、4価のウランか
らは四フッ化ウラン(UF4)等の好ましくない不純物
が生成することになる。
化ウラン水和物を含むスラリーが生成される。このスラ
リーから公知のろ過装置を用いて過酸化ウラン水和物粒
子をろ過する。この装置でスラリーをろ液と沈澱物に分
離し、ろ別した沈澱物を乾燥する。乾燥した粉末状の過
酸化ウラン水和物は、流動層、ロータリーキルン等の反
応装置により空気中又は窒素ガス中で焙焼してUO3又
はUO3水和物のいずれか又は双方に変換される。この
UO3又はUO3水和物のいずれか又は双方は、更にHF
ガスによりフッ化されてUO2F2に変換される。これら
の変換工程で、焙焼及びフッ化の温度は少なくとも20
0℃以上であって300℃以下にすることが好ましい。
これらの温度が200℃未満であると反応速度が十分で
なく変換が不十分となる。また300℃を越えると微量
の4価のウランが生成することになり、4価のウランか
らは四フッ化ウラン(UF4)等の好ましくない不純物
が生成することになる。
【0012】
【作用】U3O8を硝酸に溶解して得られた硝酸ウラニル
に過酸化水素水を所定のH2O2/Uモル比で加えると、
硝酸ウラニルから過酸化ウラン水和物粒子が適度の速度
で生成される。この水和物を200〜300℃で焙焼す
るとUO3又はUO3水和物が生成する。このUO3又は
UO3水和物を200〜300℃でフッ化するとUF4等
の不純物のないUO2F2が得られる。
に過酸化水素水を所定のH2O2/Uモル比で加えると、
硝酸ウラニルから過酸化ウラン水和物粒子が適度の速度
で生成される。この水和物を200〜300℃で焙焼す
るとUO3又はUO3水和物が生成する。このUO3又は
UO3水和物を200〜300℃でフッ化するとUF4等
の不純物のないUO2F2が得られる。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例を詳しく説明する。以下
の実施例は本発明の技術的範囲を限定するものではな
い。 <実施例1>UO2の焼結ペレットを大気中で酸化して
先ずU3O8粉末を作製した。このU3O8粉末を硝酸にH
NO3/Uモル比が7の条件で加熱しながら溶解した。
未溶解のU3O8の残渣が存在する場合には残渣をろ過し
て硝酸ウラニルの清澄液を作製した。次いで硝酸ウラニ
ル溶液を50gU/Lの濃度に調整した後、この濃度調
整した硝酸ウラニル溶液に30%濃度の過酸化水素水を
H2O2/Uモル比が2の条件で急速に添加して過酸化ウ
ラン水和物の沈澱を生成した。次に過酸化ウラン水和物
の沈澱物をろ過・乾燥して粉末状とした後、空気気流中
で280℃で加熱し、更にHFガス気流中で250℃で
加熱して製品であるUO2F2に変換した。
の実施例は本発明の技術的範囲を限定するものではな
い。 <実施例1>UO2の焼結ペレットを大気中で酸化して
先ずU3O8粉末を作製した。このU3O8粉末を硝酸にH
NO3/Uモル比が7の条件で加熱しながら溶解した。
未溶解のU3O8の残渣が存在する場合には残渣をろ過し
て硝酸ウラニルの清澄液を作製した。次いで硝酸ウラニ
ル溶液を50gU/Lの濃度に調整した後、この濃度調
整した硝酸ウラニル溶液に30%濃度の過酸化水素水を
H2O2/Uモル比が2の条件で急速に添加して過酸化ウ
ラン水和物の沈澱を生成した。次に過酸化ウラン水和物
の沈澱物をろ過・乾燥して粉末状とした後、空気気流中
で280℃で加熱し、更にHFガス気流中で250℃で
加熱して製品であるUO2F2に変換した。
【0014】<比較例1>HNO3/Uモル比を10に
し、濃度調整した硝酸ウラニル溶液のpHをアンモニア
水の添加で2〜3にした以外は、実施例1と同様にして
UO2F2に変換した。
し、濃度調整した硝酸ウラニル溶液のpHをアンモニア
水の添加で2〜3にした以外は、実施例1と同様にして
UO2F2に変換した。
【0015】<比較例2>空気気流中での加熱温度を3
20℃にした以外は、実施例1と同様にしてUO2F2に
変換した。
20℃にした以外は、実施例1と同様にしてUO2F2に
変換した。
【0016】<比較例3>空気気流中での加熱温度を1
80℃にした以外は、実施例1と同様にしてUO2F2に
変換した。
80℃にした以外は、実施例1と同様にしてUO2F2に
変換した。
【0017】<測定及び評価>実施例1及び比較例1〜
比較例3で得られた製品(UO2F2)をX線回折により
同定を行った。また次の方法で最終製品である焼結ペレ
ットを作製してその特性を調べ、最終製品としての性能
を評価した。即ち、実施例1及び比較例1〜比較例3で
