JP5166956B2 - 制震装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ラーメン架構を構成する柱間に振動減衰を目的として設置される制震装置に関する。
軽量鉄骨造等の建物においては、柱と梁とからなるラーメン架構内に、地震等による水平方向の振動を減衰させる制震装置として、制震間柱が設けられることがある。図8は、従来の制震間柱の一例を示す説明図で、(A)が側面、(B)が正面を表している。この制震間柱は、ラーメン架構40を構成する上側横架材である梁41から鉛直方向下向きに取り付けられる上部間柱31と、その上部間柱31の真下に位置し、下側横架材である梁42から鉛直方向上向きに取り付けられる下部間柱32と、上部間柱31と下部間柱32との間に設けられる粘弾性ダンパー33とからなる。この粘弾性ダンパー33は、上部間柱31の端部からラーメン架構面と平行に下方へ突設される中板34と、その中板34をラーメン架構面との直交方向で前後に挟むように下部間柱32のから上方へ突設される一対の外板35,35と、中板34と外板35,35との対向面間に接着状態で介在される粘弾性体36,36(網掛け部分)とで形成されている。よって、ラーメン架構40に地震等で水平荷重が加わり、上部間柱31と下部間柱32とが水平方向で相対変位すると、粘弾性体36,36が剪断変形して振動エネルギーを減衰させるものとなる。
また、このような制震間柱として、例えば特許文献1には、上部間柱に低降伏点鋼を用いた履歴ダンパーを設けて、履歴ダンパーと下部間柱との間に、履歴ダンパーよりも剛性が小さい粘弾性ダンパーを設けた構造が開示されている。
特開2005−314917号公報
上記従来の制震間柱においては、図8(C)に示すように鉛直荷重に対して粘弾性体36,36が下方へクリープ変形してしまい、鉛直荷重を支持できない。これは特許文献1においても同様で、これらの制震間柱は専ら水平荷重のみを負担するために利用されている。よって、鉛直荷重の負担については、制震間柱と別個に間柱を設ける必要があり、構造が複雑となってコストアップが生じてしまう。また、ラーメン架構内の空間が小さい場合は制震間柱と鉛直荷重負担用の間柱とを併設できない場合があり、設計に制約を受けることもある。
そこで、本発明は、簡単な構造で、水平荷重に加えて鉛直荷重も負担でき、コスト低減や設計の自由度アップに繋がる制震装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、粘弾性ダンパーの中板と外板との間に、上部固定体からの鉛直荷重を受けて下部固定体へ伝えると共に、中板と外板との水平方向の相対変位を許容する支持部材を設けたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、支持部材を低コストで簡単に形成するために、支持部材を、ラーメン架構面と直交方向で外板間に架設されて中板の突設端部に当接し、中板と外板との水平方向の相対変位に伴って中板の突設端部を相対的に摺動させるピンとしたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1の構成において、支持部材を、中板に形成された水平方向の長孔を貫通してラーメン架構面と直交方向で外板間に架設され、中板と外板との水平方向の相対変位に伴って長孔内を相対的に摺動するピンとしたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1の構成において、支持部材を、ラーメン架構面と直交方向で中板に固着されて両端が外板の突設端部に当接し、中板と外板との水平方向の相対変位に伴って外板の突設端部を相対的に摺動させるピンとしたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1の構成において、支持部材を、ラーメン架構面と直交方向で中板に固着されて両端が外板に形成された水平方向の長孔を貫通し、中板と外板との水平方向の相対変位に伴って長孔内を相対的に摺動するピンとしたことを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、粘弾性ダンパーの中板の突設端部と相手側の固定体の端部との間に、上部固定体からの鉛直荷重を受けて下部固定体へ伝えると共に、中板と外板との水平