JP4092277B2 - 建物 - Google Patents

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Description

本発明は、耐震性を備えた建物に関し、特に超大地震時にも対応できるようにした建物に関する。
戸建て住宅等において、上部構造体が免震支承装置によって地盤側(基礎)より免震支承(積層ゴム支承、転がり支承、滑り支承)された建物は、免震建物として既に知られており、特許文献1等に示されている。上述の免震建物では、上部構造体は基礎に対して相対的に水平方向に変位可能であり、上部構造体と基礎との水平方向の相対変位により、地震エネルギーを吸収し、地震エネルギーが上部構造体に作用することを回避できるようにしている。また、上述のような免震建物において、上部構造体の最下層(1階床下部)に補強架台を設け、免震支承される上部構造体を補強するようにしたものが、特許文献2に記載されている。
特開平10−306841号公報 特開2001−303793号公報
しかしながら、上記特許文献1,2記載のような従来技術にあっては、高価な免震支承装置を多数必要とし、さらに、特許文献2記載のものでは、がっちりした補強架台を設ける必要がある。このため、建物の建設費用が高価になり、建築工数も増えるという問題があった。また、建物の設計時の予測をはるかに越えるような規模の大きい超大地震時には、地盤の激しい動きによって建物の上部構造体に作用する水平方向の力(慣性力)が設計基準値(建築基準法によって定められた基準法値)をはるかに越えるような大きい数値となり、このため、地震エネルギーを吸収しきれず、過大の地震エネルギーが上部構造体に作用することを回避できないという問題があった。
本発明の課題は、免震支承装置のような高価な設備を備えていなくても、地震エネルギーを吸収して逃がすことのできる耐震性を備えた建物を提供することにある。
請求項1記載の発明は、地盤に設置した略平坦なベース基礎の上に、建物本体の少なくとも四隅を支持する複数の金属製架台を設けて構築した建物であって、
前記架台は、ベース基礎から鉛直方向に立設され建物本体の底面に接合される短柱状の架台本体と、架台本体をベース基礎に支える複数の互いに直交する支え材とからなり、各支え材はその下端部に減震手段を備え、地盤の動きにより建物本体に所定の基準値を越える水平力が作用するときに、この基準値を越える水平力は前記減震手段によって吸収可能になされていることを特長とする。
上記の請求項1記載の発明において、金属製架台としては、強度、剛性等の面から炭素鋼、ステンレス鋼等が好適に使用できる。この架台を構成する架台本体とその支え材の形状は、いずれであってもよいが、架台本体としては、中空の鋼管、L形鋼、C形鋼等の形鋼が好適であり、支え材としては、鋼板やL形鋼等が好適である。
また、上記の請求項1記載の発明において、建物本体に作用する水平力の所定の基準値としては、建築基準法等の基準法値としてもよい。この場合、水平力の基準値は、動加速度が400Gal以下の大地震までを想定しており、所定の基準値を越える水平力が作用したときとは、動加速度が400Galを越えるような超大地震時を想定したものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の建物において、前記減震手段は、ベース基礎の上に立設され前記支え材の下端部を形成する降伏点を備えた弾性金属体でなり、この弾性金属体は、所定の基準値を越える水平力が作用するときに、前記降伏点を越える塑性変形領域にて変形し、前記水平力を吸収することを特長とする。
上記の請求項2記載の発明において、弾性金属体としては、低降伏点鋼などで形成するのがよい。形状は、棒状、板状、中空形状等いずれでもよく、支え材の下端部にピン結合にて取り付けるとよい。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の建物において、前記減震手段は、基礎の内部に水平に埋設された弾性金属体と、上方を開口したベース基礎の切欠け部に設置された連結体とからなり、連結体の上端部は前記支え材の下端部と接続され、前記弾性金属体の一端はベース基礎の切欠け部内に突出させて連結体の下端部に連結固定され、前記弾性金属体には連結体との連結時に予め導入張力を与えておき、前記水平力が所定の基準値を越えるときには、弾性金属体に作用する水平力を導入張力と相殺させながら前記弾性金属体を弾性変形せしめることを特長とする。
