JP2793053B2 - 建築施工法 - Google Patents

建築施工法

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JP2793053B2
JP2793053B2 JP3173742A JP17374291A JP2793053B2 JP 2793053 B2 JP2793053 B2 JP 2793053B2 JP 3173742 A JP3173742 A JP 3173742A JP 17374291 A JP17374291 A JP 17374291A JP 2793053 B2 JP2793053 B2 JP 2793053B2
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健 武田
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修治 木村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建築施工法に関し、
より詳しくは、建物の各階をなす構造体をジャッキアッ
プして上昇させながら構築する建築施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省力化や工期の短縮などを図るた
めに、機械化やロボット化を導入した建築施工法が鋭意
開発されており、その一つとして、建物の各階をなす構
造体をジャッキアップして上昇させながら建物を構築し
てゆくジャッキアップ工法がある(例えば、特開昭52
−36812号公報)。
【0003】従来、この種のジャッキアップ工法は、柱
1本当たり4基または2基のジャッキを用いて、上方の
構造体(柱を含む)からの荷重を上記柱につながる梁端部
で支持している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のジャッキアップ工法では、柱周囲に多くのジャッキ
が林立するため作業性が悪く、また、柱1本当たりに設
けた多数のジャッキを同調制御するのが難しいという問
題がある。さらに、上方の構造体からの荷重を梁端部で
支持しているため、梁端部に余分な剪断耐力を与えてお
かなければならないという問題がある。また、構築期間
中、上方の構造体からの荷重を常時支持しながら完成部
分を順次上昇させるジャッキアップ工法では、安全性、
特にジャッキの耐震性を確保することが重要な課題とな
っている。
【0005】そこで、この発明の目的は、ジャッキ数を
減少させて作業性を改善するとともにジャッキを容易に
制御でき、しかも梁端部に余分な耐力を与えることな
く、またジャッキの耐震性を確保しつつ建物を構築でき
る建築施工法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の建築施工法は、複数の柱を有する
構造体を上下方向に積層して構築する建物の1階上部に
相当する位置に作業床を設けるとともに、地面に埋設し
た基礎上の、上記建物の1階を構成する上記構造体の柱
を設けるべき各位置に、免震装置を介して、上記作業床
から上方へ先端が突出する各1基のジャッキを立設し、
上記作業床上で、上記建物の一つの階をなす構造体を、
この構造体を構成する柱を上記各ジャッキの直上に配置
して構築し、上記各ジャッキを伸長させて上記構造体の
下部の高さが上記作業床レベルから一つの階の高さ分に
なるまでジャッキアップし、上記ジャッキを一つずつ収
縮させてその先端を作業床レベルまで下降させ、収縮さ
せたジャッキの先端とその直上の柱との間に、下側の階
となる構造体を構成すべき柱を逐次挿入した後、上記作
業床上で、上記挿入した各柱を用いて上記構造体の下に
上記下側の階をなす構造体を構築することを特徴とす
る。
【0007】請求項2に記載の建築施工法は、請求項1
に記載の建築施工法において、上記建物の各階をなす構
造体のうち、最初に構築する最上階をなす構造体を他の
階の構造体よりも剛構造に組み立てたことを特徴とす
る。
【0008】
【作用】請求項1の建築施工法によれば、建物は次のよ
うにして構築される。まず、構築すべき建物の1階上部
に相当する位置に作業床を設けるとともに、地面に埋設
した基礎上の、上記建物の1階を構成する上記構造体の
柱を設けるべき各位置に、免震装置を介して、上記作業
床から上方へ先端が突出する各1基のジャッキを立設す
る。次に、上記作業床上で、上記建物の最上階をなす構