方向の相対変位を許容する滑り支持機構を設けたことを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6の構成において、滑り支持機構を簡単に構成するために、滑り支持機構を、中板の突設端部と相手側の固定体の端部との互いの対向面に夫々形成されて互いに当接し、中板と外板との水平方向の相対変位に伴って相対的に摺動する滑り支持面としたことを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項6の構成において、コスト面や施工性で有利となる滑り支持機構を得るために、滑り支持機構を、中板の突設端部と相手側の固定体の端部との間に当接状態で設けられ、中板と外板との水平方向の相対変位に伴って転動する球面体としたことを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、請求項6の構成において、粘弾性ダンパーの安定性が高まる滑り支持機構を得るために、滑り支持機構を、中板の突設端部と相手側の固定体の端部との間に夫々設けられて互いに嵌合し、中板と外板との水平方向の相対変位に伴って相対的に摺動する一対のガイドレールとしたことを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、支持部材を設ける簡単な構造で、水平荷重に加えて鉛直荷重も負担できる。よって、ラーメン架構内には制震装置のみの設置で足り、コストの低減や設計の自由度アップに繋がる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、支持部材を低コストで形成でき、既存の制震間柱にも簡単に鉛直荷重を負担させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、中板の長孔が中板と外板との相対変位のストロークを規制するストッパとして働くため、粘弾性体の剪断変形量を適正にコントロールできる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、ピンを中板に設けているので、ピン取付用の下孔加工が少なくなり、施工が容易となる利点がある。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、外板の長孔が中板と外板との相対変位のストロークを規制するストッパとして働くため、粘弾性体の剪断変形量を適正にコントロールできる。
請求項6に記載の発明によれば、滑り支持機構を設ける簡単な構造で、水平荷重に加えて鉛直荷重も負担でき、コストの低減や設計の自由度アップに繋がる。特に、ピンを用いないので、構成部品点数が少なくなって下孔加工も不要となり、施工が容易となる利点がある。
請求項7に記載の発明によれば、請求項6の効果に加えて、滑り支持面によって滑り支持機構が簡単に構成可能となる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項6の効果に加えて、球面体の採用により、滑り支持機構について追加する構成部が少なくて済み、コスト面や施工性で有利となる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項6の効果に加えて、ガイドレールの採用により、中板の面外変形が吸収されて粘弾性ダンパーの安定性が高まる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[形態1]
図1は、本発明の制震装置を適用した制震間柱の一例を示す説明図で、(A)が側面、(B)が正面、(C)が水平荷重作用時の正面を夫々示している。この制震間柱1は、図8で説明したものと同様に、ラーメン架構を構成する上側の梁(図示略)から鉛直方向下向きに取り付けられる上部固定体としての上部間柱2と、その上部間柱2の真下に位置し、下側の梁(図示略)から鉛直方向上向きに取り付けられる下部固定体としての下部間柱3と、上部間柱2と下部間柱3との間に設けられる粘弾性ダンパー4とを有する。
