JP3329838B2 - スチレン系樹脂二軸延伸シート - Google Patents
スチレン系樹脂二軸延伸シートInfo
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- JP3329838B2 JP3329838B2 JP19699291A JP19699291A JP3329838B2 JP 3329838 B2 JP3329838 B2 JP 3329838B2 JP 19699291 A JP19699291 A JP 19699291A JP 19699291 A JP19699291 A JP 19699291A JP 3329838 B2 JP3329838 B2 JP 3329838B2
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- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸延伸シート、さら
に詳しくいえば優れた透明性、強度、成形加工性を有す
るスチレン系樹脂二軸延伸シートに関するものである。
に詳しくいえば優れた透明性、強度、成形加工性を有す
るスチレン系樹脂二軸延伸シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、二軸延伸スチレン系樹脂シートは
食品衛生上有害な添加剤を使用しなくても透明性、光
沢、可視光線透過性などに優れ、各種食品容器として幅
広く使用されているが、特に近年は高透明性、高強度の
需要の要求が高まっている。スチレン系樹脂二軸延伸シ
ートを各種食品容器に成形する際に使用される成形機と
しては、真空成形機、圧空成形機などが多く用いられて
いるが、成形品を重ねてトリミングした際に成形品が割
れるという問題が存在している。成形品の割れの問題を
解決するために、特公昭57−20135号公報に見ら
れるようにスチレン系樹脂に平均ゴム粒子径の揃った合
成ゴムを添加して二軸延伸することにより、従来の二軸
延伸スチレン系樹脂シートより強靭性、耐衝撃性に優れ
たゴム強化スチレン系樹脂二軸延伸シートなどが提案さ
れている。しかしながら、このような手法でシートの強
度を上げようとすると合成ゴム粒子により透明性が低下
するという欠点があった。
食品衛生上有害な添加剤を使用しなくても透明性、光
沢、可視光線透過性などに優れ、各種食品容器として幅
広く使用されているが、特に近年は高透明性、高強度の
需要の要求が高まっている。スチレン系樹脂二軸延伸シ
ートを各種食品容器に成形する際に使用される成形機と
しては、真空成形機、圧空成形機などが多く用いられて
いるが、成形品を重ねてトリミングした際に成形品が割
れるという問題が存在している。成形品の割れの問題を
解決するために、特公昭57−20135号公報に見ら
れるようにスチレン系樹脂に平均ゴム粒子径の揃った合
成ゴムを添加して二軸延伸することにより、従来の二軸
延伸スチレン系樹脂シートより強靭性、耐衝撃性に優れ
たゴム強化スチレン系樹脂二軸延伸シートなどが提案さ
れている。しかしながら、このような手法でシートの強
度を上げようとすると合成ゴム粒子により透明性が低下
するという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来のスチレン系樹脂二軸延伸シートの欠点に鑑みてなさ
れたもので、強靭性、耐衝撃性に優れ、成形品のトリミ
ングの際の成形品の割れも発生し難い、しかも透明性に
優れたスチレン系樹脂二軸延伸シートを提供することを
目的とする。
来のスチレン系樹脂二軸延伸シートの欠点に鑑みてなさ
れたもので、強靭性、耐衝撃性に優れ、成形品のトリミ
ングの際の成形品の割れも発生し難い、しかも透明性に
優れたスチレン系樹脂二軸延伸シートを提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、スチレン系樹脂二
軸延伸シート中の平均ゴム粒子径を特定の範囲にし、さ
らに平均ゴム粒子径とゴム濃度との積を特定の範囲にす
ること、及びスチレン系樹脂二軸延伸シートの複屈折率
とシートの厚みとの積を特定の範囲にすることにより、
