JPH09316142A - ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物

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JPH09316142A
JPH09316142A JP3220297A JP3220297A JPH09316142A JP H09316142 A JPH09316142 A JP H09316142A JP 3220297 A JP3220297 A JP 3220297A JP 3220297 A JP3220297 A JP 3220297A JP H09316142 A JPH09316142 A JP H09316142A
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aromatic vinyl
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vinyl resin
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JP3220297A
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Masaru Takeuchi
賢 竹内
Koji Kato
孝二 加藤
Shigeya Okabe
茂弥 岡部
Yutaka Tsubokura
豊 坪倉
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐衝撃性と透明性のバランスに優れた一般樹脂
組成物として、又、シート成形品にした場合は強度の異
方性を低くすることを可能にするゴム変性芳香族ビニル
樹脂組成物の提供を目的とする。 【解決手段】芳香族ビニル重合体中に粒子状のゴム状弾
性部分と直鎖状、分岐状又は網目状のゴム状弾性体部分
が分散し、粒子状ゴム状弾性体部分(長径/短径比が1
〜2のものに限る)の面積平均粒径が0.1μm以下で
あり、直鎖状、分岐状又は網目状のゴム状弾性体部分の
平均太さが0.04μm以下であることを特徴とするゴ
ム変性芳香族ビニル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性と耐衝撃性
のバランスのすぐれたゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物
に関するものであり、さらに詳しくは射出成形、射出ブ
ロー成形、ブロー成形、二軸延伸ブロー成形、押し出し
成形等各種成形法で成形可能であり、特に飲料用カッ
プ、卵・豆腐パック、フタ、肉・魚トレー等の各種シー
ト成形品に好適に用いられる透明なゴム変性芳香族ビニ
ル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】各種食品容器のトレー、パック等に最も
汎用的に用いられているポリスチレン系のシート成形品
には、透明性に優れるが耐衝撃性に欠ける通称、GPP
S(スチレンホモポリマー)と呼ばれるタイプと耐衝撃
性に優れるが透明性に欠ける通称、HIPS(ゴム変性
ポリスチレン)と呼ばれるタイプの成形材料が用いられ
るが、いずれのタイプも透明性と耐衝撃性のバランスが
不充分であり、バランスのとれた材料の開発が望まれて
いた。
【0003】その解決策として、耐衝撃性を改良するた
めに、従来から知られた手段として例えばポリスチレン
とゴム状弾性体、特にスチレン−ブタジエンブロック共
重合体を混練する方法があるが(特公昭53−250号
公報、特公昭54−62251号公報)、この方法で
は、ゴム状弾性体の添加量が増えるに従い耐衝撃性は向
上するものの剛性が低下し、またシート成形品の強度バ
ランスに異方性(配向方向とそれに直角な方向の強度等
の比)が大きくなり、真空成形工程での成形トラブルの
原因となるなど別の不都合が生じ、充分な解決が得られ
ない。又、0.5μm以下の単一オクルージョン構造を
有するゴム状粒子を有するHIPSとスチレン−ブタジ
エンブロック共重合体を混練する方法(特公平7−12
6475号公報)やポリスチレン連続相に微細な粒子状
のゴム状弾性体を分散させた透明性が高いゴム変性ポリ
スチレンが提案されている(欧州公開特許公報NO.0
069792号公報)。しかし、これらも透明性と耐衝
撃性のバランスは、なお充分とはいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐衝撃性と
透明性のバランスに優れた樹脂組成物、更には、シート
成形品にした場合の強度等の異方性が低いゴム変性芳香
族ビニル樹脂組成物の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
ついて鋭意検討した結果、ゴム状弾性体成分の形状因子
を制御することにより、物性バランスが大幅に向上する
ことを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明
の要旨は以下の通りである。 (1)芳香族ビニル重合体中に長径/短径比が1〜2で
ある粒子状のゴム状弾性体部分と直鎖状、分岐状又は網
目状のゴム状弾性体部分が分散し、前記粒子状のゴム状
弾性体部分の面積平均粒径が0.1μm以下であり、直
鎖状、分岐状又は網目状のゴム状弾性体部分の平均太さ
が0.04μm以下であることを特徴とするゴム変性芳
香族ビニル樹脂組成物。 (2)透過型電子顕微鏡で観察したとき、前記粒子状の
ゴム状弾性体部分が4μm2 中に40個以上観察され、
直鎖状、分岐状又は網目状のゴム状弾性体部分の総長が
4μm2 中で20μm以上であることを特徴とする上記
(1)のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物。 (3)パルスNMRによる自由誘導減衰測定において、
パルス照射後60μsにおける信号強度がパルス照射直
後の信号強度の15〜35%である上記(1)又は
(2)に記載のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物。 (4)下記(A)成分30〜80重量%、(B)成分1
0〜70重量%、(C)成分0〜15重量%を配合して
なるゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物。 (A)成分:芳香族ビニル樹脂からなるマトリックスに
長径/短径比が1〜2である粒子状のゴム状弾性体が分
散してなり、前記ゴム状弾性体が3〜25重量%を占
め、その面積平均粒径が0.1μm以下であるゴム変性
芳香族ビニル樹脂組成物 (B)成分:芳香族ビニル化合物55〜85重量%およ
び共役ジエン化合物15〜45重量%からなる熱可塑性
ブロック共重合体 (C)成分:芳香族ビニル化合物10〜50重量%およ
び共役ジエン化合物50〜90重量%からなる熱可塑性
ブロック共重合体 (5)芳香族ビニル樹脂の連続相にゴム粒子が分散した
ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物において、ゴム粒子の
形態としてドット状又はロッド状ゴム粒子とひも状ゴム
粒子が混在しており、樹脂組成物中の全ブタジエン成分
量が樹脂組成物の14〜31重量%を占め、樹脂組成物
