JP3520487B2 - 既存建築物の耐震補強構造 - Google Patents

既存建築物の耐震補強構造

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JP3520487B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既存建築物の耐震
性を向上させるための補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築物にはより高度の耐震性が要
求されるようになってきており、新たに構築される建築
物にはこれまで以上に耐震性に対して充分なる考慮がな
されることが当然となっている。しかし、過去に建設さ
れて現在においても使用されている既存建築物には、建
設当時においては充分な耐震性を有していると考えられ
ていたとしても現時点では耐震性が問題とされる場合も
あり、そのような既存建築物に対しては耐震性を向上さ
せるための補強が必要とされている。
【0003】建築年代の比較的古い既存建築物は、水平
方向の剛性が高いものの耐力が充分ではないものが多
く、したがってこのような既存建築物の耐震性を向上さ
せるためには、靱性を高めて許容変形量を大きくする
か、もしくは要所に耐震壁やブレース等の補強要素を設
けて耐力を増強させるという手法が考えられる。しか
し、既存建築物の靱性を高めることには著しく大規模な
改修工事が必要であって殆どが困難であるため、現実的
には既存建築物の内部に耐震壁を設けることで耐力を増
強するという手法が取られることが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、既存建
築物の内部に耐震壁やブレースを設けることは、技術的
には比較的簡便に行ない得るとはいえ、それらの設置可
能位置は平面プランに大きく制約されるものであり、使
用勝手が著しく損われてしまう等の理由により必要な位
置に自由に耐震壁やブレースを設けることができない場
合も多い。また、建物の内部を使用しながらの補強工事
は非常に難しく、多くの制約が生じる。したがってその
ような手法では所望の補強効果が得られない場合も多
く、有効な方策が望まれていた。
【0005】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、既存建築物の外周に補強フレームを組み込むこ
とにより耐震性を向上させることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された既
存建築物の耐震補強構造は、既存建築物の耐震性を向上
させるためのもので、既存建築物の周囲に、鉄骨からな
る柱と梁とが強固に結合され、この既存建築物に比べて
水平剛性が低く且つ固有周期を長く設定したラーメン構
造のフレームが既存建築物との間に間隔を空けて立設さ
れ、このフレームと既存建築物との間にダンパーが介挿
されてなることを特徴とする。
【0007】請求項2に記載された既存建築物の耐震補
強構造は、請求項1に記載された既存建築物の耐震補強
構造におけるフレームの上部に、フレームを長周期化さ
せるための錘となる重量物が固定されてなることを特徴
とする。錘となる重量物には、既存建築物の高架水槽や
冷水搭等を移設するのが有効である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る既存建築物の耐震補
強構造の実施の形態を図1および図2に示して説明す
る。図1に示す既存建築物1は、地盤G上に構築された
鉄筋コンクリート造の構造物であり、既存建築物1の基
礎1aは地盤G中に埋設された状態となっている。
【0009】既存建築物1の周囲および上方には、図
1、図2に示すように、既存建築物1を覆うように増設
フレーム(フレーム)10が構築されている。この増設
フレーム10は、鉄骨からなる柱と梁とが強固に接合さ
れて連続的に組み立てられたラーメン構造を有し、基礎
1aと一体に設けられた基礎10aに剛に立設されてい
る。
【0010】また、増設フレーム10は、既存建築物1
との間に間隔を空けて構築されており、既存建築物1の
外壁面1bに増設フレーム10を構成する柱梁10bが
それぞれ平行に相対した状態となっている。
【0011】既存建築物1の四方の外壁面1bと増設フ
レーム10を構成する柱梁10bとの間には、ダンパー
15が介挿されて双方に固定されている。このダンパー
15は、既存建築物1と増設フレーム10との固有周期
の差によって生じる外壁面1bと柱梁10bとの間隔の
相対的な変化に応じて作動され、既存建築物1および増
設フレーム10に伝わった振動エネルギーを吸収するよ
うになっている。
【0012】増設フレーム10は、鉄筋コンクリート造
の既存建築物1に比べてその水平剛性が低く、これによ
って地震動に対する増設フレーム10の固有周期が鉄筋
コンクリート造の既存建築物1の固有周期に比べて長く
設定されている。このとき、増設フレーム10の固有周
期の決定については、既存建築物1の振動性状を評価
し、その振動特性に最も連成しやすい固有周期を備える
ように設計されるものとする。
【0013】また、増設フレーム10の頭頂部には、既
存建築物1の屋上に設置されていた高架水槽や冷水搭、
キュービクル等の重量物20が移設され、増設フレーム
10の揺れを制御し、増設フレーム10を長周期化させ