上記課題を解決することを見い出し、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、スチレン系樹脂二
軸延伸シート中の平均ゴム粒子径を特定の範囲にし、さ
らに平均ゴム粒子径とゴム濃度との積を特定の範囲にす
ること、及びスチレン系樹脂二軸延伸シートの複屈折率
とシートの厚みとの積を特定の範囲にすることにより、
上記課題を解決することを見い出し、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(a)スチレン−ブ
タジエン系ブロック共重合体と、(b)グラフト型ハイ
インパクトスチレン系樹脂から成るゴム強化スチレン系
樹脂と、(c)スチレン系樹脂との樹脂組成物から成る
二軸延伸シートであって、該二軸延伸シート中の平均ゴ
ム粒子径が0.08〜0.25μmであり、かつ式1で示
されるF値が0.009〜0.028の範囲であり、式2
で示されるK値が1.00×10-5〜2.25×10-4の
範囲であることを特徴とする透明なスチレン系樹脂二軸
延伸シートを提供するものである。 式1 F=[C]×[D] 式2 K=[Δn]×[t] (ここで、[C]は重量%単位の二軸延伸シート中のゴ
ム濃度であり、[D]はμm単位の二軸延伸シート中の
平均ゴム粒子径であり、[Δn]は二軸延伸シートの複
屈折率であり、[t]はmm単位の二軸延伸シートの厚み
である。)
タジエン系ブロック共重合体と、(b)グラフト型ハイ
インパクトスチレン系樹脂から成るゴム強化スチレン系
樹脂と、(c)スチレン系樹脂との樹脂組成物から成る
二軸延伸シートであって、該二軸延伸シート中の平均ゴ
ム粒子径が0.08〜0.25μmであり、かつ式1で示
されるF値が0.009〜0.028の範囲であり、式2
で示されるK値が1.00×10-5〜2.25×10-4の
範囲であることを特徴とする透明なスチレン系樹脂二軸
延伸シートを提供するものである。 式1 F=[C]×[D] 式2 K=[Δn]×[t] (ここで、[C]は重量%単位の二軸延伸シート中のゴ
ム濃度であり、[D]はμm単位の二軸延伸シート中の
平均ゴム粒子径であり、[Δn]は二軸延伸シートの複
屈折率であり、[t]はmm単位の二軸延伸シートの厚み
である。)
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて使用されるスチレン系樹脂組成物には、(a)成
分として、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体が
用いられる。ここで使用されるスチレン−ブタジエン系
ブロック共重合体としては、特に限定されるものではな
く、種々のものが使用されるが、例えば、(A−B)n
A、(A−B)mX、[(A−B)n]mXなどの構造を有す
るものが挙げられる。ここでAはスチレン重合体連鎖を
示し、Bはブタジエン重合体連鎖を示し、nは1〜20
の整数を示し、mは3〜7の整数を示し、Xはm個の重
合体連鎖を結びつけている多官能性化合物を示す。さら
に、本発明に使用されるブロック共重合体の連結型式
は、スチレン、ブタジエン両成分が混在した、いわゆる
テーパー構造を1以上含んでいるものとスチレン、ブタ
ジエン両成分が混在しない、いわゆるクリアカット構造
のいずれも使用することができる。これらのスチレン−
ブタジエン系ブロック共重合体のうち、好ましいものと
しては、(A−B)nA、(A−B)mXの構造を有する
ものなどが挙げられる。
おいて使用されるスチレン系樹脂組成物には、(a)成
分として、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体が
用いられる。ここで使用されるスチレン−ブタジエン系
ブロック共重合体としては、特に限定されるものではな
く、種々のものが使用されるが、例えば、(A−B)n
A、(A−B)mX、[(A−B)n]mXなどの構造を有す
るものが挙げられる。ここでAはスチレン重合体連鎖を
示し、Bはブタジエン重合体連鎖を示し、nは1〜20
の整数を示し、mは3〜7の整数を示し、Xはm個の重
合体連鎖を結びつけている多官能性化合物を示す。さら