粘弾性ダンパー4において、上部間柱2の下端中央には、ラーメン架構面と平行に板状の上リブ5が設けられ、その上リブ5に、四角形状の中板6の上端が、前後の接合板7,7によってボルトで固定されている。一方、下部間柱3の上端には、上リブ5よりも厚みが大きい板状の下リブ8が立設されており、その下リブ8の厚み方向の前後に、中板6をラーメン架構面との直交方向で所定間隔をおいて前後に重合するように挟む一対の四角形状の外板9,9が、ボルトで固定されている。そして、中板6と外板9との対向面間に、粘弾性体10,10(網掛け部分)が接着状態で介在されている。
また、ここでは、中板6の突設端部となる下端と下リブ8との間には、鉛直方向で隙間Sが形成されており、この隙間Sにおいて前後の外板9,9間には、下リブ8上に位置して隙間Sを貫通する支持部材としての3本のピン11,11・・が、左右方向に所定間隔をおいて平行に架設されて、各ピン11の上端に中板6の下端が当接している。すなわち、上部間柱2からの鉛直荷重をピン11で受けさせて、下部間柱3へ伝えるようにしたものである。
以上の如く構成された制震間柱1においては、常態では、図1(A)(B)のように上部間柱2からの鉛直荷重がピン11を介して下部間柱3へ伝わるため、制震間柱1によるラーメン架構内での鉛直荷重の負担が可能となる。
そして、地震等によって水平荷重が加わってラーメン架構が変形すると、同図(C)のように上部間柱2と下部間柱3とが水平方向へ相対変位し、中板6と外板9,9との間の粘弾性体10,10を剪断変形させて、振動エネルギーを減衰させる。このとき中板6は、下端がピン11上を相対的に摺動して中板6と外板9,9との相対変位を許容するため、外板9,9との相対変位に支障は生じない。
このように、上記形態1の制震間柱1においては、中板6と外板9,9との間に、上部間柱2からの鉛直荷重を受けて下部間柱3へ伝えると共に、中板6と外板9,9との水平方向の相対変位を許容する支持部材(ピン11)を設けたことで、ピン11を設ける簡単な構造で、水平荷重に加えて鉛直荷重も負担できる。よって、ラーメン架構内には制震間柱1のみの設置で足り、コストの低減や設計の自由度アップに繋がる。
特にここでは、支持部材を、粘弾性体10より下方位置でラーメン架構面と直交方向へ外板9,9間に架設されて中板6の下端に当接し、中板6と外板9,9との水平方向の相対変位に伴って中板6の下端を相対的に摺動させるピン11としたことで、支持部材を低コストで形成でき、既存の制震間柱にも簡単に鉛直荷重を負担させることができる。
以下、他の形態を説明する。但し、形態1と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明は省略する。
[形態2]
図2に示す制震間柱1aでは、中板6の下端に、粘弾性体10が接着されない下延設部12を形成し、その下延設部12に水平方向の長孔13を形成して、ピン11,11・・を、長孔13に貫通させた状態で外板9,9間に架設したものである。
この場合も上部間柱2からの鉛直荷重が、中板6からピン11及び外板9,9を介して下部間柱3に伝わるため、制震間柱1aに鉛直荷重を負担させることができ、形態1と同様の作用が得られる。
このように、上記形態2の制震間柱1aによれば、支持部材を、粘弾性体10より下方位置で中板6に形成された水平方向の長孔13を貫通してラーメン架構面と直交方向で外板9,9間に架設され、中板6と外板9,9との水平方向の相対変位に伴って長孔13内を相対的に摺動するピン11としたことで、ピン11及び長孔13を設ける簡単な構造で、水平荷重に加えて鉛直荷重も負担でき、コストの低減や設計の自由度アップに繋がる。特にここでは、長孔13が中板6と外板9,9との相対変位のストロークを規制するストッパとして働くため、粘弾性体10の剪断変形量を適正にコントロールできる利点がある。
[形態3]
図3に示す制震間柱1bでは、ピン11を外板9,9間に架設せず、中板6における粘弾性体10より上方位置に貫通状態で固定し、両端を外板9,9の突出端部となる上端に載る格好で設置している。この場合も上部間柱2からの鉛直荷重は、中板6からピン11及び外板9,9を介して下部間柱3に伝わるため、制震間柱1bに鉛直荷重を負担させることができ、形態1と同様の作用が得られる。
このように、上記形態3の制震間柱1bによれば、支持部材を、粘弾性体10より上方位置でラーメン架構面と直交方向に中板6に固着されて両端が外板9,9の上端に当接し、中板6と外板9,9との水平方向の相対変位に伴って外板9,9の上端を相対的に摺動させるピン11としたことで、ピン11を設ける簡単な構造で、水平荷重に加えて鉛直荷重も負担でき、コストの低減や設計の自由度アップに繋がる。特にここでは、ピン11を中板6に設けているので、形態1,2に比べて下孔加工が少なくなり、施工が容易となる利点がある。
