JP2829889B2 - 多重鋼管コンクリート柱によるリフトアップ工法 - Google Patents

多重鋼管コンクリート柱によるリフトアップ工法

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俊彦 山本
恵治 梶原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多重鋼管コンクリート
柱によるリフトアップ工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、柱を利用して、地組みしたス
ラブをリフトアップする工法がある。
【0003】しかしながら、上記従来のリフトアップ工
法は、建物の柱によるスラブの支持が十分でなく耐震性
等の問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するためになされたもので、その目的とす
るところは、構造強度が大きく耐震性に優れた建物を構
築することができる多重鋼管コンクリート柱によるリフ
トアップ工法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の多重鋼管コンク
リート柱によるリフトアップ工法は、構築すべき建物の
所定柱位置に内側鋼管柱を建て込み、該内側鋼管柱を支
柱にして、地組みしたスラブをリフトアップし、各階毎
に上記内側鋼管柱の外側に外側鋼管柱を取付け、該外側
鋼管柱の内部にコンクリートを充填することを特徴とす
る。
【0006】上記内側鋼管柱の内部は、コンクリートを
充填するか、中空にする。
【0007】上記スラブには、例えば上記内側鋼管柱を
挟むように取り付けた内側鋼管梁の周囲を外側鋼管梁に
より取り囲んだ構造の多管式鋼管梁を取付けるようにす
ることもできる。
【0008】リフトアップ後には、上記内側鋼管梁およ
び外側鋼管梁の内部にコンクリートを充填するか、選択
的に中空にしてもよい。
【0009】また、内側鋼管柱を多重に構成して、その
一部または全ての鋼管内を中空にすることも可能であ
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1において、1は内側鋼管柱であっ
て、建物の全ての柱位置に建て込まれる。該内側鋼管柱
1は建物の階層分の高さ(長さ)を有する。続いて、上
記内側鋼管柱1の内部にコンクリート2を圧入充填し
て、その軸耐力を向上せしめる。
【0011】次に、建物の階層分のスラブ3を地組みし
て、図2に示すように、順次リフトアップする。上記ス
ラブ3の地組みは、上記内側鋼管柱1の建て込み作業お
よびコンクリート2の充填作業と併行あるいはこれらの
作業の前に行なっても良い。
【0012】各スラブ3を所定の位置にリフトアップし
たら、図3に示すように、上記内側鋼管柱1の外側に、
外側鋼管柱4を取付け。該外側鋼管柱4の取付けは、各
階毎に行う。続いて、該外側鋼管柱4と内側鋼管柱1の
間の空間にコンクリート5を充填する。
【0013】尚、上記内側鋼管柱1および外側鋼管柱4
は丸鋼管に限定するものではなく、角鋼管鋼管であって
もよい。また、上記内側鋼管柱1の軸力が上記リフトア
ップに十分耐え得るものであれば、その内部へのコンク
リート2の充填を省略して中空にし、軽量化を図るよう
にしてもよい。
【0014】また、上記スラブ3に梁を一体的に組み付
けてリフトアップするには、図4および図5に示すよう
に、上記内側鋼管柱1を両側から挟むように、上記スラ
ブ3の下側に内側鋼管梁6を配置し、さらに、該内側鋼
管梁6の周囲に外側鋼管梁7を取付ける。
【0015】上記内側鋼管梁6と外側鋼管柱7のスラブ
3の下側への取付けは、スラブ3の地組みの際に行なっ
ても良く、また、スラブ3をリフトアップしてから取付
けても良い。図6に示すように、上記内側鋼管梁6およ
び外側鋼管梁7の内部の全て、あるいは一部にコンクリ
ート8を充填する。
【0016】図7は、鋼管梁を十字状に接合する場合の
別の実施例を示すもので、その接合部に接合プレート9
を設けて、該接合プレート9に開けた開口部に内側鋼管
柱1を挿通させた状態でリフトアップする。
【0017】
【発明の効果】構築すべき建物の所定柱位置に内側鋼管
柱を建て込み、該内側鋼管柱を支柱にして、地組みした
スラブをリフトアップし、各階毎に上記内側鋼管柱の外
側に外側鋼管柱を取付け、該外側鋼管柱の内部にコンク
リートを充填するようにしたので、構造強度が大きく耐
震性に優れた建物を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内側鋼管柱の立設およびコンクリートの充填を
示す作業説明図である。
【図2】スラブのリフトアップ作業の説明図である。
【図3】外側鋼管柱の取付けおよびコンクリート充填作
業を示す説明図である。
【図4】スラブに鋼管梁を取付けたリフトアップ工法の
説明図。
【図5】図4のイーイ線に沿った断面図である。
【図6】外側鋼管柱の取付けおよびコンクリートの充填
作業を示す断面図である。
【図7】梁を十字状に接合する平断面図である。
【符号の説明】
1 内側鋼管柱 2 コンクリート 3 スラブ 4 外側鋼管柱 5 コンクリート 6 内側鋼管梁 7 外側鋼管梁 8 コンクリート 9 接合プレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04B 1/35 E04B 1/30

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構築すべき建物の所定柱位置に内側鋼管
    柱を建て込み、該内側鋼管柱を支柱にして、地組みした
    スラブをリフトアップし、各階毎に上記内側鋼管柱の外
    側に外側鋼管柱を取付け、該外側鋼管柱の内部にコンク
    リートを充填することを特徴とする多重鋼管コンクリー
    ト柱によるリフトアップ工法。
  2. 【請求項2】 上記内側鋼管柱の内部にコンクリートを
    充填することを特徴とする請求項1に記載の多重鋼管コ
    ンクリート柱によるリフトアップ工法。
  3. 【請求項3】 上記スラブに、内側鋼管梁および外側鋼
    管梁を取付けることを特徴とする請求項1または2に記
    載の多重鋼管コンクリート柱によるリフトアップ工法。
  4. 【請求項4】 上記内側鋼管柱を両側から挟むように内
    側鋼管梁を取付けることを特徴とする請求項3に記載の
    多重鋼管コンクリート柱によるリフトアップ工法。
  5. 【請求項5】 リフトアップ後に上記内側鋼管梁および
    外側鋼管梁の内部にコンクリートを充填することを特徴
    とする請求項3または4に記載の多重鋼管コンクリート
    柱によるリフトアップ工法。
  6. 【請求項6】 上記内側鋼管柱を多重に構成して、その
    一部または全ての鋼管内を中空にすることを特徴とする
    請求項1ないし5のいずれか1に記載の多重鋼管コンク
    リート柱によるリフトアップ工法。
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JP3086866B2 (ja) * 1992-09-06 2000-09-11 株式会社竹中工務店 柱と床板とからなる架構の建築方法及び柱と床板との接合方法
JP6878898B2 (ja) * 2017-01-16 2021-06-02 株式会社大林組 屋根架構の施工方法

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