に、本発明に使用されるブロック共重合体の連結型式
は、スチレン、ブタジエン両成分が混在した、いわゆる
テーパー構造を1以上含んでいるものとスチレン、ブタ
ジエン両成分が混在しない、いわゆるクリアカット構造
のいずれも使用することができる。これらのスチレン−
ブタジエン系ブロック共重合体のうち、好ましいものと
しては、(A−B)nA、(A−B)mXの構造を有する
ものなどが挙げられる。
【0007】また、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体のスチレン、ブタジエンの含有割合は、特に限定さ
れるものではないが、通常15:85ないし85:15
の範囲であり、好ましくは20:80ないし80:20
の範囲であり、特に好ましくは25:75ないし75:
25の範囲である。このスチレン−ブタジエン系ブロッ
ク共重合体の重量平均分子量は、特に限定されるもので
はないが、通常5万〜30万の範囲のものが使用され、
好ましくは7万〜25万の範囲のものが使用され、特に
好ましくは10万〜23万の範囲のものが使用される。
これらのスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体は、
一種単独で使用しても良いし、二種以上を組み合わせて
使用しても良い。
合体のスチレン、ブタジエンの含有割合は、特に限定さ
れるものではないが、通常15:85ないし85:15
の範囲であり、好ましくは20:80ないし80:20
の範囲であり、特に好ましくは25:75ないし75:
25の範囲である。このスチレン−ブタジエン系ブロッ
ク共重合体の重量平均分子量は、特に限定されるもので
はないが、通常5万〜30万の範囲のものが使用され、
好ましくは7万〜25万の範囲のものが使用され、特に
好ましくは10万〜23万の範囲のものが使用される。
これらのスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体は、
一種単独で使用しても良いし、二種以上を組み合わせて
使用しても良い。
【0008】スチレン系樹脂組成物に用いられる(b)
成分であるグラフト型ハイインパクトスチレン系樹脂と
しては、特に限定されるものではなく、種々のものが使
用できる。グラフト型ハイインパクトスチレン系樹脂の
原料の単量体としては、例えばスチレン、アルキルスチ
レン(例えば、メチルスチレン、エチルスチレン、イソ
プロピルスチレン、ブチルスチレン、第三級ブチルスチ
レンなどのo−、m−、p−の各異性体)、アルファア
ルキルスチレン(例えばアルファメチルスチレン、アル
ファエチルスチレンなど)、モノハロゲン化スチレン
(例えばクロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロス
チレンなどのo−、m−、及びp−の各異性体)、ジハ
ロゲン化スチレン(例えばジクロロスチレン、ジブロモ
スチレン、ジフルオロスチレン、クロロブロモスチレン
などの各核置換異性体)、トリハロゲン化スチレン(例
えばトリクロロスチレン、トリブロモスチレン、トリフ
ルオロスチレン、ジクロロブロモスチレン、ジブロモク
ロロスチレン、ジフルオロクロロスチレンなどの各核置
換異性体)、テトラハロゲン化スチレン(例えばテトラ
クロロスチレン、テトラブロモスチレン、テトラフルオ
ロスチレン、ジクロロジブロモスチレンなどの各核置換
異性体)、ペンタハロゲン化スチレン(例えばペンタク
ロロスチレン、ペンタブロモスチレン、トリクロロジブ
ロモスチレン、トリフルオロジクロロスチレンなどの各
核置換異性体)、アルファー及びベーターハロゲン置換
スチレン(例えばアルファクロロスチレン、アルファブ
ロモスチレン、ベータークロロスチレン及びベーターブ
ロモスチレンなど)などが挙げられる。これらの単量体
は、一種単独で使用しても良いし、二種以上を組み合わ
せて使用しても良い。
成分であるグラフト型ハイインパクトスチレン系樹脂と
しては、特に限定されるものではなく、種々のものが使
用できる。グラフト型ハイインパクトスチレン系樹脂の
原料の単量体としては、例えばスチレン、アルキルスチ
レン(例えば、メチルスチレン、エチルスチレン、イソ