得られたUO2F2を先ず蒸留水に溶解してUO2F2溶液
とした。次いでこの溶液を100gU/Lの濃度に調整
した後、28%のアンモニア水をNH3/Uモル比が9
の条件で急速に添加して重ウラン酸アンモニウム(AD
U)に変換した。次にADUをろ過・乾燥した後、水素
と水蒸気の混合気流中で650℃で焙焼還元してUO2
粉末に変換した。更にUO2粉末を型内面に予め潤滑剤
を塗布した所定の金型に入れ、4t/cm2の成形圧で
成形した後、水素気流中1750℃で4時間の焼結を行
い、焼結ペレットを作製した。UO2F2の製造条件と製
品のX線回折結果及びUO2焼結ペレットの平均結晶粒
径を表1に示す。
比較例3で得られた製品(UO2F2)をX線回折により
同定を行った。また次の方法で最終製品である焼結ペレ
ットを作製してその特性を調べ、最終製品としての性能
を評価した。即ち、実施例1及び比較例1〜比較例3で
得られたUO2F2を先ず蒸留水に溶解してUO2F2溶液
とした。次いでこの溶液を100gU/Lの濃度に調整
した後、28%のアンモニア水をNH3/Uモル比が9
の条件で急速に添加して重ウラン酸アンモニウム(AD
U)に変換した。次にADUをろ過・乾燥した後、水素
と水蒸気の混合気流中で650℃で焙焼還元してUO2
粉末に変換した。更にUO2粉末を型内面に予め潤滑剤
を塗布した所定の金型に入れ、4t/cm2の成形圧で
成形した後、水素気流中1750℃で4時間の焼結を行
い、焼結ペレットを作製した。UO2F2の製造条件と製
品のX線回折結果及びUO2焼結ペレットの平均結晶粒
径を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表中、AUFはアンモニウム・ウラニル・
フルオライド(UO2F2・3NH4Fを意味する。表1
より明かなように、実施例1の製品は純粋なUO2F2で
あり、大粒径ペレットの原料として十分な性能を有して
いたのに対して、比較例1の製品はUO2F2の他にNH
4FとUO2F2が結合したAUFが微量生成しており、
大粒径ペレットの原料として不適切であった。また比較
例2の製品は微量のUF4が存在し、比較例3の製品で
は微量の過酸化ウラン水和物が残留し、いずれの場合も
大粒径ペレットの原料としての性能が劣っていることが
判る。
フルオライド(UO2F2・3NH4Fを意味する。表1
より明かなように、実施例1の製品は純粋なUO2F2で
あり、大粒径ペレットの原料として十分な性能を有して
いたのに対して、比較例1の製品はUO2F2の他にNH
4FとUO2F2が結合したAUFが微量生成しており、
大粒径ペレットの原料として不適切であった。また比較
例2の製品は微量のUF4が存在し、比較例3の製品で
は微量の過酸化ウラン水和物が残留し、いずれの場合も
大粒径ペレットの原料としての性能が劣っていることが
判る。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、U
3O8を硝酸に溶解して得られた硝酸ウラニル溶液を過酸
化水素水と所定のH2O2/Uモル比で反応させて過酸化
ウラン水和物に変換し、この過酸化ウラン水和物を焙焼
してUO3又はUO3水和物に変換し、これをHFガスと
反応させてフッ化することにより、UF4等の不純物の
ない純度の高いUO2F2が得られる。このUO2F2をU
O2焼結ペレットの原料として用いれば、高燃焼度用核
燃料に適した結晶粒径の大きなペレットを製造すること
ができる。特に、従来ダーティスクラップウランのよう
に通常のリサイクル法では適さないスクラップウランで
あっても、本発明の方法でこのUO2の酸化物であるU3
O8からUO2F2を作り、このUO2F2からUO2粉末を
製造すれば、このUO2粉末の配合量を通常のスクラッ
プウランから作られるUO2F2を出発物質とするUO2
粉末に対して増やしても大粒径ペレットを製造すること
ができる利点がある。
3O8を硝酸に溶解して得られた硝酸ウラニル溶液を過酸
化水素水と所定のH2O2/Uモル比で反応させて過酸化
ウラン水和物に変換し、この過酸化ウラン水和物を焙焼
してUO3又はUO3水和物に変換し、これをHFガスと
反応させてフッ化することにより、UF4等の不純物の
ない純度の高いUO2F2が得られる。このUO2F2をU
O2焼結ペレットの原料として用いれば、高燃焼度用核
燃料に適した結晶粒径の大きなペレットを製造すること
ができる。特に、従来ダーティスクラップウランのよう
に通常のリサイクル法では適さないスクラップウランで