造体を、この構造体を構成する柱を上記各ジャッキの直
上に配置して構築する。そして、上記構造体より上方か
らの荷重を上記ジャッキで支持しつつ、上記構造体の下
部の高さが上記作業床レベルから最上階の下側に構築す
べき階の高さ分になるように上記各ジャッキを伸長させ
て、上記構造体をジャッキアップする。次に、上記ジャ
ッキを一つずつ収縮させてその先端を作業床レベルまで
下降させ、収縮させたジャッキの先端とその直上の柱と
の間に、下側の階となる構造体を構成すべき柱を逐次挿
入してゆく。この後、これらの挿入した柱の間に梁を設
けることにより上記下側の階をなす新たな構造体を構築
する。続いて、この新たに構築された構造体の直下に、
同様の手順で、さらに下側の階となる構造体を構築す
る。このようにして、各階を構成する構造体が次々と下
側に形成される一方、既に形成された構造体は次々と上
方へ持ち上げられる。そして、上記ジャッキは、上記建
物の2階をなす構造体を構築した後に、上記建物の1階
の柱と一つずつ取り替えられる。そして、上記建物の1
階をなす構造体の構築を完了する。
【0009】このようにして建物を構築する場合、柱の
直下に各1基のジャッキを設け、その直下に免震装置を
設けるだけであるから、ジャッキが作業の邪魔にならな
くなる。また、免震装置は、柱の下方に離間しているの
で作業の邪魔になることは無い。したがって、従来のジ
ャッキアップ工法と異なり、作業性が損なわれることが
無い。また、柱1本当たりに多数のジャッキを同調制御
する必要がなく、ジャッキの制御が簡単なものとなる。
さらに、柱の直下にジャッキを設けているので、上記柱
につながる梁端部に局所的な剪断力がかかることも無
い。したがって、梁端部に余分な剪断耐力を与えなくて
も済ませられる。また、上記各ジャッキは作業床から先
端が突出するものであるから、一つの階をなす構造体を
構築するための全ての作業、すなわち、柱、梁、床、壁
の運搬および組み立ての全てを、上記作業床レベルの同
一階で円滑に進めることができ、したがって、さらに作
業性が改善される。また、作業ロボットで作業を行う場
合、作業ロボットが比較的小型かつ簡単なもので済む。
【0010】また、地面に埋設した基礎とジャッキとの
間に免震装置を設けているので、構築期間中に地震が起
きたときに、上記ジャッキにかかる水平力が軽減され
る。したがって、ジャッキおよび建物の耐震性が高ま
り、施工作業の安全性が高まる。
【0011】また、請求項2の建築施工法では、上記建
物の各階をなす構造体のうち、最初に構築する最上階を
なす構造体を他の階の構造体よりも剛構造に組み立てる
ので、各構造体の下に柱を挿入するために上記ジャッキ
のうちの一つを収縮させたときに、上記最上階の剛性に
よって構築中の建物全体の変形が防止される。したがっ
て、上部の施工済みの部分(特に仕上材)が損傷を受ける
ことがない。
【0012】
【実施例】以下、この発明の建築施工法を実施例により
詳細に説明する。
【0013】(i)まず、図1(a)に示すように、地面GL
に埋設した基礎(図13に参照数字80で示す。)上に、
免震装置(以下「アイソレータ」という。)6,…を据え付
け、各アイソレータ6の直上にジャッキ4を立設する。
図13に示すように、上記アイソレータ6は、ジャッキ
4の下端と基礎80とにそれぞれ上側取付部材62と下
側取付部材63を介して取付けるものであって、両取付
部材62,63間にゴムと鋼板とを積層して荷重を支持
するとともに水平方向に変位可能にした積層部61と、
積層部中央に設けられて上記両取付部材62,63間に
わたって水平力を吸収する円柱状の鉛プラグ60とから
なっている。図9に示すように、上記各ジャッキ4は、
容量500tf、ストローク3700mm、全長5000m
m、重量15tであって、外筒部40の外径が700mm、
ロッド41の直径が500mmとなっている。ロッド41
の先端42には、鋼からなる球座43が嵌着されてい
る。ジャッキ4を設置するにあたっては、上記外筒部4
0に傾斜計をセットし、ロッド41が鉛直方向に伸縮す
るようにする。また、図1(a)に示すように、ジャッキ
4の外筒部40と上端と下端にそれぞれH形鋼からなる
梁2、根がらみ5を設け、さらに、斜めにブレース3を
設けている。また、梁2上に作業床1をジャッキ4の先
端41が突出するように設ける。この作業床1は、後の
工程で重い材料を把持したロボットが走行できるよう
に、十分な強度を有する板材で構成する。なお、上記ア