上記の請求項3記載の発明において、弾性金属体としては、鋼製長尺ボルトで形成し、端部にナットを介在させて対向する2枚の固定板の間に固定するのがよい。すると、端部のナットを締め込むと、ボルトに導入張力を与えることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の建物において、複数個の建物ユニットを隣接配置して接合されたユニット建物であり、前記架台は建物ユニットの各柱脚部に設置されていることを特長とする。
請求項1記載の本発明の建物によると、建物本体の少なくとも四隅を支持する複数の金属製架台をベース基礎の上に設け、この架台は、短柱状の架台本体と、この架台本体を支える複数の支え材とからなり、各支え材はその下端部に減震手段を備えたものとした。従って、免震支承装置のような高価な設備を用いずに建物を構築したので、従来の免震建物に比べて建物の構築費用を安価にできるという効果がある。そして、地盤の動きにより建物本体に所定の基準値を越える水平力が作用するときに、この基準値を越える水平力は前記減震手段によって吸収可能になされているので、超大地震時等においても建物の耐震性を確保し、建物の倒壊を防止できる。
請求項2記載の発明は、さらに、前記減震手段は、ベース基礎の上に立設され前記支え材の下端部を形成する降伏点を備えた弾性金属体でなり、この弾性金属体は、所定の基準値を越える水平力が作用するときに、前記降伏点を越える塑性変形領域にて変形し、前記水平力を吸収する。従って、超大地震時等に上記弾性金属体の塑性変形(座屈等)によって水平力を吸収して逃がし、確実に減震効果を得る。超大地震時に塑性変形した弾性金属体は新品に取り替える。なお、水平力が基準値以内の場合、弾性金属体は弾性領域内にて変形するので、取り替える必要はない。
請求項3記載の発明によると、さらに、前記弾性金属体には連結体との連結時に予め導入張力を与えておき、前記水平力が所定の基準値を越えるときには、弾性金属体に作用する水平力を導入張力と相殺させながら前記弾性金属体を弾性変形せしめる。従って、超大地震時等にこの弾性金属体の弾性変形(弾性伸び)によって水平力を吸収して逃がし、確実に減震効果を得る。この際、超大地震時における弾性金属体の変形は弾性変形であるから、再利用可能である。
請求項4記載の発明によると、さらに、複数個の建物ユニットを隣接配置して接合されたユニット建物であり、前記架台は建物ユニットの各柱脚部に設置されているので、確実に減震効果を確保でき耐震性を備えた建物となり、超大地震時に対応できる。
(実施の形態1)
図1〜図7は、本発明の一実施形態であって、図1は、正面から見た建物の説明図である。図2は、図1のA部を拡大して示す断面図であり、図3は、架台を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図である。図4は別の架台の平面図であり、図5は他の架台の平面図である。図6は、ベース基礎上の架台に建物ユニットを設置して構築する建物の施工方法を示す説明図である。図7は、応力−歪み線図である。
図1において、1は建物であり、2は建物ユニット、3は地盤、4はベース基礎、5は架台、6は架台本体、7は支え材、8は弾性金属体(減震手段)である。
本実施の形態1は、図1と図6に示すように、地盤3に設置した略平坦なベース基礎4(ベタ基礎)の上に金属製架台5,5A,5Bを設け、この金属製架台5,5A,5Bの上に建物ユニット2を設置して構築した2階建てのユニット建物1である。この際、ベース基礎4には、図6に示すように、予め墨出し線41にて架台5等の設置位置を位置決めしておく。建物本体は、1階と2階のそれぞれに、各6個の建物ユニット2を隣接配置して構築され、1階部分を構成する各建物ユニット2の四隅の柱下端部(柱脚部)は、前記金属製架台5,5A、5Bのいずれかによりにて支持される。建物ユニット2は、柱21、梁22とからなるボックスラーメン構造であるが、床パネルと壁パネルとからなる壁式工法であってもよい。
前記架台5は、建物本体の角部に配置されるものであって、図2と図3に示すように、ベース基礎4から鉛直方向に立設され建物ユニット2の柱21底面にボルト等にて接合される短柱状の架台本体6と、架台本体6をベース基礎4に支える2本の互いに直交する支え材7,7とからなる。各支え材7,7は、架台本体6の上端部にピン接合され、この架台本体6の上端部から斜め下方に向かって垂下し、その下端部に減震手段を備えている。地盤の動きにより建物本体に所定の基準値を越える水平力が作用したときに、基準値を越える水平力は前記減震手段によって吸収可能になされている。