中のトルエン不溶分の全ブタジエン成分量に対する重量
比が0.1〜1.8の範囲にあることを特徴とするゴム
変性芳香族ビニル樹脂組成物。 (6)ドット状又はロッド状ゴム粒子を有し、ゴム状重
合体の添加量が3〜25重量%であるゴム変性芳香族ビ
ニル樹脂組成物84〜30重量部にひも状ゴム粒子16
〜70重量部を配合したことを特徴とするゴム変性芳香
族ビニル樹脂組成物。 (7)ひも状ゴム粒子がスチレン−ブタジエン−スチレ
ンのトリブロックゴムである上記(5)又は(6)に記
載のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物。
【0006】以上から理解されるように、本発明は2つ
の群に大別できる。第1の群は、上記(1)に代表され
るように、芳香族ビニル重合体中に、特定粒径の粒子状
ゴム状弾性体と特定太さの直鎖状、分岐状又は網目状の
ゴム状弾性体が分散したゴム変性芳香族ビニル樹脂組成
物である。(以下、これを第1発明という)。
【0007】第2の群は、上記(5)に代表されるよう
に、芳香族ビニル重合体中に、ドット状又はロッド状の
ゴム状弾性体成分と、ひも状のゴム状弾性体成分が特定
の比率で存在しており、ゴム状弾性体成分がブタジエン
系ゴムからなるゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物であ
る。(以下、これを第2発明という)。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 (1)対象とする樹脂組成物 本発明の対象とするゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物
は、芳香族ビニル重合体の連続相にゴム状弾性体が分散
相を形成してなる組成物である。
【0009】このような連続相を構成する芳香族ビニル
重合体は芳香族ビニル単量体の重合体または共重合体で
あり、芳香族ビニル単量体としては、スチレンのほか、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレンなど核アルキル置換
スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチ
ルスチレンなどのα−アルキル置換スチレンなどがあ
る。この中でも、スチレン、α−メチルスチレンが、重
合体としてポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレ
ンの共重合体が好適に用いられる。
【0010】また分散相を形成するゴム状弾性体は分子
量、分岐度等は特に制限されない。具体的にはポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエンのランダムまたはブロッ
ク共重合体、α−メチルスチレン−ブタジエンのランダ
ムまたはブロック共重合体、スチレン−イソプレンのラ
ンダムまたはブロック共重合体およびそれら水添物、エ
チレン−プロピレンラバー(EPR)、エチレン−プロ
ピレン−ジエンゴム(EPDM),アクリルゴムなどが
ある。この中でも、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体が好適に用いられる。樹脂組成物中におけるゴム状
弾性体の占める通常の割合は、後述するパルスNMRの
測定法により、信号強度比が15〜35%の範囲内であ
る。
【0011】(2)ゴム状弾性体成分の形状等 本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物においては、
分散相を形成するゴム状弾性体成分の形状因子、量が目
的とする透明性と耐衝撃性、剛性等の機械物性に重要な
影響を与える。このゴム状弾性体成分の形状等は電子顕
微鏡を用いて観察される。
【0012】第1発明について、その一例を示せば、本
発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物を下記の成形条
件で押し出し成形したシート(厚さ0.5mm)を用い
て、ゴム状弾性体部分の形状等を観察する。 成形条件;押し出し機 日立造船産業65mm押出機 樹脂温度 約200℃ 吐出量 約70Kg/時間 引取速度 約3.6m/分 ダイリップ隙間 0.7mm ダイリップ幅 約600mm シート厚み 約0.5mm 延伸方向に平行且つシート平面に垂直に切りだした厚さ
約0.1μmの超薄切片(観察される面は延伸方向に平
行な断面である)を、四酸化オスミウムで染色処理して
透過型電子顕微鏡(略称:TEM)にて5万倍写真を撮
影、観察する。
【0013】このTEM写真を用いて画像解析を行う。
第1発明の樹脂組成物のTEM写真は、例えば、図2の
右側の写真のようになる。これを概念化したものが図1
の模式図である。なお、第2発明に基づきTEM写真の
画像解析を行う場合においては、サンプルは、押し出し
成形により得られる延伸シートを用いる。その一例を示
せば、本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物を下記
の成形条件で押し出し成形したシート(厚さ0.5m
m)を用いて、ゴム状弾性体部分の形状等を観察する。
【0014】 成形条件;押し出し機 伸晃機械製 35mm押出機 樹脂温度 約230℃ 吐出量 約12Kg/時間 引取速度 約1.8m/分 ダイリップ隙間 0.7mm ダイリップ幅 約28cm シート厚み 約0.5mm 延伸方向に平行且つシート平面に垂直に切りだした厚さ
約0.1μmの超薄切片(観察される面は延伸方向に平
行な断面である)を、四酸化オスミウムで染色処理して
透過型電子顕微鏡(略称:TEM)にて5万倍写真を撮
影、観察する。
【0015】このTEM写真を用いて画像解析を行う。
第2発明の樹脂組成物のTEM写真は、例えば、図4の
右側の写真のようになる。これを概念化したものが図3
の模式図である。一方、第1発明に基づきTEM写真の
画像解析を行う場合においては、サンプルは、押し出し
成形により得られる延伸シートである必要はなく、成形
加工前の樹脂ペレットでもよく、また、プレス成形品や
射出成形品等であってもよい。すなわち、第1発明に基
づく画像解析はサンプルの成形条件等の影響を受けな
い。
【0016】(2−1)第1発明に基づく画像解析 図2に見られるように、TEM写真では、芳香族ビニル
重合体部分が白色像として、またゴム状弾性体部分は黒
色像として観察される。第1発明の樹脂組成物において
は、黒色像(ゴム状弾性体成分)は主に粒子状と直鎖
状、分岐状又は網目状の形状を有するものからなる。こ
の画像を図1の模式図と図2のTEM写真で説明する。
【0017】模式図(図1)はTEM写真(図2)の右
側写真のゴム状弾性体部分の形状を概念化した本発明の
一例を示すものであり、主に粒子状と直鎖状、分岐状又
は網目状の形状を有するものからなる。その他、サラミ
状(円形ゴム状弾性体の中に、芳香族ビニル重合体が粒
子状に多数分散した状態)や単一オクルージョンの形態
(円形ゴム状弾性体の中に、芳香族ビニル重合体が一個
含まれた状態で、一個の芳香族ビニル重合体粒子の周囲
をゴム状弾性体で包んだように見える状態)等のゴム状
弾性体が、本発明の効果を損なわない範囲で、存在して
いてもよい。
【0018】それらの大きさ等を詳細に調べるため、T
EM写真からデジタイザ−を使用し長さ等を測定、コン