イソレータ6,ジャッキ4,作業床1,梁2などの部材
は、施工完了後に再使用できるように、取り外し可能に
設ける。詳しくは、図13に示すように、アイソレータ
6とジャッキ4との間に、H形鋼を十字に交差させた形
状(上方から見たとき十字になっている)の連結部材7を
設け、アイソレータ6の上側取付部材62、ジャッキ4
のフランジ44をそれぞれ上記連結部材7にボルト5
7,58で接合している。また、根がらみ5の端部を上
記連結部材7の端部に板材52,53およびボルト55,
56によって接合している。さらに、ブレース3の端部
をジャッキ4のプレート45にボルト46によって接合
している。
【0014】(ii)次に、図1(b)に示すように、最上階
フレーム10,10を、図示しないクレーンによってワ
イヤ100で吊り下げて、互いに1スパン分の隙間を空
けてジャッキ4の先端42に載置する。上記最上階フレ
ーム10は、この例では1スパン分の柱ユニット11,
梁12,間柱15およびブレース13を予め一体にトラ
ス構造(剛構造)に組み立てたものであり、図10に示す
ように、各柱ユニット11の下端がジャッキ4の先端4
2(正確には球座43)に嵌合される。
【0015】(iii)次に、図2(c)に示すように、遠隔操
作により作業する梁建方ロボット101を用いて、隣り
合う最上階フレーム10,10の間に梁12,12(それ
ぞれ柱ユニット11,11の上端,下端をつなぐ)を設け
る。上記梁建方ロボット101は、リフトアーム111
を備えており、このリフトアーム111によって作業床
1上で梁12を運搬する。柱ユニット11と梁12との
接合部は図11に示すように形成する。すなわち、柱1
1の側面11aにジョイント金具16を取り付け、梁1
2のフランジ,ウエブを図示しない溶接ロボットによっ
て溶接して取り付ける。さらに、両側の最上階フレーム
10,10の間にブレース13と間柱15(同図(d)に示
す)とを取り付けて、両側の最上階フレーム10,10と
同様のトラス構造を形成する。これにより、最上階をな
す躯体フレーム(構造体)20を構成する。
【0016】(iv)次に、図2(d)に示すように、屋根(デ
ッキ,断熱材および防水部材からなる)30を設けた後、
各ジャッキ4の先端42の作業床1からの高さが床パネ
ル敷設ロボット102,103の作業に適した高さにな
るように、各ジャッキ4のロッド41を少し伸長(ジャ
ッキアップ)する。この状態で、遠隔操作により作業す
る床パネル敷設ロボット102,103を用いて、最上
階の床パネル31を敷設する。上記床パネル敷設ロボッ
ト(コンベア・ロボット)103は、遠隔操作可能なロー
ラーコンベア130を備えており、作業床1上で躯体フ
レーム20の下に入った状態で、このローラーコンベア
130によって床パネル31を所定の高さ(梁12の高
さ)で水平移動させることができる。また、床パネル敷
設ロボット(パネル供給ロボット)102は、上記ローラ
ーコンベア130に加えて床パネル31を積載する積載
ユニット131を備えており、この積載ユニット131
から床パネル31を1枚ずつ上記床パネル敷設ロボット
103へ送り出すようになっている。
【0017】(v)次に、図3(e)に示すように、遠隔操作
により作業床1上で作業する壁パネル取付けロボット1
04を用いて、上記躯体フレーム20に最上階のカーテ
ンウォール32を取り付ける。上記壁パネル取付けロボ
ット104は、アーム140の先端に吸盤141を備え
ており、この吸盤141でカーテンウォール32を1枚
ずつ吸着することができる。各カーテンウォール32と
躯体フレーム20とは、ワンタッチで装着できるファス
ナー33によって接合する。これにより、同図(f)に示
すように、最上階の構築を完了する(なお、内壁や天井
などは別途施工する。)。なお、図3(e),(f)では、ジャ
ッキ4のロッドが収縮した状態となっているが、ジャッ
キアップしたまま各カーテンウォール32を取り付ける
のが望ましい。
【0018】(vi)次に、図4(g)に示すように、各ジャ
ッキ4の先端42の作業床1からの高さが最上階の下側
に構築すべき階の高さ分になるように、各ジャッキ4の
ロッド41を伸長(ジャッキアップ)する。ジャッキアッ
プにあたっては、ストローク計による計測を行い、各ジ
ャッキ4のストロークを制御しながら上昇させる。そし
て、最上階の躯体フレーム20が基準レベルに達するま
でジャッキアップを行う。ジャッキアップ終了後、レー
ザー光線によって計測し、ジャッキストロークを微調す