プロピルスチレン、ブチルスチレン、第三級ブチルスチ
レンなどのo−、m−、p−の各異性体)、アルファア
ルキルスチレン(例えばアルファメチルスチレン、アル
ファエチルスチレンなど)、モノハロゲン化スチレン
(例えばクロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロス
チレンなどのo−、m−、及びp−の各異性体)、ジハ
ロゲン化スチレン(例えばジクロロスチレン、ジブロモ
スチレン、ジフルオロスチレン、クロロブロモスチレン
などの各核置換異性体)、トリハロゲン化スチレン(例
えばトリクロロスチレン、トリブロモスチレン、トリフ
ルオロスチレン、ジクロロブロモスチレン、ジブロモク
ロロスチレン、ジフルオロクロロスチレンなどの各核置
換異性体)、テトラハロゲン化スチレン(例えばテトラ
クロロスチレン、テトラブロモスチレン、テトラフルオ
ロスチレン、ジクロロジブロモスチレンなどの各核置換
異性体)、ペンタハロゲン化スチレン(例えばペンタク
ロロスチレン、ペンタブロモスチレン、トリクロロジブ
ロモスチレン、トリフルオロジクロロスチレンなどの各
核置換異性体)、アルファー及びベーターハロゲン置換
スチレン(例えばアルファクロロスチレン、アルファブ
ロモスチレン、ベータークロロスチレン及びベーターブ
ロモスチレンなど)などが挙げられる。これらの単量体
は、一種単独で使用しても良いし、二種以上を組み合わ
せて使用しても良い。
【0009】また、グラフト型ハイインパクトスチレン
系樹脂のゴムとしては、例えば1種又は2種以上の共役
1,3−ジエン(例えばブタジエン、イソプレン、2−
クロロ−1,3ブタジエン、1−クロロ−1,3ブタジエ
ン、ピペリレンなど)などの任意のゴム重合体が挙げら
れる。グラフト型ハイインパクトスチレン系樹脂の原料
のゴム含量は、任意の範囲で選定することができるが、
通常3.0〜15.0の範囲のものが使用され、好ましく
は5.0〜10.0の範囲のものが使用される。本発明の
グラフト型ハイインパクトスチレン系樹脂の製法は、特
に限定されるものではなく、例えば、スチレン系単量体
にジエンゴムを溶解して重合して得る方法、及びジエン
ゴム量を2〜10重量%含有したグラフト型ハイインパ
クトスチレン系樹脂と透明なスチレン系樹脂とを任意に
混合して得る方法などが挙げられる。
系樹脂のゴムとしては、例えば1種又は2種以上の共役
1,3−ジエン(例えばブタジエン、イソプレン、2−
クロロ−1,3ブタジエン、1−クロロ−1,3ブタジエ
ン、ピペリレンなど)などの任意のゴム重合体が挙げら
れる。グラフト型ハイインパクトスチレン系樹脂の原料
のゴム含量は、任意の範囲で選定することができるが、
通常3.0〜15.0の範囲のものが使用され、好ましく
は5.0〜10.0の範囲のものが使用される。本発明の
グラフト型ハイインパクトスチレン系樹脂の製法は、特
に限定されるものではなく、例えば、スチレン系単量体
にジエンゴムを溶解して重合して得る方法、及びジエン
ゴム量を2〜10重量%含有したグラフト型ハイインパ
クトスチレン系樹脂と透明なスチレン系樹脂とを任意に
混合して得る方法などが挙げられる。
【0010】本発明に使用されるスチレン系樹脂組成物
の(c)成分であるスチレン系樹脂としては、特に限定
されるものではなく、種々のものが使用できるが、例え
ばスチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族化
合物から選ばれた1種類あるいは複数個の組合せから成
る単量体の重合体、又はビニル芳香族化合物と他の共重
合性単量体との共重合体などが挙げられる。ビニル芳香
族化合物と共重合させるために使用できる単量体として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニ
ルシアン化合物類、アクリル酸、メタクリル酸などの不
飽和カルボン酸類及びそれらのエステル類が挙げられ
る。スチレン系樹脂の分子量も特に限定されるものでは
ないが、通常重量平均分子量が15〜40万の範囲のも
のが使用される。
の(c)成分であるスチレン系樹脂としては、特に限定
されるものではなく、種々のものが使用できるが、例え
ばスチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族化
合物から選ばれた1種類あるいは複数個の組合せから成
る単量体の重合体、又はビニル芳香族化合物と他の共重
合性単量体との共重合体などが挙げられる。ビニル芳香
族化合物と共重合させるために使用できる単量体として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニ
ルシアン化合物類、アクリル酸、メタクリル酸などの不
飽和カルボン酸類及びそれらのエステル類が挙げられ
る。スチレン系樹脂の分子量も特に限定されるものでは
ないが、通常重量平均分子量が15〜40万の範囲のも
のが使用される。
【0011】本発明のスチレン系樹脂二軸延伸シート
は、前記スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体と、
前記グラフト型ハイインパクトスチレン系樹脂及び前記
スチレン系樹脂を配合した樹脂組成物から構成される。
これらの成分は、該二軸延伸シート中の平均ゴム粒子径
[D]が0.08〜0.25μm、好ましくは0.10〜
0.23μm、特に好ましくは0.15〜0.20μmに
なり、かつ式1で表されるF値が0.009〜0.02
8、好ましくは0.012〜0.024、特に好ましくは
0.015〜0.023の範囲になるように配合すること
が必要である。
は、前記スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体と、
前記グラフト型ハイインパクトスチレン系樹脂及び前記
スチレン系樹脂を配合した樹脂組成物から構成される。
これらの成分は、該二軸延伸シート中の平均ゴム粒子径
[D]が0.08〜0.25μm、好ましくは0.10〜
0.23μm、特に好ましくは0.15〜0.20μmに
なり、かつ式1で表されるF値が0.009〜0.02
8、好ましくは0.012〜0.024、特に好ましくは
0.015〜0.023の範囲になるように配合すること
が必要である。
【0012】ここで、ゴムとはスチレン−ブタジエン系
ブロック共重合体とグラフト型ハイインパクトスチレン
系樹脂に含まれるゴムの両方を意味する。また、二軸延
伸シート中の平均ゴム粒子径[D]とは、二軸延伸シー
トを延伸温度下で収縮させて、偏平状のゴム粒子が球状
になった時のゴム粒子径をいう。通常延伸されたシート
のゴム粒子は配向によって球状ではなく偏平になってい
るため、平均ゴム粒子径を求めることが難しいので、本
発明においては収縮後のシート中の平均ゴム粒子径で規
定している。また、異なるゴム粒子の粒子径を求める場
合、平均ゴム粒子径は次の式で表される。
ブロック共重合体とグラフト型ハイインパクトスチレン
系樹脂に含まれるゴムの両方を意味する。また、二軸延
伸シート中の平均ゴム粒子径[D]とは、二軸延伸シー
トを延伸温度下で収縮させて、偏平状のゴム粒子が球状
になった時のゴム粒子径をいう。通常延伸されたシート
のゴム粒子は配向によって球状ではなく偏平になってい
るため、平均ゴム粒子径を求めることが難しいので、本
発明においては収縮後のシート中の平均ゴム粒子径で規
定している。また、異なるゴム粒子の粒子径を求める場
合、平均ゴム粒子径は次の式で表される。
【0013】
【数1】
【0014】注 dk:個々のゴム粒子径 n:ゴム粒子の数 平均ゴム粒子径が、0.08μm未満では耐衝撃強度が
劣り、0.25μmを超えるとシートの透明性が劣る。
また、F値とは、重量%単位の二軸延伸シート中のゴム
濃度[C]とμm単位の二軸延伸シート中の平均ゴム粒
子径[D]との積であり、F値が0.009未満ではシ
ートのトリミングの際に割れが生じやすく、F値が0.
028を超えると透明性が低下する。なお、本発明にお
いてゴム濃度を定量する際、NMR法、塩化ヨウ素−電
位差滴定法などがあるがそれらのいずれでも良い。
劣り、0.25μmを超えるとシートの透明性が劣る。
また、F値とは、重量%単位の二軸延伸シート中のゴム
濃度[C]とμm単位の二軸延伸シート中の平均ゴム粒
子径[D]との積であり、F値が0.009未満ではシ
ートのトリミングの際に割れが生じやすく、F値が0.