ピュータ等により計算して、各ゴム成分の形状因子を測
定する。第1発明における粒子状のゴム状弾性体部分
は、長径/短径比(L/D)が1〜2のものからなるも
ので、その面積平均粒径および正方形の面積4μm2
の粒子数を測定する。
【0019】又、直鎖状、分岐状又は網目状のゴム状弾
性体部分は、長径/短径比(L/D)が2を越えるもの
で、その平均太さと総長、それぞれを正方形の面積4μ
2中で測定する。面積平均粒径(Ds )は、粒子数約
1000個程度を測定して以下の式で求める。
【0020】
【数1】
【0021】(ni は、粒径Di を有する粒子の個数で
ある。ただし、粒径Di は、短径を用いるものとす
る。) 粒子数の測定は、正方形の面積4μm2 中のL/Dが1
〜2である粒子について、粒子数を測定する。直鎖状、
分岐状又は網目状のゴム状弾性体部分の平均太さの測定
については、面積4μm2 の正方形中の10ケ所で観測
される太さの平均値を用い、総長については、該正方形
中の各ゴム状弾性体部分の長さを加算した合計長さを用
いる。すなわち、総長は、短い直鎖や長い直鎖、分岐の
各枝、幹の長さ、網目の各枝の長さを測定し、合計した
ものである。
【0022】第1発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成
物においては、長径/短径比が1〜2である粒子状のゴ
ム状弾性体部分の面積平均粒径が0.1μm以下であ
り、直鎖状、分岐状又は網目状のゴム状弾性体部分の平
均太さが、0.04μm以下であることが必要である。
上記面積平均粒径が、0.1μmより大きくなれば透明
性が悪化してくるし、同様に上記平均太さが0.04μ
mより大きくなっても透明性が悪化してくる。
【0023】このような性状を有するゴム変性芳香族ビ
ニル樹脂組成物およびその成形物は、透明性、耐衝撃性
のバランスの優れた物性を有する。更に、正方形の面積
4μm2 中において長径/短径比が1〜2の粒子数が4
0個/4μm2 以上で、かつ同正方形面積中における直
鎖状、分岐状又は網目状のゴム状弾性体部分の総長が2
0μm以上であることが望ましい。
【0024】前記粒子数が多くなれば、耐衝撃性、透明
性が向上し、直鎖状、分岐状又は網目状のゴム状弾性体
部の総長が長いと耐衝撃性、透明性が向上するからであ
る。又、ゴム状弾性体の成分の総量は、パルスNMRで
測定される特定範囲内にあることが望ましい。測定は具
体的には自由誘導減衰測定(Free Induction Decay)に
よる。パスルNMR装置を用い、水素核を測定核とし
て、30℃に於いてソリッドエコ−パルス(90°x−
τ−90°yパルス)を照射した直後の信号強度を測定
し、それを100%とする。さらに照射後60μs時点
における信号強度を測定し、照射直後の値に対する比を
求める。この比が15〜35%の範囲内にあれば、本ゴ
ム変性芳香族ビニル樹脂組成物およびその成形物は、透
明性、耐衝撃性、剛性のバランスが最もよく取れ、且つ
異方性が低く抑えられる。従って、ゴム状弾性体の成分
の中、粒子状と直鎖状、分岐状又は網目状の形状を有す
るもの以外にその他成分で上記に挙げたサラミ状、単一
オクルージョン等の形状を有するものが含まれていても
よく、総量が前記範囲内であればよい。
【0025】(2−2)第2発明に基づく画像解析 前述したように、この模式図3は、ゴム状弾性体の成分
としてブタジエン系重合体を用いたゴム変性芳香族樹脂
組成物を延伸配向させたシートサンプルを対象としたT
EM写真の画像をモデル化したものである。
【0026】模式図(図3)はTEM写真(図4)の右
側写真のゴム粒子形状を模式化したものであり、主にド
ット状、ロッド状およびひも状の3種類からなり、全ゴ
ム成分の長さ又は長直径をL(曲がっている場合はそれ
に沿った長さ、分岐している場合は主鎖の長さ)とし、
太さ又は短直径をDとする。測定はプラニメータの長さ
モード測定モードで実施する。このLとDとで、上記形
状の粒子を定義し、ドット状粒子とロッド状粒子で構成
されるゴム粒子の面積平均粒径(Ds )を算出する。
【0027】ドット状粒子とはL/Dが1〜1.2のゴ
ム粒子をいう。ロッド状粒子とはL/Dが1.2以上で
Dが0.04μm以上のゴム粒子をいう。ひも状粒子と
はL/Dが1.2以上で、Dが0.04μm未満のゴム
粒子をいう。面積平均粒径(Ds )は以下の式で算出す
る。
【0028】
【数2】
【0029】但し、ni は粒子径Di を有する粒子の個
数。測定個数は1000個程度である。粒子径Di は、
ドット状粒子でLを、ロッド状粒子でDを使用する。第
2発明では、ドット状ゴム粒子とロッド状ゴム粒子を併
せた面積平均粒子径が0.1μm以下であることが、透
明性の点から好ましい。又、ひも状粒子のL/Dの平均
が10以上であることが、耐衝撃性の点から好ましい。
なお、L/Dの平均も測定個数が1000個程度の平均
である。
【0030】第2発明のゴム粒子の形状に関する構成は
以上のとおりであり、次にゴム成分のトータル添加量、
その中、ひも状ゴム成分の添加量に関する構成について
述べる。なお、これらの添加量および添加量比の以下に
示す範囲の限定は、前記した第1発明の説明で示したパ
ルスNMRで測定される特定範囲に較べ、狭いものであ
り、第2発明の樹脂組成物の示す物性はより好ましいも
のである。
【0031】ゴム変性樹脂組成物樹脂中の全ブタジエン
成分量の混入率が13C−NMRスペクトル法で通常、1
4〜31重量%であり、好ましくは20〜28重量%で
ある。14重量%未満では耐衝撃性が低下し、31重量
%以上では剛性の低下、異方性の上昇が見られる。各形
状のゴム粒子を構成する成分がドット状粒子およびロッ
ド状粒子についてはポリブタジエン、スチレンブタジエ
ンブロック共重合体、スチレンブタジエンランダム共重
合体が好適に用いられ、ひも状粒子についてはスチレン
・ブタジエン・スチレントリブロックゴムが好適に用い
られる。従って、ブタジエン成分はすべてのゴム粒子に
含まれ、この量をシート成形品から切りだしたサンプル
から 13C−NMRスペクトル法で特定した値で示した。
【0032】具体的な測定方法は、以下のとおりであ
る。試料0.4gを直径10mmのNMR試料管に採
取、重クロロホルム3mlに加え室温で溶解後、13C−
NMRスペクトルを測定する。NMR測定条件: 日本電
子(株)製400MHZNMR、パルス幅8μs(45
°)、パルス繰り返し時間4秒、積算回数1000回、
測定温度室温、化学シフト基準: 重クロロホルムの三本
のピークの内、中央のピークを76.91ppmとす
る。スチレンに由来するCH,CH2 の炭素ピーク(4
7.0〜39.0ppm)強度をA、ブタジエンの1.
2−ビニルのCH、CH2 炭素ピーク(142.6、1
14.3ppm付近)強度の和をB、1.4−トランス
のメチレン炭素のピーク(32.7ppm付近) 強度を
C、1.4−シスのメチレン炭素のピーク(27.3p
pm付近)強度をDとすると、ブタジエン量は次式で計
算される。
【0033】
【数3】
【0034】次いで、トルエン不溶分(重量%)と全ブ
タジエン成分量(重量%)(13C−NMRスペクトル法
で特定した値)の比(−)が 0.1≦トルエン不溶分/全ブタジエン成分量≦1.8 である。トルエン不溶分/全ブタジエン成分量が0.1
未満であると、異方性の高いシート成形品となり、1.