ることによって、躯体フレーム20の水平レベルを確保
する。
【0019】(vii)次に、図4(h)に示すように、ジャッ
キ4のロッド41を一つ収縮させ、そのジャッキ4の先
端42を作業床1近傍まで下降させる。続いて、遠隔操
作により作業する柱ユニット挿入ロボット105を用い
て、そのジャッキ4上で最上階の柱ユニット11の直下
に新たな柱ユニット(最上階の下側の階を構成する)11
を挿入する。次に、他のジャッキ4のロッド41を収縮
し、そのジャッキ4の先端42を作業床1近傍まで下降
させる。そして、そのジャッキ4上で最上階の柱ユニッ
ト11の直下に別の柱ユニット11を挿入する。同様
に、他のすべてのジャッキ4の位置に逐次柱ユニットを
挿入する。上記柱ユニット挿入ロボット105は、把持
アーム150を備えており、この把持アーム150によ
って作業床1上で柱ユニット11を把持して運搬するこ
とができる。ここで、ジャッキ4を一つずつ収縮させて
も、最上階の躯体フレーム20を剛構造としているの
で、収縮させた箇所の鉛直方向の変位は極めて小さい。
なお、新たな柱ユニット11の上端は最上階の柱ユニッ
ト11の下端に溶接する一方、新たな柱ユニット11の
下端は、図10に示したように、ジャッキ4の先端42
の球座43に嵌合させる。そして、レーザー光線を用い
て各柱ユニット11のレベルを計測し、各柱ユニット1
1が同一レベルになるようにジャッキアップを行う。
【0020】(viii)上記新たな柱ユニット11を挿入し
終わった後、、図5(i)に示すように、再び梁建方ロボ
ット101を用いて、上記(iii)と同様の手順で、隣り
合う柱ユニット11,11の下端をつなぐ梁12を設け
る。これにより、最上階の下側の階をなす構造体21を
構成する。
【0021】(ix)次に、図5(j)に示すように、各ジャ
ッキ4の先端42の作業床1からの高さが床パネル敷設
ロボット102,103の作業に適した高さになるよう
に、各ジャッキ4のロッド41を少し伸長(ジャッキア
ップ)する。この状態で、図6(k)に示すように、上記(i
v)と同様の手順で床パネル敷設ロボット102,103
を用いて、最上階の下側の階の床パネル31を敷設す
る。
【0022】(x)次に、図6(l)に示すように、上記(v)
と同様の手順で、上記構造体21にこの階用のカーテン
ウォール34を取り付ける。これにより、最上階の下側
の階の構築を完了する。
【0023】(xi)この後、上記(vi)乃至(x)の手順を繰
り返して、次々と下側の階(2階の構造体28まで)を構
築してゆく。
【0024】(xii)そして、図7(m)に示すように、この
建物の2階(構造体28)の構築が完了した後、施工初期
に設けた作業床1をすべて撤去する。その後、ジャッキ
4の一つを撤去して1階の柱ユニット9を挿入するため
に必要な分だけ、梁2,ブレース3および根がらみ5を
撤去する。そして、その位置のジャッキ4およびアイソ
レータ6を取り外し、柱ユニット挿入ロボット105を
用いて、2階の柱ユニット11の直下に1階の柱ユニッ
ト9を挿入する。この柱ユニット9を挿入する作業をジ
ャッキ4の一つずつ行い、すべてのジャッキ4について
繰り返し行う。詳しくは、図12に示すように、まず、
アンカーボルト91によって基礎80上にベースプレー
ト90を取り付け、このベースプレート90上に上記1
階の柱ユニット9を置く。次に、予め取り付けられてい
るブラケット状の金具92を介して柱ユニット9をジャ
ッキアップして、柱ユニット9とベースプレート90と
の隙間に適当な厚みのプレート93を挿入する。最後
に、このプレート93を柱9およびベースプレート90
と溶接する(ブラケット状金具92は溶断する)。ここ
で、ジャッキ4を一つずつ取り外しても、最上階の躯体
フレーム20を剛構造としているので、20階程度まで
の建物であれば建物全体の変形を防止することができ
る。したがって、ジャッキ4を取り外した箇所の鉛直方
向の変位は極めて小さい。試算では、12階建てのビル
ディングの場合、最も不利な条件(コーナー部)でも鉛直
方向の撓みは約3.5mmにすぎない。
【0025】(xiii)最後に、図8(n)に示すように、上
記(v),(ix)と同様の手順で、上記柱ユニット9に1階用
のカーテンウォール35を取り付けて、この建物の施工
を完了する(なお、内壁などは別途施工する。)。なお、
上記説明においては、床パネル31やカーテンウォール
32,34を構造体20,21に取り付けたのちに、構