[形態4]
図4に示す制震間柱1cでは、ピン11を粘弾性体10より上方位置で中板6に貫通状態で設置する一方、外板9,9の上端に、粘弾性体10が接着されない上延設部14を夫々形成し、その上延設部14に水平方向の長孔15を形成して、ピン11を前後の長孔15に夫々貫通させている。この場合も上部間柱2からの鉛直荷重は、中板6からピン11及び外板9,9を介して下部間柱3に伝わるため、制震間柱1cに鉛直荷重を負担させることができ、形態1と同様の作用が得られる。
このように、上記形態4の制震間柱1cによれば、支持部材を、粘弾性体10より上方位置でラーメン架構面と直交方向に中板6に固着されて両端が外板9,9に形成された水平方向の長孔15を貫通し、中板6と外板9,9との水平方向の相対変位に伴って長孔15内を相対的に摺動するピン11としたことで、ピン11及び長孔15を設ける簡単な構造で、水平荷重に加えて鉛直荷重も負担でき、コストの低減や設計の自由度アップに繋がる。また、形態2と同様に、長孔15が中板6と外板9,9との相対変位のストロークを規制するストッパとして働くため、粘弾性体10の剪断変形量を適正にコントロールできる。
[形態5]
図5に示す制震間柱1dでは、中板6の下端に、外板9,9間と同じ幅の滑り板16を一体形成して、中板6の下端を断面逆T字状とし、滑り板16の下面に滑り支持面となるフッ素樹脂シート17を貼付する一方、下リブ8の上面に、滑り支持面となるSUS板(ステンレス鋼板)18を、滑り板16のフッ素樹脂シート17との間に僅かな隙間を残して貼付して、フッ素樹脂シート17とSUS板18とによって滑り支持機構を形成している。なお、ここではフッ素樹脂シート17及びSUS板18の対向面の摩擦係数は0.1程度となっているが、このように0.1以下とするのが望ましい。
この形態5においては、常態では、同図(A)(B)に示す如く、上部間柱2からの鉛直荷重が滑り板16からSUS板18を介して下部間柱3へ伝わるため、制震間柱1dによる鉛直荷重の負担が可能となる。
そして、地震等によって水平荷重が加わってラーメン架構が変形すると、同図(C)のように上部間柱2と下部間柱3とに追従して中板6と外板9,9とが相対変位することになるが、滑り板16のフッ素樹脂シート17とSUS板18とが互いの接触面同士で相対的に摺動して中板6と外板9,9との相対変位を許容するため、減衰作用に支障は生じない。
このように、上記形態5の制震間柱1dによれば、中板6の下端と下部間柱3との間に、上部間柱2からの鉛直荷重を受けて下部間柱3へ伝えると共に、中板6と外板9,9との水平方向の相対変位を許容する滑り支持機構を設けたことで、滑り板16やフッ素樹脂シート17及びSUS板18を付加する簡単な構造で、水平荷重に加えて鉛直荷重も負担でき、コストの低減や設計の自由度アップに繋がる。特にここでは、ピンを用いないので、構成部品点数が少なくなって下孔加工も不要となり、施工が容易となる利点がある。
また、滑り支持機構を、滑り板16と下部間柱3の下リブ8との互いの対向面に夫々形成されて互いに当接し、中板6と外板9,9との水平方向の相対変位に伴って相対的に摺動するフッ素樹脂シート17及びSUS板18としたことで、滑り支持機構が簡単に構成可能となっている。
[形態6]
図6に示す制震間柱1eでは、中板6の下端を滑り板16によって逆T字状としたのは形態5と同様であるが、滑り板16と下リブ8との間に、滑り支持機構となるスチール製の複数の球面体19,19・・を当接状態で配置した点が異なる。外板9,9の左右方向の両端には、球面体19の脱却を防止するストッパ20,20が設けられている。
この形態6においては、常態では、同図(A)(B)に示す如く、上部間柱2からの鉛直荷重が滑り板16から球面体19を介して下部間柱3へ伝わるため、制震間柱1eによる鉛直荷重の負担が可能となる。
そして、地震等によって水平荷重が加わってラーメン架構が変形すると、同図(C)のように上部間柱2と下部間柱3とに追従して中板6と外板9,9とが相対変位することになるが、滑り板16と下リブ8との間で球面体19が転動して中板6と外板9,9との相対変位を許容するため、減衰作用に支障は生じない。
