JPH0432454Y2 - - Google Patents

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JPH0432454Y2
JPH0432454Y2 JP11714087U JP11714087U JPH0432454Y2 JP H0432454 Y2 JPH0432454 Y2 JP H0432454Y2 JP 11714087 U JP11714087 U JP 11714087U JP 11714087 U JP11714087 U JP 11714087U JP H0432454 Y2 JPH0432454 Y2 JP H0432454Y2
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【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、建築・土木構造物の壁を構成する
とともに、地震あるいは風等の外力に起因してこ
の構造物に引き起こされる振動を制御し得る制振
壁の構造に関するものである。
「従来の技術およびその問題点」 周知のように、構造物を地震や風等の外力に対
して耐え得るようにするためには、構造物の剛性
を高めて剛構造とし、外力に対する耐力を増強す
る、ということが従来最も一般的であつた。そし
て従来の剛構造の構造物においては、柱、梁間に
耐力壁やブレースを固定的に設けて、その耐力壁
やブレースに外力(特に地震時の水平力)の一部
を負担させることにより、剛性を高めていること
が一般的である。
ところで、剛性の高い剛構造の構造物では、地
震力が構造物に直接的に伝達されるから地震時入
力が大きくなつて必ずしも好ましくなく、このた
め、超高層ビル等においては軽量で柔軟な構造
(柔構造)が採用されることが一般的となつてい
る。ところが、柔構造の構造物はその固有振動数
が低く、また、内部の振動減衰も小さくなる傾向
にあるので、外力の影響により比較的容易にしか
も振幅の大きな振動が発生してしまうことがあ
り、居住性の低下が問題とされることがあつた。
そこで、近年においては、構造物の内部に振動
エネルギーを吸収する装置を備え、振動が発生し
たときにはその装置によつて振動エネルギーを吸
収し振動を抑制する、という制振構造の検討がな
されている。そして、現在までのところ、たとえ
ば建築物の屋上に液体貯留タンクを設けてその液
体の振動によつて振動エネルギーを吸収するもの
や、屋上に重りブロツクを設けてその慣性力を利
用して振動エネルギーを吸収するもの、等の種々
の制振装置が既に提案されている。
しかしながら、現在までに提案されている上記
のような制振装置では、いずれも屋上等に充分な
設置スペースが必要となるので構造物の規模、面
積によつては適用できない場合があり、また、各
種の制御装置やセンサ等の多数の付属機器が必要
であつて装置が複雑かつ大掛かりとなり、コスト
の点で難があるものであつた。
この考案は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、上記のような制振
装置を用いることなく構造物の振動を制御して有
効に抑制し得る手段を提供することにある。
「問題点を解決するための手段」 この考案は、構造物の柱、梁間に設けられてこ
の構造物の壁を構成するとともに、この構造物の
振動を制御するための制振壁の構造であつて、上
下方向に沿う複数のスリツトが形成されている鋼
板の両面に、その鋼板の略全面を覆うプレキヤス
トコンクリート版を、前記鋼板に対して該鋼板の
面方向の少なくとも水平方向に沿つた変位が可能
な状態に該鋼板の挿通孔に取付ボルトを挿通して
取り付けるとともに、そのプレキヤストコンクリ
ート版と前記鋼板との間に粘性体を挟み込んでな
る壁体を、前記鋼板の上部および下部を前記梁に
対してそれぞれ固定することによつて柱、梁間に
取り付けてなることを特徴としている。
「作用」 この考案の制振壁の構造では、壁体を構成して
いる鋼板に外力の一部を負担させて耐力を確保す
るとともに、その鋼板に形成したスリツトによつ