造体をジャッキアップしたが、構造体のみをジャッキア
ップしたのちに、構造体の内部から床パネル31やカー
テンウォール32,34を構造体20,21に取り付け
るようにしても良い。
【0026】このようにして建物を構築する場合、各階
の構造体20,…,28を構成する柱11の直下に各1基
のジャッキ4を設けるだけであるから、ジャッキ4が施
工作業の邪魔になることが無い。したがって、従来のジ
ャッキアップ工法と異なり、作業性を向上させることが
できる。また、柱1本当たりに多数のジャッキ4を同調
制御する必要がなく、ジャッキ4の制御を簡単化でき
る。さらに、柱11の直下にジャッキ4を設けているの
で、各柱11につながる梁12端部に局所的な剪断力が
かかるのを避けることができる。したがって、梁12端
部に余分な剪断耐力を与えなくても済ませられる。
【0027】また、図13に示したように、地面GLに
埋設した基礎80とジャッキとの間にアイソレータ6を
設けているので、建物の構築期間中に地震が起きたとき
に、リング状のゴム61aとリング状鋼板61bとを積層
した積層部61が容易に水平変位して上部のジャッキ4
に地震力を直接伝達しないようにし、積層部61の中央
に挿入した円柱状の鉛プラグ60が積層部61と同時に
剪断変形するときに水平力を吸収して、ジャッキ4にか
かる水平力を効果的に軽減することができる。
【0028】なお、アイソレータ6は必ずしも水平力を
吸収する鉛プラグ60を内蔵したものでなくてもよく、
水平力を吸収するためにアイソレータ6とは別にダンパ
ーを適所に設けるようにしてもよい。
【0029】このように、アイソレータ6の動作によっ
て地震の振動エネルギーを効果的に吸収することがで
き、ジャッキ4の耐震性を高めることができる。したが
って、施工作業の安全性を高めることができる。
【0030】また、建物の最上階となる構造体(躯体フ
レーム)20を剛構造に組み立てているので、各構造体
20,…,28の下に柱11,9を挿入するために上記ジ
ャッキのうちの一つを収縮または取り外したときに、2
0階程度までの建物であれば、上記最上階の剛性によっ
て建物全体の変形を防止できる。
【0031】また、各階の構造体20,…,28を常に作
業床1上で構築している(作業床レベルの階が生産工場
となる)ので、柱ユニット11,梁12などの資材を上方
の階に持ち上げなくても各階の施工を行うことができ
る。また、この建築施工法によれば、最上階を生産工場
として各階を順次下方に構築してゆく施工法と異なり、
施工完了後に生産工場を簡単に撤去することができる。
【0032】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の建
築施工法によれば、ジャッキ数を減少させて作業性を改
善するとともにジャッキを容易に制御することができ
る。しかも、ジャッキを柱の直下に設けているので、梁
端部に余分な耐力を与えることなく建物を構築すること
ができる。また、上記各ジャッキは作業床から先端が突
出するものであるから、一つの階をなす構造体を構築す
るための全ての作業、すなわち、柱、梁、床、壁の運搬
および組み立ての全てを、上記作業床レベルの同一階で
円滑に進めることができ、柱ユニット,梁などの資材を
上方の階に持ちあげなくても各階の施工を行うことがで
きる。したがって、さらに作業性を改善することができ
る。また、作業ロボットで作業を行う場合、作業ロボッ
トを比較的小型かつ簡単なもので済ませることができ
る。
【0033】また、地面に埋設した基礎とジャッキとの
間に免震装置を設けているので、構築期間中に地震が起
きたときに、上記ジャッキあるいは建築中の建物にかか
る水平力を軽減できる。したがって、ジャッキあるいは
建築中の建物の耐震性を高めることができ、施工作業の
安全性を高めることができる。
【0034】また、この建築施工法によれば、最上階を
生産工場として各階を順次下方に構築してゆく施工法と
異なり、施工完了後に生産工場を簡単に撤去することが
できる。
【0035】また、請求項2の建築施工法では、上記建
物の各階をなす構造体のうち、最初に構築する最上階を
なす構造体を他の階の構造体よりも剛構造に組み立てる
ので、各構造体の下に柱を挿入するために上記ジャッキ
のうちの一つを収縮させたときに、20階程度までの建
物であれば、上記最上階の剛性によって建物全体の変形
を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例の建築施工法を説明する