このように、上記形態6の制震間柱1eによれば、滑り支持機構を、滑り板16と下リブ8との間に当接状態で設けられ、中板6と外板9,9との水平方向の相対変位に伴って滑り板16と下リブ8との間で転動する球面体19としたことで、滑り板16や球面体19を付加する簡単な構造で、水平荷重に加えて鉛直荷重も負担でき、コストの低減や設計の自由度アップに繋がる。特にここでは、特にここでは、滑り板16と球面体19とによって中板6の面外変形が吸収されて粘弾性ダンパー4の安定性が高まるという利点がある。また、追加する構成部が少ないので、形態5に比べてコスト面や施工性で有利となる。
[形態7]
図7に示す制震間柱1fでは、中板6の下端に設けた滑り板16の下面に、横断面が円弧状となる凹溝22を水平方向全長に亘って形成した上ガイドレール21を固着する一方、下リブ8の上面に、凹溝22に嵌合する横断面が半円状の下ガイドレール23を固着して、上下ガイドレール21,23によって滑り支持機構を構成している。
この形態7においては、常態では、同図(A)(B)に示す如く、上部間柱2からの鉛直荷重が滑り板16から上ガイドレール21及び下ガイドレール23を介して下部間柱3へ伝わるため、制震間柱1fによる鉛直荷重の負担が可能となる。
そして、地震等によって水平荷重が加わってラーメン架構が変形すると、同図(C)のように上部間柱2と下部間柱3とに追従して中板6と外板9,9とが相対変位することになるが、上ガイドレール21と下ガイドレール23とが互いの嵌合面同士で左右に滑って滑り板16と下リブ8とを相対的に摺動させるため、減衰作用に支障は生じない。
このように、上記形態7の制震間柱1fによれば、滑り支持機構を、中板6の滑り板16と下リブ8との間に夫々設けられて互いに嵌合し、中板6と外板9,9との水平方向の相対変位に伴って相対的に摺動する一対の上下ガイドレール21,23としたことで、滑り板16や上下ガイドレール21,23を付加する簡単な構造で、水平荷重に加えて鉛直荷重も負担でき、コストの低減や設計の自由度アップに繋がる。特にここでは、上下ガイドレール21,23の嵌合によって中板6の面外変形が吸収されて粘弾性ダンパー4の安定性が高まるという利点がある。
そして、各形態に共通した変更例としては、中板及び中板が接合されるリブの厚みを大きくする等して強度が確保できれば、夫々中板と外板との取付側を上下逆にした構造としても同様に水平荷重に加えて鉛直荷重も負担できる。
また、中板を一枚、外板を二枚に限定するものではなく、中板を二枚以上、外板を三枚以上としても、同様に各形態は実施可能である。例えば形態1〜4ではピンの長さを長くすれば対応できるし、形態5〜7では、中板を夫々逆T字状として両外の外板との間に夫々SUS板や球面体等を配置すればよい。
その他、形態1〜4ではピンの数を増減したり、形態5〜7では中板の厚みによっては滑り板を省略したりしてもよい。また、形態5ではフッ素樹脂シートとSUS板とを上下逆としたり、滑り支持面として他の材質を採用したりできるし、形態6では球面体の数を増減することもできる。さらに、形態7では、凹溝と突条との形状を凹凸に変えたり、両ガイドレール間に球面体を介在させたり等の設計変更も可能である。
一方、上記各形態では、本発明を制震間柱に具現した例で説明しているが、このような制震間柱に限らず、上部壁(上部固定体)と、下部壁(下部固定体)と、その間の粘弾性体ダンパーとからなる制震壁であっても、本発明の適用は可能で、鉛直荷重を負担させることができる。
形態1の制震間柱の説明図で、(A)が側面、(B)が正面、(C)が水平荷重作用時の正面を夫々示す。 形態2の制震間柱の説明図で、(A)が側面、(B)が正面を夫々示す。 形態3の制震間柱の説明図で、(A)が側面、(B)が正面を夫々示す。 形態4の制震間柱の説明図で、(A)が側面、(B)が正面を夫々示す。 形態5の制震間柱の説明図で、(A)が側面、(B)が正面、(C)が水平荷重作用時の正面を夫々示す。 形態6の制震間柱の説明図で、(A)が側面、(B)が正面、(C)が水平荷重作用時の正面を夫々示す。 形態7の制震間柱の説明図で、(A)が側面、(B)が正面、(C)が水平荷重作用時の正面を夫々示す。 従来の制震間柱の説明図で、(A)が側面、(B)が正面、(C)が鉛直荷重作用時の側面を夫々示す。
符号の説明