8を超えると耐衝撃性と透明性のバランスが低下する。
【0035】トルエン不溶分の正体はゴム成分が芳香族
ビニル成分と架橋したものと見込まれ、ドット状粒子お
よびロッド状粒子のゴム粒子が該当し、ひも状粒子はト
ルエンに溶解する。従って、上記の式は、ドット状粒子
およびロッド状粒子のゴム粒子が存在することおよびひ
も状粒子の量が極端に少なくないことを意味する。トル
エン不溶分の測定方法については以下のとおりである。
【0036】サンプルWc(g)をトルエンに溶解し、
室温で15000rpmで90分遠心し、上澄み液をデ
カンテーション、膨潤した不溶解分を乾燥後重量を測定
Ws(g) トルエン不溶分 = Ws/Wc×100 (wt
%) で示される。
【0037】(3)ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の
製造 (3−1)第1発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物
の製造 第1発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物は、例え
ば、次のように三成分の配合により得ることができる。
すなわち、下記(A)成分30〜80重量%、(B)成
分10〜70重量%、(C)成分0〜15重量%を配合
してなるゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物である。 (A)成分:芳香族ビニル樹脂からなるマトリックスに
長径/短径比が1〜2である粒子状のゴム状弾性体が分
散してなり、前記ゴム状弾性体が3〜25重量%を占
め、その面積平均粒径が0.1μm以下であるゴム変性
芳香族ビニル樹脂組成物 (B)成分:芳香族ビニル化合物55〜85重量%およ
び共役ジエン化合物15〜45重量%からなる熱可塑性
ブロック共重合体 (C)成分:芳香族ビニル化合物10〜50重量%およ
び共役ジエン化合物50〜90重量%からなる熱可塑性
ブロック共重合体 各成分(A)、(B)、(C)は、それぞれ、以下の方
法で製造可能である。
【0038】(3−1−1)成分(A)について 成分(A)は、芳香族ビニル樹脂からなるマトリックス
に長径/短径比が1〜2の粒子状のゴム状弾性体が分散
してなり、前記ゴム状弾性体が3〜25重量%を占め、
その面積平均粒径が0.1μm以下であるゴム変性芳香
族ビニル樹脂組成物である。
【0039】ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物は、芳香
族ビニル重合体の連続相にゴム状弾性体が分散相を形成
してなる組成物である。このような連続相を構成する芳
香族ビニル重合体は芳香族ビニル単量体の重合体または
共重合体であり、芳香族ビニル単量体としては、スチレ
ンのほか、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチ
ルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなど核アル
キル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−
p−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレンな
どがある。この中でも、スチレン、α−メチルスチレン
が、重合体としてポリスチレン、スチレン−α−メチル
スチレンの共重合体が好適に用いられる。
【0040】また分散相を形成するゴム状弾性体は分子
量、分岐度等は特に制限されない。常温でゴム的性質を
示すものであればよい。具体的にはポリブタジエン、ス
チレン−ブタジエンのランダムまたはブロック共重合
体、α−メチルスチレン−ブタジエンのランダムまたは
ブロック共重合体、スチレン−イソプレンのランダムま
たはブロック共重合体およびそれら水添物、エチレン−
プロピレンラバー(EPR)、エチレン−プロピレン−
ジエンゴム(EPDM),アクリルゴムなどがある。こ
の中でも、スチレン−ブタジエンブロック共重合体が好
適に用いられる。
【0041】ゴム状弾性体の添加量は通常、3〜25重
量%であり、好ましくは5〜20重量%である。25重
量%を超えるとゴム状弾性体を溶解した芳香族ビニル単
量体溶液の粘度が上昇して取扱が困難になったり、反応
器の内部圧力が上昇し、生産性が低下し、好ましくな
い。又、3重量%未満では透明性、耐衝撃性の発現が不
充分である。ゴム状弾性体の添加量の調整は、重合前に
芳香族ビニル単量体にゴム状弾性体を溶解させる段階で
添加量を調整すること、又、重合転化率の低い段階で、
加熱減圧下におき単量体を除くこと等によっても調整す
ることが出来る。
【0042】これら芳香族ビニル単量体とゴム状弾性体
を用いて重合するには通常、ラジカル重合による塊状重
合、塊状・懸濁、溶液重合、乳化重合の方法などがある
が、ゴム状弾性体を芳香族ビニル単量体に溶解し、塊状
重合、塊状・懸濁または溶液重合する方法が好適に用い
られる。具体的には塊状予備重合により、ゴム状弾性体
を所定の面積平均粒径で分散させた後、塊状重合法、溶
液重合法又は懸濁重合法等の方法により、本重合を完結
させればよい。
【0043】なお、重合開始剤を予備重合段階で用い、
面積平均粒径を0.1μm以下のゴム粒子のものに制御
する。すなわち、ゴム種によって添加量が異なるが、例
えばスチレン・ブタジエンブロック共重合体を用いる場
合では、重合開始剤の添加量は、ゴム+芳香族ビニル単
量体全量に対して300〜400ppm程度である。重
合開始剤にはゴム粒径の制御に有効であるのみならず反
応速度の向上、グラフト率の向上やオリゴマー生成の抑
制等にも有効である。
【0044】重合開始剤としては1,1−ビス(t−ブ
チルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−
ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サンなどのペルオキシケタール類、ジクミルペルオキシ
ド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどの
ジアルキルペルオキシド類、ベンゾイルペルオキシド、
m−トルオイルペルオキシドなどのジアリルペルオキシ
ド類、ジミリスチルペルオキシジカーボネートなどのペ
ルオキシジカーボネート類、t−ブチルペルオキシピバ
レート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネー
トなどのペルオキシエステル類、シクロヘキサノンペル
オキシドなどケトンペルオキシド類、p−メンタンハイ
ドロペルオキシドなどのハイドロペルオキシド類を挙げ
ることができる。
【0045】この重合によって、得られる連続相を形成
する芳香族ビニル重合体の重量平均分子量は通常10万
〜30万、好ましくは13万〜25万がよい。10万未
満では耐衝撃性が不足し、30万を超えると重合後期で
の粘度が高くなりすぎて制御が困難になる等の問題が生
じる。分子量の制御は、分子量調整剤(連鎖移動剤)の
量の調整や反応温度の調節等で行う。すなわち分子量調
節剤の添加量を少なくすると高分子量化し、逆に大きく
すると低分子量化するし、又、高温で重合すれば低分子
量化し、低温で重合すれば高分子量化することができ
る。なお、分子量調整剤の量は、ゴム粒子径にも影響を
与えるがゴムの相転移以降に添加することでゴム粒子径
に影響を与えること無く、分子量のみを制御可能であ
る。
【0046】なお、分子量調整剤としては、α−メチル