あっても、本発明の方法でこのUO2の酸化物であるU3
O8からUO2F2を作り、このUO2F2からUO2粉末を
製造すれば、このUO2粉末の配合量を通常のスクラッ
プウランから作られるUO2F2を出発物質とするUO2
粉末に対して増やしても大粒径ペレットを製造すること
ができる利点がある。
Claims (6)
- 【請求項1】 八三酸化ウラン(U3O8)を原料として
フッ化ウラニル(UO2F2)を製造する方法であって、
(1) 前記U3O8を硝酸に溶解して硝酸ウラニル溶液に
変換する工程と、(2) 前記硝酸ウラニル溶液を過酸化
水素水と所定のH2O2/Uモル比で反応させることによ
り過酸化ウラン水和物に変換する工程と、(3) 前記変
換工程で生成されたスラリーから過酸化ウラン水和物を
ろ過回収した後乾燥する工程と、(4) 前記乾燥した過
酸化ウラン水和物を焙焼して三酸化ウラン(UO3)又
はUO3水和物のいずれか又は双方に変換する工程と、
(5) 前記UO3又はUO3水和物のいずれか又は双方を
HFガスと反応させることによりフッ化してUO2F2に
変換する工程とを含むことを特徴とするフッ化ウラニル
の製造方法。 - 【請求項2】 工程(2)の硝酸ウラニル溶液が実質的に
遊離の硝酸を含有しない請求項1記載のフッ化ウラニル
の製造方法。 - 【請求項3】 工程(2)の硝酸ウラニル溶液のウラン濃
度を20〜200gU/Lとする請求項1記載のフッ化
ウラニルの製造方法。 - 【請求項4】 工程(2)の所定のH2O2/Uモル比が1
〜16である請求項1記載のフッ化ウラニルの製造方
法。 - 【請求項5】 工程(4)の焙焼を200〜300℃の温
度範囲で行う請求項1記載のフッ化ウラニルの製造方
法。 - 【請求項6】 工程(5)のフッ化を200〜300℃の
温度範囲で行う請求項1記載のフッ化ウラニルの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16205793A JPH0717716A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | フッ化ウラニルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16205793A JPH0717716A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | フッ化ウラニルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0717716A true JPH0717716A (ja) | 1995-01-20 |
Family
ID=15747279
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16205793A Withdrawn JPH0717716A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | フッ化ウラニルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0717716A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009013759A1 (en) * | 2007-07-24 | 2009-01-29 | Secretary, Department Of Atomic Energy | Single stage purification for uranium refining |
US8543897B2 (en) | 2010-06-01 | 2013-09-24 | Fujitsu Limited | Transmission apparatus and parity calculation method |
CN113023781A (zh) * | 2019-12-24 | 2021-06-25 | 中核建中核燃料元件有限公司 | 一种高活性粉末的制备方法 |
CN113772733A (zh) * | 2021-09-13 | 2021-12-10 | 中国科学院上海应用物理研究所 | 一种无水氯化铀酰的水相制备方法 |
