JP3283123B2 - 制振装置を備えた建築構造物 - Google Patents

制振装置を備えた建築構造物

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JP3283123B2
JP3283123B2 JP26066693A JP26066693A JP3283123B2 JP 3283123 B2 JP3283123 B2 JP 3283123B2 JP 26066693 A JP26066693 A JP 26066693A JP 26066693 A JP26066693 A JP 26066693A JP 3283123 B2 JP3283123 B2 JP 3283123B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制振装置を備えた建築構
造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、制振装置を備えた建物は、制振装
置を建物の完成後に設置するのが一般的であり、建物の
構築中に既に制振装置を備えたものは極めて少ないのが
現状である。
【0003】また従来の制振装置として代表的なものは
図8の(1)、(2)、(3)に示すような、チューン
ドマスダンパ20(TMD)、ハイブリッドマスダンパ
30(HMD)、アクティブマスドライバ40(AM
D)等があるが、これらはいずれも建築物総重量の約1
%程度の制振体マス50をパッシブ及びアクティブに駆
動させることにより建物60に発生する水平振動を低減
させる構造である。
【0004】またこれらの制振装置20、30、30の
採用実績は多いが、いずれも完成後の建物に対する中小
地震や風による水平振動の制御を目的とするものであ
り、施工中の制振や大地震時の制振を対象とするものは
極めて少ないのが現状である。
【0005】またハイブリッドマスダンパ30(HM
D)及びアクティブマスドライバ40(AMD)を通常
の高層建築物の制振装置として採用する場合には2方向
の振動制御が必要であり、そのための方法としては、図
9の(1)に示すような2つの制振装置70を別々に用
いる方法か、或は同図の(2)に示すような1方向の制
振装置80(制振体と駆動装置とを組み合わせたもの)
全体を、それと直交する方向の制振装置90の制振体マ
スとして用いる方法のいずれかが採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高層建築物の
制振装置として、上記のような制振体マスを別途設置す
る制振装置を採用する場合には、制振効果の観点からは
建物最上部に制振装置を設置することが望ましく、また
制振効果を高めるためには制振体として採用するマスの
重量は大きい方が有利である。しかし、建物最上部の重
量が増加することは施工後の建物の構造上望ましいもの
ではない。また、制振装置の設置スペースを建物最上部
に確保することも通常困難な場合が多い。
【0007】さらに高層建築物の水平2方向の振動制御
を実現するための方法として2つの制振装置を別々に用
いる場合には、制振装置自体の重量が大きくなるばかり
でなく、広い設置スペースを必要とするため構造設計上
の支障となる。一方、1方向の制振装置(制振体と駆動
装置とを組み合わせたもの)全体を、それと直交する方
向の制振装置の制振体マスとして用いる方法によれば、
制振装置の省スペース化が図れると共に制振装置自体の
重量を低減することができる等の利点があるが、水平2
方向の振動を制御するための駆動機構が複雑となるばか
りでなく、制振体駆動部を2段重ねとするため制振装置
の高さが高くなるという問題がある。
【0008】本発明は上記のような問題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、構築中の建築構造物に対す
る制振や大地震時の制振に対応できる水平2方向の振動
を同時に制御可能な制振装置を備えた建築構造物を提供
するものである。
【0009】
【課題を達成するための手段】以上の課題を達成するた
めの本発明の制振装置を備えた建築構造物は、構築中の
躯体上部から突出した柱に躯体の構築に伴ってせり上が
るように設けた架設屋根を、前記各柱に設けたジャッキ
アップ部に高減衰積層ゴムを介して設置せしめて制振体
とし、前記ジャッキアップ部の下方の柱に架設屋根のせ
り上がりに伴って移動する基台を設け、該基台に前記制
振体を水平2方向に駆動させる駆動装置を設けたことを
特徴とする構成とすることである。
【0010】
【作用】建築中の躯体における柱に設けた架設屋根が制
振体として作用することにより、建築中の建物における
水平2方向の振動を減衰することができる。また、制振
体としての架設屋根は躯体の構築と共にせり上がり、建
物の完成時には屋上にそのまま設置することにより、建
築構造物の完成と同時に非常に大きな重量の制振体を容
易に設置できるので経済的であると共に高い制振効果も
得ることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の制振装置を備えた建築構造物
の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は制
振装置を備えた構築中の躯体の断面図、図2は同平面図
である。
【0012】制振装置1は構築中の躯体2上部から突出
した柱3に躯体2の構築に伴ってせり上がるように設け