スチレンダイマー、n−ドデシルメルカプタン、t−ド
デシルメルカプタン、1−フェニルブテン−2−フルオ
レン、ジペンテン、クロロホルム等のメルカプタン類、
テルペン類、ハロゲン化合物である。 (3−1−2)成分(B)について 成分Bは、芳香族ビニル化合物55〜85重量%および
共役ジエン化合物15〜45重量%からなる熱可塑性ブ
ロック共重合体である。
【0047】具体的には、例えばスチレン−ブタジエン
ブロック共重合体であって、そのうちスチレン含有量5
5〜85重量%である高スチレン含有共重合体が透明性
の点から好ましい。熱可塑性ブロック共重合体中の芳香
族ビニル化合物含有量の測定は 1H−NMRによる。以
下に詳細に示す。
【0048】試料0.02gを5mmφのNMR試料管
に採取し、重クロロホルム0.6mlを加え室温で均一
に溶解後、 1H−NMRスペクトルを測定する。NMR
測定条件は次の通り。日本電子製400MHzNMR、
パルス繰り返し時間;9秒、積算回数;32回、パルス
幅;8μs、測定温度;室温、化学シフト基準;テトラ
メチルシラン。今、 1H−NMRスペクトルでスチレン
の芳香環プロトン由来ピ−ク(7.45−6.00pp
m)の積分強度をA、ブタジエンのCH二重結合プロト
ン由来のピ−ク(5.73−5.14ppm)の積算強
度をB、ブタジエンのCH2 二重結合プロトン由来のピ
−ク(5.14−4.80ppm)の積分強度をCとす
る。スチレン含有量は次式で計算出来る。
【0049】
【数4】
【0050】スチレン−ブタジエンブロック共重合体
は、一般的には(S−B)n,S(S−B)n,S(B
−S)n,−(S−B)n−X等(ただし、Sはスチレ
ンブロック、Bはブタジエンブロック、Xはカップリン
グ剤の残基、nは整数を示す。)であらされる。重合方
法は1,3−ブタジエン、スチレン等単量体を主成分と
し、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、ステアリル
リチウム等の有機リチウム化合物を触媒に用いて、好ま
しくはスチレン含有量が50〜99重量%で重合する。
これらには公知の方法を使用することができ、例えば特
公昭36−19286号公報、特公昭43−14979
号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭48−4
106号公報、特公昭49−36957公報等に記載さ
れた方法が挙げられる。
【0051】(3−1−3)成分(C)について 成分Cは、芳香族ビニル化合物10〜50重量%および
共役ジエン化合物50〜90重量%からなる熱可塑性ブ
ロック共重合体である。成分Bが、芳香族ビニル化合物
の含有量が高い共重合体であるのに対して、成分Cは、
芳香族ビニル化合物の含有量が低い共重合体である点で
異なり、成分Cは主に耐衝撃性を改良する。他について
は成分Bと同様であり、従って、成分Bについての前記
記載に準じて、製造可能である。上記各成分を用いて、
成分(A)30〜80重量%、成分(B)10〜70重
量%、成分(C)0〜15重量%を配合してなるゴム変
性芳香族ビニル樹脂組成物を得ることが出来る。その他
必要に応じて、本発明の本質的効果を損なわない範囲
で、各種充填剤や添加剤を配合してもよい。
【0052】(3−2)第2発明のゴム変性芳香族ビニ
ル樹脂組成物の製造 第2発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物は、ドット
状又はロッド状ゴム粒子を有し、ゴム状重合体の添加量
が3〜25重量%であるゴム変性芳香族ビニル樹脂組成
物(a)84〜30重量部に対してひも状ゴム粒子
(b)を16〜70重量部を配合することにより製造で
きる。
【0053】(3−2−1)ゴム変性芳香族ビニル樹脂
組成物(a) 第2発明の樹脂組成物の製造に用いられるゴム変性芳香
族ビニル樹脂組成物(a)は、ドット状又はロッド状ゴ
ム粒子を有し、該ゴム粒子が望ましくは面積平均粒径が
0.1μm以下のブタジエン系ゴムであり、ゴム状重合
体を芳香族ビニル単量体に3〜25重量%添加して溶解
させ、ラジカル重合させることにより製造できる。
【0054】このゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物
(a)は、芳香族ビニル重合体の連続相にゴム状重合体
が分散相を形成してなる組成物である。このような連続
相を構成する芳香族ビニル重合体は芳香族ビニル単量体
の重合体または共重合体であり、芳香族ビニル単量体と
しては、スチレンのほか、o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチル
スチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチ
レンなど核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレ
ン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキ
ル置換スチレンなどがある。この中でも、スチレン、α
−メチルスチレンが、重合体としてポリスチレン、スチ
レン−α−メチルスチレンの共重合体が好適に用いるこ
とができる。
【0055】また分散相を形成するゴム状重合体はゴム
の分子量、分岐度は特に制限されない。常温でゴム的性
質を示すものであればよい。具体的にはポリブタジエ
ン、スチレン−ブタジエンのランダムまたはブロック共
重合体、α−メチルスチレン−ブタジエンのランダムま
たはブロック共重合体、スチレン−イソプレンのランダ
ムまたはブロック共重合体およびそれら水添物、エチレ
ン−プロピレンラバー(EPR)、エチレン−プロピレ
ン−ジエンゴム(EPDM),アクリルゴムなどがあ
る。この中でも、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体が好適に用いることができる。
【0056】ゴム状重合体の添加量は通常、3〜25重
量%であり、好ましくは5〜20重量%である。25重
量%を超えるとゴム状重合体を溶解した芳香族ビニル単
量体溶液の粘度が上昇して取扱が困難になったり、反応
器の内部圧力が上昇し、生産性が低下し、好ましくな
い。又、3重量%未満では耐衝撃性の発現が不充分であ
る。ゴム重合体の添加量の調整は、重合前に芳香族ビニ
ル単量体にゴム状重合体を溶解させる段階で添加量を調
整することにより行う。又、重合転化率の低い段階で、
加熱減圧下におき単量体を除くことによっても調整する
ことが出来る。
【0057】次いで、これら芳香族ビニル単量体とゴム
状重合体を使って重合するには通常、ラジカル重合によ
る塊状重合、塊状・懸濁、溶液重合、乳化重合の方法な
どがあるが、ゴム状重合体を芳香族ビニル単量体に溶解
し、塊状重合、塊状・懸濁または溶液重合法が好適に用
いられる。具体的には塊状予備重合により、ゴム状重合
体を所定の平均粒子径で分散させた後、塊状重合法、溶
液重合法又は懸濁重合法のいずれかの方法により、本重
合を完結させればよい。この塊状予備重合では、通常、
70〜130℃の重合温度で、好ましくは90〜120
℃で、転化率15〜45%とし、その後の本重合で70
〜180℃で、好ましくは80〜160℃で懸濁重合さ
せて重合を完結させる。
【0058】なお、重合開始剤を予備重合段階で用い、
体積平均粒子径を0.1μm以下のゴム粒子のものに制
御する。すなわち、ゴム種によって添加量がことなるが
例えばスチレン・ブタジエンブロック共重合体を用いる
場合では重合開始剤の添加量(ゴム+芳香族ビニル単量