前記架台5Aは、建物ユニット2の2つの角部が突き合わされる部分に跨がって配置されるものであり、前記架台5と同様の構成であるが、図4に示すように、架台本体6と、3本の互いに直交する支え材7,7,7とからなる。また、前記架台5Bは、建物ユニット2の4つの角部が突き合わされる部分に跨がって配置されるものであり、図5に示すように、架台本体6と、4本の互いに直交する支え材7,7,7,7とからなる。なお、架台5A,5Bの代わりに、建物ユニットの各角部の状況に応じて、1,2または4個の独立した架台5を配置するようにしてもよい。
上記の架台5,5A,5Bを構成する架台本体6は、共通部品であって、底板と天板付きの中空鋼管またはL形鋼で形成され、支え材7は平鋼または形鋼で形成される。なお、架台5,5Aの外方は、外壁23と同材質のスカート24で覆われている。
上記本実施の形態1の建物1において、建物本体に作用する水平力の所定の基準値としては、建築基準法等の基準法値としている。この場合、水平力の基準法値以下とは、動加速度が400Gal以下の大地震までを想定しており、所定の基準法値を越える水平力が作用したときとは、動加速度が400Galを越えるような超大地震時を想定したものである。
前記減震手段は、具体的には、ベース基礎4の上に立設され前記支え材7の下端部を降伏点を備えた弾性金属体8で形成した。この弾性金属体8は、角板状の低降伏点鋼であって、その上端部が支え材7の下端部にピン結合され、その下端部はベース基礎4にアンカーボルトで固定されている。所定の基準値を越える水平力が作用したときに、図7に示すように、弾性金属体8は降伏点を越える塑性変形領域にて変形し、前記水平力を吸収する。
上記のような構成になされた本実施の形態の建物1によると、建物本体の少なくとも四隅を支持する複数の金属製架台5,5A,5Bをベース基礎4の上に設け、この架台5,5A,5Bは、短柱状の架台本体6と、この架台本体6を支える複数の支え材7とからなり、各支え材7はその下端部に減震手段を備えたものとした。従って、免震支承装置のような高価な設備を用いずに建物を構築したので、従来の免震建物に比べて建物の構築費用を安価にできるという効果がある。そして、地盤の動きにより建物本体に所定の基準値を越える水平力が作用したときに、この基準値を越える水平力は前記減震手段によって吸収可能になされているので、超大地震時における建物の耐震性を確保し、建物の倒壊を防止できる。なお、所定の基準値以下の水平力が作用したときには、建物本体は、架台本体6とこれを支える支え材7によって構成された架台5によって前記水平力に抗して支持されることは言うまでもない。
さらに、前記減震手段は、ベース基礎4の上に立設され前記支え材7の下端部を形成する降伏点を備えた弾性金属体8でなり、この弾性金属体8は、所定の基準値を越える水平力が作用したときに、前記降伏点を越える塑性変形領域にて変形し、前記水平力を吸収する。従って、超大地震時に上記弾性金属体8の塑性変形(座屈等)によって水平力を吸収して逃がし、確実に減震効果を得る。超大地震時に塑性変形した弾性金属体8は、新品に取り替える。なお、水平力が基準値以内の場合、弾性金属体8は弾性領域内にて変形するので、取り替える必要はない。
(実施の形態2)
図8〜図10は、本発明の別の実施形態であって、図8は建物の下部構造を模式的に示す断面図であり、図9は図8の一部を拡大して示す断面図であり、図10は応力−歪み線図である。図において、前記実施の形態1と同じものには同符号を付けて説明を省略し、異なるものだけ別符号を付けて説明する。建物1を構成する建物ユニット2、地盤3、基礎4、架台本体6、支え材7は、前記実施の形態1と同符号を付けているが、異なる点は架台5Dの構成にある。
本実施の形態2は、前記図1に示したと同様、地盤3に設置されたベース基礎4上に架台5Dを設け、この架台5Dの上に建物ユニット2を設置したユニット建物1である。前記架台5Dは、図8に示すように、ベース基礎4から鉛直方向に立設され建物ユニット2の柱21底面に接合される短柱状の架台本体6と、架台本体6をベース基礎4に支える支え材7とからなる。架台5Dには、前記実施の形態1と同様、支え材7が、2本のもの、3本のもの、4本のものがある。各支え材7は、架台本体6の上端部にピン接合され、この架台本体6の上端部から斜め下方に向かって垂下し、その下端部に減震手段を備えている。地盤の動きにより建物本体に所定の基準値を越える水平力が作用したときに、基準値を越える水平力は前記減震手段によって吸収可能になされている。