1,1a〜1f・・制震間柱、2・・上部間柱、3・・下部間柱、4・・粘弾性ダンパー、5・・上リブ、6・・中板、7・・接合板、8・・下リブ、9・・外板、10・・粘弾性体、11・・ピン、12・・下延設部、13,15・・長孔、14・・上延設部、16・・滑り板、17・・フッ素樹脂シート、18・・SUS板、19・・球面体、21・・上ガイドレール、22・・凹溝、23・・下ガイドレール、40・・ラーメン架構、41,42・・梁。

Claims (9)

  1. ラーメン架構を構成する上側横架材に取り付けられる鉛直方向下向きの上部固定体と、その上部固定体の真下に位置し、前記ラーメン架構を構成する下側横架材に取り付けられる鉛直方向上向きの下部固定体と、前記上部固定体と下部固定体との間に設けられる粘弾性ダンパーとを有し、前記粘弾性ダンパーが、前記上部固定体と下部固定体との何れか一方の端部から相手側へ向けて前記ラーメン架構面と平行に突設された一又は複数の中板と、他方の端部から相手側へ向けて、前記中板と所定間隔をおいて互い違いで平行に重合されるように突設された複数の外板と、隣接する中板と外板との間に接着状態で介在される粘弾性体とからなる制震装置であって、
    前記中板と外板との間に、前記上部固定体からの鉛直荷重を受けて前記下部固定体へ伝えると共に、前記中板と外板との水平方向の相対変位を許容する支持部材を設けたことを特徴とする制震装置。
  2. 前記支持部材を、前記ラーメン架構面と直交方向で前記外板間に架設されて前記中板の突設端部に当接し、前記中板と外板との水平方向の相対変位に伴って前記中板の突設端部を相対的に摺動させるピンとしたことを特徴とする請求項1に記載の制震装置。
  3. 前記支持部材を、前記中板に形成された水平方向の長孔を貫通して前記ラーメン架構面と直交方向で前記外板間に架設され、前記中板と外板との水平方向の相対変位に伴って前記長孔内を相対的に摺動するピンとしたことを特徴とする請求項1に記載の制震装置。
  4. 前記支持部材を、前記ラーメン架構面と直交方向で前記中板に固着されて両端が前記外板の突設端部に当接し、前記中板と外板との水平方向の相対変位に伴って前記外板の突設端部を相対的に摺動させるピンとしたことを特徴とする請求項1に記載の制震装置。
  5. 前記支持部材を、前記ラーメン架構面と直交方向に前記中板に固着されて両端が前記外板に形成された水平方向の長孔を貫通し、前記中板と外板との水平方向の相対変位に伴って前記長孔内を相対的に摺動するピンとしたことを特徴とする請求項1に記載の制震装置。
  6. ラーメン架構を構成する上側横架材に取り付けられる鉛直方向下向きの上部固定体と、その上部固定体の真下に位置し、前記ラーメン架構を構成する下側横架材に取り付けられる鉛直方向上向きの下部固定体と、前記上部固定体と下部固定体との間に設けられる粘弾性ダンパーとを有し、前記粘弾性ダンパーが、前記上部固定体と下部固定体との何れか一方の端部から相手側へ向けて前記ラーメン架構面と平行に突設された一又は複数の中板と、他方の端部から相手側へ向けて、前記中板と所定間隔をおいて互い違いで平行に重合されるように突設された複数の外板と、隣接する中板と外板との間に接着状態で介在される粘弾性体とからなる制震装置であって、
    前記中板の突設端部と相手側の固定体の端部との間に、前記上部固定体からの鉛直荷重を受けて前記下部固定体へ伝えると共に、前記中板と外板との水平方向の相対変位を許容する滑り支持機構を設けたことを特徴とする制震装置。
  7. 前記滑り支持機構を、前記中板の突設端部と相手側の固定体の端部との互いの対向面に夫々形成されて互いに当接し、前記中板と外板との水平方向の相対変位に伴って相対的に摺動する滑り支持面としたことを特徴とする請求項6に記載の制震装置。
  8. 前記滑り支持機構を、前記中板の突設端部と相手側の固定体の端部との間に当接状態で設けられ、前記中板と外板との水平方向の相対変位に伴って前記中板の突設端部と相手側の固定体の端部との間で転動する球面体としたことを特徴とする請求項6に記載の制震装置。
  9. 前記滑り支持機構を、前記中板の突設端部と相手側の固定体の端部との間に夫々設けられて互いに嵌合し、前記中板と外板との水平方向の相対変位に伴って相対的に摺動する一対のガイドレールとしたことを特徴とする請求項6に記載の制震装置。
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