るための錘として堅固に固定されている。
【0014】上記のような耐震補強構造を有する既存建
築物1に地震動が作用すると、既存建築物1および増設
フレーム10が振動を始める。ここで、増設フレーム1
0の固有周期は既存建築物1の固有周期よりも長く設定
されているので、既存建築物1と増設フレーム10とは
それぞれの固有周期で振動し、既存建築物1と増設フレ
ーム10との間隔は水平方向に相対的に変化する。
【0015】ダンパー15は、既存建築物1と増設フレ
ーム10との間隔の変化に応じて作動し、既存建築物1
および増設フレーム10に伝わった振動エネルギーを吸
収するので、既存建築物1と増設フレーム10とがお互
いに振動を抑制し合って制震効果が発揮される。
【0016】したがって、上記のような既存建築物の耐
震補強構造を採用すれば、既存建築物1と増設フレーム
10とがお互いに振動を抑制し合って制震効果が発揮さ
れるので、増設フレーム10を含めた既存建築物1全体
としての耐震性を向上させることができる。
【0017】また、増設フレーム10は既存建築物1の
周囲に配置されるので、既存建築物1の内部にほとんど
手を加える必要がなく、既存建築物1を使用しながらで
も補強工事を実施することができる。
【0018】増設フレーム10は柱梁間の開口を大きく
構成し、さらに既存建築物1の窓や出入り口の前に柱梁
を配置しないようにして、既存建築物1内部への採光や
人の出入りを妨げないようにすることが望ましい。ま
た、増設フレーム10を意匠的にデザインして、既存建
築物1の外装のリニューアルを実施することも可能であ
る。
【0019】なお、本実施の形態においては増設フレー
ム10をラーメン構造により構築したが、例えばトラス
構造等の他の構造により構築されたフレームを採用して
も同等の効果を得ることができる。
【0020】また、増設フレーム10の頭頂部に、錘と
なる重量物20として既存建築物1に備わる高架水槽や
冷水搭、キュービクル等の設備機器を移設したが、これ
らの移設を行なわず、純粋に錘としての重量物20を新
たに設置してもよい。
【0021】さらに、ダンパー15は既存建築物1の外
壁面と増設フレーム10の柱梁10bとの間に配した
が、この位置に限らず、既存建築物1および増設フレー
ム10の振動をより効果的に吸収する位置に設置される
ことが望ましい。
【0022】
【発明の効果】請求項1に記載された既存建築物の耐震
補強構造によれば、地震動によって既存建築物とフレー
ムとがそれぞれの固有周期で振動したとき、既存建築物
とフレームとの相対変位に応じてダンパーが作動し、既
存建築物およびフレームに伝わった振動エネルギーを吸
収するので、既存建築物とフレームとがお互いに振動を
抑制し合って制震効果が発揮される。したがって、フレ
ームを含めた既存建築物が制震構造を備えることによっ
て構造物全体としての耐震性を向上させることができ
る。また、フレームは既存建築物の周囲に配置されるの
で、既存建築物の内部にほとんど手を加える必要がな
く、既存建築物を使用しながらでも施工することができ
る。
【0023】請求項2に記載された既存建築物の耐震補
強構造によれば、フレームの上部に固定された重量物
が、地盤の揺れと相反する方向に移動し、地盤につられ
て移動するフレームの揺れを打ち消す方向に力が発生し
てフレームの揺れが制御され、フレームに既存建築物の
振動特性に最も連成しやすい固有周期を与えることがで
きるので、既存建築物とフレームとをより効果的に連成
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る既存建築物の耐震補強構造の実施
の形態を示す側方断面図である。
【図2】図1におけるII−II線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 既存建築物 1a 基礎 10増設フレーム(フレーム) 15 ダンパー 20 重量物 G 地盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−235890(JP,A) 特開 平4−47073(JP,A) 特開 平7−34543(JP,A) 特開 平7−252967(JP,A) 特開 平9−203217(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 23/02 E04H 9/02 351

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存建築物の耐震性を向上させるための
    補強構造であって、 前記既存建築物の周囲に、鉄骨からなる柱と梁とが強固
    に結合され、該既存建築物に比べて水平剛性が低く且つ
    固有周期を長く設定したラーメン構造のフレームが既存
    建築物との間に間隔を空けて立設され、 該フレームと既存建築物との間にダンパーが介挿されて
    なることを特徴とする既存建築物の耐震補強構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された既存建築物の耐震
    補強構造において、 前記フレームの上部に、フレームを長周期化させるため
    の錘となる重量物が固定されてなることを特徴とする既
    存建築物の耐震補強構造。
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