前記減震手段は、ベース基礎4の内部に水平に埋設された弾性金属体8Dと、上方を開口したベース基礎4の切欠け部42に設置された連結体9とからなり、連結体9の上端部は前記支え材7の下端部とピン接続され、前記弾性金属体8Dの一端はベース基礎4の切欠け部42内に突出させて連結体9の下端部に連結固定される。前記弾性金属体8Dには、連結体9との連結時に予め導入張力Tを与えておき、前記水平力Pが所定の基準値を越えたときには、弾性金属体8Dに作用する水平力Nを導入張力Tと相殺させながら前記弾性金属体8Dを弾性変形せしめるようにしたものである。
上記の弾性金属体8Dとしては、サヤ管81の中に挿入された鋼製長尺ボルトで形成し、端部にナット83を介在させて対向する2枚の固定板82,82の間に固定し、端部のナット83を締め込み、弾性金属体8D(ボルト)に導入張力Tを与えている。
上述した本実施の形態2の減震衰手段を、以下の実施例1,2において具体的な設計値を適用して説明する。
(実施例1)
図9において、弾性金属体8Dの軸芯から連結体9の下端部までの距離をaとし、上記軸芯から連結体9の上端部までの距離をb+cとし、比x=(a+b+c)/aとする。
本実施例1では、a=3.0cm
b+c=2+19=21cm
x=(21+3)/3=8
とした。
ここで、支え材7に作用する水平力Pと、弾性金属体8Dに作用する水平力Nとの間には、以下の関係がある。
P(a+b+c)=N・a
従って、N=P・x=8P
ここで、設計基準値としての水平力は、P0 =0.5tf(重量トン)=9.8×0.5kNとし、超大地震時には、P=2P0 =1.0tf(重量トン)=9.8kNの水平力が作用したとする。すると、弾性金属体8Dには、N=8P=9.8×8kNの水平力が作用することとなる。
一方、弾性金属体8Dとしては以下の設計値とした。
長さL=60cm、断面積A=0.5027cm2 (PC鋼線8mm)とし、導入張力T=4.0tf=9.8×4.0kNとした。
そこで、
(1)強風時、あるいは動加速度=100Gal程度の中地震時、あるいは動加速度=400Galの大地震時の場合、設計基準値である水平力P0 以下の水平力Pが作用する。従って、水平力N<8P0 =9.8×0.5kN×8=9.8×4.0kN
つまり、水平力N<Tとなり、導入張力Tと相殺されるので、図6の応力−歪み線図に示すように、弾性金属体8Dの水平移動は殆どない。
(2)動加速度が400Galを越え、600,800,1000,1500,2000Gal,・・・のような超大地震の場合、設計基準値としての水平力P0 を越える水平力Pが作用する。ここでは、設計基準値としての水平力P0 の2倍以上の水平力Pが作用するものとした。
従って、水平力N>Tとなり、図10の応力−歪み線図に示すように、水平力Nと導入張力Tとが相殺し、その差だけの張力が作用し、弾性金属体8Dは弾性変形する。
この際、弾性金属体8Dの伸び量ΔLは下記の式で求められる。
ΔL=(N−T)・L/E・A
Eは弾性係数であり、ここではE=2100×9.8kNであり、
(N−T)=(8−4)×9.8kN、長さL=60cm、断面積A=0.5027cm2 (PC鋼線8mm)としたから、
ΔL=9.8(8−4)×60/2100×9.8×0.5027
=240/2100×0.5027
=0.227(cm)
従って、水平移動H=ΔL・x
=0.227×8
=1.81(cm)
となる。
(実施例2)
本実施例2では、a=3.0cm
b+c=2+25=27cm
x=(27+3)/3=10
とした。
設計基準値としての水平力P0 =0.5tf(重量トン)
=9.8×0.5kN
とし、
超大地震時には、 水平力P=2P0
=1.0tf(重量トン)
=9.8kN
が作用したとする。
すると、弾性金属体8Dには、N=10P=9.8×10kNの水平力が作用することとなる。
一方、弾性金属体8Dとしては以下の設計値とした。
長さL=60cm、断面積A=0.6362cm2 (PC鋼線9mm)とし、
導入張力T=5.0tf=9.8×5.0kNとした。
そこで、
(1)強風時、動加速度=100Gal程度の中地震、あるいは動加速度=400Galの大地震の場合、設計基準値である水平力P0 以下の水平力Pが作用する。
従って、水平力N<10P0 =9.8×0.5kN×10=9.8×5.0kN
つまり、水平力N<Tとなり、導入張力Tと相殺されるので、図6の応力−歪み線図に示すように、弾性金属体8Dの水平移動は殆どない。
(2)動加速度が400Galを越え、600,800,1000,1500,2000Gal,・・・のような超大地震の場合、設計基準値としての水平力P0 を越える水平力Pが作用する。ここでは、設計基準値としての水平力P0 の2倍以上の水平力Pが作用するものとした。