た架設屋根4と、該架設屋根4を水平2方向、すなわち
X方向及びY方向に駆動させる駆動装置5とにより構成
されている。
【0013】架設屋根4は上部屋根板4aと下部屋根板
4bとが周面の側板4cにより適宜間隔をもって連結形
成され、これら上下屋根板4a、4bの間に補強材4d
が架設されている。またこれら上下屋根板4a、4bの
貫通孔4eに構築中の躯体2の柱3を挿入せしめるとと
もに、上部屋根板4aが高減衰積層ゴム6を介してジャ
ッキアップ部7に載置されることにより、柱3にせり上
がり自在に取り付けられる。
【0014】このジャッキアップ部7は、図3に示すよ
うに、上部可動板7aと下部可動板7bとがジャッキ7
cで連結して構成され、これら上下可動板7a、7bに
設けた固定棒7dが柱3の孔3aに差し込まれて固定さ
れる。また架設屋根4をジャッキアップする場合は、上
部可動板7aの固定棒7dを引き抜くと共にジャッキ7
cを伸張させて上部可動板7aを所定の位置に上昇させ
た後、前記固定棒7dを柱3の孔3aに挿入して固定す
る。
【0015】そして、前記と同じように下部可動板7b
の固定棒7dを柱3の孔3aから引き抜くと共にジャッ
キ7cを収縮させて下部可動板7bを所定の位置に上昇
させた後、前記固定棒7dを柱3の孔3aに挿入して固
定することにより架設屋根4がせり上げられる。
【0016】また下部屋根板4bの下側に設けた駆動装
置5は、図4に示すように、X方向用の駆動装置5aと
Y方向用の駆動装置5bがそれぞれ設けられ、いずれも
前記架設屋根4のせり上げと共に上昇する基台8上の函
体9内にギア10が設けられ、該ギア10が下部屋根板
4b裏面のラック11に噛合され、またギア10と函体
9との間には積層ゴム12が設けられている。
【0017】このギア10は構築中の躯体2に設けた振
動計測器と制御部(図示せず)を介して接続され、前記
振動測定器で測定した振動結果に応じて制御部でX方向
用の駆動装置5aのギア10又はY方向用の駆動装置5
bのギア10を駆動させてX方向又はY方向の水平振動
に対する制振を行う。
【0018】図5はギア10と函体9との間にベアリン
グ13を設けたものであり、図6は同じくギア10側の
凹溝14に函体9のレール9aを嵌入したものである。
【0019】またこの制振装置1は躯体2の構築に伴っ
てジャッキアップ部7の作動により上昇し、建物15が
完成したら図7に示すように、その屋上にそのまま設置
した状態にしておく。
【0020】
【発明の効果】構築中の躯体上部から突出した柱に躯体
の構築に伴ってせり上がるように設けた架設屋根を制振
体とし、この制振体を水平2方向、すなわちX方向及び
Y方向に駆動させる駆動装置で駆動させることにより、
建物の建築中においても大地震やその他の水平振動に対
応することができる。
【0021】構築中の躯体上部から突出した柱に躯体の
構築に伴ってせり上がるように設けた架設屋根を制振体
としたことにより、建物の完成と同時に重量の大きな制
振体を最上部に設置することができるので、従来のよう
に建物の完成後に制振装置を設置するのに比べて簡潔に
設置できかつ経済的である。
【0022】構築中の躯体上部から突出した柱に躯体の
構築に伴ってせり上がるように設けた架設屋根を制振体
とし、これを建物の完成と同時にそのまま設置すること
により重量の大きな制振体とすることができるので大き
な制振効果を得ることができ、大地震にも対応すること
ができる。
【0023】制振体としての架設屋根を水平2方向、す
なわちX方向及びY方向に駆動させる駆動装置を設けた
ことにより同時に2方向の水平振動にも対応することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】構築中の躯体に設けた制振装置の断面図であ
る。
【図2】同平面図である。
【図3】ジャッキアップ部の拡大正面図である。
【図4】(1)は駆動装置の平面図、(2)は同断面図
である。
【図5】(1)は他の駆動装置の一部省略平面図、
(2)は同断面図である。
【図6】(1)は他の駆動装置の一部省略平面図、
(2)は同断面図である。
【図7】完成した建築構造物に備えた制振装置の断面図
である。
【図8】(1)はチューンドマスダンパを示した正面
図、(2)はハイブリッドマスダンパを示した正面図、
(3)はアクティブマスドライバを示した正面図であ
る。
【図9】(1)は2つの制振装置を別々に備えた建物の
斜視図、(2)は2つの制振体を組み合わせて形成した
制振装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 制振装置 2 躯体 3 柱 4 架設屋根 5 駆動装置 6 高減衰積層ゴム 7 ジャッキアップ部 8 基台

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構築中の躯体上部から突出した柱に躯体
    の構築に伴ってせり上がるように設けた架設屋根を、前
    記各柱に設けたジャッキアップ部に高減衰積層ゴムを介
    して設置せしめて制振体とし、前記ジャッキアップ部の
    下方の柱に架設屋根のせり上がりに伴って移動する基台
    を設け、該基台に前記制振体を水平2方向に駆動させる
    駆動装置を設けたことを特徴とする制振装置を備えた建
    築構造物。
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