028を超えると透明性が低下する。なお、本発明にお
いてゴム濃度を定量する際、NMR法、塩化ヨウ素−電
位差滴定法などがあるがそれらのいずれでも良い。
【0015】本発明の二軸延伸シートは、上記3種類の
樹脂を上記F値の範囲になるように配合させて得られる
が、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体は、好ま
しくは0.05〜0.50重量%、特に好ましくは0.0
8〜0.30の範囲内で配合することが望ましい。上記
成分の混合順序は、特に限定されるものではなく、どの
ような混合種順序でも良い。例えば、(a)成分と樹脂
(b)成分をまず混合し、次いで樹脂(c)成分を混合
する方法、樹脂(b)成分と樹脂(c)成分を混合し、
次いで(a)成分を混合する方法、(a)成分と樹脂
(c)成分を混合し、次いで樹脂(b)成分を混合する
方法、(a)成分、樹脂(b)成分及び樹脂(c)成分
を同時に混合する方法などが挙げられる。混合は、でき
るだけ均一になるように行うことが好ましい。混合方法
は、種々の方法が適応できるが、例えば、ヘンシェルミ
キサーなどの撹拌混合機を用いて混合することが好まし
い。
樹脂を上記F値の範囲になるように配合させて得られる
が、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体は、好ま
しくは0.05〜0.50重量%、特に好ましくは0.0
8〜0.30の範囲内で配合することが望ましい。上記
成分の混合順序は、特に限定されるものではなく、どの
ような混合種順序でも良い。例えば、(a)成分と樹脂
(b)成分をまず混合し、次いで樹脂(c)成分を混合
する方法、樹脂(b)成分と樹脂(c)成分を混合し、
次いで(a)成分を混合する方法、(a)成分と樹脂
(c)成分を混合し、次いで樹脂(b)成分を混合する
方法、(a)成分、樹脂(b)成分及び樹脂(c)成分
を同時に混合する方法などが挙げられる。混合は、でき
るだけ均一になるように行うことが好ましい。混合方法
は、種々の方法が適応できるが、例えば、ヘンシェルミ
キサーなどの撹拌混合機を用いて混合することが好まし
い。
【0016】混合された樹脂組成物は、押出機、プレス
機などの種々の方法によりシートに成形され、さらに二
軸延伸されて二軸延伸シートが得られる。本発明の二軸
延伸シートは、上記式2で表されるK値を1.00×1
0-5〜2.25×10-4、好ましくは1.00×10-5〜
2.0×10-4、特に好ましくは5.00×10-5〜1.
5×10-4の範囲に調整して二軸延伸させて得られるシ
ートであることが必要である。
機などの種々の方法によりシートに成形され、さらに二
軸延伸されて二軸延伸シートが得られる。本発明の二軸
延伸シートは、上記式2で表されるK値を1.00×1
0-5〜2.25×10-4、好ましくは1.00×10-5〜
2.0×10-4、特に好ましくは5.00×10-5〜1.