体全量に対して)は300〜400ppm程度、ポリブ
タジエンゴムを用いる場合では重合開始剤の添加量(同
上)は500ppm程度である。
【0059】重合開始剤にはゴム粒径の制御に有効であ
るのみならず反応速度の向上、グラフト率の向上やオリ
ゴマー生成の抑制等にも有効である。重合開始剤とは
1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5
−トリメチルシクロヘキサンなどのペルオキシケタール
類、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキサ
イド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペル
オキシ)ヘキサンなどのジアルキルペルオキシド類、ベ
ンゾイルペルオキシド、m−トルオイルペルオキシドな
どのジアリルペルオキシド類、ジミリスチルペルオキシ
ジカーボネートなどのペルオキシジカーボネート類、t
−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシ
イソプロピルカーボネートなどのペルオキシエステル
類、シクロヘキサノンペルオキシドなどケトンペルオキ
シド類、p−メンタンハイドロペルオキシドなどのハイ
ドロペルオキシド類を挙げることができる。
【0060】この重合によって、得られる連続相を形成
する芳香族ビニル重合体の重量平均分子量は通常、10
万〜30万であるもの、好ましくは13万〜25万がよ
い。10万未満では耐衝撃性が不足し、30万を超える
と重合後期での粘度が高くなりすぎて制御が困難になる
からである。分子量の制御は分子量調整剤(連鎖移動
剤)の量の調整、すなわち、添加量を少なくすると高分
子量化し、逆に大きくすると低分子量化することができ
るし、又、反応温度の調整、すなわち高温で重合すれば
低分子量化し、低温で重合すれば高分子量化することが
できる。なお、分子量調整剤の量はゴム粒子径にも影響
を与えるがゴムの相転移以降に添加することでゴム粒子
径に影響を与えること無く、分子量のみを制御可能であ
る。なお、分子量調整剤としては、α−メチルスチレン
ダイマー、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメ
ルカプタン、1−フェニルブテン−2−フルオレン、ジ
ペンテン、クロロホルム等のメルカプタン類、テルペン
類、ハロゲン化合物である。
【0061】(3−2−2)ひも状ゴム粒子(b) 第2発明の樹脂組成物の製造に用いられるひも状ゴム粒
子(b)の代表例は、スチレン−ブタジエン−スチレン
トリブロックゴムであって、そのうちスチレン含有量が
50〜99重量%である高スチレン含有ゴムが50重量
%以上を占めるものが透明性の点から好ましい。
【0062】スチレン−ブタジエン−スチレントリブロ
ックゴムは通称、SBSブロック共重合体ゴムといい、
一般的には(S−B)n,S(S−B)n,S(B−
S)n,−(S−B)n−X等(ただし、Sはスチレン
ブロック、Bはブタジエンブロック、Xはカップリング
剤の残基、nは整数を示す。)であらされるSBブロッ
ク共重合体の中の一つで、S−B−Sの配列を有するブ
ロック共重合体である。
【0063】重合方法は1,3−ブタジエン、スチレン
等単量体を主成分とし、エチルリチウム、n−ブチルリ
チウム、ステアリルリチウム等の有機リチウム化合物を
触媒(開始剤)に用いて、好ましくはスチレン含有量が
50〜99重量%で重合する。これらには公知の方法を
使用することができ、例えば特公昭36−19286号
公報、特公昭43−14979号公報、特公昭48−2
423号公報、特公昭48−4106号公報、特公昭4
9−36957公報等に記載された方法が挙げられる。
【0064】(3−3)成分の配合等 第1発明及び第2発明の樹脂組成物を製造する際の各成
分の配合は、全成分を同時に混練機にかけて混合する方
法でも、一部を予め混合し、次いで残りの成分を加えて
混練する方法でもよい。具体的には、各成分をヘンシェ
ルミキサーを使用してドライブレンドした後、混合物を
二軸押出機でシリンダー温度を200℃〜280℃に設
定して、混練し、ペレットを製造する。
【0065】なお、各種充填剤としてはガラス繊維、カ
ーボン繊維、ガラスビーズ、マイクロビーズ、タルク、
炭酸カルシウム、雲母、マイカ等無機充填剤、ポリエス
テル繊維、アラミド繊維などの補強繊維などであり、添
加剤としてはフェノール系酸化防止剤、燐系酸化防止
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、離形剤、可塑剤、顔料
などである。
【0066】本発明の樹脂組成物は透明性と耐衝撃性の
バランスのすぐれた樹脂特性から射出成形、射出ブロー
成形、ブロー成形、二軸延伸ブロー成形、押し出し成形
等各種成形法に好適に用いられ、特に押し出しシート成
形品にあって透明で且つ良好な機械物性(高耐衝撃性、
高剛性)に加え、異方性の小さな2次加工性にすぐれて
いることを生かし、飲料用カップ、卵・豆腐パック、フ
タ、肉・魚トレー等の各種シート成形品に好適に用いら
れる。
【0067】
〔成分(A)の製造方法〕
製造例1 スチレン−ブタジエンブロック共重合体(バイエル社製
のBUNA BL6533)をスチレンに15重量%の
濃度で溶解した。更に、このゴム溶液に酸化防止剤( チ
バガイギー社製イルガノックス245) 500ppm
を、重合開始剤1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン400ppm
を、分子量調整剤(連鎖移動剤)n−ドデシルメルカプ
タン100ppmを溶解した。
【0068】このゴム溶液を20リットル/時間で、内
容積21リットルの完全混合槽型の第一重合器に供給
し、重合温度102℃で、スチレン転化率8%まで初期
重合を行った。続いて、この重合液を内容積21リット
ルの完全混合槽型の第二重合器に供給し、重合温度10
6℃で、スチレンの転化率20%まで重合を行った。
【0069】次に、第二重合器の重合液に対して100
ppmの量で、n−ドデシルメルカプタンを溶解したエ
チルベンゼン溶液0.5リットル/時間と共に、重合液
を内容積33リットルの多段パドル翼塔型反応器( 第三
重合器) に供給し、反応温度130℃でスチレンの転化
率50%まで重合を行った。次に、重合液を第三重合器
と同一形状の塔型反応器( 第四反応器) に供給し、反応
温度165℃でスチレンの転化率90重量%まで重合を
行った。
【0070】最終重合液を脱揮工程に送り、真空下のフ
ラッシュドラムで揮発分除去を行い、付属の押出機でペ
レット化を行った。採取したペレットを前記した条件で
シート成形し、約0.1μmの超薄切片を切り出し、透
過型電顕で5万倍の写真を画像解析して、マトリックス
中に分散するゴム粒子の面積平均粒径を求める。又、採
取したペレットからパルスNMRで前記した信号強度を
求める。これらの測定結果等の性状を表1に示す。
【0071】製造例2 製造例1で用いたスチレン−ブタジエンブロック共重合
体(バイエル社製のBUNA BL6533)をスチレ
ンに9重量%の濃度で溶解し、第一反応器でゴム溶液に
溶解するn−ドデシルメルカプタン量を200ppmと
した以外は、製造例1と同様に製造した。採取したペレ
ットを製造例1と同様に、画像解析し、パルスNMRで
性状分析した。これらの測定結果等の性状を表1に示
す。
【0072】製造例3 製造例1で用いた重合開始剤1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