工程図である。
【図2】 この発明の一実施例の建築施工法を説明する
工程図である。
【図3】 この発明の一実施例の建築施工法を説明する
工程図である。
【図4】 この発明の一実施例の建築施工法を説明する
工程図である。
【図5】 この発明の一実施例の建築施工法を説明する
工程図である。
【図6】 この発明の一実施例の建築施工法を説明する
工程図である。
【図7】 この発明の一実施例の建築施工法を説明する
工程図である。
【図8】 この発明の一実施例の建築施工法を説明する
工程図である。
【図9】 上記建築施工法に用いるジャッキを示す図で
ある。
【図10】 建物の一つの階を構成する柱を上記ジャッ
キの先端に嵌合させた状態を示す図である。
【図11】 上記柱に梁を接合した状態を示す図であ
る。
【図12】 建物の1階を構成する柱の下端近傍の取り
付け状態を示す図である。
【図13】 建物の構築期間中に設ける免震装置の取り
付け状態を示す図である。
【図14】 建物の構築期間中に地震が発生した場合の
上記免震装置の動作状態を示す図である。
【符号の説明】 1 作業床 2,12 梁 3,13 ブレース 4 ジャッキ 5 根がらみ 6 アイソレ
ータ 7 連結部材 9,11 柱
ユニット 10 最上階フレーム 20 躯体フ
レーム 21,…,28 構造体 30 屋根 31 床パネル 32,34,35 カーテンウォール 41 ロッド 42 ロッド先端 60 鉛プラグ 80 基礎 101 梁建方ロボット 102,103 床パネル敷設ロボット 104 壁パネル取付けロボット 105 柱ユニット挿入ロボット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐伯 紀男 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番 2号 株式会社奥村組内 (72)発明者 増田 正和 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番 2号 株式会社奥村組内 (72)発明者 藤村 文義 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番 2号 株式会社奥村組内 (72)発明者 岡平 博明 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番 2号 株式会社奥村組内 (72)発明者 中野 良則 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番 2号 株式会社奥村組内 (56)参考文献 特開 昭62−244941(JP,A) 特開 平1−169022(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04B 1/35 E04G 21/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の柱を有する構造体を上下方向に積
    層して構築する建物の1階上部に相当する位置に作業床
    を設けるとともに、地面に埋設した基礎上の、上記建物
    の1階を構成する上記構造体の柱を設けるべき各位置
    に、免震装置を介して、上記作業床から上方へ先端が突
    出する各1基のジャッキを立設し、 上記作業床上で、上記建物の一つの階をなす構造体を、
    この構造体を構成する柱を上記各ジャッキの直上に配置
    して構築し、 上記各ジャッキを伸長させて上記構造体の下部の高さが
    上記作業床レベルから一つの階の高さ分になるまでジャ
    ッキアップし、 上記ジャッキを一つずつ収縮させてその先端を作業床レ
    ベルまで下降させ、収縮させたジャッキの先端とその直
    上の柱との間に、下側の階となる構造体を構成すべき柱
    を逐次挿入した後、 上記作業床上で、上記挿入した各柱を用いて上記構造体
    の下に上記下側の階をなす構造体を構築することを特徴
    とする建築施工法。
  2. 【請求項2】 上記建物の各階をなす構造体のうち、最
    初に構築する最上階をなす構造体を他の階の構造体より
    も剛構造に組み立てたことを特徴とする請求項1に記載
    の建築施工法。
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