CN116354400A (zh) * | 2021-12-27 | 2023-06-30 | 核工业北京化工冶金研究院 | 一种解决八氧化三铀产品硝酸溶解过程产生氮氧化物的方法 |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP16205793A patent/JPH0717716A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009013759A1 (en) * | 2007-07-24 | 2009-01-29 | Secretary, Department Of Atomic Energy | Single stage purification for uranium refining |
US8543897B2 (en) | 2010-06-01 | 2013-09-24 | Fujitsu Limited | Transmission apparatus and parity calculation method |
CN113023781A (zh) * | 2019-12-24 | 2021-06-25 | 中核建中核燃料元件有限公司 | 一种高活性粉末的制备方法 |
CN113772733A (zh) * | 2021-09-13 | 2021-12-10 | 中国科学院上海应用物理研究所 | 一种无水氯化铀酰的水相制备方法 |
CN116354400A (zh) * | 2021-12-27 | 2023-06-30 | 核工业北京化工冶金研究院 | 一种解决八氧化三铀产品硝酸溶解过程产生氮氧化物的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4963294A (en) | Method of preparing uranium dioxide powder from uranium hexafluoride | |
JPH037608B2 (ja) | ||
JPH0717716A (ja) | フッ化ウラニルの製造方法 | |
US5514306A (en) | Process to reclaim UO2 scrap powder | |
US4873031A (en) | Method of controlling the crystal grain size of uranium dioxide pellet | |
KR940006544B1 (ko) | Uo₂펠릿의 제조방법 | |
JP3058499B2 (ja) | 焼結酸化物ペレット製造方法及び該方法によって得られる析出過酸化物 | |
JPH01298027A (ja) | Uo↓2ペレットの製造方法 | |
US2974012A (en) | Preparation of beryllium oxide of high purity | |
JP2536372B2 (ja) | 二酸化ウラン焼結ペレットの製造方法 | |
JP2727726B2 (ja) | 二酸化ウラン粉末の製造方法 | |
CA1190721A (en) | Process for producing u.sub.3o.sub.8 powder | |
Harmon et al. | Conversion chemistry of plutonium nitrate | |
JPH0717717A (ja) | 二酸化ウラン粉末の製造方法 | |
KR950005255B1 (ko) | 이산화우라늄(uo₂)펠릿의 결정입자지름을 조절하는 방법 | |
KR940011896B1 (ko) | 6플루오르화 우라늄으로부터 이산화우라늄을 제조하는 방법 | |
JP3339536B2 (ja) | 二酸化ウラン粉末の製造方法 | |
US4201738A (en) | Preparation of U3 O8 | |
US3150924A (en) | Pretreatment of uranium dioxide to promote its conversion to uranium tetrafluoride | |
JPS6379725A (ja) | 二酸化ウラン粉末の製法 | |
JPS62232596A (ja) | 硝酸に溶解し得る焼結混合酸化物を硝酸塩溶液から製造する方法 | |
JP2850884B2 (ja) | 二酸化ウラン粉末の製造方法 | |
JPH02258630A (ja) | Uo↓2粉末の製造方法 | |
Larson et al. | Process to reclaim UO 2 scrap powder | |
JPH05232275A (ja) | 核燃料体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000905 |