従って、水平力N>Tとなり、図6の応力−歪み線図に示すように、水平力Nと導入張力Tとが相殺し、その差だけの張力が作用し、弾性金属体8Dは弾性変形する。
この際、弾性金属体8Dの伸び量ΔLは下記の式で求められる。
ΔL=(N−T)・L/E・A
Eは弾性係数であり、ここではE=2100×9.8kNであり、
(N−T)=(10−5)×9.8kN、長さL=60cm、断面積A=0.6362cm2 (PC鋼線9mm)としたから、
ΔL=9.8(10−5)×60/2100×9.8×0.6362
=300/2100×0.6362
=0.224(cm)
従って、水平移動H=ΔL・x
=0.224×10
=2.24(cm)
となる。
本実施の形態2の建物1によると、前記実施の形態1と同様、免震支承装置のような高価な設備を用いずに建物を構築したので、従来の免震建物に比べて建物の構築費用を安価にできるという効果がある。そして、さらに、前記弾性金属体8Dには連結体9との連結時に予め導入張力Tを与えておき、前記水平力Pが所定の基準値を越えたときには、弾性金属体8Dに作用する水平力Nを導入張力Tと相殺させながら前記弾性金属体8Dを弾性変形せしめる。従って、超大地震時にこの弾性金属体8Dの弾性変形(弾性伸び)によって水平力を吸収して逃がし、確実に減震効果を得る。この際、超大地震時における弾性金属体8Dの変形は弾性変形であるから、再利用可能である。
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。本実施の形態では、建物を建物ユニットを隣接して配置した2階建てのユニット建物としたが、例えば、3階建て以上のユニット建物であってもよいし、ユニット建物に代えて鉄骨造りのプレハブ住宅、パネル工法の住宅、ツーバイフォー工法の住宅、在来工法の木造住宅や鉄筋コンクリート住宅等であってもよい。
超大地震時の地震エネルギーを吸収して逃がすことができるので、居住者の安全を超大地震から守ることのでき、しかも、安価な耐震住宅として利用できる。
本発明の一実施形態であって、正面から見た建物の説明図である。 図1のA部を拡大して示す断面図である。 架台を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図である。 別の架台の平面図である。 他の架台の平面図である。 ベース基礎上の架台に建物ユニットを設置して構築する建物の施工方法を示す説明図である。 図7は、応力−歪み線図である。 本発明の別の実施形態であって、建物の下部構造を模式的に示す断面図である。 図8の一部を拡大して示す断面図である。 応力−歪み線図である。
符号の説明
1 建物
2 建物ユニット
3 地盤
4 ベース基礎
5,5A,5B,5D 架台
6 架台本体
7 支え材
8,8D 弾性金属体(減震手段)
9 連結体

Claims (4)

  1. 地盤に設置した略平坦なベース基礎の上に、建物本体の少なくとも四隅を支持する複数の金属製架台を設けて構築した建物であって、
    前記架台は、ベース基礎から鉛直方向に立設され建物本体の底面に接合される短柱状の架台本体と、架台本体をベース基礎に支える複数の互いに直交する支え材とからなり、各支え材はその下端部に減震手段を備え、地盤の動きにより建物本体に所定の基準値を越える水平力が作用するときに、この基準値を越える水平力は前記減震手段によって吸収可能になされていることを特長とする建物。
  2. 前記減震手段は、ベース基礎の上に立設され前記支え材の下端部を形成する降伏点を備えた弾性金属体でなり、この弾性金属体は、所定の基準値を越える水平力が作用するときに、前記降伏点を越える塑性変形領域にて変形し、前記水平力を吸収することを特長とする請求項1記載の建物。
  3. 前記減震手段は、基礎の内部に水平に埋設された弾性金属体と、上方を開口したベース基礎の切欠け部に設置された連結体とからなり、連結体の上端部は前記支え材の下端部と接続され、前記弾性金属体の一端はベース基礎の切欠け部内に突出させて連結体の下端部に連結固定され、前記弾性金属体には連結体との連結時に予め導入張力を与えておき、前記水平力が所定の基準値を越えるときには、弾性金属体に作用する水平力を導入張力と相殺させながら前記弾性金属体を弾性変形せしめることを特長とする請求項1記載の建物。
  4. 複数個の建物ユニットを隣接配置して接合されたユニット建物であり、前記架台は建物ユニットの各柱脚部に設置されていることを特長とする請求項1〜3のいずれか1項記載の建物。
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