5×10-4の範囲に調整して二軸延伸させて得られるシ
ートであることが必要である。
【0017】K値とは、二軸延伸シートの複屈折率[Δ
n]とmm単位の二軸延伸シートの厚み[t]との積であ
り、K値が1.00×10-5未満ではシート強度が低く
成形の際、割れや成形不良が生じやすく、K値が2.2
5×10-4を超えると配向度合いが大きいために成形加
工性の低下したシートとなる。本発明におけるスチレン
系樹脂シートの二軸延伸は、同時二軸延伸でも良く、逐
次二軸延伸でも良く、一般に知られているテンター方式
の二軸延伸法、及びインフレーション方式の二軸延伸法
などの種々の二軸延伸法で行わうことができる。本発明
の効果はこれらの延伸方法に関係なく得ることができ
る。本発明のスチレン系樹脂二軸延伸シートには、本発
明の目的を損なわない範囲内で、種々の添加剤を含有さ
せても良い。
n]とmm単位の二軸延伸シートの厚み[t]との積であ
り、K値が1.00×10-5未満ではシート強度が低く
成形の際、割れや成形不良が生じやすく、K値が2.2
5×10-4を超えると配向度合いが大きいために成形加
工性の低下したシートとなる。本発明におけるスチレン
系樹脂シートの二軸延伸は、同時二軸延伸でも良く、逐
次二軸延伸でも良く、一般に知られているテンター方式
の二軸延伸法、及びインフレーション方式の二軸延伸法
などの種々の二軸延伸法で行わうことができる。本発明
の効果はこれらの延伸方法に関係なく得ることができ
る。本発明のスチレン系樹脂二軸延伸シートには、本発
明の目的を損なわない範囲内で、種々の添加剤を含有さ
せても良い。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。実施例及び比較例におけるシートの物性及び評
価は下記の方法にて行った。 1.ゴム粒子径 ギヤオーブン中、130℃1時間で完全に加熱収縮させ
たシートを日本電子製透過型電子顕微鏡で撮影した1万
5千倍の写真を用いて測定した。 2.ゴム濃度 日本電子製90MHzH1−NMRを用いて測定した。 3.複屈折率 オリンパス光学工業(株)製の偏光顕微鏡(ペレックコン
ベンセーター)を使用して測定した。 4.シート曇り度 ASTM−D−1003法に準拠してシートの曇り度を
測定し ◎:曇り度が1.0(%)未満 ○:曇り度が1.0(%)以上1.2(%)未満 ×:曇り度が1.2(%)以上 というランク付けを行った。 5.シート耐折強度 東洋精機(株)製MITテスターを使用し荷重1kg、耐折
角度120℃にて耐折強度を測定した。 6.シート耐衝撃強度 テスター産業(株)製フイルムインパクトテスターにて測
定した。
明する。実施例及び比較例におけるシートの物性及び評
価は下記の方法にて行った。 1.ゴム粒子径 ギヤオーブン中、130℃1時間で完全に加熱収縮させ
たシートを日本電子製透過型電子顕微鏡で撮影した1万
5千倍の写真を用いて測定した。 2.ゴム濃度 日本電子製90MHzH1−NMRを用いて測定した。 3.複屈折率 オリンパス光学工業(株)製の偏光顕微鏡(ペレックコン
ベンセーター)を使用して測定した。 4.シート曇り度 ASTM−D−1003法に準拠してシートの曇り度を
測定し ◎:曇り度が1.0(%)未満 ○:曇り度が1.0(%)以上1.2(%)未満 ×:曇り度が1.2(%)以上 というランク付けを行った。 5.シート耐折強度 東洋精機(株)製MITテスターを使用し荷重1kg、耐折
角度120℃にて耐折強度を測定した。 6.シート耐衝撃強度 テスター産業(株)製フイルムインパクトテスターにて測
定した。
【0019】実施例1 重量平均分子量30万のポリスチレンにポリブタジエン
含有量が5.5重量%のハイインパクトポリスチレンを
0.323重量%と、ブタジエン含有量が60重量%の
A−B−A構造で重量平均分子量20万のスチレン−ブ
タジエンブロック共重合体を0.054重量%を均一に
分散するようにヘンシェルミキサーで混合した後、押出
機でペレットとした。これを直径40m/mの押出機
(L/D=24)の供給口より押出機内に供給し、溶融
して200℃のシートダイに供給し、シートの厚みが
0.8mmのシートを得た。このシートを100mm×10
0mmに切り出し、二軸延伸機[東洋精機(株)製]でΔn
×t=0.58×10-4になるように二軸延伸した。そ
して平均ゴム粒子径(μm)が0.19、ゴム濃度が0.
050(重量%)のシートを得た。このシートの物性は
第1表に示す通り透明性、強度ともに良好であった。
含有量が5.5重量%のハイインパクトポリスチレンを
0.323重量%と、ブタジエン含有量が60重量%の
A−B−A構造で重量平均分子量20万のスチレン−ブ
タジエンブロック共重合体を0.054重量%を均一に
分散するようにヘンシェルミキサーで混合した後、押出
機でペレットとした。これを直径40m/mの押出機
(L/D=24)の供給口より押出機内に供給し、溶融
して200℃のシートダイに供給し、シートの厚みが
0.8mmのシートを得た。このシートを100mm×10
0mmに切り出し、二軸延伸機[東洋精機(株)製]でΔn
×t=0.58×10-4になるように二軸延伸した。そ
して平均ゴム粒子径(μm)が0.19、ゴム濃度が0.