を100ppm使用した以外は、製造例1と同様に製造
した。
【0073】採取したペレットを製造例1と同様に、画
像解析し、パルスNMRで性状分析した。これらの測定
結果等の性状を表1に示す。 製造例4 スチレンに酸化防止剤( チバガイギー社製イルガノック
ス245) 500ppmを、重合開始剤1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン100ppmを溶解した。
【0074】これを20リットル/時間で、内容積21
リットルの完全混合槽型の第一重合器に供給し、重合温
度130℃で、スチレン転化率23%まで重合を行っ
た。続いて、この重合液を内容積21リットルの完全混
合槽型の第二重合器に供給し、重合温度135℃で、ス
チレンの転化率40%まで重合を行った。次に、この重
合液を内容積33リットルの多段パドル翼塔型反応器(
第三重合器) に供給し、反応温度145℃でスチレンの
転化率65%まで重合を行った。
【0075】次に、重合液を第三重合器と同一形状の塔
型反応器( 第四反応器) に供給し、反応温度160℃で
スチレンの転化率90重量%まで重合を行った。最終重
合液を脱揮工程に送り、真空下のフラッシュドラムで揮
発分除去を行い、付属の押出機でペレット化を行った。
【0076】
【表1】
【0077】〔成分(B)〕成分(B)として、旭化成
工業製「アサフレックス810」( 1H−NMR法によ
るスチレン含有量約70重量%)を使用した。 〔成分(C)〕成分(C)として、旭化成工業製「タフ
プレン125」( 1H−NMR法によるスチレン含有量
約40重量%)を使用した。
【0078】〔実施例1〕成分(A)として上記製造例
1のものを65重量部、成分(B)を30重量部、更に
成分(C)を5重量部をタンブラーで混合し、口径65
mmの押し出し成形機において、樹脂温度200℃で押
し出し、厚さ0.5mmのシートを得た。このシートか
ら厚さ約0.1μmの超薄切片を切りだし、透過型電子
顕微鏡で5万倍の写真を撮影し、前記した方法により画
像解析して、マトリックス中に分散する長径/短径比が
1〜2である粒子状ゴム弾性体部分の面積平均粒径と粒
子数を、直鎖状、分岐状又は網目状のゴム状弾性部分の
平均太さと総長を求める。又、シ−トを適当な大きさに
切りだした試験片を用い、前記したパルスNMR法によ
り自由誘導減衰測定を行い照射後60μs時点における
信号強度を求める。更に、シ−トの透明性(ヘイズ:J
ISK−7105)、耐衝撃性(デュポン衝撃強度:J
ISK−7211)、剛性(引張弾性率:JISK−7
113)、異方性(TD/MD:引張弾性率の比)の各
物性を評価する。これらの測定結果等の性状を表2に示
した。
【0079】〔実施例2〕実施例1において成分(A)
として製造例1のものを50重量部、成分(B)を50
重量部、成分(C)は無しとして混練した以外は同じで
ある。実施例1と同様に、測定・評価し、表2に示し
た。
【0080】〔実施例3〕実施例1において成分(A)
として製造例2のものを30重量部、成分(B)を60
重量部、成分(C)を10重量部を混練した以外は同じ
である。実施例1と同様に、測定・評価し、表2に示し
た。
【0081】〔実施例4〕実施例1において成分(A)
として製造例2のものを65重量部、成分(B)を30
重量部、成分(C)を5重量部を混練した以外は同じで
ある。実施例1と同様に、測定・評価し、表2に示し
た。
【0082】〔実施例5〕実施例1において成分(A)
として製造例2のものを80重量部、成分(B)を15
重量部、成分(C)を5重量部を混練した以外は同じで
ある。実施例1と同様に、測定・評価し、表2に示し
た。
【0083】〔比較例1〕実施例1において成分(A)
として製造例1のものを100重量部、成分(B)およ
び成分(C)を0重量部としてシート成形したものを用
いた以外は同じである。 実施例1と同様に、測定・評
価し、表3に示す。直鎖状、分岐状又は網目状のゴム状
弾性体が観測されず、パルスNMRの測定値はやや下限
値を下回った。その結果、全ヘイズが大きく、デュポン
衝撃値が小さかった。
【0084】〔比較例2〕実施例1において成分(A)
として製造例3のものを65重量部、成分(B)を30
重量部、成分(C)を5重量部を混練した以外は同じで
ある。実施例1と同様に、測定・評価し、表3に示す。
粒子状のゴム状弾性体の粒子数が少なく、面積平均粒径
が大きかった。その結果、全ヘイズが大きかった。
【0085】〔比較例3〕実施例1において成分(A)
として製造例4のものを45重量部、成分(B)を50
重量部、成分(C)を5重量部を混練した以外は同じで
ある。実施例1と同様に、測定・評価し、表3に示す。
粒子状のゴム状弾性体が観察されなかった。その結果、
全ヘイズが大きく、デュポン衝撃値が小さかった。
【0086】〔比較例4〕実施例1において成分(A)
として製造例4を65重量部、成分(B)を30重量
部、成分(C)を5重量部を混練した以外は同じであ
る。実施例1と同様に、測定・評価し、表3に示す。粒
子状のゴム状弾性体が観察されなかった。その結果、全
ヘイズが大きく、デュポン衝撃値が小さかった。
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】第2発明に基づく実施例・比較例─── 製造例11 成分(A)の製造方法の製造例1と同じである。採取し
たペレットを分析し、NMRで測定したブタジエン含有
量、ゴム粒子形状、ゴム粒径、トルエン不溶分、分子
量、メルトインデックス(MI)の各値について表4に
示す。なお、NMRで測定したブタジエン含有量につい
て、仕込みブタヂエン量との関係をみるため、本発明の
ブタジエン含有量の上限・下限量で測定したところ、仕
込み原料HIPS(ゴム量5%、ポリブタジエン換算3
%)60重量部、アサフレックス(ポリブタジエン換算
30%)40重量部 をシート成形してNMRで測定し
たブタジエン含有量は14%であった。同様に、仕込み
原料HIPS(ゴム量20%、ポリブタジエン換算12
%)35重量部、アサフレックス(ポリブタジエン換算
30%)50重量部、タフプレン(ポリブタジエン換算
60%)15重量部をシート成形してNMRで測定した
ブタジエン含有量は31%であった。
【0090】製造例12 ゴム溶液に溶解するノルマルドデシルメルカプタン量を
0ppmとし、第三反応器に供給するノルマルドデシル
メルカプタンのエチルベンゼン溶液を、エチルベンゼン
とした以外は、製造例(11)と同様に製造した。
【0091】
【表4】
【0092】〔実施例11〕上記製造例11で示される
HIPS(ゴム変性ポリスチレン)を65重量部に、ス
チレン−ブタジエン−スチレントリブロックゴム(以
下、「SBSゴム」という)のスチレン含有量が70重
量%であるもの(アサフレックス810:旭化成工業
(株)の商品名)を30重量部、更にSBSゴムでスチ
レン含有率が40重量%であるもの(タフプレン12
5:旭化成工業(株)の商品名)を5重量部をタンブラ
ーで混合し、口径35mmの押し出し成形機において、
樹脂温度230度で押し出し、厚さ0.5mmのシート
を得た。このシートから試験サンプルを切り出し、透明
性(ヘイズ:JISK−7105)、耐衝撃性(デュポ
ン衝撃強度:JISK−7211)、剛性(引っ張り弾
性:JISK−7113)、異方性(TD/MD:引張
弾性率の比)の各物性を評価し、表5に示した。
【0093】〔実施例12〕実施例11においてHIP
Sの混入量を44重量部に、SBSゴム(ハイスチレ
ン:アサフレックス810)の混入量を48重量部、S