て鋼板の剛性を適度に調節して構造物への地震時
入力を低減し、また、鋼板とプレキヤストコンク
リート版との間に挟み込まれた粘性体の粘性抵抗
によつて振動エネルギを吸収して振動を速やかに
減衰させる。
「実施例」 以下、この考案の一実施例を第1図ないし第4
図を参照して説明する。
第1図はこの実施例の構造が採用された建築物
の部分立面図(一部断面図)であつて、図中符号
1,2は互いに隣接して立設されている柱、3,
4は柱1,2間に架け渡されている梁である。こ
れらの柱1,2、梁3,4はいずれも鉄骨(この
例ではH型鋼)からなつている。
上記の柱1,2および梁3,4によつて囲まれ
た空間内には、この建築物の壁を構成する壁体5
が取り付けられている。この壁体5は、その詳細
を第2図、第3図に示すように、鋼板6と、その
鋼板6の表裏両面に取り付けられた合計4枚のプ
レキヤストコンクリート版(以下ではPC版と記
す)7…、および鋼板6とそれらのPC版7…と
の間に挟み込まれた粘性体8,8から構成された
ものである。
上記の鋼板6は、上下に位置する横長の上部プ
レート6a、下部プレート6bと、それらの間に
上端、下端をそれぞれ溶接されて固定された多数
(この例では10枚)の縦長の中間部プレート6c
…とにより、柱1,2、梁3,4間の空間より若
干小さい寸法の平板状に形成されたものである。
上記の中間部プレート6c…は互いに若干の隙間
をあけた状態で並べられて固定されており、これ
により、それらの相互間には第2図に示すように
上下方向に沿うスリツト9…が複数(この例では
9本)形成されている。また、鋼板6の上部プレ
ート6a、下部プレート6b、中間部プレート6
c…には、それぞれPC版取付用のボルト挿通孔
10…が形成されており、これらの挿通孔10…
は第2図に示すように水平横方向に長い長穴とさ
れている。
上記鋼板6の両面には、この鋼板6の上半分、
および下半分を覆う合計4枚のPC版7…がそれ
ぞれ取り付けられていて、これらのPC版7…に
より鋼板6の両面はほぼ全面にわたつて覆われて
いる。これらのPC版7…の鋼板6に対する取り
付けは、上記の挿通孔10…に取付ボルト11を
挿通させることによつて行われている。また、鋼
板6の片面に取り付けられている上下2枚のPC
版7,7間には若干の隙間が確保され、その隙間
にはロツクウール等の耐火材12が充填されてい
て、それら2枚のPC版7,7は互いに横方向に
相対変位可能になつている。
これらのPC版7…は、鋼板6の座屈を防止す
るとともに、鋼板6に対する耐火被覆となるもの
であり、そして、PC版7…と鋼板6の中間部プ
レート6c…との間には、第3図に示すように上
記の粘性体8,8がその両面をPC版7…の内面
および鋼板6表面にそれぞれ接着された状態で挟
み込まれている。
上記構成の壁体5は、第1図に示すように鋼板
6の上縁部および下縁部がそれぞれ梁3の下フラ
ンジ3a、梁4の上フランジ4aに対して固定プ
レート13…によつて固定されている。なお、そ
の固定プレート13…の取付位置は、PC版7…
が切り欠かれることによつて鋼板6が露出してい
る。また、上記のようにして固定された壁体5の
周囲と柱1,2、梁3,4との間には若干の隙間
が確保され、その隙間は図示しない内装材あるい
は耐火被覆材によつて塞がれるようになつてい
る。
上記構造の制振壁にあつては、この構築物に地
震や風等の外力が加わつたときには、壁体5を構
成している鋼板6がその外力の一部を負担して耐
震効果を発揮するとともに、その外力に起因して
この建築物に引き起こされる振動を抑制する制振
効果を発揮し得るものである。
すなわち、たとえば梁3に対して第4図に示す
ように左方から水平外力が加えられたときには、
梁3は梁4に対して右方に相対的に変位し、した
がつて、鋼板6その上部が下部に対して右方に変
位するような曲げ変形を生じる。これにより、鋼
板6によつて耐力が確保されるが、鋼板6には複
数のスリツト9…が形成されているので鋼板6の
剛性が適度に弱められ、従来一般の耐力壁あるい
はブレースを用いる場合に比してこの建築物に対
する地震時入力が低減することになる。なお、鋼