050(重量%)のシートを得た。このシートの物性は
第1表に示す通り透明性、強度ともに良好であった。
【0020】実施例2〜8 実施例1と同様にして第1表に記載されている条件に従
い実施例2〜8の二軸延伸シートを作製した。いずれも
透明性、強度ともに良好であった。
い実施例2〜8の二軸延伸シートを作製した。いずれも
透明性、強度ともに良好であった。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】比較例1〜9 実施例1〜8と同様にして第2表に記載されている条件
に従いシートを作製した。これらのシートの中で高透明
性、及び十分な強度を両立しているものは得られなかっ
た。
に従いシートを作製した。これらのシートの中で高透明
性、及び十分な強度を両立しているものは得られなかっ
た。
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【発明の効果】本発明のスチレン系樹脂二軸延伸シート
は、優れた透明性を有し、さらに強靭性、耐衝撃性に優
れ、成形品のトリミングの際の成形品の割れも発生し難
いという優れた性質を有する。
は、優れた透明性を有し、さらに強靭性、耐衝撃性に優
れ、成形品のトリミングの際の成形品の割れも発生し難
いという優れた性質を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 51:00) B29K 25:00 B29K 25:00 B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 53:00 C08L 53:00 (56)参考文献 特開 昭58−225146(JP,A) 特開 昭62−124138(JP,A) 特開 昭63−315222(JP,A) 特開 平3−146331(JP,A) 特公 昭46−37920(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 B29C 55/12 C08L 25/04
Claims (1)
- 【請求項1】(a)スチレン−ブタジエン系ブロック共
重合体と、(b)グラフト型ハイインパクトスチレン系
樹脂と、(c)スチレン系樹脂との樹脂組成物から成る
二軸延伸シートであって、該二軸延伸シート中の平均ゴ
ム粒子径が0.08〜0.25μmであり、かつ式1で
表されるF値が0.009〜0.028の範囲であり、
式2で表されるK値が1.00×10−5〜2.25×
10−4の範囲であることを特徴とする透明なスチレン
系樹脂二軸延伸シート。 式1 F=[C]×[D] 式2 K=[Δn]×[t] (ここで、[C]は重量%単位の二軸延伸シート中のゴ
ム濃度であり、[D]はμm単位の二軸延伸シート中の
平均ゴム粒子径であり、[Δn]は二軸延伸シートの複
屈折率であり、[t]はmm単位の二軸延伸シートの厚
みである。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19699291A JP3329838B2 (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | スチレン系樹脂二軸延伸シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19699291A JP3329838B2 (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | スチレン系樹脂二軸延伸シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0517596A JPH0517596A (ja) | 1993-01-26 |
JP3329838B2 true JP3329838B2 (ja) | 2002-09-30 |
Family
ID=16367029
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19699291A Expired - Fee Related JP3329838B2 (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | スチレン系樹脂二軸延伸シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3329838B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5362436A (en) * | 1993-06-22 | 1994-11-08 | The Dow Chemical Company | Polystyrene foam sheet useful for forming deep drawn articles, a process to produce those articles, and the deep drawn articles |
KR20080030626A (ko) * | 2005-07-28 | 2008-04-04 | 다우 글로벌 테크놀로지스 인크. | 작은 고무 입자 및 낮은 고무 입자 겔 함량을 갖는 이축배향 폴리스티렌 필름 |
MX2009001013A (es) | 2006-07-27 | 2009-02-05 | Dow Global Technologies Inc | Etiquetas de encogimiento de pelicula de poliestireno orientada que contienen pequeñas particulas de caucho y bajo contenido de gel con particulas de caucho y copolimeros de bloque. |
-
1991
- 1991-07-11 JP JP19699291A patent/JP3329838B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0517596A (ja) | 1993-01-26 |
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