BSゴム(ロウスチレン:タフプレン125)の混入量
を8重量部を混練させた以外は同じである。
【0094】〔実施例13〕実施例11においてHIP
Sの混入量を50重量部に、SBSゴム(ハイスチレ
ン:アサフレックス810)の混入量を50重量部、S
BSゴム(ロウスチレン:タフプレン125)の混入量
を0重量部を混練させた以外は同じである。
【0095】〔実施例14〕実施例11において製造例
12で示すHIPSの混入量を65重量部に、SBSゴ
ム(ハイスチレン:アサフレックス810)の混入量を
30重量部、SBSゴム(ロウスチレン:タフプレン1
25)の混入量を5重量部を混練させた以外は同じであ
る。
【0096】〔比較例11〕実施例11において製造例
11で示すHIPSだけでシート成形したものを物性評
価した以外は同じであり、表6に示す。
【0097】〔比較例12〕実施例11において製造例
11で示すHIPSの混入量を27重量部に、SBSゴ
ム(ハイスチレン:アサフレックス810)の混入量を
65重量部、SBSゴム(ロウスチレン:タフプレン1
25)の混入量を8重量部を混練させた以外は同じであ
る。
【0098】〔比較例13〕実施例11において製造例
11で示すHIPSの混入量を85重量部に、SBSゴ
ム(ハイスチレン:アサフレックス810)の混入量を
15重量部、SBSゴム(ロウスチレン:タフプレン1
25)の混入量を0重量部を混練させた以外は同じであ
る。
【0099】〔比較例14〕実施例11において製造例
11で示すHIPSに変えてGPPS(ホモポリスチレ
ンHH30E:出光石油化学(株))の混入量を45重
量部に、SBSゴム(ハイスチレン:アサフレックス8
10)の混入量を50重量部、SBSゴム(ロウスチレ
ン:タフプレン125)の混入量を5重量部を混練させ
た以外は同じである。
【0100】〔比較例15〕実施例11において製造例
11で示すHIPSに変えてGPPSの混入量を65重
量部に、SBSゴム(ハイスチレン:アサフレックス8
10)の混入量を30重量部、SBSゴム(ロウスチレ
ン:タフプレン125)の混入量を5重量部を混練させ
た以外は同じである。
【0101】
【表5】
【0102】
【表6】
【0103】
【発明の効果】以上の如く、本発明の樹脂組成物のシー
ト物性は透明性がよく、耐衝撃性・剛性のバランスがよ
く、透明性−耐衝撃性が等しい点で比較すると異方性が
小さいという特徴を有し、特に、もともと透明性の良好
なGPPSにスチレン−ブタジエンブロック共重合体を
ブレンドしてなるシート(比較例3、4)より、GPP
Sに比べ透明性が劣るゴム変性芳香族ビニル樹脂にスチ
レン−ブタンジエンブロック共重合体をブレンドしたシ
ート(実施例1、2、4)のほうが透明性がよい(ヘイ
ズが小さい)点で、好適な透明容器向けにすぐれたシー
トである。
【0104】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の樹脂組成物の模式図(透過型電子顕
微鏡写真(5万倍)にもとづく)
【図2】第1発明の樹脂組成物からなるシート成形品断
面の透過型電子顕微鏡写真(5万倍)である。 写真左:比較例4のシート成形品断面 写真右:実施例4のシート成形品断面
【図3】第2発明の樹脂組成物の模式図(透過型電子顕
微鏡写真(5万倍)にもとづく)
【図4】第2発明の樹脂組成物からなるシート成形品断
面の透過型電子顕微鏡写真(5万倍)である。 写真左:比較例(15)のシート成形品断面 写真右:実施例(11)のシート成形品断面
【符号の説明】
D:粒子状のゴム状弾性体 C:直鎖状、分岐状又は網目状のゴム状弾性体 D1:ドット粒子 R1:ロッド粒子 C1:ひも状粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 53:02 9:00) (72)発明者 坪倉 豊 東京都港区芝5丁目6番1号 出光石油化 学株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ビニル重合体中に長径/短径比が1
    〜2である粒子状のゴム状弾性体部分と直鎖状、分岐状
    又は網目状のゴム状弾性体部分が分散し、前記粒子状の
    ゴム状弾性体部分の面積平均粒径が0.1μm以下であ
    り、直鎖状、分岐状又は網目状のゴム状弾性体部分の平
    均太さが0.04μm以下であることを特徴とするゴム
    変性芳香族ビニル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】透過型電子顕微鏡で観察したとき、前記粒
    子状のゴム状弾性体部分が4μm2 中に40個以上観察
    され、直鎖状、分岐状又は網目状のゴム状弾性体部分の
    総長が4μm2 中で20μm以上であることを特徴とす
    る請求項1のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】パルスNMRによる自由誘導減衰測定にお
    いて、パルス照射後60μsにおける信号強度がパルス
    照射直後の信号強度の15〜35%である請求項1又は
    2に記載のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】下記(A)成分30〜80重量%、(B)
    成分10〜70重量%、(C)成分0〜15重量%を配
    合してなるゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物。 (A)成分:芳香族ビニル樹脂からなるマトリックスに
    長径/短径比が1〜2である粒子状のゴム状弾性体が分
    散してなり、前記ゴム状弾性体が3〜25重量%を占
    め、その面積平均粒径が0.1μm以下であるゴム変性
    芳香族ビニル樹脂組成物 (B)成分:芳香族ビニル化合物55〜85重量%およ
    び共役ジエン化合物15〜45重量%からなる熱可塑性
    ブロック共重合体 (C)成分:芳香族ビニル化合物10〜50重量%およ
    び共役ジエン化合物50〜90重量%からなる熱可塑性
    ブロック共重合体
  5. 【請求項5】芳香族ビニル樹脂の連続相にゴム粒子が分
    散したゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物において、ゴム
    粒子の形態としてドット状又はロッド状ゴム粒子とひも
    状ゴム粒子が混在しており、樹脂組成物中の全ブタジエ
    ン成分量が樹脂組成物の14〜31重量%を占め、樹脂
    組成物中のトルエン不溶分の全ブタジエン成分量に対す
    る重量比が0.1〜1.8の範囲にあることを特徴とす
    るゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】ドット状又はロッド状ゴム粒子を有し、ゴ
    ム状重合体の添加量が3〜25重量%であるゴム変性芳
    香族ビニル樹脂組成物84〜30重量部にひも状ゴム粒
    子16〜70重量部を配合したことを特徴とするゴム変
    性芳香族ビニル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】ひも状ゴム粒子がスチレン−ブタジエン−
    スチレンのトリブロックゴムである請求項5又は6に記
    載のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物。
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