板6はその両面からPC版7…によつて挟まれて
いるから、鋼板6が座屈してしまうことはない。
また、スリツト9…の間隔や長さ等を適宜設定す
ることによつて、鋼板6の剛性を最適に調節する
ことが可能である。
また、鋼板6が上記のように曲げ変形した場
合、その鋼板6に対してPC版7…を取り付けて
いるボルト11…は長穴とされた挿通孔10…内
において横方向に相対的に変位するから、PC版
7…自体は変形することがなく、したがつてPC
版7…は鋼板6に沿つてずれて、PC版7…と鋼
板6とは相対的に変位することになる。このた
め、PC版7…と鋼板6との間に挟み込まれてい
る粘性体8は変形し、その粘性体8の粘性抵抗に
よつて振動エネルギが吸収され、この結果、鋼板
6の振動、ひいてはこの建築物の振動は速やかに
減衰する。すなわち制振効果が発揮される。
なお、上記実施例では、鋼板の片面上下に2枚
のPC版を取り付けた構成としたが、必ずしもそ
うすることはなく、PC版の鋼板に対する変位量
が小さく、PC版自体が変形する恐れがなければ
鋼板の全高にわたる1枚のPC版を用いても良い。
あるいは逆に、PC版を上下方向に3枚以上に分
割しても勿論良い。
また、上記実施例における鋼板は、上部プレー
トと下部プレートに対して中間部プレートを溶接
することによつて形成したが、必ずしもそうする
ことはなく、1枚の鋼板に対して上下方向のスリ
ツトを切り込むことによつて上記と同様の鋼板を
形成することも可能である。
「考案の効果」 以上で詳細に説明したように、この考案の制振
壁の構造は、上下方向に複数のスリツトが形成さ
れた鋼板の両面に、その鋼板の略全面を覆うプレ
キヤストコンクリート版を、前記鋼板に対して該
鋼板の面方向の少なくとも水平方向に沿つた変位
が可能な状態に該鋼板の挿通孔に取付ボルトを挿
通して取り付けるとともに、鋼板とプレキヤスト
コンクリート版の間に粘性体を挟み込んだ壁体を
柱、梁間に固定したものであるから、鋼板によつ
て耐力が確保できるとともに、その鋼板に形成さ
れているスリツトによつて構造物への地震時入力
が低減され、また、粘性体の粘性抵抗によつて振
動エネルギが吸収されて振動が速やかに減衰し、
充分な制振効果を発揮し得る。したがつて、従来
の制振装置を用いる場合のように格別の設置スペ
ースを必要とすることなく、また、コストもさほ
ど増大することなく、制振構造を容易に実現する
ことができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図はこの考案の実施例を示す
図であつて、第1図はこの実施例の構造による建
築物の部分立面図(一部断面図)、第2図はその
部分拡大図(一部断面図)、第3図は第2図の
−線矢視図、第4図は壁体が変形した状態を示
す図である。 1,2……柱、3,4……梁、5……壁体、6
……鋼板、7……プレキヤストコンクリート版
(PC版)、8……粘性体、9……スリツト、10
……ボルト挿通孔、11……ボルト。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 構造物の柱、梁間に設けられてこの構造物の壁
    を構成するとともに、この構造物の振動を制御す
    るための制御壁の構造であつて、上下方向に沿う
    複数のスリツトが形成されている鋼板の両面に、
    その鋼板の略全面を覆うプレキヤストコンクリー
    ト版を、前記鋼板に対して該鋼板の面方向の少な
    くとも水平方向に沿つた変位が可能な状態に該鋼
    板の挿通孔に取付ボルトを挿通して取り付けると
    ともに、そのプレキヤストコンクリート版と前記
    鋼板との間に粘性体を挟み込んでなる壁体を、前
    記鋼板の上部および下部を前記梁に対してそれぞ
    れ固定することによつて柱、梁間に取り付けてな
    ることを特徴とする制振壁の構造。
JP11714087U 1987-07-30 1987-07-30 Expired JPH0432454Y2 (ja)

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